JP6123105B2 - 圧着端子と電線の接続方法 - Google Patents

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本発明は、電線に圧着される圧着端子と電線の接続方法に関する。
従来、電線の導体部に圧着される圧着端子は、電線の導体部が載置される導体載置用底壁部と、導体載置用底壁部の両縁から片状に立設されてなる圧着片部とを含み、導体部に圧着される導体圧着部を有してなる。このような圧着端子は、薄型化の要求がある場合、導体圧着部の高さ方向の幅を小さくするため、導体圧着部を平らに押し潰すものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−158074号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧着端子は、導体圧着部を平らに押し潰すために一対の圧着片の、各圧着片部の先端縁面が下方に向けられるようにして一対の圧着片を内側に屈曲させる圧着工程と、平らに押し潰す圧着工程との二つの工程が必要となり、工程が煩雑になるという問題があった。
一方、クローズドバレル型の圧着端子は、筒状に形成されており、平らに押し潰し易いため、一回の圧着工程で導体圧着部を平らに押し潰すことが可能である。このような筒状の導体圧着部は、圧着工程にて導体部を導体圧着部の筒内に挿通させるようになっている。
しかしながら、導体部は複数の素線が束ねられたものを用いる場合があり、その先端部は、複数の素線が径外方向に拡がりやすいため、導体部を導体圧着部の筒内に挿通させる作業は容易でなく、圧着工程が煩雑になってしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電線の導体部への圧着工程を煩雑にすることなく、導体部に圧着される導体圧着部を薄型化することができる圧着端子と電線の接続方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る圧着端子と電線の接続方法は、電線の導体部が載置される導体載置用底壁部と、導体載置用底壁部の両縁から片状に立設されてなる一対の圧着片部とを含み、前記導体部に圧着される導体圧着部を有してなる圧着端子と電線の接続方法において、前記導体圧着部が、前記一対の圧着片部の各圧着片部の先端縁面が水平方向で向かい合わされるように前記各圧着片部が楕円形状に沿って屈曲され、かつ向かい合わされた前記先端縁面の間隔が該向かい合わされた先端縁面の間を通して前記導体部を前記導体載置用底壁部に載置可能に設定され、前記向かい合わされた先端縁面の間に前記導体部を通して前記導体載置用底壁部に載置する電線セット工程と、前記導体圧着部が、水平方向で向かい合わされた前記一対の圧着片部の互いの前記先端縁面を突き当てた状態で突き当てた互いの前記先端縁面にかかる反力をスプリングバック抑制のために前記一対の圧着片部の各圧着片部を互いの突き当て方向とは異なる方向に膨らむように局所的に屈曲変形させた部分に逃がしつつ平らに押し潰される圧着工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る圧着端子と電線の接続方法は、前記導体部が前記導体載置用底壁部に載置される場合、前記導体部を前記向かい合わされた先端縁面の間を通して、前記導体載置用底壁部に容易に載置することができ、しかも、金型によって前記一対の圧着片部を内側に屈曲させることによって、前記導体圧着部が略円筒状に変形され易いようになっているので、前記導体圧着部が、クローズドバレル型の圧着端子と同様に、平らに押し潰し易くなっている。このため、電線の導体部への圧着工程を煩雑にすることなく、導体部に圧着される導体圧着部を薄型化することができる。
図1は、本発明の実施例に係る圧着端子の斜視図である。 図2は、図1に示した圧着端子が圧着されてなる圧着端子付き電線の斜視図である。 図3は、図1に示した圧着端子付き電線のA−A線断面図である。 図4は、導体圧着部を導体部に圧着する際に用いる金型を示した図である。 図5は、本発明の実施例に係る圧着端子の導体圧着部を導体部に圧着する工程を示した図である。 図6は、本発明の実施例に係る圧着端子の導体圧着部を導体部に圧着する工程を示した図である。 図7は、本発明の実施例に係る圧着端子の導体圧着部を導体部に圧着する工程を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る圧着端子と電線の接続方法の好適な実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る圧着端子1の斜視図である。なお、図1には、圧着端子1が圧着される電線100を破線で仮想的に示している。
図2は、図1に示した圧着端子1が圧着されてなる圧着端子付き電線200の斜視図である。図3は、図1に示した圧着端子付き電線200のA−A線断面図である。
なお、本発明の実施例では説明の便宜上、図中に示すように上下方向を定義する。
本発明の実施例に係る圧着端子1は、電線100の端末部の導体部110が載置される導体載置用底壁部31と、導体載置用底壁部31の両縁から片状に立設されてなる一対の圧着片部32,32とを含み、導体部110に圧着される導体圧着部30を有してなる。
まず、電線100について説明する。
電線100は、導電性部材からなる複数の素線110aが撚り合わされてなる導体部110と導体部110の外周を包囲する絶縁被覆部120とを含む。
次に、圧着端子1について説明する。
圧着端子1は、銅、あるいは銅合金等の金属からなる平板が金型プレス加工等によって成形された端子金具である。この圧着端子1は、電線100の端末部の絶縁被覆部120が除去されることによって露出された導体部110に圧着される。
この圧着端子1は、不図示の接続相手端子との接続部分となる相手端子接続部10と、電線100に圧着される部分となる圧着部20と、相手端子接続部10と圧着部20との間で相手端子接続部10と圧着部20とを連接する部分である中間部11と、を有してなる。
相手端子接続部10は、略角筒状をなす接続本体部10aの筒内に設けられた弾性接触片10bに不図示の接続相手端子が接触されるようになっている。
圧着部20は、導体部110に圧着される導体圧着部30と、絶縁被覆部120に圧着される被覆圧着部40と、を有してなる。
導体圧着部30は、導体部110が載置される導体載置用底壁部31と、導体載置用底壁部31の両縁から片状に立設されてなる一対の圧着片部32,32とを有してなる。
一対の圧着片部32,32は、図1に示すように、各圧着片部32の先端縁面32aが水平方向で向かい合わされるように屈曲され、かつ向かい合わされた先端縁面32a,32aの間隔Tが向かい合わされた先端縁面32a,32aの間を通して導体部110が導体載置用底壁部31に載置可能に設定されてなる。
より具体的には、向かい合わされた先端縁面32a,32aの間隔Tが導体部110の直径に比して大きく設定され、導体部110が導体載置用底壁部31に載置される場合、導体部110を向かい合わされた先端縁面32a,32aの間を通して、導体載置用底壁部31に容易に載置することができるようになっている。
また、一対の圧着片部32,32の各圧着片部32の先端縁面32aが水平方向で向かい合わされるように円弧状に屈曲されているので、後述する金型50によって一対の圧着片部32,32を内側に屈曲させることによって、導体圧着部30が略円筒状に変形され易いようになっている。このため、導体圧着部30が、クローズドバレル型の圧着端子と同様に、平らに押し潰し易くなっている。
なお、向かい合わされた先端縁面32a,32aの間隔Tは、導体部110の通し易さと、導体圧着部30の円筒状形状への変形し易さと、を考慮して適宜設定される。
被覆圧着部40は、電線100の絶縁被覆部120に覆われた部分が載置される絶縁部載置用底壁部41と、絶縁部載置用底壁部41の両縁から片状に立設されてなる一対の絶縁部圧着片部42とを有してなる。
次に、図4を用いて導体圧着部30を導体部110に圧着する際に用いる金型50について説明する。図4は、導体圧着部30を導体部110に圧着する際に用いる金型50を示した図である。なお、図4(a)は、金型50の斜視図を示し、図4(b)は、図4(a)に示した金型50のA−A線断面図を示している。
金型50は、上金型60と、上金型60に対向するように下方に配置された下金型70とを有してなる。
下金型70は、導体圧着部30が載置される水平な面である端子載置面70aを有してなる。
上金型60は、下金型70に向けて拡開される曲面形状の曲面状案内面61aが形成されてなる一対の脚部61,61と、一対の脚部61,61の上部を橋渡し、かつ一対の脚部61,61の各曲面状案内面61aに連続する水平な面である水平圧着面62aが形成されてなる橋渡し壁部62と、を有してなる。
各脚部61の曲面状案内面61aは、上金型60が下金型70に向けて下降された場合、圧着片部32の外側面32bに摺接されることによって円弧状に屈曲された圧着片部32をさらに内側に屈曲させる面である。
水平圧着面62aは、上金型60が下金型70に向けて下降された場合、下金型70の端子載置面70aとで導体圧着部30を平らに押し潰す面である。
この水平圧着面62aは、水平圧着面62aの中央位置で導体部110の延在方向と平行に延びるように設けされてなる溝部63と、各脚部61の近傍位置で導体部110の延在方向に沿って凹むように形成されてなる一対の凹部64,64とを有してなる。
溝部63は、導体圧着部30が導体部110に圧着完了された場合、各圧着片部32,32の端部に接触されないように逃げ部として機能されるようになっている。
各凹部64は、導体圧着部30におけるスプリングバックを防ぐように各圧着片部32を局所的に屈曲変形させる部分である。
なお、水平圧着面62aは、溝部63、および一対の凹部64,64を有しない構成であっても構わない。
このような金型50は、導体圧着部30を導体部110に圧着させる場合、不図示の駆動機構によって上金型60と下金型70とが相対的に近づくように上金型60が下金型70に向けて下降される。このため、下金型70の端子載置面70aに載置された導体圧着部30が、上金型60と下金型70との間に挟まれ、上金型60と下金型70とによって平らに押し潰されることによって導体圧着部30が導体部110に圧着されるようになっている。
次に、図5−図7を用いて本発明の実施例に係る圧着端子1の導体圧着部30を導体部110に圧着する工程について説明する。図5−図7は、本発明の実施例に係る圧着端子1の導体圧着部30を導体部110に圧着する工程を示した図である。
まず、作業者は、下金型70にセットされた導体圧着部30の導体載置用底壁部31に電線100の導体部110を載置する(図5(a)参照)。この工程では、一対の圧着片部32,32の向かい合う先端縁面32a,32aの間に導体部110を通すことによって導体部110を導体載置用底壁部31に容易に載置することができる。
その後、作業者は、上金型60を下金型70に向けて下降させる(図5(a)−図6(c)参照)。この工程では、上金型60の下降によって、各脚部61の曲面状案内面61aが各圧着片部32の外側面32bに摺接される。これにより、円弧状に屈曲されている各圧着片部32がさらに内側に向けて屈曲開始される。
その後、作業者は、上金型60を下金型70に向けてさらに下降させることによって、水平圧着面62aが一対の圧着片部32,32に当接される(図6(d)参照)。この工程では、上金型60の下降がさらに進むことによって、一対の圧着片部32,32の先端縁面32a,32aの間隔が狭くなり、導体圧着部30が略円筒状に変形され、この円筒状に変形された導体圧着部30に対して水平圧着面62aが当接される。すなわち、導体圧着部30は、平らに押し潰され易い円筒状に変形されてから、水平圧着面62aに当接される。
その後、作業者は、上金型60と下金型70とが嵌合完了されるまで上金型60を下金型70に向けてさらに下降させることによって、導体圧着部30を導体部110に圧着完了させる(図7(e),図7(f)参照)。これにより、導体圧着部30が水平圧着面62aと端子載置面70aとによって平らに押し潰される。なお、この実施例では上金型60に一対の凹部64が設けられているため、導体圧着部30は局部的に屈曲され、スプリングバックが抑制される。
本発明の実施例に係る圧着端子1と電線の接続方法は、導体部110が導体載置用底壁部31に載置される場合、導体部110を向かい合わされた先端縁面32a,32aの間を通して、導体載置用底壁部31に容易に載置することができ、しかも、金型50によって一対の圧着片部32,32を内側に屈曲させることによって、導体圧着部30が略円筒状に変形され易いようになっているので、導体圧着部30が、クローズドバレル型の圧着端子と同様に、平らに押し潰し易くなっている。このため、電線100の導体部110への圧着工程を煩雑にすることなく、導体部110に圧着される導体圧着部30を薄型化することができる。
なお、本発明の実施例に係る圧着端子1は被覆圧着部40を有してなるものを例示したが、これに限らず、圧着端子1は導体圧着部30を有していればよく、被覆圧着部40を有しない構成であっても構わない。
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1 圧着端子
10 相手端子接続部
10a 接続本体部
10b 弾性接触片
11 中間部
20 圧着部
30 導体圧着部
31 導体載置用底壁部
32 圧着片部
32a 先端縁面
32b 外側面
40 被覆圧着部
41 絶縁部載置用底壁部
42 絶縁部圧着片部
50 金型
60 上金型
61 脚部
61a 曲面状案内面
62 橋渡し壁部
62a 水平圧着面
63 溝部
64 凹部
70 下金型
70a 端子載置面
100 電線
110 導体部
110a 素線
120 絶縁被覆部
200 圧着端子付き電線
T 間隔

Claims (1)

  1. 電線の導体部が載置される導体載置用底壁部と、導体載置用底壁部の両縁から片状に立設されてなる一対の圧着片部とを含み、前記導体部に圧着される導体圧着部を有してなる圧着端子と電線の接続方法において、
    前記導体圧着部が、前記一対の圧着片部の各圧着片部の先端縁面が水平方向で向かい合わされるように前記各圧着片部が楕円形状に沿って屈曲され、かつ向かい合わされた前記先端縁面の間隔が該向かい合わされた先端縁面の間を通して前記導体部を前記導体載置用底壁部に載置可能に設定され、前記向かい合わされた先端縁面の間に前記導体部を通して前記導体載置用底壁部に載置する電線セット工程と、
    前記導体圧着部が、水平方向で向かい合わされた前記一対の圧着片部の互いの前記先端縁面を突き当てた状態で突き当てた互いの前記先端縁面にかかる反力をスプリングバック抑制のために前記一対の圧着片部の各圧着片部を互いの突き当て方向とは異なる方向に膨らむように局所的に屈曲変形させた部分に逃がしつつ平らに押し潰される圧着工程と、
    を含むことを特徴とする圧着端子と電線の接続方法。
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