JP7117232B2 - 螺旋管の製管装置及び製管方法 - Google Patents
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Description
特許文献3においては、帯状部材の断面形状ひいては断面の中立弱軸を調整することによって、更生管の製管径を拡縮させることが提案されている。
しかし、更生管の管端部が外周条体に張り付いた後も、管端部が拡径されるように製管すると、管端部が外周条体に過度に張り付いて製管不能に陥るおそれがある。また、管端部が外周条体に張り付いていない状態で製管してしまい、更生管が所望の径より小さくなってしまうこともある。このような調整不良を避けるため、オペレータが頻繁に張り付き状態を確認して拡縮径機構を調整する必要があった。
本発明は、かかる事情に鑑み、更生管などの螺旋管の製管径を外周条体によって調整又は規制しながら製管する際に、オペレータが頻繁に張り付き状態を確認しなくても、所望の径の螺旋管を製管できるようにすることを目的とする。
前記先行螺旋管部の前記対向縁部を含む管端部の周方向の一部分上に配置される装置フレームと、
前記装置フレームに設けられ、前記後続帯部に前記斜めに押し出す力を付与する駆動部と、
前記駆動部から離れて前記装置フレームに設けられ、前記管端部に係止される係止部と、
前記管端部の外周に掛け回されて前記装置フレームに係着された非自立性の外周条体と、
前記外周条体に加わる張力に応じて、前記管端部の製管径を拡縮調整する拡縮調整機構と、を備えたことを特徴とする。
好ましくは、前記拡縮調整機構は、張力が高いときは製管径が小さくなるよう調整し、張力が低いときは製管径が大きくなるよう調整する。これによって、オペレータが頻繁に張り付き状態を確認しなくても、所望の径の螺旋管を製管できる。
前記押し出し力と抵抗力とが互いに協働して、管端部を拡径されるように製管できる。張力が高いときは抵抗力を弱くすることによって、管端部の拡径度合を抑えるか又は管端部を縮径できる。張力が低いときは抵抗力を強くすることによって、管端部の拡径度合が大きくなる。
前記抵抗力付与部は複数設けられていてもよい。管端部の複数箇所に前記抵抗力を付与するようにしてもよい。
これによって、前記押し当て部を管端部に強く押し当てて抵抗力を高くしたり、前記押し当て力を弱めて抵抗力を低くしたりできる。
これによって、抵抗力付与部が回転されることで、押し当て部が管端部の径方向に変位されるようにできる。
好ましくは、外周条体に加わる張力に応じて、抵抗力付与部の回転角度が調整される。これによって、押し当て部の位置が調整され、抵抗力が調整される。
前記外周条体の引っ張りによって、前記抵抗力付与部が、前記摺擦による回転方向とは逆向きに回転付勢されることが好ましい。
これによって、抵抗力付与部の回転角度を、前記張力と摩擦力とがバランスする角度に調整できる。
好ましくは、前記拡縮調整機構は、前記張力が高いときは、装置フレームを延伸後方側へ傾斜させ、前記張力が低いときは、装置フレームを延伸前方側へ傾斜させる。
装置フレームを延伸後方側へ傾斜させることで、縮径製管できる。
装置フレームを延伸前方側へ傾斜させることで、拡径製管できる。
前記製管装置の装置フレームに設けられた駆動部によって、前記帯状部材における未製管の後続帯部を、製管済の先行螺旋管部の径方向に対して斜めに押し出す工程と、
前記後続帯部の縁部を前記先行螺旋管部の一周先行する対向縁部と嵌合させる工程と、
前記装置フレームを、前記先行螺旋管部の前記対向縁部を含む管端部の螺旋状の巻回方向に沿って推進させる工程と、
前記管端部の外周に掛け回されて前記装置フレームに係着された非自立性の外周条体に加わる張力に応じて、前記管端部の製管径を拡縮調整する工程と、
を備えたことを特徴とする。
図2は、老朽化した既設管1を更生する様子を示したものである。既設管1としては、下水道管、上水道管、農業用水管、水力発電導水管、ガス管等が挙げられる。既設管1の内壁に螺旋管からなる更生管9がライニングされている。更生管9は、長尺の帯状部材90によって構成されている。帯状部材90は、地上のドラム6から人孔4を経て既設管1に導入され、更生管9(螺旋管)に製管されている。
なお、帯状部材90の断面形状は、図示したものに限定されず、適宜改変できる。
外周条体30は、係着部52bから後方(図4において右側)へ引き出され、かつ折り返し係着部43に掛け回されて折り返され、管端部91eの外周側へ向けて延びている。
押し当て部53の外周面55aが、管端部91eの内周面に押し当てられている。
駆動部10の一対の駆動ローラ13,13を回転駆動させることによって、後続帯部92を先行螺旋管部91の内周側から嵌合位置9pへ向けて、管端部91eの径方向に対して斜めに押し込む。図3に示すように、後続帯部92には、押し込み力F92が作用する。
これによって、嵌合位置9pにおいて、後続帯部92の第2嵌合部94(縁部)と先行螺旋管部91の管端部91eの第1嵌合部93(一周先行する対向縁部)どうしが嵌合される。
嵌合によって推進反力が働き、製管装置3が、先行螺旋管部91の巻回方向の前方(図1において時計回り方向)へ推進される。これによって、先行螺旋管部91が延伸されて、更生管9が形成されていく。
一方、図6に示すように、製管装置3の推進に伴って、抵抗力付与部50の押し当て部53が管端部91eと摺擦される。したがって、抵抗力付与部50には推進方向とは逆向きの摩擦力F53が作用する。図3に示すように、管端部91eには摩擦力F53と同じ大きさの抵抗力F91が推進前方へ向けて作用する。前記押し込み力F92と抵抗力F91とは、互いに協働して、管端部91eを拡径させるように作用する。これによって、管端部91eの縮径傾向をキャンセルでき、更には管端部91eを拡径させることができる。
このように、製管装置3によれば、管端部91eの外周条体30への張り付き状態に応じて、抵抗力付与部50の回転角度が自動調整されることによって、製管径を所望の大きさに維持できる。オペレータが頻繁に張り付き状態を確認して拡縮径機構を調整する必要が無く、製管作業を容易に行うことができる。
<第2実施形態>
図9及び図10は、本発明の第2実施形態を示したものである。簡略的に図示する製管装置3Bには、拡縮調整機構60が付設されている。拡縮調整機構60は、フレーム傾斜部61と、張力検出部62を含む。
張力検出部62は、外周条体30に加わる張力を検出する。
フレーム傾斜部61と装置フレーム3fは、模式的に図示するアーム63(拡縮作用部)を介して接続されている。詳細な図示は省略するが、フレーム傾斜部61には、張力検出部62からの信号を処理する処理部、アーム63を伸縮駆動する駆動回路などを含むコントローラが設けられている。アーム63の伸縮によって、装置フレーム3fの装置高さ方向HDが延伸方向EDの前後に傾けられる。つまり、装置フレーム3fが推進前後方向LD(図9の紙面直交方向)に沿う軸線のまわりに傾斜される。
詳しくは、図9に示すように、張力検出部62による外周条体30の張力検出値が相対的に低いときは、フレーム傾斜部61のアーム63によって、装置フレーム3fの装置高さ方向HDが延伸前方へ傾けられる。これによって、更生管9の管端部91eが拡径製管され、外周条体30の張力が高まる。
例えば、押し当て部は、軸線L55のまわりに回転可能な回転ローラによって構成されていてもよい。
第1実施形態においても、外周条体30の張力に応じて、コントローラ等によって抵抗力付与部50をフィードバック制御してもよい。
抵抗力付与部50が、装置フレーム3fの推進前後方向LDに間隔を置いて複数設けられていてもよい。
本発明の製管装置は、既設管1を更生するための更生管9に限られず、種々の螺旋管の製造に適用できる。
F91 抵抗力
F30 張力
L9 管軸
L51 回転軸線
L55 中心軸
LD 推進前後方向(推進方向)
WD 装置幅方向
HD 装置高さ方向
1 既設管
9 更生管(螺旋管)
90 帯状部材
91 先行螺旋管部
91e 管端部
92 後続帯部
93 第1嵌合部(一方の縁部)
94 第2嵌合部(他方の縁部)
3 製管装置
3f 装置フレーム
10 駆動部
13 駆動ローラ
21,23 係止部
30 外周条体
31 一端部
32 他端部
50 抵抗力付与部(拡縮調整機構)
52b 係着部52b
53 押し当て部53
55a 外周面55a
60 拡縮調整機構
62 張力検出部
63 アーム(拡縮作用部)
Claims (7)
- 螺旋管となるべき帯状部材における未製管の後続帯部を、製管済の先行螺旋管部の径方向に対して斜めに押し出すことによって、前記後続帯部の縁部を前記先行螺旋管部の一周先行する対向縁部と嵌合させるとともに螺旋状の巻回方向に沿って推進される製管装置であって、
前記先行螺旋管部の前記対向縁部を含む管端部の周方向の一部分上に配置される装置フレームと、
前記装置フレームに設けられ、前記後続帯部に前記斜めに押し出す力を付与する駆動部と、
前記駆動部から離れて前記装置フレームに設けられ、前記管端部に係止される係止部と、
前記管端部の外周に掛け回されて前記装置フレームに係着された非自立性の外周条体と、
前記外周条体に加わる張力に応じて、前記管端部の製管径を拡縮調整する拡縮調整機構と、を備えたことを特徴とする製管装置。 - 前記拡縮調整機構が、前記管端部に対して推進方向に沿う抵抗力を付与する抵抗力付与部を含み、前記張力に応じて前記抵抗力が増減されることを特徴とする請求項1に記載の製管装置。
- 前記抵抗力付与部が、前記張力に応じて前記径方向に変位可能かつ前記管端部に押し当て可能な押し当て部を含むことを特徴とする請求項2に記載の製管装置。
- 前記抵抗力付与部が、前記装置フレームにおける推進方向と直交する装置幅方向に沿う回転軸線のまわりに回転可能であり、かつ前記押し当て部の外周面が、前記回転軸線に対して偏芯した円筒面状であることを特徴とする請求項3に記載の製管装置。
- 前記外周条体の一端部が前記抵抗力付与部に係着されており、
前記外周条体の引っ張りによって、前記抵抗力付与部が、前記管端部との摺擦による回転方向とは逆向きに回転付勢されることを特徴とする請求項4に記載の製管装置。 - 前記拡縮調整機構が、前記張力に応じて前記装置フレームを推進方向に沿う軸線のまわりに傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の製管装置。
- 請求項1~6の何れか1項に記載の製管装置によって帯状部材から螺旋管を形成する製管方法であって、
前記製管装置の装置フレームに設けられた駆動部によって、前記帯状部材における未製管の後続帯部を、製管済の先行螺旋管部の径方向に対して斜めに押し出す工程と、
前記後続帯部の縁部を前記先行螺旋管部の一周先行する対向縁部と嵌合させる工程と、
前記装置フレームを、前記先行螺旋管部の前記対向縁部を含む管端部の螺旋状の巻回方向に沿って推進させる工程と、
前記管端部の外周に掛け回されて前記装置フレームに係着された非自立性の外周条体に加わる張力に応じて、前記管端部の製管径を拡縮調整する工程と、
を備えたことを特徴とする製管方法。
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