JP6936115B2 - 螺旋管の製管装置 - Google Patents
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Description
既設管を外周規制体とすることで、更生管を既設管の内周に張り付ける方法も知られている(特許文献3、4等参照)。
製管装置とは別体の外周規制体においては、事前に既設管を正確に測量したり外周規制体を設計通りに設置したりする必要があり、工事期間が長くなり工事費用が増える。また、機材が剛直であるために人孔からの搬入が容易でない。製管装置と並行移動する外周規制体においては、前記に加えて、既設管の断面変化に対する対応が困難である。
既設管を外周規制体とする方法においては、更生管が既設管の形状に依存し、任意の更生管周長を得ることはできない。
本発明は、かかる事情に鑑み、更生管などの螺旋管の周長ないしは直径を簡易かつ任意に設定することができる自走式の製管装置を提供することを目的とする。
前記先行螺旋管部の前記対向縁を含む管端部の周方向の一部分上に、推進前後方向を前記巻回方向に沿わせて配置される装置フレームと、
前記装置フレームに設けられ、前記後続帯部に前記押し出し力を付与する駆動部と、
前記管端部の外周に掛け回されるように延びるとともに前記装置フレームに係着された非自立性の長尺体と、
を備えたことを特徴とする。
言い換えると、管端部が長尺体によって外周側から規制される。したがって、前記長尺体は、外周規制体の一種である。
一方、長尺体は、非自立性であり、張力が働くことではじめて円形に保たれる点、及び製管装置の構成要素の1つとして装置フレームと一体に推進される点において、前掲特許文献2などの従来の一般的な外周規制体と異なる。
長尺体が装置フレームと一体に推進されるから、製管が進む度に外周規制体を設置し直す必要が無い。
長尺体における非自立性とは、長尺体自体には螺旋状ないしは環状の形状を保持する形状保持力ないしは形状保持機能が備えられておらず、自重その他の外力によって簡単に変形されることを言う。更に長尺体は可撓性(フレキシブル性)を有していてもよい。一方、管端部の周長や更生管の直径などに応じて設定した実質長さが製管時に変わってしまうので、長尺体は長手方向に伸縮性を有していないのが好ましい。
当該製管装置においては、内周規制体が不要である。したがって、既設の下水管等の導水管を螺旋管でライニングして更生する場合、施工中の流水阻害を緩和できる。
管端部とは、先行螺旋管部が管軸に沿って延伸されていく方向(延伸方向)の前端の約一周部分を言う。延伸方向の前方を「延伸前方」と称し、延伸方向の後方を「延伸後方」と称す。
前記装置高さ方向の底部側は、螺旋管の外周側へ向けられ、装置高さ方向の頂部側は、螺旋管の内周側へ向けられる。
前記押し出し方向は、前記駆動部から装置高さ方向の底部側かつ推進後方へ向けられる。
前記長尺体が、前記溝部又は段差に収納可能であることが好ましい。
これによって、螺旋管を既設管の内周にライニングする場合、長尺体が既設管に当たるのを回避でき、長尺体の損傷を抑制でき、かつ推進時の摩擦抵抗を軽減できる。また、既設管と螺旋管との間に長尺体の配置スペースを確保しなくて済み、それだけ螺旋管の管内断面積を大きくできる。
これによって、長尺体の両端部を係着部を介して装置フレームに止めることができる。長尺体の両端部を止めることで、長尺体に張力が確実に発現されるようにできる。
長尺体の実質長さが管端部の一周未満の場合は、前記一対の係着部どうしを接近させると、長尺体が縮径される。したがって、螺旋管を縮周長ないしは縮径製管できる。一方、前記一対の係着部どうしを離間させると、長尺体が拡径される。したがって、螺旋管を拡周長ないしは拡径製管できる。
なお、長尺体の実質長さが管端部の一周超(二周未満)の場合、係着部どうしの接近によって長尺体が拡径されることで、螺旋管を拡周長ないしは拡径製管できる。係着部どうしの離間によって長尺体が縮径されることで、螺旋管を縮周長ないしは縮径製管できる。
少なくとも一方の係着部が装置フレームに対して推進前後方向に移動可能であってもよい。装置フレームが変形することで一対の係着部どうしが推進前後方向に接近離間されるようになっていてもよい。
巻取機による巻き取りによって、長尺体の実質長さが短くなり、縮周長ないしは縮径製管できる。
巻取機による繰り出しによって、長尺体の実質長さが延び、拡周長ないしは拡径製管できる。
長尺体における巻取機に巻き取られた部分の長さは、実質長さに含まれない。
前記長尺体の少なくとも一方の端部が、前記管端ガイドを介して前記装置フレームに係着されていることが好ましい。
前記管端ガイドによって製管装置を管端部に安定的に係着させて推進させることができる。かつ長尺体の端部の係着部を管端ガイドに設けることで、長尺体の端部の引き回しを簡素化できる。
これらワイヤロープ、チェーン、バンド又はリンクローラは、管端部の外周に掛け回し可能、かつ張力を発現可能である。
前記バンドは、例えば鋼製の帯板で構成されていてもよい。
前記リンクローラは、環状に並べられた複数の回転可能なローラ(回転体)と、隣接するローラどうしを連ねるリンク(連接部材)とを含むことが好ましい。
<第1実施形態>
図2は、老朽化した既設管1を更生する様子を示したものである。既設管1としては、下水道管、上水道管、農業用水管、ガス管等が挙げられる。既設管1の内壁に螺旋管からなる更生管9がライニングされている。更生管9は、長尺の帯状部材90によって構成されている。帯状部材90は、地上のドラム6から人孔4を経て既設管1に導入され、更生管9(螺旋管)に製管されている。
図1に示すように、製管装置3は、二点鎖線にて模式的に示す装置フレーム3fと、駆動部10と、管端ガイド20を備えている。装置フレーム3fは、管端部91eの周方向の一箇所に配置されている。
図2に示すように、装置フレーム3fひいては製管装置3における、推進前後方向LDと直交する装置幅方向WDは、既設管1の軸線に対して先行螺旋管部91のリード角の分だけ傾けられている。
図1に示すように、装置フレーム3fひいては製管装置3における、推進前後方向LD及び装置幅方向WDと直交する装置高さ方向HDは、既設管1及び先行螺旋管部91の内外方向ないしは径方向に向けられている。
長尺体30は、管端部91eの巻回方向に沿って螺旋管状に延び、管端部91eの外周に一周ほど掛け回されている。長尺体30における管端部91eの外周に掛け回された部分の長さ(実質長さ)は、管端部91eの周長より短い。
図4に示すように、長尺体30は、管端部91eの溝部95bに収納されている。すなわち、長尺体30は、溝部95bに収納可能な大きさになっており、溝部95bからはみださない。よって、長尺体30は既設管1に接触しない。帯状部材90を所定径となるよう一、二回巻いて更生管9を作り、その後長尺体30を溝部95bに通すことができる。
図3に示すように、管端ガイド20のガイド部21,22には一対の係着部41,42が設けられている。ひいては装置フレーム3fに係着部41,42が設けられている。図4に示すように、これら係着部41,42は、例えばボルト41a,42aを含む。
図4(b)に示すように、後側ガイド部22のボルト42aの締め付けによって、長尺体30の他端部32が後側ガイド部22に係着されている。この結果、長尺体30の両端部31,32が、管端ガイド20を介して装置フレーム3fに係着されている。
なお、係着部41,42が、ボルト41a,42aに代えて、長尺体30の端部31,32を挟み付けるピンチ機構を有していてもよい。長尺体30の端部31,32が溶接によってガイド部21,22に接合されていてもよく、前記溶接部が係着部41,42を構成していてもよい。
したがって、係着部41,42どうしが推進前後方向LDに接近・離間可能になっている。ひいては、長尺体30の両端部31,32どうしの距離L3が拡縮可能になっている。
駆動部10の駆動ローラ13を回転駆動させることによって、後続帯部92を嵌合位置9pへ向けて押し出す。これによって、嵌合位置9pにおいて、後続帯部92の第2嵌合部94(縁)と先行螺旋管部91の管端部91eの第1嵌合部93(一周先行する対向縁)どうしが嵌合される。
嵌合によって推進反力が働き、製管装置3が、先行螺旋管部91の巻回方向の前方(図1において時計回り方向)へ推進される。これによって、先行螺旋管部91を延伸させることができ、ひいては、更生管9を形成することができる。
前記推進時には、長尺体30が溝部95bに沿って摺動しながら装置フレーム3fと一緒に推進される。
ここで、管端部91eの外周に長尺体30が張り付くように製管することによって、長尺体30に張力が働く。該張力によって長尺体30がほぼ真円の円形になる。更には管端部91eをほぼ真円の円形断面にすることができる。
長尺体30を溝部95bに収納することによって、長尺体30が既設管1と接触するのを避けて、長尺体30を保護できる。また、既設管1と更生管9との間に長尺体30の配置スペースを確保しなくて済む。それだけ更生管9の管路断面積を大きくできる。
<第2実施形態>
図5及び図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の製管装置3Bにおいては、前側ガイド部21またはその近くに巻取機43(係着部)が配置されている。長尺体30の一端部31が巻取機43に巻き取られて係着されている。長尺体30における巻取機43に巻き取られた部分の長さは、長尺体30の実質長さに含まれない。
なお、詳細な図示は省略するが、長尺体30の他端部32は、第1実施形態(図4(b))と同様の係着部42によって後側ガイド部22に係着されている。
これとは逆に、長尺体30の一端部31が第1実施形態(図4(a))と同様の係着部41によって前側ガイド部21に係着され、かつ長尺体30の他端部32が巻取機43に巻き取られていてもよい。
巻取機43を巻き取り方向に回すと、長尺体30が巻取機43に巻き取られることで、長尺体30の実質的な周長が小さくなる。これによって、管端部91eを縮周長ないしは縮径製管できる。
図7は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態においては、長尺体が、バンド30Cによって構成されている。バンド30Cは、例えば鋼製の平帯板からなり、非自立性及び可撓性を有している。該バンド30Cが、段差96dに収容されている。したがって、バンド30Cが既設管1に摺擦して損傷するのを回避できる。
なお、バンド30Cの材質は、所要の張力を発現するものであれば鋼などの金属に限られず、樹脂であってもよい。
図8は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態においては、長尺体が、リンクローラ50によって構成されている。リンクローラ50は、環状に並べられた複数の回転可能なローラ51と、隣接するローラ51を回転可能に連ねるリンク52とを含み、非自立性である。
例えば、長尺体30の端部31,32が、管端ガイド20を介さずに、装置フレーム3fに直接係着されていてもよい。
長尺体30が、管端部91eの外周に一周以上掛け回されていてもよい。
長尺体30の3箇所以上が装置フレーム3fに係着されていてもよい。
長尺体30が閉環状であってもよい。閉環状の長尺体の1箇所が装置フレーム3fに係着されていてもよい。
装置フレーム3fの管端ガイド20以外の部分に、長尺体30の端部31,32の係着部41,42が設けられていてもよい。
係着部41,42の何れか一方が管端ガイド20に設けられ、他方が装置フレーム3fの管端ガイド20以外の部分に設けられていてもよい。
長尺体30,30C,50が、溝部95b又は段差96dから外周側へはみ出していてもよい。
本発明の製管装置は、既設管1を更生するための更生管9に限られず、種々の螺旋管の製造に適用できる。
LD 推進前後方向
WD 装置幅方向
HD 装置高さ方向
1 既設管
9 更生管(螺旋管)
90 帯状部材
91 先行螺旋管部
91e 管端部
92 後続帯部
95b 溝部
96d 段差
3,3B 製管装置
3f 装置フレーム
10 駆動部
20 管端ガイド
21 前側ガイド部
22 後側ガイド部
30 長尺体
30C バンド(長尺体)
31 一端部
32 他端部
41 前側係着部
42 後側係着部
50 リンクローラ(長尺体)
51 ローラ
52 リンク
Claims (7)
- 螺旋管となるべき帯状部材における未製管の後続帯部を、先行して製管された先行螺旋管部の内周側から該先行螺旋管部の内外方向に沿う装置高さ方向に対して斜めに押し出し、該押し出し力によって前記後続帯部の縁を前記先行螺旋管部の一周先行する対向縁と嵌合させるとともに螺旋状の巻回方向に沿って推進される、螺旋管の製管装置であって、
前記先行螺旋管部の延伸方向の前端の前記対向縁を含む管端部の周方向の一部分上に、推進前後方向を前記巻回方向に沿わせて配置される装置フレームと、
前記装置フレームに設けられ、前記後続帯部に前記押し出し力を付与することによって前記装置フレームを前記推進前後方向へ推進させる駆動部と、
前記管端部の外周に掛け回されるように延びるとともに前記装置フレームに係着され、前記装置フレームと一体に推進される非自立性の長尺体と、
を備え、前記管端部を、内周側からは規制せずに前記長尺体によって外周側から規制することを特徴とする製管装置。 - 螺旋管となるべき帯状部材における未製管の後続帯部を、先行して製管された先行螺旋管部の内外方向に沿う装置高さ方向に対して斜めに押し出し、該押し出し力によって前記後続帯部の縁を前記先行螺旋管部の一周先行する対向縁と嵌合させるとともに螺旋状の巻回方向に沿って推進される、螺旋管の製管装置であって、
前記先行螺旋管部の前記対向縁を含む管端部の周方向の一部分上に、推進前後方向を前記巻回方向に沿わせて配置される装置フレームと、
前記装置フレームに設けられ、前記後続帯部に前記押し出し力を付与する駆動部と、
前記管端部の外周に掛け回されるように延びるとともに前記装置フレームに係着された非自立性の長尺体と、
を備え、前記装置フレームには、前記長尺体の両端部を係着する一対の係着部が設けられており、
前記係着部の1つが、前記長尺体の端部を巻取・繰出可能な巻取機を含むことを特徴とする製管装置。 - 螺旋管となるべき帯状部材における未製管の後続帯部を、先行して製管された先行螺旋管部の内外方向に沿う装置高さ方向に対して斜めに押し出し、該押し出し力によって前記後続帯部の縁を前記先行螺旋管部の一周先行する対向縁と嵌合させるとともに螺旋状の巻回方向に沿って推進される、螺旋管の製管装置であって、
前記先行螺旋管部の前記対向縁を含む管端部の周方向の一部分上に、推進前後方向を前記巻回方向に沿わせて配置される装置フレームと、
前記装置フレームに設けられ、前記後続帯部に前記押し出し力を付与する駆動部と、
前記管端部の外周に掛け回されるように延びるとともに前記装置フレームに係着された非自立性の長尺体と、
を備え、前記装置フレームには、前記管端部に対して、前記推進前後方向及び装置高さ方向と直交する装置幅方向に拘束されるとともに前記推進前後方向へスライド可能に係合される管端ガイドが設けられており、
前記長尺体の少なくとも一方の端部が、前記管端ガイドを介して前記装置フレームに係着されていることを特徴とする製管装置。 - 前記装置フレームには、前記長尺体の両端部を係着する一対の係着部が設けられていることを特徴とする請求項1又は3に記載の製管装置。
- 前記一対の係着部どうしが、前記推進前後方向に接近離間可能であることを特徴とする請求項2又は4に記載の製管装置。
- 前記帯状部材の外周面には溝部又は段差が帯長方向へ延びるように形成されており、
前記長尺体が、前記溝部又は段差に収納可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の製管装置。 - 前記長尺体が、ワイヤロープ、チェーン、バンド又はリンクローラの何れか1つを含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の製管装置。
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