JP6920258B2 - 車両用操作ペダル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置であって、車両衝突に伴って車両構成部材が車両後方側へ変位した場合に、第1ペダルの踏部が車両後方側へ後退することを抑える(以下、「車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止」という。)車両用操作ペダル装置に関するものである。
従来より、第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置であって、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止が行われる車両用操作ペダル装置に関し、種々の技術が提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載の車両用ペダル支持構造は、車両前後方向に離間して配置されると共に所定値以上の外力が車両前部に作用した際に車両前後方向への距離が縮まるように相対変位する車体側構成部材間に架け渡され、下端部に乗員の踏力が付与される踏面を備えた車両用ペダルを支軸回りに揺動可能に支持するペダルブラケットと、このペダルブラケットに揺動可能に支持されると共に、車両用ペダルの踏面に付与された踏力を液圧に変換するための液圧変換手段と車両用ペダルの上端側とを相対回転可能に連結し、当該踏力を液圧変換手段に伝達するリンク機構と、を含んで構成された車両用ペダル支持構造であって、前記ペダルブラケットの後部側には、前記相対変位時に当該ペダルブラケットの後部側を車両後方下側へ曲げ変形させる曲げ変形部が設けられており、前記相対変位時に前記ペダルブラケットの後部側において当該曲げ変形部よりも車両上方側に位置して曲げ変形の影響を受けない非曲げ変形部に、前記リンク機構の一部を接触させて車両前方側へ押圧することにより、車両用ペダルの踏面を支軸回りに車両前方側へ回転変位させる、ことを特徴としている。
特開2008−204096号公報
しかしながら、相対変位時には、リンク機構の一部がペダルブラケットの非曲げ変形部に接触することによって、車両前部に作用した外力がペダルブラケットの非曲げ変形部を介して車両後方側の車体側構成部材に入力されるため、その入力荷重が、車両後方側の車体側構成部材に対して設定された許容限界値を超える虞があった。
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止を確保した上で、リンク部材で連結された第1ペダルと第2ペダルよりも車両後方側に配置されている第2車両構成部材に対する車両衝突時の入力荷重を抑制することが可能な車両用操作ペダル装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、車両用操作ペダル装置であって、第1車両構成部材に固定された一対のサポート部材と、下端部と上端部との間に設けられた第1支持部で一対のサポート部材に対して回動可能に支持されると共に、下端部に踏部が設けられ、踏部が車両前方側へ踏み込まれる第1ペダルと、下端部と上端部との間に設けられた第2支持部で一対のサポート部材に対して回動可能に支持されると共に、下端部が第1ペダルの上端部にリンク部材で連結される第2ペダルと、第2ペダルの上端部と第2支持部との間において、第1車両構成部材から車両後方側へ突き出したオペレーティングロッドの先端部を第2ペダルに対して回動可能に保持する連結部と、第1車両構成部材が車両衝突時に車両後方側へ変位した場合に、第2ペダルの上端部が、第1ペダル及び第2ペダルよりも車両後方側に配置されている第2車両構成部材に当接することを契機にして、第1ペダルの踏部を第1支持部を中心にして車両前方側へ回転させる後退防止機構部と、第2ペダルの上端部と連結部との間において、第2ペダルの上端部に車両前方側へ向けて作用する外力に対する抵抗力が最弱の脆弱部とを備え、第2ペダルの上端部が第2車両構成部材に当接することによって第2ペダルの上端部に作用する荷重が、後退防止機構部の作動時よりも大きくなると、第2ペダルが脆弱部で曲折する塑性変形が行われることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用操作ペダル装置であって、第2ペダルの上端部は、第2車両構成部材に当接する側の縁辺が第2車両構成部材へ向かって突出した湾出形状であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用操作ペダル装置であって、第2ペダルの上端部から脆弱部までの距離は、第2ペダルの上端部から連結部までの距離の半分より短いことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用操作ペダル装置であって、第2ペダルの上端部から脆弱部までの距離は、第2ペダルの上端部から連結部までの距離の半分より長いことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置であって、第2ペダルの上端部側から脆弱部の縁辺に連なる第2ペダルの第1縁辺と、第2ペダルの下端部側から脆弱部の縁辺に連なる第2ペダルの第2縁辺とが、車両前後方向へ突出していることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の車両用操作ペダル装置であって、第2ペダルの第1縁辺と第2縁辺は、第2ペダルの曲折時に引張応力が生じる側にあることを特徴とする。
本発明の車両用操作ペダル装置では、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止を確保した上で、リンク部材で連結された第1ペダルと第2ペダルよりも車両後方側に配置されている第2車両構成部材に対する車両衝突時の入力荷重を抑制することが可能である。
踏込み操作前のブレーキペダル装置の概略構成を示す側面図であって、踏込み操作時に作用する荷重と離脱方向との関係を示す説明図である。 踏込み操作前のブレーキペダル装置の概略構成を示す正面図である。 ブレーキペダル装置の車両衝突時における動作を示す説明図である。 図2の線A−Aで切断された断面を示す図である。 中間レバーを示す側面図である。 ブレーキペダル装置の車両衝突時における動作を示す説明図である。
以下、本発明に係る車両用操作ペダル装置について、具体化した本実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。以下の説明に用いる各図面では、基本的構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。
各図において、前後方向、上下方向、及び左右方向は、各図に記載された通りである。但し、図1と、図4乃至図6では、各図の紙面の奥側が右方向であり、各図の紙面の手前側が左方向である。図2では、図の紙面の奥側が前方向であり、図の紙面の手前側が後方向である。図3では、図の紙面の奥側が下方向であり、図の紙面の手前側が上方向である。
尚、以下の説明では、前方向を「車両前方側」と記載し、後方向を「車両後方側」と記載することがある。又、前後方向を「車両前後方向」と記載し、左右方向を「車幅方向」と記載することがある。
(1)ブレーキペダル装置の概略構成
先ず、本実施形態に係るブレーキペダル装置1の概略構成について、図1、図2を参照しつつ詳細に説明する。
ブレーキペダル装置1は、エンジンルームと車室内とを区切るダッシュパネルPと、ダッシュパネルPよりも車両後方側(運転席側)に配設された車両構成部材(例えば、インパネリインフォースメントI等)に対して固設されており、ペダルブラケット10と、操作ペダル20と、中間レバー25と、リンク部材30と、筒状部材40とを有している。操作ペダル20の下端部20Bには、踏部21が設けられている。そして、当該ブレーキペダル装置1は、操作ペダル20の踏部21が車両前方側へ踏み込まれる踏込み操作によって当該操作ペダル20が回動した場合に、ブレーキブースタのオペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させることで、車両に対する制動力を発生させるように構成されている。
ブレーキブースタは、ダッシュパネルPの車両前方側(即ち、エンジンルーム側)に一体的に固設されており、オペレーティングロッドRを有している。当該ブレーキブースタは、オペレーティングロッドRが車両前側へ変位した場合に、操作ペダル20を介して伝達された制動力を倍化して、倍化した制動力を車両に伝達する。そして、オペレーティングロッドRは、ダッシュパネルPから車両後方側の車室内へ突き出すように配設されており、車両前後方向へ変位可能に構成されている。
つまり、オペレーティングロッドRは、操作ペダル20に対する踏込み操作に伴って車両前方側へ変位すると、その踏込み操作時の操作力を、油圧回路又は電子回路等を通して、車両の運転状態を制御する制動装置又は制御装置に伝達する。
インパネリインフォースメントIは、ダッシュパネルPよりも車両後方側(運転席側)に配設されている。当該インパネリインフォースメントIは、一般に、車両衝突時等の車両前方側からの大荷重入力時に車両後方側へ変位する可能性や変形量がダッシュパネルPよりも少ないものである。
そして、インパネリインフォースメントIには、締結ブラケット50及び衝突用ブラケット60が一体的に固設されている。締結ブラケット50は、インパネリインフォースメントIから下方向へ伸び出すように固設されており、ペダルブラケット10の車両後端部がボルト及びナットによって締結固定されている。
衝突用ブラケット60は、第2支持軸13によって支持された中間レバー25の上端部25Aよりも車両後方側に位置している。即ち、衝突用ブラケット60やインパネリインフォースメントIは、中間レバー25や操作ペダル20よりも車両後方側に配置されている。衝突用ブラケット60は、車両の前方衝突(以下、「車両衝突」という。)等により大荷重が入力された場合に、中間レバー25の上端部25Aと当接する。
ペダルブラケット10は、車両前方側部分において、ダッシュパネルPの車室側に対してボルト等を用いて固定されており、車両後方側部分において、インパネリインフォースメントIに固定された締結ブラケット50に対して、ボルト及びナットによって締結固定されている。そして、ペダルブラケット10は、車幅方向で間隔をおいて対向する一対の側板11を有しており、第1支持軸12と、第2支持軸13が配設されている。そして、当該ペダルブラケット10の各側板11には、第1軸穴14と、第2軸穴15と、後退防止開口16と、移動許容部17とが形成されている。
第1支持軸12は、ペダルブラケット10における一対の側板11の間に亘って、略水平で且つ車幅方向と略平行に伸びており、ペダルブラケット10の側板11に形成された第1軸穴14を挿通して配設されている。具体的には、第1支持軸12は、ペダルブラケット10の各側板11における第1軸穴14に挿通した状態で、カシメ加工を施すことによって、ペダルブラケット10に対して固定される。
そして、第2支持軸13は、操作ペダル20よりも車両後方側に位置しており、第1支持軸12と平行に伸びるように、ペダルブラケット10に形成された第2軸穴15を挿通して配設されている。具体的には、第2支持軸13は、ペダルブラケット10の各側板11における第2軸穴15に圧入された筒状部材40に挿通した状態で、カシメ加工を施すことによって、ペダルブラケット10に対して固定される。
後退防止開口16及び移動許容部17は、第2軸穴15の近傍に形成されている。移動許容部17は、筒状部材40と共に配設された第2支持軸13を、操作ペダル20の踏込み操作が行われた場合でも第2軸穴15内に保持する機能と、車両衝突等による大荷重が作用した場合には、第2支持軸13及び筒状部材40の後退防止開口16への移動を許容する機能を果たす。これらの後退防止開口16及び移動許容部17については、後に詳細に説明する。
操作ペダル20は、ペダルブラケット10に配設された第1支持軸12によって、その上端部20Aと下端部20Bとの間で回動可能に支持されており、下端部20Bに踏部21を有している。従って、操作ペダル20は、踏部21を利用して踏込み操作が行われた場合、第1支持軸12を中心に回動する。この場合、踏部21は、車両前方側へ移動する。
そして、中間レバー25は、ペダルブラケット10に配設された第2支持軸13によって、その上端部25Aと下端部25Bとの間で回動可能に支持されており、上方向へ伸びている。中間レバー25は、操作ペダル20よりも車両後方側に位置している。中間レバー25において、上端部25Aと第2支持軸13との間では、連結ピン71及びクレビス72を介して、オペレーティングロッドRの先端部が中間レバー25に対して回動可能に支持されている。従って、中間レバー25が第2支持軸13を中心として回動すると、オペレーティングロッドRは、車両前後方向へ変位し得る。つまり、当該ブレーキペダル装置1によれば、中間レバー25によって、オペレーティングロッドRを車両前方側へ押圧することで、ブレーキブースタを介して制動力を発生させ得る。尚、連結ピン71は、中間レバー25の連結穴73(後述する図5参照)及びクレビス72に差し込まれて取り付けられている。又、中間レバー25に設けられた脆弱部80については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
リンク部材30は、操作ペダル20の上端部20Aと、中間レバー25の下端部25Bを連結しており、操作ペダル20及び中間レバー25に対して回動可能に取り付けられている。リンク部材30の一端側は、操作ペダル20の上端部20Aに対して、リンクピン31を介して連結されている為、リンク部材30は、リンクピン31を中心として、操作ペダル20に対して回動し得る。又、リンク部材30の他端側は、中間レバー25の下端部25Bに対して、リンクピン32を介して連結されている為、リンク部材30は、リンクピン32を中心として、中間レバー25に対して回動し得る。従って、当該ブレーキペダル装置1においては、第1支持軸12を中心とした操作ペダル20の回動を、リンク部材30を介して、中間レバー25に伝達することができ、中間レバー25を、第2支持軸13を中心として回動させることができる。
筒状部材40は、第2支持軸13が挿通した状態で、第2軸穴15内に配設される部材である。当該筒状部材40は、硬質樹脂材料によって形成されており、第2軸穴15内に圧入された状態で、第2支持軸13が挿通している。当該筒状部材40の詳細については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
(2)操作ペダルの踏込み操作に伴う各部の動作
次に、上述したブレーキペダル装置1において、操作ペダル20の踏込み操作が行われた場合の各部の動きについて説明する。
操作ペダル20に対して踏込み操作が行われた場合、踏部21が車両前方側へ踏み込まれることになる為、操作ペダル20は、第1支持軸12を中心として回転する。この時、操作ペダル20の上端部20Aは、第1支持軸12を中心として所定方向(図1における時計回り)へ回転する為、操作ペダル20の回転は、リンク部材30を介して、中間レバー25に対して伝達される。
リンク部材30は、中間レバー25の下端部25Bに対して、リンクピン32を介して連結されている為、中間レバー25は、操作ペダル20の回転に伴って、第2支持軸13を中心として回転し、中間レバー25の上端部25Aを車両前方側へ移動させる。この時、第2支持軸13及び筒状部材40は、移動許容部17を構成する下記の保持突起18によって、第2軸穴15内に保持された状態を維持する。そして、中間レバー25の上端部25Aと第2支持軸13との間には、ブレーキブースタのオペレーティングロッドRが、連結ピン71及びクレビス72を介して連結されている為、当該ブレーキペダル装置1は、操作ペダル20の踏込み操作に連動して、オペレーティングロッドRを車両前方側へ押圧することができ、車両に対する制動力を発生させ得る。
(3)第2軸穴の近傍の構成
上述したように、ブレーキペダル装置1においては、第2軸穴15の近傍に、後退防止開口16及び移動許容部17が形成されている。第2軸穴15近傍の構成について、上述した図1に加えて、図3及び図4を参照しつつ詳細に説明する。
図1及び図3に示すように、後退防止開口16は、第2軸穴15に対して車両後方側に形成されており、第2軸穴15と一部連通するように構成されている。ここで、車両後方側は、操作ペダル20の踏込み操作によって第2支持軸13に作用する荷重(以下、「操作荷重FB」という。)の向きと略直交する方向であり、且つ、車両衝突によってダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13に作用する荷重で離脱する向き(以下、「離脱方向D」という。)と略等しい方向を示す。
即ち、当該ブレーキペダル装置1によれば、後退防止開口16が、第2軸穴15に対して、操作荷重FBの向きと略直交する車両後方側に位置している為、操作ペダル20の踏込み操作によって、第2支持軸13及び筒状部材40を後退防止開口16へ向かって移動させることはない。又、後退防止開口16は、車両衝突によってダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13に作用する荷重の向きである離脱方向Dが示す側に位置しているので、ダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15から後退防止開口16へ移動させることが可能となる。
そして、移動許容部17は、離脱方向Dに関して、第2軸穴15と、後退防止開口16の間に形成されており、保持突起18と、切欠部19とを有して構成されている。当該移動許容部17は、操作ペダル20の踏込み操作等の通常時においては、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15内に保持する機能を果たす。そして、車両衝突時による大荷重が作用した場合、移動許容部17は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かう第2支持軸13及び筒状部材40の移動を許容する機能を果たす。
移動許容部17を構成する保持突起18は、第2軸穴15に対して、操作荷重FBの働く側とは逆側の開口縁(即ち、上側の開口縁)から突出形成された突片であり、第2軸穴15内に保持された第2支持軸13及び筒状部材40に対して、離脱方向D側から当接している。従って、当該保持突起18は、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15内に保持する機能を果たす。又、当該保持突起18は、第2軸穴15に対して、操作荷重FBの働く側とは逆側の開口縁(即ち、上側の開口縁)から突出形成されている為、当該保持突起18は、操作ペダル20の踏込み操作に伴う荷重(即ち、操作荷重FB)によって変形することはなく、第2支持軸13等を第2軸穴15内に保持する機能を維持することができる。
そして、移動許容部17を構成する切欠部19は、第2軸穴15に対して、操作荷重FBの働く側とは逆側の開口縁(即ち、上側の開口縁)において、保持突起18の基端部を切り欠いて構成されている。この切欠部19により、保持突起18の基端部における断面積を小さくすることができるので、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かう第2支持軸13及び筒状部材40によって、保持突起18を、切欠部19を起点として大きく変形させることができる。即ち、当該ブレーキペダル装置1によれば、切欠部19によって保持突起18を容易に変形させることができるので、車両衝突時による大荷重が作用した場合に、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かう第2支持軸13及び筒状部材40の移動を、確実に許容することができる。
上述したように、筒状部材40は、前記第2支持軸13が挿通した状態で、前記第2軸穴15内に対して圧入される。当該筒状部材40は、硬質樹脂材料によって形成されており、図4に示すように、円筒部41と、フランジ部42を有している。円筒部41は、第2軸穴15に圧入される部分であり、第2軸穴15等の開口縁に対して圧接される。従って、円筒部41は、第2支持軸13の外周と、第2軸穴15の開口縁との間に配置される。
そして、フランジ部42は、円筒部41の外周面から径方向外側に向かって延出形成されており、筒状部材40を第2軸穴15内に圧入した場合に、ペダルブラケット10の側板11に沿って配置される。図4に示すように、筒状部材40は、ペダルブラケット10の内側から第2軸穴15に対して圧入され、フランジ部42は、ペダルブラケット10の側板11における内側面に沿って配設される。車両衝突時に、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16へ移動する場合に、フランジ部42は、第2軸穴15から後退防止開口16へと向かう部分の開口縁の形状に関わらず、ペダルブラケット10の側板11に沿って移動し得る。従って、当該筒状部材40のフランジ部42は、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16へ移動する際のガイドとして機能する。
(4)車両衝突時におけるブレーキペダル装置の動作
次に、車両衝突時におけるブレーキペダル装置1の動作について、図3を参照しつつ詳細に説明する。車両衝突等によって車両前方側から大荷重が入力された場合、ダッシュパネルPは、入力された大荷重によって車両後方側へ変位する。一方、インパネリインフォースメントIは、車両前方側から大荷重が入力された場合であっても、車両後方側への変位量はダッシュパネルPと比べて少ない。
そして、当該ブレーキペダル装置1のペダルブラケット10の車両後端部は、インパネリインフォースメントIに固設された締結ブラケット50に対して、ボルト及びナットによって締結固定されている。従って、車両前方側から大荷重が入力され、ダッシュパネルPが車両後方側へ変位すると、ブレーキペダル装置1は、ペダルブラケット10の車両後端部を変形させつつ、全体として相対的に車両後方側へ移動する(図1参照)。
又、インパネリインフォースメントIには、衝突用ブラケット60が固定されており、中間レバー25の上端部25Aに対して車両後方側に配置されている。従って、ダッシュパネルPの車両後方側への変位に伴って、ブレーキペダル装置1全体が相対的に車両後方側へ移動すると、中間レバー25の上端部25Aには、衝突用ブラケット60が当接することによって、車両前方側へ向かう荷重が加えられる。
ここで、中間レバー25には、オペレーティングロッドRが、衝突用ブラケット60との当接位置よりも下方向において、連結ピン71とクレビス72を介して連結されている。オペレーティングロッドRは、車両衝突時の各部の変形や、ブレーキブースタ内における媒体圧力等の影響によって車両前方側へ変位し得ない状況となり得る。そのような場合には、中間レバー25は、オペレーティングロッドRとの連結位置(例えば、連結ピン71)を中心として回転し、中間レバー25の下端部25Bを車両後方側へと移動させる。
当該中間レバー25の下端部25Bと連結ピン71との間は、第2支持軸13によって支持されている為、車両衝突に係る荷重は、第2支持軸13に対して車両後方側へ向かって作用する。これにより、当該車両衝突に係る荷重は、第2支持軸13及び筒状部材40を介して、保持突起18に作用し、切欠部19を起点として保持突起18を変形させる。この結果、第2支持軸13及び筒状部材40は、車両衝突に係る荷重によって保持突起18を変形させつつ離脱方向D(図1参照)へ移動して、第2軸穴15から後退防止開口16内に位置する。
ダッシュパネルPの後退変位に伴って、第2支持軸13が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動すると、第1支持軸12と第2支持軸13との間隔が大きくなる。第1支持軸12で支持された操作ペダル20は、第2支持軸13によって支持された中間レバー25に対して、リンク部材30によって連結されている。従って、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動すると、操作ペダル20は、リンク部材30によって引っ張られ、第1支持軸12まわりに強制的に回転する。この結果、当該ブレーキペダル装置1によれば、オペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させることができない場合でも、車両衝突に伴って、第2支持軸13を第2軸穴15から後退防止開口16内に移動させることで、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12を中心にして車両前方側へ回転するので、操作ペダル20の踏部21が運転席側へ後退することを抑制できる。
尚、図3では、踏込み操作前の踏部21が二点鎖線で示されている。この点は、後述する図6においても同様である。
以上より、ダッシュパネルPが車両衝突時に車両後方側へ変位すると、中間レバー25の上端部25Aが、操作ペダル20及び中間レバー25よりも車両後方側に配置されている(インパネリインフォースメントIの)衝突用ブラケット60に当接することを契機にして、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12(及び第1軸穴14)を中心にして車両前方側へ回転する。これにより、ブレーキペダル装置1では、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止が機能する。
(5)中間レバーの形状
次に、中間レバー25の形状について、図5を参照しつつ詳細に説明する。図5に示すように、中間レバー25の下端部25Bには、リンク穴74が貫設されている。リンク穴74には、上記のリンクピン32が挿通する。又、中間レバー25には、その上端部25Aと下端部25Bとの間において、ボスBが設けられている。ボスBは、図4に示すように、中間レバー25を車幅方向で貫通した状態で、中間レバー25に溶接で固定されている。ボスBには、第2支持軸13が挿通する。
図5に戻り、中間レバー25には、その上端部25AとボスB(つまり、第2支持軸13)との間において、連結穴73が貫設されている。連結穴73には、上記の連結ピン71が差し込まれて取り付けられる。
中間レバー25には、連結穴73の上方向側の開口縁に隣接する部位において、脆弱部80が設けられている。脆弱部80は、その後方向側の縁辺に相当する中間レバー25の湾曲縁辺25Cが、前方向へ弓状に入り込むことによって形成されている。これにより、脆弱部80は、中間レバー25の上端部25Aに車両前方側へ向けて外力が作用した場合において、上端部25AからボスBまでの中間レバー25の部分のうち、その外力に対する抵抗力が最も弱い部位になっている。
更に、中間レバー25において、上端部25Aから脆弱部80までの第1距離L1は、上端部25Aから連結穴73までの第2距離L2の半分より長い。
中間レバー25の後方向側の縁辺には、第1縁辺25Dと第2縁辺25Eが形成されている。第1縁辺25Dは、中間レバー25の上端部25A側から脆弱部80の湾曲縁辺25Cに連なっている。これに対して、第2縁辺25Eは、中間レバー25の下端部25B側から脆弱部80の湾曲縁辺25Cに連なっている。更に、第1縁辺25Dと第2縁辺25Eは、後方向へ弓状に突き出ている。
尚、湾曲縁辺25C、第1縁辺25D、及び第2縁辺25Eは、中間レバー25の前方向側の縁辺に形成されても良い。
中間レバー25の上端部25Aには、その後方向側において、後方向へ弓状に突き出ている第3縁辺25Fが形成されている。即ち、中間レバー25の上端部25Aでは、インパネリインフォースメントIの衝突用ブラケット60に当接する側において、第3縁辺25Fが、衝突用ブラケット60へ向かって弓状に突き出ている。これにより、中間レバー25の上端部25Aは、インパネリインフォースメントIの衝突用ブラケット60に当接する側が衝突用ブラケット60へ向かって突出した湾出形状になっている。
(6)車両衝突時における中間レバーの脆性部の動作
上述したようにして、ブレーキペダル装置1において、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止が機能すると、図3に示すようにして、第2支持軸13が第2軸穴15から後退防止開口16内に位置し、操作ペダル20の踏部21が車両前方側へ移動した状態が維持される。その際、中間レバー25では、上端部25Aと第2支持軸13が衝突用ブラケット60と後退防止開口16の開口縁で車両前方側へ押圧される一方で、上端部25Aと第2支持軸13との間にある連結穴73付近の部位がオペレーティングロッドRで車両後方側へ押圧される。これにより、中間レバー25(の姿勢)が固定され、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止が確保される。
その後、更にダッシュパネルPの後退変位が進むと、中間レバー25の上端部25Aを衝突用ブラケット60が車両前方側へ押圧する力、つまり、中間レバー25の上端部25Aが衝突用ブラケット60に当接することによって中間レバー25の上端部25Aに作用する荷重が、大きくなる。同様にして、中間レバー25の連結穴73付近をオペレーティングロッドRが車両後方側へ押圧する力や、中間レバー25の第2支持軸13を後退防止開口16の開口縁が車両前方側へ押圧する力も、大きくなる。これにより、中間レバー25は、図6に示すように、連結穴73付近にある脆弱部80で曲折する塑性変形を起こす。尚、図6では、塑性変形前の中間レバー25が二点鎖線で示されている。
中間レバー25が塑性変形する際は、中間レバー25の上端部25Aが衝突用ブラケット60で車両前方側へ押動されるので、中間レバー25の前方向側(の縁辺)が折り近づくように曲がる。従って、中間レバー25の後方向側の第1縁辺25Dと第2縁辺25Eは、中間レバー25の曲折時に引張応力が生じる側(つまり、後方向側)に位置する。
(7)まとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態のブレーキペダル装置1では、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止が確保されており、更にダッシュパネルPの後退変位が進むと、中間レバー25が脆弱部80で曲折する塑性変形を起こす。これにより、本実施形態のブレーキペダル装置1は、リンク部材30で連結された操作ペダル20と中間レバー25よりも車両後方側に配置されている衝突用ブラケット60(ひいては、インパネリインフォースメントI)に対する車両衝突時の入力荷重を抑制している。
又、本実施形態のブレーキペダル装置1において、中間レバー25の上端部25Aは、インパネリインフォースメントIの衝突用ブラケット60に当接する側が衝突用ブラケット60へ向かって突出した湾出形状になっている。そのため、車両衝突時における中間レバー25の上端部25Aは、連結穴73を中心にして回転しつつも、同じ箇所で衝突用ブラケット60に当接する。よって、車両衝突時の中間レバー25では、その上端部25Aが衝突用ブラケット60に当接する箇所(つまり、荷重の入力点)から脆弱部80までの距離が一定に保たれる。そこで、本実施形態のブレーキペダル装置1では、中間レバー25が脆弱部80で曲折して塑性変形するために必要な荷重の大きさを、脆弱部80における中間レバー25の断面係数でコントロールすることが可能である。
又、本実施形態のブレーキペダル装置1では、中間レバー25において、上端部25Aから脆弱部80までの第1距離L1は、上端部25Aから連結穴73までの第2距離L2の半分より長い。そのため、半分より短い場合と比較すると、中間レバー25の上端部25AがインパネリインフォースメントIの衝突用ブラケット60で押動される距離が長く、中間レバー25が脆弱部80で曲折して塑性変形している時間が長いので、操作ペダル20の踏部21が車両前方側へ移動した状態の維持時間が長い。
又、本実施形態のブレーキペダル装置1では、中間レバー25の上端部25A側から脆弱部80の湾曲縁辺25Cに連なる中間レバー25の第1縁辺25Dと、中間レバー25の下端部25B側から脆弱部80の湾曲縁辺25Cに連なる中間レバー25の第2縁辺25Eとが、中間レバー25から後方向へ突き出ている。そのため、中間レバー25の脆弱部80は、中間レバー25から後方向へ突き出ている第1縁辺25D及び第2縁辺25Eに挟まれた位置にある。よって、塑性変形中の中間レバー25が折れ曲がる位置は、中間レバー25の脆弱部80内に収まる。これにより、操作ペダル20の踏込み操作等の通常時において、中間レバー25が折れたと仮定した場合には、中間レバー25は、連結ピン71が差し込まれている中間レバー25の連結穴73及びクレビス72よりも上方向にある脆弱部80で折れるので、操作ペダル20の踏込み操作可能な状態が維持される。
又、本実施形態のブレーキペダル装置1において、中間レバー25の第1縁辺25D及び第2縁辺25Eは、中間レバー25の曲折時に引張応力が生じる側にある。そのため、中間レバー25の脆弱部80は、曲折すると、その湾曲縁辺25C(側、つまり、中間レバー25から後方向へ突出している第1縁辺25D及び第2縁辺25Eに連なる側)が伸びる。よって、中間レバー25が曲折して塑性変形する際において、第1縁辺25D付近又は第2縁辺25E付近の材料肉が湾曲縁辺25C付近へ逃げてこない。従って、中間レバー25の塑性変形中においては、中間レバー25の第1縁辺25D付近及び第2縁辺25E付近の材料肉が圧縮されて寄り集まることが回避されるので、中間レバー25の上端部25Aが車幅方向へ曲折して周辺部品に干渉することが抑制される。
(8)その他
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、中間レバー25の脆弱部80が前後方向及び車幅方向に沿って切断された断面の形状(以下、「脆弱部80の断面形状」という。)は、中間レバー25の湾曲縁辺25Cが前方向へ入り込む程度によって異なる。そこで、脆弱部80の断面形状が、前後方向よりも車幅方向が長くなるように形成されることによって、塑性変形中の中間レバー25の上端部25Aが車幅方向へ曲折することが抑制されても良い。
又、本実施形態のブレーキペダル装置1は、ダッシュパネルPと、インパネリインフォースメントIの締結ブラケット50とに対して固設されていたが、ダッシュパネルPのみに固設されても良い。
又、本実施形態とは異なり、中間レバー25において、上端部25Aから脆弱部80までの第1距離L1が、上端部25Aから連結穴73までの第2距離L2の半分より短くても良い。そのような場合は、半分より長い場合と比較すると、中間レバー25が脆弱部80で曲折して塑性変形したときに、中間レバー25の上端部25Aが移動する量が少ないので、塑性変形中の中間レバー25の上端部25Aが車幅方向へ曲折しても周辺部品に干渉することが抑制される。
又、本実施形態とは異なり、車両衝突時において、第2支持軸13及び筒状部材40が第2軸穴15から後退防止開口16に移動しなくても、オペレーティングロッドRが車両前方側へ変位することによって、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止が機能するのであれば、そのような構成を有するブレーキペダル装置に対しても、本発明を適用することが可能である。あるいは、後退防止開口16が設けられていなくても、オペレーティングロッドRが車両前方側へ変位するだけで、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止が機能するのであれば、そのような構成を有するブレーキペダル装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
又、本実施形態では、操作ペダル20をブレーキペダルとして本発明が適用されているが、車両で使用される各ペダル(例えば、アクセルペダル又はクラッチペダル等)として本発明が適用されても良い。
ちなみに、本実施形態において、ブレーキペダル装置1は、「車両用操作ペダル装置」の一例である。ペダルブラケット10の一対の側板11は、「一対のサポート部材」の一例である。第1支持軸12及び第1軸穴14で構成される支持部は、「第1支持部」の一例である。第2支持軸13及び第2軸穴15の構成される支持部は、「第2支持部」の一例である。操作ペダル20は、「第1ペダルの」の一例である。操作ペダル20の上端部20Aは、「第1ペダルの上端部」の一例である。操作ペダル20の下端部20Bは、「第1ペダルの下端部」の一例である。操作ペダル20の踏部21は、「第1ペダルの踏部」の一例である。中間レバー25は、「第2ペダル」の一例である。中間レバー25の上端部25Aは、「第2ペダルの上端部」の一例である。中間レバー25の下端部25Bは、「第2ペダルの下端部」の一例である。脆弱部80の湾曲縁辺25Cは、「脆弱部の縁辺」の一例である。中間レバー25の第1縁辺25Dは、「第2ペダルの第1縁辺」の一例である。中間レバー25の第2縁辺25Eは、「第2ペダルの第2縁辺」の一例である。中間レバー25の第3縁辺25Fは、「第2車両構成部材に当接する側の縁辺」の一例である。第2支持軸13、第2軸穴15、後退防止開口16、移動許容部17、保持突起18、切欠部19、及び筒状部材40等で構成される機構は、「後退防止機構部」の一例である。連結ピン71、クレビス72、及び連結穴73で構成される部位は、「連結部」の一例である。ダッシュパネルPは、「第1車両構成部材」の一例である。インパネリインフォースメントI及び衝突用ブラケット60で構成される部材は、「第2車両構成部材」の一例である。第1距離L1は、「第2ペダルの上端部から脆弱部までの距離」の一例である。第2距離L2は、「第2ペダルの上端部から連結部までの距離」の一例である。中間レバー25の後方向側は、「第2ペダルの曲折時に引張応力が生じる側」の一例である。
1 ブレーキペダル装置(車両用操作ペダル装置)
11 ペダルブラケットの側板(一対のサポート部材)
12 第1支持軸(第1支持部)
13 第2支持軸(第2支持部、後退防止機構部)
14 第1軸穴(第1支持部)
15 第2軸穴(第2支持部、後退防止機構部)
16 後退防止開口(後退防止機構部)
17 移動許容部(後退防止機構部)
18 保持突起(後退防止機構部)
19 切欠部(後退防止機構部)
20 操作ペダル(第1ペダル)
21 踏部(第1ペダルの踏部)
20A 操作ペダルの上端部(第1ペダルの上端部)
20B 操作ペダルの下端部(第2ペダルの上端部)
25 中間レバー(第2ペダル)
25A 中間レバーの上端部(第2ペダルの上端部)
25B 中間レバーの下端部(第2ペダルの下端部)
25C 脆弱部の湾曲縁辺(脆弱部の縁辺)
25D 中間レバーの第1縁辺(第2ペダルの第1縁辺)
25E 中間レバーの第2縁辺(第2ペダルの第2縁辺)
25F 中間レバーの第3縁辺(第2車両構成部材に当接する側の縁辺)
30 リンク部材
40 筒状部材(後退防止機構部)
60 衝突用ブラケット(第2車両構成部材)
71 連結ピン(連結部)
72 クレビス(連結部)
73 連結穴(連結部)
80 脆弱部
I インパネリインフォースメント(第2車両構成部材)
L1 第1距離(第2ペダルの上端部から脆弱部までの距離)
L2 第2距離(第2ペダルの上端部から連結部までの距離)
P ダッシュパネル(第1車両構成部材)
R オペレーティングロッド

Claims (6)

  1. 第1車両構成部材に固定された一対のサポート部材と、
    下端部と上端部との間に設けられた第1支持部で前記一対のサポート部材に対して回動可能に支持されると共に、該下端部に踏部が設けられ、該踏部が車両前方側へ踏み込まれる第1ペダルと、
    下端部と上端部との間に設けられた第2支持部で前記一対のサポート部材に対して回動可能に支持されると共に、該下端部が前記第1ペダルの前記上端部にリンク部材で連結される第2ペダルと、
    前記第2ペダルの前記上端部と前記第2支持部との間において、前記第1車両構成部材から車両後方側へ突き出したオペレーティングロッドの先端部を該第2ペダルに対して回動可能に保持する連結部と、
    前記第1車両構成部材が車両衝突時に車両後方側へ変位した場合に、前記第2ペダルの前記上端部が、前記第1ペダル及び該第2ペダルよりも車両後方側に配置されている第2車両構成部材に当接することを契機にして、該第1ペダルの前記踏部を前記第1支持部を中心にして車両前方側へ回転させる後退防止機構部と、
    前記第2ペダルの前記上端部と前記連結部との間において、該第2ペダルの該上端部に車両前方側へ向けて作用する外力に対する抵抗力が最弱の脆弱部とを備え、
    前記第2ペダルの前記上端部が前記第2車両構成部材に当接することによって該第2ペダルの該上端部に作用する荷重が、前記後退防止機構部の作動時よりも大きくなると、該第2ペダルが該脆弱部で曲折する塑性変形が行われることを特徴とする車両用操作ペダル装置。
  2. 前記第2ペダルの前記上端部は、前記第2車両構成部材に当接する側の縁辺が該第2車両構成部材へ向かって突出した湾出形状であることを特徴とする請求項1に記載の車両用操作ペダル装置。
  3. 前記第2ペダルの前記上端部から前記脆弱部までの距離は、該第2ペダルの該上端部から前記連結部までの距離の半分より短いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用操作ペダル装置。
  4. 前記第2ペダルの前記上端部から前記脆弱部までの距離は、該第2ペダルの該上端部から前記連結部までの距離の半分より長いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用操作ペダル装置。
  5. 前記第2ペダルの前記上端部側から前記脆弱部の縁辺に連なる該第2ペダルの第1縁辺と、前記第2ペダルの前記下端部側から該脆弱部の該縁辺に連なる該第2ペダルの第2縁辺とが、車両前後方向へ突出していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置。
  6. 前記第2ペダルの前記第1縁辺と前記第2縁辺は、該第2ペダルの曲折時に引張応力が生じる側にあることを特徴とする請求項5に記載の車両用操作ペダル装置。
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