JP7226983B2 - 既設管更生構造及び既設管更生方法 - Google Patents

既設管更生構造及び既設管更生方法 Download PDF

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本発明は、老朽化した既設管を更生してなる既設管更生構造及び既設管更生方法に関し、特に既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備えた既設管更生構造及び既設管更生方法に関する。
老朽化した下水道管等の既設管の内周面に沿って帯状部材を巻回して螺旋管状の更生管を製管することによって、前記既設管を更生する方法は公知である。
例えば特許文献1の既設管更生構造においては、更生管が帯本体(ストリップ)と接続帯体(ジョイナー)との二条の螺旋帯構造になっており、接続帯体(ジョイナー)にベローズ状の伸縮部が設けられている。地震動が起きたときは、伸縮部が帯幅方向に伸縮変形し、ひいては更生管が管軸方向に伸縮されることにより、水密性が保たれる。
特許第3804955号公報
前掲特許文献1の既設管更生構造においては、既設管と更生管の間の全域にわたってセメントミルクなどの裏込め材が充填されている。したがって、全域にわたって帯状部材の伸縮部が裏込め材を介して既設管に拘束されている。このため、地震などの地盤変動が起きたときは、裏込め材に亀裂が生じた箇所でだけ伸縮変形が起き、伸縮機能を十分に活かせない。
本発明は、かかる事情に鑑み、伸縮部を有する帯状部材を含む更生管における伸縮機能を十分に活かすことのできる既設管更生構造及び既設管更生方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明構造は、既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備え、前記更生管が、螺旋状に巻回されて帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしが接合された帯状部材によって構成された既設管更生構造であって、
前記更生管には、前記既設管に対して拘束された被拘束管部と、前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態の伸縮可能管部とが、管軸方向に分かれて設けられ、
前記帯状部材における、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部を構成する部分が、帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有していることを特徴とする。
ここで、非拘束状態とは、既設管によって伸縮可能管部がまったく拘束されていないか、又は殆ど若しくは実質的に拘束されていないことを言う。弱拘束状態とは、既設管によって伸縮可能管部が被拘束管部よりも弱く拘束されていることを言う。伸縮部が伸縮可能であるとは、帯状部材の製造時ないしは更生管の供用開始時の初期状態を基準にして伸縮部が伸び方向及び縮み方向の両方向に変形可能であることの他、初期状態では最も縮んでいて伸び方向へだけ変形可能であり、前記初期状態より伸びた状態では伸び方向及び縮み方向の両方向に変形可能となることをも含む。
当該既設管更生構造において、地震などの地盤変動による外力が作用したときは、伸縮可能管部の伸縮部が、既設管によって阻まれることなく伸縮でき、該伸縮部の伸縮機能を十分に活かすことができる。
詳しくは、前記伸縮可能管部の伸縮部の伸縮によって、地震などの地盤変動のエネルギーを吸収して、帯状部材の隣接する縁部分どうしの接合が外れるのを防止できる。この結果、下水などの流体が前記隣接する縁部分どうしの間から漏れるのを防止でき、流下性能を維持できる。一方、更生管の被拘束管部が既設管に拘束されることによって、更生管が全体として既設管に対してずれるのを防止又は抑制できる。さらに、前述したように、伸縮可能管部によって地盤変動エネルギーが吸収されるために、被拘束管部及びその拘束手段に加わる地盤変動エネルギーを低減でき、被拘束管部の拘束状態を確実に保持できる。
前記被拘束管部が、前記伸縮可能管部より大径であることが好ましい。
大径の被拘束管部を既設管の内周面のほぼ全周に押し当てることが好ましい。これによって、被拘束管部を既設管に対して確実に拘束状態にできる。
小径の伸縮可能管部を既設管の内周面から離間させることが好ましい。これによって、伸縮可能管部を既設管に対して確実に非拘束状態又は弱拘束状態にできる。
前記被拘束管部における螺旋のリード角が、前記伸縮可能管部における螺旋のリード角より小さいことが好ましい。前記被拘束管部における螺旋のピッチが、前記伸縮可能管部における螺旋のピッチより小さいことが好ましい。
これによって、被拘束管部を伸縮可能管部より大径にすることができる。
前記帯状部材の両縁部のうち少なくとも一方の縁部には、複数列の凹溝が形成され、前記両縁部のうち少なくとも他方の縁部には、複数列の凸条が形成され、前記隣接する縁部分における互いに対応する凸条及び凹溝どうしが嵌合されており、
さらに、前記複数列の凸条のうち一部が根元部分において切断されていることが好ましい。
これによって、被拘束管部についても伸縮可能管部と同じ径で製管した後、被拘束管部における前記隣接する縁部どうしを巻き方向に沿って互いにずらすように滑らすことで、被拘束管部の一巻き分の長さを拡張させて、被拘束管部を大径化できる。
前記一部の凸条が接着剤を介して対応する凹溝と接合され、前記一部以外の凸条が、滑りを許容するシール剤を介して対応する凹溝と接合されていることが好ましい。
好ましくは、更生管の製管後に前記切断を行う。そうすることで、製管時においては、前記隣接する縁部どうしの接合強度を得ることができ、安定的に製管できる。その後、前記切断を行うことで、前記隣接する縁部どうしの接合強度が弱まる。しかも、切断されていない凸条と凹溝との間には、滑りを許容するシール剤が設けられているから、前記拡張操作を容易に行うことができる。
前記更生管における、前記一部の凸条が切断された部分は、前記被拘束管部と前記伸縮可能管部とのうち前記被拘束管部だけであってもよく、前記被拘束管部と前記伸縮可能管部の両方であってもよく、前記更生管のほぼ全域にわたって前記一部の凸条が切断されていてもよい。
前記更生管における前記既設管の端部に設けられた部分が、前記被拘束管部となっていることが好ましい。
これによって、更生管と既設管の端部どうしを拘束し、更生管の中間部を伸縮可能管部として伸縮性を持たせることができる。
前記被拘束管部が、前記既設管の端部から突出され、かつ前記既設管の内径より大径に形成されていてもよい。
これによって、突出させた被拘束管部を既設管の端部に係止させて拘束できる。
前記更生管における前記既設管の枝管との接続部に設けられた部分が、前記被拘束管部となっていることが好ましい。
これによって、伸縮可能管部が伸縮変形されたとしても、更生管の内部と枝管とを連通した状態に維持できる。
前記枝管としては、既設管が下水道管である場合の取付管が挙げられる。
前記接続部における被拘束管部には、前記枝管に連なる連通口が形成されており、前記連通口が、長軸を前記管軸方向へ向けた長穴であることが好ましい。
これによって、伸縮可能管部が管軸方向へ伸縮変形されたとしても、更生管の内部と枝管との連通状態を確実に維持できる。
前記連通口の長径(長軸方向の寸法)と短径(短軸方向の寸法)との比は、1.2:1~3:1程度であることが好ましい。
前記既設管更生構造が、前記被拘束管部を前記既設管に拘束する拘束手段を備えていることが好ましい。
これによって、被拘束管部を既設管に確実に拘束することができる。前記拘束手段は、前記被拘束管部と前記伸縮可能管部とのうち前記被拘束管部だけを既設管に拘束することが好ましい。
前記拘束手段が、前記既設管の内周面と前記被拘束管部との間に充填された充填剤を含み、前記既設管の内周面と前記伸縮可能管部との間には空隙が形成されていることが好ましい。
前記充填剤によって、被拘束管部を既設管に確実に拘束することができる。かつ、伸縮可能管部を確実に非拘束状態又は弱拘束状態として、該伸縮可能管部の伸縮部を伸縮可能にすることができる。
前記充填剤としては、接着剤、シール剤、裏込め材などが挙げられる。
前記空隙は、空気層などの低粘性流体層となっていることが好ましい。前記既設管の内周面と伸縮可能管部とが、ほぼ全周にわたって離れていることが好ましい。前記伸縮可能管部は前記既設管の内径より小径であることが好ましい。
前記更生管の外周に外周溝部が形成され、前記充填剤が、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管のうち被拘束管部における外周溝部だけに充填されていることが好ましい。
これによって、被拘束管部を充填剤を介して既設管に確実に拘束することができる。かつ伸縮可能管部と既設管との間に空隙を形成できる。
前記被拘束管部の外周には前記充填剤の注入孔を有する注入チューブが設けられ、前記充填剤内に前記注入チューブが埋まっていることことが好ましい。
更生管の製管後、前記注入チューブに充填剤を供給する。該充填剤が注入孔から吐出される。これによって、既設管の内周面と被拘束管部との間に充填剤を充填できる。
前記充填剤は、前記被拘束管部と前記伸縮可能管部とのうち被拘束管部と既設管との間にだけ設けられていることが好ましい。
前記拘束手段が、アンカーボルトを含んでいてもよい。
好ましくは、前記アンカーボルトは、前記被拘束管部を通して前記既設管に打ち込まれている。これによって、被拘束管部を既設管に確実に拘束することができる。
前記アンカーボルトは、前記被拘束管部と前記伸縮可能管部とのうち被拘束管部だけに設けられていることが好ましい。
前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部が、共に全周にわたって前記既設管の内壁に接しており、前記拘束手段が、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管のうち被拘束管部だけに設けられていてもよい。
これによって、被拘束管部を既設管に確実に拘束でき、かつ伸縮可能管部を少なくとも弱拘束状態にできる。
本発明方法は、既設管を螺旋管状の更生管によって更生する方法であって、
帯状部材を前記既設管の内周に沿って螺旋状に巻回して、前記帯状部材の帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしを接合することによって前記更生管を製管する工程と、
前記更生管における被拘束管部を前記既設管に対して拘束し、かつ前記更生管における前記被拘束管部とは管軸方向に分かれて設定された伸縮可能管部を前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態とする工程と、を備え、
前記製管工程において、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部については前記帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有する帯状部材によって製管することを特徴とする。
これによって、伸縮可能管部における伸縮部の伸縮機能を十分に活かすことができる。かつ、更生管が全体として既設管に対してずれるのを防止又は抑制できる。
前記拘束工程が、前記製管工程後に前記被拘束管部を製管時より拡径させる工程を含むことが好ましい。
これによって、製管工程では、更生管を全体的に既設管の内径より小径になるように製管できる。その後、被拘束管部だけを拡径させることによって、該被拘束管部を既設管の内周面に押し当てて拘束状態にすることができる。伸縮可能管部については、既設管より小径に保持することで、非拘束状態又は弱拘束状態とすることができる。
前記拡径工程が、前記被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを拡張させる工程を含むことが好ましい。
前記拡張によって、被拘束管部を拡径させ、既設管の内周面に押し当てて拘束状態にすることができる。
前記拡張工程において、前記一巻き分の長さが拡張される向きに前記更生管を捩じることが好ましい。
これによって、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを拡張でき、被拘束管部を拡径できる。
前記更生管における前記被拘束管部より前記管軸方向の一端側の管部分又は前記被拘束管部における前記一端側の端部に対して、前記拡張する向きへの捩じり力を付与することが好ましい。
これによって、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを確実に拡張できる。
前記一端側の管部分を介して被拘束管部における帯状部材に捩じり力を付与してもよく、被拘束管部における帯状部材の端部に直接捩じり力を付与してもよい。
前記捩じり工程において、前記帯状部材における前記一端側の管部分又は前記一端側の端部に続く未製管の帯部分を、元押し製管機によって前記一端側の管部分に送り込むことが好ましい。
前記未製管の帯部分の送り込みによって、前記捩じり力を発生させることができる。
前記元押し製管機を前記管軸方向に沿ってスライド可能とすることが好ましい。
前記拡張に伴って、被拘束管部のヘリカル状態(リード角及びピッチなど)が変化して被拘束管部の軸長が縮もうとする。このとき、前記元押し製管機が被拘束管部へ向けてスライドされることによって、被拘束管部の軸長の縮みを許容でき、ひいては前記拡張を許容できる。これによって、被拘束管部を円滑に拡径できる。
前記拡張工程において、前記更生管における管軸方向の一端側とは反対側の端部を前記既設管に対して固定することが好ましい。
これによって、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを確実に拡張でき、被拘束管部を確実に拡径できる。
前記拡張工程に際して、前記被拘束管部における前記帯状部材の前記隣接する縁部分どうしの接合力を製管時より弱めることが好ましい。
これによって、被拘束管部における前記隣接する縁部どうしを巻き方向に沿って互いにずらすように容易に滑らすことができる。この結果、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを容易に拡張でき、被拘束管部を容易に拡径できる。
前記更生管の管軸方向の一端側とは反対側の端部から前記被拘束管部までの前記隣接する縁部分どうしの接合力を製管時より弱めることが好ましい。
これによって、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを容易に拡張でき、被拘束管部を容易に拡径できる。
前記帯状部材の両縁部のうち少なくとも一方の縁部には、複数列の凹溝が形成され、前記両縁部のうち少なくとも他方の縁部には、複数列の凸条が形成されており、
前記製管工程においては、前記隣接する縁部分における互いに対応する凸条及び凹溝どうしを嵌合させ、
前記製管工程後、前記更生管の前記接合力を弱める対象部分における複数列の凸条のうち一部の凸条の根元部分を切断することが好ましい。
これによって、製管工程においては、前記隣接する縁部分どうしを強く嵌合させて、更生管を安定的に製管できる。拡張工程においては、被拘束管部における前記隣接する縁部の前記一部の凸条以外の凸条と該凸条に対応する凹溝どうしを巻き方向に沿って互いにずらすように容易に滑らすことができる。この結果、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを容易に拡張でき、被拘束管部を容易に拡径できる。
前記製管工程において、前記隣接する縁部分どうし間における前記根元部分の側部にワイヤを挟み、
前記製管工程後、前記ワイヤを前記管軸方向に引っ張ることによって前記根元部分を切断することが好ましい。
これによって、前記一部の凸条の根元部分を確実に切断することができる。
前記製管工程において、前記一部の凸条を接着剤を介して対応する凹溝と嵌合させるとともに、前記一部以外の凸条を滑りを許容するシール剤を介して対応する凹溝と嵌合させることが好ましい。
これによって、製管工程においては、前記一部の凸条と凹溝とを接着させることによって更生管を安定的に製管できる。拡張工程においては、前記一部の凸条以外の凸条と凹溝とを滑りやすくすることによって、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを容易に拡張でき、被拘束管部を容易に拡径できる。更に、シール剤によって、更生管のシール性を確保できる。
前記拘束工程において、前記被拘束管部の内部に押し広げ手段を配置し、前記押し広げ手段によって前記被拘束管部を径方向外側へ押し広げてもよい。
これによって、被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを拡張でき、被拘束管部を拡径できる。拡径させた被拘束管部を既設管の内周面に押し当てて拘束できる。
前記被拘束管部と既設管との間に充填剤を充填することが好ましい。
これによって、充填剤を介して被拘束管部を既設管に拘束できる。前記拘束工程が、前記充填剤の充填工程を含んでいてもよい。
前記伸縮可能管と既設管との間には充填剤を充填しないことが好ましい。
前記帯状部材における前記被拘束管部となるべき部分の外周に、注入孔を有する注入チューブを配置した状態で製管し、
その後、前記充填剤を前記注入孔から吐出することが好ましい。
これによって、被拘束管部と既設管との間に充填剤を容易に充填できる。
前記帯状部材における前記被拘束管部となるべき部分の外周に前記充填剤を設けた状態で前記更生管を製管し、前記被拘束管部を前記既設管の内周面に張り付けることが好ましい。
前記更生管の外径が既設管の内径と一致するように製管することによって更生管の全域を既設管の内周面に張り付けてもよい。前記更生管を既設管の内径より小径に製管し、その後、少なくとも被拘束管部を前記拡張操作などによって拡径させて既設管の内周面に張り付けてもよい。前記張り付けによって、充填剤が既設管の内周面と被拘束管部との間に挟まれて充填された状態となる。該充填剤によって被拘束管部が既設管に拘束される。
前記拘束工程において、前記被拘束管部をアンカーボルトによって既設管と拘束することが好ましい。
これによって、被拘束管部を既設管に確実に拘束できる。
本発明に係る既設管更生構造及び既設管更生方法よれば、伸縮部を有する帯状部材を含む更生管における伸縮機能を十分に活かすことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る更生済管(既設管更生構造)の側面断面図である。 図2(a)は、図1のIIa-IIa線に沿う、前記更生済管の正面断面図である。図2(b)は、図1のIIb-IIb線に沿う、前記更生済管の正面断面図である。 図3(a)は、前記更生済管の更生管を構成する帯状部材を中立状態(非伸縮状態)で示す断面図である。図3(b)は、前記帯状部材を帯幅方向に縮んだ状態で示す断面図である。図3(c)は、前記帯状部材を帯幅方向に伸びた状態で示す断面図である。 図4は、図1の円部IVを拡大して示す断面図である。 図5は、図4において地盤変動が生じたときの前記更生済管の状態の一例を示す断面図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係る更生済管(既設管更生構造)の断面図である。 図7は、前記第2実施形態において、充填剤の注入状態を示す拡大断面図である。 図8は、本発明の第3実施形態を示し、更生済管(既設管更生構造)の正面断面図である。 図9は、第3実施形態の変形態様に係る更生済管(既設管更生構造)の正面断面図である。 図10は、本発明の第4実施形態に係る更生済管(既設管更生構造)の側面断面図である。 図11(a)は、図10のXIa-XIa線に沿う、前記第4実施形態に係る更生済管の正面断面図である。図11(b)は、図10のXIb-XIb線に沿う、前記第4実施形態に係る更生済管の正面断面図である。 図12(a)~(d)は、前記帯状部材の変形態様を示す断面図である。 図13は、本発明の第5実施形態に係る更生済管(既設管更生構造)の側面断面図である。 図14(a)は、図13の円部XIVaの拡大断面図である。図14(b)は、図13の円部XIVbの拡大断面図である。 図15は、図13の円部XVの拡大断面図である。 図16は、図15のXVI-XVI線に沿う平面図である。 図17は、前記第5実施形態の更生済管における更生管の第1、第2嵌合部どうしの接合部分の断面図である。 図18は、前記第5実施形態における製管工程を示す断面図である。 図19は、前記第5実施形態における更生管の到達側端部の固定工程を示す断面図である。 図20は、前記第5実施形態における更生管の到達側の被拘束管部の前記接合部分の接合力弱化工程を示す断面図である。 図21は、前記第5実施形態における発進側(元押し側)の人孔に設置された元押し製管機を示し、図20のXXI-XXI線に沿う正面図である。 図22(a)は、接合力弱化前の前記接合部分を示す断面図である。図22(b)は、接合力弱化時の前記接合部分を示す断面図である。 図23は、前記第5実施形態における前記到達側の被拘束管部の拡張工程を示す断面図である。 図24は、前記第5実施形態における更生管の到達側から中間の被拘束管部までの前記接合部分の接合力弱化工程を示す断面図である。 図25は、前記第5実施形態における前記中間の被拘束管部の拡張工程を示す断面図である。 図26は、前記第5実施形態における更生管の中間から元押し側の被拘束管部までの前記接合部分の接合力弱化工程を示す断面図である。 図27は、前記第5実施形態における前記元押し側の被拘束管部の拡張工程を示す断面図である。 図28は、前記第5実施形態における被拘束管部となる帯状部材の施工例を示す断面図である。 図29は、前記第5実施形態において地盤変動が生じたときの更生管の状態の一例を示す断面図である。 図30は、本発明の第6実施形態に係る被拘束管部の拡張工程を示す断面図である。 図31は、本発明の第7実施形態に係る被拘束管部の拡張工程を示す断面図である。 図32(a)は、本発明の第8実施形態に係る更生済管の端部の断面図である。図32(b)は、前記第8実施形態における被拘束管部を構成する突出管部の拡張工程を示す断面図である。 図33(a)は、前記第8実施形態の変形態様に係る更生済管の端部の断面図である。図33(b)は、前記第8実施形態の変形態様における被拘束管部を構成する突出管部の拡張工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る更生済管1A(既設管更生構造)を示したものである。更生済管1Aは、既設管1と、更生管3を備えている。老朽化した既設管1の内周に更生管3がライニングされることによって、既設管1が更生されている。更生対象の既設管1は、例えば地中に埋設された下水道管であるが、本発明は、これに限定されず、上水道管、農業用水管、ガス管、水力発電導水管などであってもよい。
更生管3は、帯状部材10によって構成されている。帯状部材10が、既設管1の内周に沿って螺旋状に巻回され、螺旋管状の更生管3に製管されている。帯状部材10の材質は、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂である。
図3(a)に示すように、帯状部材10は、一定の断面形状を有して、同図の紙面と直交する帯長方向へ延びている。詳しくは、帯状部材10は、平帯状の主帯部11と、リブ12と、第1嵌合部13と、第2嵌合部14と、伸縮部15と、サブロック片16を一体に有している。図4に示すように、該帯状部材10からなる螺旋管状の更生管3においては、主帯部11の平坦な表側面が内周側(図4において下方)へ向けられ、主帯部11の裏側面が外周側(図4において上方)へ向けられる。該裏側面からリブ12、嵌合部13,14、伸縮部15及びサブロック片16が外周側へ突出されている。隣接するリブ12、嵌合部13,14、伸縮部15及びサブロック片16どうし間には、外周溝部19が形成されている。
図3(a)に示すように、帯状部材10における帯幅方向の一方の縁部に第1嵌合部13が設けられ、他方の縁部に第2嵌合部14が設けられている。第1嵌合部13には凹溝13aが形成されている。凹溝13aは帯状部材10の内周側(図3(a)において下側)へ開口され、かつ帯長方向(図3(a)の紙面直交方向)へ延びている。第1嵌合部13の帯幅方向の外側部(図3(a)において左側部)には、サブロック片16が斜めに突出するように形成されている。
第2嵌合部14は凸条14aを含む。凸条14aは、主帯部11から外周側(図3(a)において上側)へ突出され、かつ帯長方向(図3(a)の紙面直交方向)へ延びている。
図4に示すように、前記帯状部材10から製管された更生管3においては、凹溝13aの帯長方向の各部分(一方の縁部分)に、凸条14aにおける一周ずれて隣接する部分(他方の縁部分)が嵌め込まれている。これによって、嵌合部13,14どうしが接合されている。また、サブロック片16の先端部が、隣接するリブ12のL字断面状の先端部と係止されている。
帯状部材10における帯幅方向の中間部すなわち嵌合部13,14どうしの間に、伸縮部15が設けられている。図3に例示する帯状部材10においては、帯幅方向に離れて2つの伸縮部15が設けられているが、伸縮部15の数はこれに限らず、1つだけでもよく、3つ以上でもよい。伸縮部15の断面形状は、ベローズ状ないしはC字状に形成されている。該伸縮部15が、主帯部11から外周側(同図において上方)へ突出されるとともに、帯長方向(同図の紙面直交方向)へ延びている。
主帯部11が、伸縮部15の配置箇所において帯部分11a,11bに分割されている。帯部分11a,11bどうしが、伸縮部15を介して連なっている。
図3(b)及び同図(c)に示すように、伸縮部15は、帯幅方向へ拡縮するように変形可能である。ひいては、帯状部材10が帯幅方向へ伸縮するように変形可能である。
図2に示すように、更生管3の外径は、既設管1の内径より小さい。更生管3の底部が、既設管1の内周の底部に着座している。
既設管1の内周面と更生管3との間には環状の管間スペース9が形成されている。管間スペース9における周方向の上側部分は広く、周方向の下側部分は狭い。図4に示すように、管間スペース9は、外周溝部19を一体に含む。
図1及び図2に示すように、更生管3には、被拘束管部3aと、伸縮可能管部3bとが管軸方向に分かれて設定されている。更生管3における管軸方向の両端部(既設管1の端部1eに設けられた部分)が、被拘束管部3aとなっている。更生管3の前記被拘束管部3aを除く部分が、伸縮可能管部3bとなっている。
図1及び図2(a)に示すように、既設管端部1eの内周面と被拘束管部3aとの間の管間スペース9aには、充填剤5(拘束手段)が充填されている。充填剤5は、外周溝部19にも充填されている。
充填剤5は、少なくとも注入・充填時は流動性を有し、更に好ましくは接着性を有する充填系の接着剤、シール剤、裏込め材などによって構成されている。かかる充填剤5として、シリコーン、モルタル、セメントミルク、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ホットメルト接着剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記充填剤5を介して、被拘束管部3aが既設管1に拘束されている。該拘束作用によって、被拘束管部3aにおける伸縮部15の伸縮変形が制限されている。ないしは、被拘束管部3aにおける伸縮部15が殆ど伸縮変形不能になっている。
図1及び図2(b)に示すように、既設管1の中間部分の内周面と伸縮可能管部3bの外周面との間の管間スペース9は、充填剤5が充填されておらず、空気層(低粘性流体層)を含む空隙9bとなっている。これによって、伸縮可能管部3bは、既設管1に対して非拘束状態であるか、又は被拘束管部3aよりも弱く拘束された弱拘束状態となっている。伸縮可能管部3bの底部が既設管1の内周面の底部と接することによって摩擦が働き、伸縮可能管部3bが既設管1に対して多少拘束されるとしても、その拘束状態は、前記充填剤5による被拘束管部3aの拘束状態と比べ十分に弱い。
伸縮可能管部3bにおける伸縮部15は、伸縮変形が許容されている。言い換えると、伸縮可能管部3bにおける伸縮部15は、被拘束管部3aにおける伸縮部15より伸縮変形されやすい。伸縮可能管部3bと被拘束管部3aとに、互いに同じ大きさの外力が作用したとき、伸縮可能管部3bにおける伸縮部15の伸縮変形量が、被拘束管部3aにおける伸縮部15の伸縮変形量より大きい。
<既設管の更生方法>
前記老朽化した既設管1は、次のようにして更生施工される。
図示は省略するが、元押し式の製管機(図18等参照)を用意する。該製管機を、既設管1の一端に連なる人孔4の底部に設置する。地上の巻取りドラム(図示省略)から帯状部材10を順次繰り出して前記製管機に供給する。前記製管機において、帯状部材10を螺旋状に巻回し、嵌合部13,14の互いに一周ずれて隣接する部分どうしを嵌合することで、更生管3を順次製管する。製管された更生管3を既設管1の内部へ向けて順次押し出す。このとき、好ましくは、更生管3を既設管1の反対側から牽引することはしない。これによって、更生施工時に伸縮部15が伸び変形を来たすのを防止できる。したがって、更生済管1Aの供用後における伸縮可能管部3bの伸縮性能を確保できる。
更生管3を既設管1の全長にわたって設置した後、既設管端部1eの内周面と被拘束管部3aとの間に充填剤5を充填する。
伸縮可能管部3bと既設管1との間には、充填剤5を充填しない。
このようにして、更生済管1Aが構築される。
図3(b)~(c)及び図5に示すように、更生済管1Aに地震などの地盤変動による外力が作用したときは、伸縮可能管部3bにおける伸縮部15が伸縮される。伸縮可能管部3bは既設管1に拘束されていないか、又は拘束力が弱いから、該伸縮可能管部3bの伸縮部15は、既設管1によって伸縮を阻まれることなく、確実に伸縮できる。これによって、地盤変動エネルギーを吸収でき、嵌合部13,14どうしの接合が外れるのを防止できる。この結果、下水などの流体が嵌合部13,14どうしの間から漏れるのを防止でき、更生管3の流下性能を維持できる。
更生管3の両端の被拘束管部3aは既設管1に拘束されているから、更生管3が全体として既設管1に対して管軸方向にずれるのを防止できる。さらに、前記地盤変動エネルギーが伸縮可能管部3bに吸収されることによって、被拘束管部3a及び充填剤5に加わる外力を緩和できる。したがって、被拘束管部3aの既設管1への拘束状態を確実に保持できる。また、充填剤5に亀裂が入るのを防止又は抑制できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図6及び図7に示す第2実施形態は、充填剤5の充填手段の変形態様に係る。図6に示すように、更生管3の被拘束管部3aの外周には、注入チューブ7が設けられている。注入チューブ7としては、ポリエチレン管、ナイロンチューブ、ポリウレタンチューブ、化学繊維で補強された軟質塩化ビニル樹脂ホースなどを用いることができる。
該注入チューブ7が、帯状部材10に沿って螺旋状に巻かれている。注入チューブ7の管壁には、螺旋状の延び方向に間隔を置いて複数の注入孔7cが貫通形成されている。該注入チューブ7が、充填剤5内に埋まっている。具体的には、図7に示すように、注入チューブ7は、被拘束管部3aにおける外周溝部19のうち例えばリブ12,12どうし間の溝部分19cの内部に収容されている。
注入チューブ7は、被拘束管部3aだけに設けられており、伸縮可能管部3bには設けられていない。なお、注入チューブ7を伸縮可能管部3bにも設ける一方、該伸縮可能管部3bにおける注入チューブ7には注入孔7cを形成しないことにしてもよい。
第2実施形態においては、更生管3の製管工程において、帯状部材10における被拘束管部3aとなるべき部分にあらかじめ注入チューブ7を設けておく。
図6の二点鎖線に示すように、更生管3を既設管1の全長にわたって設置後、注入チューブ7の端部に供給管7Aを接続する。該供給管7Aから注入管7に充填剤5を供給する。図7の矢印にて示すように、該充填剤5が注入孔7cから吐出されて、被拘束管部3aと既設管1との間に充填される。
<第3実施形態>
図8に示す第3実施形態は、被拘束管部3aの拘束構造の変形態様に係る。被拘束管部3aには、複数のアンカーボルト6(拘束手段)が被拘束管部3aの周方向及び管軸方向に間隔を置いて配置されている。各アンカーボルト6が、被拘束管部3a及び充填剤5を貫通して既設管1に定着されている。
これによって、被拘束管部3aを、充填剤5に加えて、アンカーボルト6によっても既設管1に拘束することができ、充填剤5だけで拘束するよりも強く拘束することができる。
図9は、被拘束管部3aの拘束構造の更なる変形態様を示したものであり、既設管1の内周面と被拘束管部3aとの間に、充填剤に代えて、スペーサSが設けられている。かつ、アンカーボルト6によって被拘束管部3aが既設管1に拘束されている。
<第4実施形態>
図10及び図11は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態においては、更生管3が、全周にわたって既設管1の内周面に張り付けられている。更生管3の外径が既設管1の内径と実質的に一致している。被拘束管部3a及び伸縮可能管部3bが、共に全周にわたって既設管1の内壁に接している。
図10及び図11(a)に示すように、既設管1の内周面と被拘束管部3aとの間には充填剤5が充填されている。詳しくは、被拘束管部3aにおける外周溝部19の内部に充填剤5が充填されている。該充填剤5が、外周溝部19の外周側開口を介して既設管1の内周面に接着されている。これによって、被拘束管部3aが、当該被拘束管部3a自体と既設管1との間の摩擦力に加えて、充填剤5の接着力によって既設管1に拘束されている。
第4実施形態においては、帯状部材10における被拘束管部3aとなるべき部分の外周に充填剤5を予め設けておく。そのうえで、更生管3の全域を既設管1の内周面に張り付けるように製管する。更生管3を既設管1より小径に製管した後、後述する拡張操作などによって更生管3を拡径させて既設管1の内周面に張り付けてもよい。
貼り付けによって、、被拘束管部3aにおいては、充填剤5が既設管1の内周面と被拘束管部3aとの間に挟まれ、充填された状態となる。
なお、更生管3の製管後に充填剤5の充填工程を行ってもよい。前記注入チューブ7(図6、図7)による充填方法を適用してもよい。充填剤5に加えて又は充填剤5に代えて、前記アンカーボルト6(図8、図9)によって被拘束管部3aを拘束してもよい。
図10及び図11(b)に示すように、既設管1の内周面と伸縮可能管部3bとの間には、充填剤5が充填されていない。伸縮可能管部3bは、当該伸縮可能管部3b自体と既設管1との間の摩擦力だけで既設管1に拘束されている。したがって、既設管1に対する伸縮可能管部3bの拘束力は、被拘束管部3aの拘束力より弱い。伸縮可能管部3bの伸縮部25は、被拘束管部3aの伸縮部25より伸縮変形容易である。
<帯状部材の変形態様>
本発明形態に好適な帯状部材の断面形状は、図3に示すものに限らず、種々改変できる。図12は、帯状部材の断面形状の変形態様を示したものである。
図12(a)の帯状部材10Aにおいては、帯幅方向の一方の縁部の第1嵌合部13に2つ(複数列)の凹溝13aが形成されている。平坦な主帯部11と第1嵌合部13との間にC字状ないしはU字状の断面の伸縮部15が設けられている。
帯状部材10Aの帯幅方向の他方の縁部の第2嵌合部14には、2条(複数列)の凸条14aが平行に並んで形成されている。図示は省略するが、帯状部材10Aからなる更生管3においては、各凹溝13aに対応する凸条14aが嵌合されている。
図12(b)の帯状部材10Bにおいては、第1嵌合部13及び第2嵌合部14の断面形状が互いに相補形状になっている。第1嵌合部13には、2つ(複数列)の凹溝13aと、2つ(複数列)の凸条13bとが交互に並んで形成されている。凹溝13aは、内周側(図12(b)において下方)へ開口されている。凸条13bは、板状の第1嵌合基部13xから内周側へ突出されている。第1嵌合基部13xは、主帯部11より外周側(図12(b)において上方)にずれて主帯部11と平行に配置され、かつ連結部13dを介して主帯部11と連なっている。
帯状部材10Bの第2嵌合部14には、2つ(複数列)の凸条14aと、2つ(複数列)の凹溝14bとが交互に並んで形成されている。凸条14aは、主帯部11と面一をなす板状の第2嵌合基部14xから外周側(図12(b)において上方)へ突出されている。凹溝14bは外周側へ開口されている。
図示は省略するが、帯状部材10Bからなる更生管3においては、各凹溝13aに対応する凸条14aが嵌合され、各凸条13bが対応する凹溝14aに嵌合されている。
さらに、帯状部材10Bの帯幅方向の中央のリブ12を挟んで両側に2つのベローズ状の伸縮部15が設けられている。帯状部材10Bにおいては、主帯部11が、各伸縮部15との連続部において分断されておらず、伸縮部15の両側の帯部分11a,11bどうしが一体に連なっている。かつ、主帯部11における帯部分11a,11bどうしの間には、切れ込み状の易破断部15eが形成されている。
各伸縮部15の両端部が、主帯部11における易破断部15eを挟んで両側かつ易破断部15eの直近部に一体に連なっている。
帯状部材10Bからなる更生管3に地震などの地盤変動による外力が加わったときは、伸縮可能管部3bにおける易破断部15eが前記外力によって破断されることで(図29参照)、帯部分11a,11bどうしが分断され、伸縮部15が帯幅方向へ伸縮可能となる。
図12(c)の帯状部材10Cにおいては、帯幅方向の中央部に扁平なベローズ状の伸縮部15が設けられている。帯状部材10Cにおける伸縮部15と主帯部11との連続部分の構造は、帯状部材10Bと同様である。かつ帯状部材10Cの帯幅方向の両端の嵌合部13,14の構造は、帯状部材10Bと同様である。帯状部材10Cにはリブが形成されていない。
図12(d)の帯状部材10Dにおいては、帯幅方向の中央部にベローズ状の伸縮部15が設けられている。帯状部材10Dにおける伸縮部15と主帯部11との連続部分の構造は、帯状部材10Bと同様である。かつ帯状部材10Dの帯幅方向の両端の嵌合部13,14の構造は、帯状部材10Aと同様である。各嵌合部13,14と伸縮部15との間にリブ12が形成されている。
なお、帯状部材10A~10Dには、サブロック片16が設けられていない。
<第5実施形態>
図13~図27は、本発明の第5実施形態を示したものである。
図13に示すように、第5実施形態における更生管3Eは、両端部の被拘束管部31,31に加えて、中間部にも被拘束管部32が設けられている。更生管3Eにおける隣接する被拘束管部31,32どうしの間の部分が、伸縮可能管部33となっている。かつ、被拘束管部31,32は、伸縮可能管部33より大径に形成されている。
詳述すると、図13に示すように、更生管3Eにおける既設管端部1eに設けられた部分が、被拘束管部31となっている。下水道管からなる既設管1の中間部には、取付管2(枝管)が接続されている。更生管3Eにおける前記取付管2との接続部に設けられた部分が、中間の被拘束管部32となっている。
図15に示すように、被拘束管部32には、取付管2に連なる連通口32cが形成されている。図16に示すように、連通口32cは、長軸を更生管3Eの管軸方向へ向け、かつ短軸を更生管3Eの周方向へ向けた長穴になっている。連通口32cの長径と短径の比は、好ましくは1.2:1~3:1程度である。
図13に示すように、被拘束管部31,32の外径は、既設管1の内径と実質的に同じ大きさになっている。これら被拘束管部31,32が、全周にわたって既設管1の内周面に押し当てられている。詳しくは、図14(a)及び図15に示すように、被拘束管部31,32におけるリブ12の頂部が、既設管1の内周面に突き当てられている。
図14(a)及び図15に示すように、被拘束管部31,32における外周溝部19の外周側開口が、既設管1の内周面によって塞がれている。該外周溝部19の内部(管間スペース9b)に充填剤5が充填されている。充填剤5が、外周溝部19の外周側開口を介して既設管1の内周面に接着されている。これによって、既設管1の内周面と被拘束管部31,32の間の管間スペース9bが、充填剤5によって埋められている。
図13及び図14(b)に示すように、伸縮可能管部33は、被拘束管部31,32ひいては既設管1より小径であり、該伸縮可能管部33の外周面の全域が既設管1の内周面から離れている。既設管1の内周面と伸縮可能管部33との間は、充填剤5が充填されておらず、環状の空隙9bとなっている。したがって、伸縮可能管部33は、直接には既設管1に拘束されていない。伸縮可能管部33と既設管1との間で直接的に摩擦力が働くことはない。
図13に示すように、更生管3Eにおける各被拘束管部31,32と伸縮可能管部33との間の部分は、伸縮可能管部33へ向かって縮径するテーパ34となっている。
図13に示すように、被拘束管部31,32と伸縮可能管部33は、互いにヘリカル状態(リード角、ピッチなど)が異なっている。被拘束管部31,32における螺旋のリード角θ31,θ32は、伸縮可能管部33における螺旋のリード角θ33より小さい(θ31<θ33、θ32<θ33)。被拘束管部31,32における螺旋のピッチP31,P32は、伸縮可能管部33における螺旋のピッチP33より小さい(P31<P33、P32<P33)。
なお、図14に示すように、第5実施形態の帯状部材10Eは、図12(d)に示す帯状部材10Dと実質同等の断面形状になっている。もちろん、他の断面形状の帯状部材10A~10C等を用いてもよい。
図17に示すように、帯状部材10Eの第1嵌合部13(一方の縁部)には、2つ(複数列)の凹溝13c,13dが形成されている。帯状部材10Eの第2嵌合部14(他方の縁部)には、2つ(複数列)の凸条14c,14dが形成されている。
更生管3Eに製管された帯状部材10Eにおいては、互いに対応する凸条14c及び凹溝13cどうし、並びに凸条14d及び凹溝13dどうしが嵌合(接合)されている。
さらに、図14及び図17に示すように、製管後の更生管3Eにおいては、被拘束管部31,32および伸縮可能管部33の何れにおいても、前記2つ(複数列)の凸条14c,14dのうち、帯幅方向の外側(一部)の凸条14cは、根元部分において切断され、主帯部11から分離されている。残りの凸条14dは、主帯部11と一体に連なっている。
図17に示すように、凹溝13cの内周面と凸条14cとの間には、接着剤51が設けられている。接着剤51を介して、凸条14cが凹溝13cひいては第1嵌合部13と強固に接合されている。接着剤51としては、例えばホットメルト接着剤が用いられている。
凹溝13dと凸条14dとの間には、シール剤52が設けられている。シール剤52を介して凸条14dが凹溝13dひいては第1嵌合部13と接合されている。シール剤52は、凸条14dが凹溝13dに沿って滑るのを許容する。シール剤52としては、例えばシリコーンシーラントなどの湿気硬化型接着剤が用いられている。
第5実施形態においては、次のようにして更生管3Eが作製されて既設管1が更生される。
<製管工程>
図18及び図21に示すように、元押し製管機20を用意し、該製管機20を発進側の人孔4の底部に設置する。地上の巻取りドラム(図示省略)から帯状部材10Eを順次繰り出して製管機20に供給する。製管機20において、帯状部材10Eを螺旋状に巻回し、嵌合部13,14の互いに一周ずれて隣接する部分どうしを嵌合することで、更生管3Eを順次製管する。製管時の更生管3Eの外径(製管径)は、既設管1の内径より小さくする。好ましくは、製管径は、伸縮可能管部33の所望外径に合わせる。
たとえば図28に示すように、製管工程前に予め嵌合部13の凹溝13cにはホットメルト性の接着剤51を設けておき、かつ凹溝13dにはシール剤52を設けておく。そして、図22(a)に示すように、対応する凸条14c,14d及び凹溝13c、13dどうしの嵌合と前後して接着剤51を加熱溶融することによって、該接着剤51によって凸条14cと凹溝13c、ひいては嵌合部13,14どうしを接着する。
図18に示すように、製管された更生管3Eを、元押し製管機20によって既設管1の内部へ向けて順次押し込む。このとき、好ましくは、更生管3Eを既設管1の反対側(図18において右側)から牽引しない。これによって、伸縮可能管部3bの伸縮性能を確保できる。
嵌合部13,14どうしが接着剤51によって接着されているから、元押し製管時の嵌合状態を確実に保持でき、安定的に製管することができる。
図18に示すように、前記帯状部材10Eの繰り出しと併行して、ワイヤ41(凸条切断手段)をワイヤ繰出リール42から繰り出して製管機20に導入する。図22(a)に示すように、製管機20において、ワイヤ41を嵌合部13,14(隣接する縁部分)どうしの間に挟む。具体的には、第2嵌合部14の凸条14c,14dの間の部分と、第1嵌合部13との間にワイヤ41を挟み付ける。好ましくは、第1嵌合部13には半円状断面の保持溝13fを形成しておき、該保持溝13fにワイヤ41を嵌めて保持する。ワイヤ41は、凸条14cの根元部分の側部に配置される。
図19に示すように、ワイヤ41は、更生管3Eの全域にわたって帯状部材10Eに沿って螺旋状に巻かれる。該ワイヤ41を、更生管3Eの元押し側(図19の左側)とは反対側(図19の右側)の到達側端部39から引き出して折り返させ、更生管3Eの内部空間に通して、製管機20の側部のワイヤ巻取リール43に巻き付けておく。
図19に示すように、更生管3Eの到達側端部39が到達側人孔4Bまで達することで、製管工程が終了する。この時点の更生管3Eは、全域にわたって既設管1より小径の均一径になっている。被拘束管部31,32は、伸縮可能管部33と同じ径になっている。
以下、更生管3Eの両端の被拘束管部31を互いに区別するときは、元押し側(一端側、図19において左側)のものを「被拘束管部31A」と称し、到達側(一端側とは反対側、図19において右側)のものを「被拘束管部31B」と称す。
<拘束工程>
その後、次のようにして、被拘束管部31,32を既設管1に拘束する。
まず、更生管3Eの到達側端部39を固定冶具8によって既設管1に対して固定(回転止め)する。固定冶具8としては、更生管3を直径方向に貫く棹部材を用いることができる。
なお、更生管3Eの到達側端部39は必ずしも既設管1に対して固定する必要はない。固定冶具8を省略してもよい。
続いて、図20に示すように、ワイヤ巻取リール43によって、ワイヤ41を巻き取りながら管軸方向に引っ張る。これによって、ワイヤ41の折り返し部41cが、到達側端部39から元押し側へ向けて螺旋状に移行される。このとき、図22(b)に示すように、未拡径の被拘束管部31Bにおける凸条14c,14dのうち一部の凸条14cの根元部分が、前記ワイヤ41の折り返し部41cによって切断される。このため、被拘束管部31Bにおける嵌合部13,14どうしの接合力が、製管時よりも弱められる。切断後の凸条14cは、凹溝13c内に嵌った状態で残置される。
前記巻取り後のワイヤ41の折り返し部41cは、被拘束管部31Bと、該被拘束管部31Bより元押し側(管軸方向の一端側)の管部分35との間に位置させる。これによって、更生管3Eの到達側端部39から被拘束管部31Bの元押し側(一端側)の端部までの凸条14cが切断されて嵌合部13,14どうしの接合力が弱められる。
図21に示すように、発進側の人孔4の底部には、ガイドレール25を設置する。ガイドレール25の延び方向を、更生管3E及び既設管1の管軸方向(図21の紙面直交方向)へ向ける。元押し製管機20の底部にはスライドガイド26を設け、該スライドガイド26をガイドレール25にスライド可能に嵌合させる。これによって、元押し製管機20をガイドレール25の延び方向すなわち前記管軸方向へスライド可能にしておく。
そして、図23に示すように、元押し製管機20を再駆動して、該元押し製管機20によって、被拘束管部31Bより元押し側の管部分35を、帯状部材10Eの一巻き分の長さ(周長)が拡張される向き(図23の破線矢印方向a)に捩じる(捩じり工程)。すなわち、管部分35を回転させながら被拘束管部31Bへ向けて押し込むことで、管部分35に対して捩じり力Fを付与する。好ましくは、図23の矢印線a18にて示すように、元押し製管機20によって、帯状部材10Eにおける未製管の帯部分18を、該帯部分18に続く管部分35の元押し側端部に向けて送り込んで管部分35に組み入れる。帯部分18の送り込み力によって、捩じり力Fを発生させることができる。
管部分35においては、凸条14cが切断されておらず、嵌合部13,14どうしの接合力が製管時のまま高く維持されているから、前記捩じり操作によって、管部分35の全体が一体となって回転される。このため、管部分35における帯状部材10Eの一巻き分の長さ(周長)は拡張されず、管部分35は拡径されない。前記捩じり力Fは、管部分35を介して被拘束管部31Bに伝わる。
被拘束管部31Bにおいては、嵌合部13,14どうしの接合力が弱められているから、管部分35から伝わった捩じり力F31Bが帯状部材10Eの巻き方向に加わることで、嵌合部13,14どうしが前記巻き方向に沿って互いにずれるように滑る。凸条14dと凹溝13dとの間には、滑りを許容するシール剤52が介在されているため、嵌合部13,14どうしを円滑に滑らすことができる。これによって、被拘束管部31Bにおける帯状部材10Eの一巻き分の長さが拡張される(拡張工程)。この結果、被拘束管部31Bが製管時より拡径される(拡径工程)。該拡張現象ひいては拡径現象は、被拘束管部31Bにおける管部分35側の端部から到達側端部39へ向かって順次波及していく。被拘束管部31Bと管部分35との間にはテーパ部34が形成される。
被拘束管部31Bのヘリカル形状は、前記拡径に伴ってリード角θ31が小さくなり、ピッチP31が小さくなるように変化する。このため、被拘束管部31Bの軸長が縮み、被拘束管部31Bにおける管部分35側の端部が、到達側端部39側(図23において右側)へずれる。これに伴って、管部分35が全体的に到達側端部39側へずれる。更に、図23の矢印線a20に示すように、元押し製管機20が、管部分35に引っ張られることで、ガイドレール25に沿って到達側端部39側すなわち押し込み側へスライドされる。
逆に言うと、元押し製管機20のスライドによって、管部分35の到達側端部39側への位置ずれを許容でき、被拘束管部31Bのヘリカル形状の変化を許容できる。したがって、被拘束管部31Bを円滑に拡径させることができ、拡径時に元押し製管機20が抵抗となって嵌合部13,14が外れたり、伸縮部15が伸縮変形を来したりするのを防止できる。
拡径された被拘束管部31Bが、既設管1の内周面に押し当てられることで、既設管1に拘束される(拘束工程)。
被拘束管部31Bの全体が既設管1の内周面に押し当てられて拘束されたら、製管機20を停止する。
なお、被拘束管部31Bの全域の凸条14cを一度に切断して被拘束管部31Bを一工程で拡張(拡径)させるのに代えて、到達側端部39から複数回に分けて凸条14cを段階的に切断し、切断が進む度に当該新たに切断した部分を拡張(拡径)させてもよい。
次に、図24に示すように、再びワイヤ巻取リール43によって、ワイヤ41を巻き取りながら管軸方向に引っ張り、折り返し部41cを未拡径の被拘束管部32における元押し側(一端側)の端部(図24の左端部)まで移動させる。これによって、前記管部分35における、被拘束管部31B側の端部から被拘束管部32の元押し側端部までの凸条14cの根元部分が、ワイヤ41の折り返し部41cによって新たに切断される(図22(b)参照)。したがって、当該新たに切断された部分の嵌合部13,14どうしの接合力が製管時よりも弱められる。更生管3E全体としては、到達側端部39から被拘束管部32の元押し側端部までの凸条14cが切断された状態になる。
元押し製管機20は、ガイドレール25に沿って押し込み側とは逆側(図24において左側)の初期位置に戻しておく。
次に、図25に示すように、元押し製管機20を再度駆動して、被拘束管部31Bの拡張時と同様に、被拘束管部32より元押し側の管部分36に未製管の帯部分18を送り込み、該送り込む力によって管部分36を拡張方向aへ捩じる(捩じり工程)。これによって、管部分36を介して、被拘束管部32に捩じり力F32が加わり、被拘束管部32における嵌合部13,14どうしが巻き方向に沿って互いにずれるように滑り、帯状部材10Eの一巻き分の長さが拡張される(拡張工程)。ひいては、被拘束管部32が製管時より拡径される(拡径工程)。拡径された被拘束管部32が、既設管1の内周面に押し当てられて拘束される(拘束工程)。被拘束管部32のヘリカル形状は、拡径に伴ってリード角θ32及びピッチP32が小さくなるように変化し、被拘束管部32の軸長が縮む。このとき、元押し製管機20が押し込み側(図25において右側)へスライドされることで、被拘束管部32を円滑に拡径させることができる。
該拡張現象ひいては拡径現象は、被拘束管部32における管部分36側の端部から到達側(図25において右側)へ向かって順次波及していく。拡径された被拘束管部32が所望の軸長になったとき、元押し製管機20を停止させる。
被拘束管部32の管軸方向の両側部分にはそれぞれテーパ部34が形成される。
被拘束管部31B,32間の未拡径部分は、伸縮可能管部33となる。
管部分36においては、嵌合部13,14どうしの接合力が製管時のまま高く維持されているために、前記捩じり操作による拡張及び拡径は起きない。
なお、被拘束管部32の凸条14cを到達側(図25において右側)の部分から複数回に分けて段階的に切断し、段階ごとに切断した部分を拡張(拡径)させてもよい。
次に、図26に示すように、再びワイヤ巻取リール43によって、ワイヤ41を巻き取りながら管軸方向に引っ張り、折り返し部41cを更生管3Eの元押し側の端部ないしは元押し製管機20まで移動させる。これによって、前記管部分36における凸条14cの根元部分が、ワイヤ41の折り返し部41cによって新たに切断される(図22(b)参照)。したがって、管部分36の嵌合部13,14どうしの接合力が製管時よりも弱められる。更生管3E全体の凸条14cが切断された状態になる。
元押し製管機20は、ガイドレール25に沿って押し込み側とは逆側(図26において左側)の初期位置に戻しておく。
次に、図27に示すように、元押し製管機20を再度駆動して、被拘束管部31B,32の拡張時と同様に、未製管帯部分18を管部分36の被拘束管部31Aに送り込む。これによって、被拘束管部31Aにおける元押し側端部(未製管帯部分18と連なる端部)に直接的に拡張方向aへの捩じり力F31Aが働く(捩じり工程)。該捩じり力F31Aによって、被拘束管部31Aにおける嵌合部13,14どうしが巻き方向に沿って互いにずれるように滑り、帯状部材10Eの一巻き分の長さが拡張される(拡張工程)。ひいては、被拘束管部31Aが製管時より拡径される(拡径工程)。被拘束管部31Aのヘリカル形状は、拡径に伴ってリード角θ31及びピッチP31が小さくなるように変化し、被拘束管部31Aの軸長が縮む。このとき、元押し製管機20が押し込み側(図27において右側)へスライドされることで、被拘束管部31Aを円滑に拡径させることができる。
前記被拘束管部31Aの拡張現象ひいては拡径現象は、更生管3Eの元押し側の端部から到達側(図27において右側)へ向かって順次波及していく。拡径された被拘束管部31Aが所望の軸長になったとき、元押し製管機20を停止させる。
被拘束管部31Aと被拘束管部32との間の未拡径の管部分36は、伸縮可能管部33となる。該伸縮可能管部33と被拘束管部31Aとの間には、テーパ部34が形成される。
なお、被拘束管部31Aの凸条14cを到達側(図27において右側)の部分から複数回に分けて段階的に切断し、段階ごとに切断した部分を拡張(拡径)させてもよい。
図14(a)に示すように、被拘束管部31,32の外周溝部19と既設管1の内周面との間には、充填剤5を充填する。図14(b)に示すように、伸縮可能管部33と既設管1との間は、充填剤5を充填せずに空隙9bとする。
充填剤5の設置工程は、更生管3Eの製管前に行ってもよい。例えば、図28に示すように、製管前の帯状部材10Eにおける被拘束管部31,32となるべき部分の外周溝部19を含む外周部に充填剤5を塗布しておく。図14(a)に示すように、製管後の被拘束管部31,32を拡径させて既設管1の内周面に押し当てると、被拘束管部31,32の外周の充填剤5が、既設管1の内周面と被拘束管部31,32との間に挟まれて充填された状態となる。該充填剤5が、既設管1の内周面に密着して接着される。
更生管3Eの製管後ないしは被拘束管部31,32の拡張(拡径)後に、充填剤5の充填工程を行ってもよい。第2実施形態(図6、図7)の注入チューブ7による充填方法を適用してもよい。
さらに、図15及び図16に示すように、被拘束管部32には、長穴状の連通口32cを削孔する。
このようにして、更生済管1Eが構築される。
第5実施形態の更生済管1Eによれば、被拘束管部31,32が充填剤5の接着力で既設管1に拘束されるだけでなく、拡径によって既設管1の内周面の全周に押し当てられることで確実に拘束される。
図29に示すように、地震などの地盤変動が起きたときは、伸縮可能管部33における伸縮部15の易破断部15eが破断して、該伸縮部15が帯幅方向すなわち管軸方向(同図の左右方向)へ伸縮することで、地盤変動エネルギーを吸収できる。特に、第5実施形態においては、伸縮可能管部33の周方向の上側部分はもちろんのこと底側部分においても既設管1の内周面と接していないから、伸縮可能管部33が既設管1から直接的に摩擦力を受けることがない。したがって、伸縮可能管部33における伸縮部15の伸縮性能を十分に発現することができる。
地盤変動によって被拘束管部32が取付管2に対して変位したとしても、連通口32cが長穴になっているために、更生管3Eの内部空間と取付管2との連通状態を維持できる。
更に、シール剤52によって嵌合部13,14どうし間の水密性を確保できる。
<第6実施形態>
図30は、本発明の第6実施形態を示したものである。当該実施形態は、被拘束管部31の拡張(拡径)操作を、作業者Aの人力で行うものである。
更生管3Eを既設管1の内径より小径に製管した後、該更生管3Eの端部に捩り冶具Bを取り付ける。捩り冶具Bは、例えば棒状の梃子によって構成され、更生管3Eの端部を直径方向に貫通している。好ましくは、予め、拡径すべき被拘束管部31の凸条14cを切断しておく(図22参照)。更に好ましくは、更生管3Eの製管工程の際に、凸条14dと凹溝13dの間に、滑りを許容するシール剤52を塗布しておく(図22参照)。
また、被拘束管部31の外周溝部19内を含む外周部には、充填剤5を予め塗布しておく。
そして、前記捩り冶具Bによって、被拘束管部31を構成する帯状部材10Eの一巻き分の長さが拡張される方向へ更生管3Eを捩じる。これによって、被拘束管部31を拡径させて、既設管1の内周面に押し当てて拘束できる。また、前記予め塗布しておいた充填剤5が、既設管1の内周面と被拘束管部31との間に挟まれて充填された状態となる。これによって、被拘束管部31を確実に拘束できる。
<第7実施形態>
図31に示す第7実施形態は、被拘束管部31の拡張(拡径)方法の変形態様に係る。
更生管3Eを既設管1の内径より小径に製管した後、未拡径の被拘束管部31の内部に膨張体60(押し広げ手段)を設置する。膨張体60は、例えば筒形状のエアパッカーによって構成されている。被拘束管部31の内周面又は膨張体60の外周面には、滑剤62を塗布する。好ましくは、前記第6実施形態と同様に、予め被拘束管部31の凸条14cを切断し、凸条14dと凹溝13dの間には滑り性のシール剤52を塗布しておく(図22参照)。さらに、被拘束管部31の外周部には充填剤5を塗布しておく。
そして、図31に示すように、流体圧供給チューブ61から膨張体60の内部に空気圧等の流体圧を供給して、膨張体60を膨張させる。
膨張した膨張体60が被拘束管部31の内周面に押し当てられ、さらには被拘束管部31の全域を径方向外方へ押し拡げる。これによって、被拘束管部31における嵌合部13,14どうしが巻き方向に沿って互いにずれるように滑る。この結果、被拘束管部31における帯状部材10Eの一巻き分の長さが拡張され、被拘束管部31が拡径される。このとき、滑剤62によって、膨張体60と被拘束管部31との間の摩擦を低減でき、被拘束管部31を円滑に拡径させることができる。
拡径された被拘束管部31が既設管1の内周面に押し当てられる。かつ、被拘束管部31の外周部に塗布しておいた充填剤5が、既設管1の内周面と被拘束管部31との間に挟まれて充填された状態となる。これによって、被拘束管部31が既設管1に対して拘束される。
被拘束管部31を径方向外側へ押し広げる押し広げ手段としては、エアパッカーなどの膨張体60に限らず、例えば放射状のジャッキ装置を用いてもよい。
更生管3Eの端部の被拘束管部31に限らず、中間部の被拘束管部32についても、同様にして拡張(拡径)させることができる。
<第8実施形態>
図32は、本発明の第8実施形態を示したものである。
図32(b)に示すように、第8実施形態の更生管3Hにおいては、既設管1より小径の伸縮可能管部33の端部に被拘束管部となる突出管部38が形成されている。突出管部38は、伸縮可能管部33から管軸方向の外側へ向かってテーパ状に拡径されて、既設管端部1eから人孔4内へ突出されている。突出管部38の拡径された端部は、既設管端部1eより大径になっている。該突出管部38の外周部が、既設管端部1eの開口端の周縁に当たって係止されている。
突出管部38における人孔4内へ突出された部分の外周部と、既設管1の端面及び人孔4の内壁との間に、環状の隅角部1gが形成されている。該隅角部1gに充填剤53が充填されている。充填剤53としては、接着剤、シール剤、モルタルなどが用いられている。
突出管部38が、前記既設管端部1eの開口端への係止と充填剤53とによって、既設管端部1eに拘束されている。
第8実施形態においては、次のようにして更生施工される。
図32(a)に示すように、更生管3Hを既設管1の内径より小径に製管する。該更生管3Hの端部を既設管端部1eから人孔4内に突出させる。
続いて、図32(a)の二点鎖線にて示すように、当該更生管3Hの端部を構成する帯状部材10Eのひと巻き分の長さを拡張させ、テーパ状の突出管部38を形成する。拡張方法としては、元押し製管機20(図27等参照)を用いて行ってもよく、捩じり冶具B(図30参照)を用いて人力で行ってもよく、膨張体60(図31参照)などの押し広げ手段によって行ってもよい。
突出管部38の底部が人孔4の底部(インバート)と干渉するときは、予め該干渉する部分をハツリ落とすことによって切欠凹部4eを形成しておく。
図32(b)に示すように、突出管部38の形成後、隅角部1gに充填剤53を充填する。
図33は、第8実施形態の変形態様を示したものである。
図33(a)に示すように、当該変形態様においては、更生管3Hを既設管1の内周面に張り付けるように製管する。したがって、伸縮可能管部33の外径が、既設管1の内径と実質的に同じ大きさになり、伸縮可能管部33の外周部が全周にわたって既設管1の内周面に接する。更生管3Hを既設管1の内径より小径に製管した後、該更生管3Hを前記拡張操作によって拡径させて既設管1の内周面に張り付けてもよい。
前記更生管3Hの製管後、図33(a)の二点鎖線にて示すように、更生管3Hにおける既設管端部1eから突出させた部分を構成する帯状部材10Eのひと巻き分の長さを拡張させ、テーパ状の突出管部38を形成する。
図33(b)に示すように、該突出管部38の外周部と既設管1の端面及び人孔4の内壁との間の隅角部1gに充填剤53を充填する。
当該変形態様においては、被拘束管部となる突出管部38のほぼ全体が、既設管1の外部に突出される。テーパ状の突出管部38とストレートな筒状の伸縮可能管部33との連続部が、既設管端部1eの開口端に係止される。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、更生管が、複数条の帯状部材(例えば帯本体(ストリップ)と接続帯体(ジョイナー)など)からなり、一部の帯状部材に伸縮部が設けられていてもよい。
被拘束管部3a及び伸縮可能管部3bのうち伸縮可能管部3bを構成する帯状部材だけが、伸縮部15を有していてもよい。被拘束管部3aにおける帯状部材は、伸縮部15を有していなくてもよい。
製管工程においては、自走式の製管機を用いて更生管を製管してもよい。
製管工程における到達側の人孔4Bに元押し製管機20を設置して、捩じり工程を含む拡張工程を行ってもよい。
本発明は、例えば老朽化した下水道管の更生技術に適用できる。
1A,1E 更生済管(既設管更生構造)
1 既設管
1e 既設管端部
2 取付管(枝管)
3,3E,3H 更生管
3a 被拘束管部
3b 伸縮可能管部
5 充填剤(拘束手段)
6 アンカーボルト(拘束手段)
7 注入チューブ
7c 注入孔
8 固定冶具
9 管間スペース
9b 空隙
10 帯状部材
10A~10D 帯状部材
10E 帯状部材
13 第1嵌合部
13a,13d 凹溝
13b 凸条
13c 一部の凸条と対応する凹溝
14 第2嵌合部
14a,14d 凸条
14b 凹溝
14c 一部の凸条
15 伸縮部
19 外周溝部(管間スペース)
19c 溝部分
18 未製管の帯部分
20 元押し製管機
25 ガイドレール
26 スライドガイド
31,32 被拘束管部
32c 連通口
33 伸縮可能管部
35,36 被拘束管部より元押し側の管部分
36 被拘束管部より元押し側の管部分
38 突出管部(被拘束管部)
39 到達側端部
41 ワイヤ41(凸条切断手段)
41c 折り返し部
42 ワイヤ繰出リール
43 ワイヤ巻取リール
51 接着剤
52 シール剤
53 充填剤
60 膨張体(拡張手段)
61 流体圧供給チューブ

Claims (30)

  1. 既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備え、前記更生管が、螺旋状に巻回されて帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしが接合された帯状部材によって構成された既設管更生構造であって、
    前記更生管には、前記既設管に対して拘束された被拘束管部と、前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態の伸縮可能管部とが、管軸方向に分かれて設けられ、
    前記帯状部材における、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部を構成する部分が、帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有し、
    前記被拘束管部が、前記伸縮可能管部より大径であることを特徴とする既設管更生構造。
  2. 既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備え、前記更生管が、螺旋状に巻回されて帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしが接合された帯状部材によって構成された既設管更生構造であって、
    前記更生管には、前記既設管に対して拘束された被拘束管部と、前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態の伸縮可能管部とが、管軸方向に分かれて設けられ、
    前記帯状部材における、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部を構成する部分が、帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有し、
    前記更生管における前記既設管の端部に設けられた部分が、前記被拘束管部となっていることを特徴とする既設管更生構造。
  3. 既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備え、前記更生管が、螺旋状に巻回されて帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしが接合された帯状部材によって構成された既設管更生構造であって、
    前記更生管には、前記既設管に対して拘束された被拘束管部と、前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態の伸縮可能管部とが、管軸方向に分かれて設けられ、
    前記帯状部材における、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部を構成する部分が、帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有し、
    前記更生管における前記既設管の枝管との接続部に設けられた部分が、前記被拘束管部となっていることを特徴とする既設管更生構造。
  4. 既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備え、前記更生管が、螺旋状に巻回されて帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしが接合された帯状部材によって構成された既設管更生構造であって、
    前記更生管には、前記既設管に対して拘束された被拘束管部と、前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態の伸縮可能管部とが、管軸方向に分かれて設けられ、
    前記帯状部材における、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部を構成する部分が、帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有し、
    さらに前記被拘束管部を前記既設管に拘束する拘束手段を備え、前記拘束手段が、前記既設管の内周面と前記被拘束管部との間に充填された充填剤を含み、前記既設管の内周面と前記伸縮可能管部との間には空隙が形成されていることを特徴とする既設管更生構造。
  5. 既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管を備え、前記更生管が、螺旋状に巻回されて帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしが接合された帯状部材によって構成された既設管更生構造であって、
    前記更生管には、前記既設管に対して拘束された被拘束管部と、前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態の伸縮可能管部とが、管軸方向に分かれて設けられ、
    前記帯状部材における、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部を構成する部分が、帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有し、
    さらに前記被拘束管部を前記既設管に拘束する拘束手段を備え、前記拘束手段が、アンカーボルトを含むことを特徴とする既設管更生構造。
  6. 前記被拘束管部が、前記伸縮可能管部より大径であり、前記被拘束管部における螺旋のリード角が、前記伸縮可能管部における螺旋のリード角より小さいことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  7. 前記被拘束管部が、前記伸縮可能管部より大径であり、前記帯状部材の両縁部のうち少なくとも一方の縁部には、複数列の凹溝が形成され、前記両縁部のうち少なくとも他方の縁部には、複数列の凸条が形成され、前記隣接する縁部分における互いに対応する凸条及び凹溝どうしが嵌合されており、
    さらに、前記複数列の凸条のうち一部が根元部分において切断されていることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  8. 前記一部の凸条が接着剤を介して対応する凹溝と接合され、前記一部以外の凸条が、滑りを許容するシール剤を介して対応する凹溝と接合されていることを特徴とする請求項7に記載の既設管更生構造。
  9. 前記更生管における前記既設管の端部に設けられた部分が、前記被拘束管部となっており、前記被拘束管部が、前記既設管の端部から突出され、かつ前記既設管の内径より大径であることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  10. 前記更生管における前記既設管の枝管との接続部に設けられた部分が、前記被拘束管部となっており、前記接続部における被拘束管部には、前記枝管に連なる連通口が形成されており、前記連通口が、長軸を前記管軸方向へ向けた長穴であることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  11. さらに前記被拘束管部を前記既設管に拘束する拘束手段を備え、前記拘束手段が、前記既設管の内周面と前記被拘束管部との間に充填された充填剤を含み、前記既設管の内周面と前記伸縮可能管部との間には空隙が形成されており、
    前記更生管の外周に外周溝部が形成され、前記充填剤が、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管のうち被拘束管部における外周溝部だけに充填されていることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  12. さらに前記被拘束管部を前記既設管に拘束する拘束手段を備え、前記拘束手段が、前記既設管の内周面と前記被拘束管部との間に充填された充填剤を含み、前記既設管の内周面と前記伸縮可能管部との間には空隙が形成されており、
    前記被拘束管部の外周には前記充填剤の注入孔を有する注入チューブが設けられ、前記充填剤内に前記注入チューブが埋まっていることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  13. さらに前記被拘束管部を前記既設管に拘束する拘束手段を備え、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部が、共に全周にわたって前記既設管の内壁に接しており、前記拘束手段が、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管のうち被拘束管部だけに設けられていることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の既設管更生構造。
  14. 既設管を螺旋管状の更生管によって更生する方法であって、
    帯状部材を前記既設管の内周に沿って螺旋状に巻回して、前記帯状部材の帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしを接合することによって前記更生管を製管する工程と、
    前記更生管における被拘束管部を前記既設管に対して拘束し、かつ前記更生管における前記被拘束管部とは管軸方向に分かれて設定された伸縮可能管部を前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態とする工程と、を備え、
    前記製管工程において、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部については前記帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有する帯状部材によって製管し、
    前記拘束工程が、前記製管工程後に前記被拘束管部を製管時より拡径させる工程を含むことを特徴とする既設管更生方法。
  15. 既設管を螺旋管状の更生管によって更生する方法であって、
    帯状部材を前記既設管の内周に沿って螺旋状に巻回して、前記帯状部材の帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしを接合することによって前記更生管を製管する工程と、
    前記更生管における被拘束管部を前記既設管に対して拘束し、かつ前記更生管における前記被拘束管部とは管軸方向に分かれて設定された伸縮可能管部を前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態とする工程と、を備え、
    前記製管工程において、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部については前記帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有する帯状部材によって製管し、
    前記拘束工程において、前記被拘束管部の内部に押し広げ手段を配置し、前記押し広げ手段によって前記被拘束管部を径方向外側へ押し広げることを特徴とする既設管更生方法。
  16. 既設管を螺旋管状の更生管によって更生する方法であって、
    帯状部材を前記既設管の内周に沿って螺旋状に巻回して、前記帯状部材の帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしを接合することによって前記更生管を製管する工程と、
    前記更生管における被拘束管部を前記既設管に対して拘束し、かつ前記更生管における前記被拘束管部とは管軸方向に分かれて設定された伸縮可能管部を前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態とする工程と、を備え、
    前記製管工程において、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部については前記帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有する帯状部材によって製管し、かつ前記帯状部材における前記被拘束管部となるべき部分の外周に、注入孔を有する注入チューブを配置した状態で前記更生管を製管し、
    前記拘束工程において、充填剤を前記注入孔から吐出することによって、前記被拘束管部と既設管との間に前記充填を充填することを特徴とする既設管更生方法。
  17. 既設管を螺旋管状の更生管によって更生する方法であって、
    帯状部材を前記既設管の内周に沿って螺旋状に巻回して、前記帯状部材の帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしを接合することによって前記更生管を製管する工程と、
    前記更生管における被拘束管部を前記既設管に対して拘束し、かつ前記更生管における前記被拘束管部とは管軸方向に分かれて設定された伸縮可能管部を前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態とする工程と、を備え、
    前記製管工程において、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部については前記帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有する帯状部材によって製管し、かつ前記帯状部材における前記被拘束管部となるべき部分の外周に充填剤を設けた状態で前記更生管を製管し、
    前記被拘束管部を前記既設管の内周面に張り付けて前記被拘束管部と既設管との間に前記充填剤を充填することを特徴とする既設管更生方法。
  18. 既設管を螺旋管状の更生管によって更生する方法であって、
    帯状部材を前記既設管の内周に沿って螺旋状に巻回して、前記帯状部材の帯幅方向の両縁部の互いに一周ずれて隣接する縁部分どうしを接合することによって前記更生管を製管する工程と、
    前記更生管における被拘束管部を前記既設管に対して拘束し、かつ前記更生管における前記被拘束管部とは管軸方向に分かれて設定された伸縮可能管部を前記既設管に対して非拘束状態又は弱拘束状態とする工程と、を備え、
    前記製管工程において、前記被拘束管部及び前記伸縮可能管部のうち少なくとも伸縮可能管部については前記帯幅方向へ伸縮可能な伸縮部を有する帯状部材によって製管し、
    前記拘束工程において、前記被拘束管部をアンカーボルトによって既設管と拘束することを特徴とする既設管更生方法。
  19. 前記製管工程後に前記被拘束管部を製管時より拡径させる工程を含み、前記拡径工程が、前記被拘束管部における帯状部材の一巻き分の長さを拡張させる工程を含むことを特徴とする請求項14~18の何れか1項に記載の既設管更生方法。
  20. 前記拡張工程において、前記一巻き分の長さが拡張される向きに前記更生管を捩じることを特徴とする請求項19に記載の既設管更生方法。
  21. 前記更生管における前記被拘束管部より前記管軸方向の一端側の管部分又は前記被拘束管部における前記一端側の端部に対して、前記拡張する向きへの捩じり力を付与することを特徴とする請求項20に記載の既設管更生方法。
  22. 前記捩じり工程において、前記帯状部材における前記一端側の管部分又は前記一端側の端部に続く未製管の帯部分を、元押し製管機によって前記一端側の管部分に送り込むことを特徴とする請求項21に記載の既設管更生方法。
  23. 前記元押し製管機を前記管軸方向に沿ってスライド可能とすることを特徴とする請求項22に記載の既設管更生方法。
  24. 前記拡張工程において、前記更生管における管軸方向の一端側とは反対側の端部を前記既設管に対して固定することを特徴とする請求項19~23の何れか1項に記載の既設管更生方法。
  25. 前記拡張工程に際して、前記被拘束管部における前記帯状部材の前記隣接する縁部分どうしの接合力を製管時より弱めることを特徴とする請求項19~24の何れか1項に記載の既設管更生方法。
  26. 前記更生管の管軸方向の一端側とは反対側の端部から前記被拘束管部までの前記隣接する縁部分どうしの接合力を製管時より弱めることを特徴とする請求項25に記載の既設管更生方法。
  27. 前記帯状部材の両縁部のうち少なくとも一方の縁部には、複数列の凹溝が形成され、前記両縁部のうち少なくとも他方の縁部には、複数列の凸条が形成されており、
    前記製管工程においては、前記隣接する縁部分における互いに対応する凸条及び凹溝どうしを嵌合させ、
    前記製管工程後、前記更生管の前記接合力を弱める対象部分における複数列の凸条のうち一部の凸条の根元部分を切断することを特徴とする請求項25又は26に記載の既設管更生方法。
  28. 前記製管工程において、前記隣接する縁部分どうし間における前記根元部分の側部にワイヤを挟み、
    前記製管工程後、前記ワイヤを前記管軸方向に引っ張ることによって前記根元部分を切断することを特徴とする請求項27に記載の既設管更生方法。
  29. 前記製管工程において、前記一部の凸条を接着剤を介して対応する凹溝と嵌合させるとともに、前記一部以外の凸条を滑りを許容するシール剤を介して対応する凹溝と嵌合させることを特徴とする請求項27又は28に記載の既設管更生方法。
  30. 前記被拘束管部と既設管との間に充填剤を充填することを特徴とする請求項14~29の何れか1項に記載の既設管更生方法。
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