JP6596182B2 - 螺旋管用帯状部材及び既設管の更生方法 - Google Patents
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Description
一般に帯状部材は、平帯部と、複数条のリブと、雌嵌合部と、雄嵌合部を有している。リブが平帯部から外面側へ突出されている。平帯部の幅方向の一端部に雌嵌合部が設けられている。平帯部の幅方向の他端部に雄嵌合部が設けられている。
この帯状部材が、雌嵌合部を延伸前方へ向け、かつ雄嵌合部を延伸後方へ向けた状態で、螺旋状に巻回されるとともに、未製管部分の雄嵌合部が、一周先行して製管済の部分の雌嵌合部と嵌合される。これによって、螺旋管が漸次延伸製管される。
なお、前記とは逆に、製管時の螺旋管の周長が大きくなろうとする場合、その性質を「拡周性」と称す。拡周性は、螺旋管が円形断面の場合に拡径しようとする拡径性を含む。
本発明は、かかる事情に鑑み、螺旋状に巻回して螺旋管を製管するとき拡周性を付与して、拡周(拡径)製管可能な帯状部材を提供することを目的とする。
従来の帯状部材においては、雌嵌合部と雄嵌合部との雌雄嵌合の構造上、雌嵌合部側における単位幅あたりの断面積が、雄嵌合部側における単位幅あたりの断面積より大きくなっていた(特許文献2の図1及び図24等参照)。そのため、帯状部材の延び方向と直交する断面の中立弱軸が、雄嵌合部から雌嵌合部へ向かうにしたがって外面側へ傾く。ここで、中立弱軸とは、前記断面における直交する2つの中立軸のうち断面二次モーメントが最小となるものを云う。製管すると、中立弱軸が、螺旋管の管軸と平行になろうとするために、雌嵌合部側(螺旋管の延伸前方側)が雄嵌合部側よりも内面側へ傾く。これが、従来の螺旋管が縮周(縮径)するメカニズムと考えられる。
延び方向と直交する断面の一端部に設けられた第1嵌合部と、
前記断面の他端部に設けられ、前記第1嵌合部における一周先行する部分と嵌合される第2嵌合部と、
を備え、前記巻回されたとき、前記断面上の第1嵌合部と第2嵌合部とを結ぶ基準幅方向が、第1嵌合部側へ向かって外面側へ傾斜可能な断面形状を有していることを特徴とする。
前記断面形状は、前記帯状部材の非曲げ状態(曲率ゼロ)での断面形状を云う。
ここで、基準幅方向は、第1嵌合部における特定位置と、第2嵌合部における前記特定位置と対応する位置(嵌合した時、前記特定位置が配置される位置)とを結ぶ方向を云う。
これによって、螺旋管に拡周性を確実に付与できる。
帯状部材の延び方向に曲率を付与すると、内面側に圧縮応力が作用し、外面側に引張応力が作用する。内面側と外面側の中間に、圧縮・引張のどちらの応力も発生しない中立面が出来る。異形断面の帯状部材においては、中立面が不連続的に分布する。前記断面上の中立面の分布の近似直線を、前記中立弱軸と定義する。
前記帯状部材の非曲げ状態(曲率ゼロ)での中立弱軸が、前記基準幅方向に対して第1嵌合部側へ向かって内面側へ傾いていればよい。前記帯状部材の曲げ状態と非曲げ状態での中立弱軸がともに、前記基準幅方向に対して第1嵌合部側へ向かって内面側へ傾いているのがさらに好ましい。
これによって、中立弱軸が、基準幅方向に対して第1嵌合部側へ向かって内面側へ確実に傾くようにできる。ひいては、巻回されたとき、基準幅方向が第1嵌合部側へ向かって外面側へ確実に傾斜するような断面形状とすることができる。この結果、螺旋管に拡周性を確実に付与できる。特に、帯状部材が単一素材で形成されている場合に効果的である。
前記リブの配置が、前記第1嵌合部側では相対的に疎であり、前記第2嵌合部側では相対的に密であることが好ましい。
これによって、中立弱軸が、基準幅方向に対して第1嵌合部側へ向かって内面側へ確実に傾くようにできる。ひいては、巻回されたとき、基準幅方向が第1嵌合部側へ向かって外面側へ確実に傾斜するような断面形状とすることができる。この結果、螺旋管に拡周性を確実に付与できる。特に、帯状部材が単一素材で形成されている場合に効果的である。
前記第1嵌合部側におけるリブの前記平帯部からの突出高さが相対的に小さく、前記第2嵌合部側におけるリブの前記平帯部からの突出高さが相対的に大きいことが好ましい。
これによって、中立弱軸が、基準幅方向に対して第1嵌合部側へ向かって内面側へ確実に傾くようにできる。ひいては、巻回されたとき、基準幅方向が第1嵌合部側へ向かって外面側へ確実に傾斜するような断面形状とすることができる。この結果、螺旋管に拡周性を確実に付与できる。特に、帯状部材が単一素材で形成されている場合に効果的である。
前記中立弱軸が、前記断面調整部材が無いと仮定した場合よりも、第1嵌合部側へ向かって内面側へ偏ることが好ましい。
断面調整部材によって帯状部材の断面形状を調整でき、拡周度合を調節できる。中立弱軸が、断面調整部材無しの場合よりも、第1嵌合部側へ向かって内面側へ偏ることで、巻回されたとき、基準幅方向が第1嵌合部側へ向かって外面側へ確実に傾斜するような断面形状とすることができる。これによって、螺旋管に拡周性を確実に付与できる。
断面調整部材が、前記第1嵌合部側に偏って配置又は分布されていてもよい。
断面調整部材は、中立弱軸又は基準幅方向の可変調節専用であってもよく、補強、採熱、嵌合等の他の機能を担う要素が断面調整部材として兼用されていてもよい。
補強帯材に断面調整部材の機能を持たせることができる。
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明形態は、例えば老朽化した既設管1の更生に適用される。既設管1としては、下水道管、上水道管、水力発電用導水管、農業用水管、ガス管等が挙げられる。
なお、既設管1の断面は、全長にわたって一定とは限られず、段差があったり内径が変化したりする断面変化部1dが有る場合がある。
帯状部材90は、平帯部91と、複数条のリブ92と、第1嵌合部93(雌嵌合部)と、第2嵌合部94(雄嵌合部)を一体に有している。平帯部91の内面(螺旋管9の内周面となる面、図3(a)において下面)は、平坦になっている。
詳しくは、第1嵌合部93は、平帯部91の幅方向の一端部(図3(a)において左端部)の側方に一体に連なっている。第1嵌合部93には、嵌合溝93aが形成されている。嵌合溝93aは、帯状部材90の内面側(同図において下)に開口されている。
帯状部材90の断面全体で見ると、リブ92の第2嵌合部94側への偏り分布が、嵌合部93,94の断面積差を上回り、単位幅あたりの断面積が、第1嵌合部93側では相対的に小さく、第2嵌合部94側では相対的に大きくなっている。
製管装置3としては、例えば特許文献3等に開示された自走式製管装置を用いることができる。
一方、仮に、リブ92が偏りなく分布されていた場合、前述した第1嵌合部93と第2嵌合部94の体積差が効くことによって、中立弱軸LN9は、基準幅方向W9に対して第1嵌合部93側へ向かって外面側へ傾くことになる。
要するに、帯状部材90は、巻回されたとき、基準幅方向W9が第1嵌合部93側へ向かって外面側へ傾斜する断面形状を有している。言い換えると、帯状部材90は、巻回されたとき、第1嵌合部93が第2嵌合部94より外面側(螺旋管9の径方向の外側)に偏位する断面形状を有している。
逆に言うと、形成しようとする螺旋管9の曲率に合わせて、帯状部材90を前記のような断面形状になるように設計及び作製することが好ましい。
図1及び図5に示すように、当該帯状部材90を既設管1(外周規制体)の内周にライニングすると、前記拡径作用によって、螺旋管9を既設管1の内周面に押し当てることがる。言い換えると螺旋管9は、既設管1の内周面に沿うように形成される。これによって、螺旋管9の流路断面積をなるべく大きく確保することができ、既設管1の更生後の流路断面積の減少を抑えることができる。
更に、図1に示すように、既設管1が断面変化部1dを有していても、螺旋管9の製管径をその断面変化に対応するように可変調節することができる。
図6に示すように、既設管等の外周規制体が無ければ、製管が進むにしたがって、螺旋管9をテーパー状に拡径させることができる。
なお、図6におけるテーパー角度は、誇張されている。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態の帯状部材90Bにおいては、リブ92S,92Tの平帯部91からの突出高さが、平帯部91の幅方向の位置に応じて異なっている。第1嵌合部93側におけるリブ92Sは相対的に低く、第2嵌合部94側におけるリブ92Tは相対的に高い。
これによって、中立弱軸LN9が、基準幅方向W9に対して、第1嵌合部93側へ向かって内面側へより大きく傾くようにすることができる。ひいては、巻回されたとき、中立弱軸LN9が管軸L9(図7の左右水平方向)と平行になろうとすることで、基準幅方向W9が第1嵌合部93側へ向かって外面側へより大きく傾くようにすることができる。この結果、螺旋管9に拡径性(拡周性)を確実に付与できる。
図8は、本発明の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態の帯状部材90Cにおいては、複数条のリブ92が、第1実施形態(図3)よりも第2嵌合部94側に偏って配置されている。リブ92の配置が、第1嵌合部93側では相対的に疎であり、第2嵌合部94側では相対的に密である。詳しくは、リブ92どうし間の間隔が、第1実施形態(図3)よりも狭くなっている。かつ、第1嵌合部93とその直近のリブ92Aとの距離が、第1実施形態(図3)よりも大きくなっている。
これによって、中立弱軸LN9が、基準幅方向W9に対して第1嵌合部93側へ向かって内面側へより大きく傾くようにすることができる。ひいては、巻回されたとき、中立弱軸LN9が管軸L9(図8の左右水平方向)と平行になろうとすることで、基準幅方向W9が第1嵌合部93側へ向かって外面側へより大きく傾斜するようにできる。この結果、螺旋管9に拡径性(拡周性)を確実に付与できる。
図9は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態の帯状部材90Dは、帯本体90xと、断面調整部材80を有している。帯本体90xは、第1実施形態(図3)の帯状部材90と同様に、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂にて構成されている。帯本体90xは、平帯部91と、リブ92と、第1嵌合部93Dと、第2嵌合部94Dを含み、図9の紙面直交方向へ延びている。
詳しくは、帯本体90x単独での中立弱軸、すなわち断面調整部材80が無いと仮定したときの帯状部材90Dの中立弱軸は、第1嵌合部93D側へ向かって外面側へ傾く。このため、仮に帯本体90x単独で製管したとすると、螺旋管9が縮径(縮周)される。
これに対して、第4実施形態においては、断面調整部材80を付加することによって、帯状部材90D全体の中立弱軸LN9が、基準幅方向W9に対して第1嵌合部93D側へ向かって内面側へ傾く。したがって、帯状部材90Dに曲率が付与されたときは、図9の矢印線aに示すように、中立弱軸LN9が、管軸L9と平行になろうとすることで、基準幅方向W9が第1嵌合部93D側へ向かって外面側へ傾斜するようにできる。これによって、帯状部材90Dを、製管に伴って拡径(拡周)する断面形状にでき、螺旋管9に拡径性(拡周性)を付与することができる。
図10は、本発明の第5実施形態を示したものである。
第5実施形態の帯状部材90Eにおいては、複数(図では4つ)のリブ92が全体的に第2嵌合部94側(同図の右側)に偏って配置されている。言い換えると、リブ92の配置が、第1嵌合部93側では相対的に疎であり、第2嵌合部94側では相対的に密である。詳しくは、帯状部材90Eの幅方向の中心線Lcを挟んで、第1嵌合部93側(図10において左側)のリブ92の数は1つであり、第2嵌合部94側(同図において右側)のリブ92の数は3つである。このため、帯状部材90Eの第1嵌合部93側における単位幅あたりの断面積は相対的に小さく、第2嵌合部94側における単位幅あたりの断面積は相対的に大きい。
なお、帯状部材90Eの各リブ92は、フランジの無い平板状になっている。複数の92の突出高さは互いに等しい。
図11は、本発明の第6実施形態を示したものである。
第6実施形態の帯状部材90Fにおいては、幅方向の中心線Lcを挟んで、第1嵌合部93側(同図の左側)のリブ92Xの数(1つ)が、第2嵌合部94側(同図の右側)のリブ92Y,92Zの数(2つ)より少ない。したがって、リブ92X,92Y,92Zの配置が、第1嵌合部93側では相対的に疎であり、第2嵌合部94側では相対的に密である。
中心線Lcよりも第2嵌合部94側のリブ92Y,92Zの先端部には、二段フランジ92g,92kが形成されている。第2嵌合部94の直近のリブ92Zの二段フランジ92kは、二段共にリブ92Zの両側へ突出する両側フランジになっている。中間のリブ92Yの二段フランジ92gは、1段目(図11において上端)が両側フランジになり、かつ2段目がリブ92Z側(図11において右側)へだけ突出する片側フランジになっている。このため、帯状部材90Fの第1嵌合部93側(図11において左側)における単位幅あたりの断面積は相対的に小さく、第2嵌合部94側における単位幅あたりの断面積は相対的に大きい。
例えば、帯状部材90ないしは帯本体90xが、鋼材等の金属にて構成されていてもよい。金属製の螺旋管9を製管してもよい。
断面調整部材80(図9)の数は、1つに限られず、2以上であってもよい。断面調整部材80の配置又は分布を適宜調節してもよい。
断面調整部材が、装着自在(着脱自在)であってもよい。
下水等の流水から採熱するための採熱管を、断面調整部材として兼用させてもよい。
製管装置3としては、自走式製管装置(特許文献3等)に限られず、元押し式や牽引式の製管装置を用いてもよい(特許文献1等参照)。
本発明の帯状部材ひいては螺旋管は、既設の下水道管の更生管用としてだけでなく、上水道管、水力発電用導水管、農業用水管の更生管用にも適用でき、更には更生管用としてだけでなく、種々の螺旋管用として適用できる。
螺旋管の用途によっては、平帯部91の内面(図3において下面)は、必ずしも平坦である必要は無い。リブ92が平帯部91の内面側に設けられていてもよい。
図3(a)に示す断面形状の帯状部材90の中立弱軸LN9及び図心位置等をコンピュータ解析した。解析方法としては有限要素法を用いた。
帯状部材90の幅寸法は、100mmとした。
第1嵌合部93とリブ92との高低差ΔHは、20.0mmとした。
帯状部材90の材質はポリ塩化ビニルであるものとして、弾性係数等の物性値を設定した。
解析の結果、帯状部材90の中立弱軸LN9は、基準幅方向W9に対して、第1嵌合部93側(図3(a)において左側)へ向かって内面側(図3(a)において下側)へ1.46°傾斜することが確認された。
図心位置は、帯状部材90の幅方向の中心線Lcから第2嵌合部94側(図3(a)において右側)へ2.06mmずれていた。
帯状部材90における中心線Lcを挟んで第1嵌合部93側(同図において左側)の断面積A1ひいては樹脂量と、第2嵌合部94側(同図において右側)の断面積A2ひいては樹脂量との比は、A1/A2=1.11であった。
続いて、当該帯状部材90を延び方向に曲げた場合の断面形状の変化を有限要素法によって解析した。
曲げの曲率半径は、螺旋管9の内周面において1500mmとした。
図3(b)は、前記解析結果の断面形状を表わしたものである。中立弱軸LN9を管軸L9と平行(同図の左右方向)に向けたとき、基準幅方向W9が、第1嵌合部93側へ向かって外面側へ傾いた。
したがって、螺旋管9に製管すれば、拡径(拡周)可能な断面であることが確認された。
断面調整部材80の高さ寸法(図9において上下方向に相当)と幅寸法は、ほぼ1対1であった。
断面調整部材80の厚みは、1.2mmであった。
断面調整部材80の材質は、鋼鉄であった。
帯本体90xの材質は、ポリ塩化ビニルであった。
帯本体90xの幅寸法は、100mmであった。
帯状部材90の内周面には、残り長さを示す表示が1000mm間隔で印字されていた。
螺旋管9の設定曲率半径は、螺旋管9の内周面において470mmとした。
製管は、外周規制体及び内周規制体の無い状態で行った。
帯状部材90Eの幅寸法は、100mmとした。
帯状部材90Eの第1嵌合部93とリブ92との高低差ΔHは、22.0mmとした。
帯状部材90Eの材質はポリ塩化ビニルであるものとして、弾性係数等の物性値を設定した。
解析の結果、帯状部材90Eの中立弱軸LN9は、基準幅方向W9に対して、第1嵌合部93側(図10において左側)へ向かって内面側(図10において下側)へ2.63°傾斜し、拡径性(拡周性)を有することが確認された。
図心位置は、帯状部材90Eの幅方向の中心線Lcから第2嵌合部94側(図10において右側)へ6.51mmずれていた。
帯状部材90Eにおける中心線Lcを挟んで第1嵌合部93側(同図において左側)の断面積A1ひいては樹脂量と、第2嵌合部94側(同図において右側)の断面積A2ひいては樹脂量との比は、A1/A2=0.61であった。
比較例1では、図13に示す公知の断面形状(特開2000−96996の図1に近似)の帯状部材2の中立弱軸LN2等を実施例1、3と同様にしてコンピュータ解析した。
帯状部材2の幅寸法は、100mmとした。
帯状部材2の第1嵌合部2a上のリブ2dとそれ以外のリブ2fとの高低差は、0mmであった。
帯状部材2の材質はポリ塩化ビニルであるものとして、弾性係数等の物性値を設定した。
解析の結果、帯状部材2の中立弱軸LN2は、基準幅方向W2に対して、第1嵌合部2a側(図13において左側)へ向かって外面側(同図において上側)へ6.26°傾斜した。したがって、帯状部材2においては、製管に伴って縮径(縮周長)することが確認された。
図心位置は、帯状部材2の幅方向の中心線Lcから第1嵌合部2a側(図13において左側)へ2.91mmずれていた。
帯状部材2における中心線Lcを挟んで第1嵌合部2a側(同図において左側)の断面積A1ひいては樹脂量と、第2嵌合部2b側(同図において右側)の断面積A2ひいては樹脂量との比は、A1/A2=1.35であった。
比較例2では、図14に示す公知の断面形状(特開平6−143420の図1)の帯状部材2Bの中立弱軸LN2等を実施例1、3と同様にしてコンピュータ解析した。
帯状部材2Bの幅寸法は、100mmとした。
帯状部材2Bの第1嵌合部2aとU字状のリブ2gとの高低差は、0mmであった。
帯状部材2Bの材質はポリ塩化ビニルであるものとして、弾性係数等の物性値を設定した。
解析の結果、帯状部材2Bの中立弱軸LN2は、基準幅方向W2に対して、第1嵌合部2a側(図14において左側)へ向かって外面側(同図において上側)へ1.284°傾斜した。したがって、帯状部材2Bにおいては、製管に伴って縮径(縮周長)することが確認された。
図心位置は、帯状部材2Bの幅方向の中心線Lcから第2嵌合部2b側(図14において右側)へ0.16mmずれていた。
帯状部材2Bにおける中心線Lcを挟んで第1嵌合部2a側(同図において左側)の断面積A1ひいては樹脂量と、第2嵌合部2b側(同図において右側)の断面積A2ひいては樹脂量との比は、A1/A2=0.93であった。
1d 断面変化部
3 製管装置
9 螺旋管(更生管)
80 断面調整部材
81 定着部
82 突出部
90 帯状部材
90B〜90F 帯状部材
90x 帯本体
91 平帯部
92 リブ
92A,92B,92S,92T,92X〜92Z リブ
93 第1嵌合部
93D 第1嵌合部
93a 嵌合溝
93b 嵌合凸部
94 第2嵌合部
94D 第2嵌合部
94b 嵌合凸部
94a 嵌合溝
a,b 矢印線
L9 管軸
LN9 中立弱軸
Lc 中心線
W9 基準幅方向
Claims (8)
- 螺旋状に巻回されて螺旋管となる帯状部材であって、
延び方向と直交する断面の一端部に設けられた第1嵌合部と、
前記断面の他端部に設けられ、前記第1嵌合部における一周先行する部分と嵌合される第2嵌合部と、
を備え、前記巻回されたとき、前記断面上の第1嵌合部と第2嵌合部とを結ぶ基準幅方向が、第1嵌合部側へ向かって外面側へ傾斜可能な断面形状を有していることを特徴とする帯状部材。 - 前記断面における中立弱軸が、前記基準幅方向に対して第1嵌合部側へ向かって内面側へ傾いていることを特徴とする請求項1に記載の帯状部材。
- 前記断面の単位幅あたりの断面積が、前記第1嵌合部側では相対的に小さく、前記第2嵌合部側では相対的に大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の帯状部材。
- 平坦な平帯部と、前記平帯部の幅方向に互いに間隔を置いて前記平帯部の外側面からそれぞれ突出された複数のリブとを含み、前記平帯部の幅方向の一端部に前記第1嵌合部が設けられ、他端部に前記第2嵌合部が設けられており、
前記リブの配置が、前記第1嵌合部側では相対的に疎であり、前記第2嵌合部側では相対的に密であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の帯状部材。 - 平坦な平帯部と、前記平帯部の幅方向に互いに間隔を置いて前記平帯部の外側面からそれぞれ突出された複数のリブとを含み、前記平帯部の幅方向の一端部に前記第1嵌合部が設けられ、他端部に前記第2嵌合部が設けられており、
前記第1嵌合部側におけるリブの前記平帯部からの突出高さが相対的に小さく、前記第2嵌合部側におけるリブの前記平帯部からの突出高さが相対的に大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の帯状部材。 - 1又は複数の断面調整部材を有し、
前記断面における中立弱軸が、前記断面調整部材が無いと仮定した場合よりも、第1嵌合部側へ向かって内面側へ偏ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の帯状部材。 - 前記断面調整部材が、鋼製の補強帯材であることを特徴とする請求項6に記載の帯状部材。
- 請求項1〜7項の何れか1項に記載の帯状部材を螺旋状に巻回して既設管の内面に沿って更生管を形成することを特徴とする既設管の更生方法。
Applications Claiming Priority (3)
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