JP6595543B2 - パーキングブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、手動操作によって制動力を発生するパーキングブレーキ装置に関するものである。
手動操作によって操作レバーを起倒して制動力を発生し、車両の駐車状態を保持するパーキングブレーキ装置について、操作レバーを揺動可能に支持する台座には、様々な構成の物が従来から提案されている。
たとえば、特許文献1の台座では、対向配置された一対の板材と、一対の板材の間に狭持される補強部材とを備えている。そして、このような構成とすることで、板材の薄板化を図ることができ、高剛性と軽量化を両立させている。
特開2014−213696号公報
ところで、一対の板材に狭持される補強部材は、複数の部品で構成した場合、部品の継ぎ目部分で台座の剛性が低下するため、1つの部品で構成されることが求められる。
しかしながら、1つの部品で補強部材を構成した場合、補強部材は、板状部材の形状に倣った形状となるため、形状によっては歩留まりが悪化するという問題を抱えている。
本発明は、前述の点に鑑みてなされたものであり、歩留まりが高く、剛性の高い台座を備えたパーキングブレーキ装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係るパーキングブレーキ装置は、操作ケーブルの一端が連結された操作レバーを支持する構造本体と、該構造本体から延在し、先端が車体に固定される複数の構造脚部と、を有する構造材を備え、該構造脚部の少なくとも1つは、該操作ケーブルに対して所定の間隔を開けつつ、該構造本体と向かい合わせに折り返されたことを特徴とする。
本発明によれば、歩留まりが高く、剛性の高い台座を備えたパーキングブレーキ装置を提供することができる。
本実施形態のパーキングブレーキ装置に係るブレーキ操作部を示す側面図である。 図1における台座を示す概要図である。 図1における台座を示す背面図である。 母材から構造材を打ち抜くパターンを示す概要図である。 打ち抜かれた構造材を成形する手順を示す斜視図である。 第1の別態様の台座を示す背面図である。 第2の別態様の台座を示す背面図である。 第3の別態様の台座を示す概要図である。 従来の一般的な台座を示す背面図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示すように、本実施形態のパーキングブレーキ装置1は、台座10、操作レバー20、およびラチェット機構30を備えている。また、本実施形態のパーキングブレーキ装置1は、ブレーキ操作部として、運転席と助手席との間に位置するフロアトンネル(図示せず)上に設置されている。
台座10は、図1〜図3に示すように、フロアトンネルに固定される部位であるとともに、操作レバー20を運転席と助手席とを左右に分ける面に沿って、上下方向に揺動操作可能に支持している。そして、台座10は、構造材11と、台座ケース15とを備えている。
構造材11は、台座10の強度部材として、台座ケース15の内部に収容されている。また、構造材11は、構造本体12と、一対の構造脚部13を備えている。そして、構造材11は、図4に示すように、長尺な板状の母材Bから所定の形状に打ち抜かれた部材で構成されている。
構造本体12は、板面が車幅方向に面しつつ、車両前後方向に沿って延在するように配置される。また、構造本体12における車両前後方向の中央部には、支持孔H10bが板厚方向(車幅方向)に開口している。
支持孔H10bは、構造本体12と台座ケース15とを連通しつつ、開口している。そして、支持孔H10bには、操作レバー20を回動可能に支持する支持軸21が貫通する。
一対の構造脚部13は、前側構造脚部13F、後側構造脚部13Rで構成されている。
前側構造脚部13Fは、構造本体12の前側を車体に支持する部位として、構造本体12の前端部下縁12aから下方へ略L字状に延設されている。そして、前側構造脚部13Fは、その先端部に車体固定部としての前側設置片14Fが設けられている。
前側設置片14Fは、フロアトンネルの上面に面するように、前側構造脚部13Fの板面に対して車幅方向に折曲げられるとともに、前側設置孔H14Fが開口している。
前側設置孔H14Fには、締結手段としてのボルト51が挿通し、ナット52をボルト51に螺着することで、前側構造脚部13Fが車体に固定される(図3参照)。
後側構造脚部13Rは、構造本体12の後側を車体に支持する部位として、構造本体12の後端部上縁12bから上方に延設されている。
つまり、後側構造脚部13Rは、構造本体12から離れるに従って、前側構造脚部13Fから離間するように延設されている。
また、図3、図5に示すように、後側構造脚部13Rが構造本体12の板面に対して180度折り返されている。これにより、構造材11は、後側構造脚部13Rと構造本体12とで断面略U字形状を呈している。
そして、後側構造脚部13Rは、構造本体12の板面に対して180度折り返されて、構造本体12に対して下方に延在することで、構造本体12を支持する脚部として機能する。
なお、図3では、構造材11の構成を理解し易くするため、台座ケースを省略して図示している。
後側構造脚部13Rは、その先端部に車体固定部としての後側設置片14Rが設けられている。
後側設置片14Rは、後側構造脚部13Rが断面略U字形状に、180度折り返された状態で、フロアトンネルの上面に面するように、後側構造脚部13Rの板面に対して車幅方向に折曲げられるとともに、後側設置孔H14Rが開口している。
後側設置孔H14Rには、締結手段としてのボルト51が挿通し、ナット52をボルト51に螺着することで、後側構造脚部13Rが車体に固定される。
つまり、一対の構造脚部13について言い換えると、後側構造脚部13Rを折り返す前の状態では、一対の構造脚部13(前側構造脚部13Fと後側構造脚部13R)は、構造本体12から離れるに従って、互いに離間するように延在している。
次に台座ケース15について説明する。
台座ケース15は、左右に分割されつつ、対向配置される一対のケース部材16で構成されている。また、一対のケース部材16は、それぞれが平板状の板材からなり、ケース本体17とケース設置片18とを備えている。
ケース本体17は、相手側のケース部材16に向かって縁壁19が立設している。
台座ケース15は、一対のケース部材16が対向配置されることで、内部に収容空間を有する外殻形状を形成している。そして、形成される収容空間内に、構造材11が収容される。
構造本体12と一対のケース部材16とには、これら3部材を連通する台座連結孔H10aが複数開口している。
各台座連結孔H10aには、円筒状のカシメカラー40が挿通される。そして、カシメカラー40の筒端を拡げ、はとめ状にかしめることで、カシメカラー40は、構造本体12と一対のケース部材16との位置決めを行いつつ、一体に固定している。
次に、操作レバー20について説明する。
操作レバー20は、車両前後方向に沿って配置され、後端側が支持軸21を介して台座10に支持されている。また、操作レバー20は、その前端側に、操作者がブレーキ操作する際に把持する把持部22が設定されている。
把持部22が、揺動範囲上方に設定された制動位置に位置した状態で、パーキングブレーキ装置1は制動状態となる。また、把持部22が、揺動範囲下方に設定された制動解除位置に位置した状態で、パーキングブレーキ装置1は制動解除状態となる。
次に、ラチェット機構30について説明する。
ラチェット機構30は、構造本体12と操作レバー20との間に設置されている。ラチェット機構30は、引き起こし操作によって、制動位置に移動した操作レバー20を、制動位置に保持するとともに、解除ボタン33のロック解除操作によって、操作レバー20の制動位置から制動解除位置への移動を可能にする。このようなラチェット機構30は、ラチェットギア31と、ラチェット爪32とを備えている。
ラチェットギア31は、構造本体12の前端部、且つ前側構造脚部13Fの上方に設置されており、支持孔H10bを中心とする円弧面上に連続する複数の噛合歯で構成されている。
ラチェット爪32は、操作レバー20に設置されている。ラチェット爪32は、ばねなどの付勢手段(図示せず)によって、ラチェットギア31の歯先に向かって(噛合解除側から噛合側へ)付勢されている。
制動解除位置側から制動位置側への操作は、ラチェット爪32はラチェットギア31に噛合せずに、ラチェットギア31の歯先をなぞりつつ、移動する。これによって、操作レバー20は、引き起こし操作による制動位置側への移動が可能となっている。
制動位置側から制動解除位置側への操作は、付勢手段(図示せず)の付勢力によって、ラチェット爪32とラチェットギア31が噛合し、ラチェット爪32の移動が規制される。これによって、操作レバー20が制動位置に保持される。
ラチェット爪32とラチェットギア31とが噛合した状態で、付勢手段(図示せず)の付勢力に抗しつつ、解除ボタン33を押操作すると、ラチェット爪32が回動して、ラチェットギア31から離間し、噛合が解除される。これによって、操作レバー20は、制動位置側から制動解除位置側への移動が可能になる。
次に、本実施形態に係るパーキングブレーキ装置1の作用効果について説明する。
本実施形態では、一方の構造脚部13としての後側構造脚部13Rが、構造本体12の板面に対して向かい合わせに180度折り返されている。
このような構成とすることで、剛性の低下を引き起こす分割を行うことなく、歩留まりの良い構造材11を構成することができる。つまり、剛性と歩留まりを両立した台座10を構成することができる。
なお、図9に示すように、従来の歩留まりの悪い形態の構造材111を製造する工程には、母材から打ち抜かれた後に、構造本体112と後側構造脚部113Rとの間に必要な間隔を設けるための工程が含まれている。本実施形態では、このような加工工程の代わりに、向かい合わせに180度折り返す工程が行われる。
つまり、従来の構造材111と比較して、加工に要する工程数を増やさずに、本実施形態の構成を実現している。
また、本実施形態では、後側構造脚部13Rが、構造本体12の板面に対して向かい合わせに180度折り返されることで、構造材11は、後側構造脚部13Rと構造本体12とで断面略U字形状を呈している。
このような構成とすることで、構造本体12と後側構造脚部13Rとの間の間隔を、最低限必要な寸法に確保しつつ、最小とすることができる。
これによって、後側構造脚部13Rをより短くできるため、構造材11が打ち抜かれる母材Bをより小さな板材とすることができるとともに、台座10の外形寸法をより小さくすることができる。
また、本実施形態では、一対の構造脚部13としての前側構造脚部13Fと後側構造脚部13Rとが、構造本体12から離れるに従って、互いに離間するように延在している。
これによって、図4に示すように、母材Bから構造材11を打ち抜く際に、構造材11同士の間隔を狭めることができるため、歩留まりをさらに向上することができる。
なお、本実施形態では、構造脚部13が前後に1本ずつ設定されているが、このような構成に限定されるものではない。
たとえば、支持孔H10bより車体前方側に位置する構造本体12に脚部を1本追加し、板面に対して180度折り返す構成とすることも可能であり、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本実施形態における構造材11の第1の別態様について説明する。
図6に示すように、上記実施形態と本態様の構造材11との大きく異なる構成は、前側構造脚部13FAの構成である。
本態様の前側構造脚部13FAは、上記実施形態の前側構造脚部13Fよりも幅広に設定されている。
このような構成とすることにより、前側構造脚部13FAが剛性を高まり、台座10全体の剛性を高めることができる。
次に、本実施形態における構造材11の第2の別態様について説明する。
本実施形態では、構造材11が、後側構造脚部13Rと構造本体12とで、断面略U字形状を呈しているが、このような形態に限定されるものではない。
たとえば、図7に示すように、後側構造脚部13RBと構造本体12とで断面略コ字形状を呈する形態とすることも可能である。そして、このような形態は、本実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、構造本体12の板面から車幅方向に間隔Lを空けて締結点50(後側設置孔H14R)を設定したい場合に、より好適である。
また、図8に示すように、後側構造脚部13RCを、構造本体12の板面に対して、向かい合わせに約150度折り返し、断面略V字形状を呈する形態とすることも可能である(第3の別態様)。そして、このような形態とした場合でも、本実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、断面略コ字形状に折り返す形態よりも重量増加が抑制できるため、さらに好適である。
なお、本実施形態のパーキングブレーキ装置1は、ブレーキ操作部として、運転席と助手席との間に位置するフロアトンネル(図示せず)上に設置されているが、このような形態に限定されるものではない。
たとえば、ブレーキ操作部として、ステアリングハンドル(図示せず)の横に設置され、運転者がブレーキ操作部を手前に引っぱる形態の台座についても適用が可能であり、同様の作用効果が得られる。
1 パーキングブレーキ装置
11 構造材
12 構造本体
12a 前端部下縁
12b 後端部上縁
13 構造脚部
20 操作レバー

Claims (4)

  1. 操作ケーブルの一端が連結された操作レバーを支持する構造本体と、
    該構造本体から延在し、先端が車体に固定される複数の構造脚部と、
    を有する構造材を備え、
    該構造脚部の少なくとも1つは、該操作ケーブルに対して所定の間隔を開けつつ、該構造本体と向かい合わせに折り返された
    ことを特徴とするパーキングブレーキ装置。
  2. 前記構造本体と向かい合わせに折り返された前記構造脚部の少なくとも1つは、
    該構造本体の板面に対して180度折り返された
    ことを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキ装置。
  3. 該構造材は、
    前記構造本体と向かい合わせに折り返された前記構造脚部の少なくとも1つと前記構造本体とで断面略U字形状を呈する
    ことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載のパーキングブレーキ装置。
  4. 前記複数の構造脚部のうち2つについて、
    折り返す前の状態では、前記構造本体から離れるに従って、互いに離間するように延在する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパーキングブレーキ装置。
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