JP6832109B2 - 螺旋管の製造方法及び製管装置 - Google Patents

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Description

本発明は、螺旋管を製造する方法及びシステムに関し、特に、カーブ部が有る軸線に沿って製管するのに適した螺旋管製造方法及び製造システムに関する。
老朽化した下水管等の既設管を螺旋管(更生管)でライニングすることによって更生することは公知である(特許文献1等参照)。例えば、螺旋管は、合成樹脂製の帯状部材によって構成されている。帯状部材を既設管の内壁に沿って螺旋状に巻回しながら、前記帯状部材における、先行して螺旋管状に形成された先行螺旋管部と後続帯部との互いに隣接する縁の嵌合部どうしを嵌合させている。
特許文献2の帯状部材には、U字状断面のベローズ(伸縮部)が設けられている。ベローズを伸縮させることによって帯状部材を幅方向に広げたり狭めたりすることができる。
既設管は、ストレートな部分ばかりとは限らず、カーブする部分も有り得る。カーブする部分において、先行螺旋管部を真っ直ぐ延伸させると、先行螺旋管部の延伸前端部が外まわり側の内壁に突き当たる。従来工法では、突き当たる度に、製管装置を停止したうで、先行螺旋管部の延伸前端部を構成する帯状部材を引っ張って拡幅させていた。これによって、先行螺旋管部の延伸軸線の向きを既設管のカーブに合わせていた。
特許第4866428号公報 特開平11−34165号公報
前記の従来工法においては、既設管と螺旋管の間の隙間が小さくなればなるほど、カーブする部分において、先行螺旋管部の延伸前端部が既設管の外まわり側の内壁に突き当たり易くなる。このため、頻繁に製管装置を止めて拡幅操作をする必要があり、工期が長期化する。したがって、既設管と螺旋管の間の隙間の縮小化と、工期の短縮化とは、トレードオフの関係がある。
本発明は、カーブ部においても螺旋管を連続的に製管可能とし、螺旋管を既設管のライニング更生に適用する場合は、既設管と螺旋管の間の隙間の縮小化と、工期の短縮化を両立させることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明方法は、帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって、ストレート部とカーブ部を有する軸線に沿って螺旋管を製管する螺旋管製造方法であって、
前記接合と併行して又は前記接合前に、前記カーブ部の外まわり側部における帯状部材の幅を前記ストレート部のときより広げる操作と、前記カーブ部の内まわり側部における帯状部材の幅を、前記ストレート部のときより縮める操作の少なくとも一方を実行することを特徴とする。
当該螺旋管製造方法によれば、カーブ部における帯状部材の幅を、外まわり側部において広くし、又は内まわり側部において狭くすることによって、螺旋管をカーブするように形成できる。幅拡縮操作を、帯状部材の隣接する縁どうしの接合と併行して、又は接合前に行なうことによって、カーブ部においても連続的に製管することができる。したがって、螺旋管を既設管のライニング更生に適用する場合は、既設管と螺旋管の間の隙間の縮小化と、工期の短縮化とを両立させることができる。
帯状部材の前記接合操作される箇所において、接合操作と同時に幅拡縮操作を行ってもよく、前記接合操作される箇所から周方向に少しずれた箇所において幅拡縮操作を行ってもよい。
前記軸線まわりの螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な製管装置によって、前記螺旋管を前記軸線の後方側(以下「延伸後方側」と称す)から前方側(以下「延伸前方側」と称す)へ延伸させるように製管するとともに、
前記外まわり側部において前記製管装置の帯状部材との係止部を前記延伸前方側へ付勢する操作と、前記内まわり側部において前記係止部を前記延伸後方側へ付勢する操作の少なくとも一方を実行することが好ましい。
外まわり側部において製管装置の帯状部材との係止部を延伸前方側へ付勢することによって、帯状部材を拡幅させることができる。或いは、内まわり側部において製管装置の帯状部材との係止部を延伸後方側へ付勢することによって、帯状部材を縮幅させることができる。これら操作の少なくとも一方を実行することで、螺旋管をカーブさせることができる。
製管装置全体を人力等によって延伸前方側又は延伸後方側へ押し引き(付勢)してもよく、製管装置の装置フレームを人力で支えたり既設管等に当てて反力を取ったりしながら、装置フレームに対して係止部を延伸前方側又は延伸後方側へスライド(付勢)させてもよい。
前記軸線まわりの螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な製管装置によって前記製管を実行するとともに、
前記外まわり側部においては前記製管装置の押圧部材によって前記帯状部材を厚み方向に圧縮させることが好ましい。
前記圧縮によって、帯状部材を拡幅変形させることができる。これによって、螺旋管をカーブさせることができる。
螺旋管を既設管のライニング更生に適用する場合は、帯状部材を押圧部材と既設管の内壁との間に挟み、かつ押圧部材を既設管の内壁へ押し当てることで、帯状部材を圧縮して拡幅させてもよい。押圧部材と押圧受け部材との間に帯状部材を挟み、かつ押圧部材と押圧受け部材を接近させることで、帯状部材を圧縮して拡幅させてもよい。
前記軸線まわりの螺旋状の巻回方向に沿って推進後方側から推進前方側へ推進可能な製管装置によって、前記螺旋管を前記軸線の後方側(以下「延伸後方側」と称す)から前方側(以下「延伸前方側」と称す)へ延伸させるように製管するとともに、
前記製管装置に設けられたガイドレールを、前記帯状部材の長手方向へ延びる溝部にスライド可能に嵌めた状態で、前記外まわり側部において前記ガイドレールを前記推進後方側へ向かって前記延伸前方側へ傾ける操作と、前記内まわり側部において前記ガイドレールを前記推進後方側へ向かって前記延伸後方側へ傾ける操作の少なくとも一方を実行することが好ましい。
外まわり側部において、ガイドレールを推進後方側へ向かって延伸前方側へ傾けた状態で製管装置を推進させると、ガイドレールの案内によって、帯状部材を拡幅させることができる。内まわり側部において、ガイドレールを推進後方側へ向かって延伸後方側へ傾けた状態で製管装置を推進させると、ガイドレールの案内によって、帯状部材を縮幅させることができる。これら操作の少なくとも一方を実行することによって、螺旋管をカーブさせることができる。
周方向位置検知手段によって、前記製管装置の前記軸線まわりの周方向位置を検知し、
検知結果に基づいて、前記帯状部材の幅を拡縮させるか否かを判断することが好ましい。
周方向位置検知手段による周方向位置の検知によって、製管装置が外まわり側部上に在るか、内まわり側部上に在るかを判断することができる。これによって、外まわり側部における帯状部材の拡幅操作又は内まわり側部における帯状部材の幅縮小化操作を確実に実行できる。
前記螺旋管が、前記帯状部材(以下、本請求項において「第1帯状部材」と称す)と、第2帯状部材を備えており、
前記第2帯状部材を、螺旋状の隙間を開けて螺旋状に巻回するとともに、
前記外まわり側部において前記螺旋状隙間の幅を前記ストレート部のときより広くする操作と、前記内まわり側部において前記螺旋状隙間の幅を前記ストレート部のときより狭くする操作の少なくとも一方を実行し、
次に、第1帯状部材を前記螺旋状隙間に沿って螺旋状に巻回しながら、前記第2帯状部材と前記第1帯状部材の隣接する縁どうしを接合するとともに、
前記外まわり側部において前記第1帯状部材を前記ストレート部のときより幅広にする操作と、前記内まわり側部において前記第1帯状部材を前記ストレート部のときより幅狭にする操作の少なくとも一方を実行することにしてもよい。
これによって、2条螺旋構造の螺旋管を形成できる。カーブ部においても、ストレート部と同様に、第1帯状部材を連続的に隙間に嵌め込んで製管することができる。
前記接合前に、前記帯状部材における、前記外まわり側部に設置されるべき部分を前記ストレート部に設置されるべき部分より幅広にする操作と、前記内まわり側部に設置されるべき部分を前記ストレート部に設置されるべき部分より幅狭にする操作の少なくとも一方を実行することにしてもよい。
そうすることで、帯状部材における、予め幅広にされた部分が外まわり側部に設置される。又は、予め幅狭にされた部分が内まわり側部に設置される。これによって、螺旋管をカーブさせることができる。
本発明に係る螺旋管製造システムは、帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって螺旋管を形成する製管装置と、
前記接合と併行して又は前記接合前に前記帯状部材の幅を拡縮させる幅拡縮部と、
を備えたことを特徴とする。
前記幅拡縮部の作動を停止させた状態で前記製管装置を駆動すると、帯状部材が一定幅のまま螺旋状に巻回されることで、螺旋管の軸線を直線状にすることができる。
螺旋管の軸線をカーブさせるときは、帯状部材におけるカーブ部の外まわり側部を形成すべき部分を幅拡縮部によって拡幅させる。或いは、帯状部材におけるカーブ部の内まわり側部を形成すべき部分を幅拡縮部によって幅狭にする。これら操作の少なくとも一方を実行することによって、螺旋管をカーブさせることができる。
幅拡縮操作を、帯状部材の隣接する縁どうしの接合と併行して、又は接合前に行なうことによって、カーブ部においても連続的に製管することができる。したがって、螺旋管を既設管のライニング更生に適用する場合は、既設管と螺旋管の間の隙間の縮小化と、工期の短縮化とを両立させることができる。
前記製管装置は、前記帯状部材における先行して螺旋状に形成された先行螺旋管部と、これに続く後続帯部との互いに隣接する縁どうしを接合することが好ましい。これによって、後続帯部を先行螺旋管部に順次組み入れて、先行螺旋管部を延伸させることができる。前記幅拡縮部は、前記製管装置における先行螺旋管部と後続帯部の接合操作位置に設けられることで接合と同時に幅拡縮操作可能としてもよく、前記製管装置における前記接合操作位置から後続帯部の周方向に少しずれた位置に設けられることで接合直後に幅拡縮操作可能としてもよい。
前記幅拡縮部が、製管装置から離れて、製管装置とは別に設けられていてもよい。帯状部材が、幅拡縮部を経た後、製管装置へ送られて製管されるようにしてもよい。
前記製管装置が、
前記軸線まわりの螺旋状の巻回方向に沿って推進後方側から推進前方側への推進力を得る駆動部と、
前記帯状部材の長手方向へ延びる溝部にスライド可能に嵌め込まれるガイドレールと、
前記ガイドレールを、前記推進後方側へ向かって製管装置の推進方向と直交する幅方向へ傾斜させるように角度調節するレール角度調節部と、
を備えていることが好ましい。
カーブ部の外まわり側部においては、レール角度調節部によってガイドレールを推進後方側へ向かって延伸前方側へ傾けることが好ましい。この状態で製管装置を推進させると、ガイドレールの案内によって、帯状部材を拡幅させることができる。また、カーブ部の内まわり側部において、ガイドレールを推進後方側へ向かって延伸後方側へ傾けてもよい。この状態で製管装置を推進させると、ガイドレールの案内によって、帯状部材を縮幅させることができる。これによって、螺旋管をカーブさせることができる。
前記帯状部材が、幅方向に塑性的に伸縮変形可能な伸縮部を含むことが好ましい。言い換えると、伸縮部は、幅方向へ伸縮するように塑性変形可能である。
これによって、帯状部材の幅を確実に拡縮させることができる。かつ、拡縮操作後に帯状部材の幅が元に戻るのを抑制又は防止できる。したがって、螺旋管のカーブを保持できる。
前記伸縮部は、例えば断面U字状のベローズを含むことが好ましい。
本発明によれば、軸線がカーブする部分においても螺旋管を連続的に製管することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る製管装置によって既設管を更生する様子を示す側面断面図である。 図2は、更生施工済みの既設管を、図1よりも縮尺を小さくして示す平面断面図である。 図3は、施工途中の螺旋管の斜視図である。 図4は、既設管の管軸方向から見た製管中の前記製管装置を模式的に示す正面図である。 図5(a)は、既設管のストレート部分における製管の様子を示し、図4のVa−Va線に沿う断面図である。図5(b)は、既設管のカーブ部分の外まわり側部における製管の様子を示す断面図である。 図6(a)は、ストレート部分における製管の変形態様を示す断面図である。図6(b)は、外まわり側部における製管の変形態様を示す断面図である。 図7は、既設管の周方向における製管装置の位置検知手段の変形態様を示す平面断面図である。 図8は、本発明の第2実施形態を示し、同図(a)は、ストレート部分における製管の様子を示す断面図である。同図(b)は、外まわり側部における製管の様子を示す断面図である。 図9は、前記第2実施形態の変形態様を示し、同図(a)は、ストレート部分における製管の様子を示す断面図である。同図(b)は、外まわり側部における製管の様子を示す断面図である。 図10は、本発明の第3実施形態を示し、製管中の製管装置の解説正面図である。 図11(a)は、既設管のストレート部分における前記製管装置のガイドレールの状態を示し、図10のXIa−XIa線に沿う平面図である。図11(b)は、既設管のカーブ部分の外まわり側部における前記ガイドレールの状態を示す平面図である。 図12は、カーブ部分の外まわり側部におけるガイドレール及び帯状部材を示し、同図12(a)は、図10のXIIa−XIIa線に沿う平面図である。同図(b)は、図10のXIIb−XIIb線に沿う平面図である。 図13は、本発明の第4実施形態を示し、既設管に第2帯状部材を設置後、第1帯状部材を設置途中の段階における平面断面図である。 図14(a)は、既設管のストレート部分における第1帯状部材を設置する様子を示す断面図である。図14(b)は、既設管のカーブ部分の外まわり側部における第1帯状部材を設置する様子を示す断面図である。 図15は、本発明の第5実施形態を示し、同図(a)は、既設管のストレート部分に螺旋管を形成する様子を示す解説平面図である。同図(b)は、既設管のカーブ部分に螺旋管を形成する様子を示す解説平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1は、老朽化した既設管1を更生する様子を示したものである。既設管1としては、下水道管、上水道管、農業用水管、ガス管等が挙げられる。図2に示すように、既設管1は、ストレートな部分1aと、カーブした部分1cを有している。つまり、既設管1の軸線Lは、ストレート部分1aにおけるストレート部L1aと、カーブ部分1cにおけるカーブ部L1cを含む。
図2に示すように、既設管1の内壁に螺旋管9(更生管)がライニングされている。螺旋管9は、発進人孔4から到達人孔4Bまでの間の既設管1の全長にわたって設けられる。螺旋管9は、長尺の1本の帯状部材90によって構成され、螺旋管状になっている。螺旋管9の軸線は、既設管1の軸線Lに沿っている。すなわち、ストレート部分1aにおける螺旋管9の軸線は、直線状であり、カーブ部分1cにおける螺旋管9の軸線はカーブしている。
図3に示すように、製管途中の帯状部材90は、螺旋管9となるべき先行螺旋管部91と、後続帯部92とを含む。帯状部材90が、図3において例えば時計回りの螺旋状の巻回方向に巻回されることで、螺旋管状の先行螺旋管部91が形成されている。図1に示すように、先行螺旋管部91は、既設管1の軸線Lに沿って発進人孔4側(図1において右側、以下「延伸後方側」と称す。)から到達人孔4B側(図1において左側、以下「延伸前方側」と称す。)へ向かって延伸されている。先行螺旋管部91の延伸方向の前端の約一周部分を「延伸前端部91e」と称す。
先行螺旋管部91の延伸前端部91eにおける巻回方向の先端部から未製管の後続帯部92が続いている。後続帯部92は、先行螺旋管部91の内部及び発進人孔4の内部に通されている。
図5(a)に示すように、帯状部材90は、一定の断面を有して、同図の紙面直交方向へ延びている。帯状部材90の帯本体90aの材質は、例えばポリ塩化ビニル等の合成樹脂である。帯本体90aには、ベローズ97(伸縮部)が形成されている。ベローズ97は、断面U字状をなして帯状部材90の裏側(外周側、図5(a)において下側)へ向かって突出されている。ベローズ97は、帯状部材90の幅方向へ塑性的に伸縮可能である。つまり、幅方向へ伸縮するように塑性変形可能である。ひいては、帯状部材90が幅方向へ塑性的に拡縮可能になっている。
帯本体90aの裏側には断面U字状の金属製の補強帯材96が設けられている。ベローズ97に被さる補強帯材96は、ベローズ97と共に帯状部材90の幅方向へ伸縮可能であり、好ましくは塑性的に伸縮可能である。
補強帯材96が省略されていてもよい。
図3及び図4に示すように、先行螺旋管部91の延伸前端部91eの内周側に製管装置3が配置されている。製管装置3は、先行螺旋管部91の巻回方向(図3において時計回り)に沿って推進(周回)される。製管装置3の幅方向は、前記巻回方向に沿う推進方向に対して直交されている。製管装置3内の接合操作位置9pにおいて、先行螺旋管部91の第1嵌合部93(図5)と、後続帯部92の第2嵌合部94(図5)との凹凸嵌合(接合)が行われる。
図4に示すように、製管装置3は、二点鎖線にて示す装置フレーム3aと、駆動部10と、ガイド部20を備えている。装置フレーム3aに駆動部10とガイド部20とが支持されている。駆動部10は、接合操作位置9pよりも内周側(図4において上側)に離れて配置されている。駆動部10は、一対の駆動ローラ13,13を含む。一対の駆動ローラ13,13によって、後続帯部92が両側から挟み付けられている。
詳細な図示は省略するが、駆動ローラ13は、油圧モータによって駆動される。油圧モータには油圧ホースが接続されている。製管装置3にはスイベル機構3sが設けられている。スイベル機構3sによって、油圧ホースを捩ることなく製管装置3を既設管1の内周に沿って周回させることができる。
図4に示すように、駆動部10よりも外周側(図4において下側)にガイド部20が設けられている。ガイド部20は、一対の外周ガイド23と、内周ガイド24を含む。一対の外周ガイド23は、接合操作位置9pを挟んで製管装置3の長さ方向(推進方向、図4において左右)に離れて配置されている。各外周ガイド23は、板状に形成され、先行螺旋管部91の延伸前端部91eに外周側(図4において下側)から宛がわれている。
推進後方側(図4において右側)の外周ガイド23Rは、推進前方側(図4において左側)の外周ガイド23Fよりも接合操作位置9pの近くに配置されている。好ましくは、推進後方側外周ガイド23Rは、接合操作位置9pの推進後方側の直近に配置されている。
外周ガイド23の内周側(図4において上側)には、内周ガイド24が対峙するように配置されている。内周ガイド24は、板状であるが、円筒ロール状であってもよい。なお、図4においては、1つの内周ガイド24が推進後方側外周ガイド23Rとだけ対峙しているが、2つの内周ガイド24がそれぞれ推進前方側外周ガイド23F及び推進後方側外周ガイド23Rと対峙するように設けられていてもよい。内周ガイド24は、先行螺旋管部91の延伸前端部91eに内周側(図4において上側)から宛がわれている。
図5(a)に示すように、外周ガイド23には、係止部23fが設けられている。係止部23fが帯状部材90の溝部95にスライド可能に係止されている。内周ガイド24には、係止部24fが設けられている。係止部24fが帯状部材90のベローズ97にスライド可能に係止されている。ひいては、製管装置3が、帯状部材90に対して、帯状部材90の延び方向へスライド可能、かつ帯状部材90の幅方向へスライド不能に係止されている。
既設管1は、製管装置2によって次のようにして更生施工される。
図1に示すように、既設管1内に先行螺旋管部91がある程度形成されているものとする。
帯状部材90の後続帯部92を、発進人孔4から先行螺旋管部91の内部を経て、外周規制体50の内部の製管装置3へ導入する。
図4に示すように、駆動部10の駆動ローラ13を回転駆動させることによって、後続帯部92を接合操作位置9pへ向けて押し込む。押し込み方向は、先行螺旋管部91の径方向に対して斜めに向けられる。押し込みによって、帯状部材90が外周ガイド23に押し当てられ、外周ガイド23から垂直抗力を受ける。前記押し込み力の径方向分力と前記垂直抗力とによって、後続帯部92の第2嵌合部94と、先行螺旋管部91の延伸前端部91eの第1嵌合部93とが嵌合(接合)される。かつ、前記押し込み力の周方向分力によって、製管装置3が推進(自走)される。これによって、帯状部材90の巻回が進み、先行螺旋管部91が延伸される。
カーブ部分1cにおいても、ストレート部分1aと同様に、製管装置3によって帯状部材90の巻回及び嵌合部93,94の接合を連続的に実行する。
図5(b)に示すように、製管装置3がカーブ部分1cにおける外まわり側部1eに位置するとき、製管装置3による前記巻回及び接合操作と併行して、製管装置3ひいては係止部23f,24fを軸線Lに沿って延伸方向の前方側(延伸前方側、図5において左側)へ付勢する。
付勢方法として、人力等によって製管装置3全体を延伸前方側へ押して(又は引いて)もよい。
或いは、図6(a)に示すように、製管装置3に前記付勢操作のための押し引き駆動部33を設けておいてもよい。図6(b)に示すように、製管装置3がカーブ部分1cにおける外まわり側部1eに位置するときは、装置フレーム3aを人力で支えたり既設管1に当てて反力を取ったりしながら、押し引き駆動部33によって、係止部23f,24fを装置フレーム3aに対して延伸前方側へスライドさせてもよい。
この場合、押し引き駆動部33及び係止部23f,24fによって「幅拡縮部」が構成される。
これによって、接合操作位置9pにおける嵌合部93,94どうしの嵌合(接合)と併行して、すなわち前記嵌合と同時又はその直後に、ベローズ97が幅方向に延ばされる。したがって、外まわり側部1eにおいては、帯状部材90の幅がストレート部分1aのときよりも広くなる。この結果、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに合わせてカーブさせることができる
よって、先行螺旋管部91の延伸前端部91eがカーブ部分1cにおける既設管1の内壁に突き当たるのを回避できる。このため、製管装置3を停止させる必要が無く、カーブ部分1cにおいてもストレート部分1aと同様に連続的に製管を行なうことができる。既設管1と螺旋管9との間の隙間9gが小さくても、カーブ部分1cにおいて製管装置3を停止する必要がない。これによって、隙間9gの縮小化と、工期短縮化とを両立させることができる。
前記外まわり側部1eにおける拡幅操作に代えて、製管装置3がカーブ部分1cにおける内まわり側部1dに位置するとき、製管装置3ひいては係止部23f,24fを軸線Lに沿って延伸方向の後方側(延伸後方側、図5において右側)へ付勢してもよい。そうすると、帯状部材90のベローズ97の幅が縮む。したがって、内まわり側部1dにおける帯状部材90の幅がストレート部分1aのときよりも狭くなる。この結果、前記外まわり側部1eにおける拡幅操作と同様に、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに合わせてカーブさせることができる
前記外まわり側部1eにおける拡幅操作と前記内まわり側部1dにおける縮幅操作の両方を実行してもよい。
図4において二点鎖線にて示すように、製管装置3に周方向位置検知手段40を設け、周方向位置検知手段40によって、スイベル機構3sと装置フレーム3aの相対角度を検出することにしてもよい。検出した相対角度から、既設管1の周方向における製管装置3の位置を割り出し、その結果に応じて、帯状部材90の幅を拡縮操作するか否かを判断することにしてもよい。つまり、前記相対角度から、製管装置3が外まわり側部1e上に位置していると判定されたときは、帯状部材90の幅を広くすることにしてもよい。又は、製管装置3が内まわり側部1d上に位置していると判定されたときは、帯状部材90の幅を小さくすることにしてもよい。
図7に示すように、製管装置3に周方向位置検知手段として距離検知手段41を設け、距離検知手段41によって、製管装置3と既設管1の内壁との間の距離、ひいては先行螺旋管部91の延伸前端部91eと既設管1の内壁との間の距離D9g(隙間9gの大きさ)を検知し、検知結果に応じて、帯状部材90の幅を拡縮操作するか否かを判断することにしてもよい。つまり、距離D9gが小さくなったときは、製管装置3が外まわり側部1e上に位置しているものとして、帯状部材90の幅を広くすることにしてもよい。
図示は省略するが、距離D9gが大きくなったときは、製管装置3が内まわり側部1d上に位置しているものとして、帯状部材90の幅を小さくすることにしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態を示したものである。図8(a)に示すように、第2実施形態の製管装置3は、押圧部材25を含む。押圧部材25は、帯状部材90の延伸前端部91eの内周側(図8(a)において上側)かつ接合操作位置9pの推進後方側の直近に配置されている。押圧部材25は、装置フレーム3aに対して製管装置3の高さ方向(先行螺旋管部91の径方向、図8(a)において上下)に変位可能になっている。押圧部材25は、板状であってもよく、円筒状の回転ロールにて構成されていてもよい。
図8(a)に示すように、既設管1のストレート部分1aにおいては、帯状部材90が一定幅を保ちながら製管(巻回及び嵌合部93,94どうしの接合)される。
図8(b)に示すように、カーブ部分1cにおいては、帯状部材90が幅調節されながら製管される。詳しくは、製管装置3が外まわり側部1eに位置するときは、製管装置3ひいては押圧部材25を、先行螺旋管部91の外周側(図8(b)において下側)へ変位させる。これによって、接合操作位置9pにおける接合直後の帯状部材90が、押圧部材25と既設管1との間に挟み付けられて厚み方向に圧縮されることで拡幅される。したがって、外まわり側部1eにおける帯状部材90の幅がストレート部分1aのときよりも広くなる。この結果、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに合わせてカーブさせることができる。よって、先行螺旋管部91の延伸前端部91eがカーブ部分1cにおける既設管1の内壁に突き当たるのを回避できる。このため、製管装置3を停止させる必要が無く、カーブ部分1cにおいてもストレート部分1aと同様に連続的に製管を行なうことができる。
図9は、前記第2実施形態の変形態様を示したものである。図9(a)に示すように、当該態様における製管装置3は、押圧部材25に加えて、押圧受け部材26と、押圧駆動部35を含む。押圧受け部材26は、押圧部材25の外周側(図9(a)において下側)に対峙するように配置されている。押圧部材25と押圧受け部材26との間に、接合操作位置9pの推進後方側の直近における帯状部材90が挟まれている。
押圧部材25と押圧受け部材26と押圧駆動部35によって「幅拡縮部」が構成されている。
押圧駆動部35は、押圧部材25及び押圧受け部材26を互いに接近、離間させる。押圧部材25及び押圧受け部材26の両方が動くようになっていてもよく、押圧部材25及び押圧受け部材26の何れか一方だけが動き、他方は装置フレーム3aに対して固定されていてもよい。
図9(a)に示すように、既設管1のストレート部分1aにおいては、帯状部材90が一定幅を保ちながら製管される。
図9(b)に示すように、カーブ部分1cにおいては、帯状部材90が幅調節されながら製管される。詳しくは、製管装置3が外まわり側部1eに位置するとき、押圧駆動部35によって押圧部材25と押圧受け部材26を互いに接近させる。これによって、接合操作位置9pにおける接合直後の帯状部材90が、押圧部材25と押圧受け部材26との間に挟み付けられて厚み方向に圧縮されることで拡幅される。したがって、外まわり側部1eにおける帯状部材90の幅がストレート部分1aのときよりも大きくなる。この結果、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに合わせてカーブさせることができる。よって、先行螺旋管部91の延伸前端部91eがカーブ部分1cにおける既設管1の内壁に突き当たるのを回避できる。このため、製管装置3を停止させる必要が無く、カーブ部分1cにおいてもストレート部分1aと同様に連続的に製管を行なうことができる。
<第3実施形態>
図10〜図12は、本発明の第3実施形態を示したものである。図10に示すように、第3実施形態の製管装置3は、ガイドレール27を備えている。ガイドレール27は、外周ガイド23から推進後方側(図10おいて右側)へ延びている。図11(a)に示すように、複数のガイドレール27が、製管装置3の幅方向(図11(a)において上下)に並べられている。
図12(a)に示すように、各ガイドレール27が、帯状部材90の溝部95にスライド可能に嵌められている。ガイドレール27のうち最も延伸前方側(図12(a)において最も左側)のガイドレール27Eは、ベローズ97よりも延伸前方側の溝部95に嵌っている。図11(a)に示すように、ガイドレール27Eの基端部(推進前方側の端部、同図において左端部)には、レール角度調節部37が接続されている。図11(a)の二点鎖線にて示すように、レール角度調節部37によって、ガイドレール27Eが、基端部を中心にして製管装置3の幅方向(図11(a)において上下)に傾斜するように角度調節可能になっている。製管装置3の幅方向は、先行螺旋管部91の延伸方向に略沿っている。
ガイドレール27Eとレール角度調節部37とによって「幅拡縮部」が構成されている。
既設管1のストレート部分1aにおいては、帯状部材90が一定幅を保ちながら製管される。
カーブ部分1cにおいては、帯状部材90が幅調節されながら製管される。詳しくは、図11(b)に示すように、製管装置3が外まわり側部1eに位置するとき、レール角度調節部37によってガイドレール27Eの先端部(推進後方側の端部、図11(b)において右端部)を延伸前方側(同図において下側)へ傾ける。その状態で、帯状部材90を巻回することによって、製管装置3を推進前方側(図11(b)において左側)へ推進させる。
これによって、図12に示すように、接合操作位置9pにおける接合の直後の帯状部材90が、ガイドレール27Eに案内されながら拡幅される。したがって、外まわり側部1eにおける帯状部材90の幅がストレート部分1aのときよりも大きくなる。この結果、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに合わせてカーブさせることができる。よって、先行螺旋管部91の延伸前端部91eがカーブ部分1cにおける既設管1の内壁に突き当たるのを回避できる。このため、製管装置3を停止させる必要が無く、カーブ部分1cにおいてもストレート部分1aと同様に連続的に製管を行なうことができる。
製管装置3がカーブ部分1cにおける内まわり側部1dに位置するとき、ガイドレール27Eの先端部を延伸後方側(図11(a)において上側)へ傾けてもよい。そうすると、帯状部材90がガイドレール27Eに案内されながら幅が縮む。したがって、内まわり側部1dにおける帯状部材90の幅がストレート部分1aのときよりも狭くなる。この結果、前記外まわり側部1eにおける拡幅操作と同様に、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに合わせてカーブさせることができる
前記外まわり側部1eにおける拡幅操作と前記内まわり側部1dにおける縮幅操作の両方を実行してもよい。
<第4実施形態>
図13〜図14は、本発明の第4実施形態を示したものである。図13に示すように、第4実施形態の螺旋管9は、第1帯状部材90Aと、第2帯状部材90Bとを備え、二条螺旋状になっている。図14(a)に示すように、第1帯状部材90Aの幅方向の両端部に第2嵌合部94が設けられている。第2帯状部材90Bの幅方向の両端部には、第1嵌合部93が設けられている。第1帯状部材90Aの第2嵌合部94と第2帯状部材90Bの第1嵌合部93とが嵌合されている。第1帯状部材90Aの互いに隣接する縁どうしが、第2帯状部材90Bを介して接合され、第2帯状部材90Bの互いに隣接する縁どうしが、第1帯状部材90Aを介して接合されている。
第1帯状部材90Aには、ベローズ97が設けられている。図14(a)及び同図(b)に示すように、ベローズ97が塑性的に伸縮されることによって、第1帯状部材90Aの幅が塑性的に拡縮可能になっている。
第2帯状部材90Bにはベローズ97が設けられていない。なお、第2帯状部材90Bについても、ベローズ97を設けることによって幅を塑性的に拡縮可能にしてもよい。
既設管1に螺旋管9を構築する際は、先ず第2帯状部材90Bを設置し、次に第1帯状部材90Aを設置する。
詳しくは、第2帯状部材90Bを、螺旋状隙間9sを開けて螺旋状に巻回する。第2帯状部材90Bの螺旋ピッチは、第2帯状部材90Bの幅より大きくする。
図14に示すように、既設管1の内壁には、定着部材50を設けておく。詳細な図示は省略するが、定着部材50には、第2帯状部材90Bのための定着部が設けられている。この定着部に第2帯状部材90Bを嵌合、係止、接着等によって定着させる。
定着部材50は、第2帯状部材90Bの螺旋ピッチに合わせて軸線Lに沿って間隔を置いて複数設けられる。
なお、1つの定着部材50が、軸線Lに沿って線状に延びていてもよい。線状の定着部材50に間隔を置いて定着部が設けられており、第2帯状部材90Bが任意の定着部に接合可能であってもよい。
図13に示すように、ストレート部分1aにおける螺旋状隙間9sの幅は、第1帯状部材90Aの初期幅(拡縮操作されていない状態の幅)に合わせる。
カーブ部分1cの外まわり側部1eにおいては、螺旋状隙間9sの幅を、ストレート部分1aでの螺旋状隙間9sの幅より広くする。
外まわり側部1eにおいては螺旋状隙間9sの幅をストレート部分1aより広くし、かつ内まわり側部1dにおいては螺旋状隙間9sの幅をストレート部分1aより狭くしてもよい。
外まわり側部1eにおいては、第1帯状部材90Aをストレート部分1aより幅広にし、かつ内まわり側部1dにおいては、第1帯状部材90Aをストレート部分1aより幅狭にしてもよい。
次に、第1帯状部材90Aを螺旋状隙間9sに沿って螺旋状に巻回しながら、帯状部材90A,90Bの互いに対向する嵌合部93,94どうしを嵌合させる。
カーブ部分1cの外まわり側部1eにおいては、第1帯状部材90Aをストレート部分1aより幅広にする。内まわり側部1dにおいて、第1帯状部材90Aをストレート部分1aより幅狭にしてもよい。これによって、カーブ部分1cにおいても、第1帯状部材90Aを螺旋状隙間9sに挿入配置でき、第2帯状部材90Bと確実に接合させることができる。この結果、二条螺旋状の螺旋管9を製管することができる。
第2帯状部材90B及び第1帯状部材90Aの設置作業は、手作業で行ってもよく、専用の機械を用いて行ってもよい。
<第5実施形態>
図15は、本発明の第5実施形態を示したものである。図15(a)に示すように、第5実施形態の螺旋管製造システム2は、製管装置3に加えて、製管装置3とは別個の幅拡縮部60と、幅拡縮制御部65を備えている。幅拡縮部60は、帯状部材90の繰り出しリール6と、既設管1内の製管装置3との間に設置されている。幅拡縮部60は、地上の繰り出しリール6の近くに配置されていてもよく、発進人孔4(図1参照)内に配置されていてもよく、先行螺旋管部91(図1参照)内に配置されていてもよい。帯状部材90が、繰り出しリール6から繰り出された後、幅拡縮部60に通されている。
幅拡縮部60は、帯状部材90の幅を拡縮調節する。例えば、幅拡縮部60は、帯状部材90を幅方向に引っ張ることで拡幅させる。或いは、幅拡縮部60は、帯状部材90を厚み方向に圧し潰すことで拡幅させるようになっていてもよい。
幅拡縮部60に幅拡縮制御部65が接続されている。幅拡縮制御部65は、帯状部材90における幅拡縮部60に導入された部分90bが、既設管1のどの場所に設置されるかを算定する。算定は、幅拡縮部60から製管装置3までの距離、及び既設管1の内周形状データ等に基づいて行うことができる。算定結果に基づいて幅拡縮部60を制御する。
具体的には、図15(a)に示すように、帯状部材90における幅拡縮部導入部分90bが、既設管1のストレート部分1aに設置されるべきものである場合、幅拡縮部60の作動が停止される。したがって、帯状部材90は、一定幅を保ちながら、製管装置3へ送られて、ストレート部分1aの内周に沿って製管される。これによって、ストレート部分1aにおいては、先行螺旋管部91の軸線を真っ直ぐにすることができる。
図15(b)に示すように、帯状部材90における幅拡縮部導入部分90bが、既設管1のカーブ部分1cに設置されるべきものである場合、幅拡縮部60が作動される。詳しくは、幅拡縮部導入部分90bが外まわり側部1eに設置されるべきものである場合、幅拡縮部60によって当該幅拡縮部導入部分90bの拡幅操作が実行される。幅拡縮部導入部分90bが内まわり側部1dに設置されるべきものである場合、拡幅操作は停止される。又は、幅拡縮部60によって幅拡縮部導入部分90bの幅を縮小させてもよい。要するに、帯状部材90において、外まわり側部1eに設置されるべき部分をストレート部分1aに設置されるべき部分より幅広にする操作と、内まわり側部1dに設置されるべき部分をストレート部分1aに設置されるべき部分より幅狭にする操作の少なくとも一方を実行する。
これによって、幅拡縮部60より製管装置3側の帯状部材90は、幅広部分90eと幅狭部分90dとを交互に連ねた波形状になる。
この帯状部材90が順次製管装置3へ送られ、幅広部分90eは外まわり側部1eの内壁に設置され、幅狭部分90dは内まわり側部1dの内壁に設置される。これによって、先行螺旋管部91の軸線をカーブ部分1cに沿ってカーブさせることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、本発明は、既設管1をライニングする螺旋管9(更生管)に限られず、種々の螺旋管に適用できる。
製管装置は、実施形態の構造に限られない。製管装置が、螺旋管9の内周形状を規制する内周規制体(リンクローラ)を有していてもよい。
本発明は、例えば下水道管、農業用水管等の既設管を、更生管ライニングによって更生する既設管更生技術に適用できる。
軸線
1a ストレート部
1c カーブ部
1 既設管
1d 内まわり側部
1e 外まわり側部
2 螺旋管製造システム
3 製管装置
9 螺旋管
9g 隙間
9s 螺旋状隙間
90 帯状部材
90d 幅狭部分(内まわり側部に設置されるべき部分)
90e 幅広部分(外まわり側部に設置されるべき部分)
90A 第1帯状部材
90B 第2帯状部材
91e 延伸前端部
95 溝部
97 ベローズ(伸縮部)
10 駆動部
23f 係止部
24f 係止部
25 押圧部材
26 押圧受け部材
27E ガイドレール
33 押し引き駆動部
35 押圧駆動部
37 レール角度調節部
40 周方向位置検知手段
41 距離検知手段(周方向位置検知手段)
60 幅拡縮部
65 幅拡縮制御部

Claims (10)

  1. 螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な製管装置によって、帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって、ストレート部分とカーブ部分を有する既設管の内壁に沿って螺旋管を製管する螺旋管製造方法であって、
    前記帯状部材には、内周側から見て凹む断面U字状のベローズと、外周側から見て凹む溝部とが、それぞれ長手方向へ延びるように形成されており、
    前記製管装置における、前記接合がなされる接合操作位置の直近かつ前記巻回方向に沿う推進方向の推進後方側には、内周側の係止部及び外周側の係止部が設けられており、
    製管途中の螺旋管の延伸前端部におけるベローズには、前記内周側の係止部が前記推進方向へスライド可能に係止され、前記延伸前端部における前記溝部には、前記外周側の係止部が前記推進方向へスライド可能に係止されており、
    前記製管装置による前記接合と併行して、前記カーブ部分の外まわり側部においては、前記内周側及び外周側の係止部を延伸前方側へ付勢することによって、前記延伸前端部のベローズの幅を前記ストレート部分におけるベローズの幅より広げることを特徴とする螺旋管製造方法。
  2. 螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な製管装置によって、帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって、ストレート部分とカーブ部分を有する既設管の内壁に沿って螺旋管を製管する螺旋管製造方法であって、
    前記帯状部材には断面U字状のベローズが形成されており、
    前記製管装置に設けられた押圧部材が、製管途中の螺旋管の延伸前端部の内周側に配置されており、
    前記製管装置による前記接合と併行して、前記カーブ部分の外まわり側部においては、前記製管装置の装置フレームに対する前記押圧部材の位置を、前記ストレート部分のときよりも外周側へずらすことによって前記延伸前端部の帯状部材を前記押圧部材と前記既設管の内壁との間で挟み付けて厚み方向に圧縮させて、前記ベローズを拡幅させることを特徴とする螺旋管製造方法。
  3. 帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって、ストレート部とカーブ部を有する軸線に沿って螺旋管を製管する螺旋管製造方法であって、
    前記接合と併行して又は前記接合前に、前記カーブ部の外まわり側部における帯状部材の幅を前記ストレート部における幅より広げる操作と、前記カーブ部の内まわり側部における帯状部材の幅を前記ストレート部における幅より縮める操作の少なくとも一方を実行し、
    前記軸線まわりの螺旋状の巻回方向に沿って推進後方側から推進前方側へ推進可能な製管装置によって、前記螺旋管を前記軸線の後方側(以下「延伸後方側」と称す)から前方側(以下「延伸前方側」と称す)へ延伸させるように製管するとともに、
    前記製管装置に設けられたガイドレールを、前記帯状部材の長手方向へ延びる溝部にスライド可能に嵌めた状態で、前記外まわり側部において前記ガイドレールを前記推進後方側へ向かって前記延伸前方側へ傾ける操作と、前記内まわり側部において前記ガイドレールを前記推進後方側へ向かって前記延伸後方側へ傾ける操作の少なくとも一方を実行することを特徴とする螺旋管製造方法。
  4. 周方向位置検知手段によって、前記製管装置の前記螺旋管の軸線まわりの周方向位置を検知し、
    検知結果に基づいて、前記帯状部材の幅を変えるか否かを判断することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の螺旋管製造方法。
  5. ストレート部分とカーブ部分を有する既設管の内壁に沿って二条螺旋状の螺旋管を製管する螺旋管製造方法であって、
    前記螺旋管が、第1帯状部材と、第2帯状部材を備え、前記第1帯状部材が、幅方向へ伸縮させることで塑性変形される断面U字状のベローズを含む合成樹脂からなる帯本体と、前記ベローズに被さる断面U字状に形成されて幅方向へ伸縮させることで塑性変形される金属からなる補強部材とを含んでおり、
    前記第2帯状部材を、螺旋状の隙間を開けて螺旋状に巻回するとともに、前記ストレート部分においては前記螺旋状隙間の幅を前記第1帯状部材の拡縮操作されていない状態の初期幅に合わせて設定し、前記カーブ部分の外まわり側部において前記螺旋状隙間の幅を前記ストレート部分における螺旋状隙間の幅より広くし、
    次に、前記第1帯状部材を前記螺旋状隙間に沿って螺旋状に巻回しながら、前記第2帯状部材と前記第1帯状部材の隣接する縁どうしを接合するとともに、
    前記外まわり側部においては前記第1帯状部材の幅を前記ストレート部分における幅より広くすることによって、前記ベローズ及び補強部材を塑性変形させることを特徴とする螺旋管製造方法。
  6. 螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な製管装置によって、帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって、ストレート部分とカーブ部分を有する既設管の内壁に沿って螺旋管を製管する螺旋管製造方法であって、
    前記帯状部材が巻かれた繰り出しリールと前記製管装置との間に幅拡縮部が配置されており、
    前記帯状部材を、前記繰り出しリールから繰り出して前記幅拡縮部に通した後、前記製管装置へ送って前記製管に供し、
    前記幅拡縮部に接続された幅拡縮制御部によって、前記帯状部材における前記幅拡縮部に導入された幅拡縮部導入部分が、前記螺旋管のどの部分を構成するかを、前記幅拡縮部から前記製管装置までの距離及び前記既設管の内周形状データに基づいて算定し、
    前記幅拡縮部導入部分が前記カーブ部分の外まわり側部を構成すると算定されたときは、前記幅拡縮部によって幅拡縮部導入部分を幅広にし、前記幅拡縮部導入部分が前記カーブ部分の内まわり側部を構成すると算定されたときは、前記幅にする操作を停止することによって、前記帯状部材を前記幅広にされた部分とされていない部分とを交互に連ねた波形状にして前記製管装置へ送り出し、これによって、前記接合前に、前記帯状部材における、前記外まわり側部に設置されるべき部分を前記ストレート部分に設置されるべき部分より幅広にすることを特徴とする螺旋管製造方法。
  7. 内周側から見て凹む断面U字状のベローズと、外周側から見て凹む溝部とが、それぞれ長手方向へ延びるように形成された帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって螺旋管を形成する製管装置であって、
    製管途中の前記螺旋管の延伸前端部に配置されて、螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な装置フレームと、
    前記装置フレームに支持され、前記延伸前端部に内周側から宛がわれる内周ガイドと、
    前記内周ガイドに設けられ、前記延伸前端部における前記ベローズにスライド可能に係止される内周側の係止部と、
    前記装置フレームに支持され、前記延伸前端部に外周側から宛がわれる外周ガイドと、 前記外周ガイドに設けられ、前記延伸前端部における前記溝部にスライド可能に係止される外周側の係止部と、
    前記装置フレームに設けられ、前記内周ガイド及び前記外周ガイドを前記装置フレームに対して前記延伸方向へ押し引きする押し引き駆動部と、を備え、
    前記押し引き駆動部と前記内周側及び外周側の係止部によって、前記接合と併行して前記帯状部材の幅を拡縮させる幅拡縮部が構成され、前記螺旋管のカーブ部分の外まわり側部においては、前記押し引き駆動部によって、前記内周ガイド及び前記外周ガイドが、前記装置フレームに対して前記螺旋管のストレート部分のときよりも延伸前方側へずらされることを特徴とする螺旋管の製管装置。
  8. 断面U字状のベローズを含む帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって螺旋管を形成する製管装置であって、
    製管途中の前記螺旋管の延伸前端部に配置されて、螺旋状の巻回方向に沿って推進可能な装置フレームと、
    前記装置フレームに設けられ、前記接合と併行して又は前記接合前に前記帯状部材の幅を拡縮させる幅拡縮部と、
    を備え、前記幅拡縮部が、前記延伸前端部の内周側に配置された押圧部材と、前記延伸前端部を挟んで前記押圧部材と対峙するように前記延伸前端部の外周側に配置された押圧受け部材と、これら押圧部材及び押圧受け部材を接近離間させる押圧駆動部とを含み、
    前記螺旋管のカーブ部分の外まわり側部においては、前記押圧駆動部によって前記押圧部材及び押圧受け部材が、前記螺旋管のストレート部分のときよりも接近されることを特徴とする螺旋管の製管装置。
  9. 帯状部材を螺旋状に巻回しながら前記帯状部材の一周違いに隣接する縁どうしを接合することによって螺旋管を形成する製管装置であって、
    製管途中の前記螺旋管の軸線まわりの螺旋状の巻回方向に沿って推進後方側から推進前方側への推進力を得る駆動部と、
    前記接合と併行して又は前記接合前に前記帯状部材の幅を拡縮させる幅拡縮部と、
    を備え、前記幅拡縮部が、
    前記帯状部材の長手方向へ延びる溝部にスライド可能に嵌め込まれるガイドレールと、
    前記ガイドレールを、前記推進後方側へ向かって製管装置の推進方向と直交する幅方向へ傾斜させるように角度調節するレール角度調節部と、
    を備えたことを特徴とする螺旋管の製管装置。
  10. 前記帯状部材が、幅方向に塑性的に伸縮変形可能なベローズを含むことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の螺旋管の製管装置。
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