JP6518354B2 - 管渠用ライニング管の連結部材 - Google Patents

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本発明は、既設管の更新または新設管の二次覆工などにおいて構築される管渠用ライニング管に用いられる連結部材に関する。
従来から、地中の埋設された下水導管などの管渠を非開削で更生する工法の1つとして、管渠の内壁に新たにライニング管を設ける管渠更生工法が用いられている。この管渠更生工法では、老朽化した鉄筋コンクリート管および鋼管などの既設管の内面に、合成樹脂製の帯状部材を、該既設管の内面に巻き解きながら螺旋状に密着させ、その帯状部材の既設管の管軸方向に隣接する2つの側部同士を、合成樹脂製の連結部材によって連結して新設のライニング管が製管される。ライニング管と既設管の内面との間には、充填材が注入され、充填材によって既設管とライニング管とが一体化され、既設管の断面減少を最小限に抑えた複合管が構築される。
このような管渠更生工法で用いられる連結部材の従来技術は、たとえば特許文献1に記載されている。この従来技術では、帯状部材と、帯状部材の既設管の管軸方向に隣り合う2つの側部を連結する連結部材とによって、ライニング管が構成される。
帯状部材は、硬質塩化ビニルなどの合成樹脂の押出成形材から成る。帯状部材は、長尺帯状の帯状部材本体を有する。帯状部材本体の一方面には、その長手方向に垂直な幅方向に間隔をあけて3つのアンカ部が設けられる。帯状部材本体の両側部には、係合部および嵌合部がそれぞれ1つずつ左右対称に設けられる。これらアンカ部、係合部および嵌合部は、帯状部材本体の長手方向の全長にわたって形成される。
連結部材は、硬質塩化ビニルなどの合成樹脂の押出成形材から成る。連結部材、長尺帯状の連結部材本体を有する。連結部材本体の両側部の一方面側には、挟持部および突条がそれぞれ1つずつ左右対称に設けられる。挟持部の長手方向に垂直な断面形状は、くの字状に屈曲している。突条と挟持部との間には、連結部材本体の長手方向に沿ってシール材が装着される。連結部材本体の略中央部の一方面側には、伸縮壁部としてのフレキシブル部が形成され、フレキシブル部の両端部間には、断面が逆U字状の屈曲部が形成される。これらの挟持部、突条、フレキシブル部および屈曲部は、連結部材本体の長手方向の全長にわたって形成される。
連結部材の突条を帯状部材の嵌合部に嵌合させることによって、連結部材の挟持部の屈曲部が帯状部材の係合部に当接し、連結部材の突条および挟持部が互いに協働して帯状部材の係合部を挟持する。この状態で帯状部材の係合部は、連結部材のシール材に当接し、帯状部材と連結部材との間の水密性が確保される。
特開2012−245621号公報
上記特許文献1に記載される従来技術では、連結部材の連結部材本体は、2つ帯状部分から成り、各帯状部分がフレキシブル部と屈曲部とによって連結された構成であるので、連結部材の長手方向に垂直な断面において、屈曲部は各帯状部分が互いに離反する方向の変位は許容することができるが、各帯状部分が長手方向に沿って互いに逆方向にずれる方向への変位を許容することはできない。
連結部材は、帯状部材とともに螺旋状に巻き解かれた状態で既設管の内面に密着して接合されているので、更生後の地震および地盤の圧密沈下などによって、既設管とライニング管との複合管が湾曲または屈曲すると、複合管の管軸よりも曲率半径が小さくなる領域では、連結部材の各帯状部分が近接し、複合新設管の管軸に関して曲率半径が大きくなる領域では、連結部材の各帯状部分が離反するとともに、連結部材の周方向の長さは直線区間よりも大きくなるので、各帯状部分は長手方向にずれを生じる。
上記特許文献1に記載される従来技術では、ライニング管で用いられる連結部材は、各帯状部分が長手方向にずれる方向に対して大きな変位を許容することができない。そのため地震および地盤の圧密沈下などによってライニング管が湾曲または屈曲すると、各帯状部分が互いに長手方向にずれを生じて、屈曲部と各帯状部分との間に大きなせん断応力が発生して屈曲部が破断してしまう。屈曲部が破断すると、連結部材のフレキシブル部によってシール性は確保されるものの、屈曲部の破断によってライニング管の内面の連続性が損なわれてしまう。ライニング管の内面の連続性が損なわれた部分は、円滑な流れを阻害し、異物などが係着し易く、排水性能の低下を招来してしまうおそれがあり、管渠として好ましくない、という問題がある。
本発明の目的は、ライニング管の管軸方向および周方向のいずれの方向に対しても大きな変位を許容し、ライニング管の内面の連続性を確保することができる管渠用ライニング管の連結部材を提供することである。
本発明は、管の内面に、該管の管軸方向に螺旋状に延びる複数のループ状部分を形成する長尺の帯状部材を含む管渠用ライニング管の連結部材であって、
前記帯状部材の一側部に嵌合し、前記各ループ状部分の長手方向に延びる第1嵌合部と、
前記帯状部材の他側部に嵌合し、前記長手方向に延びる第2嵌合部と、
前記長手方向に延びる帯状の第1摺動壁部であって、前記帯状部材の一側部に隣接する端部に前記第1嵌合部が連なる第1摺動壁部と、
前記第1摺動壁部に積層され、前記長手方向に延びる帯状の第2摺動壁部であって、前記帯状部材の他側部に隣接する端部に前記第2嵌合部が連なる第2摺動壁部と、
弾性変形可能な長尺の伸縮壁部であって、前記第1嵌合部に連なる一端部および前記第2嵌合部に連なる他端部を有し、前記第1および第2摺動壁部よりも前記管の内面側で、前記一端部と前記他端部とにわたって前記長手方向に延びる伸縮壁部と、を含むことを特徴とする管渠用ライニング管の連結部材である。
また本発明は、前記伸縮壁部は、軟質の合成樹脂から成ることを特徴とする。
また本発明は、前記伸縮壁部は、その長手方向に垂直な断面が蛇腹状であることを特徴とする。
また本発明は、前記第1および第2摺動壁部は、各ループ状部分間にわたって前記管軸方向に延びる壁面を形成することを特徴とする。
本発明によれば、弾性変形可能な合成樹脂から成る帯状部材は、既設管または新設管である管の内面に密着して螺旋状に配設される。連結部材は、螺旋状に配設された帯状部材の管軸方向に隣接する2つのループ状部分を連結し、ライニング管が構築される。連結部材は、第1摺動壁部と第2摺動壁部が積層され、第1嵌合部と第2嵌合部とが伸縮性を有する伸縮壁部によって連結されるので、地震および地盤の圧密沈下などによってライニング管が湾曲または屈曲しても、第1摺動壁部と第2摺動壁部とは管軸方向および周方向へ個別に変位することができ、管軸方向に隣接する2つの帯状部材の相対変位を許容し、各帯状部材間に連結部材によって連続した内面を形成し、管渠としての排水性能の低下を防止することができる。
また本発明によれば、伸縮壁部が軟質の合成樹脂から成るので、各摺動壁部の相対変位に追従して容易に変形することができる。これによって、各嵌合部間の管軸方向および周方向の大きな相対変位に対する伸縮壁部の破損を防ぎ、シール性に対する信頼性を向上することができる。
また本発明によれば、伸縮壁部の長手方向に垂直な断面が蛇腹状であるので、各摺動壁部の相対変位に追従して容易に変形することができる。これによって、各嵌合部間の管軸方向および周方向の大きな相対変位に対する伸縮壁部の破損を防ぎ、シール性に対する信頼性を向上することができる。
また本発明によれば、第1および第2摺動壁部は、各ループ状部分間にわたって管軸方向に延びる壁面を形成するので、管軸方向に隣接する帯状部材の2つのループ状部分の間に連続した内面が形成され、これによって、管渠として内面に凹凸のない排水性能の高い流路を形成することができる。
本発明の一実施形態の管渠用ライニング管に用いられる連結部材1の構成を示す断面図である。 連結部材1が帯状部材2に装着された状態を示す断面図である。 図2のセクションIIIの拡大図である。 管渠用ライニング管5によって内面4が被覆された既設管3の一部を切欠いた断面図である。 管渠用ライニング管5の製管工程を説明するための図である。 充填材の注入工程を説明するための図である。 連結部材1が帯状部材2に装着された状態を示す本発明の他の実施形態の断面図である。 アダプタ22を示す斜視図である。 連結部材1が伸びた状態を示す断面図である。
図1は本発明の一実施形態の管渠用ライニング管5に用いられる連結部材1の構成を示す断面図であり、図2は連結部材1が帯状部材2に装着された状態を示す断面図であり、図3は図2のセクションIIIの拡大図であり、図4は管渠用ライニング管5によって内面4が被覆された既設管3の一部を切欠いた断面図である。
本実施形態の連結部材1は、弾性変形可能な合成樹脂から成り、既設管3の内面4に、既設管3の管軸L1方向に螺旋状にループ状部分2a,2bを形成する長尺の帯状部材2において、管軸L1方向に隣接する2つのループ状部分2a,2bを連結して管渠用ライニング管(以下、単に「ライニング管」と記す場合がある)5を製管するために用いられる。
弾性変形可能な合成樹脂としては、たとえば、硬質塩化ビニルまたは高密度ポリエチレンを用いることができる。本実施形態では、下水道管の更生に実施される場合、下水との接触を想定して、硬質および軟質の合成樹脂のいずれについても、質量変化度が±0.2mg/cm以下を満たす材料が用いられる。
連結部材1は、ループ状部分2aの一側部に設けられた嵌合凹部2b1に嵌合し、ループ状部分2a,2bの長手方向に延びる第1嵌合部6aと、ループ状部分2bの他側部に設けられた嵌合凹部2a1に嵌合し、ループ状部分2a,2bの長手方向に延びる第2嵌合部6bと、帯状部材2の一側部に隣接する端部に第1嵌合部6aが連なる第1摺動壁部7aと、第1摺動壁部7aに積層され、帯状部材2の他側部に隣接する端部に第2嵌合部6bが連なる第2摺動壁部7bと、第1嵌合部6aに連なる一端部8aおよび第2嵌合部6bに連なる他端部8bとにわたって図1の紙面に垂直な長手方向に延び、伸縮性を有し、弾性変形可能な長尺の伸縮壁部8と、を含む。
連結部材1の寸法を一例として述べると、ライニング管5が構築された状態で、管軸L1に平行な全体の幅B1が66mm、各摺動壁部7a,7bの幅B2はそれぞれ41.4mm、全体の厚さT1は20mm、各摺動壁部7a,7bの厚さT2はそれぞれ2mmである。
既設管3は、鉄筋コンクリート管、鋼管、鉄管などの各種の管体であって、円形断面の既設管3としては、主として口径φ800mm〜φ6000mm程度の管体を施工対象とするが、口径φ6000mmよりも大きな管体にも適用可能である。また、矩形および馬蹄形などの非円形断面の既設管3としては、主として上下方向の長さが800mm〜6000mm程度の管体を施工対象とするが、より大きな断面の既設管にも適用可能である。
第1嵌合部6aは、第1摺動壁部7aの幅方向一側部(図1の左側側部)から同一面上で一体に形成される帯状の基部10aと、基部10aから内面4側に垂直に突出する嵌合突起11aとを有する。第2嵌合部6bは、第2摺動壁部7bの幅方向一側部(図1の右側側部)に第1摺動壁部7aの厚み分だけ段差を成して連なり、第1摺動壁部7aと同一面上に形成される第2基部10bと、第2基部10bから内面4側に垂直に突出する嵌合突起11bとを有する。
各嵌合突起11a,11bは、断面が縦長の長方形の本体部12と、本体部12の厚み方向(図1の左右方向)両側の側面からそれぞれ突出する複数(本実施形態では4)の係止突部13と、本体部12の先端に一体に設けられ、軟質の合成樹脂から成る断面が略半円状のシール部14とを有する。このようなシール部14は、たとえば押出成形によって嵌合突起11a,11bの先端に一体に形成される。
各嵌合突起11a,11bの本体部12に複数の係止突部13が設けられるので、各係止突部13が嵌合凹部2a1,2b1の内面を押圧し、高い摩擦力によって連結部材1を帯状部材2から抜止めすることができる。また、本体部12の先端にシール部14が設けられるので、第1嵌合部6aが嵌合凹部2b1に嵌合するとともに第2嵌合部6bが嵌合凹部2a1に嵌合した状態でシール部14が各嵌合凹部2a1,2b1の内面に密着し、高いシール性を達成することができる。本実施形態において、高いシール性とは、内水圧が0.3MPa以上、外水圧が0.1MPa以上をいう。
第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとは、互いに対向する表面が熱融着される。このように第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとが熱融着されているので、地震時に熱融着部が剪断されて、各摺動壁部7a,7bが破損せずに分離することによって、摺動可能となり、ライニング管5の変形に対応することができる。
図5は、管渠用ライニング管5の製管工程を説明するための図であり、図6は、充填材の注入工程を説明するための図である。高圧洗浄機によって施工区間の既設管3内の洗浄を行い、既設管3内に突起物、欠損および侵入水がある場合には、必要に応じて補修が行なわれる。
こうしてライニング作業の準備ができると、図5に示すように、帯状部材2を既設管3内に引き込んで、既設管3内に螺旋状に巻き立てる。帯状部材2は、既設管3の管軸L1方向に隣接する帯状部材2との間に所定の間隔をあけて、製管機または手作業によって螺旋状に配置される。続いて、帯状部材2の間隙に連結部材1を配設し、連結部材1を帯状部材2に嵌合させる。連結部材1によって、隣り合う帯状部材2が連結される。このようにして、連結部材1および帯状部材2による連続したライニング材による筒状のライニング管5が製管される。
既設管3内に内面4を被覆するようにライニング管5が製管された後、既設管3の内面4とライニング管5との間の隙間に、高流動性および高強度の充填材が段階的に注入される。充填材注入工程は、たとえば、ライニング管5の管壁に充填材注入孔17を設け、充填材注入孔17に充填材注入ホース18を接続して充填材を既設管3の内面4とライニング管5との間の隙間に、発泡モルタルなどの充填材を圧入する。充填材注入後、充填材注入孔17は止栓され、ライニング作業が終了する。充填材が硬化することによって、既設管3とライニング管5とが一体化した複合管として、既設管3が更生される。
図7は、連結部材1が帯状部材2に装着された状態を示す本発明の他の実施形態の断面図である。また、図8は鉄筋21と帯状部材2とを接続するためのアダプタ22を示す図であり、前述の実施形態と対応する部分には同一の参照符を付す。既設管3の内面上に、鉄鋼製のセグメント20が配設されている。既設管3の内面4は、セグメント20で覆われており、既設管3を補強している。
セグメント20は、既設管3の管軸L1側に向かって突出するリブ20aと、リブ20aが周縁部に溶接によって接合され、図7の下方から見た正面視の形状が矩形の鋼板からなる外板20bとを有している。セグメント20は隣り合うセグメント20とボルト・ナットによって連結されている。リブ20aには、たとえば、呼び径D13またはφ13程度の鉄筋21が溶接されて固定されている。鉄筋21は、長手方向が既設管3の管軸L1と平行になるように配設されている。また、鉄筋21は既設管3の内壁に沿って多数配置されている。
鉄筋21にはアダプタ22が取付けられている。さらに、帯状部材2のリブ2cがアダプタ22に係合され、帯状部材2を固定することができる。アダプタ22は、合成樹脂などで構成された直方体状のブロックに、鉄筋21に取付けるための溝部22aが設けられ、また、溝部22aが設けられた反対側の面に、溝部22aの溝の方向に直交する方向に帯状部材2のリブ2cに係合するための溝部22bが設けられたものである。
溝部22aに鉄筋21を嵌め込み、溝部22bに帯状部材2のリブ2cを嵌め込んで、帯状部材2を鉄筋21に固定する。そして、前述した既設管3とライニング管5の間に充填材を充填する工程で、セグメント20とライニング管5との空間23に、発泡モルタルなどの充填材が充填される。
図9は、連結部材1が伸びた状態を示す断面図である。図7と比べて連結部材1の形状が異なっている。たとえば、既設管3の歪や、帯状部材2の施工の誤差などによって、帯状部材2と連結部材1を挟んで隣り合う帯状部材2との間隔が変化してしまう場合がある。このような場合、連結部材1の嵌合突起11aと嵌合突起11bとの幅が帯状部材2の間隔と対応するように、連結部材1を変形させる(図1を参照)。隣り合う帯状部材2の間隔が広い場合には、第1摺動壁部7aおよび第2摺動壁部7bを互いにずらし、伸縮壁部8を延ばして、連結部材1の幅が広がる方向に伸びる。このように、連結部材1の幅が広がることによって、隣り合う帯状部材2を確実に連結することができる。前述のように第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとが弱く熱融着されている場合には、第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとを互いに面方向にずらそうとする力が作用したときに、融着部分が剪断されて第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとが摺動可能となる構成としてもよい。
上述のように連結部材1の幅を広げた場合であっても、伸縮壁部8によって、ライニング管5の外側からライニング管5内へ水などの浸入を抑制できる。また、摺動壁部7a,7bが重なっており、ライニング管5の管壁に隙間が生じない構成となっているので、管内を流れる砂などが第1摺動壁部7aおよび第2摺動壁部7bと伸縮壁部8との間に流入することを抑制できる。その結果、伸縮壁部8が破損しにくくなり、ライニング管5の耐久性を高めることができる。
上述のような連結部材1と帯状部材2とからなるライニング管5は、既設管の曲線部の更新または新設管の曲線部の二次覆工用としても使用することができる。
通常、シールド工事では、一次覆工としてRC(Reinforced Concrete)セグメントまたは鋼製セグメントを使用し、一次覆工が貫通後、表面を平滑にするために、二次覆工として移動式鋼製型枠を使用して、たとえば、巻き厚25cmのコンクリートを打設する。直線部での標準打設延長は、たとえば、9.0mであり、曲線部においては、たとえば、鋼製型枠長が7.5m、6.0m、4.5m、3.0mの4種類を用いてそれぞれの曲率半径に合わせて坑内で移動式型枠の解体・組立を行ない、コンクリートを打設している。坑内での解体・組立作業はクレーンを使用することができないことから、資材の搬入・搬出に手間を要し、時間のかかる作業となっている。
近年、シールド工事では、曲率半径Rが60m以下の急曲線施工が多用されるようにあり、特に曲率半径Rが20m以下の急曲線施工の工事が増加している。急曲線部では曲線施工時に曲げ・引張応力が偏って作用しやすく、RCセグメントでは破損が生じやすくなる。また、鋼製セグメントにコンクリートを打設した合成セグメントも使用可能であるが、コストが増大するおそれがある。
また、掘削断面を小さくするために二次覆工としてコンクリートを打設する従来型に代わり、二次覆工としてコンクリートを打設しないRCセグメントである、二次覆工省略型セグメント使用した管渠が増加している。しかし、急曲線部おいては、ほとんどの工区で鋼製セグメントが使用されており、コスト増大の要因となっている。
一般的に二次覆工コンクリートの打設は次のように行われる。移動式鋼製型枠を所定の位置にセット後、打設延長250m程度であれば、地上からコンクリート配管を通じて、コンクリートポンプ車からコンクリートを圧送して打設する。打設延長が長距離の場合には、坑内に敷設した軌条設備を利用し、バッテリーロコとも呼ばれるバッテリ小型電気機関車で牽引したスクリュクリート、プレスクリートなどのコンクリートポンプを備えた生コンクリート運搬台車を用いて坑内を運搬し打設する。このような二次覆工コンクリートの打設方法は、移動型枠が一基しか使用できず、曲線施工がある場合には、型枠段取替え回数、打設回数が大幅に増えることから工期が増大するおそれがある。
そこで、コンクリートによる二次覆工に代わり、樹脂の二次覆工用ライニング材が開発されている。ライニング材を敷設する方式として、軸方向ライニング方式と周方向ライニング方式との2つの方式がある。軸方向ライニング方式は、曲線にあった板状のライニング材を軸方向に貼り付ける方式であり、真円度の高い覆工が可能であるが、曲率に合わせた多くの種類のライニング材を準備する必要があり、工事が複雑化して工期が増大するおそれがある。
それに対し、周方向ライニング方式は、帯状のライニング材を周方向に連続して螺旋状に巻き張付けしていく方式であり、使用するライニング材の種類を減らすことができる。しかしながら、曲線部では内円側と外円側の幅が異なることから曲線施工に困難性があった。このような問題は、既設管をライニング材で更新する場合にも同様の困難性がある。
たとえば、既設管3が、曲率半径の小さい急曲線の既設管である場合には、曲線部の内側の管路壁よりも外側管路壁の方が管軸L1に沿った方向の長さが長くなる。そのため、ライニング管5を構成する部材として、連結部材1と帯状部材2との合計の幅が一定であると、歪を生じ、真円度の高いライニング管を形成することができない。
そこで、連結部材1の第1摺動壁部7aおよび第2摺動壁部7bをずらせることによって、連結部材1の幅を調整し、連結部材1と帯状部材2とを隙間なく既設管3の内壁に敷設することができる。たとえば、曲線部の外側の連結部材1の幅B1を内側よりも広くなるように調整することによって、曲線部において真円度の高いライニング管5を形成することができる。
上述の連結部材1および帯状部材2を新設管の二次覆工用として、使用することができ、曲線部においては、外側の連結部材1の幅B1を内側よりも広くなるように調整することによって、真円度の高いライニング管5を形成することができる。また、ライニング部材も連結部材1および帯状部材2の2つを用いることで覆工できるので、工事を簡略化および省力化することができ、工期の短縮が可能になる。
このように、上述の実施形態に記載された連結部材1および帯状部材2からなるライニング材による筒状のライニング管5は、連結部材1の第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとが重なった構造となっていることから、曲線部において、外円側の引張力、内円側の圧縮力を、第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとをスライドさせ、連結部材1の幅B1を周方向に連続的に変化させることによって吸収し、急曲線部であっても管軸方向に平滑で連続した内面を有する管渠を構成することができる。
本実施形態によれば、弾性変形可能な合成樹脂から成る帯状部材2は、既設管3の内面4に密着して螺旋状に配設される。連結部材1は、螺旋状に配設された帯状部材2の管軸L1方向に隣接する2つのループ状部分2a,2bを連結し、ライニング管5が構築される。連結部材1は、第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとが摺動可能に積層され、第1嵌合部6aと第2嵌合部6bとが伸縮性を有する伸縮壁部8によって連結されるので、地震および地盤の圧密沈下などによってライニング管5が、湾曲または屈曲しても、第1摺動壁部7aと第2摺動壁部7bとは管軸L1方向および周方向へ個別に変位することができ、管軸L1方向に隣接する2つの帯状部材2の相対変位を許容し、各帯状部材2間に連結部材1によって連続した内面4aを形成し、管渠としての排水性能の低下を防止することができる。
また、伸縮壁部8が軟質の合成樹脂から成るので、各摺動壁部7a,7bの相対変位に追従して容易に変形することができる。これによって、各嵌合部6a,6b間の管軸L1方向および周方向の大きな相対変位に対する伸縮壁部8の破損を防ぎ、シール性に対する信頼性を向上することができる。
また、伸縮壁部8の長手方向に垂直な断面が蛇腹状であるので、各摺動壁部7a,7bの相対変位に追従して容易に変形することができる。これによって、各嵌合部6a,6b間の管軸L1方向および周方向の大きな相対変位に対する伸縮壁部8の破損を防ぎ、シール性に対する信頼性を向上することができる。
また、帯状部材2の管軸方向に隣接する2つのループ状部分2a,2bの間に連続した内面4aが形成されるように、2つのループ状部分2a,2bに連結されている。これによって、管渠として内面に凹凸のない排水性能の高い流路を形成することができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、改良等が可能である。たとえば、上述の実施の形態においては、既設管3の内面にライニング管5を配設して管渠を更生しているが、新設管の内面にライニング管5を二次覆工することもでき、本発明の管渠用ライニング管の連結部材は、新設管の二次覆工用ライニング管を構築する場合にも、前述の実施形態と同様に使用することができる。
1 連結部材
2a,2b ループ状部分
3 既設管
4 内面
5 ライニング管
6a 第1嵌合部
6b 第2嵌合部
7a 第1摺動壁部
7b 第2摺動壁部
8a 一端部
8b 他端部
8 伸縮壁部

Claims (4)

  1. 管の内面に、該管の管軸方向に螺旋状に延びる複数のループ状部分を形成する長尺の帯状部材を含む管渠用ライニング管に用いられる連結部材であって、
    前記帯状部材の一側部に嵌合し、前記各ループ状部分の長手方向に延びる第1嵌合部と、
    前記帯状部材の他側部に嵌合し、前記長手方向に延びる第2嵌合部と、
    前記長手方向に延びる帯状の第1摺動壁部であって、前記帯状部材の一側部に隣接する端部に前記第1嵌合部が連なる第1摺動壁部と、
    前記第1摺動壁部に積層され、前記長手方向に延びる帯状の第2摺動壁部であって、前記帯状部材の他側部に隣接する端部に前記第2嵌合部が連なる第2摺動壁部と、
    弾性変形可能な長尺の伸縮壁部であって、前記第1嵌合部に連なる一端部および前記第2嵌合部に連なる他端部を有し、前記第1および第2摺動壁部よりも前記管の内面側で、前記一端部と前記他端部とにわたって前記長手方向に延びる伸縮壁部と、を含むことを特徴とする管渠用ライニング管の連結部材。
  2. 前記伸縮壁部は、軟質の合成樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の管渠用ライニング管の連結部材。
  3. 前記伸縮壁部は、その長手方向に垂直な断面が蛇腹状であることを特徴とする請求項1または2に記載の管渠用ライニング管の連結部材。
  4. 前記第1および第2摺動壁部は、各ループ状部分間にわたって前記管軸方向に延びる壁面を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の管渠用ライニング管の連結部材。
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