JP2020030561A - 車両用操作ペダル装置 - Google Patents

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Takuya Katayama
卓也 片山
真之 永田
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真之 永田
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Abstract

【課題】第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置に関し、第2操作ペダルに対して回動可能に保持されたオペレーティングロッドが車両前方側へ変位することができない状態でも、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止が可能な車両用操作ペダル装置を提供すること。【解決手段】ブレーキペダル装置1は、ダッシュパネルPに固定されたペダルブラケット10の一対の側板11,11を備える。ペダルブラケット10の一対の側板11,11は、第2軸穴15と後退防止開口16とを備える。第2軸穴15は、第2支持軸13を回動可能に支持する。後退防止開口16は、第2軸穴15の直径15Aよりも大きな開口幅16Aを有し、車両後方側において、連通口18を介して、第2軸穴15に連設される。【選択図】図4

Description

本発明は、第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置であって、車両衝突に伴って車両構成部材が車両後方側へ変位した場合に、第1ペダルの踏部が車両後方側へ後退することを抑える(以下、「車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止」という。)車両用操作ペダル装置に関するものである。
従来より、第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置であって、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止が行われる車両用操作ペダル装置に関し、種々の技術が提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載の技術は、ダッシュパネルが運転席側へ後退変位させられた際に、ブレーキペダルの踏部がその運転席側へ後退することを抑制するように構成されている。
具体的に説明すると、特許文献1に記載された車両用ペダル支持構造は、ダッシュパネルに配設されたペダルブラケットと、ペダルブラケットの第1支軸まわりに回動可能に支持され、車両前方側への踏込み操作に用いられる踏部を下端部に有するブレーキペダルと、ペダルブラケットの第2支軸まわりに回動可能に支持されると共に、第2リンクを介してブレーキペダルに連結され、そのブレーキペダルに連動して機械的に出力方向へ回動させられることにより、ダッシュパネルから突き出すプッシュロッドを車両前方側へ変位させる第1リンクを有している。そして、インパネリインフォースには、ペダルブラケットの後部を構成するサブペダルブラケットが固設されている。
そして、車両衝突時のダッシュパネル及びインパネリインフォースが後退変位すると、それぞれの後退変位量の相違に基づいて、サブペダルブラケットは、車両前方側に突出するように曲げ変形する。この時、ペダルブラケットの中間部を構成するペダルブラケットサポートは、メインペダルブラケットに対して第2支軸まわりに回動する。サブペダルブラケットとの当接によって、第1リンクは、第1支軸まわりに回動して、プッシュロッドを出力方向(車両前方側)へ変位させる。これにより、ブレーキペダルが、第2リンクを介して、車両前方側へ回動する為、特許文献1に記載された車両用ペダル支持構造は、ダッシュパネルが運転席側へ後退変位させられた際に、ブレーキペダルの踏部の運転席側への後退を抑制している。
特開2008−204096号公報
ここで、特許文献1に記載された車両用ペダル支持構造においては、第1リンクが、プッシュロッドを、車両前方側に位置するブレーキブースタ側へ押圧しながら出力方向へ回動することを前提としている。しかしながら、車両衝突時の各部の変形や、ブレーキブースタ内における媒体圧力等の影響によっては、プッシュロッドを車両前方側へ押し込むことができない場合も生じる。
そうすると、特許文献1に記載された車両用ペダル支持構造においては、プッシュロッドを車両前方側へ押し込むことができないことに起因して、第1リンクを出力方向へ回動させることができず、結果的に、車両衝突時におけるブレーキペダルの踏部の後退防止を発揮しない場合が生じ得る。
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置に関し、第2操作ペダルに対して回動可能に保持されたオペレーティングロッドが車両前方側へ変位することができない状態でも、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止が可能な車両用操作ペダル装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、車両用操作ペダル装置であって、車両構成部材に固定された一対のサポート部材と、一対のサポート部材に対して第1支持軸で回動可能に支持されると共に、下方側に踏部が設けられ、踏部が車両前方側へ踏み込まれる第1ペダルと、一対のサポート部材に対して第2支持軸で回動可能に支持されると共に、第1ペダルにリンク部材で連結される第2ペダルと、車両構成部材から車両後方側へ突き出したオペレーティングロッドの先端部を第2ペダルに対して回動可能に保持する連結軸とを備え、一対のサポート部材は、第2支持軸を回動可能に支持する軸穴と、軸穴の直径よりも大きな開口幅を有し、軸穴と車両後方側又は車両前方側で連通口を介して連設された逃げ穴とを備え、車両構成部材が車両衝突時に車両後方側へ変位した場合に、第2ペダルが連結軸を中心にして回動して、第2支持軸が軸穴から連通口を介して逃げ穴に移動することに応じて、第1ペダルの踏部が第1支持軸を中心にして車両前方側へ回転することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用操作ペダル装置であって、軸穴は、第1ペダルの踏部が踏み込まれた際に第2支持軸に働く第1荷重と、第1荷重とは反対方向で第2支持軸に働く第2荷重を垂直に受け止めることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車両用操作ペダル装置であって、一対のサポート部材は、軸穴に対する第1荷重の作用点から連通口までの第1距離で第1荷重に対する剛性を確保し、軸穴に対する第2荷重の作用点から連通口までの第2距離で第2荷重に対する剛性を確保することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置であって、逃げ穴は、連通口と連なる側において一対のサポート部材に入り込んでいる湾入部を備えることを特徴とする。
本発明は、第1ペダルと第2ペダルがリンク部材で連結された車両用操作ペダル装置であって、第2操作ペダルに対して回動可能に保持されたオペレーティングロッドが車両前方側へ変位することができない状態でも、車両衝突時における第1ペダルの踏部の後退防止が可能である。
第1実施形態に係るブレーキペダル装置の概略構成を示す側面図である。 第1実施形態に係るブレーキペダル装置の踏込み操作時の動作を示す側面図である。 第1実施形態に係るブレーキペダル装置の踏込み操作時に作用する荷重と離脱方向との関係を示す説明図である。 第1実施形態に係るブレーキペダル装置の第2軸穴近傍の構成を示す拡大図である。 第1実施形態に係るブレーキペダル装置の第2軸穴近傍の構成を示す拡大図である。 図1におけるA−A断面を示す断面図である。 第1実施形態に係るブレーキペダル装置の車両衝突時における動作を示す説明図である。 第2実施形態に係るブレーキペダル装置の概略構成を示す側面図である。 第2実施形態に係るブレーキペダル装置の踏込み操作時の動作を示す側面図である。 第2実施形態に係るブレーキペダル装置の踏込み操作時に作用する荷重と離脱方向との関係を示す説明図である。 第2実施形態に係るブレーキペダル装置の第2軸穴近傍の構成を示す拡大図である。 第2実施形態に係るブレーキペダル装置の第2軸穴近傍の構成を示す拡大図である。 第2実施形態に係るブレーキペダル装置の車両衝突時における動作を示す説明図である。
以下、本発明に係る車両用操作ペダル装置について、常用ブレーキ用のブレーキペダル装置で具体化した実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。以下の説明に用いる各図面では、基本的構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。
各図において、前後方向、上下方向、及び左右方向は、各図に記載された通りである。但し、図1乃至図6、及び図7乃至図13では、各図の紙面の奥側が右方向であり、各図の紙面の手前側が左方向である。図6では、図の紙面の奥側が前方向であり、図の紙面の手前側が後方向である。
尚、以下の説明では、前方向を「車両前方側」と記載し、後方向を「車両後方側」と記載し、上方向を「車両上方側」と記載し、下方向を「車両下方側」と記載することがある。また、左右方向を「車幅方向側」と記載することがある。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係るブレーキペダル装置について説明する。
(ブレーキペダル装置の概略構成)
第1実施形態に係るブレーキペダル装置1の概略構成について、図1、図2を参照しつつ詳細に説明する。
第1実施形態に係るブレーキペダル装置1は、エンジンルームと車室内とを区切るダッシュパネルPと、ダッシュパネルPよりも車両後方側(運転席側)に配設されたインパネリインフォースメントI等に対して固設されており、ペダルブラケット10と、操作ペダル20と、中間レバー25と、リンク部材30と、筒状部材40とを有している。操作ペダル20の下部には、踏部21が設けられている。そして、当該ブレーキペダル装置1は、操作ペダル20の踏部21が車両前方側へ踏み込まれる踏込み操作によって当該操作ペダル20が回動した場合に、ブレーキブースタのオペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させることで、車両に対する制動力を発生させるように構成されている。
ブレーキブースタは、ダッシュパネルPの車両前方側(即ち、エンジンルーム側)に一体的に固設されており、オペレーティングロッドRを有している。当該ブレーキブースタは、オペレーティングロッドRが車両前方側へ変位した場合に、操作ペダル20を介して伝達された制動力を倍化して、倍化した制動力を車両に伝達する。そして、オペレーティングロッドRは、ダッシュパネルPから車両後方側の車室内へ突き出すように配設されており、前後方向へ変位可能に構成されている。
つまり、オペレーティングロッドRは、操作ペダル20に対する踏込み操作に伴って車両前方側へ変位すると、その踏込み操作時の操作力を、油圧回路又は電子回路等を通して、車両の運転状態を制御する制動装置又は制御装置に伝達する。
インパネリインフォースメントIは、ダッシュパネルPよりも車両後方側(運転席側)に配設されている。当該インパネリインフォースメントIは、一般に、車両衝突時等の車両前方側からの大荷重入力時に車両後方側へ変位する可能性や変形量がダッシュパネルPよりも少ないものである。
そして、インパネリインフォースメントIには、締結ブラケット50及び衝突用ブラケット60が一体的に固設されている。締結ブラケット50は、インパネリインフォースメントIから下方向へ伸び出すように固設されており、ペダルブラケット10の車両後端部がボルト及びナットによって締結固定されている。
衝突用ブラケット60は、第2支持軸13によって支持された中間レバー25の上部よりも車両後方側に位置しており、車両の前方衝突(以下、「車両衝突」という。)等により大荷重が入力された場合に、中間レバー25の上部と当接する。
ペダルブラケット10は、車両前方側部分において、ダッシュパネルPの車室側に対してボルト等を用いて固定されており、車両後方側部分において、インパネリインフォースメントIに固定された締結ブラケット50に対して、ボルト及びナットによって締結固定されている。そして、ペダルブラケット10は、車幅方向で間隔をおいて対向する一対の側板11を有しており、第1支持軸12と、第2支持軸13が配設されている。そして、当該ペダルブラケット10の各側板11には、第1軸穴14と、第2軸穴15と、後退防止開口16と、移動許容部17とが形成されている。
第1支持軸12は、ペダルブラケット10における一対の側板11の間に亘って、略水平で且つ車幅方向と略平行に伸びており、ペダルブラケット10の側板11に形成された第1軸穴14に挿通された状態で配設されている。具体的には、第1支持軸12は、ペダルブラケット10の各側板11における第1軸穴14に挿通された状態で、カシメ加工を施すことによって、ペダルブラケット10に対して固定される。
そして、第1実施形態に係る第2支持軸13は、操作ペダル20よりも車両後方側に位置しており、第1支持軸12と平行に伸びるように、ペダルブラケット10に形成された第2軸穴15に挿通された状態で配設されている。具体的には、第2支持軸13は、ペダルブラケット10の各側板11における第2軸穴15に圧入された筒状部材40に挿通された状態で、カシメ加工を施すことによって、ペダルブラケット10に対して固定される。
後退防止開口16及び移動許容部17は、第2軸穴15の近傍に形成されている。移動許容部17は、筒状部材40と共に配設された第2支持軸13を、操作ペダル20の踏込み操作が行われた場合でも第2軸穴15内に保持する機能と、車両衝突等による大荷重が作用した場合には、第2支持軸13及び筒状部材40の後退防止開口16への移動を許容する機能を果たす。これらの後退防止開口16及び移動許容部17の具体的な構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
操作ペダル20は、ペダルブラケット10に配設された第1支持軸12によって、その上部を回動可能に支持されており、その下部に踏部21を有している。従って、操作ペダル20は、踏部21を利用して踏込み操作が行われた場合、第1支持軸12を中心に回動する。この場合、踏部21は、車両前方側へ移動する。
そして、中間レバー25は、ペダルブラケット10に配設された第2支持軸13によって、その下部を回動可能に支持されており、上方向へ伸びている。第1実施形態においては、中間レバー25は、操作ペダル20よりも車両後方側に位置している。中間レバー25の上部には、オペレーティングロッドRが、連結軸71及びクレビス72を介して、中間レバー25に対して回動可能に連結されている。従って、中間レバー25が第2支持軸13を中心として回動すると、オペレーティングロッドRは、車両前後方向へ変位し得る。つまり、当該ブレーキペダル装置1によれば、中間レバー25によって、オペレーティングロッドRを車両前方側へ押圧することで、ブレーキブースタを介して制動力を発生させ得る。尚、連結軸71は、中間レバー25(の連結穴)及びクレビス72に差し込まれた状態で取り付けられている。
リンク部材30は、操作ペダル20の上方後側部分と、中間レバー25の下方前側部分を連結しており、操作ペダル20及び中間レバー25に対して回動可能に取り付けられている。リンク部材30の一端側は、操作ペダル20の上方後側部分に対して、リンクピン31を介して連結されている為、リンク部材30は、リンクピン31を中心として、操作ペダル20に対して回動し得る。又、リンク部材30の他端側は、中間レバー25の下方前側部分に対して、リンクピン32を介して連結されている為、リンク部材30は、リンクピン32を中心として、中間レバー25に対して回動し得る。従って、当該ブレーキペダル装置1においては、第1支持軸12を中心とした操作ペダル20の回動を、リンク部材30を介して、中間レバー25に伝達することができ、中間レバー25を、第2支持軸13を中心として回動させることができる。
筒状部材40は、第2支持軸13が挿通された状態で、第2軸穴15内に配設される部材である。当該筒状部材40は、硬質樹脂材料によって形成されており、第2軸穴15内に圧入された状態で、第2支持軸13が挿通されている。当該筒状部材40の詳細については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
(操作ペダルの踏込み操作に伴う各部の動作)
次に、上述したブレーキペダル装置1において、操作ペダル20の踏込み操作が行われた場合の各部の動きについて説明する。
操作ペダル20に対して踏込み操作が行われた場合、踏部21が車両前方側へ踏み込まれることになる為、操作ペダル20は、第1支持軸12を中心として回転する。この時、操作ペダル20の上部は、第1支持軸12を中心として所定方向(図1、図2における時計回り)へ回転する為、操作ペダル20の回転は、リンク部材30を介して、中間レバー25に対して伝達される。
リンク部材30は、中間レバー25の下方前側部分に対して、リンクピン32を介して連結されている為、中間レバー25は、操作ペダル20の回転に伴って、第2支持軸13を中心として回転し、中間レバー25の上部を車両前方側へ移動させる。この時、第2支持軸13及び筒状部材40は、移動許容部17によって、第2軸穴15内に保持された状態を維持する。そして、中間レバー25の上部には、ブレーキブースタのオペレーティングロッドRが、連結軸71及びクレビス72を介して連結されている為、当該ブレーキペダル装置1は、操作ペダル20の踏込み操作に連動して、オペレーティングロッドRを車両前方側へ押圧することができ、車両に対する制動力を発生させ得る。
(第1実施形態に係るブレーキペダル装置の各部に働く力)
続いて、操作ペダル20の踏込み操作に際して、ブレーキペダル装置1の各部に働く力について、図3を参照しつつ説明する。尚、以下の説明において、操作ペダル20の踏込み操作に伴って操作ペダル20の踏部21に作用する荷重を、踏面荷重という。
操作ペダル20の踏部21に対して、踏面荷重が作用して、踏込み操作が行われた場合、操作ペダル20は、第1支持軸12を中心として回転する為、リンク部材30のリンクピン31に対して荷重が働く。従って、操作ペダル20の踏込み操作に伴って、第1支持軸12に働く荷重(以下、「ペダル荷重」という。)は、踏面荷重と、リンクピン31に働く荷重の合力によって求めることができ、ペダル荷重の大きさ及び向きを特定することができる。
そして、中間レバー25は、リンク部材30を介して操作ペダル20と連結されている為、操作ペダル20の踏込み操作に連動して、第2支持軸13を中心に回転する。従って、中間レバー25には、リンク部材30のリンクピン32に対して荷重が働く。リンクピン32に対する荷重は、リンクピン31に入力される荷重の反力である。
又、中間レバー25は、第2支持軸13を中心として回転することによって、ブレーキブースタのオペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させる。従って、中間レバー25の上部には、オペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させる際の荷重の反力が入力される。従って、操作ペダル20の踏込み操作に伴う中間レバー25の回転により、第2支持軸13に働く荷重(以下、「第1荷重F1」という。)は、リンクピン32に対する荷重と、オペレーティングロッドRの変位に際して中間レバー25に入力される荷重の合力によって求めることができ、第1荷重F1の大きさ及び向きを特定することができる。
第1実施形態に係るブレーキペダル装置1において、後退防止開口16及び移動許容部17は、第2軸穴15を基準として、第2支持軸13に働く第1荷重F1の向きや、第1荷重F1より定まる離脱方向Dに従って形成されている。この点については、後に図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態に係るブレーキペダル装置の第2軸穴近傍の構成)
上述したように、第1実施形態に係るブレーキペダル装置1においては、第2軸穴15の近傍に、後退防止開口16及び移動許容部17が形成されている。第1実施形態に係る第2軸穴15近傍の構成について、上述した各図面に加えて、図4乃至図6を参照しつつ詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、第1実施形態に係る後退防止開口16は、第2軸穴15に対して車両後方側に形成されている。更に、後退防止開口16は、連通口18を介して、第2軸穴15と一部連通するように構成されている。ここで、車両後方側は、操作ペダル20の踏込み操作によって第2支持軸13に働く第1荷重F1の向きと略直交する方向であり(図5参照)、且つ、車両衝突によってダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13に働く荷重で離脱する向き(以下、「離脱方向D」という。)と略等しい方向を示す。
即ち、当該ブレーキペダル装置1によれば、後退防止開口16が、第2軸穴15に対して、第1荷重F1の向きと略直交する車両後方側に位置している為、操作ペダル20の踏込み操作によって、第2支持軸13及び筒状部材40を後退防止開口16へ向かって移動させることはない。又、後退防止開口16は、車両衝突によってダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13に働く荷重の向きである離脱方向Dが示す側に位置しているので、ダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15から後退防止開口16へ移動させることが可能となる。
第2軸穴15は、それに圧入された筒状部材40を介して、第2支持軸13を回動可能に支持している。従って、第2軸穴15の直径15Aは、筒状部材40の直径(詳しくは、後述する円筒部41の直径)に略等しく設けられている。これに対して、後退防止開口16の開口幅16Aは、第2軸穴15の直径15Aよりも大きく設けられている。また、連通口18の開口幅18Aは、第2軸穴15の直径15Aよりも僅かに小さく設けられている。第2軸穴15、後退防止開口16、及び連通口18は、連結軸71(図1乃至図3参照)を中心とする円周Cであって、連結軸71から第2支持軸13の軸心Wまでの距離を半径とする円周Cの接線方向に配設されている。連通口18において、円周Cの接線方向は、離脱方向Dと略同じである。
第2軸穴15は、筒状部材40を介して、第2支持軸13に働く第1荷重F1を垂直に受け止めている。第2軸穴15は、第1荷重F1の作用点Q1から連通口18の間においても、筒状部材40の一部が圧入されることによって、第2支持軸13を回動可能に支持している。更に、第2軸穴15は、筒状部材40を介して、第1荷重F1とは反対方向で第2支持軸13に働く第2荷重F2を垂直に受け止めている。第2軸穴15は、第2荷重F2の作用点Q2から連通口18の間においても、筒状部材40の一部が圧入されることによって、第2支持軸13を回動可能に支持している。そして、第2軸穴15に圧入されている筒状部材40(内の第2支持軸13)は、その車両後方側部分が連通口18を介して後退防止開口16にはみ出ている。
第2軸穴15が設けられたペダルブラケット10の側板11では、第2軸穴15に対する第1荷重F1の作用点Q1から連通口18までの隔たりが第1距離L1とされることによって、第1荷重F1に対する剛性が確保され、また、第2軸穴15に対する第2荷重F2の作用点Q2から連通口18までの隔たりが第2距離L2とされることによって、第2荷重F2に対する剛性が確保されている。
第2荷重F2は、例えば、図1乃至図3において、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12を中心にして反時計回りへ回転させられたときに第2支持軸13に働く力である。第2荷重F2の大きさは、第1荷重F1の数倍となることがある。
後退防止開口16の上側開口縁及び下側開口縁には、連通口18と連なる側において、ペダルブラケット10の側板11に入り込んでいる湾入部19が形成されている。ペダルブラケット10の側板11では、湾入部19の大きさ等によって、連通口18付近の弾性強度が設定されている。
そして、移動許容部17は、離脱方向Dに関して、第2軸穴15と、後退防止開口16の間に形成されており、連通口18と、湾入部19とを有して構成されている。当該移動許容部17は、操作ペダル20の踏込み操作等の通常時においては、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15内に保持する機能を果たす。そして、車両衝突時による大荷重が作用した場合、移動許容部17は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かう第2支持軸13及び筒状部材40の移動を許容する機能を果たす。
第2軸穴15は、上述したように、筒状部材40を介して、第2支持軸13に働く第1荷重F1及び第2荷重F2を垂直に受け止めている。従って、第1荷重F1及び第2荷重F2によって第2軸穴15に生じる反力は、第2支持軸13及び筒状部材40を後退防止開口16へ向かわせるベクトル成分を有しない。これにより、第2支持軸13及び筒状部材40は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かうことが防止されている。
また、移動許容部17を構成する連通口18は、その開口幅18Aが第2軸穴15の直径15Aよりも僅かに小さいので、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15内に保持する機能を維持することができる。
そして、移動許容部17を構成する湾入部19は、その大きさ等で設定されるペダルブラケット10の側板11の連通口18付近の弾性強度によって、車両衝突時に第2支持軸13に働く離脱方向Dの荷重で筒状部材40が連通口18に押し込まれる際の、連通口18の開口幅18Aを筒状部材40の直径(つまり、第2軸穴15の直径15A)まで拡張させる。これにより、当該湾入部19は、車両衝突時による大荷重が作用した場合に、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かう第2支持軸13及び筒状部材40の移動を、確実に許容することができる。
筒状部材40が連通口18を通過した後では、湾入部19の大きさ等で設定された連通口18付近の弾性強度によって、連通口18の開口幅18Aが元の状態(元の幅)に戻る。これにより、第2支持軸13及び筒状部材40は、後退防止開口16から第2軸穴15に復帰することが防止されている。尚、連通口18の開口幅18Aは、元の状態(元の幅)に戻らなくても、筒状部材40が連通口18を通過することが不可能な程度の状態(幅)にまで戻れば良い。
上述したように、筒状部材40は、前記第2支持軸13が挿通された状態で、前記第2軸穴15内に対して圧入される。当該筒状部材40は、硬質樹脂材料によって形成されており、図6に示すように、円筒部41と、フランジ部42を有している。円筒部41は、第2軸穴15に圧入される部分であり、第2軸穴15等の開口縁に対して圧接される。従って、円筒部41は、第2支持軸13の外周と、第2軸穴15の開口縁との間に配置される。
そして、フランジ部42は、円筒部41の外周面から径方向外側に向かって延出形成されており、筒状部材40を第2軸穴15内に圧入した場合に、ペダルブラケット10の側板11に沿って配置される。図6に示すように、筒状部材40は、ペダルブラケット10の内側から第2軸穴15に対して圧入され、フランジ部42は、ペダルブラケット10の側板11における内側面に沿って配設される。車両衝突時に、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16へ移動する場合に、フランジ部42は、第2軸穴15から後退防止開口16へと向かう部分の開口縁の形状に関わらず、ペダルブラケット10の側板11に沿って移動し得る。従って、当該筒状部材40のフランジ部42は、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16へ移動する際のガイドとして機能する。
(車両衝突時におけるブレーキペダル装置の動作)
次に、車両衝突時におけるブレーキペダル装置1の動作について、図7を参照しつつ詳細に説明する。車両衝突等によって車両前方側から大荷重が入力された場合、ダッシュパネルPは、入力された大荷重によって車両後方側へ変位する。一方、インパネリインフォースメントIは、車両前方側から大荷重が入力された場合であっても、車両後方側への変位量はダッシュパネルPと比べて少ない。
そして、当該ブレーキペダル装置1のペダルブラケット10の車両後端部は、インパネリインフォースメントIに固設された締結ブラケット50に対して、ボルト及びナットによって締結固定されている。従って、車両前方側から大荷重が入力され、ダッシュパネルPが車両後方側へ変位すると、ブレーキペダル装置1は、ペダルブラケット10の車両後端部を変形させつつ、全体として相対的に車両後方側へ移動する(図1、図7参照)。
又、インパネリインフォースメントIには、衝突用ブラケット60が固定されており、中間レバー25の上部に対して車両後方側に配置されている。従って、ダッシュパネルPの車両後方側への変位に伴って、ブレーキペダル装置1全体が相対的に車両後方側へ移動すると、中間レバー25の上部には、衝突用ブラケット60が当接することによって、車両前方側へ向かう荷重が加えられる。
ここで、中間レバー25には、オペレーティングロッドRが、衝突用ブラケット60との当接位置よりも下方向において、連結軸71及びクレビス72を介して連結されている。オペレーティングロッドRは、車両衝突時の各部の変形や、ブレーキブースタ内における媒体圧力等の影響によって車両前方側へ変位し得ない状況となり得る。そのような場合には、中間レバー25は、オペレーティングロッドRとの連結位置(例えば、連結軸71)を中心として回転し、中間レバー25の下部を車両後方側へと移動させる。
当該中間レバー25の下部は、第2支持軸13によって支持されている為、車両衝突に係る荷重は、第2支持軸13に対して車両後方側へ向かって作用する。これにより、当該車両衝突に係る荷重は、第2支持軸13及び筒状部材40を介して、連通口18を形成する壁面に作用し、連通口18の開口幅18Aを拡張変形させる(図5参照)。この結果、第2支持軸13及び筒状部材40は、車両衝突に係る荷重によって連通口18の開口幅18Aを拡張変形させつつ離脱方向Dへ移動して、第2軸穴15から後退防止開口16内に位置する(図7参照)。
ダッシュパネルPの後退変位に伴って、第2支持軸13が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動すると、第1支持軸12と第2支持軸13との間隔が大きくなる。第1支持軸12で支持された操作ペダル20は、第2支持軸13によって支持された中間レバー25に対して、リンク部材30によって連結されている。従って、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動すると、操作ペダル20は、リンク部材30によって引っ張られ、第1支持軸12まわりに強制的に回転する。この結果、当該ブレーキペダル装置1によれば、オペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させることができない場合でも、車両衝突に伴って、第2支持軸13を第2軸穴15から後退防止開口16内に移動させることで、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12を中心にして車両前方側へ回転するので、操作ペダル20の踏部21が運転席側へ後退することを抑制できる。
尚、図2及び図3では、踏込み操作時の踏部21が二点鎖線で示されている。この点は、後述する図9及び図10においても同様である。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる実施形態(第2実施形態)に係るブレーキペダル装置1の概略構成について、図8乃至図13を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係るブレーキペダル装置1は、操作ペダル20及び中間レバー25の配置や、第2軸穴15近傍の構成を除き、上述した第1実施形態に係るブレーキペダル装置1と同様の構成を有している。従って、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成についての説明を省略し、相違する構成について詳細に説明する。
(ブレーキペダル装置の概略構成)
図8、図9に示すように、第2実施形態に係るブレーキペダル装置1においても、ペダルブラケット10は、車両前方側部分において、ダッシュパネルPの車室側にボルト等を用いて固定されており、車両後方側部分において、インパネリインフォースメントIに固設された締結ブラケット50に対して、ボルト及びナットによって締結固定されている。そして、ペダルブラケット10は、第1実施形態と同様に、車幅方向で間隔をおいて対向する一対の側板11と、第1支持軸12と、第2支持軸13とを有している。
第2実施形態においても、第1支持軸12は、ペダルブラケット10における一対の側板11の間に亘って、略水平で且つ車幅方向と略平行に伸びており、ペダルブラケット10に形成された第1軸穴14に挿通された状態で配設されている。そして、第2実施形態に係る第2支持軸13は、操作ペダル20よりも車両前方側に位置しており、第1支持軸12と平行に伸びるように配設されている。当該第2支持軸13は、ペダルブラケット10の各側板11において、第1軸穴14よりも車両前方側に形成された第2軸穴15に挿通された状態で配設されている。具体的には、第2支持軸13は、ペダルブラケット10の各側板11における第2軸穴15に圧入された筒状部材40に挿通された状態で、カシメ加工を施すことによって、ペダルブラケット10に対して固定される。
第2実施形態に係る後退防止開口16及び移動許容部17は、第2軸穴15の近傍における車両前方側部分に形成されている。移動許容部17は、筒状部材40と共に配設された第2支持軸13を、操作ペダル20の踏込み操作が行われた場合でも第2軸穴15内に保持する機能と、車両衝突等による大荷重が作用した場合には、第2支持軸13及び筒状部材40の後退防止開口16への移動を許容する機能を果たす。第2実施形態に係る後退防止開口16及び移動許容部17の具体的な構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
操作ペダル20は、ペダルブラケット10の車両後方側に位置する第1支持軸12によって、その上部を回動可能に支持されており、その下部に踏部21を有している。従って、操作ペダル20は、踏部21を利用して踏込み操作が行われた場合、第1支持軸12を中心に回動する。
図8、図9に示すように、中間レバー25は、ペダルブラケット10の車両前方側に配設された第2支持軸13によって、その下部を回動可能に支持されており、上方向へ伸びている。中間レバー25の上部には、オペレーティングロッドRが、連結軸71及びクレビス72を介して連結されている。そして、リンク部材30は、操作ペダル20の上方前側部分と、中間レバー25の下方後側部分を連結しており、操作ペダル20及び中間レバー25に対して回動可能に取り付けられている。
そして、第2実施形態においても、筒状部材40は、第2支持軸13が挿通された状態で第2軸穴15内に配設される部材である。当該筒状部材40は、硬質樹脂材料によって形成されており、第2軸穴15内に圧入された状態で、第2支持軸13が挿通されている。
(第2実施形態に係るブレーキペダル装置の各部に働く力)
続いて、踏込み操作に際して、ブレーキペダル装置1の各部に働く力について、図10を参照しつつ説明する。尚、以下の説明においては、踏面荷重は、上述した第1実施形態と同様に定義する。
操作ペダル20の踏部21に対して、踏面荷重が作用して、踏込み操作が行われた場合、操作ペダル20は、第1支持軸12を中心として回転する為、リンク部材30のリンクピン31に対して荷重が働く。従って、操作ペダル20の踏込み操作に伴って、第1支持軸12には、ペダル荷重が作用する。当該ペダル荷重は、踏面荷重と、リンクピン31に働く荷重の合力によって求めることができ、ペダル荷重の大きさ及び向きを特定することができる。
そして、中間レバー25は、リンク部材30を介して操作ペダル20と連結されている為、操作ペダル20の踏込み操作に連動して、第2支持軸13を中心に回転する。従って、中間レバー25には、リンク部材30のリンクピン32に対して荷重が働く。リンクピン32に対する荷重は、リンクピン31に入力される荷重の反力である。
又、中間レバー25は、第2支持軸13を中心として回転することによって、ブレーキブースタのオペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させる。従って、中間レバー25の上部には、オペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させる際の荷重の反力が入力される。従って、操作ペダル20の踏込み操作に伴う中間レバー25の回転により、第2支持軸13には、第1荷重F1が作用する。第1荷重F1は、リンクピン32に対する荷重と、オペレーティングロッドRの変位に際して中間レバー25に入力される荷重の合力によって求めることができ、第1荷重F1の大きさ及び向きを特定することができる。
第2実施形態に係るブレーキペダル装置1においても、後退防止開口16及び移動許容部17は、第2軸穴15を基準として、第2支持軸13に働く第1荷重F1の向きや、第1荷重F1より定まる離脱方向Dに従って形成されている。この点については、後に図面を参照しつつ説明する。
(第2実施形態に係るブレーキペダル装置の第2軸穴近傍の構成)
第2実施形態に係るブレーキペダル装置1においても、第2軸穴15の近傍には、後退防止開口16及び移動許容部17が形成されている。第2実施形態に係る第2軸穴15近傍の構成について、図11及び図12を参照しつつ詳細に説明する。
後退防止開口16は、第2軸穴15に対して車両前方側に形成されている。更に、後退防止開口16は、連通口18を介して、第2軸穴15と一部連通するように構成されている。ここで、車両前方側は、操作ペダル20の踏込み操作によって第2支持軸13に働く第1荷重F1と略直交する方向であり(図12参照)、且つ、車両衝突によってダッシュパネルPが車両後方側へ変位する際に、第2支持軸13に働く荷重で離脱する向き(つまり、離脱方向D)と略等しい方向を示す。
尚、第1荷重F1、離脱方向D、及び第2荷重F2の各向きは、第1実施形態とは略逆である。
そして、移動許容部17は、離脱方向Dに関して、第2軸穴15と、後退防止開口16の間に形成されており、連通口18と、湾入部19とを有して構成されている。第2実施形態に係る連通口18は、その開口幅18Aが第2軸穴15の直径15Aよりも僅かに小さいので、第2支持軸13及び筒状部材40を、第2軸穴15内に保持する機能を維持することができる。
そして、第2実施形態に係る湾入部19は、その大きさ等で設定されるペダルブラケット10の側板11の連通口18付近の弾性強度によって、車両衝突時に第2支持軸13に働く離脱方向Dの荷重で筒状部材40が連通口18に押し込まれる際の、連通口18の開口幅18Aを筒状部材40の直径(つまり、第2軸穴15の直径15A)まで拡張させる。これにより、当該湾入部19は、車両衝突時による大荷重が作用した場合に、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かう第2支持軸13及び筒状部材40の移動を、確実に許容することができる。
第2実施形態においても、筒状部材40は、硬質樹脂材料によって形成されており、円筒部41と、フランジ部42を有している(図6参照)。円筒部41は、第2軸穴15に圧入される部分であり、第2軸穴15等の開口縁に対して圧接される。従って、円筒部41は、第2支持軸13の外周と、第2軸穴15の開口縁との間に配置される。
そして、フランジ部42は、円筒部41の外周面から径方向外側に向かって延出形成されており、筒状部材40を第2軸穴15内に圧入した場合に、ペダルブラケット10の側板11に沿って配置される。当該筒状部材40は、ペダルブラケット10の内側から第2軸穴15に対して圧入され、フランジ部42は、ペダルブラケット10の側板11における内側面に沿って配設される。
車両衝突時に、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16へ移動する場合に、フランジ部42は、第2軸穴15から後退防止開口16へと向かう部分の開口縁の形状に関わらず、ペダルブラケット10の側板11に沿って移動し得る。従って、当該筒状部材40のフランジ部42は、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16へ移動する際のガイドとして機能する。
(車両衝突時におけるブレーキペダル装置の動作)
続いて、第2実施形態に係るブレーキペダル装置1の車両衝突時における動作について、図13を参照しつつ詳細に説明する。第2実施形態においても、車両衝突等によって車両前方側から大荷重が入力された場合、ダッシュパネルPは、入力された大荷重によって車両後方側へ変位する。この時、第2実施形態に係るブレーキペダル装置1は、ペダルブラケット10の車両後端部を変形させつつ、全体として相対的に車両後方側へ移動する(図7、図13参照)。
そして、インパネリインフォースメントIには、衝突用ブラケット60が固定されており、中間レバー25に対して車両後方側に配置されている。従って、ダッシュパネルPの車両後方側への変位及びペダルブラケット10の変形に伴って、ブレーキペダル装置1全体が相対的に車両後側へ移動すると、中間レバー25の上部には、衝突用ブラケット60が当接する。
ここで、衝突用ブラケット60の前面は、車両後方側へ向かうに連れて下方向へ傾斜している。そして、ブレーキペダル装置1全体が相対的に車両後方側へ移動していくと、中間レバー25の上部は、オペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させることなく、衝突用ブラケット60の前面に沿って、徐々に下方向へ移動していく。
第2実施形態においても、当該中間レバー25の下端部は、第2支持軸13によって支持されている為、車両衝突に係る荷重は、衝突用ブラケット60を介して、第2支持軸13に対して車両前方側へ向かって作用する。これにより、当該車両衝突に係る荷重は、第2支持軸13及び筒状部材40を介して、連通口18を形成する壁面に作用し、連通口18の開口幅18Aを拡張変形させる(図12参照)。この結果、第2支持軸13及び筒状部材40は、車両衝突に係る荷重によって連通口18の開口幅18Aを拡張変形させつつ離脱方向Dへ移動して、第2軸穴15から後退防止開口16内に位置する(図13参照)。
ダッシュパネルPの後退変位に伴って、第2支持軸13が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動すると、第1支持軸12と第2支持軸13との間隔が大きくなる。第2実施形態においても、第1支持軸12で支持された操作ペダル20は、第2支持軸13によって支持された中間レバー25に対して、リンク部材30によって連結されている。従って、第2支持軸13等が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動すると、操作ペダル20は、リンク部材30によって引っ張られ、第1支持軸12まわりに強制的に回転する。この結果、当該ブレーキペダル装置1によれば、オペレーティングロッドRを車両前方側へ変位させることができない場合でも、車両衝突に伴って、第2支持軸13を第2軸穴15から後退防止開口16内に移動させることで、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12を中心にして車両前方側へ回転するので、操作ペダル20の踏部21が運転席側へ後退することを抑制できる。
(各実施形態の効果)
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るブレーキペダル装置1は、操作ペダル20と中間レバー25がリンク部材30で連結されたものである。更に、本実施形態に係るブレーキペダル装置1は、車両衝突時において、中間レバー25に対して回動可能に保持されたオペレーティングロッドRが車両前方側へ変位することができない状態になっても、連通口18に押し込まれた筒状部材40で連通口18の開口幅18Aを拡張変形させることによって、第2支持軸13が第2軸穴15から後退防止開口16内に移動することを許容する。これにより、本実施形態に係るブレーキペダル装置1は、車両衝突時における操作ペダル20の踏部21の後退防止を可能にしている。
又、本実施形態に係るブレーキペダル装置1では、操作ペダル20の踏部21が踏み込まれた際に第2支持軸13に働く第1荷重F1を、筒状部材40を介して、第2軸穴15において垂直に受け止めている。その為、第1荷重F1によって第2軸穴15に生じる反力は、第2支持軸13及び筒状部材40を後退防止開口16へ向かわせるベクトル成分を有しない。これにより、操作ペダル20の踏込み操作等の通常時において、第2支持軸13及び筒状部材40は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かうことが防止されている。
又、本実施形態に係るブレーキペダル装置1では、第1荷重F1とは反対方向で第2支持軸13に働く第2荷重F2を、筒状部材40を介して、第2軸穴15において垂直に受け止めている。その為、第2荷重F2によって第2軸穴15に生じる反力は、第2支持軸13及び筒状部材40を後退防止開口16へ向かわせるベクトル成分を有しない。これにより、第2荷重F2が第2支持軸13に働く場合(例えば、図1乃至図3、又は図8乃至図10において、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12を中心にして反時計回りへ回転させられた場合)において、第2支持軸13及び筒状部材40は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かうことが防止されている。
又、本実施形態に係るブレーキペダル装置1において、第2軸穴15が設けられたペダルブラケット10の側板11は、第2軸穴15に対する第1荷重F1の作用点Q1から連通口18までの長さが第1距離L1とされることによって、第1荷重F1に対する剛性が確保されている。この剛性によって、第2軸穴15では、第1荷重F1の作用点Q1から連通口18までの壁面が第1荷重F1で変形することに抵抗している。そのため、操作ペダル20の踏込み操作等の通常時において、第2支持軸13及び筒状部材40は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かうことが一層に防止されている。
又、本実施形態に係るブレーキペダル装置1において、第2軸穴15が設けられたペダルブラケット10の側板11は、第2軸穴15に対する第2荷重F2の作用点Q2から連通口18までの長さが第2距離L2とされることによって、第2荷重F2に対する剛性が確保されている。この剛性によって、第2軸穴15では、第2荷重F2の作用点Q2から連通口18までの壁面が第2荷重F2で変形することに抵抗している。そのため、第2荷重F2が第2支持軸13に働く場合(例えば、図1乃至図3、又は図8乃至図10において、操作ペダル20の踏部21が第1支持軸12を中心にして反時計回りへ回転させられた場合)において、第2支持軸13及び筒状部材40は、第2軸穴15から後退防止開口16へ向かうことが一層に防止されている。
又、本実施形態に係るブレーキペダル装置1では、ペダルブラケット10の側板11において、第2支持軸13及び筒状部材40が連通口18を通過すると、湾入部19の大きさ等で設定された連通口18付近の弾性強度によって、連通口18の開口幅18Aが元の状態(元の幅)に戻る。これにより、第2支持軸13及び筒状部材40は、後退防止開口16から第2軸穴15に復帰することが防止されている。
従って、連通口18の開口幅18Aは、元の状態(元の幅)に戻らなくても、筒状部材40が連通口18を通過することが不可能な程度の状態(幅)にまで戻れば良い。即ち、連通口18の開口幅18Aは、第2支持軸13及び筒状部材40が連通口18を通過した後において、筒状部材40の外径(つまり、第2軸穴15の直径15A)よりも小さくなれば、元の状態(元の幅)に戻らなくても良い。
(その他)
尚、本発明は上記各実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、各実施形態では、操作ペダル20をブレーキペダルとして本発明が適用されているが、車両で使用される各ペダル(例えば、アクセルペダル又はクラッチペダル等)として本発明が適用されても良い。
ちなみに、各実施形態において、ブレーキペダル装置1は、「車両用操作ペダル装置」の一例である。ペダルブラケットの側板11は、「一対のサポート部材」の一例である。第2軸穴15は、「軸穴」の一例である。第2軸穴15の直径15Aは、「軸穴の直径」の一例である。後退防止開口16は、「逃げ穴」の一例である。後退防止開口16の開口幅16Aは、「第2支持軸よりも大きな開口幅」の一例である。操作ペダル20は、「第1ペダル」の一例である。操作ペダル20の踏部21は、「第1ペダルの踏部」の一例である。中間レバー25は、「第2ペダル」の一例である。ダッシュパネルPは、「車両構成部材」の一例である。クレビス72は、「オペレーティングロッドの先端部」の一例である。
1 ブレーキペダル装置(車両用操作ペダル装置)
11 ペダルブラケットの側板(一対のサポート部材)
12 第1支持軸
13 第2支持軸
15 第2軸穴(軸穴)
15A 第2軸穴の直径(軸穴の直径)
16 後退防止開口(逃げ穴)
16A 後退防止開口の開口幅(第2支持軸よりも大きな開口幅)
18 連通口
19 湾入部
20 操作ペダル(第1ペダル)
21 操作ペダルの踏部(第1ペダルの踏部)
25 中間レバー(第2ペダル)
30 リンク部材
71 連結軸
72 クレビス(オペレーティングロッドの先端部)
F1 第1荷重
F2 第2荷重
L1 第1距離
L2 第2距離
P ダッシュパネル(車両構成部材)
Q1 第1荷重の作用点
Q2 第2荷重の作用点
R オペレーティングロッド

Claims (4)

  1. 車両構成部材に固定された一対のサポート部材と、
    前記一対のサポート部材に対して第1支持軸で回動可能に支持されると共に、下方側に踏部が設けられ、該踏 部が車両前方側へ踏み込まれる第1ペダルと、
    前記一対のサポート部材に対して第2支持軸で回動可能に支持されると共に、前記第1ペダルにリンク部材で連結される第2ペダルと、
    前記車両構成部材から車両後方側へ突き出したオペレーティングロッドの先端部を前記第2ペダルに対して回動可能に保持する連結軸とを備え、
    前記一対のサポート部材は、
    前記第2支持軸を回動可能に支持する軸穴と、
    前記軸穴の直径よりも大きな開口幅を有し、前記軸穴と車両後方側又は車両前方側で連通口を介して連設された逃げ穴とを備え、
    前記車両構成部材が車両衝突時に車両後方側へ変位した場合に、前記第2ペダルが前記連結軸を中心にして回動して、前記第2支持軸が前記軸穴から前記連通口を介して前記逃げ穴に移動することに応じて、前記第1ペダルの前記踏部が前記第1支持軸を中心にして車両前方側へ回転することを特徴とする車両用操作ペダル装置。
  2. 前記軸穴は、前記第1ペダルの前記踏部が踏み込まれた際に前記第2支持軸に働く第1荷重と、該第1荷重とは反対方向で該第2支持軸に働く第2荷重を垂直に受け止めることを特徴とする請求項1に記載の車両用操作ペダル装置。
  3. 前記一対のサポート部材は、前記軸穴に対する前記第1荷重の作用点から前記連通口までの第1距離で該第1荷重に対する剛性を確保し、該軸穴に対する前記第2荷重の作用点から該連通口までの第2距離で該第2荷重に対する剛性を確保することを特徴とする請求項2に記載の車両用操作ペダル装置。
  4. 前記逃げ穴は、前記連通口と連なる側において前記一対のサポート部材に入り込んでいる湾入部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車両用操作ペダル装置。
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