JP6889039B2 - 帯状部材 - Google Patents
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Description
埋設管に強度が残っていない場合などは、帯状部材に鋼製の補強帯材を付設して剛性を高めている。
本発明は、かかる事情に鑑み、螺旋状に巻回されることによって螺旋管に製管される帯状部材において、安定的に製管可能な帯状部材を提供することを目的とする。
表側が前記螺旋管の内周側へ向けられ、裏側が前記螺旋管の外周側へ向けられる平帯部と、
前記平帯部の幅方向の一端部に設けられた雌嵌合部と、
前記平帯部の幅方向の他端部から裏側へ突出され、前記製管によって、前記雌嵌合部における一周違い部分と嵌合される雄嵌合部と、
前記平帯部の幅方向に互いに離れて裏側へ突出する複数のリブと、
前記雌嵌合部における平帯部側とは反対側の外端部から裏側へ向かって、かつ前記平帯部から雌嵌合部へ向かう外方向へ傾くように延出され、前記製管によって、前記複数のリブのうち前記嵌合突起に最も近い係止リブにおける一周違い部分と係止される延出係止片と、
を備え、前記雌嵌合部には、該雌嵌合部の表側面に開口して前記雄嵌合部を受入可能な嵌合溝が形成され、
前記雄嵌合部の突出方向に対して、前記嵌合溝の凹み方向が、前記嵌合溝の溝口部から溝底部へ向かうにしたがって前記外方向とは逆の内方向へ傾斜されていることを特徴とする。
前記雄嵌合部の突出方向に沿う中心軸に対する、前記嵌合溝の凹み方向に沿う中心軸の傾斜角度が、5°〜10°であることが好ましい。
上記曲率が大きい程、傾斜角度を大きくし、上記曲率が小さい程、傾斜角度を小さくするのが好ましい。
前記複数のリブの1つが、前記雌嵌合部から裏側へ突出されるとともに前記内方向へ傾斜された第1リブであり、
前記補強帯材の幅方向の一端部が、前記第1リブの前記外方向への変形を所定量だけ許容するようにして、前記第1リブと係合されていることが好ましい。
これによって、帯状部材に曲率を付与することで、第1リブが、内方向への傾斜が小さくなるように変形し、これに伴って、雌嵌合部についても凹み方向の傾斜が小さくなるように変形される。第1リブの変形が所定量に達した以降は、補強帯材によって第1リブの変形が阻止又は制限される一方、雌嵌合部及び延出係止片のうち少なくとも延出係止片については更に変形されるようにできる。
これによって、帯状部材に曲率を付与した際の断面変形により、雌嵌合部の表側面が平帯部の幅方向に沿うようにできる。
前記平帯部の幅方向に対する前記雌嵌合部の前記表側面の傾斜角度が、15°〜22°であることが好ましい。
上記曲率が大きい程、傾斜角度を大きくし、上記曲率が小さい程、傾斜角度を小さくするのが好ましい。例えば、曲率が1/600mmの場合は、傾斜角度17°〜20°が好ましい。
図7に示すように、本実施形態は、例えば、老朽化した下水道管等の埋設管1の更生に適用される。埋設管1の内周に沿ってライニング管2がライニングされることによって、埋設管1の内周面が更生されている。ライニング管2は、帯状部材3によって構成されている。帯状部材3が、螺旋状に巻回されるとともに一周違いの縁部どうしが接合されることで、螺旋管すなわちライニング管2となる。
帯本体10は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を押出成形することによって構成され、延び方向の位置によらず一定の断面形状になっている。詳しくは、帯本体10は、平帯部11と、嵌合溝13と、雄嵌合部14と、複数のリブ15,16と、延出係止片17を含む。
平帯部11は、滑らかな表側面11aと、その反対の裏側を向く裏側面11bとを有し、平坦な帯形状になっている。表側面11aが、ライニング管2の内周面となる。裏側面11bが、ライニング管2の外周側へ向けられる。
雌嵌合部12には嵌合溝13が形成されている。嵌合溝13の溝口部13aが、雌嵌合部12の表側(図1において下方)に開口されている。嵌合溝13の溝底部13bは、溝口部13aの幅より大きな直径の概略円形断面になっている。ひいては、雌嵌合部12の断面形状が、概略Ω字状になっている。
第2リブ16の中間高さには、補強端係合部16bが形成されている。補強端係合部16bは、第2リブ16から第1リブ15へ向けて突出されている。
雄嵌合部14は、平帯部11から突出された柱部14aと、柱部14aの先端部に設けられた頭部14bとを有している。頭部14bは、柱部14aの幅より大きな直径の概略円形断面になっている。
雄嵌合部14の突出方向に沿う中心軸L14は、平帯部11の幅方向に対して略直交している。
補強帯材20の幅方向の他端部(図1において右端部)における端板部26の先端部26eは、第2リブ16の補強端係合部16bと係合している。
嵌合溝13の溝口部13aから溝底部13bへ向かう凹み方向は、雄嵌合部14の柱部14aから頭部14bへ向かう突出方向に対して、溝底部13bへ向かうにしたがって内方向(前記外方向とは逆の方向、図1において右方)へ傾斜されている。
雄嵌合部14の突出方向に沿う中心軸L14に対する、嵌合溝13の凹み方向に沿う中心軸L13の傾斜角度θ13は、好ましくはθ13=5°〜10°であり、より好ましくはθ13=8°程度である。
第1リブ15は、先端へ向かうにしたがって内方向(図1において右方)へ傾斜されている。平帯部11と直交する方向に対する第1リブ15の傾斜角度θ15は、好ましくはθ15=5°〜10°であり、より好ましくはθ15=8°程度である。
更に、雌嵌合部12における嵌合溝13よりも延出係止片17側の表側面12aは、外方向(図1において左方)へ向かうにしたがって平帯部11の幅方向に対して裏側へ傾斜されている。平帯部11の幅方向に対する前記表側面12aの傾斜角度θ12は、好ましくはθ12=15°〜22°である。
図示は省略するが、帯本体10の断面形状に対応する所定形状の金型を作製し、押出成形機にセットする。該押出成形機によって帯本体10を押出成形して一次巻取ドラムに巻き取る。
次に、帯本体10を一次巻取ドラムから繰り出して補強帯材20と嵌め合わせることで、帯状部材3を作製し、該帯状部材3を巻取ドラム4に巻き取る。
なお、巻き癖機5及び製管機7としては、例えば特開2013−256048号公報等に開示された公知構造を適用できる。
前記所定の回転変位量は、好ましくは5°〜10°、より好ましくは8°程度である。これによって、第1リブ15を、平帯部11に対してほぼ直立姿勢になるまで変形させて、そこで変形を止めることができる。
これによって、嵌合溝13が狭まり、中心軸L13が更に回転して雄嵌合部14の中心軸L14とほぼ平行になる。また、雌嵌合部12の表側面12aの幅方向が、平帯部11の幅方向とほぼ平行になる。
詳しくは、図6に示すように、帯状部材3における、製管機7に新たに導入された帯部分3aの雄嵌合部14が、製管済部分3bの雌嵌合部12と嵌合される。前記巻き癖付与時の断面変形によって、これら嵌合部12,14の中心軸L13,L14どうしが互いにほぼ一致するようにできる。したがって、帯部分3aの雄嵌合部14を製管済部分3bの嵌合溝13に確実に嵌め込むことができる。
また、図6の二点鎖線にて示すように、帯部分3aの平帯部11における雄嵌合部14側の端部が、製管済部分3bにおける雌嵌合部12と平帯部11とで作る段差部分10dにぴったりと嵌るようにできる。
更に、帯部分3aの延出端係止部16aが、製管済部分3bの延出係止片17の先端部と係止される。
これによって、螺旋管からなるライニング管2を安定的に製管できる。
その後、図7及び図8に示すように、埋設管1の内周面とライニング管2との間にモルタル等の裏込め材9を充填する。
このようにして、埋設管1が更生される。
例えば、ライニング管2(螺旋管)の製管方法として、実施形態の牽引式に代えて、元押し式、自走式等を採用してもよい(特開2014−65170号、特開2016−43555号等参照)。
補強帯材20の端板部25,26は肩部23から延びていなくてもよく、胴部21の両腕部の途中から延びていてもよい。
巻き癖機5を省いてもよい。製管機7によって帯状部材3を巻回する際に、帯本体10が所望断面(図5)に変形されるようにしてもよい。
リブ15,16の数は、2つに限られず3つ以上でもよい。
更生対象の埋設管1は、下水道管に限られず、上水道管、農業用水管、ガス管等であってもよい。
2 ライニング管(螺旋管)
3 帯状部材
5 巻き癖機
7 製管機
10 帯本体
11 平帯部11
12 雌嵌合部12
12a 表側面
13 嵌合溝
13a 溝口部
13b 溝底部
14 雄嵌合部
15 第1リブ(リブ)
16 第2リブ(リブ)
16a 延出端係止部16a
16b 補強端係合部16b
17 延出係止片
20 補強帯材
25e 補強部材の一端部
L13 中心軸
L14 中心軸
Claims (5)
- 螺旋状に巻回されることによって螺旋管に製管される帯状部材であって、
表側が前記螺旋管の内周側へ向けられ、裏側が前記螺旋管の外周側へ向けられる平帯部と、
前記平帯部の幅方向の一端部に設けられた雌嵌合部と、
前記平帯部の幅方向の他端部から裏側へ突出され、前記製管によって、前記雌嵌合部における一周違い部分と嵌合される雄嵌合部と、
前記平帯部の幅方向に互いに離れて裏側へ突出する複数のリブと、
前記雌嵌合部における平帯部側とは反対側の外端部から裏側へ向かって、かつ前記平帯部から雌嵌合部へ向かう外方向へ傾くように延出され、前記製管によって、前記複数のリブのうち前記嵌合突起に最も近い係止リブにおける一周違い部分と係止される延出係止片と、
を備え、前記雌嵌合部には、該雌嵌合部の表側面に開口して前記雄嵌合部を受入可能な嵌合溝が形成され、
前記雄嵌合部の突出方向が、前記幅方向に対して直交しており、
前記雄嵌合部の突出方向に対して、前記嵌合溝の凹み方向が、前記製管のための曲率付与前は前記嵌合溝の溝口部から溝底部へ向かうにしたがって前記外方向とは逆の内方向へ傾斜されており、前記曲率付与による断面変形によって、前記嵌合溝の凹み方向が、前記雄嵌合部の突出方向と合うように、前記雌嵌合部が前記平帯部に対して回転変位されることを特徴とする帯状部材。 - 前記曲率付与前の前記雄嵌合部の突出方向に沿う中心軸に対する、前記嵌合溝の凹み方向に沿う中心軸の傾斜角度が、5°〜10°であることを特徴とする請求項1に記載の帯状部材。
- 前記平帯部と前記雌嵌合部と前記雄嵌合部と前記複数のリブと前記延出係止片を一体に含む樹脂製の帯本体と、前記平帯部の裏側に設けられた鋼製の補強帯材を備え、
前記補強帯材が、前記平帯部の裏側面に宛がわれた一対の肩部と、これら肩部の間に設けられた断面コ字状の胴部と、各肩部における前記胴部とは反対側の端部に設けられた端板部とを有し、前記胴部が、前記リブよりも裏側へ突出されており、
前記複数のリブの1つが、前記雌嵌合部から裏側へ突出されるとともに前記内方向へ傾斜された第1リブであり、
前記曲率付与前の前記補強帯材の幅方向の一端部の前記端板部が、前記第1リブの前記外方向への変形を所定量だけ許容するようにして、前記第1リブと係合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯状部材。 - 前記曲率付与前の前記雌嵌合部の嵌合溝より延出係止片側の表側面が、前記延出係止片へ向かうにしたがって、前記平帯部の幅方向に対して裏側へ傾斜されていることを特徴とする請求項3に記載の帯状部材。
- 前記平帯部の幅方向に対する前記雌嵌合部の前記表側面の前記曲率付与前の傾斜角度が、15°〜22°であることを特徴とする請求項4に記載の帯状部材。
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