JP2019166758A - 更生管巻出し方法及び巻出帯材 - Google Patents
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Abstract
Description
製管機は、一対の駆動ローラと、環状の内周規制体(リンクローラ)を有している。駆動ローラによって前記凹凸嵌合がなされる。製管中、更生管の端部の一周部分が内周規制体(リンクローラ)の外周に巻き付けられることよって更生管径が決定される。
本発明は、かかる事情に鑑み、帯状部材から螺旋管状の更生管を製管する際の巻出し作業を簡易かつ短時間で行う方法を提供することを目的とする。
前記更生管の周長に嵌合代を加えた長さの巻出帯材を用意し、
前記巻出帯材を螺旋状に一周巻いてその両端部を前記嵌合代の長さ分だけ嵌合させることによって巻出リングを作製し、
前記巻出リング又は前記嵌合前の巻出帯材と前記製管機とを組み付け、
さらに前記帯状部材の端部を前記製管機に導入して前記嵌合後の巻出帯材の一端部と接合することを特徴とする。
当該巻出し方法によれば、所定長さの巻出帯材から所定の直径ないしは周長の巻出リングが作製される。巻出しのために製管機を数周分駆動させる必要が無い。これによって、巻出し作業を簡易かつ短時間で行うことができる。狭隘な人孔内でも容易に作業を行なうことができる。
当該製管機としては、例えば国際公開WO2018/043619に記載の製管機を用いることができる。該製管機は、未製管の帯状部材を製管済の管部分へ斜めに押し込む駆動ローラと、前記製管済の管部分の端部に係止される管端ガイドとを有し、内周規制体が省略されている。このため、巻出帯材を内周規制体に巻き付ける必要が無く、巻出リングを容易に作製できる。かつ巻出リングと製管機との組み付け作業を容易化できる。
更生管の外周に条体が張り付くように製管することによって条体に張力が働き、更生管が外周側から規制される。条体の長さによって更生管の周長を設定できる。
これによって、人孔の内部などにおいて、巻出帯材を容易にループさせることができ、巻出リングを容易に作製できる。特に、既設管の内周形状が非円形断面である場合、該非円形断面に合わせて巻出部材に非円形の巻き癖を付けることができる。これによって、容易に巻出しを行なうことができる。
前記巻出帯材として、帯状部材を所定長さすなわち更生管の周長に嵌合代を加えた長さに切断したものを用いることができる。
<第1実施形態>
図7は、老朽化した既設管1を更生する様子を示したものである。既設管1としては、下水道管、上水道管、農業用水管、水力発電導水管、ガス管等が挙げられる。既設管1の内周に更生管9がライニングされることで、既設管1が更生されている。
管端ガイド32のガイド部の数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。3つ以上のガイド部が、製管機3の推進前後方向に間隔を置いて配置されていてもよい。
製管機3は、リンクローラ等の内周規制体を有していない。このため、管端部9eの周方向における装置フレーム3fが配置された部分を除く部分は、内周側へ解放される。
前記製管機3による更生管9の製管に先立ち、次のような巻出し作業が行われる。
<巻出帯材の用意>
図1(a)に示すように、先ず巻出帯材80を用意する。巻出帯材80の長さL8は、更生管9の周長L9に嵌合代8dの長さL8dを加えた大きさ(L8=L9+L8d)とする。巻出帯材80としては、好ましくは帯状部材90を所定長さL8に切断して用いる。帯状部材90の端材を用いることもできる。
なお、図示した巻出帯材80の断面形状(帯状部材90の断面形状)はあくまで例示であり、本発明方法は巻出帯材80(帯状部材90)の多様な断面形状に適用可能である。
補強帯材85が省略されていてもよい。
好ましくは、予め地上において前記巻出帯材80を一周程度ループさせて巻き癖を付けておく。特に、巻出帯材80が高剛性である場合、予め巻き癖を付けておくことが好ましい。ただし、当該巻き癖付与時には、巻出帯材80の両端部の嵌合部83,84どうしを嵌合させない。
前記の巻出帯材80を地上から人孔4内に降ろす。巻出帯材80は両端部が解放されているため、人孔4が小径であっても容易に挿し入れることができる。
図1(a))に示すように、人孔4内において、巻出帯材80を螺旋状に一周巻いてその両端部を嵌合代8dの長さL8d分だけ幅方向に重ねる。地上で予め巻き癖を付けておくことによって、人孔4内での人力による巻回作業の負担を軽減できる。
そして、図1(b)に示すように、巻出帯材80の両端部の対向する縁どうしを嵌合させる。詳しくは、図2(b)に示すように、巻出帯材80の一端部(同図において右端部)の第1嵌合部83に、他端部(同図において左端部)の第2嵌合部84を内周側(同図において上側)から凹凸嵌合させる。嵌合作業は、ハンマーなどを用いて人力で行なうことができる。これによって、図1(b)に示すように、巻出リング8が作製される。
巻出帯材80を単独でリング状に巻けばよく内周規制体などに巻き付ける必要が無い。したがって、狭隘な人孔4内においても容易に巻出リング8を作製できる。人孔4が大口径である場合には、巻出リング8を地上で作製した後、人孔4内に吊降ろしてもよい。
巻出帯材80を既設管1の内周に沿って張り付けながら一周巻くことで、巻出リングを作製してもよい。
さらに、嵌合代8dの長さを調節することで、巻出リング8の周長を更生管8の周長と簡単に一致させることができる。製管機を数周分駆動させる必要はない。
巻出帯材80の少なくとも一方の端部に嵌合代8dの範囲を示す標示8fを設けておいてもよい。これによって、巻出リング8の周長が更生管8の周長と確実かつ容易に一致するようにできる。
巻出リング8の作製と前後して、製管機3を人孔4内に降ろす。そして、図3に示すように、係止部34,36を外した状態の製管機3を巻出リング8の内周側に配置する。その後、係止部34,36を巻出リング8の外周側から製管機3に装着するとともに巻出リング8に係止する。これによって、図4(a)に示すように、巻出リング8(嵌合後の巻出帯材80)に製管機3が組み付けられる。製管機3は、係止部34,36による前記係止によって巻出帯材80の幅方向へ拘束されるとともに、巻出リング8の周方向へスライド可能である。図4(b)に示すように、製管機3の前後のガイド部32a,32bは、巻出リング8の周方向へ離れるとともに巻出リング8の螺旋ピッチ分だけずれている。
装置フレーム3fひいては製管機3は、巻出リング8の周方向の一部分に配置される。巻出リング8の周方向における前記一部分を除く部分は、内周側へ解放される。
次に、帯状部材90を地上のドラム5から繰り出して人孔4内に垂らす(図7参照)。図5に示すように、該帯状部材90の端部を製管機3に導入し、一対の駆動ローラ31に通すことで製管機3と係合させる。
続いて、帯状部材90の端部を巻出リング8における巻出帯材80の一端部80eと接合する。接合方法としては、帯状部材どうしの公知の接合方法を応用できる。例えば、接続部材(図示省略)を帯状部材90と巻出帯材80の鋼製補強帯材どうし間に跨るように配置するとともに、該接続部材を帯状部材90の鋼製補強帯材と巻出帯材80の鋼製補強帯材85にそれぞれボルトや溶接などで接合する。帯状部材90と巻出帯材80の樹脂部どうし又は金属部どうしを突き当てて直接的に溶着してもよい。
このようにして、巻出し作業を短時間で簡単に行なうことができる。人孔4が狭隘であっても巻出し作業を容易に行なうことができる。
その後、巻出リング8を既設管1の口部に位置合わせして配置し、製管機3の駆動ローラ31を回転駆動させて製管を開始する。図6及び図7に示すように、これによって、巻出リング8に続いて更生管9が既設管1の内周に沿って製管される。製管開始時の巻出リング8は内周側へ解放された状態になっている。ひいては、更生管9が、管端部9eを内周側へ解放させた状態で内周規制体無しで製管される。
巻出リング8を含む更生管9の発進人孔4内への突出端部9dは、製管工程の途中又は製管後に切除してもよい。
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態は巻出し手順の変形例に係る。図8の二点鎖線に示すように、地上において、両端部を嵌合させる前の巻出帯材80に製管機3を組み付ける。このとき、例えば管端ガイド32の押え部33を締め付けることで、製管機3を巻出帯材80に対してスライド不能に係止する。そのうえで、図8の実線に示すように、製管機3付きの巻出帯材80を人孔4内へ吊降ろす。
なお、人孔4の口径が大きい場合には、地上で製管機3の組み付けから巻出リング8の作製までを行なった後、製管機3付きの巻出リング8を人孔4内に吊降ろしてもよい。
その後、前記押え部33を緩めることで、製管機3を巻出リング8の周方向へスライド可能にする。そして、帯状部材90の接続工程を経て(図5参照)、更生管9の製管を開始する(図6、図7参照)。
第2実施形態によれば、人孔4内での工数を減らせるため、短時間で巻出し作業を完了して製管を開始することができる。
図9及び図10は、本発明の第3実施形態を示したものである。
図9に示すように、第3実施形態においては、フレキシブルな条体38を用意する。条体38は、ワイヤロープによって構成されている。条体38の長さは、巻出リング8の周長程度である。なお、条体38は、フレキシブル性(可撓性)のほか、引っ張られたとき伸び変形することなく張力を発現可能なものであればよく、ワイヤロープのほか、バンド、リンクチェーン、ローラーチェーンなどで構成されていてもよい。
ここで、管端部9eの周長又は直径が大きくなるように製管することによって、管端部9eの外周に条体38が張り付き、条体38に張力が働く。該張力によって管端部9eの周長又は直径を規制できる。また、前記張力によって条体38がほぼ真円形になり、管端部91eをほぼ真円の円形断面にすることができる。
なお、製管機3においては前側ガイド部32aと管端部91eとの間の摩擦抵抗力と駆動ローラ31による帯状部材90の押し込み力とを互いに調節したり、製管装置3の推進前後方向及び幅方向と直交する高さ方向を管端部91eの径方向に対して傾斜させたりすることで、周長又は直径が増減するように製管できる(国際公開WO2016/175243参照)。
図11〜図13は、本発明の第4実施形態を示したものである。
図12に示すように、第4実施形態における既設管1Dは、非円形断面になっている。
図11に示すように、該既設管1Dを更生する場合、巻癖付与フレーム2を用意する。巻癖付与フレーム2の外周形状は、既設管1Dの非円形の内周形状に合わせた形状になっている。巻癖付与フレーム2は、周方向に複数個のピース2aに分割され、使用時にこれらピース2aを環状に接合することで巻癖付与フレーム2を組み立てるようになっていてもよい。
該巻癖付与フレーム2の外周に巻出帯材80を巻き付けることによって、巻出帯材80に巻癖付与フレーム2の外周形状に倣うように巻癖を付与する。当該巻癖付与工程は、地上で行なうことができる。
次に、図12の二点鎖線にて示すように、帯状部材90の端部を製管機3に導入するとともに、巻出リング8Dを構成する巻出帯材80の一端部に前記帯状部材90の端部を接合する。
そして、製管機3を駆動して更生管9の製管を行なう。
例えば、製管機として、リンクローラ等の内周規制体付きの製管機を用いてもよい。
元押し式又は牽引式によって更生管9を製管してもよい。
巻出帯材80の断面が、帯状部材90の断面とは異なっていてもよい。
複数の実施形態を組み合わせてもよい。たとえば第1実施形態(図1〜図7)の円形断面の既設管1を更生する場合においても、非円形断面の既設管1Dを更生する第4実施形態(図11)と同様に、巻出帯材80にあらかじめ地上で巻癖を付けたうえで、該巻出帯材80を人孔4へ挿し入れてもよい。第4実施形態における製管機3の組み付け工程を、第2実施形態(図8)と同様に地上で行ってもよい。
2 巻癖付与フレーム
3 製管機
31 駆動ローラ
32 管端ガイド
38 条体
4 人孔
8 巻出リング
8d 嵌合代
8f 標示
80 巻出帯材
85 補強帯材
9 更生管
9a 先行螺旋管部
9e 管端部
90 帯状部材
90b 後続帯部
L8d 嵌合代の長さ
Claims (5)
- 製管機によって帯状部材を既設管の内周に沿う螺旋管状の更生管に製管するのに先立ち前記更生管を巻き出す方法であって、
前記更生管の周長に嵌合代を加えた長さの巻出帯材を用意し、
前記巻出帯材を螺旋状に一周巻いてその両端部を前記嵌合代の長さ分だけ嵌合させることによって巻出リングを作製し、
前記巻出リング又は前記嵌合前の巻出帯材と前記製管機とを組み付け、
さらに前記帯状部材の端部を前記製管機に導入して前記嵌合後の巻出帯材の一端部と接合することを特徴とする更生管巻出し方法。 - 前記巻出リングの周方向の一部分に前記製管機を配置し、かつ記巻出リングの周方向の前記一部分を除く部分を内周側へ解放させ、前記接合後、前記解放させた状態で前記製管を開始することを特徴とする請求項1に記載の更生管巻出し方法。
- 前記巻出リングの外周にフレキシブルな条体を周方向へスライド可能に掛け回すとともに前記条体の両端部を前記製管機に係着し、
前記接合後、前記条体を掛け回した状態で前記製管を開始することを特徴とする請求項2に記載の更生管巻出し方法。 - 前記既設管の内周形状にしたがって作製された巻癖付与フレームに前記嵌合前の巻出帯材を巻き付けて前記巻出帯材に巻き癖を付与することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の更生管巻出し方法。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の巻出帯材であって、前記帯状部材と同一の断面を有していることを特徴とする巻出帯材。
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