JP2019142181A - 帯状部材及び既設管の更生方法 - Google Patents
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Abstract
Description
SPR工法に用いるプロファイルには、強度向上のためリブが形成されている。リブの断面はT字形状になっている。また、剛性をより高くするために、鋼鉄製の補強帯材が付加されたプロファイルも知られている。補強帯材の断面は概略W字形状になっている。該補強帯材の端部がリブの掛かり部に嵌合されることによって、補強帯材がプロファイルと一体化されている。
一方、補強帯材を嵌合させたプロファイルを用いて複合管設計を行なう場合、プロファイルと裏込め材との一体化性を考慮する必要がある。例えば補強帯材がリブとリブの間に介在されることで、これらリブと補強帯材の外周側端面(既設管の内面を向く面)を結ぶように裏込め材に亀裂が走ることがないようにする必要がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、裏込め材との一体化性を確保し、複合管設計に適した補強帯材を有する帯状部材(プロファイル)を提供することを目的とする。
外周側へ開放された嵌め込み受け部を有する合成樹脂からなる主帯材と、
前記主帯材の外周側に設けられた補強帯材と、を備え、
前記補強帯材が、前記裏込め充填空間に面するアンカー作用面を有するアンカー作用部を含み、前記アンカー作用面が、内周側へ向けて傾けられるか又は内周側へ向けられていることを特徴とする。
「外周側」とは、帯状部材が更生管に製管されたとき外周ないしは径方向外側を向く側を言う。「内周側」とは、帯状部材が更生管に製管されたとき内周ないしは径方向内側を向く側を言う。
更生管と既設管との間の裏込め充填空間には裏込め材が充填される。該裏込め材にアンカー作用部のアンカー作用面が接する。曲げモーメントや振動等の外力によって裏込め材が更生管に対して相対的に外周側へ変位しようとしたときは、アンカー作用部が裏込め材に外周側から係止される。これによってアンカー効果が働き、裏込め材と帯状部材との間の界面剥離が抑えられる。この結果、既設管と裏込め材と更生管との一体化性が高まり、複合管としての性能を維持できる。
これによって、アンカー作用部と裏込め材との引っ掛かりを強固にでき、一体化性が一層高まる。
前記傾斜壁部がアンカー作用部となり、前記傾斜壁部の外側面が、内周側へ向けて傾けられるとともに裏込め充填空間に面するアンカー作用面となる。これによって、アンカー効果を発現できる。
前記胴部の一対の側壁の両方が前記傾斜壁部を有していることが、より好ましい。
前記補強帯保持部によって、補強帯材が主帯材から外れるのを防止できる。これによって、アンカー効果を確実に発現させることができる。
前記補強帯保持部は、前記胴部の内部に挿入されて前記一対の側壁の内面に押し当てられていることが好ましい。
前記主帯材には外周側へ突出するリブが形成されており、前記リブが、前記胴部の内部に挿入されて前記側壁の内面に押し当てられことで、前記補強帯保持部となっていてもよい。
これによって、胴部の中間部にクビレが出来、クビレから内周側へ向かって一対の側壁の基壁部どうしの間隔が広がるか、又はほぼ一定の間隔になる。したがって、帯状部材の製造時に、リブ等の補強帯保持部を胴部の内部に挿し入れ易くなる。ひいては、補強帯材を主帯材に嵌め込み易くなり、帯状部材の製造を容易化できる。
これによって、帯状部材の製造時に補強帯材を主帯材に一層嵌め込み易くなる。また、胴部を比較的幅広に形成でき、補強帯材の製造を容易化できる。前記一対のリブは前記補強帯保持部としての役割を担う。
<第1実施形態>
図1〜図2は、本発明の第1実施形態を示したものである。図2(a)に示すように、本発明形態の帯状部材3は、地中の老朽化した既設管1の更生材料として用いられる。更生対象の既設管1は例えば下水道管である。なお、既設管1は、下水道管に限られず、上水道管、農業用水管、水力発電用導水管、ガス管等であってもよい。該既設管1が更生されることによって複合管Mが構築されている。複合管Mにおいては、帯状部材3から製管された更生管2と既設管1とが裏込め材6を介して構造的に一体化されている。更生管2だけでなく既設管1も強度を分担している。
一対の傾斜壁部27の外周側(図1において上側)の端部どうしが、外周側板25を介して連ねられている。
補強帯材20によれば、胴部21が比較的(例えば図3等と比べて)幅広であるために、ロールフォーミング等による折り曲げ成形が容易である。
外周側板25の幅寸法ひいては胴部21の幅寸法W2(図2(b))は、好ましくはW2=5mm〜100mm程度である。
クビレ21cから内周側へ向かって一対の側壁24どうしの間隔が広がるか、又はほぼ一定の間隔になっているため、帯状部材3の製造時には、Tリブ15を胴部21の内部に挿し入れ易くなる。更にTリブ15が一対をなすことによって胴部21の内部に一層挿し入れ易くなる。これによって、帯状部材3の製造を容易化できる。
クビレ21c付近よりも外周側の胴部21ひいては傾斜壁部27が、主帯材10より外周側(図1において上側)へ突出されている。
該突出高さH(図2(b))は、好ましくはH=5mm〜60mm程度である。
肩部22と腕部23と基壁部26とによって、凹溝空間部5cが形成されている。凹溝空間部5cは、外周側へ開放され、段差空間部5bと一体に連なっている。
Tリブ15(補強帯保持部)が補強帯材20を胴部21の内側から保持することによって、補強帯材20が主帯材10から外れるのを防止できる。これによって、アンカー効果を確実に発現させることができ、一体化性能を維持できる。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の帯状部材3Bにおいては、平帯部11の幅方向の中央部にTリブ15が1つだけ設けられている。補強帯材20Bの胴部21は、第1実施形態よりも幅が小さくなっている。単一のTリブ15が、胴部21の内部に挿し入れられている。フランジ15fの両端部が一対の側壁24の内面に押し当てられている。これによって、補強帯材20Bが主帯材10から外れないように胴部21の内側から保持されている。
図4は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態の帯状部材3Cにおいては、主帯材19の平帯部11の幅方向に離れて一対のT字断面のリブ18(以下「Tリブ18」と称す)が設けられている。これらTリブ18の間に嵌め込み受け部12が形成されている。嵌め込み受け部12に補強帯材20Cが嵌め込まれている。補強帯材20Cの一対の腕部23が、Tリブ18のフランジとウエブの隅角部に係止されている。
なお、主帯材19の幅方向の一端部(図4において左端部)には雌嵌合部19aが形成されている。主帯材19の幅方向の他端部(図4において右端部)には雄嵌合部19bが形成されている。図示は省略するが、製管時には、帯状部材3Cが螺旋状に巻回されるとともに一周違いに隣接する雌嵌合部19aと雄嵌合部19bとが嵌合される。
図5は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態の帯状部材3Dにおいては、補強帯材20Dの胴部21がTリブ18よりも突出高さが低い。アンカー作用部となる側壁24Dの全体が、主帯材19の外周側の端部よりも内周側(図5において下側)に引っ込んで配置されている。
図6は、本発明の第5実施形態を示したものである。第5実施形態の帯状部材3Eにおいては、補強帯材20Eの胴部21が、一対の側壁24Eと、円形頂部28を含む。一対の側壁24Eは、外周側(図6において上側)へ向かって互いの間隔が狭くなるように傾斜されている。なお、一対の側壁24Eが直立されていてもよい。これら側壁24Eの外周側の端部(図6において上端部)間に、断面円形の円形頂部28が設けられている。円形頂部28の直径は、側壁24Eの外周側の端部どうしの間隔より大きい。
円形頂部28は、主帯材19よりも外周側(図6において上側)へ突出されている。
図7は、本発明の第6実施形態を示したものである。第6実施形態の帯状部材3Fにおいては、補強帯材20Fの一対の腕部23にそれぞれカエシ部29が設けられている。カエシ部29は、腕部23の外周側の端部(図7において上端部)から他方の腕部23へ向かって突出されている。
補強帯材20Fの一対の側壁24Fは、全体が内外方向(図7において上下)に真っ直ぐ沿う直立壁となっている。
図8は、本発明の第7実施形態を示したものである。第7実施形態の帯状部材3Gにおいては、補強帯材20Gの平坦な内周側板22Gの幅方向の中央部に、胴部に代えて、Tリブ30が設けられている。Tリブ30は、ウエブ板31とフランジ板32を有するT字鋼によって構成されている。ウエブ板31が、内周側板22Gに対して直交するようにして、内周側板22Gの外周側面(図8において上面)に突き当てられて溶接等によって接合されている。ウエブ板31の外周側の端部(図8において上端部)にフランジ板32が直交するように連なっている。
Tリブ30はTリブ18よりも突出高さが低く、アンカー作用部となるフランジ板32が、主帯材19の外周側の端部よりも内周側(図8において下側)に引っ込んで配置されている。なお、Tリブ30がTリブ18よりも外周側へ突出され、フランジ板32が、主帯材19よりも外周側(図8において上側)に配置されていてもよい。
例えば、補強部材20,20B〜20Eの胴部21などに穴が形成されていてもよい。裏込め材6が前記穴部を通して胴部21の内部(ひいては補強部材と主帯材の間の空間)に入り込み、アンカー効果が発現するようになっていてもよい。
胴部21の一対の側壁のうち一方だけにアンカー作用部が設けられていてもよい。
螺旋管を形成するための1つの帯状部材の長さは通常数十m〜数百mであるが、1つの帯状部材が数十cm〜数m程度の長さのセグメント(短帯状)であってもよい。該セグメントを複数連結してリングにし、さらにリングを複数、軸方向に並べることで更生管としてもよい。
L2 管軸
1 既設管
2 更生管
3 帯状部材
3B〜3G 帯状部材
5 裏込め充填空間
6 裏込め材
10 主帯材
12 嵌め込み受け部
15 リブ(補強帯保持部)
19 主帯材
20 補強帯材
20B〜20G 補強帯材
21 胴部
24 側壁
24C,24D 側壁(傾斜壁部、アンカー作用部)
26 基壁部
27 傾斜壁部(アンカー作用部)
27a 外側面(アンカー作用面)
28 円形頂部
28a 半部(アンカー作用部)
28b 外面(アンカー作用面)
29 カエシ部(アンカー作用部)
29a 内周側面(アンカー作用面)
30 Tリブ
32 フランジ板(アンカー作用部)
32a 内周側面(アンカー作用面)
Claims (7)
- 既設管の内周に沿って裏込め充填空間を介して製管されて更生管となる帯状部材であって、
外周側へ開放された嵌め込み受け部を有する合成樹脂からなる主帯材と、
前記主帯材の外周側に設けられた補強帯材と、を備え、
前記補強帯材が、前記裏込め充填空間に面するアンカー作用面を有するアンカー作用部を含み、前記アンカー作用面が、内周側へ向けて傾けられるか又は内周側へ向けられていることを特徴とする帯状部材。 - 前記アンカー作用部が、前記主帯材より外周側へ突出するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の帯状部材。
- 前記補強帯材が、外周側へ向けて凸形状の胴部を含み、前記胴部の一対の側壁の少なくとも1つが、外周側へ向かうにしたがって他方の側壁とは反対側へ傾斜された傾斜壁部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯状部材。
- 前記主帯材が、前記補強帯材を前記胴部の内側から保持する補強帯保持部を有していることを特徴とする請求項3に記載の帯状部材。
- 前記胴部の一対の側壁が、内周側の端部から外周側へ向かって互いに接近されるかほぼ直立された基壁部を有し、前記基壁部の外周側に前記傾斜壁部が連なっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の帯状部材。
- 前記主帯材には幅方向に互いに離れて外周側へ突出された一対のリブが形成され、これらリブが、前記胴部の内部に挿入されて前記一対の側壁の内面にそれぞれ押し当てられていることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の帯状部材。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の帯状部材を用いて、既設管の内周に沿って裏込め充填空間を介して更生管を製管することを特徴とする既設管の更生方法。
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