JP6596196B2 - 多孔質膜製造用ワニスの製造方法 - Google Patents

多孔質膜製造用ワニスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質膜製造用ワニス、それを用いた多孔質膜の製造方法及びポリアミドイミド多孔質膜に関する。
近年、リチウムイオン電池のセパレータや燃料電池電解質膜、ガス又は液体の分離用膜、低誘電率材料として多孔質ポリイミドの研究がなされている。
例えば、特定の混合溶剤をポリアミド酸溶液に用い多孔質化する方法、親水性ポリマーを含むポリアミド酸を加熱イミド化した後、親水性ポリマーを取り除き多孔質化する方法、シリカ粒子を含有するポリイミドからシリカを取り除き多孔質化する方法等が公知である(特許文献1〜3参照)。
中でも、シリカ粒子を含有するポリイミドからシリカを取り除き多孔質化する方法は均質で緻密な多孔質膜を製造できる有効な手段である。その製造方法において、ポリアミド酸とシリカ粒子とを含有する多孔質膜製造用ワニスを用いて、まず基板上にポリアミド酸とシリカ粒子とを含有する未焼成複合膜を形成することが必要とされる。
また、シリカ粒子を用いた方法について、ポリイミド以外の樹脂を使用する方法も提案されている(特許文献4参照)。特許文献4には、シリカを含む樹脂溶液を基板上にスピンコートして厚さ約10μmの膜を形成した後、フッ酸に浸漬させシリカを除去することで多孔質膜を得る実施例が記載されている。
特開2007−211136号公報 特開2000−044719号公報 特開2012−107144号公報 特開2004−292537号公報
近年、上記のような多孔質膜には、多孔質膜の空孔率をできるだけ維持しつつ、薄膜化が求められるようになってきている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、薄膜化と高空孔率化のため、基板、支持体等の上に、粒子を含む多孔質膜製造用ワニスを薄く塗布すると、はじき(ピンホール)が生じてしまい、均一な膜が形成されないことが判明した。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、はじきを生じにくい未焼成複合膜を与える多孔質膜製造用ワニス、それを用いた多孔質膜の製造方法、及び、薄膜化を実現したポリアミドイミド多孔質膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、多孔質膜製造用ワニスに特定の界面活性剤を含有させることにより、シリカ等の微粒子を含有するにもかかわらず、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及びポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1つの樹脂(A)、微粒子(B)、並びに、アルキレンオキサイド鎖を有するケイ素原子及び/又はフッ素原子含有界面活性剤(C)を含有する、多孔質膜製造用ワニスである。
本発明の第二の態様は、本発明の多孔質膜製造用ワニスを用いて、未焼成複合膜を形成する未焼成複合膜形成工程と、上記未焼成複合膜をベークして樹脂−微粒子複合膜を得るベーク工程と、上記樹脂−微粒子複合膜から微粒子を取り除く微粒子除去工程と、を有する多孔質膜の製造方法である。
本発明によれば、はじきを生じにくい未焼成複合膜を与える多孔質膜製造用ワニス、それを用いた多孔質膜の製造方法及びポリアミドイミド多孔質膜を提供することができる。
比較例1の塗膜の写真を表す図である。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<多孔質膜製造用ワニス>
本発明の多孔質膜製造用ワニスは、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及びポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1つの樹脂(A)、微粒子(B)、並びに、アルキレンオキサイド鎖を有するケイ素原子及び/又はフッ素原子含有界面活性剤(C)を含有する。本発明の多孔質膜製造用ワニスは、上記のとおり、特定の界面活性剤を含有させることにより、はじきを生じにくい未焼成複合膜を与えることができる。
〔樹脂(A)〕
本発明の多孔質膜製造用ワニスに用いる樹脂(A)は、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及びポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1つの樹脂(以下、「ポリイミド系樹脂」と総称することがある。)である。
[ポリアミド酸]
本発明で用いるポリアミド酸としては、任意のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合して得られるものが、特に限定されることなく使用できる。テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの使用量は特に限定されないが、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、ジアミンを0.50〜1.50モル用いるのが好ましく、0.60〜1.30モル用いるのがより好ましく、0.70〜1.20モル用いるのが特に好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されているテトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。テトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物であっても、脂肪族テトラカルボン酸二無水物であってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の好適な具体例としては、ピロメリット酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2,6,6−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス無水フタル酸フルオレン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中では、価格、入手容易性等から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物が好ましい。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は1種類を単独で又は二種以上混合して用いることもできる。
ジアミンは、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されているジアミンから適宜選択することができる。ジアミンは、芳香族ジアミンであっても、脂肪族ジアミンであってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族ジアミンが好ましい。これらのジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
芳香族ジアミンとしては、フェニル基が1個あるいは2〜10個程度が結合したジアミノ化合物を挙げることができる。具体的には、フェニレンジアミン及びその誘導体、ジアミノビフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノジフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノトリフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノナフタレン及びその誘導体、アミノフェニルアミノインダン及びその誘導体、ジアミノテトラフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノヘキサフェニル化合物及びその誘導体、カルド型フルオレンジアミン誘導体である。
フェニレンジアミンはm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等であり、フェニレンジアミン誘導体としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が結合したジアミン、例えば、2,4−ジアミノトルエン、2,4−トリフェニレンジアミン等である。
ジアミノビフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基がフェニル基同士で結合したものである。例えば、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等である。
ジアミノジフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基が他の基を介してフェニル基同士で結合したものである。結合はエーテル結合、スルホニル結合、チオエーテル結合、アルキレン又はその誘導体基による結合、イミノ結合、アゾ結合、ホスフィンオキシド結合、アミド結合、ウレイレン結合等である。アルキレン結合は炭素数が1〜6程度のものであり、その誘導体基はアルキレン基の水素原子の1以上がハロゲン原子等で置換されたものである。
ジアミノジフェニル化合物の例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(p−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−2−ぺンテン、イミノジアニリン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)ペンタン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ジアミノジフェニルアミド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
これらの中では、価格、入手容易性等から、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
ジアミノトリフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基と1つのフェニレン基が何れも他の基を介して結合したものであり、他の基は、ジアミノジフェニル化合物と同様のものが選ばれる。ジアミノトリフェニル化合物の例としては、1,3−ビス(m−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン等を挙げることができる。
ジアミノナフタレンの例としては、1,5−ジアミノナフタレン及び2,6−ジアミノナフタレンを挙げることができる。
アミノフェニルアミノインダンの例としては、5又は6−アミノ−1−(p−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダンを挙げることができる。
ジアミノテトラフェニル化合物の例としては、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[p−(p’−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[p−(p’−アミノフェノキシ)ビフェニル]プロパン、2,2’−ビス[p−(m−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン等を挙げることができる。
カルド型フルオレンジアミン誘導体は、9,9−ビスアニリンフルオレン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンは、例えば、炭素数が2〜15程度のものがよく、具体的には、ペンタメチレンジアミン、へキサメチレンジアミン、へプタメチレンジアミン等が挙げられる。
なお、これらのジアミンの水素原子がハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基等の群より選択される少なくとも1種の置換基により置換された化合物であってもよい。
本発明で用いられるポリアミド酸を製造する手段に特に制限はなく、例えば、溶剤中で酸、ジアミン成分を反応させる方法等の公知の手法を用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、通常、溶剤中で行われる。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に使用される溶剤は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンを溶解させることができ、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンと反応しないものであれば特に限定されない。溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に用いる溶剤の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系極性溶剤;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;乳酸エチル、乳酸ブチル等の脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート等のエーテル類;クレゾール類、キシレン系混合溶媒等のフェノール系溶剤が挙げられる。
これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。溶剤の使用量に特に制限はないが、生成するポリアミド酸の含有量が5〜50質量%とするのが望ましい。
これらの溶剤の中では、生成するポリアミド酸の溶解性から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤が好ましい。
重合温度は一般的には−10〜120℃、好ましくは5〜30℃である。重合時間は使用する原料組成により異なるが、通常は3〜24Hr(時間)である。
ポリアミド酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
[ポリイミド]
本発明に用いるポリイミドは、その構造や分子量が限定されることはなく、公知のものが使用できる。ポリイミドについて、側鎖にカルボキシ基等の縮合可能な官能基又は焼成時に架橋反応等を促進させる官能基を有していてもよい。また、本発明の多孔質膜製造用ワニスが溶剤を含有するものである場合、使用する溶剤に溶解可能な可溶性ポリイミドが好ましい。
溶剤に可溶なポリイミドとするために、主鎖に柔軟な屈曲構造を導入するためのモノマーの使用、例えば、エチレジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂肪族ジアミン;2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トリジン、m−トリジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等の芳香族ジアミン;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシブチレンジアミン等のポリオキシアルキレンジアミン;ポリシロキサンジアミン;2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4,3’,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物等の使用が有効である。また、溶剤への溶解性を向上する官能基を有するモノマーの使用、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン等のフッ素化ジアミンを使用することも有効である。更に、上記ポリイミドの溶解性を向上するためのモノマーに加えて、溶解性を阻害しない範囲で、上記ポリアミド酸の欄に記したものと同じモノマーを併用することもできる。
ポリイミド及びそのモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明で用いられるポリイミドを製造する手段に特に制限はなく、例えば、ポリアミド酸を化学イミド化又は加熱イミド化させる方法等の公知の手法を用いることができる。そのようなポリイミドとしては、脂肪族ポリイミド(全脂肪族ポリイミド)、芳香族ポリイミド等を挙げることができ、芳香族ポリイミドが好ましい。芳香族ポリイミドとしては、式(1)で示す繰り返し単位を有するポリアミド酸を熱又は化学的に閉環反応によって取得したもの、若しくは式(2)で示す繰り返し単位を有するポリイミド等が挙げられる。式中、Arはアリール基を示す。本発明のワニスが溶剤を含有するものである場合、これらのポリイミドは、次いで、使用する溶剤に溶解させるとよい。
[ポリアミドイミド]
本発明に用いるポリアミドイミドは、その構造や分子量に限定されることなく、公知のものが使用できる。ポリアミドイミドについて、側鎖にカルボキシ基等の縮合可能な官能基又は焼成時に架橋反応等を促進させる官能基を有していてもよい。また、本発明の多孔質膜製造用ワニスが溶剤を含有するものである場合、使用する溶剤に溶解可能な可溶性ポリアミドイミドが好ましい。
本発明に用いるポリアミドイミドは、通常、(i)無水トリメリット酸等の1分子中にカルボキシル基と酸無水物基とを有する酸とジイソシアネートとを反応させて得られるもの、(ii)無水トリメリット酸クロライド等の上記酸の反応性誘導体とジアミンとの反応により得られる前駆体ポリマー(ポリアミドイミド前駆体)をイミド化して得られるもの等を特に限定されることなく使用できる。
上記酸又はその反応性誘導体としては、例えば、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸クロライド等の無水トリメリット酸ハロゲン化物、無水トリメリット酸エステル等が挙げられる。
上記任意のジアミンとしては、前記ポリアミド酸の説明において例示したものと同様のものが挙げられ、また、ジアミノピリジン系化合物も用いることができる。
上記任意のジイソシアネートとしては、特に限定されず、例えば、上記任意のジアミンに対応するジイソシアネート化合物等が挙げられ、具体的には、メタフェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、ビス[4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2′−ビス[4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]プロパン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリアミドイミドの原料モノマーとしては、上記以外にも、特開昭63−283705号公報、特開平2−198619号公報に一般式として記載されている化合物を使用することもできる。また、上記(ii)の方法におけるイミド化は熱イミド化又は化学イミド化の何れであってもよい。化学イミド化としては、ポリアミドイミド前駆体等を含む多孔質膜製造用ワニスを用いて形成した未焼成複合膜を、無水酢酸、あるいは無水酢酸とイソキノリンの混合溶媒に浸す等の方法を用いることができる。尚、ポリアミドイミド前駆体は、イミド化前の前駆体という観点では、ポリイミド前駆体ともいえる。
本発明の多孔質膜製造用ワニスに含有させるポリアミドイミドとしては、上述の(1)無水トリメリット酸等の酸とジイソシアネートとを反応させて得られるポリマー、(2)無水トリメリット酸クロライド等の上記酸の反応性誘導体とジアミンとの反応により得られる前駆体ポリマーをイミド化して得られるポリマー等であってよい。本明細書及び本特許請求の範囲において、「ポリアミドイミド前駆体」は、イミド化前のポリマー(前駆体ポリマー)を意味する。
ポリアミドイミドは、上記ポリマー、原料モノマー、オリゴマー又は前駆体の何れの場合であっても、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
〔微粒子(B)〕
本発明の多孔質膜製造用ワニスは、更に、微粒子(B)を含有する。
本発明で用いられる微粒子(B)の材質は、後に樹脂−微粒子複合膜から除去可能なものであれば、特に限定されることなく公知のものが採用可能である。本発明のワニスが溶剤を含有するものである場合、使用する溶剤に不溶であってよい。
微粒子(B)の材質としては、特に限定されず、例えば、無機材料としては、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、アルミナ(Al)等の金属酸化物等が挙げられ、有機材料としては、高分子量オレフィン(ポリプロピレン,ポリエチレン等)、ポリスチレン、エポキシ樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリエーテル等の有機高分子微粒子等が挙げられる。なかでも、シリカが好ましく、具体的には、コロイダルシリカ、特に、単分散球状シリカ粒子を選択することが、未焼成複合膜においてはじきを生じにくく、得られる多孔質膜において均一な孔を形成しやすい点で、好ましい。
また、本発明で用いられる微粒子(B)は、真球率が高く、粒径分布指数の小さいものが好ましい。これらの条件を備えた微粒子は、ワニス中での分散性に優れ、互いに凝集しない状態で使用することができる。
使用する微粒子(B)の平均粒径は、例えば、100〜2000nmであることが好ましく、100〜1000nmがより好ましい。これらの条件を満たすことで、微粒子を取り除いて得られる多孔質膜の孔径を揃えることができるため、セパレータに印加される電界を均一化できる点で、好ましい。
微粒子(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の多孔質膜製造用ワニスにおいて、微粒子(B)の含有量は、樹脂(A)と微粒子(B)との合計に対して65体積%以上であることが好ましい。上記範囲内であると、得られる多孔質膜の空孔率が下がりにくく、また、得られる未焼成複合膜のベーク時の収縮率が高くなりにくい。
樹脂(A)と微粒子(B)との合計に対する微粒子(B)の含有量は、上限値としては、95体積%が好ましく、90体積%がより好ましく、下限値としては、65体積%が好ましく、70体積%がより好ましく、72体積%が更に好ましい。上記微粒子の含有量の上限が上記範囲内であると、微粒子同士が凝集しにくく、また、表面にひび割れ等が生じにくいため、安定して電気特性の良好な多孔質膜を形成することができる。
なお、本明細書及び本特許請求の範囲において、体積%及び体積比は、25℃における値である。また、上記樹脂(A)の量は、樹脂(A)の固形分の量である。
樹脂(A)と微粒子(B)とを含有する未焼成複合膜をベークして樹脂−微粒子複合膜とした場合において、微粒子(B)の材質が無機材料の場合は、ポリイミド又はポリアミドイミドに対する微粒子(B)の比率が2〜6(質量比)となるように、微粒子(B)とポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドからなる樹脂とを混合することが好ましく、3〜5(質量比)とすることがより好ましい。微粒子(B)の材質が有機材料の場合は、ポリイミド又はポリアミドイミドに対する微粒子(B)の比率が1〜3.5(質量比)となるように、微粒子とポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドからなる樹脂とを混合することが好ましく、1.2〜3(質量比)とすることがより好ましい。また、樹脂−微粒子複合膜とした際にポリイミド又はポリアミドイミドに対する微粒子(B)の体積比が1.5〜4.5となるように微粒子とポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドからなる樹脂とを混合することが好ましく、1.8〜3(体積比)とすることがより好ましい。樹脂−微粒子複合膜とした際にポリイミド又はポリアミドイミドに対する微粒子(B)の質量比又は体積比が上記下限値以上であれば、セパレータとして適切な密度の孔を得ることができ、上記上限値以下であれば、粘度の増加や膜中のひび割れ等の問題を生じることなく安定して成膜することができる。
また、本発明の多孔質膜製造用ワニスにおいて、樹脂(A)の固形分と微粒子(B)との合計の含有量は、後述の多孔質膜製造用ワニス中の固形分全体(後述の溶剤以外の各成分全体)に対し、例えば、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、実質的に99〜100質量%となるよう調整することが各種製造工程の安定性の点で更により好ましい。
〔界面活性剤(C)〕
本発明の多孔質膜製造用ワニスは、更に、アルキレンオキサイド鎖を有するケイ素原子及び/又はフッ素原子含有界面活性剤(C)(以下、単に「界面活性剤(C)」ということがある。)を含有する。本発明の多孔質膜製造用ワニスは、界面活性剤(C)を含有するものであることにより、はじきを生じにくい未焼成複合膜を与えることができる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「アルキレンオキサイド鎖」とは、−O−R−(Rは直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)で表される基を意味する。Rとしては、炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。
本発明に用いる界面活性剤(C)としては、フッ素原子含有界面活性剤、ケイ素原子含有界面活性剤等が挙げられ、フッ素原子含有界面活性剤としては、下記一般式(C1−0)で表される基を含むアルキレンオキサイド鎖を有するフッ素系界面活性剤(C1)(以下、単に「フッ素系界面活性剤(C1)」ということがある。)が好ましく、ケイ素原子含有界面活性剤としては、アルキレンオキサイド鎖を有するポリシロキサン系界面活性剤(C2)(以下、単に「ポリシロキサン系界面活性剤(C2)」ということがある。)が好ましい。
本発明に用いる界面活性剤(C)は、フッ素系界面活性剤(C1)及びポリシロキサン系界面活性剤(C2)よりなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
[式(C1−0)中、Rは炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基であり、R11は炭素原子数1〜5のアルキレン基又は単結合である。]
上記式(C1−0)中、Rは、炭素原子数が6以下である。
としてのフッ素化アルキル基としては、炭素数1〜3であることが好ましく、炭素数1又は2であることが特に好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(フッ素化アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、より好ましくは50〜100%であり、水素原子をすべてフッ素原子で置換したフッ素化アルキル基(パーフルオロアルキル基)が最も好ましい。
11としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましく、メチレン基が最も好ましい。
フッ素系界面活性剤(C1)は、下記一般式(C1−1)で表される構造を有する化合物を含むことが好ましい。
[式(C1−1)中、Rは炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキレン基又は単結合であり、R13は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、nは1〜50の整数であり、mは0又は1である。]
上記式(C1−1)中、R及びR11は、上記式(C1−0)におけるR及びR11とそれぞれ同じである。
12としては、メチレン基、エチレン基が好ましく、メチレン基が最も好ましい。
13としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
nとしては、1〜40が好ましく、3〜35がより好ましく、3〜9及び15〜25が更に好ましい。
mとしては、1が好ましい。
フッ素系界面活性剤(C1)の分子量は、下限としては、200が好ましく、1200がより好ましく、上限としては、7000が好ましく、6000がより好ましく、4500が更に好ましい。フッ素系界面活性剤(C1)の分子量が上記範囲内であると、未焼成複合膜においてはじきを生じにくい。
上記一般式(C1−1)で表される構造を有する化合物としては、下記化学式(C1−1−1)〜(C1−1−4)から選択される少なくとも一種のフッ素系界面活性剤が好ましく、未焼成複合膜においてはじきを生じにくい点で特に良好なことから、化学式(C1−1−2)又は化学式(C1−1−3)がより好ましく、化学式(C1−1−3)が最も好ましい。
フッ素系界面活性剤(C1)の好適な具体例としては、例えば、ポリフォックスシリーズのPF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520(何れも商品名、オムノバ社製)等が挙げられる。これらの中でも、PF−656、PF−6320は、未焼成複合膜においてはじきを生じにくい点で、特に好ましい。
[ポリシロキサン系界面活性剤(C2)]
本明細書及び本特許請求の範囲において、「ポリシロキサン系界面活性剤」とは、Si−O結合の繰返しからなる主鎖を有する界面活性剤を意味する。
アルキレンオキサイド鎖を有するポリシロキサン系界面活性剤(C2)は、下記一般式(C2−11)で表される繰返し単位と、下記一般式(C2−12)で表される繰返し単位とを有する、アルキレンオキサイド鎖含有ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)(以下、単に「ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)」ということがある。)を含むことが好ましい。
[式(C2−11)中、Rは炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは炭素原子数1〜15の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。式(C2−12)中、Rは上記と同じであり、Rはアルキレンオキサイド鎖を有する基である。]
上記式(C2−11)中、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられ、これらのうち直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、デシル基がより好ましい。
上記式(C2−12)中、Rは上記と同じである。
としては、上述のように−O−R−(Rは上述のとおり直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)で表されるアルキレンオキサイド鎖を少なくとも1つ有する基であれば特に限定されず、例えば、上記アルキレンオキサイド鎖を2つ以上有する場合、各アルキレンオキサイド鎖におけるRは、相互に同じであってもよいし、異なってもよい。
としては、好ましくは、下記一般式(C2−12−1)で表される基が好ましい。
−R−O−(R−O)−R (C2−12−1)
[式(C2−12−1)中、R及びRは独立に炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、pは0〜10の整数である。]
上記Rとしては、炭素原子数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキレン基がより好ましい。
としては、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基、n−トリメチレン基(−CHCHCH−)、i−トリメチレン基(−CHCH(CH)−)がより好ましく、エチレン基、i−トリメチレン基が更に好ましい。
としては、炭素原子数1〜7の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキル基が更に好ましい。
pとしては、0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましい。
ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)としては、上記一般式(C2−11)及び上記一般式(C2−12)でそれぞれ表される各繰返し単位を有するものであれば特に限定されるものではなく、該2種の繰返し単位とそれ以外の繰返し単位とを有するものであってもよい。
但し、ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)を含有させることによる効果が充分に得られるためには、上記2種の繰返し単位を主成分とすることが好ましく、主鎖の少なくとも一方の末端が下記一般式(C2−10)で表されるものであることがより好ましく、主鎖の両方の末端が下記一般式(C2−10)で表されるものであることが更に好ましい。
ここで「主成分」とは、上記2種の繰返し単位の割合が、(C2−1)成分を構成する全繰返し単位の合計に対して50モル%以上であることを意味し、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。
[式(C2−10)中、Rは上記と同じである。]
ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)としては、熱分解点が130℃以上のものが好ましく、170℃以上のものがより好ましい。
熱分解点が上記範囲内であると、未焼成複合膜においてはじきを生じにくい状態を、後述のベーク工程を終えるまで保持することができ、はじきを最小限に抑えた多孔質膜を得ることができる。
熱分解点は、熱分析装置TG/DTA6200(製品名、Seiko Instrument社製)にて10℃/minの昇温条件で測定される、質量が減少した温度(℃)を示す。
ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)の好適な具体例としては、BYK−307、BYK−333、BYK−378(何れも商品名、ビックケミー社製)等が挙げられる。これらの中でも、BYK−378は、未焼成複合膜においてはじきを生じにくい点で好ましく、また、BYK−333は、得られる多孔質膜において引張強度及び伸度がより優れる点で好ましい。
フッ素系界面活性剤(C1)及びポリシロキサン系界面活性剤(C2)は、それぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。また、フッ素系界面活性剤(C1)とポリシロキサン系界面活性剤(C2)とを組み合わせて用いてもよいが、本発明においては何れか1種類を用いることによっても、未焼成複合膜においてはじきを生じにくい。
本発明の多孔質膜製造用ワニスにおいて、界面活性剤(C)の含有量は、例えば、多孔質膜製造用ワニスにおける全固形分に対し0.001〜5質量%であることが好ましく、0.005〜1質量%であることがより好ましく、0.01〜0.05質量%であることが更により好ましく、0.013〜0.02質量%であることが特に好ましい。
〔溶剤(D)〕
本発明の多孔質膜製造用ワニスは、更に、溶剤(D)を含有するものであってもよい。溶剤(D)としては、ポリイミド系樹脂を溶解することができ、微粒子を溶解しないものが好ましい。このような溶剤としては、特に限定されず、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に用いる溶剤として例示したもの等が挙げられる。
本発明の多孔質膜製造用ワニスにおける溶剤(D)としては、樹脂(A)と別に配合するものであってもよいし、樹脂(A)として、市販されているワニスを用いる場合、該市販品のワニスに含有されている溶剤をそのまま用いるものであってもよいし、後者であって更に樹脂(A)と別に配合する溶剤との合計であってもよい。
溶剤(D)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の多孔質膜製造用ワニスにおいて、溶剤(D)の含有量は、上記多孔質膜製造用ワニス全体に対し、60質量%以上であること(即ち、上記多孔質膜製造用ワニスにおける固形分濃度が40質量%以下となる量であること)が塗布性の点で好ましい。上記溶剤の含有量は、上記多孔質膜製造用ワニスにおける固形分濃度の上限がより好ましくは35質量%、更により好ましくは30質量%となる量であり、下限がより好ましくは10質量%、更により好ましくは15質量%、特に好ましくは20質量%となる量である。溶剤の含有量(又は固形分濃度)が上記範囲内であると、塗布性が良く、また、得られる未焼成複合膜にはじきを生じにくい。
〔分散剤〕
本発明では、ワニス中の微粒子(B)を均一に分散することを目的に、微粒子(B)とともに更に分散剤を添加してもよい。分散剤を添加することにより、樹脂(A)と微粒子(B)とを一層均一に混合でき、更には、未焼成複合膜等における微粒子(B)を均一に分布させることができる。その結果、最終的に得られる多孔質膜の表面に稠密な開口を設け、かつ、表裏面を効率よく連通させることが可能となり、多孔質膜の透気度を向上することができる。更に、分散剤を添加することにより、本発明の多孔質膜製造用ワニスの乾燥性が向上しやすくなり、また、形成された未焼成複合膜の基板等からの剥離性が向上しやすくなる。
本発明に用いられる分散剤は、特に限定されることなく、公知のものを使用することができる。例えば、やし脂肪酸塩、ヒマシ硫酸化油塩、ラウリルサルフェート塩、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルサルフェート塩、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート塩、イソプロピルホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホスフェート塩等のアニオン界面活性剤;オレイルアミン酢酸塩、ラウリルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤;ヤシアルキルジメチルアミンオキサイド、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、アミドベタイン型活性剤、アラニン型活性剤、ラウリルイミノジプロピオン酸等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル等、ポリオキシアルキレン一級アルキルエーテル又はポリオキシアルキレン二級アルキルエーテルのノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、ソルビタンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド等のその他のポリオキアルキレン系のノニオン界面活性剤;オクチルステアレート、トリメチロールプロパントリデカノエート等の脂肪酸アルキルエステル;ポリオキシアルキレンブチルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル、トリメチロールプロパントリス(ポリオキシアルキレン)エーテル等のポリエーテルポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。また、上記分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の多孔質膜製造用ワニスにおいて、分散剤の含有量は、例えば、成膜性の点で、上記微粒子(B)に対し0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましく、0.1〜0.8質量%であることが更により好ましい。
〔多孔質膜製造用ワニスの調製〕
本発明の多孔質膜製造用ワニスの調製は、樹脂(A)を含み、微粒子(B)を分散したワニスを製造することにより行う。具体的には、本発明の多孔質膜製造用ワニスの調製は、例えば、微粒子(B)を予め分散した溶剤(D)と樹脂(A)とを任意の比率で混合する方法、微粒子(B)を予め分散した溶剤(D)中で樹脂(A)を重合する方法等により、行うことができる。後者の方法としては、例えば、微粒子(B)を予め分散した溶剤(D)中において、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンを重合してポリアミド酸とするか、更にイミド化してポリイミドとする方法、ポリアミドイミドの原料モノマー(単量体成分)及び/又はそのオリゴマーを重合してポリアミドイミド前駆体(前駆体ポリマー)とするか、更にイミド化してポリアミドイミドとする方法等が挙げられる。
<多孔質膜の製造方法>
本発明の多孔質膜の製造方法は、本発明の多孔質膜製造用ワニスを用いて、未焼成複合膜を形成する未焼成複合膜形成工程と、上記未焼成複合膜をベークして樹脂−微粒子複合膜を得るベーク工程と、上記樹脂−微粒子複合膜から微粒子を取り除く微粒子除去工程と、を有する。
〔未焼成複合膜の製造(未焼成複合膜形成工程)〕
以下、本発明における未焼成複合膜の形成方法について説明する。未焼成複合膜形成工程においては、本発明の多孔質膜製造用ワニスを用いて、未焼成複合膜を形成する。その際、未焼成複合膜は、基板上に形成してもよいし、上記未焼成複合膜とは異なる支持体上に形成してもよい。未焼成複合膜は、例えば、基板上又は上記支持体上に、本発明の多孔質膜製造用ワニスを塗布することにより、形成することができる。
基板としては、例えば、ガラス板;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、塩化ビニル樹脂、その他の樹脂からなるプラスチックシート;ステンレス板、アルミニウム板等の金属板等が挙げられ、PETフィルム、SUS基板、ガラス基板が好ましく、PETフィルム、SUS基板がより好ましい。
未焼成複合膜は、また、支持体上に形成することもできる。支持体としては、例えば、セルロース系樹脂、不織布(例えば、ポリイミド製不織布等。繊維径は、例えば、約50nm〜約3000nmである。)等の繊維系材料からなる支持体、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
支持体上に未焼成複合膜を形成する場合、通常、該支持体上に多孔質膜が形成され、該支持体を剥離することなく多孔質膜と一体となった積層膜として使用することができる。支持体を用いる場合、基板上に支持体を載置した上に(即ち、基板及び支持体上に)未焼成複合膜を形成してもよいし、支持体によっては、基材を用いる必要がなく、支持体上に未焼成複合膜を形成できる場合もある。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「支持体」は、このように多孔質膜と一体化して積層膜を構成するものを意味し、この点で、原則として最終的に多孔質膜から剥離される基板とは区別される。
未焼成複合膜は、例えば、基板上又は支持体上に、本発明の多孔質膜製造用ワニスを塗布し、常圧又は真空下で0〜100℃(好ましくは0〜90℃)、好ましくは常圧下10〜100℃(更に好ましくは10〜90℃)で乾燥することにより、例えば膜厚1〜10μm(好ましくは1〜8μm)で形成することができる。
乾燥後、更に同様の多孔質膜製造用ワニスを用いて複数の層による未焼成複合膜を形成してもよい。なお、この場合、上層側に使用されるワニスには(C)成分が含まれていなくてもよい。
本発明の多孔質膜の製造方法において、更に、上記未焼成複合膜又は上記未焼成複合膜と上記支持体との積層膜をベークして樹脂−微粒子複合膜を得るベーク工程に入る。上記未焼成複合膜又は上記未焼成複合膜と支持体とを基板上に形成した場合、そのままベークしてもよいし、ベーク工程に入る前に上記未焼成複合膜又は上記未焼成複合膜を含む積層膜を基板から剥離してもよい。上記支持体を用いた場合、上述のように、上記未焼成複合膜を支持体から剥離する必要はない。
なお、積層膜形成において、
各未焼成複合膜の形成に用いられる多孔質膜製造用ワニスの組成又は組成中の(A)成分が同じである場合は、積層膜は実質1層(単層)となるが、本明細書においては積層膜という。
未焼成複合膜又は未焼成複合膜を含む積層膜を基板から剥離する場合、膜の剥離性を更に高めるために、予め離型層を設けた基板を使用することもできる。基板に予め離型層を設ける場合は、ワニスの塗布の前に、基板上に離型剤を塗布して乾燥あるいは焼き付けを行う。ここで使用される離型剤は、アルキルリン酸アンモニウム塩系、フッ素系又はシリコーン等の公知の離型剤が特に制限なく使用可能である。上記乾燥した未焼成複合膜を基板から剥離する際、未焼成複合膜の剥離面にわずかながら離型剤が残存するため、ベーク中の変色や電気特性への悪影響の原因ともなるので、極力取り除くことが好ましい。離型剤を取り除くことを目的として、基板より剥離した未焼成複合膜又は未焼成複合膜を含む積層膜を、有機溶剤を用いて洗浄する洗浄工程を導入してもよい。
一方、未焼成複合膜の形成に、離型層を設けず基板をそのまま使用する場合は、上記離型層形成の工程や上記洗浄工程を省くことができる。
〔樹脂−微粒子複合膜の製造(ベーク工程)〕
上記未焼成複合膜に加熱による後処理(ベーク)を行ってポリイミド系樹脂と微粒子とからなる複合膜(樹脂−微粒子複合膜)とする。上記未焼成複合膜形成工程において、支持体上に上記未焼成複合膜を形成した場合には、ベーク工程において、上記支持体も上記未焼成複合膜とともにベークすることとなる。
本工程におけるベークは、乾燥及び焼成を含む概念であり、用いる樹脂(A)の種類に応じて乾燥のみ又は乾燥及び焼成を行うことができ、具体的には、樹脂(A)としてポリイミド又はポリアミドイミドを用いる場合、焼成は特に行う必要がない。
ベーク工程におけるベーク温度としては、未焼成複合膜及び支持体の構造や縮合剤の有無によっても異なるが、乾燥を行う場合、常圧又は真空下で0〜100℃が好ましく、常圧下10〜100℃がより好ましい。
ベーク工程において行う乾燥としては、例えば、基板上又は支持体上に本発明の多孔質膜製造用ワニスを塗布して未焼成複合膜を形成した場合、常圧又は真空下で50〜100℃(好ましくは0〜50℃)、より好ましくは常圧下60〜95℃(更に好ましくは65〜90℃)で乾燥することができる。
ベーク工程におけるベーク温度としては、未焼成複合膜及び縮合剤の有無によっても異なるが、焼成を行う場合、120〜375℃が好ましく、150〜350℃がより好ましい。また、微粒子に、有機材料を使用するときは、その熱分解温度よりも低い温度に設定する必要がある。樹脂(A)としてポリアミド酸を用いる場合、ベーク工程においてはイミド化を完結させることが好ましい。
焼成条件は、例えば、室温〜375℃までを3時間で昇温させた後、375℃で20分間保持させる方法や室温から50℃刻みで段階的に375℃まで昇温(各ステップ20分保持)し、最終的に375℃で20分保持させる等の段階的な乾燥−熱イミド化法を用いることもできる。基板上に未焼成複合膜を形成し、上記基板から上記未焼成複合膜を一旦剥離する場合は、未焼成複合膜の端部をSUS製の型枠等に固定し変形を防ぐ方法を採ることもできる。
できあがった樹脂−微粒子複合膜の膜厚は、例えばマイクロメータ等で複数の箇所の厚さを測定し平均することで求めることができる。どのような平均膜厚が好ましいかは、樹脂−微粒子複合膜又は多孔質膜の用途によって異なるが、例えば、セパレータ等に使用する場合は、1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。
〔樹脂−微粒子複合膜の多孔化(微粒子除去工程)〕
樹脂−微粒子複合膜から、微粒子(B)を適切な方法を選択して除去することにより、多孔質膜を再現性よく製造することができる。
微粒子(B)の材質として、例えば、シリカを採用した場合、樹脂−微粒子複合膜を低濃度のフッ化水素水等により処理して、シリカを溶解除去することが可能である。
また、微粒子(B)の材質として、有機材料を選択することもできる。有機材料としては、ポリイミド系樹脂よりも低温で分解するものであれば、特に限定されることなく使用できる。例えば、線状ポリマーや公知の解重合性ポリマーからなる樹脂微粒子を挙げることができる。通常の線状ポリマーは、熱分解時にポリマーの分子鎖がランダムに切断され、解重合性ポリマーは、熱分解時にポリマーが単量体に分解するポリマーである。何れも、低分子量体、あるいは、COまで分解することによって、樹脂−微粒子複合膜から消失する。使用される樹脂微粒子の分解温度は200〜320℃であることが好ましく、230〜260℃であることが更に好ましい。分解温度が200℃以上であれば、ワニスに高沸点溶剤を使用した場合も成膜を行うことができ、ポリイミド系樹脂のベーク条件の選択の幅が広くなる。また、分解温度が320℃未満であれば、ポリイミド系樹脂に熱的なダメージを与えることなく樹脂微粒子のみを消失させることができる。
本発明の製造方法で作製する膜の全体の膜厚は特に限定されるものではないが、樹脂(A)としてポリアミド酸及び/又はポリイミドを用いた場合、0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることが更に好ましく、3μm以上10μm以下が特に好ましく、また、樹脂(A)としてポリアミドイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドを用いた場合、上限値として、50μmが好ましく、30μmがより好ましく、10μmが更に好ましく、9μmが更により好ましく、8μmとすることもでき、下限値として、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましい。上記の膜厚は、樹脂−微粒子複合膜の測定時と同様、例えばマイクロメータ等で複数の箇所の厚さを測定し平均することで求めることができる。
本発明の多孔質膜製造用ワニスは、上述のとおり、はじきを生じにくい未焼成複合膜を形成することができるので、これを用いて得られる多孔質膜を薄膜とすることができ、特に、樹脂(A)としてポリアミドイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドを用いて得られるポリアミドイミド多孔質膜は、厚さを例えば10μm以下(好ましくは8μm以下)とすることもできる。また、本発明の多孔質膜製造用ワニスは、界面活性剤(C)を含有するので、得られる未焼成複合膜及び引き続いて得られる多孔質膜において、表面平滑性を飛躍的に改善することができる。
多孔質膜において、界面活性剤(C)はベーク工程において熱分解していてもよく、従って、界面活性剤(C)が全く存在していない又は界面活性剤(C)の熱分解物が残存している状態であってよい。
〔樹脂除去工程〕
本発明の多孔質膜の製造方法は、微粒子除去工程前に、樹脂−微粒子複合膜のポリイミド系樹脂からなる樹脂部分の少なくとも一部を除去するか、又は、微粒子除去工程後に多孔質膜の少なくとも一部を除去する樹脂除去工程を有する。微粒子除去工程前に、樹脂−微粒子複合膜の樹脂部分の少なくとも一部を除去することにより、続く微粒子除去工程で微粒子が取り除かれ空孔が形成された場合に、上記樹脂部分の少なくとも一部を除去しないものに比べて、最終製品の多孔質膜の開孔率を向上させることが可能となる。また、微粒子除去工程後に多孔質膜の少なくとも一部を除去することにより、上記多孔質膜の少なくとも一部を除去しないものに比べて、最終製品の多孔質膜の開孔率を向上させることが可能となる。
上記の樹脂部分の少なくとも一部を除去する工程、あるいは、多孔質膜の少なくとも一部を除去する工程は、通常のケミカルエッチング法若しくは物理的除去方法、又は、これらを組合せた方法により行うことができる。
ケミカルエッチング法としては、無機アルカリ溶液又は有機アルカリ溶液等のケミカルエッチング液による処理が挙げられる。無機アルカリ溶液が好ましい。無機アルカリ溶液として、例えば、ヒドラジンヒドラートとエチレンジアミンを含むヒドラジン溶液、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の溶液、アンモニア溶液、水酸化アルカリとヒドラジンと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを主成分とするエッチング液等が挙げられる。有機アルカリ溶液としては、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩;ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性溶液が挙げられる。
上記の各溶液の溶媒については、純水、アルコール類を適宜選択できる。また界面活性剤を適当量添加したものを使用することもできる。アルカリ濃度は、例えば0.01〜20質量%である。
また、物理的な方法としては、例えば、プラズマ(酸素、アルゴン等)、コロナ放電等によるドライエッチング、研磨剤(例えば、アルミナ(硬度9)等)を液体に分散し、これを芳香族ポリイミドフィルム又は芳香族ポリアミドイミドフィルムの表面に30〜100m/sの速度で照射することでポリイミドフィルム又はポリアミドイミドフィルムの表面を処理する方法等が使用できる。
上記した方法は、微粒子除去工程前又は微粒子除去工程後の何れの樹脂除去工程にも適用可能であるので好ましい。
一方、微粒子除去工程後に行う樹脂除去工程にのみ適用可能な物理的方法として、対象表面を液体で濡らした台紙フィルム(例えばPETフィルム等のポリエステルフィルム)に圧着後、乾燥しないで又は乾燥した後、多孔質膜を台紙フィルムから引きはがす方法を採用することもできる。液体の表面張力あるいは静電付着力に起因して、多孔質膜の表面層のみが台紙フィルム上に残された状態で、多孔質膜が台紙フィルムから引きはがされる。
<多孔質膜の用途>
本発明の製造方法で作製することができる多孔質膜は、リチウムイオン電池のセパレータや燃料電池電解質膜、ガス又は液体の分離用膜、低誘電率材料として使用することが可能である。上記多孔質膜は、ニッケルカドミウム、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池用セパレータとして使用することが可能であるが、リチウムイオン二次電池用多孔質セパレータとして使用することが特に好ましい。特に、リチウムイオン電池のセパレータとして使用する場合、本発明に係る多孔質膜は均質な薄膜形成が可能なので、上記未焼成複合膜形成工程で未焼成複合膜を積層する場合も、本発明に係る多孔質膜製造用ワニスにより形成された面をリチウムイオン電池の負極面側とすることにより、電池性能を向上させることができる。
〔二次電池〕
本発明の多孔質膜製造用ワニスを用いて得られる多孔質膜を使用することができる二次電池は、負極と正極との間に、電解液と該多孔質膜からなるセパレータとが配置される。
二次電池の種類や構成は、何ら限定されるものではない。正極とセパレータと負極とが順に上記条件を満たすように積層された電池要素に電解液が含浸され、これが外装に封入された構造となった構成であれば、ニッケルカドミウム、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池等の公知の二次電池に、特に限定されることなく使用することができる。
二次電池の負極は、負極活物質、導電助剤及びバインダーからなる負極合剤が、集電体上に成形された構造をとることができる。例えば、負極活物質として、ニッケルカドミウム電池の場合は水酸化カドミウムを、ニッケル水素電池の場合は水素吸蔵合金を、それぞれ用いることができる。また、リチウムイオン二次電池の場合は、リチウムを電気化学的にドープすることが可能な材料が採用できる。このような、活物質として、例えば、炭素材料、シリコン、アルミニウム、スズ、ウッド合金等が挙げられる。
負極を構成する導電助剤は、アセチレンブラック、ケッチェンブラックといった炭素材料が挙げられる。バインダーは有機高分子からなり、例えば、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。集電体には、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることが可能である。
また、正極は、正極活物質、導電助剤及びバインダーからなる正極合剤が、集電体上に成形された構造とすることができる。例えば、正極活物質としては、ニッケルカドミウム電池の場合は水酸化ニッケルを、ニッケル水素電池の場合は水酸化ニッケルやオキシ水酸化ニッケルを、それぞれ用いることができる。他方、リチウムイオン二次電池の場合、正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物等が挙げられ、具体的にはLiCoO、LiNiO、LiMn0.5Ni0.5、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、LiFePO、LiCo0.5Ni0.5、LiAl0.25Ni0.75等が挙げられる。導電助剤はアセチレンブラック、ケッチェンブラックといった炭素材料が挙げられる。バインダーは有機高分子からなり、例えばポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。集電体にはアルミ箔、ステンレス箔、チタン箔等を用いることが可能である。
電解液としては、例えば、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池の場合には、水酸化カリウム水溶液が使用される。リチウムイオン二次電池の電解液は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した構成とされる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート等が挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
外装材は、金属缶又はアルミラミネートパック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型等があるが、本発明の製造方法で作製した多孔質膜からなるセパレータは何れの形状においても好適に適用することが可能である。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では、界面活性剤として下記のものを用いた。
・アルキレンオキサイド鎖を有するフッ素系界面活性剤:ポリフォックスシリーズPF−656(オムノバ社製)
・アルキレンオキサイド鎖を有するポリシロキサン系界面活性剤:BYK−307、BYK−333、BYK−378(何れもビックケミー社製)
・ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−310;ビックケミー社製)
・高分子量ブロック共重合体(BYK−167;ビックケミー社製)
・変性ウレア(BYK−410;ビックケミー社製)
また、実施例及び比較例では、以下に示すものを用いた。
・ポリアミドイミド:重合成分として無水トリメリット酸及びo−トリジンジイソシアネートを含むポリアミドイミド(Mw:約3万)
・ポリアミド酸溶液:テトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸二無水物)とジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)との反応物(反応溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)
・微粒子(1):平均粒径300nmの球状シリカ
・微粒子(2):平均粒径700nmの球状シリカ
・分散剤:ポリオキシエチレン二級アルキルエーテル系分散剤
・有機溶剤(1):N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の混合溶剤
・有機溶剤(2):DMAcとγ−ブチロラクトン(GBL)の混合溶剤
なお、上記分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値である。
調製例1 ポリアミドイミド含有ワニス(多孔質膜製造用ワニス)の調製
ポリアミドイミド6.25質量%、微粒子(1)18.75質量%、フッ素系界面活性剤(固形分に対し0.02質量%)、分散剤(シリカに対し0.5質量%)、及び有機溶剤(1)を混合・撹拌して、ポリアミドイミドとシリカとの体積比を34:66(質量比は25:75)とした、固形分濃度25質量%(溶剤組成質量比はDMAc:NMP=7:3)のポリアミドイミド含有ワニスを調製した。
実施例1 ポリアミドイミド多孔質膜の作製と評価
[多孔質膜の作製]
上記のポリアミドイミド含有ワニスを、PETフィルム(基材)上にアプリケーターを用い未焼成複合膜を形成した。100℃で5分間ベークしたのち、基材から未焼成複合膜を剥離して樹脂−微粒子複合膜を得た。この樹脂−微粒子複合膜を、10%HF溶液中に10分間浸漬することで、膜中に含まれる微粒子を除去した後水洗・乾燥して、膜厚10μmのポリアミドイミド多孔質膜を得た。
[ケミカルエッチング]
TMAHの2.38質量%水溶液をメタノール50質量%水溶液で1.04%となるように希釈して、アルカリ性のエッチング液を作成した。このエッチング液に、上記のポリアミドイミド多孔質膜を80秒間浸漬してポリアミドイミド表面の一部を除去した。
[評価]
(透気度)
ケミカルエッチング後の多孔質膜を5cm角に切り出して、透気度測定用のサンプルとした。ガーレー式デンソメーター(東洋精機社製)を用いて、JIS P 8117に準じて、100mlの空気が上記サンプルを通過する時間を測定した。
その結果、上記ポリアミドイミド多孔質膜の透気度は64.8秒であった。
(引張強度)
ケミカルエッチング後の多孔質膜を1cm×5cmの大きさに切り出して短冊状のサンプルを得た。このサンプルの破断時の応力(MPa)を、RTC−1210A TENSILON(ORIENTEC社製)を用いて評価した。
その結果、上記ポリアミドイミド多孔質膜の引張強度は23.8MPaであった。
(引張伸度)
ケミカルエッチング後の多孔質膜から、IEC450規格に従った形状のダンベル型試験片を打ち抜いて、引張伸度測定用の試験片を得た。得られた試験片を用いて、チャック間距離20mm、引張速度2mm/分の条件で、万能材料試験機(TENSILON、オリエンテック社製)によって、多孔質膜の破断伸度を測定した。
その結果、上記ポリアミドイミド多孔質膜の伸度は18.4%であった。
比較例1 比較用ポリアミドイミド含有ワニスの調製及び塗膜形成と評価
界面活性剤を用いないこと以外は調製例1と同様にして、比較用ポリアミドイミド含有ワニスを得て、実施例1と同様にして、PETフィルム(基材)上にアプリケーターを用いて膜厚10μmで塗布した。その結果、図1の写真に示されるように、はじきが発生してしまい、また、基材に密着して剥離できず、無理に剥離しようとすると、はじきの箇所から裂けてしまった。
調製例2 ポリアミド酸含有ワニス(多孔質膜製造用ワニス)の調製
(1)第一のワニス
(多孔質膜製造用ワニス)
微粒子(1)、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸濃度18.9質量%)、表1記載の界面活性剤(固形分の0.02質量%)及び有機溶剤(2)を混合・撹拌して、ポリアミド酸と微粒子との体積比を22:78(質量比は15:85)とした、固形分濃度25質量%(溶剤組成質量比はDMAc:GBL=9:1)の第一のワニスを調製した。
(2)第二のワニス(上層用ワニス)
微粒子(1)を微粒子(2)に変更し、界面活性剤を添加せず、ポリアミド酸と微粒子との体積比を28:72(質量比は20:80)として、固形分濃度35質量%(溶剤組成質量比はDMAc:GBL=9:1)の第二のワニスを調製した。
実施例2〜5・比較例2〜5 ポリイミド多孔質膜の作製と評価
[ポリイミド−微粒子複合膜(単層)の形成]
上記の第一のワニスをPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、70℃で5分間ベークして、膜厚約25μmの未焼成複合膜(単層)を形成した。
上記PETフィルムから上記未焼成複合膜を剥離した後、320℃で15分間熱処理を施し、イミド化を完結させて、ポリイミド−微粒子複合膜(単層)を得た。
[ポリイミド−微粒子複合膜(二層)の成膜]
上記の第一のワニスをPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、70℃で1分間プリベークして、膜厚約3μmの未焼成複合膜を成膜した。続いて、そのうえに第二のワニスを、アプリケーターを用い未焼成複合膜を形成した。70℃で5分間ベークして、膜厚25μmの未焼成複合膜(積層膜)を形成した。
上記PETフィルムから上記積層膜を剥離した後、320℃で15分間熱処理を施し、イミド化を完結させて、ポリイミド−微粒子複合膜(二層)を得た。
[多孔質ポリイミド膜(単層又は二層)の形成]
上記ポリイミド−微粒子複合膜(単層又は二層)を、10質量%HF溶液中に10分間浸漬することで、膜中に含まれる微粒子を除去して、多孔質ポリイミド膜(単層又は二層)を得た。
[ケミカルエッチング]
TMAHの2.38質量%水溶液をメタノール50質量%水溶液で1.04%となるように希釈して、アルカリ性のエッチング液を作成した。このエッチング液に、多孔質ポリイミド膜(単層又は二層)を80秒間浸漬してポリイミド表面の一部を除去した。
[評価]
上記で得られた未焼成複合膜(単層及び二層)についてはじきの有無を下記に従って評価し、また、多孔質ポリイミド膜についてはケミカルエッチング後の多孔質膜の膜特性として透気度、引張強度及び引張伸度を上述の方法に従って評価した。単層と二層とはそれぞれ同等の結果であった。二層の結果を表1に示す。
(はじきの有無)
得られた未焼成複合膜の表面(21cm×30cm)を目視で観察して、はじきの有無を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:はじきがない、又は、数点未満のはじきが観察された。
×:数点以上のはじきが観察された。
表1から明らかなとおり、アルキレンオキサイド鎖を有する界面活性剤を用いた実施例では、未焼成複合膜におけるはじきがほとんど観察されないか又は観察されても1〜4点程度にとどまり、多孔質膜の透気度、引張強度及び引張伸度は何れも良好であった。これに対し、アルキレンオキサイド鎖を有する界面活性剤を用いない比較例では、何れも未焼成複合膜において数点以上のはじきが観察された。

Claims (8)

  1. ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド前駆体及びポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1つの樹脂(A)、微粒子(B)、並びに、アルキレンオキサイド鎖を有するケイ素原子及び/又はフッ素原子含有界面活性剤(C)を含有する多孔質膜製造用ワニスを用いて、未焼成複合膜を形成する未焼成複合膜形成工程と、
    前記未焼成複合膜を乾燥のためのベークを経て樹脂−微粒子複合膜を得、前記乾燥のためのベークは常圧又は真空下で60〜100℃で行う、ベーク工程と、
    前記樹脂−微粒子複合膜から微粒子を取り除く微粒子除去工程と、
    を有し、
    前記多孔質膜製造用ワニスは、前記微粒子(B)の含有量が前記樹脂(A)と前記微粒子(B)との合計に対して65体積%以上であり、
    前記未焼成複合膜形成工程では、基板又は前記基板上の支持体に前記多孔質膜製造用ワニスを塗布する工程を含み、前記未焼成複合膜と前記基板との間、又は、前記支持体と前記基板との間に離型層がなく、
    前記基板は、ポリエステル樹脂からなる基板であり、
    前記乾燥のためのベーク後の、前記未焼成複合膜、又は、前記未焼成複合膜と前記支持体との積層膜を、前記基板から剥離する工程をさらに有する表裏面が連通している多孔質膜の製造方法。
  2. 前記微粒子除去工程前に、前記樹脂−微粒子複合膜のポリイミド系樹脂からなる樹脂部分の少なくとも一部を除去する、及び/又は、前記微粒子除去工程後に多孔質膜の少なくとも一部を除去する樹脂除去工程をさらに有する、請求項記載の多孔質膜の製造方法。
  3. 前記多孔質膜は、厚さが10μm以下である、請求項1又は2に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 前記多孔質膜製造用ワニスは、前記微粒子(B)の含有量が前記樹脂(A)と前記微粒子(B)との合計に対して95体積%以下である、請求項1〜のいずれかに記載の多孔質膜の製造方法。
  5. 前記界面活性剤(C)が、
    下記一般式(C1−0)で表される基を含むアルキレンオキサイド鎖を有するフッ素系界面活性剤(C1)及び
    アルキレンオキサイド鎖を有するポリシロキサン系界面活性剤(C2)
    よりなる群から選択される少なくとも1つである界面活性剤(C)
    である、請求項1〜のいずれかに記載の多孔質膜の製造方法。
    [式(C1−0)中、Rは炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基であり、R11は炭素原子数1〜5のアルキレン基又は単結合である。]
  6. 前記フッ素系界面活性剤(C1)は、下記一般式(C1−1)で表される構造を有する化合物を含む、請求項記載の多孔質膜の製造方法。
    [式(C1−1)中、Rは炭素原子数1〜6のフッ素化アルキル基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキレン基又は単結合であり、R13は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、nは1〜50の整数であり、mは0又は1である。]
  7. 前記アルキレンオキサイド鎖を有するポリシロキサン系界面活性剤(C2)は、下記一般式(C2−11)で表される繰返し単位と、下記一般式(C2−12)で表される繰返し単位とを有する、アルキレンオキサイド鎖含有ポリジアルキルシロキサン系界面活性剤(C2−1)を含む、請求項5又は6記載の多孔質膜の製造方法。
    [式(C2−11)中、Rは炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは炭素原子数1〜15の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。式(C2−12)中、Rは前記と同じであり、Rはアルキレンオキサイド鎖を有する基である。]
  8. 前記樹脂(A)は、ポリアミドイミドである、請求項1〜の何れかに記載の多孔質膜の製造方法。
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