以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(部品実装装置の構成)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
部品実装装置100は、ダイシングされたウエハWからベアチップ(半導体チップ)Cを取り出して実装対象物Mの被実装面M1上に実装(装着)する部品実装装置である。実装対象物Mは、たとえばベアチップCを搭載したパッケージ部品を製造するためのリードフレームやインターポーザなど、または、ベアチップCおよびパッケージ部品などを直接実装するためのプリント基板などである。なお、ベアチップCは、特許請求の範囲の「部品」の一例である。
部品実装装置100は、図1に示すように、基台1と、コンベア2と、ヘッドユニット3と、ウエハ保持テーブル4と、突上げ部5(図2参照)と、取出部6と、転写ユニット7と、固定カメラ8と、ウエハ収納部9と、制御部10と、真空ポンプ11とを備えている。なお、真空ポンプ11は、特許請求の範囲の「負圧源」の一例である。
コンベア2は、所定の実装作業位置に実装対象物Mを搬入するとともに、所定の実装作業位置から実装対象物Mを搬出するように構成されている。また、コンベア2は、X方向に延びる一対のコンベアレールと、実装対象物Mを所定位置で位置決めする位置決め機構(図示せず)とを含んでいる。これにより、コンベア2は、実装対象物Mをほぼ水平姿勢でX方向に搬送し、所定の実装作業位置に実装対象物Mを位置決め固定することが可能なように構成されている。
図2に示すように、ヘッドユニット3は、XY移動機構3aにより、コンベア2およびウエハ保持テーブル4の上方を水平方向(XY方向)に移動可能に支持されている。ヘッドユニット3は、X方向に並んで配置された複数(2つ)の実装ヘッド31と、1つの基板認識カメラ32とを含んでいる。なお、実装ヘッド31は、特許請求の範囲の「他の吸着部」の一例である。
また、ヘッドユニット3は、取出部6によりウエハWから取り出されるベアチップCを実装ヘッド31により吸着して実装対象物Mの被実装面M1上に実装するように構成されている。実装ヘッド31は、真空ポンプ11(図1参照)により先端部に発生させた負圧によって、ベアチップCを上方から吸着して保持することが可能なように構成されている。
基板認識カメラ32は、たとえばCCDやCMOSなどの撮像素子を備えるカメラである。また、ヘッドユニット3は、実装対象物MへのベアチップCの実装に先立って基板認識カメラ32により実装対象物Mに付されたフィデューシャルマーク(図示せず)を認識する。これにより、実装対象物Mの位置ずれが認識され、実装時に位置ずれ補正がされる。
図1に示すように、基台1上であってヘッドユニット3の可動領域内には、部品認識用の固定カメラ8が設置されている。固定カメラ8は、ヘッドユニット3の実装ヘッド31により吸着されているベアチップCを下側(Z2方向側)から撮像するように構成されている。制御部10は、この固定カメラ8によるベアチップCの下面画像に基づいて、ベアチップCの吸着位置ずれや、ベアチップCのバンプまたはリードの欠損などを認識することが可能である。
また、ウエハ収納部9は、ダイシングされた複数枚のウエハWを収容することが可能なように構成されている。ウエハWのベアチップCは、たとえば電極上にバンプが形成されたフリップチップである。この場合、ベアチップCは、バンプ形成面(実装面)が上方を向くようにウエハシートWS上に貼り付けられて保持されている。
ウエハ保持テーブル4は、出し入れ機構(図示せず)によりウエハ収納部9から引き出されたウエハWを所定位置で支持するように構成されている。また、ウエハ保持テーブル4は、Y方向に移動することが可能なように構成されている。
図2に示すように、突上げ部5は、X方向に移動することが可能なように構成されている。また、突上げ部5は、X方向に並んで配置された複数(2つ)の突上げヘッド51を含んでいる。突上げ部5は、ウエハ保持テーブル4上のウエハWのうち、取り出し対象のベアチップCを、突上げヘッド51のピン(図示せず)により下側から突上げる。これにより、突上げ部5は、取り出し対象のベアチップCをウエハシートWSから剥離させながら持ち上げるように構成されている。この際、突上げ部5は、真空ポンプ11により突上げヘッド51の上面に発生させた負圧によって、ウエハWを保持するウエハシートWSを吸着しながら、取り出し対象のベアチップCをウエハシートWSから剥離させるように構成されている。また、ウエハ保持テーブル4のY方向の移動と、突上げヘッド51のX方向の移動とによって、突上げヘッド51は、ウエハ保持テーブル4に保持されたウエハWの任意のベアチップCを突上げることが可能なように構成されている。なお、突上げヘッド51は、特許請求の範囲の「他の吸着部」の一例である。
取出部6は、ウエハWからベアチップCを取り出してヘッドユニット3に受け渡すように構成されている。また、取出部6は、ウエハ保持テーブル4の上方(Z2方向)において水平方向(XY方向)に移動することが可能なように構成されている。また、取出部6は、複数(4つ)のウエハヘッド61を含んでいる。また、取出部6のフレームには、部品認識カメラ62が設けられている。部品認識カメラ62は、たとえばCCDやCMOSなどの撮像素子を備えるカメラである。また、部品認識カメラ62は、ウエハWからのベアチップCの取り出しに先立ち、取り出し対象のベアチップCを撮像するように構成されている。制御部10は、この部品認識カメラ62によるベアチップCの画像に基づいて、ベアチップCの取出位置および角度を認識することが可能である。
ウエハヘッド61は、X方向と平行な軸線回りに回転することが可能で、かつ、上下方向(Z方向)に移動(昇降)することが可能なように構成されている。また、ウエハヘッド61は、真空ポンプ11により先端部61aに発生させた負圧によって、ベアチップCを吸着することが可能なように構成されている。これにより、取出部6は、突上げヘッド51により突き上げられたベアチップCをウエハヘッド61により吸着して取り出し、ベアチップCを反転(フリップ)させ、所定の受け渡し位置において、実装ヘッド31にベアチップCを受け渡すように構成されている。図3に示すように、取出部6のウエハヘッド61は、ベアチップCのバンプ形成面が上方を向いた状態でベアチップCを吸着する。ベアチップCのバンプ形成面を安定して吸着できるように、ウエハヘッド61の先端部61aは柔軟な素材により形成されている。なお、ウエハヘッド61は、特許請求の範囲の「吸着ヘッド」の一例である。
取出部6のXY方向における可動領域とヘッドユニット3のXY方向における可動領域とは平面視において一部重複しており、ヘッドユニット3と取出部6とを上下に並ぶように配置させることが可能である。これにより、取出部6からヘッドユニット3へのベアチップCの受渡しが可能となっている。
図2に示すように、転写ユニット7は、平坦な上面(転写面71)を有する回転ステージ72と、回転ステージ72の転写面71から僅かに上方に離間して配置されたスキージ73とを有する。転写面71上には、フラックスなどの転写材が供給され、回転ステージ72により転写面71が回転する。この結果、フラックスは、転写面71上でスキージ73によって引き延ばされ、転写面71とスキージ73との間隔分の薄い平坦面状に成形される。平坦面上に成型されたフラックスは、実装対象物MへのベアチップCの実装に先立って、ベアチップCのバンプ形成面に転写される。
図1に示すように、制御部10は、基台1内に配置されている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、部品実装装置100の動作を制御するように構成されている。つまり、制御部10は、コンベア2、ヘッドユニット3、ウエハ保持テーブル4、突上げ部5、取出部6および転写ユニット7などの動作制御を行う機能、および、各種カメラ(基板認識カメラ32、部品認識カメラ62および固定カメラ8)の撮像制御および上記した画像認識を行う機能を有する。制御部10は、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。
真空ポンプ11は、基台1内に配置されている。また、図3に示すように、真空ポンプ11は、実装ヘッド31、突上げヘッド51およびウエハヘッド61に負圧を供給するように構成されている。つまり、実装ヘッド31、突上げヘッド51およびウエハヘッド61は、同じ真空ポンプ11に接続されている。以下では、理解の容易のために、単一の真空ポンプ11Aに、複数(2つ)の実装ヘッド31のうち1つの実装ヘッド31A、複数(2つ)の突上げヘッド51のうち1つの突上げヘッド51A、および、複数(4つ)のウエハヘッド61のうち1つのウエハヘッド61Aが接続されているものとして説明する。なお、複数(2つ)の実装ヘッド31、複数(2つ)の突上げヘッド51および複数(4つ)のウエハヘッド61が、単一の真空ポンプ11に接続されていてもよい。
真空ポンプ11A、実装ヘッド31A、突上げヘッド51Aおよびウエハヘッド61Aは、負圧供給配管12により互いに接続されている。負圧供給配管12には、ウエハヘッド61Aへの負圧の供給/非供給を切り替えるための開閉弁12aと、実装ヘッド31Aへの負圧の供給/非供給を切り替えるための開閉弁12bと、突上げヘッド51Aへの負圧の供給/非供給を切り替えるための開閉弁12cとが設けられている。また、負圧供給配管12には、ウエハヘッド61Aから真空ポンプ11Aに流れる空気の流量を検出する流量センサ13が設けられている。開閉弁12a〜12cは、制御部10からの開閉信号(制御信号)に応じて、負圧を供給可能な開状態、または、負圧を供給しない閉状態に切り替わるように構成されている。
(高さ測定に関する構成)
次に、図4および図5を参照して、ベアチップCの高さ測定に関する構成について説明する。
制御部10は、図4に示すように、ウエハヘッド61AによりベアチップCを吸着させることによって、ウエハシートWS上に配置されたベアチップCの高さh1を取得するように構成されている。なお、高さh1は、部品実装装置100における基準高さh0からの高さである。
具体的には、制御部10は、図4(A)に示すように、ウエハヘッド61Aの先端部61aがベアチップCに到達するよりも前に、真空ポンプ11Aによりウエハヘッド61Aの先端部61aに負圧を発生させる制御を行うように構成されている。
そして、制御部10は、真空ポンプ11Aによりウエハヘッド61Aの先端部61aに負圧を発生させた状態で、ウエハヘッド61AをベアチップCに向かって下降させる制御を行うように構成されている。また、ベアチップCの高さh1の測定時には、制御部10は、真空ポンプ11Aにより突上げヘッド51Aの上面に発生させた負圧によって、突上げヘッド51Aにより下方からウエハシートWSを吸着させる制御を行うように構成されている。この際、突上げヘッド51のピン(図示せず)によるベアチップCの突上げは行われない。
そして、制御部10は、図4(B)に示すように、ウエハヘッド61Aの先端部61aがベアチップCに到達した(ウエハヘッド61Aの先端部61aにベアチップCが吸着された)時点のウエハヘッド61Aの先端部61aの高さを、ウエハシートWS上に配置されたベアチップCの高さh1(ベアチップCの上端の高さ)として取得するように構成されている。
また、制御部10は、図5に示すように、流量センサ13(図4参照)の検出結果に基づいて、ウエハシートWS上に配置されたベアチップCの高さh1を取得するように構成されている。具体的には、制御部10は、流量センサ13により検出される空気の流量が、判定値V1と等しくなった時点のウエハヘッド61Aの先端部61aの高さを、ウエハシートWS上に配置されたベアチップCの高さh1として取得するように構成されている。
ここで、ウエハヘッド61Aの先端部61aから吸引される空気の流量は、ウエハヘッド61Aの先端部61aがベアチップCに到達する前は、ウエハヘッド61Aの先端部61aの開口が開放されているため、略一定の吸着前流量V0になる。一方、ウエハヘッド61Aの先端部61aがベアチップCに到達すると、ウエハヘッド61Aの先端部61aの開口がベアチップCにより塞がれるため、ウエハヘッド61Aの先端部61aから吸引される空気の流量は、急激に減少する。流量センサ13により検出される空気の流量も同様に変化するため、流量センサ13の検出結果に基づいて、ウエハヘッド61Aの先端部61aがベアチップCに到達したか否かを判断することが可能である。これにより、ウエハヘッド61Aの先端部61aがベアチップCに到達した時点のウエハヘッド61Aの先端部61aの高さ(すなわち、ウエハシートWS上に配置されたベアチップCの高さh1)を取得することが可能である。なお、判定値V1は、略一定の吸着前流量V0よりも小さい値である。判定値V1は、たとえば、略一定の吸着前流量V0に対して所定の割合だけ小さい値とすることができる。
そして、制御部10は、取得されたベアチップCの高さh1に基づいて、ベアチップCの取出し時(実装時)のウエハヘッド61Aの吸着高さ位置を補正するように構成されている。これにより、ウエハW毎にベアチップCの高さが異なる場合にも、安定してウエハヘッド61AによりベアチップCを吸着することが可能になる。
(高さ測定時の空気のリークについて)
ここで、第1実施形態では、図3および図4に示すように、実装ヘッド31Aおよび実装ヘッド31Aの開閉弁12bは、ベアチップCの高さ測定時に空気をリークさせるリーク部14を構成している。なお、開閉弁12bは、特許請求の範囲の「開閉弁」の一例である。
そして、第1実施形態では、図4に示すように、制御部10は、リーク部14により空気をリークさせることによって、ウエハヘッド61Aの負圧を低下させて吸着力を小さくした状態で、ベアチップCの高さh1の測定の制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部10は、ベアチップCの高さh1の測定時に、実装ヘッド31Aの開閉弁12bを開にすることによって、リーク部14の実装ヘッド31Aにより空気をリークさせる制御を行うように構成されている。つまり、第1実施形態では、制御部10は、ウエハヘッド61Aと同じ真空ポンプ11Aに接続された実装ヘッド31Aおよび突上げヘッド51Aのうち、ベアチップCの高さh1の測定時に使用されていない実装ヘッド31Aにより空気をリークさせる制御を行うように構成されている。なお、突上げヘッド51Aは、ベアチップCの高さh1の測定時には、真空ポンプ11Aにより上面に発生させた負圧によって、下方からウエハシートWSを吸着している。
なお、複数(4つ)のウエハヘッド61のうち、ベアチップCの高さh1の測定に用いられるウエハヘッド61Aとは異なるウエハヘッド61が、真空ポンプ11Aに接続されており、かつ、ベアチップCの高さh1の測定時に使用されていない場合には、このウエハヘッド61により空気をリークさせてもよい。同様に、複数(2つ)の実装ヘッド31のうち、実装ヘッド31Aとは異なる実装ヘッド31が、真空ポンプ11Aに接続されており、かつ、ベアチップCの高さh1の測定時に使用されていない場合には、この実装ヘッド31により空気をリークさせてもよい。また、複数(2つ)の突上げヘッド51のうち、ベアチップCの高さh1の測定時にウエハシートWSを吸着している突上げヘッド51Aとは異なる突上げヘッド51が、真空ポンプ11Aに接続されており、かつ、ベアチップCの高さh1の測定時に使用されていない場合には、この突上げヘッド51により空気をリークさせてもよい。また、使用されていない吸着部(ウエハヘッド61、実装ヘッド31および突上げヘッド51)が複数ある場合には、使用されていない複数の吸着部により、空気をリークさせてもよい。
(高さ測定動作)
次に、図4を参照して、第1実施形態の部品実装装置100による、ベアチップCの高さh1の測定動作を説明する。
図4(A)に示すように、ベアチップCの高さh1の測定時には、制御部10からの制御信号に基づいて、ウエハヘッド61Aの開閉弁12a、実装ヘッド31Aの開閉弁12bおよび突上げヘッド51Aの開閉弁12cが開にされる。これにより、ウエハヘッド61A、実装ヘッド31Aおよび突上げヘッド51Aにおいて、真空ポンプ11Aによる負圧が発生する。
そして、突上げヘッド51Aは、高さ測定対象のベアチップCの下方からウエハシートWSを吸着する。また、ウエハヘッド61Aは、先端部61aから空気を吸い込みながら、高さ測定対象のベアチップCに向かって下降される。また、リーク部14の実装ヘッド31Aは、空気を吸い込み続けることによって、空気をリークさせる。
そして、図4(B)に示すように、ウエハヘッド61Aの先端部61aが高さ測定対象のベアチップCに到達する。この結果、流量センサ13の検出結果に基づいて、ウエハヘッド61Aの先端部61aの高さが、高さ測定対象のベアチップCの高さh1として取得される。高さ測定の間、リーク部14の実装ヘッド31Aにより、空気が吸い込み続けられることによって、空気がリークされ続ける。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、リーク部14により空気をリークさせることによって、ウエハヘッド61(61A)の負圧を低下させて(気圧を上げて)吸着力を小さくした状態で、ベアチップCの高さh1の測定の制御を行う制御部10を設ける。これにより、ウエハヘッド61(61A)の負圧を低下させて吸着力を小さくした状態で、ベアチップCの高さh1の測定が行われるので、ウエハヘッド61(61A)の吸着によりベアチップCが浮き上がることを抑制することができる。その結果、ベアチップCの高さ位置にずれが生じることを抑制することができるので、ウエハヘッド61(61A)による吸着によりベアチップCの高さh1の測定を行う場合に、ベアチップCの高さを正確に測定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、リーク部14の開閉弁12bを開にすることによって、リーク部14により空気をリークさせる制御を行うように制御部10を構成する。これにより、開閉弁12bを用いた簡単な構成により、空気をリークさせることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、リーク部14の実装ヘッド31(31A)により空気をリークさせる制御を行うように制御部10を構成する。これにより、部品実装装置100が備える既存の実装ヘッド31(31A)を利用して、空気をリークさせることができる。その結果、空気をリークさせるために専用のリーク部を別途設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制することができるとともに、装置の構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の他の吸着部(実装ヘッド31(31A)および突上げヘッド51(51A))のうち、ベアチップCの高さ測定時に使用されていない他の吸着部(実装ヘッド31(31A))により空気をリークさせる制御を行うように制御部10を構成する。これにより、いずれかの吸着部(第1実施形態では、突上げヘッド51(51A))が使用中である場合にも、使用されていない他の吸着部(第1実施形態では、実装ヘッド31(31A))により空気をリークさせることができる。その結果、他の吸着部を用いて空気をリークさせる場合にも、ベアチップCの高さ測定時に、確実に、空気をリークさせることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、流量センサ13の検出結果に基づいて、ベアチップCの高さを取得するように制御部10を構成する。これにより、ウエハヘッド61(61A)にベアチップCが吸着された場合に、負圧供給配管12を流れる空気の流量が変化することを利用して、容易に、ベアチップCの高さを取得することができる。
[第2実施形態]
次に、図1、図2および図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、ウエハヘッドと同じ真空ポンプに接続された他の吸着部(実装ヘッドなど)により空気をリークさせる上記第1実施形態とは異なり、リーク用開閉弁を設けて、リーク用開閉弁により空気をリークさせる例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(部品実装装置の構成)
本発明の第2実施形態による部品実装装置200(図2参照)は、図1に示すように、制御部110を備える点で、上記第1実施形態の部品実装装置100と相違する。
また、第2実施形態では、図6に示すように、負圧供給配管12には、リーク用開閉弁115が設けられている。リーク用開閉弁115は、一端側が負圧供給配管12に接続され、他端側がウエハヘッド61Aと同じ真空ポンプ11Aに接続された他の吸着部(実装ヘッド31Aおよび突上げヘッド51A)に接続されることなく大気中に開放されている。また、リーク用開閉弁115の一端側は、ウエハヘッド61Aの近傍の負圧供給配管12に接続されている。具体的には、リーク用開閉弁115の一端側は、ウエハヘッド61と、ウエハヘッド61の開閉弁12aとの間において、負圧供給配管12に接続されている。第2実施形態では、リーク用開閉弁115は、リーク部114を構成している。
また、リーク用開閉弁115は、制御部110からの開閉信号(制御信号)に応じて、空気をリークさせる開状態、または、空気をリークさせない閉状態に切り替わるように構成されている。
そして、第2実施形態では、制御部110は、リーク部114のリーク用開閉弁115を開にすることによって、リーク部114のリーク用開閉弁115により空気をリークさせる制御を行うように構成されている。なお、リーク用開閉弁115は、特許請求の範囲の「開閉弁」の一例である。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、リーク部114により空気をリークさせることによって、ウエハヘッド61(61A)の負圧を低下させて吸着力を小さくした状態で、ベアチップCの高さh1の測定の制御を行う制御部110を設ける。これにより、上記第1実施形態と同様に、ウエハヘッド61(61A)による吸着によりベアチップCの高さ測定を行う場合に、ベアチップCの高さを正確に測定することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、リーク部114が、一端側が負圧供給配管12に接続され、他端側がウエハヘッド61(61A)と同じ真空ポンプ11に接続された他の吸着部(実装ヘッド31(31A)および突上げヘッド51(51A))に接続されることなく大気中に開放されるリーク用開閉弁115を含んでいる。そして、リーク部114のリーク用開閉弁115により空気をリークさせる制御を行うように制御部110を構成する。これにより、リーク用の開閉弁(リーク用開閉弁115)が設けられるので、ベアチップCの高さ測定時に、確実に、空気をリークさせることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、リーク用開閉弁115の一端側を、ウエハヘッド61(61A)の近傍の負圧供給配管12に接続する。これにより、ウエハヘッド61(61A)の近傍において、空気をリークさせることができる。その結果、ウエハヘッド61(61A)と同じ負圧源に他の吸着部(実装ヘッド31(31A)および突上げヘッド51(51A))が接続されている場合にも、他の吸着部から遠い位置で空気をリークさせることができるので、リーク部114による空気のリークが、他の吸着部に影響することを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ダイシングされたウエハからベアチップを取り出して実装する部品実装装置に、本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、たとえば、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品(いわゆる、パッケージ部品)を実装する部品実装装置に適用されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ベアチップを高さ測定の測定対象物とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベアチップ以外を、高さ測定の測定対象物としてもよい。たとえば、いわゆるパッケージ部品を実装する部品実装装置では、パッケージ部品を高さ測定の測定対象物としてもよい。この場合、吸着ヘッドの吸着により浮き上がりが生じやすい極小のパッケージ部品の高さ測定時に、本発明は特に有効である。また、部品を吸着して基板に実装する部品実装装置では、基板を高さ測定の測定対象物としてもよい。この場合、吸着ヘッドの吸着により浮き上がりが生じやすいフレキシブル基板の高さ測定時に、本発明は特に有効である。
また、上記第1および第2実施形態では、高さ測定用の吸着ヘッドとして、ダイシングされたウエハからベアチップ(測定対象物)を吸着するウエハヘッドを用いた例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、測定対象物を吸着可能であれば、高さ測定用の吸着ヘッドとして、ウエハヘッド以外の吸着ヘッドを用いてもよい。たとえば、上記第1および第2実施形態の実装ヘッド31を高さ測定用の吸着ヘッドとして用いてもよい。また、いわゆるパッケージ部品を実装する部品実装装置では、パッケージ部品を吸着可能な吸着ヘッドを高さ測定用の吸着ヘッドとして用いてもよい。また、部品を吸着して基板に実装する部品実装装置では、部品を吸着可能な吸着ヘッドであって基板を吸着可能な吸着ヘッドを高さ測定用の吸着ヘッドとして用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、負圧源として、真空ポンプを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負圧源として、真空ポンプ以外の負圧源を用いてもよい。また、負圧源を部品実装装置が備えていなくてもよい。この場合、部品実装装置が配置される工場などに配置される負圧源により、負圧が供給されてもよい。
また、上記第1実施形態では、空気をリークさせるために、ウエハヘッドと同じ真空ポンプ(負圧源)に接続された他の吸着部(実装ヘッド)を含むリーク部を用いる例を示した。また、第2実施形態では、空気をリークさせるために、リーク用開閉弁を含むリーク部を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ウエハヘッドと同じ真空ポンプ(負圧源)に接続された他の吸着部(実装ヘッド)を含むリーク部、および、リーク用開閉弁を含むリーク部以外のリーク部を用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、負圧供給配管に流量センサを設けるとともに、制御部が、流量センサの検出結果に基づいて、ベアチップ(測定対象物)の高さを取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負圧供給配管に流量センサ以外のセンサを設けるとともに、制御部が、流量センサ以外のセンサの検出結果に基づいて、測定対象物の高さを取得するように構成されてもよい。たとえば、負圧供給配管に圧力センサを設けるとともに、制御部が、圧力センサの検出結果に基づいて、測定対象物の高さを取得するように構成されてもよい。ここで、負圧供給配管内の圧力(負圧)は、空気の流量と同様に、吸着ヘッドの先端部が測定対象物に到達する前後で変化する。したがって、圧力センサを設ける場合にも、負圧供給配管内の圧力が変化することを利用して、容易に、測定対象物の高さを取得することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、ウエハヘッド(吸着ヘッド)と同じ真空ポンプ(負圧源)に接続される他の吸着部が、実装ヘッドおよび突上げヘッドである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吸着ヘッドと同じ負圧源に接続される他の吸着部は、実装ヘッドおよび突上げヘッド以外の他の吸着部であってもよい。
また、上記第2実施形態では、リーク用開閉弁の一端側が、ウエハヘッド(吸着ヘッド)の近傍の負圧供給配管に接続されている例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、リーク用開閉弁の一端側は、負圧供給配管のいずれの位置に接続されてもよい。たとえば、図7に示すように、第2実施形態の変形例では、リーク部114aのリーク用開閉弁115aの一端側は、真空ポンプ11(負圧源)の近傍の負圧供給配管12に接続されている。