JP7463226B2 - 既設管更生用帯状部材 - Google Patents

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Description

本発明は、老朽化した既設管を更生するための帯状部材に関し、特に既設管の内周にライニングされる螺旋管状の更生管を構成する合成樹脂製の帯状部材に関する。
老朽化した下水管などの既設管の内周に更生管をライニングして、既設管を更生する工法が知られている。更生管は、例えば合成樹脂製の帯状部材によって構成されている。(例えば特許文献1~3等参照)。
この種の帯状部材は、平坦な帯板部と、雌雄の嵌合部と、補強突出部を含む。雌嵌合部は、内周側へ開口する嵌合溝を有して帯板部の幅方向の一端部から外周側へ隆起されている。雄嵌合部は、帯板部の幅方向の他端部から外周側へ突出する嵌合凸部を有している。ここで、内周側とは、更生管となったとき、径方向内側を向く側を言う。外周側とは、更生管に製管されたとき、径方向外側を向く側を言う。
これら嵌合部の中間における帯板部から外周側へ補強突出部が突出するように設けられている。一般に、補強突出部は、T字断面の複数のリブによって構成されている。複数のリブが帯状部材の幅方向に間隔を置いて並んで設けられている(特許文献1参照)。
特許文献2の補強突出部は、円形や四角形の断面形状に形成されている。特許文献3の補強突出部は、H字状の断面形状に形成されている。
かかる帯状部材が、既設管の内周に沿って螺旋状に巻回されるとともに隣接する雌雄の嵌合部の嵌合溝及び嵌合凸部どうしが嵌合される。これによって、帯状部材から螺旋管状の更生管が形成される。
前掲特許文献1~3をはじめ、従来の帯状部材の長手方向と直交する断面における重心は、帯板部の近くに偏っている。発明者のコンピュータ解析による知見によれば、従来の帯状部材においては、全体厚さ(高さ)に対する、帯板部の底面(内周側を向く面)から重心までの距離の比率(以下「重心比率」)が、総じて40%未満であった。具体的には、特許文献1などの一般的な帯状部材の重心比率は30%程度であった。特許文献2の円形断面の補強突出部を有する帯状部材の重心比率は約35%であった。特許文献3のH字形断面の補強突出部を有する帯状部材の重心比率は約36%であった。
特開2000-313064号公報(図1) 特開2018-155280号公報(図2) 特許第3769367号公報(図1)
この種の既設管更生用の帯状部材は、製管時の曲率付与により外周側部(補強突出部の頂部付近)において引張ひずみが生じる。かかるひずみにより、更生管の短期及び長期剛性が低下する。
前述したように、従来の帯状部材においては、重心が帯板部側に偏っているために、外周側部に引張ひずみが生じやすい断面形状となっていると言える。
補強突出部の突出高さを低くして帯状部材を薄くすれば、引張ひずみが低減されるが、その場合、更生管が単体で自立管としての必要剛性を満足することが困難となる。
本発明は、かかる事情に鑑み、製管時の曲率付与によって発生する引張ひずみによる更生管の短期及び長期剛性の低下を抑制でき、かつ更生管単体で自立管としての必要剛性を満足できる既設管更生用帯状部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、既設管の内周にライニングされる螺旋管状の更生管を構成する合成樹脂からなる既設管更生用帯状部材であって、
前記更生管となったときに内周側を向く底面を有する帯板部と、
前記内周側へ開口する嵌合溝を有して、前記帯板部の幅方向の一端部から前記内周側とは反対の外周側へ隆起された第1嵌合部と、
前記帯板部の幅方向の他端部から前記外周側へ突出するように設けられ、螺旋状に巻回されたとき隣接する第1嵌合部の嵌合溝と嵌合される嵌合凸部を含む第2嵌合部と、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間における前記帯板部から前記外周側へ突出された補強突出部と、
を備え、当該帯状部材の全体厚さに対する、当該帯状部材の長手方向と直交する断面における前記底面から重心までの距離の比率(以下「重心比率」と称す)が、40%以上であることを特徴とする。
前記特徴を有する帯状部材においては、重心が前掲特許文献1~3等の従来の帯状部材よりも外周側に偏って配置されているために、製管時の曲率付与による帯状部材の外周側部分における引張ひずみが低減される。これによって、更生管の短期剛性の低下及び長期剛性の低下を抑制でき、強度復元が可能になる。前記引張ひずみを低減するために帯状部材の厚みを小さくしなくても済み、当該帯状部材からなる更生管が単体で自立管としての必要剛性を満足するようにできる。
前記重心比率が45%以上であることが好ましい。
さらに、前記重心比率は、40%以上60%以下であることが好ましく、45%以上55%以下であることがより好ましく、50%程度が一層好ましい。
これによって、帯状部材の外周側部分における引張ひずみ及び帯状部材の内周側部分における圧縮ひずみを抑制できる。
前記補強突出部が、1又は幅方向に並べられた複数の中空断面部を含むことが好ましい。
これによって、当該帯状部材からなる更生管単体による自立強度を効率的に発現できる。帯状部材の樹脂材料の所要量が削減され、コスト低減に寄与できる。かつ、単位長さ当たりの帯状部材の重さを軽くすることで施工性が向上する。
当該帯状部材からなる更生管が自立管となる所要剛性を有するようにすることで、既設管と更生管との間にモルタルなどの裏込め材を充填しなくて済み、更生施工の工期が短縮される。
本発明に係る既設管更生用帯状部材によれば、製管時に発生する引張ひずみによる更生管の短期及び長期剛性の低下を抑制でき、かつ自立管としての必要剛性を満足できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る帯状部材からなる更生管によって更生された既設管の断面図である。 図2(a)は、前記帯状部材の非嵌合モデルの断面図である。 図2(b)は、同図(a)の帯状部材の嵌合モデルを示す断面図である。 図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る帯状部材の非嵌合モデルの断面図である。 図3(b)は、同図(a)の帯状部材の嵌合モデルを示す断面図である。 図4(a)は、本発明の他の実施形態に係る帯状部材の非嵌合モデルの断面図である。 図4(b)は、同図(a)の帯状部材の嵌合モデルを示す断面図である。 図5(a)は、本発明の他の実施形態に係る帯状部材の非嵌合モデルの断面図である。 図5(b)は、同図(a)の帯状部材の嵌合モデルを示す断面図である。 図6は、比較例の解析に用いた従来公知の帯状部材の断面図である。 図7は、比較例の解析に用いた従来公知の帯状部材の断面図である。 図8は、比較例の解析に用いた従来公知の帯状部材の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、老朽化した既設管1の内周に螺旋管状の更生管9がライニングされている。これによって、既設管1が更生されている。既設管1は、例えば地中に埋設された下水管である。2つの人孔4の間の下水管ごとに更生管9が施工されている。
なお、更生対象の既設管1は、下水管に限らず、上水道管、農業用水管、水力発電用導水管、ガス管、トンネル等であってもよい。
更生管9は、既設管1の強度を借りることなく当該更生管9だけで所要の強度を担う自立管である。既設管1の内周と更生管9の外周との間の環状の管間隙間1cには、両者を強度上一体化させる裏込め材が充填されていない。なお、管間隙間1cに水が溜まるのを防止するために、管間隙間1cに間詰材(図示せず)を充填してもよい。既設管1及び更生管9の両端の管口部分どうし間には、即硬化モルタル等の管口シール8が設けられている。
更生管9は、既設管更生用帯状部材10(プロファイル)によって構成されている。帯状部材10が、既設管1の内周に沿って螺旋状に巻回されて、螺旋管からなる更生管9に製管されている。
帯状部材10の材質は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂である。帯状部材10は、合成樹脂の押出成形によって形成されている。
帯状部材10は、更生管9が自立管となるべき剛性を有している。
図2(a)に示すように、帯状部材10は、帯板部11と、第1嵌合部13と、第2嵌合部14と、補強突出部20を含み、図2(a)の紙面と直交する長手方向へ延びている。帯状部材10の長手方向と直交する断面Sは一定形状に形成されている。つまりは、帯状部材10の長手方向のどの位置でも同一の断面形状である。
帯板部11は、略一定の厚みの長尺の平板状に形成されている。帯板部11の底面11aは、平らな滑面になっている。図2(b)に示すように、底面11aは、帯状部材10が更生管9となったときに内周側へ向けられ、更生管9の内周面を構成する。
図2(a)に示すように、帯板部11の幅方向の一端部(図2(a)において左端部)に第1嵌合部13が設けられている。第1嵌合部13は、帯板部11から幅方向の外側(同図において左)へ張り出している。
第1嵌合部13は、2つ(複数)の隆起部15,16を含む。隆起部15,16は、それぞれ概略三角形状の断面に形成され、帯板部11より外周側(内周側とは反対側、図2(a)において上側)へ隆起されている。2つの隆起部15,16は、帯状部材10の幅方向(図2(a)において左右)に並んでいる。
隆起部16が、帯板部11と直接連なっている。隆起部16に嵌合溝16aが形成されている。嵌合溝16aは、隆起部16の内周側(図2(a)において下側)へ開口されている。
隆起部15は、隆起部16よりも幅方向の外側(図2(a)において左側)に配置されている。隆起部15には、内周側へ開口する嵌合溝15aが形成されている。2条(複数条)の嵌合溝15a,16aが、互いに幅方向に並んで、それぞれ帯状部材10の長手方向(図2(a)の紙面直交方向)へ延びている。
帯板部11の幅方向の他端部(図2(a)において右端部)に第2嵌合部14が設けられている。第2嵌合部14は、2つ(複数)の嵌合凸部14a,14bを含む。嵌合凸部14a,14bは、それぞれ概略矢印状の断面形状に形成され、帯板部11の前記他端部から外周側へ突出されている。2つの嵌合凸部14a,14bが、互いに幅方向に並んで、それぞれ帯状部材10の長手方向(図2(a)の紙面直交方向)へ延びている。嵌合凸部14bが、嵌合凸部14aよりも幅方向の外側(図2(a)において右側)に配置されている。
嵌合凸部14bの根元部は、くびれて、易切断部14cとなっている。
図2(b)に示すように、更生管9においては、螺旋状に巻回された帯状部材10の隣接する嵌合部13,14どうしが嵌合されている。すなわち、帯状部材10が螺旋状に巻回されたとき、嵌合凸部14aが隣接する嵌合溝15aと嵌合され、嵌合凸部14bが隣接する嵌合溝16aと嵌合される。
図2(a)に示すように、第1嵌合部13と第2嵌合部14の間における帯板部11には、補強突出部20が設けられている。補強突出部20は、帯板部11から外周側(図2(a)において上側)へ突出され、かつ帯状部材10の長手方向(同図の紙面直交方向)へ延びている。
補強突出部20は、2つ(複数)の中空断面部21,22を含む。2つの中空断面部21,22が、帯状部材10の幅方向(図2(a)において左右)に並べられている。中空断面部21が第1嵌合部13側に配置され、他の中空断面部22は第2嵌合部14側に配置されている。
各中空断面部21,22は、天板部25と、側板部26を有し、内部には中空部29が形成されることで、概略四角形の枠形断面に形成されている。中空断面部21,22の突出方向の頂部(外周部)に天板部25が配置されている。天板部25は、帯板部11と平行な板状に形成され、中空部29を挟んで帯板部11と対向している。2つの中空断面部21,22の天板部25の頂面25a(外周側を向く面)どうしは、互いに面一になっている。
側板部26は、天板部25と交差(ほぼ直交)して、帯板部11と天板部25とを連ねている。
中空断面部21,22における天板部25および側板部26の厚みは、帯板部11(中空断面部21,22の底部)の厚みとほぼ同じ(0.8倍~1.2倍程度)である。
2つの中空断面部のうち第1嵌合部13の直近の第1中空断面部21は、第1嵌合部13と一体に連なっている。第1嵌合部13における一側部が、第1中空断面部21の一部を構成している。詳しくは、隆起部のうち第1中空断面部21の直近の第1隆起部16の外周側の天端部16cが、第1中空断面部21の天板部25と一体に連なっている。第1隆起部16における補強突出部20を向く側壁部16bが、第1中空断面部21の1の側板部として提供されている。
第1隆起部16の天端部16cと、隣接する隆起部15の天端部15cとは、互いに隔てられている。
隣接する中空断面部21,22における互いに対向する側板部26,26どうしの間には、隔離溝28(隔離部)が形成されている。隔離溝28によって、隣接する中空断面部21,22どうしが隔てられている。
隔離溝28は、外周側(図2(a)において上側)へ開口され、開口部28cが形成されている。開口部28cによって、隣接する中空断面部21,22の天板部25どうしが隔てられている。
図2(b)に示すように、帯状部材10においては、全体厚さ(高さ)t10に対する重心距離Lの比率R=L/t10(以下「重心比率R」と称す)が40%以上、より好ましくは45%以上となるように構成されている。言い換えると、帯状部材10における主に補強突出部20が、R≧40%好ましくはR≧45%となるような断面形状を有している。ないしは、補強突出部20及び嵌合部13,14が、R≧40%好ましくはR≧45%となる断面形状になっている。
重心比率Rは、好ましくは40%以上60%以下であり(40%≦R≦60%)、より好ましくは45%以上55%以下であり(45%≦R≦55%)、一層好ましくは50%程度である(R≒50%)。
ここで、重心距離Lは、帯状部材10の長手方向と直交する断面Sにおける底面11aから重心(図心)Gまでの距離である。全体厚さt10は、帯状部材10の底面11aから頂面25aまでの距離に相当する。
図2(a)に示すように、重心Gは、断面Sの中立弱軸Lと中立強軸Lとの交点と一致する。製管前(嵌合部13,14どうしの嵌合前)の帯状部材10の中立弱軸Lは、第1嵌合部13へ向かって外周側(図2(a)において上側)へやや傾いている。
図2(b)に示すように、製管後すなわち嵌合部13,14どうしが嵌合された状態の帯状部材10の中立弱軸Lは、帯板部11の幅方向とほぼ平行になる。このため、重心距離Lは、底面11aから中立弱軸Lまでの距離と言い換えることができる。
なお、図2(b)は、帯状部材10を幅方向の中間の任意の位置で2つに切断して、嵌合部13,14どうしを嵌合させた嵌合断面モデルである。図2(b)に示す点G’は、同図における図心である。
かかる嵌合断面モデルの厚み方向(高さ方向)の面積分布は切断位置に依らず一定であるから、嵌合断面モデルの重心距離L(底面11aから図心G’までの図心距離と等価)が切断位置によって変動することはなく、非嵌合断面モデルの重心距離と嵌合断面モデルの重心距離(図心距離)とは、ほぼ一致する。したがって、重心比率Rは、いずれの断面モデルを適用してもよい。なお、厳密には、嵌合によって断面変形が起きるために、図2(b)の嵌合断面モデルの重心距離Lが図2(a)の非嵌合断面モデルの重心距離Lに対して変位するが、その変位はわずかであり、重心比率に換算すると無視し得る程度に小さい。
しかも、帯状部材10においては中空断面部21,22を有しているために、嵌合による断面変形を十分に抑制できる。特に、第1中空断面部21が第1隆起部16と一体に連なることによって、嵌合による嵌合部13,14どうしの断面変形を確実に抑制できる。したがって、嵌合による重心距離Lの変位を一層僅少にできる。
図1に示すように、帯状部材10は、既設管1の内周に沿って螺旋状に巻回されて、隣接する嵌合溝15a,16a及び嵌合凸部14a,14bどうしが嵌合される。これによって、螺旋管状の更生管9が製管される。製管は製管機(図示せず)を用いて行なわれる。
その後さらに嵌合凸部14bを易切断部14cで切断し、更生管9の一端部を捩じって嵌合部13,14どうしを滑らせて、更生管9を拡径(エキスパンド製管)させてもよい。
かかる構成の帯状部材10においては、重心比率Rが前掲特許文献1~3等よりも大きく、重心Gないしは図心G’が前掲特許文献1~3等よりも外周側に偏って配置されているために、帯状部材10の外周側部分における引張ひずみが低減される。帯状部材10の重心比率Rが好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下になるように、補強突出部20の断面形状が構成されることによって、帯状部材10の内周側部分における圧縮ひずみが増大するのを回避できる。理想的には重心比率Rを50%程度とすることによって、外周側部分で発生する最大引張ひずみ及び内周側部分で発生する最大圧縮ひずみを最小にできる。
これによって、更生管9の短期剛性の低下及び長期剛性の低下を抑制でき、強度復元が可能になる。前記外周側部分における引張ひずみを低減するために帯状部材10の厚みを小さくしなくても済み、帯状部材10の厚みt10を十分に大きくすることで、当該帯状部材10からなる更生管9が単体で自立管としての必要剛性を満足するようにできる。
要するに、帯状部材10によれば、更生管9の自立管としての必要剛性を満足しながら、更生管9の短期及び長期剛性の低下を抑制できる。
さらに、補強突出部20を複数の中空断面部21,22によって構成することで、帯状部材10単体ひいては更生管9単体による自立強度を効率的に発現できる。したがって、帯状部材10の樹脂材料の所要量を削減でき、コスト低減に寄与できる。かつ、単位長さ当たりの帯状部材10の重さを軽くすることで施工性を向上できる。
更生管9を自立管とすることで、既設管1と更生管9との間にモルタルなどの裏込め材を充填しなくて済み、更生施工の工期を短縮できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を適宜省略する。
図3(a)及び同図(b)に示すように、第2実施形態の帯状部材10においては、補強突出部20が3つの中空断面部21,22,23を有している。3つの中空断面部21,22,23は、帯状部材10の幅方向に並んで配置されている。各中空断面部21,22,23は縦長の断面になっている。すなわち、各中空断面部21,22,23における天板部25と帯板部11とを結ぶ高さ(厚み方向の寸法)は、当該中空断面部21,22,23における幅方向の寸法より大きい。
第2実施形態の帯状部材10においても、重心比率Rが40%以上、より好ましくは45%以上、ないしは好ましくは40%以上60%以下、より好ましくは45%以上55%以下となっている。
隣接する2つの中空断面部どうしの間に隔離溝28が形成されている点は、第1実施形態(図2)と同様である。第1中空断面部21が第1嵌合部13と一体に連なり、第1隆起部16の側壁部16bが第1中空断面部21の一部として提供されている点についても、第1実施形態(図2)と同様である。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、補強突出部20の中空断面部の数は、2つまたは3つに限らず、1つだけであってもよく、4つ以上であってもよい。
さらに補強突出部の断面形状は、前記重心比率Rを満たす範囲で、既設管1の口径などに応じて所要剛性等が発現されるよう、適宜変更可能である(図4~図5参照)。補強突出部の中空断面部の形状は、概略四角形に限らず、円形であってもよく、四角形以外の多角形等であってもよい。
第1嵌合部13が、嵌合溝だけでなく嵌合凸部をも有していてもよく、第2嵌合部14が、嵌合凸部だけでなく、前記第1嵌合部13の嵌合凸部が嵌まる嵌合溝をも有していてもよい。
実施例を説明する。本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
発明者は、図2~図5の各断面モデルに関して、コンピュータ解析を行った。
図2(a)及び同図(b)に示す断面形状の帯状部材10は、口径450mmφの既設管1用とし、全体厚さはt10=18.6mmとした。
図3(a)及び同図(b)に示す断面形状の帯状部材10は、口径500mmφの既設管1用とし、全体厚さはt10=20.9mmとした。
図4(a)及び同図(b)に示す断面形状の帯状部材10は、口径600mmφの既設管1用とし、全体厚さはt10=25.4mmとした。
図5(a)及び同図(b)に示す断面形状の帯状部材10は、口径700mmφの既設管1用とし、全体厚さはt10=30.1mmとした。
各断面形状について、重心距離(図心距離)L、重心比率R、帯状部材10の外周部すなわち頂面25a付近における引張ひずみを求めた。解析結果を表1に示す。
Figure 0007463226000001
[比較例]
図6~図8に示すように、比較例として従来型の既設管更生用帯状部材(プロファイル)の断面モデルについて、実施例と同様に、コンピュータ解析によって、重心距離(図心距離)、重心比率、帯状部材の外周部(補強リブの先端部)における引張ひずみを求めた。
図6の断面モデルは、SEKISUI RIB LOC AUSTRALIA PTY.LTD製プロファイルSPR-EX(126-30)である。
図7の断面モデルは、同社製プロファイルSPR-EX(126-20)である。
図8の断面モデルは、同社製プロファイルSPR-EX(56-7)である。
解析結果を表2に示す。
本発明形態の帯状部材10によれば、重心比率Rが40%以上になるように構成されることによって、外周部でのひずみを低減できることが確認された。
Figure 0007463226000002
本発明は、例えば老朽化した下水道管などの既設埋設管の更生技術に適用できる。
1 既設管
9 更生管
10 既設管更生用帯状部材(プロファイル)
11 帯板部
11a 底面
13 第1嵌合部
14 第2嵌合部
14a 嵌合凸部
14b 嵌合凸部
14c 易切断部
15 隆起部
15a 嵌合溝
15c 天端部
16 隆起部(第1隆起部)
16a 嵌合溝
16b 側壁部
16c 天端部
20 補強突出部
21 第1中空断面部
22 中空断面部
25 天板部
25a 頂面
26 側板部
28 隔離溝(隔離部)
28c 開口部
29 中空部
G 重心(図心)
G’ 図心
重心距離(図心距離)
中立弱軸
中立強軸
重心比率
S 断面
10 全体厚さ

Claims (6)

  1. 既設管の内周にライニングされる螺旋管状の更生管を構成する合成樹脂からなる既設管更生用帯状部材であって、
    前記更生管となったときに内周側を向く底面を有する帯板部と、
    前記内周側へ開口する嵌合溝を有して、前記帯板部の幅方向の一端部から前記内周側とは反対の外周側へ隆起された第1嵌合部と、
    前記帯板部の幅方向の他端部から前記外周側へ突出するように設けられ、螺旋状に巻回されたとき隣接する第1嵌合部の嵌合溝と嵌合される嵌合凸部を含む第2嵌合部と、
    前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間における前記帯板部から前記外周側へ突出され、前記外周側を向く頂面を有する補強突出部と、
    を備え、当該帯状部材の前記底面から前記頂面までの距離である全体厚さに対する、当該帯状部材の長手方向と直交する断面における前記底面から重心までの距離の比率(以下「重心比率」と称す)が、40%以上であることを特徴とする帯状部材。
  2. 前記重心比率が45%以上であることを特徴とする請求項1に記載の帯状部材。
  3. 前記重心比率が40%以上60%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯状部材。
  4. 前記重心比率が45%以上55%以下であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の帯状部材。
  5. 前記補強突出部が、1又は幅方向に並べられた複数の中空断面部を含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の帯状部材。
  6. 前記更生管が自立管となる所要剛性を有することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の帯状部材。
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