JP2005313609A - 塗装鋼板 - Google Patents

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亘江 藤林
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Abstract

【課題】 耐食性を損なうことなく電磁波シールド性不足の問題を解消できる塗装鋼板を提供する。
【解決手段】 鋼板の片面または両面に、中心核の表面に微細突起を有し、且つ平均粒径(r)が1μm以上10μm以下の導電性物質を5質量%以上35質量%以下含有する塗膜を有する塗装鋼板であって、前記塗膜は、塗膜厚(t)が0.5μm以上5.5μm以下、且つ前記塗膜厚(t)と前記平均粒径(r)は下式(1)を満足する。0.3r≦t≦1.2r+0.5…(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、主として家電製品、オーディオ製品に用いられる鋼板であって、導電性、耐食性、加工性及び電磁波シールド性に優れる塗装鋼板に関する。
近年、エレクトロニクス化が急速に発展し、電磁波ノイズが他の電子機器の誤作動を起こすことによる事故の誘発や、一般家庭内においてもパーソナルコンピューターなどの普及により、テレビ受像などに電磁波障害を及ぼすことが増加している。さらに、電磁波が人体に悪影響を及ぼすことも示唆されており、電磁波シールドに対する規制もますます厳しくなってきている。また家電製品の大型化などにより従来に比べノイズシールドが困難となってきており、電磁波シールド技術の向上が必要となっている。
本来、電磁波ノイズは、発生源を含む筐体がFeなどの導電性物質で囲われアースが取られていれば、外部にノイズとして漏洩せず問題にならない。つまり、筐体内面が未塗装の鋼板やZnめっき鋼板などで導電性を有するものであれば問題は無い。しかし、筐体外面はもとより内面においても、耐食性や意匠性の付与のため非導電性皮膜を有する鋼板が多く用いられている。
そのため、導電性を必要とする筐体内面に使用される鋼板面に、薄膜のクロメートなどの化成処理を施したもの、または前記化成処理を行った後導電性物質を含有させた樹脂組成物(塗料)を塗布したものなどが用いられてきた。
化成処理後樹脂を塗布する場合では、下地鋼板の表面粗さ及び塗装後の表面粗さを規定する方法(特許文献1参照)、部分被覆により非被覆部分で導電性を確保する方法(特許文献2参照)などが開示されているが、製造によるばらつきによって導電性不良となりやすく電磁波漏洩を十分に遮断することは難しい。
樹脂中に

導電性物質を含有させる方法として、特許文献3では平均粒径0.1〜50μmの異形状金属Niフィラーを固形分重量比で10〜70%複合添加し0.5〜5μmの高分子ポリエステル樹脂塗膜を形成させる方法
が開示されている。しかし、Niフィラー粒径、フィラー量、樹脂皮膜厚が電磁波シールド性に及ぼす影響が大きく、安定した電磁波シールド性を確保することは困難であった。
また、近年リサイクルの観点より筐体のビス止め本数を少なくするなど筐体接合部にかかる荷重が低下しているため、電磁波が漏洩する隙間ができやすく、電磁波シールド性には不利な方向であり、これらの開示された技術では電磁波シールド性の確保が一層困難となってきている。
さらに、近年環境の観点よりCrを使用しないクロメートフリー鋼板が主流となってきている。同一膜厚ではクロメートに比べクロメートフリー化成は耐食性が低下するため、化成処理のみの処理及び樹脂塗装下地化成処理ともに、従来のクロメート処理に比べて厚膜化が必要となり、電磁波シールド性は不十分となってきている。
家電製品、オーディオ製品に用いられる鋼板は、製品の寿命の点から、放熱性に優れることがより好ましい。上記の先行技術では、放熱性の向上を目的とするものはない。
特開昭63−7878号公報 特開昭63−114635号公報 特開平7−265791号公報
本発明は、筐体のビス止め本数を少なくすることなどにより起こる電磁波シールド性不足の問題を解消し、またCrを使用しないクロメートフリー化成においても耐食性を損なうことなく電磁波シールド性不足の問題を解消できる塗装鋼板を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨は以下の通りである。
第1発明は、鋼板の片面または両面に、中心核の表面に微細突起を有し、且つ平均粒径(r)が1μm以上10μm以下の導電性物質を5質量%以上35質量%以下含有する塗膜を有する塗装鋼板であって、前記塗膜は、塗膜厚(t)が0.5μm以上5.5μm以下、且つ前記塗膜厚(t)と前記平均粒径(r)は下式(1)を満足することを特徴とする塗装鋼板である。
0.3r≦t≦1.2r+0.5…(1)
第2発明は、第1発明において、前記導電性物質がNiであることを特徴とする塗装鋼板である。
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記微細突起の形状は、針状、スパイク状、粒状および球状のうちのいずれか1の形状、またはこれらのうちの2以上が混在する形状であることを特徴とする塗装鋼板である。
第4発明は、鋼板の片面または両面に、下層としてクロムを含有しない化成処理皮膜と、前記下層の上に上層として第1発明〜第3発明のうちのいずれかの発明に記載の塗膜を有することを特徴とする塗装鋼板である。
第5発明は、第1発明〜第4発明において、鋼板が合金化溶融めっき鋼板又はZn−Niめっきの黒化処理板であることを特徴とする塗装鋼板である。
なお、本明細書において、塗膜中のNi含有量を示す%は質量%を意味する。
本発明によれば、筐体のビス止め本数を少なくすることなどにより起こる電磁波シールド性不足の問題を解消し、またCrを使用しないクロメートフリー化成においても耐食性を損なうことなく、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性に優れる塗装鋼板が得られる。また、ベースとなる鋼板として、合金化溶融めっき鋼板又はZn−Niめっきの黒化処理板を使用することで、さらに放熱性に優れる塗装鋼板が得られる。
以下、本発明について詳しく説明する。
塗膜中に含有させる導電性物質は、電磁波シールド性の点からは、Ni、ステンレス、アルミニウム、鉄等の透磁率の高いものが好ましく、耐食性を考慮すると、Niが好適である。
<Ni形状最適化>
そこで、本発明者等は、塗膜中に導電性物質として種々の形状、含有量のNi(金属Ni)を添加した塗装鋼板の導電性、電磁波シールド性を評価した。その結果、Ni形状・添加量がそれら性能に影響を及ぼすことがわかった。
基本的に、絶縁塗膜中の導電性物質は、下地鋼板と塗膜表面に接触する物質とを電気的に接続状態とするために添加するものであるため、導電性物質は塗膜中を貫通していること又は塗膜表面に接触している物質からの圧力により塗膜を貫通することが必要である。
導電性物質が鱗片状やフレーク状の薄片では、下地鋼板から塗膜表面に貫通するような形態に制御することは困難であり、必要な導電性や電磁波シールド性を得るためには、添加量を多くしなければならない。
球状の導電性物質では、塗膜厚以下の粒径では物理的に塗膜表面から下地鋼板へ貫通させることは困難である。貫通させるためには、粒径を塗膜厚以上に大きくすることで可能であるが、塗布時に導電性物質表面に樹脂皮膜が0.1〜0.5μm程度被覆されやすいため、導電性物質が塗膜厚より大きなものであっても、塗膜表面から下地鋼板への電気的な通電状態の確保には、大きな荷重をかけ樹脂の圧縮変形量を多くしなければならない。また、塗膜厚の約3倍以上の粒径では、プレス加工時に導電性物質が脱落する危険性がある。
導電性物質が鎖状や棒状であっても薄片と同様、短径の寸法が塗膜厚以下では貫通の確率は少なくなる。また、短径の寸法が塗膜厚以上であっても、球状の場合と同様に導電性物質表面を樹脂が覆い易く電気的通電には不利である。
本発明では、塗膜中に添加する導電性物質として、中心に核を持ちその表面に微細突起を形成させたNiを用いることにより、塗布時のNi表面への樹脂の被覆を軽減し、さらには軽荷重で樹脂の変形量が少なくても電気的通電状態の確保が可能であることがわかった。これは、突起と突起の間には樹脂が被覆されるものの、突起上では樹脂が薄くなりやすいためである。
Niは平均粒径(半径:r)が1μm以上10μm以下であることが必要である。平均粒径(r)が1μm未満では、導電性及び電磁波シールド性を確保するためには塗膜厚を薄くする必要があり耐食性に劣る。平均粒径(r)が10μm超では塗料中でのNiの沈降が多くなり、塗膜中へのNiの分散が困難となる。平均粒径は、微細突起部分を含んだ粒子全体の寸法である。平均粒径は、気流式粒度分布測定機(Heros&Rodes)を用い、体積積算50%値に相当する粒子径である。
突起部の形状が針状、スパイク状、粒状、球状であることにより、その効果はさらに発揮され、より軽荷重で樹脂を突き破るように突起部上部が樹脂から露出しやすくなり、塗膜表面から下地鋼板への電気的な接続状態が起こりやすい。
ここで、突起部の形状が針状とは、突起部の頂部が尖っており、突起部基部の寸法(幅)に対して突起部の高さが大きいもの(すなわち、縦長のもの)、スパイク状とは、突起部の頂部が尖っており、突起部基部の寸法(幅)に対して突起部の高さが針状ほど縦長でないもの、球状とは、突起部分の頂部は尖っておらず、突起部基部の寸法(幅)に対して突起部の高さが大きいもの(すなわち、縦長のもの)、粒状とは突起部分の頂部は尖っておらず、突起部基部の寸法(幅)に対して突起部の高さが針状ほど縦長でないものである。前述の形状の突起部は、何れかが単独で核の表面に存在するものであってもよいし、2以上が混在するものであってもよい。
核は通常略球状である。必ずしも完全な球状である必要はない。優れた導電性と電磁波シールド性を発現するには、突起の高さ(h)は、粒径(全体の大きさ;半径r)に対して、h/rは0.1以上であることが好ましい。突起部の高さが高くなりすぎると、突起部の頂部が損傷し易くなるので、h/rは0.5以下が好ましい。
<Ni粒径及び塗膜厚の最適化>
核の表面に微細突起を有するNiの最適な粒径と樹脂膜厚とを検討した。
粒径を変更したNiを用い塗膜厚を変更して、導電性及び電磁波シールド性及びプレス加工性を評価した。図1はNi粒径、塗膜厚の導電性、電磁波シールド性に及ぼす影響を説明する図である。Ni粒径rと塗膜厚tが、t≦1.2r+0.5の関係を満足しないと、導電性及び電磁波シール性が劣り、t≦1.2r+0.5の関係を満足する領域では、塗膜厚tが5.5μm超では導電性が良好であっても電磁波シールド性が低下し、電磁波シールド性を良好にするには塗膜厚tを5.5μm以下とする必要のあることがわかった。そのため、導電性及び電磁波シールド性が良好となる領域は、t≦1.2r+0.5かつ塗膜厚tが5.5μm以下を満足する領域である。また、耐食性の観点から、塗膜厚tが0.5μm以上の塗膜を形成する必要がある。
また、Ni粒径に比べ塗膜厚tが薄すぎる場合も、Niの露出が多くなり耐食性は劣化する。さらにプレス加工性も同様の傾向である。t<0.3rでは耐食性が低下し、さらにプレス加工時にNiの脱落と塗膜剥離量が多くなるため、t≧0.3rとする。
<Ni添加量の最適化>
塗膜中のNi添加量を変更し、導電性、電磁波シールド性及び加工性を評価した。Ni添加量が3%以下では導電性、電磁波シールド性ともに劣る。また、3%超5%未満では、導電性は良好になるものの、電磁波シールド性が不十分である。5%以上の添加により導電性、電磁波シールド性ともに良好となることがわかった。7%以上でより良好となる。また、Ni添加量が35%を超えると、塗膜の成膜性が劣化し、また、耐食性・加工性も劣化傾向にあるため35%以下とする必要がある。より好ましくは30%以下とする。
中心核の表面に微細突起を有するNiは、例えばNi金属塩溶液の電気分解によりNi粉を析出させることで製造できる。そのときの電析速度を変更することにより、微細突起形状の制御が可能である。
本発明に使用する塗膜の塗膜厚さおよび導電性物質については、前述のとおりである。塗膜の成分となる樹脂については特に限定しないが、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが使用できる。このうち、アクリル樹脂は曲げ加工性に劣り、エポキシ樹脂は耐候性に劣るため、ポリエステル樹脂が好ましい。また、樹脂との架橋反応により硬化塗膜を形成させるための硬化剤としては、アミノ樹脂または/およびポリイソシアネート化合物を用いることができる。このようにして得られた塗膜樹脂組成物には、目的、用途に応じてp−トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどの硬化触媒、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化チタン、弁柄、マイカ、カーボンブラック、アルミニウム粉などの顔料、天然ワックスまたは合成ワックスなどのワックス成分、その他消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を添加することができる。また、防錆を目的として、シリカ、カルシウム交換シリカ、リン酸亜鉛等の非クロメート系防錆剤を添加することができる。これらの添加剤は、目的および塗膜厚などに応じて適量添加する。また、塗膜を形成するための塗料組成物を実際に使用するに当たっては、これらを有機溶剤に溶解して使用する。
塗料組成物を調整するに当たっては、サンドグラインドミル、ボールミル、ブレンダーなどの通常の分散機や混練機を選択して使用し、各成分を配合することができる。塗膜の形成方法に特に制約はないが、好ましくは塗料組成物をロールコーター塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。
本発明において、塗膜形成のベースとなる鋼板は、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板などのめっき鋼板である。亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼(溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板)、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)などを用いることができる。アルミニウム系めっき鋼板としては、Al−5〜11%Si合金めっき鋼板(いわゆるタイプI)、純Al(少量のSi添加を含む)めっき鋼板(いわゆるタイプII)、などを用いることができる。
ベースとなる鋼板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、又はZn−Ni合金めっき鋼板を陽極酸化等により黒化処理したZn−Niめっきの黒化処理板を使用することにより、さらに放熱性も向上させることができる。放熱性は通常放射率によって評価されるが、電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の放射率が0.1以下に対して、これらの鋼板の放射率は0.4〜0.5であり、鋼板自体放熱性に富む。そのため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、又はZn−Niめっきの黒化処理板の片面または両面に、本発明で規定する塗膜を形成することにより、導電性、電磁波シールド性、耐食性、加工性に加え、放熱性をも兼ね備えた塗装鋼板を得ることができる。
本発明では、前記ベースとなる亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板などのめっき鋼板に、本発明で規定する導電性物質を含有させた塗料組成物を塗布し、しかる後、焼付け処理を行い、所要の塗膜を形成する。
また、前述の導電性物質を含む塗膜を形成させる前に、下地鋼板と塗膜との密着性の向上や耐食性の向上のために塗装前処理用化成処理を行うことができる。塗装前処理用化成は、クロメート処理、およびシリカを主成分とするクロメートを含有しない処理(クロメートフリー処理)があるが、環境調和性の観点から、クロメートフリー処理が好ましい。クロメートフリー処理は特に限定されない。前記したように、クロムフリー化成処理は、従来のクロメート処理に比べて厚膜化が必要となるが、厚膜化しても、前述の作用によって、下地鋼板と塗膜表面に接触する物質との電気的な通電状態が実現されるため、優れた導電性と電磁波シールド性が発現される。
(塗装板の調製)
板厚0.5mmの下記めっき鋼板を脱脂後、必要に応じて下記化成処理液を塗布し到達板温100℃で乾燥を行い、皮膜付着量が0.1g/mの化成処理皮膜を形成させた。その上にポリエステル系樹脂に種々の形状のNiを必要量添加した塗料組成物を所定の乾燥膜厚になるように塗布した後、焼付温度(到達温度)230℃、焼付時間60秒の焼付処理を行い、供試塗装鋼板を作製した。
(めっき鋼板)
溶融亜鉛めっき鋼板(付着量:30g/m):GI
電気亜鉛めっき鋼板(付着量:20g/m):EG
Zn−55%Alめっき鋼板(付着量:60g/m):GL(いわゆるガルバリウム鋼板)
(化成処理液)
乾式又は湿式シリカ5質量%とZr化合物5質量%を含有する化成処理液
(塗料組成物作成方法)
形状、大きさの異なるNiを準備し、ポリエステル系樹脂に前記Niを必要量添加し、メカニカルスターラーで1時間の攪拌を行った。準備したNiの外観をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、その表面に微細突起の有無、微細突起のあるものは、突起形状を観察し、最も多く存在する突起形状を、当該Niの突起形状とした。
供試塗装鋼板の作製条件を表1〜表3に示す。前記で作製した供試塗装鋼板の導電性、電磁波シールド特性、耐食性、加工性を以下のように評価した。
(導電性評価方法)
供試塗装板を、低抵抗測定装置(ロレスタGP:三菱化学(株)製:ESPプローブ)を用い、表面抵抗値を測定した。その時、プローブ先端にかかる荷重を20g/sで増加させ、表面抵抗値が10−4Ω以下になった時の荷重を測定し、導電性は10点測定の平均荷重で評価した。
○:500g以下
△:500g超え700g以下
×:700g超え
(電磁波シールド性評価方法)
5面をAl板、1面を幅20mmのフランジを有する開口部とした100×100×100mmのAl製筐体の中に20MHzのデジタル発信器を内蔵させ、開口部に前述の種々の供試塗装鋼板を乗せ、荷重を1Kgとして外部に漏洩する20MHz〜1GHzの電磁波ノイズを測定した。受信用アンテナは筐体フランジ部から50mmの位置に設け、フランジと塗装鋼板の間には厚さ1mmのガスケットを用いた。また、電磁波シールド性は、最大10点のノイズの平均値に基き以下のように評価した。なお、めっきままの原板での最大10点のノイズの平均は54dB、導電性の無い塗膜を10μm塗布したものでは66dBである。
◎:57dB以下
○:57dB超え60dB以下
△:60dB超え63dB未満
×:63dB以上
(耐食性評価方法)
供試塗装鋼板の試験片の4辺をシールし、JIS−SSTにより平板部の評価を行った。48時間での白錆発生面積率を求め、白錆発生面積率に応じて以下のように評価した。
○:白錆発生面積率5%以下
△:白錆発生面積率5%超え20%以下
×:白錆発生面積率20%超え
(加工性評価方法)
供試塗装鋼板を50mmφの円筒ポンチを用い、絞り比2.0でカップ成形した。カップ外面を24×60mmテープにてテープ剥離を行い、皮膜剥離量を蛍光X線によるC量のカウント数に基づき以下のように評価した。
○: 10Kcps以下
△: 10Kcps超え30Kcps以下
×: 30Kcps超え
使用したNiの条件および評価結果を表1〜表3に記載する。
Figure 2005313609
Figure 2005313609
Figure 2005313609
本発明例の塗装鋼板は、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性の評価が全て「○」または「◎」であり、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性に優れる。
比較例の塗装鋼板は、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性のうちの少なくとも1の特性の評価が「△」または「×」であり、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性のうちのいずれかの特性が劣る。
(塗装板の調製)
板厚0.5mmの下記めっき鋼板を脱脂後、必要に応じて下記化成処理液を塗布し到達板温100℃で乾燥を行い、皮膜付着量が0.1g/mの化成処理皮膜を形成させた。その上にポリエステル系樹脂に種々の形状のNiを必要量添加した塗料組成物を所定の乾燥膜厚になるように塗布した後、焼付温度(到達温度)230℃、焼付時間60秒の焼付処理を行い、供試塗装鋼板を作製した。
(めっき鋼板)
溶融亜鉛めっき鋼板(付着量:30g/m):GI
電気亜鉛めっき鋼板(付着量:20g/m):EG
Zn−55%Alめっき鋼板(付着量:60g/m):GL(いわゆるガルバリウム鋼板)
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(付着量:30g/m):GA
Zn-Ni黒化処理板:付着量20g/mのZn−Niめっき板を以下の条件で陽極酸化し、黒化処理板とした。
陽極酸化条件:塩素酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムを含む溶液(塩素酸イオン濃度:80g/l、硫酸イオン:100g/l、pH1.0、温度50℃)中でニッケル電極を対極として電流密度40A/dmで陽極酸化を行った。
(化成処理液)
乾式又は湿式シリカ5質量%とZr化合物5質量%を含有する化成処理液
(塗料組成物作成方法)
形状、大きさの異なるNiを準備し、ポリエステル系樹脂に前記Niを必要量添加し、メカニカルスターラーで1時間の攪拌を行った。準備したNiの外観をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、その表面に微細突起の有無、微細突起のあるものは、突起形状を観察し、最も多く存在する突起形状を、当該Niの突起形状とした。
供試塗装鋼板の作製条件を表4に示す。前記で作製した供試塗装鋼板の導電性、電磁波シールド特性、耐食性、加工性および放熱性を評価した。導電性、電磁波シールド特性、耐食性、加工性は実施例1と同様の条件で評価し、放熱性は以下のように評価した。
(放熱性測定方法)
京都電子工業(株)製の放射率計:D&S AERDを用い、波長3〜30μmでの放射率を測定した。
◎:0.7以上
○:0.5以上0.7未満
△:0.3以上0.5未満
×:0.3未満
使用したNiの条件および評価結果を表4に記載する。
Figure 2005313609
本発明例の塗装鋼板は、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性の評価が全て「○」または「◎」であり、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性に優れる。本発明例の塗装鋼板のうち、下地鋼板が、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、Zn−Niめっきの黒化処理板であるものは放射率が高く放熱性が優れる。
比較例の塗装鋼板は、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性のうちの少なくとも1の特性の評価が「△」または「×」であり、導電性、電磁波シールド性、耐食性及び加工性のうちのいずれかの特性が劣る。
本発明の塗装鋼板は、耐食性を損なうことなく、導電性、電磁波シールド性及び加工性に優れるので、またはさらに放熱性に優れるので、これらの特性が必要な用途、例えば、優れた電磁波シールド性が要求される家電製品、オーディオ製品に用いられる鋼板として使用することができる。
Ni粒径、塗膜厚の導電性、電磁波シールド性に及ぼす影響を説明する図である。

Claims (5)

  1. 鋼板の片面または両面に、中心核の表面に微細突起を有し、且つ平均粒径(r)が1μm以上10μm以下の導電性物質を5質量%以上35質量%以下含有する塗膜を有する塗装鋼板であって、前記塗膜は、塗膜厚(t)が0.5μm以上5.5μm以下、且つ前記塗膜厚(t)と前記平均粒径(r)は下式(1)を満足することを特徴とする塗装鋼板。
    0.3r≦t≦1.2r+0.5…(1)
  2. 前記導電性物質がNiであることを特徴とする請求項1に記載の塗装鋼板。
  3. 前記微細突起の形状は、針状、スパイク状、粒状および球状のうちのいずれか1の形状、またはこれらのうちの2以上が混在する形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装鋼板。
  4. 鋼板の片面または両面に、下層としてクロムを含有しない化成処理皮膜と、前記下層の上に上層として請求項1〜3のうちのいずれかの項に記載の塗膜を有することを特徴とする塗装鋼板。
  5. 鋼板が合金化溶融めっき鋼板又はZn−Niめっきの黒化処理板であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかの項に記載の塗装鋼板。
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