JP7000149B2 - 帯状部材の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、かかる事情に鑑み、主帯材の断面形状が不安定であっても補強帯材を安定的に嵌め込むことができるようにすることを目的とする。
前記主帯材を巻かれた状態から繰り出す第1繰り出し手段と、
前記補強帯材を繰り出す第2繰り出し手段と、
前記主帯材に形成された被嵌め込み部に前記補強帯材を嵌め込んで前記帯状部材を形成する嵌め込み手段と、
前記嵌め込み手段又はその前後に設けられ、前記主帯材の断面形状を矯正する矯正手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記主帯材が塑性的に断面変形を来していた場合、補強帯材を嵌め込む前後に矯正手段によって主帯材の断面形状を矯正する。これによって、主帯材の断面形状が不安定であっても補強帯材を安定的に嵌め込むことができる。
これによって、被嵌め込み部が拡幅するように変形されていた場合、押圧部の押圧によって前記断面変形を確実に矯正できる。
これによって、補強帯材の嵌め込みと同時併行して、主帯材の断面を矯正できる。しかも、一対の挟付部による挟み付けによって主帯材が幅方向に拘束され、押圧部による押圧の反力を取ることができる。つまり、嵌め込み手段が矯正手段の反力受けの機能を担うから、矯正手段が押圧部に対する反力受け部材を要さず、構成を簡素化できる。
矯正ローラが回転しながら主帯材を押圧する。これによって、主帯材を順次送りながら断面を矯正できる。
主帯材の断面が撓み変形されている場合、テーパ状の矯正ローラにより主帯材の幅方向の端部を斜めに押圧することによって、前記撓み変形を矯正できる。
前記矯正ローラの回転軸が、前記主帯材の送り方向と直交する幅方向及び前記送り方向に対して直交していてもよい。
前記主帯材を巻かれた状態から繰り出す工程と、
前記補強帯材を繰り出す工程と、
前記主帯材に形成された被嵌め込み部に前記補強帯材を嵌め込んで前記帯状部材を形成する工程と、
前記嵌め込み時又はその前後の主帯材の断面形状を矯正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
前記矯正工程において、前記被嵌め込み部の幅を狭めるように前記主帯材を押圧することが好ましい。
<第1実施形態>
図1~図6は、本発明の第1実施形態を示したものである。本発明形態の製造対象は、老朽化した既設の埋設管3を更生するための帯状部材2である。図6(a)に示すように、埋設管3としては、下水道管の他、上水道管、農業用水管、ガス管などが挙げられる。帯状部材2が埋設管3の内周に沿って螺旋状にライニングされることによって螺旋管状の更生管4となる。
第1、第2の挟付ローラ41,42どうしが、送り方向MD及び幅方向TDと直交する対向方向HD(図4において上下)に対向している。
矯正ローラ51は、第1挟付ローラ41と一体に回転されてもよく、第1挟付ローラ41とは独立して回転可能であってもよい。
<押出成形工程>
主帯材20は、押出成形機(図示せず)によって一定断面(図2(a))の長尺帯状に押出成形される。
<一次巻き取り工程>
押出成形された主帯材20は、長尺であるため一旦、一次巻取ドラム11に巻き取られる。
図2(b)に示すように、一次巻取ドラム11における主帯材20は、巻回によって撓んで巻き癖が付与され、塑性的に変形され得る。このため主帯材20の断面形状が不安定である。例えばリブ24及びサブロック突片27が幅方向TDの外側へ倒れるように変形されたり、被嵌め込み部23が拡幅するように変形されたりする傾向がある。
図1に示すように、前記変形状態の主帯材20が、一次巻取ドラム11から繰り出されて、嵌め込み手段14へ送られる。
<補強帯材繰り出し工程>
併行して、補強帯材30が、二次巻取ドラム12aから繰り出されて、嵌め込み手段14へ送られる。
嵌め込み手段14においては、主帯材20と補強帯材30とが、互いに合流して重ねられるとともに一対の挟付ローラ41,42の間に導入され、これら挟付ローラ41,42によって挟み付けられる。
詳しくは図4に示すように、第1挟付ローラ41が、主帯部20の平帯部21の表側面(同図において下面)に宛がわれる。2つの第2挟付ローラ42が、補強帯材30の2つの凹溝35にそれぞれ挿し入れられる。これら挟付ローラ41,42の挟み付けによって、主帯材20の被嵌め込み部23に補強帯材30が嵌め込まれる。これによって、帯状部材2が形成される。
前記嵌め込みと同時併行して、矯正ローラ51が、主帯材20の被嵌め込み部23よりも幅方向の外側部分に押し当てられる。具体的には、矯正ローラ51のテーパ状の外周面が、サブロック突片27の基端の角部27cに斜めに押し当てられる。これによって、矯正ローラ51から角部27cに押圧力が加えられる。
この押圧力によって、幅方向TDの外側へ倒れるように変形されていたリブ24及びサブロック突片27が起こされる。押圧力の方向を斜めにすることによって、リブ24及びサブロック突片27の倒れを確実に矯正することができる。したがって、拡幅変形されていた被嵌め込み部23の幅が狭められる。
これによって、主帯材20の撓みが矯正され、押出成形時の断面形状に近づく。したがって、腕部34の先端部をコーナー部24cに確実に係止できる。この結果、主帯材20の断面形状が不安定であっても補強帯材30を被嵌め込み部23に安定的に嵌め込むことができる。ひいては、帯状部材2を安定的に製造できる。
矯正手段50を嵌め込み手段14に組み込むことによって、補強帯材30の嵌め込みと同時に主帯材20の断面を矯正できる。しかも、矯正手段50は、嵌め込み手段14の挟付ローラ41,42と協働して主帯材20を押圧する。すなわち、挟付ローラ41,42による挟み付けによって主帯材20が幅方向に拘束される。これによって、矯正ローラ51による押圧の反力を取ることができる。したがって、矯正手段50が別途の反力受け部材を有している必要がなく、矯正手段50の構成を簡素化できる。
帯状部材2は二次巻取ドラム12aに巻かれた状態で更生施工現場に搬送されて、埋設管にライニングされる。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態においては、矯正手段が嵌め込み手段14の第1挟付ローラ41B(主帯材側の挟付部)と一体になっている。詳しくは、第1挟付ローラ41Bは、中央の円筒状のストレート部43と、両端のテーパ部44,45を含む。これらストレート部43及びテーパ部44,45が互いに同一の軸線L41B上に配置されている。テーパ部44,45は、それぞれ幅方向TDの外側へ向かって拡径されている。サブロック突片27側のテーパ部45が矯正ローラとなっている。テーパ部45すなわち矯正ローラ45が、角部27cに当たることによって、リブ24及びサブロック突片27を起こす向きに押圧する。また、主帯材20の幅方向の中央部はストレート部43へ向かって押し下げ可能である。これによって、被嵌め込み部23の幅を確実に狭めて元の大きさに戻すことができ、補強帯材30を安定的に嵌め込むことができる。
第2実施形態は、主帯材20の断面が全体的に反るように撓み変形しているのを矯正するのに効果的である。
図8は、本発明の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態においては、矯正手段の矯正ローラ53が、ストレートな円筒形状になっている。該矯正ローラ53が、主帯材20のサブロック突片27の先端部と対向するように配置されている。矯正ローラ53の回転軸L53は、対向方向HD(図8において上下)と平行に向けられている。
矯正ローラ53によってサブロック突片27が被嵌め込み部23側へ押圧される。これによって、主帯材20の断面変形を矯正でき、補強帯材30を安定的に嵌め込むことができる。
図9は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態においては、円筒形状の矯正ローラ54が、主帯材20のサブロック突片27の表側面と対向するように配置されている。矯正ローラ54の回転軸L54は、サブロック突片27の本来の角度に合わせて、幅方向TD及び対向方向HDに対して斜めになっている。
該矯正ローラ54にサブロック突片27が押し当てられることによって、サブロック突片27が矯正ローラ54と平行になるように起こされる。したがって、サブロック突片27を本来の角度に確実に戻すことができる。これによって、主帯材20の断面変形を矯正でき、補強帯材30を安定的に嵌め込むことができる。
図10は、本発明の第5実施形態を示したものである。
第5実施形態においては、円筒形状の矯正ローラ55が、主帯材20のリブ24とサブロック突片27との間に配置されている。矯正ローラ55の回転軸L55は、対向方向HDに対して少し斜めになっているが、真っ直ぐ対向方向HDに沿っていてもよい。該矯正ローラ55がリブ24に押し当てられ、リブ24を被嵌め込み部23側へ押圧している。これによって、リブ24が直接的に起立され、これに伴ってサブロック突片27が起こされる。これによって、主帯材20の断面変形を矯正でき、補強帯材30を安定的に嵌め込むことができる。
例えば、矯正手段の押圧部は、円錐状(テーパ状)又は円筒形状のローラに限られず、板状又はブロック状などであってもよい。
矯正手段が、第1繰り出し手段10と嵌め込み手段14との間に配置されていてもよい。主帯材20が嵌め込み工程前に矯正されるようになっていてもよい。
矯正手段が、嵌め込み手段14よりも巻き取り手段12側に配置されていてもよい。主帯材20が嵌め込み工程後に矯正されることによって補強帯材30の嵌め込み状態が修正されるようになっていてもよい。
主帯材20及び補強帯材30の断面形状は図示したものに限られず種々の断面形状を適用できる。
2 帯状部材
3 埋設管
4 更生管
10 第1繰り出し手段
13 第2繰り出し手段
14 嵌め込み手段
20 主帯材
23 被嵌め込み部
30 補強帯材
41,42 一対の挟付部
41B 第1挟付ローラ(主帯材側の挟付部)
50 矯正手段
51 矯正ローラ(押圧部)
53 矯正ローラ(押圧部)
54 矯正ローラ(押圧部)
55 矯正ローラ(押圧部)
43 ストレート部
45 テーパ部(矯正ローラ)
L41B,L51,L53,L54,L55, 回転軸
MD 送り方向
TD 幅方向
HD 対向方向
Claims (6)
- 平坦な平帯部、及び前記平帯部の幅方向に互いに離れて前記平帯部の裏面から突出された複数のリブを含む合成樹脂製の主帯材と金属製の補強帯材から螺旋管となるべき帯状部材を形成する帯状部材製造装置であって、
前記主帯材を巻かれた状態から繰り出す第1繰り出し手段と、
前記補強帯材を繰り出す第2繰り出し手段と、
前記主帯材の前記複数のリブのうち2つのリブの間に形成された被嵌め込み部に前記補強帯材を嵌め込んで前記帯状部材を形成する嵌め込み手段と、
前記嵌め込み手段又はその前後に設けられ、前記主帯材の断面形状を矯正する矯正手段と、
を備え、前記嵌め込み手段が、前記主帯材と前記補強帯材とを重ねて挟み付ける一対の挟付部を含み、
前記矯正手段が、前記一対の挟付部による挟み付けと協働して、前記2つのリブのうち前記幅方向の一側のリブが他方のリブへ向けて回転して前記被嵌め込み部の幅が狭まるように、前記主帯材を前記幅方向の前記一側の外側から押圧する押圧部を含むことを特徴とする帯状部材製造装置。 - 前記押圧部が、自軸まわりに回転可能な矯正ローラを含むことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材製造装置。
- 前記矯正ローラの回転軸が、前記主帯材の送り方向と直交する前記幅方向が向けられる方向へ向けられ、かつ前記矯正ローラの外周面が、前記幅方向が向けられる方向の外側へ向かって拡径するテーパ状であることを特徴とする請求項2に記載の帯状部材製造装置。
- 前記矯正ローラの回転軸が、前記主帯材の送り方向と直交する前記幅方向が向けられる方向に対して斜めであることを特徴とする請求項2に記載の帯状部材製造装置。
- 前記矯正ローラの回転軸が、前記幅方向が向けられる方向及び前記主帯材の送り方向に対して直交していることを特徴とする請求項2に記載の帯状部材製造装置。
- 平坦な平帯部、及び前記平帯部の幅方向に互いに離れて前記平帯部の裏面から突出された複数のリブを含む合成樹脂製の主帯材と金属製の補強帯材から螺旋管となるべき帯状部材を製造する方法であって、
前記主帯材を巻かれた状態から繰り出す工程と、
前記補強帯材を繰り出す工程と、
前記主帯材と前記補強帯材とを重ねて挟み付けることによって、前記主帯材の前記複数のリブのうち2つのリブの間に形成された被嵌め込み部に前記補強帯材を嵌め込んで前記帯状部材を形成する工程と、
前記嵌め込み時又はその前後の主帯材の断面形状を矯正する工程と、
を備え、前記矯正工程において、前記挟み付けと協働して、前記2つのリブのうち前記幅方向の一側のリブが他方のリブへ向けて回転して前記被嵌め込み部の幅が狭まるように、前記主帯材を前記幅方向の前記一側の外側から押圧することを特徴とする帯状部材製造方法。
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