JP2010055936A - 端子金具及び端子金具付き電線 - Google Patents

端子金具及び端子金具付き電線 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、圧着の前後において、電線の延びる方向について長さ寸法が大きくなることが抑制された端子金具及び端子金具付き電線を提供する。
【解決手段】雌端子金具12は、金属板材からなると共に芯線10に巻き付くようにして圧着されるワイヤーバレル17と、ワイヤーバレル17から延びて雄端子金具と接続する接続部18と、を備え、ワイヤーバレル17は芯線10と接触する接触面22を有し、ワイヤーバレル17には接触面22と反対側から曲げ加工することにより接触面22側に突出する突部23が形成されており、突部23は、ワイヤーバレル17が芯線10に圧着される前の状態において、圧着された電線11の延びる第1方向と交差する第2方向に沿って延びて形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、端子金具及び端子金具付き電線に関する。
従来より、電線の端部に圧着される端子金具としては特許文献1に記載のものが知られている。この端子金具は、電線の端部から露出する芯線に圧着される圧着部と、この圧着部から延びて相手側端子金具と接続する接続部と、を備える。
上記の芯線の表面に酸化膜が形成されると、電線と端子金具との電気抵抗が増大することが懸念される。そこで、従来技術においては、圧着部のうち芯線と接触する面には、複数の凹部がプレス加工により形成されている。この凹部は、芯線に圧着部が圧着される前の状態において、圧着された電線の延びる方向と交差する方向に延びて形成されている。
芯線に圧着部が圧着されると、芯線は圧着部から圧力を受けて塑性変形して、凹部内に入り込む。すると、凹部の孔縁と芯線の表面とが摺接して、芯線の表面に形成された酸化膜が剥がれて芯線の新生面が露出する。この新生面と、圧着部とが接触することにより電線と端子金具との電気抵抗を低減させることができる。
特開平10−125362号公報
しかしながら上記の技術によると、圧着部が塑性変形することにより、圧着の前後において端子金具の寸法が変化するという問題が生じる。上述したように、芯線は圧着部から圧力を受ける。すると、その反作用により、圧着部は芯線から圧力を受ける。このため、圧着部自身も塑性変形してしまうのである。特に、電線の延びる方向についての端子金具の長さ寸法が大きく変化することが懸念される。これは以下の理由による。
圧着部を芯線に圧着する工程は、圧着部に芯線を載置した後、一対の金型によって上下方向から圧着部を挟むことにより実行される。すると、圧着部に形成された凹部はプレス加工により形成されるため、比較的に肉厚が薄くなっている。このため凹部には応力が集中しやすくなっている。この結果、凹部は塑性変形しやすくなっている。この凹部は、電線の延びる方向と交差する方向に延びて形成されているので、圧着部は、電線の延びる方向に延びて変形し、その結果、電線の延びる方向についての端子金具の長さ寸法が大きく変化してしまうのである。
端子金具の長さ寸法が変化すると、端子金具をコネクタハウジング内に収容する際に、端子金具がコネクタハウジングからはみ出してしまう等の問題が懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、圧着の前後において、電線の延びる方向について長さ寸法が大きくなることが抑制された端子金具及び端子金具付き電線を提供することを目的とする。
本発明は、端子金具であって、金属板材からなると共に電線に巻き付くようにして圧着される圧着部と、前記圧着部から延びて相手側端子金具と接続する接続部と、を備え、前記圧着部は前記電線と接触する接触面を有し、前記圧着部には前記接触面と反対側から曲げ加工することにより前記接触面側に突出する突部が形成されており、前記突部は、前記圧着部が前記電線に圧着される前の状態において、圧着された前記電線の延びる第1方向と交差する第2方向に沿って延びて形成されている。
また、本発明は、端子金具付き電線であって、芯線を含む電線と、前記電線の端部から露出する前記芯線に圧着される端子金具と、を備え、前記端子金具は、金属板材からなると共に前記芯線に巻き付くようにして圧着される圧着部と、前記圧着部から延びて相手側端子金具と接続する接続部と、を備え、前記圧着部は前記芯線と接触する接触面を有し、前記圧着部には前記接触面と反対側から曲げ加工することにより前記接触面側に突出する突部が形成されており、前記突部は、前記圧着部が前記芯線に圧着される前の状態において、圧着された前記電線の延びる第1方向と交差する第2方向に沿って延びて形成されている。
本発明によれば、電線に圧着部が圧着されると、圧着部に形成された突部が、電線(芯線)の表面に食い込む。すると、電線の表面に形成された酸化膜が剥がれて、電線の新生面が露出する。この新生面と圧着部とが接触することにより、電線と端子金具との間の電気抵抗を低減させることができる。
また、本発明によれば、突部が金属板材からなる圧着部を曲げ加工することにより形成されるので、突部が形成された領域における圧着部の肉厚は、突部と異なる領域における圧着部の肉厚と実質的に等しくなっている。このため、突部に応力が集中することが抑制されるので、圧着部は塑性変形しにくくなっている。この結果、圧着の前後において、端子金具の寸法が大きくなることを抑制できる。
なお、実質的に等しいとは、突部が形成された領域における圧着部の肉厚と、突部と異なる領域における圧着部の肉厚と、が等しい場合を含むと共に、突部が形成された領域における圧着部の肉厚と、突部と異なる領域における圧着部の肉厚と、が異なっていても、実質的に等しいと認められる程度に近接している場合を含む。
また、電線に圧着部が圧着されると、電線は、電線の延びる第1方向に沿って塑性変形する。本発明によれば、突部は、第1方向と交差する第2方向に沿って形成されているので、電線が第1方向に沿って延びると、突部の先端と比較的に広い領域に亘って摺接する。これにより、電線の表面に形成された酸化膜が剥がれて電線の新生面が比較的に広い領域に亘って露出する。この結果、電線と端子金具との間の電気抵抗を低減させることができる。
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記圧着部には、複数の前記突部が、前記第1方向に間隔を空けて並んで形成されていてもよい。
上記の構成によれば、突部が1つ形成されている場合に比べて一層広い面積に亘って、電線の新生面を露出させることができる。この結果、電線と端子金具との間の電気抵抗を一層低減させることができる。
前記芯線はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる構成としてもよい。
芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金からなる場合、芯線の表面には酸化膜が比較的に形成されやすい。上記の構成は、芯線の表面に酸化膜が形成されやすい場合に有効である。
本発明によれば、圧着の前後において、電線の延びる方向について長さ寸法が大きくなることを抑制できる。
本発明の一実施形態を図1ないし図5を参照しつつ説明する。本実施形態は、芯線10を含む電線11と、この電線11の端部から露出する芯線10に圧着される雌端子金具12(本発明の端子金具に相当)と、を備える端子金具付き電線13である。雌端子金具12は、図示しないコネクタハウジングのキャビティ内に収容されて使用される。
(電線11)
図1に示すように、電線11は、複数の金属細線を撚り合わせてなる芯線10と、芯線10の外周を覆う合成樹脂製の絶縁被覆14と、を備える。芯線10は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等、必要に応じて任意の金属を用いることができる。本実施形態においては、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられている。
(雌端子金具12)
雌端子金具12は金属板材を所定形状にプレス加工することにより形成される。金属板材は銅又は銅合金等、必要に応じて任意の金属を用いることができる。本実施形態では銅又は銅合金が用いられる。また、金属板材にはスズ、ニッケル等、任意の金属によるメッキが施されていてもよい。本実施形態ではスズメッキが施されている。図1に示すように、雌端子金具12は、電線11の絶縁被覆14の外側から巻き付くように圧着される一対のインシュレーションバレル15と、インシュレーションバレル15に連なって形成されワイヤーバレル17(バレルに相当)と、ワイヤーバレル17から延びて図示しない雄端子金具(相手側端子に相当)と接続される接続部18と、を備える。
接続部18は角筒状をなしており、雄端子金具が挿入可能になっている。接続部18の内部には弾性変形可能な弾性接触片19が形成されており、この弾性接触片19が雄端子金具と弾性的に接触することにより、雄端子金具と雌端子金具12とが電気的に接続される。
図2に示すように、芯線10に圧着する前の状態においては、ワイヤーバレル17は概ね矩形状をなしている。電線11は、ワイヤーバレル17が芯線10に圧着された状態では、図2における左右方向(矢線Aで示す方向)に延びて配されるようになっている。このときの電線11の延びる方向を第1方向とする。また、ワイヤーバレル17が芯線10に圧着される前の状態において、上記の第1方向と交差する方向を、第2方向とし、図2において矢線Bで示す。
ワイヤーバレル17には、芯線10と接触する接触面22が形成されている。ワイヤーバレル17には、第1方向(図2において矢線Aで示す方向)と交差する第2方向(図2において矢線Bで示す方向)に延びると共に接触面22側(図2における紙面を貫通する方向手前側)に突出する3つの突部23が、第1方向に間隔を空けて並んで形成されている。本実施形態においては、第2方向は、第1方向と直交している。突部23は、ワイヤーバレル17を、接触面22と反対側の面から曲げ加工することにより形成される。
図3に示すように、ワイヤーバレル17の厚さ寸法は、突部23が形成された領域と、突部23とは異なる領域と、において、実質的に等しい厚さ寸法になっている。なお、実質的に等しいとは、突部23が形成された領域におけるワイヤーバレル17の厚さ寸法と、突部23と異なる領域におけるワイヤーバレル17の厚さ寸法と、が等しい場合を含むと共に、突部23が形成された領域におけるワイヤーバレル17の厚さ寸法と、突部23と異なる領域におけるワイヤーバレル17の厚さ寸法と、が異なっていても、実質的に等しいと認められる程度に近接している場合を含む。
(電線11と雌端子金具12との接続構造)
図4に、図1におけるIV−IV線断面図を示す。図4に示すように、一対のワイヤーバレル17は芯線10の外側に巻き付くように圧着されている。一対のワイヤーバレル17の端縁同士は、雌端子金具12の幅方向(図4における左右方向)の中央付近の位置において互いに当接した状態で、芯線10に外方(図4における上方)から当接している。なお、図4においては、芯線10の詳細な構造については省略して記載してある。
芯線10にワイヤーバレル17が巻き付くように圧着されることにより、芯線10にはワイヤーバレル17から圧力が加えられる。すると、芯線10の表面に形成された酸化膜が破れて芯線10の新生面が露出し、この新生面とワイヤーバレル17の接触面22とが接触することにより、電線11と雌端子金具12とが電気的に接続される。
また、図5に示すように、芯線10にワイヤーバレル17が圧着されると、ワイヤーバレル17から接触面22側に突出する突部23が、芯線10の表面に食い込む。すると、芯線10の表面に形成された酸化膜が破れて芯線10の新生面が露出する。この新生面と、ワイヤーバレル17の接触面22と、が接触することにより、電線11と雌端子金具12との電気的接続を確実なものとなっている。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる芯線10の新生面と、雌端子金具12の表面に形成されたスズメッキ層とが、圧力を受けて摺接することにより合金層が形成されている。これにより、電線11と雌端子金具12との電気抵抗は一層小さなものとなっている。
続いて、本実施形態の製造工程の一例を説明する。まず、金属板材を所定形状にプレス成形する。このとき突部23を形成してもよい。
次に、金属板材を曲げ加工して接続部18を形成する。このとき突部23を形成してもよい。これにより雌端子金具12が形成される。
図示しない下型の上に、雌端子金具12を載置する。続いて、電線11の端部に位置する絶縁被覆14を剥がして芯線10を露出させる。露出した芯線10を雌端子金具12のワイヤーバレル17の上に載置する。
その後、図示しない上型を下型に向かって移動させる。すると、上型と下側との間に挟まれることにより、インシュレーションバレル15が電線11の絶縁被覆14の外側に巻き付くように圧着されると共に、ワイヤーバレル17が芯線10の外側に巻き付くように圧着される。これにより、端子金具付き電線13が完成する。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態によれば、芯線10にワイヤーバレル17が圧着されると、ワイヤーバレル17に形成された突部23が、芯線10の表面に食い込む。すると、芯線10の表面に形成された酸化膜が剥がれて、芯線10の新生面が露出する。この新生面とワイヤーバレル17とが接触することにより、電線11と雌端子金具12との間の電気抵抗を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、突部23が金属板材からなるワイヤーバレル17を曲げ加工することにより形成されるので、突部23が形成された領域におけるワイヤーバレル17の厚さ寸法は、突部23と異なる領域におけるワイヤーバレル17の厚さ寸法と実質的に等しくなっている。このため、突部23に応力が集中することが抑制されるので、ワイヤーバレル17は塑性変形しにくくなっている。この結果、圧着の前後において、雌端子金具12の寸法が大きくなることを抑制できる。
芯線10にワイヤーバレル17が圧着されると、芯線10は、電線11の延びる第1方向に沿って塑性変形する。本実施形態によれば、突部23は、第1方向と交差する第2方向に沿って形成されているので、芯線10が第1方向に沿って延びると、突部23の先端と比較的に広い領域に亘って摺接する。これにより、芯線10の表面に形成された酸化膜が剥がれて芯線10の新生面が比較的に広い領域に亘って露出する。この結果、電線11と雌端子金具12との間の電気抵抗を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、ワイヤーバレル17には、複数の突部23が、第1方向に間隔を空けて並んで形成されている。これにより、突部23が1つ形成されている場合に比べて一層広い面積に亘って、芯線10の新生面を露出させることができる。この結果、電線11と雌端子金具12との間の電気抵抗を一層低減させることができる。
また、本実施形態においては、芯線10はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。このように、芯線10がアルミニウム又はアルミニウム合金からなる場合、芯線10の表面には酸化膜が比較的に形成されやすい。このため、芯線10の酸化膜を剥ぎ取ろうとすると、比較的に大きな圧力によって、ワイヤーバレル17を芯線10に圧着する必要がある。すると、ワイヤーバレル17も塑性変形しやすくなる。本実施形態は、上記のように比較的に強い圧力でワイヤーバレル17を芯線10に圧着する場合に有効である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、ワイヤーバレル17には3つの突部23が形成される構成としたが、これに限られず、突部23は、1つ、2つ、又は4つ以上の複数であってもよい。
(2)本実施形態においては、第2方向は第1方向と直交する形態としたが、これに限られず、第1方向と交差する方向であれば、第2方向は任意の方向としてよい。
(3)ワイヤーバレル17の端部は、電線11の延びる方向にずれた状態で芯線10に圧着されてもよく、また、3本以上に分岐したワイヤーバレル17の端部が左右両側から互い違いに形成されていてもよく、また、ワイヤーバレル17が1本のみ形成されて芯線10に圧着されていてもよく、ワイヤーバレル17の形状は必要に応じて任意の形状としうる。
本発明に係る端子金具付き電線を示す側面図 芯線に圧着される前の状態における雌端子金具を示す要部拡大平面図 図2におけるIII−III線断面図 図1におけるIV−IV線断面図 ワイヤーバレルが芯線に圧着された状態を示す要部拡大断面図
符号の説明
10…芯線
11…電線
12…雌端子金具(端子金具)
13…端子金具付き電線
14…絶縁被覆
17…ワイヤーバレル(バレル)
18…接続部
22…接触面
23…突部

Claims (5)

  1. 金属板材からなると共に電線に巻き付くようにして圧着される圧着部と、前記圧着部から延びて相手側端子金具と接続する接続部と、を備え、
    前記圧着部は前記電線と接触する接触面を有し、前記圧着部には前記接触面と反対側から曲げ加工することにより前記接触面側に突出する突部が形成されており、前記突部は、前記圧着部が前記電線に圧着される前の状態において、圧着された前記電線の延びる第1方向と交差する第2方向に沿って延びて形成されている端子金具。
  2. 前記圧着部には、複数の前記突部が、前記第1方向に間隔を空けて並んで形成されている請求項1に記載の端子金具。
  3. 芯線を含む電線と、前記電線の端部から露出する前記芯線に圧着される端子金具と、を備え、
    前記端子金具は、金属板材からなると共に前記芯線に巻き付くようにして圧着される圧着部と、前記圧着部から延びて相手側端子金具と接続する接続部と、を備え、
    前記圧着部は前記芯線と接触する接触面を有し、前記圧着部には前記接触面と反対側から曲げ加工することにより前記接触面側に突出する突部が形成されており、前記突部は、前記圧着部が前記芯線に圧着される前の状態において、圧着された前記電線の延びる第1方向と交差する第2方向に沿って延びて形成されている端子金具付き電線。
  4. 前記圧着部には、複数の前記突部が、前記第1方向に間隔を空けて並んで形成されている請求項4に記載の端子金具付き電線。
  5. 前記芯線はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる請求項3または請求項4に記載の端子金具付き電線。
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