JP2010218184A - 車両の操作ペダル支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両衝突時の操作ペダルの後退を確実に抑制することができ、衝突後も操作ペダルを使用することができるとともに、操作ペダル周辺に広いスペースを確保することができる車両の操作ペダル支持構造を提供すること。
【解決手段】ペダルブラケット3にペダルアーム1の上部を第1支軸4によって回動可能に軸支し、車体部材19に固定されたアイドラレバーブラケット21にアイドラレバー22を第2支軸23によって回動可能に軸支し、ペダルブラケット3にレバー7を第3支軸(第1支軸4)によって回動可能に軸支し、第1支軸4の車両後方側に第2支軸23を配置するとともに、アイドラレバー22の一端とペダルアーム2の上端部とを第1リンク33によって連結するとともに、アイドラレバー22の他端とレバー7の一端とを第2リンク38によって連結し、レバー7の他端をプッシュロッド43に連結する。
【選択図】図1
【解決手段】ペダルブラケット3にペダルアーム1の上部を第1支軸4によって回動可能に軸支し、車体部材19に固定されたアイドラレバーブラケット21にアイドラレバー22を第2支軸23によって回動可能に軸支し、ペダルブラケット3にレバー7を第3支軸(第1支軸4)によって回動可能に軸支し、第1支軸4の車両後方側に第2支軸23を配置するとともに、アイドラレバー22の一端とペダルアーム2の上端部とを第1リンク33によって連結するとともに、アイドラレバー22の他端とレバー7の一端とを第2リンク38によって連結し、レバー7の他端をプッシュロッド43に連結する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両衝突時の操作ペダルの後退動を抑制するようにした車両の操作ペダル支持構造に関するものである。
車両の運転席にはブレーキペダルやクラッチペダル等の操作ペダルが設けられているが、図7にブレーキペダルの支持構造の従来例を示す。
即ち、図7はブレーキペダル支持構造の従来例を示す側断面図であり、ブレーキペダル101は、その上端部がペダルブラケット103にペダル軸104によって揺動可能に軸支されており、ペダルブラケット103は、エンジンルームS1と車室S2とを仕切るように設けられたダッシュパネル105に取り付けられている。そして、ダッシュパネル105には、エンジンルームS1内に配設されたブレーキブースタ106がペダルブラケット103との共締めによって取り付けられており、該ブレーキブースタ106から車室S2内に延びるプッシュロッド107の先端はブレーキペダル101の中間部に連結されている。
斯かる支持構造を備えた車両が前面衝突等によって車体前方から衝撃荷重を受けると、図8に示すように、エンジンルームS1内に配設されたエンジンEが車両後方(図示矢印方向)に移動し、該エンジンEによってブレーキブースタ106が車両後方に押される可能性があり、更に場合によっては、ダッシュパネル105が変形するとともに、ブレーキブースタ106のプッシュロッド107に連結されたブレーキペダル101がペダル軸104を中心として図8に鎖線にて示す位置からに実線にて示す位置まで矢印方向(時計方向)に回動する虞がある。
そこで、車両が前面衝突等によって前方から衝撃荷重を受けた場合にブレーキペダルの後退を制限するためのペダル後退抑制機構が装備されており、このペダル後退抑制機構については従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、ペダルブラケットのペダルアームを支持するペダルシャフト付近にビードを設け、車両の前面衝突時にペダルブラケットに作用する衝撃荷重によってビードが潰れることによってペダルブラケット及びこれに軸支されたペダルアームの後退を抑制する構成が提案されている。
又、特許文献2には、ブレーキペダルの中間部を車体構成要素としてのステアリングコラムに軸支し、車両の前面衝突時にダッシュパネルが前方から加わる大きな衝撃荷重によって変形すると、このダッシュパネルによってブレーキペダルの上端部(ステアリングコラムへの軸支点よりも上方の部位)が車両後方に押されてブレーキペダルが全体的に車両前方に引き込まれるようにした構成が提案されている。
更に、特許文献3には、ペダルアームの中間部を第1支持軸によってペダルブラケットに回動可能に軸支するとともに、車幅方向にオフセットされた2つの伝達用アームを第2支持軸によってペダルブラケットに回動可能に軸支し、一方の伝達用アームの端部を連結リンクによって前記ペダルアームの上端に連結し、他方の伝達用アームの端部を踏力伝達部材を介してマスターバック(倍力装置)のプッシュロッドに連結する構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1において提案された構成においては、ペダルブラケットに所要の強度と剛性を確保しつつ、車両衝突時にビードが確実に潰れるようにペダルブラケットを設計することは実際には困難である。又、ペダルアームとその上端にリンクを介して連結されたプッシュロッドレバーが車両前後方向に縦列に配置されているため、ダッシュパネルとペダルブラケットとの間に大きなスペースを確保するか、或いはプッシュロッドに特別短いものを使用する必要があり、レイアウト上の設計が難しいという問題がある。
又、特許文献2において提案された構成では、ブレーキペダルの中間部をステアリングコラムに軸支し、車両衝突時に変形するダッシュパネルがブレーキペダルの上部に確実に当接するためには、プレーキペダルを大きく屈曲した形状にする必要があり、ブレーキペダル周辺に大きなスペースを確保する必要があるという問題がある。
更に、特許文献3において提案された構成は、2つの伝達用アームを車幅方向にオフセットすることによって第2支持軸の下方に比較的大きな余剰スペースを確保すること、ブレーキペダルのペダルストロークに対するレバー比特性を適当に設定することによって優れた操作性を実現すること等を目的としたものであって、車両衝突時のブレーキペダルの後退を抑制する機能は有しておらず、車両衝突時には逆にブレーキペダルの後退を促進してしまうという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、車両衝突時の操作ペダルの後退を確実に抑制することができ、衝突後も操作ペダルを使用することができるとともに、操作ペダル周辺に広いスペースを確保することができる車両の操作ペダル支持構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルのペダルアームの上端部を第1支軸によって回動可能に軸支し、
前記ダッシュパネルの車両後方側に配された車体部材に固定されたアイドラレバーブラケットにアイドラレバーを第2支軸によって回動可能に軸支し、
前記ペダルブラケットにレバーを第3支軸によって回動可能に軸支し、
前記第1支軸の車両後方側に前記第2支軸を配置するとともに、該第2支軸の車両前方側に前記第3支軸を配置し、
前記アイドラレバーの一端と前記ペダルアームの上部とを第1リンクによって連結するとともに、アイドラレバーの他端と前記レバーの一端とを第2リンクによって連結し、レバーの他端をプッシュロッドに連結し、
前記ペダルアーム下端のペダルに加えられる乗員の踏力を前記ペダルアーム、前記第1リンク、前記アイドラレバー、前記第2リンク及び前記レバーを介して前記プッシュロッドに伝達するよう構成したことを特徴とする。
ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルのペダルアームの上端部を第1支軸によって回動可能に軸支し、
前記ダッシュパネルの車両後方側に配された車体部材に固定されたアイドラレバーブラケットにアイドラレバーを第2支軸によって回動可能に軸支し、
前記ペダルブラケットにレバーを第3支軸によって回動可能に軸支し、
前記第1支軸の車両後方側に前記第2支軸を配置するとともに、該第2支軸の車両前方側に前記第3支軸を配置し、
前記アイドラレバーの一端と前記ペダルアームの上部とを第1リンクによって連結するとともに、アイドラレバーの他端と前記レバーの一端とを第2リンクによって連結し、レバーの他端をプッシュロッドに連結し、
前記ペダルアーム下端のペダルに加えられる乗員の踏力を前記ペダルアーム、前記第1リンク、前記アイドラレバー、前記第2リンク及び前記レバーを介して前記プッシュロッドに伝達するよう構成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アイドラレバーブラケットの下端部を前記ペダルブラケットの後部に連結したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第1支軸と前記第3支軸を同軸上に配置し、単一の支軸によって前記ペダルアームと前記レバーを前記ペダルブラケットに軸支したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、操作ペダルのペダルアームの上端部をダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに第1支軸によって軸支し、アイドラレバーをダッシュパネルとは別部材である車体部材(車両衝突時の変形量がダッシュパネルのそれに比して小さい部材)に固定されたアイドラレバーブラケットに第2支軸によって軸支したため、車両衝突時に第1支軸が第2支軸に近づいて両者間の距離が短縮する。このように第1支軸が第2支軸に近づくと、第2リンクによってアイドラレバーが押されて第2支軸を中心として回動し、該アイドラレバーが第1リンクを押してペダルアームを第1支軸を中心としてその下端のペダルが乗員から離れる方向(車両前方側)に回動させるため、車両衝突時に操作ペダルの特に下半部の後退が抑制される。そして、このような構成によれば、車両衝突後にも操作ペダルの操作が可能であるため、軽衝突時に車両を移動させる際等に便利である。
又、第1支軸の車両後方側に第2支軸を配置したため、操作ペダルとダッシュパネルの間にアイドラレバーを配置する必要がなく、第1支軸をダッシュパネルの近傍に配置することによって車室内の乗員の足元に広いスペースを確保することができる。
更に、アイドラレバーとレバーの各軸支位置(第2支軸と第3支軸の位置)と第1及び第2リンクとの連結位置の関係を適宜選択することによってレバー・リンク機構のレバー比を容易に調整することができ、所望の操作特性を得ることができる。そして、各連結箇所におけるレバーとリンクの挟角を適当に設定することによって、操作ペダルのストローク(踏み込み量)によってレバー比が変化する可変レバー比を実現することもできる。
請求項2記載の発明によれば、アイドラレバーブラケットの下端部をペダルブラケットの後部に連結したため、レバー・リンク機構を車両に搭載する前にそのレバー比や支軸の位置関係等を予め調整することができ、又、このレバー・リンク機構を備えた操作ペダルをユニットとして車両に組み付けることができるために組付作業性が高められる。
又、アイドラレバーブラケットの下端部をペダルブラケットの後部に連結することによってアイドラレバーブラケットの取付剛性が高められるとともに、アイドラレバーの第2支軸をペダルブラケットとの連結箇所よりも車体部材(車両衝突時の変形量がダッシュパネルのそれに比して小さい部材)の近くに配置することができ、車両衝突時の第1支軸と第2支軸間の距離の短縮に対するアイドラレバーの影響を小さく抑えることができる。
更に、ペダルブラケットの剛性もアイドラレバーブラケットによって高められるため、操作ペダルを操作したときの剛性感が高められて商品性の向上が図られる。
請求項3記載の発明によれば、第1支軸と第3支軸を同軸上に配置し、単一の支軸によってペダルアームとレバーをペダルブラケットに軸支したため、ペダルブラケットの軸支部の構成が簡単化し、ペダルブラケットの形状を単純化して生産性を高めることができるとともに、部品点数の削減とコストダウン、組付性の向上等を図ることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本実施の形態は本発明をブレーキペダルの支持構造に適用したものであって、図1はブレーキペダル支持構造を示す側面図、図2は同ブレーキペダル支持構造の部分斜視図、図3は同ブレーキペダル支持構造の分解斜視図、図4はブレーキペダルの通常時の動作説明図、図5は車両衝突時のブレーキペダルの状態を示す側面図、図6は車両衝突時のブレーキペダルの動作説明図である。
図1に示すように、ブレーキペダル1は、そのペダルアーム2の上端部がペダルブラケット3に第1支軸(ボルト)4によって回動可能に軸支されており、ペダルブラケット3は、エンジンルームS1と車室S2とを仕切るように設けられたダッシュパネル5に取り付けられている。そして、ダッシュパネル5には、エンジンルームS1内に配設されたブレーキブースタ(倍力装置)6がペダルブラケット3との共締めによって取り付けられている。
又、ペダルブラケット3には、くの字状のレバー7の中間部が第3支軸(前記第1支軸4)によって回動可能に軸支されている。本実施の形態では、レバー7とペダルアーム3は、共通の第1支軸4によってペダルブラケット3に回動可能に軸支されている。つまり、レバー7をペダルブラケット3に回転可能に軸支する第3支軸は第1支軸4と同軸上に配置され、第1支軸4は第3支軸を兼ねている。
ここで、上記ペダルブラケット3は、図3に示すように、車両後方に向かって開口するチャンネル状の部材であって、その左右の側壁3aの相対向する箇所には円孔8,9が上下にそれぞれ形成されている。そして、前記ペダルアーム2の上端部には円筒状のボス10が横方向に挿通固着されており、その下方には円孔11が形成されている。尚、ボス10の左右両端にはブッシュ12が嵌合し、ボス10の内部にはブッシュ12を介してカラー14が挿通している。
又、図3に示すように、前記レバー7の中間部には円筒状のボス13が横方向に固着されており、ボス13の両端にはブッシュ15が管着その内部にはカラー14が挿通し、このカラー14の軸方向両端部にはブッシュ15が嵌着され、ボス13の内部にはブッシュ15を介してカラー14が挿通している。そして、レバー7の上下両端部には円孔16,17がそれぞれ形成されている。
而して、ペダルアーム2の上端部とレバー7の中間部は、ペダルブラケット3の一方の側壁3aに形成された円孔8に外側から横方向に通過する前記第1支軸4をレバー7のボス13とペダルアーム3のボス10に挿通するカラー14及びペダルブラケット3の他方の側壁3aに形成された円孔8に通し、その端部にナット18を螺着することによってペダルブラケット3に共通の第1支軸4によって回動可能に軸支されている。
又、図1に示すように、ダッシュパネル5の車両後方側には車体に横架された車体部材(ステアリングサポートメンバ)19が配されており、該車体部材19には車両前方に延びるブラケット20が結着されている。そして、ブラケット20にはアイドラレバーブラケット21の上端が結着されており、このアイドラレバーブラケット21の中間高さ位置にはアイドラレバー22が第2支軸(ボルト)23によって回動可能に軸支されている。
上記アイドラレバーブラケット21は、図3に示すように、門型に成形されており、その左右の側壁21aの相対向する中間部と下部には円孔24,25がそれぞれ形成されている。そして、このアイドラブラケット21の下端部は、これに形成された円孔25とペダルブラケット3に形成された前記円孔9に挿通するピン26によってペダルブラケット3に取り付けられている。
そして、くの字状を成す前記アイドラレバー22の中間部には円筒状のボス27が挿通固着されており、このボス27の両端にはブッシュ29が嵌着され、ボス27の内部にはブッシュ29を介してカラー28が挿通している。又、アイドラレバー22の上下両端部には円孔30,31がそれぞれ形成されている。
而して、アイドラレバー22の中間部は、アイドラレバーブラケット21の一方の側壁21aに形成された円孔24に外側から横方向に通過する前記第2支軸23をアイドラレバー22のボス27に挿通するカラー28とアイドラレバーブラケット21の他方の側壁21aに形成された円孔24に通し、その端部にナット32を螺着することによってアイドラレバーブラケット21に第2支軸23によって回動可能に軸支されている。
そして、ペダルアーム2の上部(ペダルアーム2のボス10とペダル踏面47の間の上部)とアイドラレバー22の下端とは第1リンク33によって連結されている。ここで、第1リンク33の両端には円孔34,35が形成されており、該第1リンク33の一端は、これに形成された円孔34とペダルアーム2の上部に形成された前記円孔11に挿通するピン36によってペダルアーム2の上部に連結され、第1リンク33の他端は、これに形成された円孔35とアイドラレバー22の下端に形成された前記円孔31に挿通するピン37によってアイドラレバー22の下端に連結されている。
又、ボス27を挟んで下端の反対側となるアイドラレバー22の上端とレバー7の上端とは第2リンク38によって連結されている。ここで、第2リンク38の両端には円孔39,40が形成されており、該第2リンク38の一端は、これに形成された円孔39とアイドラレバー22の上端に形成れた前記円孔30に挿通するピン41によってアイドラレバー22の上端に連結され、第2リンク38の他端は、これに形成された前記円孔40とレバー7の上端に形成された前記円孔16に挿通するピン42によってレバー7の上端に連結されている。そして、ボス13を挟んで上端の反対側となるレバー7の下端には、前記ブレーキブースタ6から延びるプッシュロッド43の先端部がピン44によって連結されている。即ち、プッシロッド43の先端に結着されたコの字状のジョイント45に形成された円孔46とレバー7の下端に形成された前記円孔17にピン44が通され、このピン44によってレバー7の下端とプッシュロッド43の先端部が連結されている。
以上のように、ブレーキペダル1のペタルアーム2は、第1リンク33、アイドラレバー22、第2リンク38及びレバー7から成るレバー・リンク機構を介してブレーキブースタ6のプッシュロッド43に連結されるが、図1に示すように、第1支軸4の車両後方側に第2支軸23が配置されている。
次に、通常時のブレーキペダル1の動作を図4に基づいて説明する。
図4に実線にて示す状態にあるブレーキペダル1の下端に設けられたペダル踏面47を乗員が踏み込むと、ペダルアーム2がその上端の第1支軸4を中心として矢印方向(時計方向)に鎖線位置まで回動する。このようにペダルアーム2が回動すると、第1リンク33がアイドラレバー22の下端を車両前方へと引きながら鎖線位置へと移動するため、アイドラレバー22は第2支軸23を中心として矢印方向(時計方向)に回動し、第2リンク38を車両後方へと引いてこれを鎖線位置まで移動させる。
すると、レバー7の上端が車両の後方側に引かれ、レバー7が第3支軸(第1支軸4)を中心として時計方向(時計方向)に回動し、その下端に連結されたプッシュロッド43が車両前方へと押されて鎖線位置まで移動するため、ブレーキブースタ6が作動して乗員の踏力が軽減されるとともに、不図示のブレーキ装置が作動して所要の制動作用がなされる。
次に、車両衝突時のブレーキペダル1の動作を図5及び図6に基づいて説明する。
車両が前面衝突した場合、前方からの衝撃荷重によってダッシュパネル5が図5の破線位置から実線位置まで車両後方に移動し、これに取り付けられたペダルブラケット3が同方向に一体的に移動する。すると、ペダルアーム2の上端部をペダルブラケット3に軸支する第1支軸4とペダルアーム2も車両後方に移動する。
これに対して、ダッシュパネル5とは別部材である車体部材19及びこれに結着されたブラケット20の車両衝突時の変形量はダッシュパネル5のそれに比して小さいため、ブラケット20に取り付けられたアイドラレバーブラケット21及びアイドラレバー22をアイドラレバーブラケット21に軸支する第2支軸23の車両後方への移動量は軽微である。このため、図5に示すように第1支軸4が第2支軸23に近づき、図1に示す車両衝突前の第1支軸4と第2支軸23間の距離x1は、車両衝突後には図5にx2に示すように短くなる(x2<x1)。
而して、上述のように第1支軸4が第2支軸23に近づくと、図6に鎖線にて示すようにレバー7によって第2リンク38が車両後方へと突き上げられてアイドラレバー22を第2支軸23を中心として実線位置から鎖線位置へと矢印方向(時計方向)に回動させる。すると、アイドラレバー22の下端に連結された第1リンク33を車両前方へと押して実線位置から鎖線位置まで移動させるため、車両衝突前に実線位置にあったペダルアーム2が第1支軸4を中心として矢印方向(時計方向)に鎖線位置まで回動するため、ペダルアーム2の下端に設けられたペダル踏面47が乗員から離れる方向(車両前方側)に移動する。この結果、車両衝突時にブレーキペダル1の特に下半部の後退が抑制される。そして、このような構成によれば、車両衝突後にもレバー・リンク機構は破壊されないでそのまま機能するため、ブレーキペダル1の操作が依然として可能となり、軽衝突時に車両を移動させる際等に便利である。
又、本実施の形態では、第1支軸4の車両後方側に第2支軸23を配置したため、ブレーキペダル1とダッシュパネル5の間にアイドラレバー22を配置する必要がなく、第1支軸4をダッシュパネル5の近傍に配置することによって車室S2内の乗員の足元に広いスペースを確保することができる。又、第1及び第2リンク33,38を通常のブレーキ操作時に引き側で使用するために操作力の伝達に有利となっている。
更に、本実施の形態では、アイドラレバー22とレバー7の各軸支位置(第1支軸4と第2支軸23の位置)と第1及び第2リンク33,38との連結位置の関係を適宜選択することによってレバー・リンク機構の図4に示すレバー比L1:L2,L3:L4を容易に調整することができ、所望の操作特性を得ることができる。そして、各連結箇所におけるレバー7及びアイドラレバー22と第1及び第2リンク33,38の挟角θ1,θ2(図4参照)を適当に設定することによって、ブレーキペダル1のストローク(踏み込み量)によってレバー比が変化する可変レバー比を実現することもできる。
そして、本実施の形態では、アイドラレバーブラケット21の下端部をペダルブラケット3の後部に連結したため、レバー・リンク機構を車両に搭載する前にそのレバー比や第1支軸4及び第2支軸23の位置関係等を予め調整することができ、又、このレバー・リンク機構を備えたブレーキペダル1をユニットとして車両に組み付けることができるために組付作業性が高められる。
又、アイドラレバーブラケット21の下端部をペダルブラケット3の後部に連結することによってアイドラレバーブラケット21の取付剛性が高められるとともに、アイドラレバー22の第2支軸23をペダルブラケット3との連結箇所よりも車体部材(車両衝突時の変形量がダッシュパネル5のそれに比して小さい部材)の近くに配置することができ、車両衝突時の第1支軸4と第2支軸23間の距離の短縮に対するアイドラレバー22の影響を小さく抑えることができる。
更に、ペダルブラケット3の剛性もアイドラレバーブラケット21によって高められるため、プレーキペダル1を操作したときの剛性感が高められて商品性の向上が図られる。
その他、本実施の形態では、ペダルアーム2とレバー7を共通の第1支軸4によってペダルブラケット3に軸支したため、ペダルブラケット3の軸支部の構成が簡単化し、ペダルブラケット3の形状を単純化して生産性を高めることができるとともに、部品点数の削減とコストダウン、組付性の向上等を図ることができる。因に、ペダルアーム2とレバー7を別々の支軸によってペダルブラケット3に軸支することも可能であり、このように構成すればアーム長を短くして軽量化を図ることができるが、部品点数が増えてしまう。
尚、以上は本発明をブレーキペダルの支持構造に対して適用した形態について説明したが、本発明は、クラッチペダルを含む他の任意の操作ペダルの支持構造に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
1 ブレーキペダル(操作ペダル)
2 ペダルアーム
3 ペダルブラケット
3a ペダルブラケットの側壁
4 第1支軸
5 ダッシュパネル
6 ブレーキブースタ
7 レバー
8,9 円孔
10 ボス
11 円孔
12 ブッシュ
13 ボス
14 カラー
15 ブッシュ
16,17 円孔
18 ナット
19 車体部材
20 ブラケット
21 アイドラレバーブラケット
21a アイドラレバーブラケットの側壁
22 アイドラレバー
23 第2支軸
24,25 円孔
26 ピン
27 ボス
28 カラー
29 ブッシュ
30,31 円孔
32 ナット
33 第1リンク
34,35 円孔
36,37 ピン
38 第2リンク
39,40 円孔
41,42 ピン
43 プッシュロッド
44 ピン
45 ジョイント
46 円孔
47 ペダル踏面
S1 エンジンルーム
S2 車室
2 ペダルアーム
3 ペダルブラケット
3a ペダルブラケットの側壁
4 第1支軸
5 ダッシュパネル
6 ブレーキブースタ
7 レバー
8,9 円孔
10 ボス
11 円孔
12 ブッシュ
13 ボス
14 カラー
15 ブッシュ
16,17 円孔
18 ナット
19 車体部材
20 ブラケット
21 アイドラレバーブラケット
21a アイドラレバーブラケットの側壁
22 アイドラレバー
23 第2支軸
24,25 円孔
26 ピン
27 ボス
28 カラー
29 ブッシュ
30,31 円孔
32 ナット
33 第1リンク
34,35 円孔
36,37 ピン
38 第2リンク
39,40 円孔
41,42 ピン
43 プッシュロッド
44 ピン
45 ジョイント
46 円孔
47 ペダル踏面
S1 エンジンルーム
S2 車室
Claims (3)
- ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルのペダルアームの上端部を第1支軸によって回動可能に軸支し、
前記ダッシュパネルの車両後方側に配された車体部材に固定されたアイドラレバーブラケットにアイドラレバーを第2支軸によって回動可能に軸支し、
前記ペダルブラケットにレバーを第3支軸によって回動可能に軸支し、
前記第1支軸の車両後方側に前記第2支軸を配置するとともに、該第2支軸の車両前方側に前記第3支軸を配置し、
前記アイドラレバーの一端と前記ペダルアームの上部とを第1リンクによって連結するとともに、アイドラレバーの他端と前記レバーの一端とを第2リンクによって連結し、レバーの他端をプッシュロッドに連結し、
前記ペダルアーム下端のペダルに加えられる乗員の踏力を前記ペダルアーム、前記第1リンク、前記アイドラレバー、前記第2リンク及び前記レバーを介して前記プッシュロッドに伝達するよう構成したことを特徴とする車両の操作ペダル取付構造。 - 前記アイドラレバーブラケットの下端部を前記ペダルブラケットの後部に連結したことを特徴とする請求項1記載の車両の操作ペダル支持構造。
- 前記第1支軸と前記第3支軸を同軸上に配置し、単一の支軸によって前記ペダルアームと前記レバーを前記ペダルブラケットに軸支したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両の操作ペダル支持構造。
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JP (1) | JP2010218184A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017068591A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 豊田鉄工株式会社 | 車両用ペダル装置の後退防止装置 |
CN113183932A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-07-30 | 杭叉集团股份有限公司 | 一种工业车辆可调操作踏板机构 |
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2009
- 2009-03-17 JP JP2009063801A patent/JP2010218184A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017068591A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 豊田鉄工株式会社 | 車両用ペダル装置の後退防止装置 |
CN113183932A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-07-30 | 杭叉集团股份有限公司 | 一种工业车辆可调操作踏板机构 |
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