JP6609136B2 - 圧着接続構造、圧着接続装置及び圧着接続方法 - Google Patents

圧着接続構造、圧着接続装置及び圧着接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばアルミニウム電線等の電線と接続部材とを圧着接続してなる電線の圧着接続構造、この圧着接続構造を形成するための圧着接続装置及び圧着接続方法に関する。
1対の圧着片を有する圧着部(オープンバレル)を有する圧着接続部材においては、これら圧着片がクリンパの円弧面により曲げられる際に、それら先端同士が互いに当接して押圧し合うため、十分な加締め応力を電線に与えることができず、所望の電気抵抗及び圧着強度が得られないことのみならず、先端同士の押圧によって圧着片が座屈(塑性変形)することから温度の影響を受けやすくなり、長期信頼性が極端に低下するおそれがあった。
特許文献1には、このような不都合を解消するべく、端子金具の圧着片が押圧可能に配置されるクリンパの加締め部に、第1円弧面と、この第1円弧面よりも曲率半径が小さい第2円弧面と、第1円弧面から端子金具の圧着片に対するクリンパの押圧方向と直交する方向に連続する第1平坦面と、第1平坦面から押圧方向に沿って延設された段差面と、段差面から押圧方向と直交する方向に延び第2円弧面に連続する第2平坦面とを設け、これら第1円弧面、第2円弧面、段差面、第1平坦面及び第2平坦面によって加締め部のアーチ形を形成し、段差面がこのアーチ形の中央からずれた所に位置させるように構成した端子圧着装置が開示されている。
この端子圧着装置は、押圧方向と直交する第1平坦面及び第2平坦面を設け、第1円弧面に連続した第1平坦面から押圧方向に沿って延設された段差面を加締め部のアーチ形の中央からずらして配置することにより、端子金具の一方の圧着片を他方の圧着片の内側に案内し、この他方の圧着片を一方の圧着片にオーバーラップさせようとするものである。
特開2009−135022号公報
この特許文献1に記載された端子圧着装置によると、他方の圧着片の先端が段差面に当接してこの段差面を押圧している状態で、一方の圧着片がオーバーラップするように構成されている。このため、この他方の圧着片の長さと段差面の位置とを高精度で規定する必要がある。さもないと、この他方の圧着片の先端が段差面に過剰に押圧され座屈(塑性変形)してしまう可能性がある。また、端子圧着装置の加締め部を単純な円弧面形状ではなく、所定位置に段差面を設けた精密かつ複雑な形状とする必要があるため、その製造及び調整にはかなりの困難が伴っていた。
従って本発明の目的は、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われ、信頼性の高い圧着接続を行うことができる圧着接続構造、圧着接続装置及び圧着接続方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、圧着接続装置の製造及び調整が容易な圧着接続構造、圧着接続装置及び圧着接続方法を提供することにある。
本発明によれば、圧着接続部材が底板部の両端から立ち上がる第1及び第2の圧着片を有する圧着部を備えており、第1の圧着片のみに当接して押圧する第1の押圧部と、第2の圧着片のみに当接して押圧すると共に第1の押圧部より深い位置に形成された第2の押圧部とを備えたクリンパによって、圧着接続部材の圧着部が押圧されることによって圧着部内に挿入されている電線と該圧着部とが圧着接続されている圧着接続構造が提供される。
クリンパの第1の押圧部が圧着接続部材の第1の圧着片のみに当接して押圧し、第2の押圧部が第2の圧着片のみに当接して押圧するように構成されており、第2の押圧部がこの第1の押圧部より深い位置に形成されているため、最初に第1の圧着片のみが押圧されて電線に圧着され、その後に第2の圧着片が押圧され第1の圧着片にオーバーラップする形態で圧着される。このため、第1の圧着片及び第2の圧着片の先端同士が互いに当接して押圧し合うことがなく、十分な加締め応力を電線に与えることができるから、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われる。また、加締め作業によって圧着片が座屈(塑性変形)することがないため、長期に信頼性の高い圧着接続を行うことができる。特に、本発明によれば、圧着接続部材の圧着片の長さを高精度で規定する必要がなく、クリンパの押圧部を複雑な形状とする必要もないため、圧着接続装置の製造及び調整が非常に容易となる。
第2の圧着片が圧着接続部材の軸方向において第1の圧着片の一部区間にのみ形成されており、第1の押圧部は圧着接続部材の軸方向の一部区間を除く区間において第1の圧着片を押圧するように構成されており、第2の押圧部は圧着接続部材の軸方向の一部区間において第2の圧着片を押圧するように構成されていることが好ましい。
圧着接続部材の第1の圧着片の上に第2の圧着片が圧着されていることも好ましい。
第2の圧着片の形成された上述の一部区間が、圧着接続部材の軸方向において圧着部の中央部に形成された区間であることも好ましい。
第2の圧着片の形成された上述の一部区間が、圧着接続部材の軸方向において圧着部の両端部に形成された区間であることも好ましい。
圧着接続部材が、銅又は銅合金の表面に錫メッキ層を有する部材であることも好ましい。
電線が、アルミニウム電線であることも好ましい。
先端部に設けられた舌部と、舌部の基端部に設けられた圧着部とを備えている圧着接続端子であることも好ましい。
圧着部が両端部に設けられた圧着スリーブであることも好ましい。
本発明によれば、さらに、圧着接続部材が底板部の両端から立ち上がる第1及び第2の圧着片を有する圧着部を備えた圧着接続部材を載置するアンビルと、アンビル上に載置された圧着接続部材の圧着部を押圧するクリンパとを備えており、クリンパが第1の圧着片のみに当接して押圧する第1の押圧部と、第2の圧着片のみに当接して押圧すると共に第1の押圧部より深い位置に形成された第2の押圧部とを備えている圧着接続装置が提供される。
クリンパの第1の押圧部が圧着接続部材の第1の圧着片のみに当接して押圧し、第2の押圧部が第2の圧着片のみに当接して押圧するように構成されており、第2の押圧部がこの第1の押圧部より深い位置に形成されているため、最初に第1の圧着片が押圧されて電線に圧着され、その後に第2の圧着片が押圧され第1の圧着片にオーバーラップする形態で圧着される。このため、第1の圧着片及び第2の圧着片の先端同士が互いに当接して押圧し合うことがなく、十分な加締め応力を電線に与えることができるから、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われる。また、加締め作業によって圧着片が座屈することがないため、長期に信頼性の高い圧着接続を行うことができる。特に、本発明によれば、圧着接続部材の圧着片の長さを高精度で規定する必要がなく、クリンパの押圧部を複雑な形状とする必要もないため、圧着接続装置の製造及び調整が非常に容易となる。
第2の圧着片が圧着接続部材の軸方向において第1の圧着片の一部区間にのみ形成されており、第1の押圧部は圧着接続部材の軸方向の一部区間を除く区間において第1の圧着片を押圧するように構成されており、第2の押圧部は圧着接続部材の軸方向の一部区間において第2の圧着片を押圧するように構成されていることが好ましい。
第1の圧着片の上に第2の圧着片が圧着されるように、第1の押圧部によって第1の圧着片を押圧し、第2の押圧部によって第2の圧着片を押圧するように構成されていることも好ましい。
本発明によれば、またさらに、底板部の両端から立ち上がる第1及び第2の圧着片を有する圧着部を備えた圧着接続部材の圧着部内に電線を挿入し、第1の圧着片のみに当接して押圧し、一方、第2の圧着片のみに当接して第1の圧着片より深い位置で押圧する圧着接続方法が提供される。
第1の圧着片のみに当接して押圧されて電線に圧着され、一方、第2の圧着片のみに当接して第1の圧着片より深い位置で押圧するので、この第2の圧着片は第1の圧着片にオーバーラップする形態で圧着される。このため、第1の圧着片及び第2の圧着片の先端同士が互いに当接して押圧し合うことがなく、十分な加締め応力を電線に与えることができるから、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われる。また、加締め作業によって圧着片が座屈することがないため、長期に信頼性の高い圧着接続を行うことができる。特に、本発明によれば、圧着接続部材の圧着片の長さを高精度で規定する必要がなく、クリンパの押圧部を複雑な形状とする必要もないため、圧着接続装置の製造及び調整が非常に容易となる。
圧着部の第2の圧着片が圧着接続部材の軸方向において第1の圧着片の一部区間にのみ形成されており、圧着接続部材の軸方向の一部区間を除く区間において第1の圧着片のみに当接して押圧し、圧着接続部材の軸方向の一部区間において第2の圧着片のみに当接して押圧することが好ましい。
第1の圧着片の上に第2の圧着片が圧着されるように第2の圧着片を押圧することも好ましい。
本発明によれば、第1の圧着片及び第2の圧着片の先端同士が互いに当接して押圧し合うことがなく、十分な加締め応力を電線に与えることができるから、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われる。また、加締め作業によって圧着片が座屈することがないため、長期に信頼性の高い圧着接続を行うことができる。特に、本発明によれば、圧着接続部材の圧着片の長さを高精度で規定する必要がなく、クリンパの押圧部を複雑な形状とする必要もないため、圧着接続装置の製造及び調整が非常に容易となる。
本発明の一実施形態として圧着接続装置の全体構成を概略的に示す正面図である。 図1の実施形態における圧着接続端子の一例を示す斜視図である。 図2に示す圧着接続端子について、(A)はその圧着部を側面から見た状態を示す側面図、(B)は折り曲げ加工前の平面状態を示す平面図である。 図1の実施形態におけるクリンパの構造の一例を概略的に示しており、(A)は分解斜視図、(B)は斜視図である。 図4に示すクリンパの押圧溝の構造を説明するための破断斜視図である。 図1の実施形態において、圧着が行われる過程を時系列で概略的に示す側面図である。 図1の実施形態における圧着接続端子の圧着処理後の形状を模式的に示す斜視図である。 本発明の他の実施形態における圧着接続端子について、(A)はその圧着部を側面から見た状態を示す側面図、(B)は折り曲げ加工前の平面状態を示す平面図である。 図8の実施形態における圧着接続端子の圧着処理後の形状を模式的に示す斜視図である。
図1は本発明の一実施形態として圧着接続装置の全体構成を概略的に示しており、図2は本実施形態における圧着接続端子の一例を示しており、図3はこの圧着接続端子について、(A)その圧着部を側面から見た状態、(B)折り曲げ加工前の平面状態をそれぞれ示している。
これらの図において、10は例えば銅又は銅合金(例えば、銅ニッケル合金)の表面に錫メッキが施されている圧着接続端子、11は圧着接続端子10の基端に設けられ電線に圧着される圧着部(オープンバレル)、12は圧着接続端子10の先端部に設けられ相手側部品に接続される舌部(タング)、13は圧着部11内に挿入されており例えば表面にエナメル層等の絶縁層が被着されているアルミニウム電線等の電線をそれぞれ示している。この例では、電線13が3本の心線から構成されている。電線13が挿入された圧着部11は、アンビル14の載置台14a上に載置されている。アンビル14の上方には、アンビル14の載置台14aに対向した押圧溝16を有し、上下方向に平行移動可能なクリンパ15が設けられている。クリンパ15が下降することにより、その押圧溝16によって載置台14a上の圧着部11が電線13を囲い込むように押圧されて加締められ、その結果、圧着部11と電線13との圧着処理がなされる。
圧着接続端子10の圧着部11は、図2及び図3に示すように、その軸方向(図3(B)の上下方向)に伸長する底板部11aと、この底板部11aの軸方向の両側端に連結されておりこれら両側端から立ち上がる第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cとを有している。
第2の圧着片11cの軸方向長さは第1の圧着片11bの軸方向長さに比して短く構成されている。即ち、第2の圧着片11cは、軸方向において圧着部11の中央部の一部区間にのみ形成されている。具体的には、本実施形態においては、図3(B)に示すように、第1の圧着片11bが軸方向において、圧着部11の区間La、区間Lb及び区間Lcに渡って形成されているのに対し、第2の圧着片11cは第1の圧着片11bの軸方向の中央部の一部区間である区間Lbに対応する部分にのみ形成されている。
また、第1の圧着片11bの先端は、図3(A)から明らかのように、内側(電線13が挿入される側)に向かって折り曲がって構成されている。
図2に示すように、底板部11a、第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cの内面(電線13が挿入される側の面)には、電線13への食い込みを確実にするための多数の凸部を備えたセレーションが形成又は取り付けられている。ただし、このセレーションは、多数の凹部を備えていても良いし、形成しなくとも良い。
図4は本実施形態におけるクリンパ15の構造の一例を概略的に示しており、図5はクリンパ15の押圧溝16の構造を説明するための図である。
図4に示すように、クリンパ15は、その下方に、圧着接続端子10の圧着部11の押圧及び加締めを行うための押圧溝16を備えている。このクリンパ15は、3つの部分15a、15b及び15cから概略的に構成されており、これら3つの部分15a、15b及び15cは下方に、押圧溝16の溝部分16a、16b及び16cをそれぞれ備えている。クリンパ15の3つの部分15a、15b及び15cは、加締めを行う圧着接続端子の軸方向に互いに重畳されて連結固定されている。押圧溝16の溝部分16a、16b及び16cは、圧着接続端子10の圧着部11の区間La、区間Lb及び区間Lcにそれぞれ対応しており、幅LA、LB及びLCをそれぞれ有している。溝部分16bの幅LBは圧着接続端子10の圧着部11の区間Lbよりも若干幅広に形成されている。圧着時は、押圧溝16の溝部分16aが圧着部11の区間Laに当接し押圧することにより加締めが行われ、押圧溝16の溝部分16bが区間Lbに当接し押圧することにより加締めが行われ、押圧溝16の溝部分16cが区間Lcに当接し押圧することにより加締めが行われるように構成されている。
本実施形態における押圧溝16の溝部分16a及び16cは本発明の第1の押圧部に対応しており、圧着接続端子10の圧着部11の区間La及び区間Lcに形成された第1の圧着片11bに当接して圧着処理を行うように構成されている。また、本実施形態における押圧溝16の溝部分16bは本発明の第2の押圧部に対応しており、圧着接続端子10の圧着部11の区間Lbに形成された第2の圧着片11cに当接して圧着処理を行うように構成されている。
図1に示すように、押圧溝16の溝部分16a〜16cの各々の内面は、圧着部の軸に垂直な断面(図1の平面)において、下方に位置する開口部から徐々に幅が狭くなる傾斜面161となっており、この傾斜面161に続いて、テーパ面162となっており、さらに、円弧状の底面(頂面)163に向かって緩やかに連続する形状となっている。この円弧面である底面163が押圧面を構成している。
図5に示すように、溝部分16bは、溝部分16a及び16cよりその深さ(開口から底面までの長さ)が深く構成されており、従って、第2の押圧部(溝部分16b)は第1の押圧部(溝部分16a及び16c)より深い位置に形成されている。このため、このクリンパ15を用いて圧着接続端子10の圧着部11の圧着動作を行うと、第1の圧着片11bが第1の押圧部(溝部分16a及び16c)によって押圧されて電線13に直接的に圧着され、第2の圧着片11cが第2の押圧部(溝部分16b)によって押圧されて第1の圧着片11bの上にオーバーラップして圧着されることとなる。本実施形態における重要なポイントは、(1)圧着接続端子10の圧着部11の第1の圧着片11bは押圧溝16の溝部分16a及び16cのみに侵入して当接し、溝部分16bには侵入して当接しないこと、(2)圧着接続端子10の圧着部11の第2の圧着片11cは押圧溝16の溝部分16bのみに侵入して当接し、溝部分16a及び16cには侵入して当接しないこと、(3)押圧溝16の溝部分16bは溝部分16a及び16cより深い位置に形成されていることにある。この3つの重要なポイントを有するために、第2の圧着片11cは必ず第1の圧着片11bにオーバーラップする形態で圧着され、第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cの先端同士が互いに当接して押圧し合うことがなく、十分な加締め応力を電線に与えることができるから、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われると共に、加締め作業によってこれら第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cが座屈することがないため、長期に信頼性の高い圧着接続を行うことができるのである。
図6(A)〜(J)は本実施形態において、圧着が行われる過程を時系列で概略的に示している。以下、同図を用いて圧着処理動作を詳細に説明する。
まず、図6(A)に示すように、圧着すべき電線13を圧着接続端子10の圧着部11内にその軸方向に沿って挿入した圧着部11をアンビル14の載置台14a上に載置固定する。
この状態でクリンパ15が下方向に移動すると、図6(B)に示すように、押圧溝16の溝部分16a〜16cの開口部に続く傾斜面161が圧着接続端子10の圧着部11の第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cの先端部に当接し、さらに、図6(C)に示すように、溝部分16a〜16cの傾斜面161に続くテーパ面162がこれら第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cの先端部に当接して摺動する。前述したように、圧着部11の第1の圧着片11bの先端部は押圧溝16の溝部分16a及び16cに侵入するが、溝部分16bには侵入しない。また、圧着部11の第2の圧着片11cの先端部は押圧溝16の溝部分16bに侵入するが、溝部分16a及び16cには侵入しない。ここで、溝部分16bの幅LBが第2の圧着片11cの幅Lbより若干広いため、溝部分16a及び16cに接することなく溝部分16bに侵入する。
次いで、さらにクリンパ15が下方向に移動すると、図6(D)に示すように、溝部分16a及び16cの円弧面である底面163が圧着部11の第1の圧着片11bの先端部に当接する。溝部分16bの底面164は、深い位置に形成されているため、溝部分16bに侵入した第2の圧着片11cの先端部にはこの時点では当接しない。
次いで、クリンパ15がさらに下方向に移動すると、図6(E)及び(F)に示すように、溝部分16a及び16cの円弧面である底面163が圧着部11の第1の圧着片11bの先端部を押圧するため、これら第1の圧着片11bの折り曲げが始まり、それらの先端部が底面163に沿って内側方向に移動する。この段階でも、溝部分16bの底面164は、溝部分16a及び16cに挟まれて深い位置に形成されているため、第2の圧着片11cの先端部には当接しない。
次いで、クリンパ15がさらにまた下方向に移動すると、図6(G)に示すように、溝部分16a及び16cの円弧面である底面163の押圧により圧着部11の第1の圧着片11bは電線13(図1)を抱え込むように折り曲げられる。さらに、溝部分16bの円弧面である底面164が第2の圧着片11cの先端部に当接してこれを押圧するため、第2の圧着片11cの折り曲げが始まる。
その後、クリンパ15がさらに下方向に移動すると、図6(H)に示すように、溝部分16a及び16cの円弧面である底面163の押圧により圧着部11の第1の圧着片11bは電線13をさらに抱え込むように折り曲げられる。また、溝部分16bの円弧面である底面164が第2の圧着片11cをさらに押圧する。この場合、溝部分16bが溝部分16a及び16cより深い位置に形成されているため、押圧された第2の圧着片11cは、この溝部分16bの円弧底面に沿って進み、この第1の圧着片11bを包み込むようにその上にオーバーラップして折り曲げられる。
クリンパ15がさらに下方向に移動すると、図6(I)に示すように、溝部分16a及び16cの底面163の押圧により圧着部11の第1の圧着片11bは電線13を抱え込むようにさらに折り曲げられ、また、アンビル14に底板部11aが押さえられているため、その内面に設けられているセレーションが電線13に食い込む。一方、溝部分16bの底面164が第2の圧着片11cをさらに押圧するため、第2の圧着片11cは、第1の圧着片11bの上をさらに進んで折り曲げられる。
次いで、クリンパ15がさらに下方向に移動すると、図6(J)に示すように、溝部分16a及び16cの底面163の押圧により圧着部11の第1の圧着片11bは電線13を抱え込むようにまたさらに折り曲げられ、底板部11aの内面に設けられているセレーションが電線13にさらに食い込む。また、溝部分16bの底面164が第2の圧着片11cをさらに押圧するため、第2の圧着片11cは第1の圧着片11bの上をさらに進んで完全に折り曲げられ、これによって電線13は空隙無く第1の圧着片11bと第2の圧着片11cとで押し潰されて包み込まれた圧着が完了する。
図7は本実施形態における圧着接続端子10及び電線13の圧着処理後の斜視形状を示している。
同図に示すように、本実施形態においては、まず、圧着接続端子10の圧着部11における第1の圧着片11bが電線13の回りに巻かれて加締めが行われ、次いで、圧着接続端子10の軸方向の一部区間、本実施形態においては軸方向の中央部、において第2の圧着片11cが第1の圧着片11bの上をオーバーラップして巻かれて加締めが行われ、これによって圧着部11の底板部11a、第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cと電線13との圧着がなされ、圧着接続端子と電線と圧着がされている。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、クリンパ15の押圧溝16の溝部分16a及び16cが圧着接続部材10の圧着部11の第1の圧着片11bのみに当接して押圧し、押圧溝16の溝部分16bが一部区間Lbにのみ形成された第2の圧着片11cのみに当接して押圧するように構成されており、溝部分16bが溝部分16a及び16cより深く形成されているため、押圧された第2の圧着片11cは電線13に圧着された第1の圧着片11bの上オーバーラップする形態でこの第1の圧着片11b上に圧着される。このため、第1の圧着片11b及び第2の圧着片11cの先端同士が互いに当接して押圧し合うことがなく、十分な加締め応力を電線13に与えることができるから、良好な電気抵抗及び圧着強度を有する接続が確実に行われる。また、加締め作業によって圧着片が座屈することがなく電線11を空隙無く包み込むため、長期に信頼性の高い圧着接続を行うことができる。特に、本発明によれば、圧着接続部材の圧着片の長さを高精度で規定する必要がなく、しかも、クリンパ15の押圧溝16を複雑な形状とする必要もないため、圧着接続装置の製造及び調整が非常に容易となる。
図8は本発明の他の実施形態における圧着接続端子について、(A)その圧着部を側面から見た状態、(B)折り曲げ加工前の平面状態をそれぞれ示しており、図9は本実施形態における圧着接続端子及び電線13の圧着処理後の斜視形状を示している。
これらの図に示すように、本実施形態においては、圧着接続端子80の圧着部81が軸方向(図8(B)の上下方向)に伸長する底板部81aと、この底板部81aの軸方向の両側端に連結されておりこれら両側端から立ち上がる第1の圧着片81b及び第2の圧着片81cとを有している。
第2の圧着片81cの軸方向長さは第1の圧着片81bの軸方向長さに比して短く構成されている。即ち、第2の圧着片81cは、軸方向において圧着部81の両端部の一部区間にのみ形成されている。具体的には、本実施形態においては、図8(B)に示すように、第1の圧着片81bが軸方向において、全区間に渡って形成されているのに対し、第2の圧着片81cは第1の圧着片81cの軸方向の両端部の一部区間である2つの区間に対応する部分にのみ形成されている。
また、第1の圧着片81bの先端は、図8(A)から明らかのように、内側(電線13が挿入される側)に向かって折り曲がって構成されている。
これら第1の圧着片81b及び第2の圧着片81cの軸方向位置に合わせて、クリンパの押圧溝も、深い溝部分、これより浅い溝部分及び深い溝部分に形成され、第1の押圧部及び第2の押圧部をそれぞれ構成している。
本実施形態におけるその他の構成、動作及び作用効果は図1の実施形態の場合と同様である。
なお、上述した実施形態は、舌部(タング)と、圧着部(オープンバレル)とを有する圧着接続端子の場合であるが、本発明の圧着接続部材は、上述のごとき構成の圧着部を両端部に有する圧着スリーブであっても良い。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10、80 圧着接続端子
11、81 圧着部
11a、81a 底板部
11b、81b 第1の圧着片
11c、81c 第2の圧着片
12、82 舌部
13 電線
14 アンビル
14a 載置台
15 クリンパ
15a、15b、15c 部分
16 押圧溝
16a、16b、16c 溝部分
161 傾斜面
162 テーパ面
163 底面
La、Lb、Lc 区間

Claims (8)

  1. 圧着接続部材が底板部の両端から立ち上がる第1及び第2の圧着片を有する圧着部を備えており、
    前記第2の圧着片が当該圧着接続部材の軸方向において前記第1の圧着片の一部区間にのみ形成されており、
    前記第1の圧着片のみに当接して押圧する第1の押圧部と、前記第2の圧着片のみに当接して押圧すると共に前記第1の押圧部より深い位置に形成された第2の押圧部とを備えたクリンパによって、前記圧着接続部材の前記圧着部が押圧されることによって該圧着部内に挿入されている電線と該圧着部とが圧着接続されるように構成されており、
    前記第1の押圧部は、前記圧着接続部材の軸方向の前記一部区間を除く区間において前記第1の圧着片のみを押圧するように構成されており、前記第2の押圧部は、前記第1の押圧部による前記第1の圧着片の押圧開始の後に、前記圧着接続部材の軸方向の前記一部区間において前記第2の圧着片のみを押圧し、前記第2の圧着片を前記第1の圧着片上にオーバーラップして圧着するように構成されていることを特徴とする圧着接続構造。
  2. 前記第2の圧着片の形成された前記一部区間が、前記圧着接続部材の軸方向において前記圧着部の中央部に形成された区間であることを特徴とする請求項に記載の圧着接続構造。
  3. 前記第2の圧着片の形成された前記一部区間が、前記圧着接続部材の軸方向において前記圧着部の両端部に形成された区間であることを特徴とする請求項に記載の圧着接続構造。
  4. 前記圧着接続部材が、銅又は銅合金の表面に錫メッキ層を有する部材であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の圧着接続構造。
  5. 前記電線が、アルミニウム電線であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の圧着接続構造。
  6. 先端部に設けられた舌部と、該舌部の基端部に設けられた前記圧着部とを備えている圧着接続端子であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の圧着接続構造。
  7. 圧着接続部材が底板部の両端から立ち上がる第1及び第2の圧着片を有し、前記第2の圧着片が当該圧着接続部材の軸方向において前記第1の圧着片の一部区間にのみ形成されている圧着部を備えた圧着接続部材を載置するアンビルと、該アンビル上に載置された前記圧着接続部材の前記圧着部を押圧するクリンパとを備えており、
    前記クリンパが前記第1の圧着片のみに当接して押圧する第1の押圧部と、前記第2の圧着片のみに当接して押圧すると共に前記第1の押圧部より深い位置に形成された第2の押圧部とを備えており、前記第1の押圧部は、前記圧着接続部材の軸方向の前記一部区間を除く区間において前記第1の圧着片のみを押圧するように構成されており、前記第2の押圧部は、前記第1の押圧部による前記第1の圧着片の押圧開始の後に、前記圧着接続部材の軸方向の前記一部区間において前記第2の圧着片のみを押圧し、前記第2の圧着片を前記第1の圧着片上にオーバーラップして圧着するように構成されていることを特徴とする圧着接続装置。
  8. 底板部の両端から立ち上がる第1及び第2の圧着片を有する圧着部を備え、前記第2の圧着片が圧着接続部材の軸方向において前記第1の圧着片の一部区間にのみ形成された当該圧着接続部材の前記圧着部内に電線を挿入し、前記第1の押圧部が前記圧着接続部材の軸方向の前記一部区間を除く区間において前記第1の圧着片のみに当接して押圧し、一方、前記第2の押圧部が、前記第1の押圧部による前記第1の圧着片の押圧開始の後に、前記圧着接続部材の軸方向の前記一部区間において前記第2の圧着片のみに当接して前記第1の圧着片より深い位置で押圧し、前記第2の圧着片を前記第1の圧着片上にオーバーラップして圧着することを特徴とする圧着接続方法。
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