JP6608784B2 - ソバ原料含有食品組成物の製造方法 - Google Patents

ソバ原料含有食品組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物のソバを原料として用いるソバ原料含有食品組成物製造方法に関する。
植物のソバを原料とする食品組成物は多くあり、ソバの実を用いた蕎麦や蕎麦茶などがある。その他、ソバの若芽を原料として用い、ソバの若芽を搾汁して搾汁液を乳酸・酵母発酵させて得られるソバの芽を原料とするジュースが特許文献1に記載されている。
特開2002−209562号公報
蕎麦や蕎麦茶など、ソバの実を用いた食品組成物を食べることで、ソバの実に含まれる栄養を手軽に摂取できる。しかし、さらに多くの量の栄養を摂取するため、植物のソバに含まれる栄養を十分に摂取できる食品組成物が望まれている。植物のソバを原料として得られる食品組成物は、より効率よく栄養を摂取可能であると共に、継続的に摂取できるよう良好な味でなくてはならない。
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、栄養成分の量が多く、良好な味のソバ原料含有食品組成物製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のソバ原料含有食品組成物の製造方法は次の構成を備える。すなわち本発明は、根を付けたままの韃靼ソバ草を乾燥して、韃靼ソバ草乾燥物を得る韃靼ソバ草乾燥工程と、前記韃靼ソバ草乾燥物を凍結乾燥して、韃靼ソバ草凍結乾燥物を得る韃靼ソバ草凍結乾燥工程と、エノキを乾燥してエノキ乾燥物を得るエノキ乾燥工程と、前記エノキ乾燥物を凍結乾燥して、エノキ凍結乾燥物を得るエノキ凍結乾燥工程と、前記韃靼ソバ草凍結乾燥物と、前記エノキ凍結乾燥物とを重量比で1:1〜2:1の範囲で混合した混合物を焙煎して、韃靼ソバ草焙煎物およびエノキ焙煎物を得る焙煎工程と、前記韃靼ソバ草凍結乾燥工程の前に前記韃靼ソバ草乾燥物から根を除く工程、または、前記焙煎工程の前に前記韃靼ソバ草凍結乾燥物から根を除く工程と、を含み、前記韃靼ソバ草乾燥工程は、天日乾燥する工程が含まれ、韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物を含む前記韃靼ソバ草焙煎物および前記エノキ焙煎物を含有し、ケルセチンを含有することを特徴とする。この構成によれば、韃靼ソバ草と、エノキを原料とすることにより、得られるソバ原料含有食品組成物は栄養成分の量が多くなり、ルチンが豊富に存在する。また、韃靼ソバ草焙煎物と、エノキ焙煎物を含むことにより、韃靼ソバ草およびエノキのやや不快に感じられる臭いが消え、味にまろやかさも生じる。また、韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物とが互いに接触しながら焙煎されることで、韃靼ソバ草とエノキの相乗効果が生まれ、ソバ原料含有食品組成物にさらに多くの栄養成分が含まれるようになる。また、原料として韃靼ソバ草の茎、葉を用い、エノキと組み合わせることにより、得られるソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができる。また、元来韃靼ソバ草には存在しないケルセチンが、ソバ原料含有食品組成物に含まれるようになる。
また、本発明において、前記韃靼ソバ草は、発芽から開花直後までの期間に採集された前記韃靼ソバ草であってもよい。これによれば、この期間に採集された韃靼ソバ草は、種子が形成されないので、韃靼ソバの実が含まれず、得られるソバ原料含有食品組成物には蕎麦アレルギー物質が含まれない。
また、本発明において、韃靼ソバ草には、韃靼ソバの実を含めず、韃靼ソバの実由来の前記韃靼ソバ草乾燥物、韃靼ソバの実由来の前記韃靼ソバ草凍結乾燥物、韃靼ソバの実由来の前記韃靼ソバ草焙煎物を含めない方が好ましい。これによれば、相対的に韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物が増えることで、より多くのルチンが含まれる。また、韃靼ソバの実がないので、蕎麦アレルギーを示す物質がなく、蕎麦アレルギーの心配がない。
また、本発明において、前記韃靼ソバ草焙煎物と、前記エノキ焙煎物とを粉砕して粉末にする粉砕工程が含まれてもよい。これによれば、粉末から液体を用いて抽出した飲料を飲んでもよく、また、粉末状のソバ原料含有食品組成物を飲料に含めて飲んでもよい。また、粉末化することで、保存しやすく、扱いやすくなると共に、飲みやすい。
また、本発明において、少なくとも、前記韃靼ソバ草凍結乾燥工程により、ソバ原料含有食品組成物100gあたりのルチンを、3000mg以上にする。これによれば、凍結乾燥させないで単に乾燥だけした韃靼ソバ草の葉や茎を用いて製造した粉末よりも、ルチン含有量を多くさせることができる。
また、本発明において、前記韃靼ソバ草乾燥工程において、前記韃靼ソバ草を、水分量が20%以下になるまで乾燥してもよい。これによれば、韃靼ソバ草の栄養の栄養が濃縮されると共に、得られるソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができる。
また、本発明において、前記韃靼ソバ草凍結乾燥工程において、前記韃靼ソバ草乾燥物を、水分量が10%以下になるまで凍結乾燥してもよい。これによれば、韃靼ソバ草の栄養が液体に抽出されやすくなる。また、ルチンの加水分解が起きやすくなる。
また、本発明において、前記エノキ乾燥工程において、前記エノキを、水分量が30%以下になるまで乾燥してもよい。これによれば、エノキの成分が濃縮されて、エノキの栄養が抽出されやすくなる。
また、本発明において、前記エノキ凍結乾燥工程において、前記エノキ乾燥物を、水分量が10%以下になるまで凍結乾燥してもよい。これによれば、エノキに含まれるアミノ酸を十分に抽出することができ、ソバ原料含有食品組成物の味を良好にする。
また、本発明において、少なくとも、前記韃靼ソバ草乾燥工程により、ソバ原料含有食品組成物に、前記ケルセチンを含む。これによれば、元来韃靼ソバ草には存在しないケルセチンが、ソバ原料含有食品組成物に含まれるようになる。
また、本発明において、前記天日乾燥する工程において、前記韃靼ソバ草を、水分量が30%になるまでの間、発酵させてもよい。これによれば、アレルギー物質が変化して、アレルギーを示さない物質になる。また、韃靼ソバ草の水分が多く含まれるときは発酵し、ルチンの一部がケルセチンに変化する。
本発明に係るソバ原料含有食品組成物製造方法によれば、栄養成分の量が多く、エノキを用いずに単に乾燥した韃靼ソバ草より増加し、ルチンが豊富に存在し、ケルセチンが含まれ、良好な味のソバ原料含有食品組成物製造方法を提供することができる。
本実施形態のソバ原料含有食品組成物を製造するフローチャートを示す。
本実施形態のソバ原料含有食品組成物は、原料として、韃靼ソバ草と、きのこであるエノキ(榎茸)を用いる。用いる韃靼ソバ草は、茎、葉、花芽、つぼみなど含む全体を指す。エノキは野生のもの、栽培されたものどちらでもよく、産地は長野県中野市などのエノキを用いることができる。本実施形態のソバ原料含有食品組成物は、韃靼ソバ草とエノキの組み合わせにより、栄養成分の量が多くなるだけではなく、良好な味となる。
本実施形態のソバ原料含有食品組成物に用いられる韃靼ソバ草は、生育しているときに、根を付けたまま採集される。採集される期間は、韃靼ソバ草の種類によっては、花びらがないものもあるが、発芽から花の兆候が見えてから10日前後までの期間であり、種子が形成される前までの期間である。種子が形成される前は、開花直後や、受粉される前後の期間も含まれ、これらの期間の韃靼ソバ草を採集し、用いてもよい。受粉される前後が好ましく、韃靼ソバ草が成長して花粉ができるまで期間のものである。これは、韃靼ソバの実がつく時期、韃靼ソバ草が枯れ始める時期とは異なる。この期間に採集することで、より多くの栄養成分をソバ原料含有食品組成物に含めることができる。これは、種子形成のための栄養が種子に集まる前であるため、韃靼ソバ草に多くの栄養成分が残るためと考えられる。また、花の芽を形成する際に、多くの栄養成分および酵素が先端部花のガクに集まる特性を植物が持っているため、種子が形成される前の期間のうち、花の芽を形成する前であれば、韃靼ソバ草に多くの栄養成分が残る。
韃靼ソバ草焙煎物は、主に韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物が含まれるようにしてもよく、韃靼ソバ草の茎、葉を原料として用いて製造した韃靼ソバ草焙煎物を用いることで、得られるソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができる。韃靼ソバ草焙煎物にはソバの実が多少含まれていても構わないが、韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物のみ、もしくは韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物の含有量が多い方が、単位量あたりのソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができるので好ましい。
また、採集された韃靼ソバ草には、種子が形成されていない。種子である韃靼ソバの実が原料として含まれていても構わないが、より多くの栄養成分を摂取するためには、ソバの実が原料として含まれない方が好ましい。そして、製造工程の中のどの段階でも韃靼ソバの実由来の物質が取り除かれることが好ましい。すなわち、韃靼ソバの実由来の韃靼ソバ草乾燥物、韃靼ソバの実由来の韃靼ソバ草凍結乾燥物、韃靼ソバの実由来の韃靼ソバ草焙煎物を含めないことが好ましい。これにより、ソバ原料含有食品組成物には韃靼ソバの実由来のものが含まれなく、得られるソバ原料含有食品組成物には蕎麦アレルギー物質が含まれない。また、韃靼ソバ草の茎、葉を主原料とすることで、韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物がソバ原料含有食品組成物中に相対的に増え、より多くのルチンが含まれる。
以下、材料中の水分量については、全て材料中の重量割合として述べる。韃靼ソバ草乾燥工程では、根を付けたまま採集した韃靼ソバ草を、根を付けたまま乾燥し、韃靼ソバ草乾燥物を得る。根を付けたまま乾燥することにより、韃靼ソバ草に含まれる栄養成分が逃げにくく、失われにくいので、ソバ原料含有食品組成物に多くの栄養成分を含ませることができる。乾燥方法は、熱風を当てたりする機械乾燥など様々な方法を用いてもよいが、特に天日乾燥を行って、時間を掛けて乾燥する方法がよく、複数回に分けてもよい。根を付けたまま採集した韃靼ソバ草を一昼夜、韃靼ソバ草を平にしてから屋外で乾燥し、茎が折れてしまわない程度になるまでの萎れ具合を見ながら乾燥する。平らにして乾燥した後に洗浄し、韃靼ソバ草を纏めて結束し、韃靼ソバ草の根を上にして、通気性の良い場所で吊るし、韃靼ソバ草に含まれる水分量が20%以下になるまで天日乾燥を行う。根を上、茎と葉などを下にして乾燥することにより、根の部分にもある栄養成分を少しでも茎や葉などに下げることができる。また、根には栄養成分を作る酵素があり、乾燥させると、子孫と生命維持のために多くの栄養成分と酵素を作り、茎や葉の部分に送ることができる。乾燥させるときの温度は、通常の気温と同じ0℃〜35℃の範囲であればよく、熱風乾燥と比較して低温で行われる方がよい。低い温度で時間を掛けてゆっくりと乾燥することにより、ソバ原料含有食品組成物の栄養成分の量が多くなる。
採集したときに、もし種子が含まれていたとしても、韃靼ソバ草乾燥工程において、韃靼ソバ草の水分量が50%以下になると、種子が韃靼ソバ草から自然に取れて落ち、ふるい落とすことも可能である。また、後述する韃靼ソバ草凍結乾燥工程において韃靼ソバ草乾燥物を切断するので、切断された後でも種子を、ふるいを使って落とすことが可能である。また、種子が形成される前の段階であり、中身が空洞で、果皮としての殻だけが乾燥中にふるい落とされなくて残っていたとしても、後述の焙煎工程において、中身が空のまま殻だけが黒く変わり、比重が小さいので、ふるい分けて取り除くことも可能である。
韃靼ソバ草凍結乾燥工程では、韃靼ソバ草乾燥物を凍結乾燥して韃靼ソバ草凍結乾燥物を得る。韃靼ソバ草乾燥物を切断して根を取り除き、残りの葉や茎などをさらに細かく4cm以下に切断してから凍結乾燥を行う。根に関しては、後述の焙煎工程において根を焙煎してしまうと、非常に嫌な風味になること、根の焙煎物は硬くなりすぎてしまい、通常は粉砕できない状態になることがある。これらのことから、根はソバ原料含有食品には含まれず、焙煎前に取り除かれていることが好ましく、凍結乾燥前に取り除かれていることが凍結乾燥のしやすさ、製造コスト的にもよいことから、より好ましい。韃靼ソバ草乾燥物を4cm以下にすることで、凍結乾燥されやすくなるだけではなく、後の工程の焙煎もされやすくなる。従来のソバを原料とする食品組成物とは異なり、主に韃靼ソバ草の茎、葉を用い、エノキと組み合わせると、得られるソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができる。凍結乾燥は、冷凍庫を用いて行えばよく、韃靼ソバ草(韃靼ソバ草乾燥物)に含まれる水分量が10%以下になるまで行う。凍結乾燥温度は凍結できれば限定されないが、家庭で一般的に用いられる冷凍庫の温度である−18℃以下(−22〜−18℃程度)であってもよい。
エノキ乾燥工程では、エノキを乾燥し、エノキ乾燥物を得る。エノキは収穫後の生のものを用いる。生のエノキは五訂増補日本食品標準成分表によると、水分が88.6%(可食部)含まれる。乾燥方法は、熱風を当てたりする機械乾燥など様々な方法を用いてもよく、韃靼ソバ草と同様に、天日乾燥を行って、時間を掛けて乾燥してもよく、複数回に分けて異なる乾燥方法を組み合わせてもよい。どの乾燥方法であっても、エノキの水分量が規程以下になった時点で乾燥を終了させる。エノキを天日乾燥した場合について述べると、天日乾燥は、エノキの質量が乾燥前と比較して3分の1以下程度、水分量で50%以下になるまで行う。その後、60℃の庫内に48時間入れて乾燥し、エノキに含まれる水分量が30%以下、特に好ましくは25%以下になるまで行う。
エノキ凍結乾燥工程では、エノキ乾燥物を凍結乾燥してエノキ凍結乾燥物を得る。エノキ凍結乾燥物を4cm以下に切断してから凍結乾燥を行う。エノキ乾燥物を4cm以下にすることで、凍結乾燥されやすくなるだけではなく、後の工程の焙煎もされやすくなる。凍結乾燥は、冷凍庫を用いて行えばよく、エノキに含まれる水分量が10%以下になるまで行う。凍結乾燥温度は家庭で一般的に用いられる冷凍庫の温度である−18℃以下(−22〜18℃程度)であればよい。これにより、エノキの栄養成分が構築され、エノキの栄養成分が増す。
焙煎工程では、韃靼ソバ草凍結乾燥物、エノキ凍結乾燥物を焙煎して韃靼ソバ草焙煎物、エノキ焙煎物を得る。予め韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物を混合してから焙煎してもよい。これにより、ソバ原料含有食品組成物に多くの栄養成分を含ませることができる。また、焙煎前において、韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物の両者を混合した状態で解凍し、常温になって完全に解凍する前に焙煎を行ってもよい。韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物を混合してから焙煎すると、エノキの方の乾燥が進みやすく、水分量が減少しやすくなり、韃靼ソバ草は比較的緩やかに乾燥が進む。このため、特に韃靼ソバ草の栄養成分の消失が少なくなる。また、韃靼ソバ草凍結乾燥物、エノキ凍結乾燥物をそれぞれ単独で焙煎してから混合した場合と異なり、韃靼ソバ草凍結乾燥物、エノキ凍結乾燥物を接触させている時間が長くなる。焙煎による加熱によって多くの栄養成分を含ませるような反応が進み、相乗効果により、韃靼ソバ草凍結乾燥物、エノキ凍結乾燥物をそれぞれ単独で焙煎してから混合した場合よりも、ソバ原料含有食品組成物にさらに多くの栄養成分が含まれるようになる。さらに、旨味も向上する。焙煎後の韃靼ソバ草焙煎物とエノキ焙煎物の水分量は、同じくらいになる。異なる焙煎温度で複数回に分けて行ってもよい。凍結乾燥させてから急に高温焙煎を行うと、水分が付着しやすく製品が得られにくいので、60℃で24時間の低温焙煎をじっくりと行い、その後、高温焙煎を行う。焙煎する機材は限定されなく、フライパンや焙煎機のような調理器具や、アルミ板、鉄板の上で行ってもよい。高温焙煎の温度は、焙煎中の韃靼ソバ草凍結乾燥物、エノキ凍結乾燥物が熱せられて水蒸気がなくなって煙になる温度であり、それぞれの凍結乾燥物が200〜300℃になる温度、好ましく280℃前後の温度である。
焙煎は、韃靼ソバ草焙煎物とエノキ焙煎物の香ばしい匂いが強くなったとき、もしくは焦げが確認できた状態になるまで行えばよい。本実施形態のソバ原料含有食品組成物は、韃靼ソバ草焙煎物とエノキ焙煎物とを含むこと、韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物を混合してから焙煎することにより、韃靼ソバ草の栄養成分の消失が少なくなる。そして、凍結乾燥せず、単に常温や高温で乾燥したものより、ソバ原料含有食品組成物は栄養成分の量が多くなり、特にルチンが豊富に存在するようになる。また、韃靼ソバ草およびエノキのやや不快に感じられる気になる臭いが消え、韃靼ソバ草の苦みが減少し、味にまろやかさも生じる。得られたソバ原料含有食品組成物は、湯や水によって抽出し、抽出されたものを飲料として飲んでもよい。
本実施形態のソバ原料含有食品組成物は、韃靼ソバ草焙煎物と、エノキ焙煎物とが、重量比で1:1〜2:1の範囲で含有される。また、焙煎前の韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物はほぼ同じ水分量になるまで凍結乾燥されたものであるので、重量比で1:1〜2:1の範囲で、韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物とを混合して焙煎してもよい。これにより得られる焙煎物は、韃靼ソバ草焙煎物とエノキ焙煎物とが、重量比で1:1〜2:1の範囲で含有される。この範囲で混合することにより、ソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができる。
また、焙煎後の粗熱を取った後に、粉砕工程により、韃靼ソバ草焙煎物およびエノキ焙煎物を粉砕して粉末状にしてもよい。粉末状にしたソバ原料含有食品組成物を、湯や水によって抽出し、得られた抽出物を飲料として飲むこともできる。また、粉末状にしたソバ原料含有食品組成物を湯や水と共にまるごと飲んでもよい。そのまま食べることも可能である。このとき、他の食品に混ぜたり、賦形剤と混ぜたりして錠剤にしても構わない。また、だし用や味付け用など調味料としての利用も可能であり、韃靼ソバ草とエノキの豊富な栄養成分によって、様々な料理に利用でき、まろやかな味になる。粉末化することで抽出されやすく、飲みやすくなると共に、保存しやすく、流通させるときなども扱いやすくなる。粉末の大きさは用途に応じて適宜変更でき、舌触りをよくするため微粉砕してもよい。
韃靼ソバ草はどのような種類、品種を用いてもよく、通常の韃靼ソバ草に含まれる品種のもの、その他の種類としては、黒韃靼ソバ、白韃靼ソバを用いることができる。特に黒韃靼ソバを用いることにより、得られるソバ原料含有食品組成物ルチンの量を大きく増加させることができる。
本実施形態のソバ原料含有食品組成物は、ソバ原料含有食品組成物100gあたりにルチンが3000mg以上含まれる。従来のソバの実だけを用いた組成物と比べてルチン含有量が多くすることができる。比較として、エノキを用いず、凍結乾燥させず、焙煎させていない韃靼ソバ草の葉や茎を単に乾燥して粉末にしたものは、100gあたりのルチンが3mgであった。
また、本実施形態のソバ原料含有食品組成物は、ケルセチンが含まれる。元来、種子を含めて、韃靼ソバ草には存在しないケルセチンが、ソバ原料含有食品組成物に含まれるようになる。これは、韃靼ソバ草自体が水分を含んでいて、乾燥、特に天日乾燥する工程において、韃靼ソバ草自体の水分が高い割合のときに、韃靼ソバ草に付着している酵母などの微生物により発酵が進むためと考えられる。発酵に関しては、乾燥が進むにつれ、韃靼ソバ草自体の水分量が少なくなると、発酵が停止し、およそ水分量30%以下になると停止する。さらに、韃靼ソバ草凍結乾燥工程における凍結乾燥により、少ない水分であっても、ルチンをケルセチンに変化させることが可能である。一方、エノキを用いず、凍結乾燥させず、焙煎させていない韃靼ソバ草の葉や茎を単に乾燥して粉末にしたものは、ケルセチンは検出できなかった。なお、エノキは、きのこ特有の栄養成分が含まれていて、アミノ酸が豊富であるが、ケルセチンは含まれていない。また、さらに、凍結乾燥の温度と焙煎温度との差が50℃以上であると、ルチンからケルセチンに変化しすく、酵素が活発に働く温度の30℃〜65℃未満で焙煎すると、ルチンからケルセチンに変化しすい。酵素は65℃以上で働きが停止するので、焙煎温度は65℃未満、特に60℃前後で行われることが好ましい。60℃で24時間低温焙煎をした後、乾燥を確認して、高温焙煎に移る。このとき、高温焙煎してもケルセチンは失われない。
本実施形態のソバ原料含有食品組成物を摂取することにより、キノコキトサン、トレハロースも摂取できる。また、低う蝕性(虫歯)対策、骨粗しょう症予防、口腔粘膜保護、食物アレルギー低減が期待できる。また、ソバの種子、ソバの実を用いなければ、主に韃靼ソバ草の葉、茎を用いることになるので、ソバアレルギー反応が出ない。さらには、上記の乾燥中の発酵や凍結乾燥により、加水分解が進み、アレルギー物質が変化すると共に、ルチンの一部が変化してケルセチンも生じる。蕎麦アレルギー物質は、ソバの実に含まれるたんぱく質であるので、外の殻ができても、たんぱく質が形成されるまで1週間前後の時間が必要である。
韃靼ソバ草を、根を付けたまま採集し、根を付けたまま、一昼夜、韃靼ソバ草を平にしてから屋外で天日乾燥した。その後洗浄し、韃靼ソバ草を纏めて結束し、韃靼ソバ草の根を上にして、通気性の良い場所で吊るし、韃靼ソバ草に含まれる水分量が20%以下になるまで天日乾燥し、韃靼ソバ草乾燥物を得た。韃靼ソバ草乾燥物を切断して根を取り除き、残りの葉や茎などを4cm以下に切断した。冷凍庫に入れ、水分量が10%以下になるまで凍結乾燥した。
エノキを天日乾燥し、エノキの質量が乾燥前と比較して3分の1以下程度、水分量で50%以下になるまで行った。その後、60℃の庫内に48時間入れて乾燥し、エノキに含まれる水分量が25%以下になるまで行った。エノキ乾燥物を4cm以下に切断し、冷凍庫に入れ、水分量が10%以下になるまで凍結乾燥した。
韃靼ソバ草凍結乾燥物とエノキ凍結乾燥物を、重量比2:1で混合して解凍し、焙煎して韃靼ソバ草焙煎物とエノキ焙煎物を得た。焙煎後の粗熱を取った後に、韃靼ソバ草焙煎物およびエノキ焙煎物を粉砕して粉末状にし、ソバ原料含有食品組成物とした。
得られたソバ原料含有食品組成物の成分分析を行った。高速液体クロマトグラフ(アジレント社製1100シリーズ)により、粉末状のソバ原料含有食品組成物を成分分析した。各種アミノ酸、ルチン、ケルセチンの成分分析結果を表1、表2に示す。得られたソバ原料含有食品組成物は、100g中のルチンの量が3683mgであり、さらにケルセチンが検出された。また、韃靼ソバ草およびエノキのやや不快に感じられる気になる臭いが消え、味にまろやかさも生じた。
Figure 0006608784
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Claims (11)

  1. 根を付けたままの韃靼ソバ草を乾燥して、韃靼ソバ草乾燥物を得る韃靼ソバ草乾燥工程と、
    前記韃靼ソバ草乾燥物を凍結乾燥して、韃靼ソバ草凍結乾燥物を得る韃靼ソバ草凍結乾燥工程と、
    エノキを乾燥してエノキ乾燥物を得るエノキ乾燥工程と、
    前記エノキ乾燥物を凍結乾燥して、エノキ凍結乾燥物を得るエノキ凍結乾燥工程と、
    前記韃靼ソバ草凍結乾燥物と、前記エノキ凍結乾燥物とを重量比で1:1〜2:1の範囲で混合した混合物を焙煎して、韃靼ソバ草焙煎物およびエノキ焙煎物を得る焙煎工程と、
    前記韃靼ソバ草凍結乾燥工程の前に前記韃靼ソバ草乾燥物から根を除く工程、または、前記焙煎工程の前に前記韃靼ソバ草凍結乾燥物から根を除く工程と、を含み、
    前記韃靼ソバ草乾燥工程は、天日乾燥する工程が含まれ、
    韃靼ソバ草の茎、葉の焙煎物を含む前記韃靼ソバ草焙煎物および前記エノキ焙煎物を含有し、ケルセチンを含有することを特徴とするソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  2. 前記韃靼ソバ草は、発芽から開花直後までの期間に採集された前記韃靼ソバ草であることを特徴とする請求項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  3. 前記韃靼ソバ草には、韃靼ソバの実を含めず、韃靼ソバの実由来の前記韃靼ソバ草乾燥物、韃靼ソバの実由来の前記韃靼ソバ草凍結乾燥物、韃靼ソバの実由来の前記韃靼ソバ草焙煎物を含めないことを特徴とする請求項1または請求項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  4. 前記韃靼ソバ草焙煎物と、前記エノキ焙煎物とを粉砕して粉末にする粉砕工程が含まれることを特徴とする請求項から請求項いずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  5. 少なくとも、前記韃靼ソバ草凍結乾燥工程により、ソバ原料含有食品組成物100gあたりのルチンを、3000mg以上にすることを特徴とする請求項から請求項いずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  6. 前記韃靼ソバ草乾燥工程において、前記韃靼ソバ草を、水分量が20%以下になるまで乾燥することを特徴とする請求項から請求項いずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  7. 前記韃靼ソバ草凍結乾燥工程において、前記韃靼ソバ草乾燥物を、水分量が10%以下になるまで凍結乾燥することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  8. 前記エノキ乾燥工程において、前記エノキを、水分量が30%以下になるまで乾燥することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  9. 前記エノキ凍結乾燥工程において、前記エノキ乾燥物を、水分量が10%以下になるまで凍結乾燥することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  10. 少なくとも、前記韃靼ソバ草乾燥工程により、ソバ原料含有食品組成物に、前記ケルセチンを含むことを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
  11. 前記天日乾燥する工程において、前記韃靼ソバ草を、水分量が30%になるまでの間、発酵させることを特徴とする請求項から請求項10のいずれか一項に記載のソバ原料含有食品組成物の製造方法。
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