JP6592877B2 - 印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 - Google Patents

印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法に関する。
高速印刷に関しては、現在のインクジェット記録方法の主流であるシャトル方式では高速化が困難であるため、ページ幅のラインヘッドを用いた1パス方式が提案されている。しかし、1パス方式は高速化には有利ではあるが、隣接ドットを打滴する時間的間隔が短く、先に打滴されたインクが印刷媒体に浸透する前に隣接ドットが打滴される。そのため、隣接ドットの合一(打滴干渉と呼ぶ)が起こり、ビーディングやブリードなどの発生によって画質が低下する場合がある。
また、インクジェット方式の印刷装置にて、フィルムやコート紙などの非浸透メディアや緩浸透メディアに印刷する場合、隣接するインクドットが流動して合一し、ビーディングやブリードという画像不良をもたらすという課題も存在する。
そこで従来では、普通紙やコート紙の欠点を克服するために、印刷速度の低速化や乾燥装置の設置を行っていた。また、水性インクのセット性を向上させるために、印刷媒体に予め先塗り剤を塗布する方法が存在した。
また、水性インクのセット性を向上させる他の方法としては、印刷媒体表面にプラズマ処理を施す方法が提案されている。このプラズマ処理を施すと、印刷媒体表面が親水化することが知られている。そのため、プラズマ処理を施すことで、濡れ性の悪いコート紙の親水性および濡れやすさを向上させることができる。さらに、プラズマ処理はドライプロセスのため、乾燥工程が不要であるという利点もある。
しかしながら、先塗り剤を塗布する方法では、前処理液としての先塗り剤がサプライ品である他、先塗り剤を乾燥させるための装置や工程が必要になるなどの要因によって、印刷媒体の種類によっては印刷コストが高くなってしまうという課題が存在した。また、プラズマ処理を施す方法では、印刷媒体の種類によっては高電圧でのプラズマ処理が必要になり、安全性確保の面や装置規模やコスト面で課題が存在した。
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、印刷媒体の種類に応じて前処理を最適化することが可能な印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる印刷装置は、印刷媒体表面をプラズマ処理するプラズマ処理部と、前記プラズマ処理後の前記印刷媒体表面に処理液を塗布する先塗り処理を施す第1先塗り処理部と、前記先塗り処理後の前記印刷媒体にインクジェット記録方式で記録する記録部と、前記プラズマ処理部における前記印刷媒体表面に付与するプラズマエネルギー量および前記第1先塗り処理部による前記処理液の塗布量を制御する制御部と、前記プラズマ処理および前記先塗り処理後における、前記記録部がインクジェット記録方式で形成したドットの前記印刷媒体の表面に対する接触角を検出する検出部と、を備え、前記制御部は、前記検出部が検出した接触角に基づいて前記プラズマエネルギー量および前記処理液の処理量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、印刷媒体の種類に応じて前処理を最適化することが可能な印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態にかかるインクの粘度とインクのpH値との関係例を示す図である。 図2は、本実施形態にかかるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。 図3は、図2における酸性化処理部の概略構成を示す図である。 図4は、図2における酸性化処理部へ応用可能な大気圧非平衡プラズマによるプラズマ処理部の一例を示す模式図である。 図5は、図2における先塗り処理部の概略構成を示す図である。 図6は、図5における加圧機構の概略構成を示す斜視図である。 図7は、図2に示すインクジェット記録装置をより簡略化して示す模式図である。 図8は、本実施形態にかかるインクジェット記録処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、図7に示される濡れ性検出部による濡れ性検出方法の一例を示す模式図である。 図10は、図9に示す濡れ性検出方法における接触角の算出方法を説明するための図である。 図11は、濡れ性が悪い印刷媒体に対して濡れ性試薬を塗布した際に撮像された画像の一例を示す図である。 図12は、濡れ性が良い印刷媒体に対して濡れ性試薬を塗布した際に撮像された画像の一例を示す図である。 図13は、印刷媒体へ施した前処理とインクの付着量および印刷濃度(単色)との関係を示す図である。 図14は、本実施形態にかかるインクジェット記録装置全体の概略構成を示す図である。 図15は、本実施形態にかかるプラズマ処理を施していない印刷媒体に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図である。 図16は、図15に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。 図17は、本実施形態にかかるプラズマ処理を施した印刷媒体に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図である。 図18は、図17に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。 図19は、本実施形態にかかるプラズマエネルギー量と印刷媒体表面の濡れ性、ビーディング、pH値および浸透性との関係を示すグラフである。 図20は、本実施形態にかかるプラズマエネルギー量とpHとの関係を示すグラフである。 図21は、印刷媒体として普通紙を用い、先塗り処理とプラズマ処理との併用処理を実行した場合のインク付着量に対する画像濃度の結果を示す図である。 図22は、プラズマ処理と先塗り処理とを併用したときの浸透し難い印刷媒体の粒状度を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
以下の実施形態では、印刷媒体に対する前処理において、印刷媒体の種類に応じて酸性化処理と先塗り処理とそれらの組み合わせとを適宜使い分ける。ここで、本説明における酸性化とは、インクに含まれる顔料が凝集するpH値まで印刷媒体表面のpH値を酸性方向に変化させることを意味する。図1に、インクのpH値とインクの粘度との関係の一例を示す。図1に示すように、インクは、そのpH値が低いほど、その粘度が上昇する。これは、インクの酸性度が高くなるほど、インクのビヒクル中でマイナスに帯電している顔料が電気的に中和され、その結果、顔料同士が緩やかに凝集するためである。したがって、たとえば図1に示すグラフにおいてインクのpH値が必要な粘度と対応する値となるように印刷媒体表面のpH値を下げることで、インクの粘度を上昇させることが可能である。これは、インクが酸性である印刷媒体表面に付着した際、顔料が印刷媒体表面の水素イオンHによって電気的に中和された結果、顔料同士が凝集するためである。それにより、隣接したドット間の混色を防止するとともに、顔料が印刷媒体の奥深く(さらには裏面まで)浸透するのを防止することが可能となる。ただし、必要な粘度と対応するpH値となるようにインクのpH値を下げるためには、印刷媒体表面のpH値を必要な粘度と対応するインクのpH値よりも低くしておく必要がある。
また、インクを必要な粘度とするためのpH値は、インクの特性によって異なる。すなわち、図1のインクAに示すように、比較的中性に近いpH値で顔料が凝集して粘度が上がるインクもあれば、インクAとは異なる特性を持つインクBに示すように、顔料を凝集させるためにインクAよりも低いpH値が必要なインクも存在する。そこで、以下の実施形態では、インクの特性(たとえば種類等)を考慮しつつ、印刷媒体の種類に応じて酸性化処理と先塗り処理とそれらの組み合わせとを適宜使い分ける。
本実施形態にかかる酸性化処理としては、大気中でプラズマ照射を行うプラズマ処理を用いることができる。酸性化処理としてのプラズマ処理では、被処理物(たとえば印刷媒体)に大気中のプラズマ照射を行うことによって、印刷媒体表面の高分子を反応させ、親水性の官能基を形成する。詳細には、放電電極から放出された電子eが電界中で加速されて、大気中の原子や分子を励起・イオン化する。イオン化された原子や分子からも電子が放出され、高エネルギーの電子が増加し、その結果、ストリーマ放電(プラズマ)が発生する。このストリーマ放電による高エネルギーの電子によって、印刷媒体(たとえばコート紙)表面の高分子結合(コート紙のコート層は炭酸カルシウムとバインダとして澱粉とで固められているが、その澱粉が高分子構造を有している)が切断され、気相中の酸素ラジカルOや水酸ラジカル(*OH)、オゾンOと再結合する。これらの処理をプラズマ処理と呼ぶ。これにより、印刷媒体の表面に水酸基やカルボキシル基等の極性官能基が形成される。その結果、印刷媒体の表面に親水性や酸性が付与される。なお、カルボキシル基の増加により、印刷媒体表面が酸性化(pH値の低下)する。
印刷媒体表面における隣接したドットは、印刷媒体表面の親水性が上がることにより、濡れ拡がって合一する。これに起因したドット間の混色の発生を防ぐためには、着色剤(例えば顔料や染料)をドット内で迅速に凝集させることや、ビヒクルが濡れ拡がるよりも早くビヒクルを乾燥させたり印刷媒体内へ浸透させたりすることが必要になる。上記において例示したプラズマ処理は、印刷媒体表面を酸性化させる酸性化処理手段(工程)としても作用することから、ドット内での着色剤の凝集速度を高めることができる。この点においても、インクジェット記録処理の前処理としてプラズマ処理を実行することは有効であると考えられる。
一方、印刷媒体の表面に先塗り剤と呼ばれる酸性の処理液を印刷前に塗布することで、アルカリ性のインクとの親和性を向上させることが可能である。これは、処理液中に含まれる高分子材料が紙面の凹部に入り込むことでインクの過剰な浸透が抑えられるためであると考えられる。したがって、先塗り処理は、高い浸透性の印刷媒体、例えば普通紙や粗面紙や薄紙に対して特に効果的である。しかしながら、処理液を均一に塗布するにはある程度の塗布量(層厚)が必要となるため、コスト高を招く恐れがある。
そこで以下の実施形態では、印刷装置の一例としてインクジェット記録装置を挙げ、そのインクジェット記録装置の前処理において、印刷媒体の種類に応じて印刷媒体への大気中のプラズマ照射と先塗り剤の塗布とを併用する。これにより、印刷媒体の品質を維持したまま、プラズマ照射に要するエネルギーを減らし、且つ、先塗り剤の塗布量を減らすことが可能となる。なお、本実施形態にかかる印刷装置には、インクジェット記録装置に限らず、他の態様でインクを用いる印刷装置や画像形成装置等も含まれる。
また、インクジェット機録におけるインクの挙動は、小滴、中滴および大滴の液滴量と印刷媒体の種類とによって異なる。そこで以下の実施形態では、プラズマ照射でのプラズマエネルギー量を印刷媒体の種類や印刷モード(液滴量)に応じた適切な値とするために、印刷媒体の濡れ性や表面のpHを計測し、その計測値に応じてプラズマエネルギー量を最適化する。さらに、処理対象の印刷媒体に応じて前処理での制御を変更する。それにより、印刷媒体に応じて最適な前処理を行うことが可能となる。
以上のように、以下の実施形態では、インクジェット記録方式を有する画像形成装置において、印刷媒体へ画像記録する前に、大気中でのプラズマ処理と印刷媒体表面に処理液を塗布する先塗り処理とのうち、印刷媒体に応じて有効な一方または両方が実行されるように、印刷媒体の搬送ルートを切り替える。それにより、各処理手段の稼動負荷を低下させて省エネルギー化と高寿命化とを実現することが可能となる。また、以下の実施形態では、印刷媒体表面の濡れ性またはpHの少なくとも一方を検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの処理手段の出力を最適化してもよい。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。本実施形態では、インクジェット記録装置が印刷媒体に対して実行する前処理として、大気中でのプラズマ照射と先塗り剤の塗布とを併用する。インクジェット記録装置では、浸透性の劣る印刷媒体のみならず、浸透性の良い印刷媒体でも、プラズマ処理と先塗り処理とを併用することで、プラズマ処理にかかるエネルギーを減らしつつ、先塗り処理による塗布量を減らすことが可能となる。その結果、処理液の乾燥時間および乾燥エネルギーを減らしつつ、インクの使用量を減らすことができるため、省エネルギー化および低CPP化(低コスト化)を図りつつ高品質な印刷物を製造することが可能となる。
図2は、本実施形態にかかるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、インクジェット記録装置1は、酸性化処理部10と、制御部15と、第1先塗り処理部30Aと、第2先塗り処理部30Bと、インクジェット記録部40とを備える。
また、インクジェット記録装置1は、印刷媒体M1の搬送経路として、搬送経路R1、R2およびR32を経由する第1経路と、搬送経路R1、R11、R12、R31およびR32を経由する第2経路と、搬送経路R1、R11、R21、R22、R31およびR32を経由する第3経路とを備える。酸性化処理部10は、第1〜第3経路に含まれる搬送経路R1上に配置される。第1先塗り処理部30Aは、たとえば第2および第3経路に含まれる搬送経路R11上に配置される。第2先塗り処理部30Bは、たとえば第3経路に含まれる搬送経路R21上に配置される。インクジェット記録部40は、第1〜第3経路に含まれる搬送経路R32上に配置される。
さらに、インクジェット記録装置1は、印刷媒体M1が搬送される経路を切り替えるための搬送切替部21および22を備える。搬送切替部21は、たとえば印刷媒体M1の搬送先を第1経路と第2経路とのいずれかに切り替える。搬送切替部22は、たとえば印刷媒体M1の搬送先を第2経路と第3経路とのいずれかに切り替える。これら搬送切替部21および22は、たとえば不図示の制御部によって制御される。すなわち、本実施形態では、印刷媒体M1の種類に応じて第1〜第3経路の何れかに切り替えることで、印刷媒体M1に対してプラズマ処理のみを施すか、プラズマ処理に加えて1回の先塗り処理を施すか、あるいは、プラズマ処理に加えて2回の先塗り処理を施すかを選択することができる。なお、プラズマ処理を行わずに、1回または複数回の先塗り処理を施すように動作することも可能である。その場合、酸性化処理部10の電源をオフ状態としてもよいし、酸性化処理部10における放電電極への電圧供給を遮断してもよい。
たとえば印刷媒体M1が非浸透メデイアである場合、まず印刷媒体M1にプラズマ処理を施し、その結果、印刷媒体M1の表面改質が充分であれば、印刷媒体M1を第1経路へ搬送することで、先塗り処理部30Aおよび30Bを通過させずにインクジェット記録部40に搬送するように構成されている。また、プラズマ処理と1度の先塗り処理とでは印刷媒体M1の表面を充分に表面改質できない場合、先塗り処理部30Aおよび30Bで2度の先塗り処理が行われる第3経路へ印刷媒体M1が搬送されるように、搬送切替部21および22が制御される。さらに、プラズマ処理を施す必要がない場合、印刷媒体M1は酸性化処理部10においてプラズマ処理されずに搬送経路R1上を搬送される。
このように、本実施形態は、印刷媒体M1に対するプラズマ処理の有無や印刷媒体M1へ塗布する処理液の量を変更できるように構成されている。なお、各先塗り処理部30Aおよび30Bの直後の下流の搬送経路上には、インクジェット記録部40による印字前に処理液を乾燥させるための乾燥手段(不図示)が設けられている。
以上のように、印刷媒体M1の搬送経路を切り替えることにより、不必要な先塗り処理部の駆動を防止することができるため、システムの駆動負荷を低減することができる。その結果、省エネルギー化および部品の長寿命化を実現することができる。また、酸性化処理部10についても必要に応じて駆動することが可能であるため、同様に、システムの駆動負荷を低減して、省エネルギー化および部品の長寿命化を実現することができる。
図3は、図2における酸性化処理部の概略構成を示す図である。本実施形態における酸性化処理部10は、たとえば誘電体バリア放電を利用した大気圧非平衡プラズマ処理装置である。図3に示すように、酸性化処理部10は、搬送経路R1に沿って配列する複数の放電電極11a〜11fと、各放電電極11a〜11fへ放電電圧を印加する高周波高圧電圧12a〜12fと、接地電極13と、放電電極11a〜11fと接地電極13との間に介在する無端ベルト状の誘電体14と、誘電体14を搬送経路R1に沿って巡回させるためのローラ17とを備える。印刷媒体M1は、搬送経路D1を搬送されながらプラズマ処理される。また、各高周波高圧電圧12a〜12fが対応する放電電極11a〜11fへ与える放電電圧は、たとえば制御部15によって制御される。
制御部15は、不図示の上位装置(たとえば図7の制御部100)からの指示に基づいてローラ17を駆動することで、誘電体14を巡回させる。印刷媒体M1は、上流の搬入部IN(図14参照)から誘電体14上に搬入されると、誘電体14の巡回によって搬送経路R1を通過する。
高周波高圧電源12a〜12fは、それぞれ制御部15からの指示にしたがって、高周波・高電圧のパルス電圧を放電電極11a〜11fに供給する。パルス電圧は、すべての放電電極11a〜11fに供給されてもよいし、放電電極11a〜11fのうち印刷媒体M1の表面に所定のプラズマ処理(たとえばpH値を所定値以下とするためのプラズマ処理)を実行するのに必要な数の放電電極に供給されてもよい。または、制御部15は、各高周波高圧電源12a〜12fから供給されるパルス電圧の周波数および電圧値(プラズマエネルギー量)を、印刷媒体M1の表面に所定のプラズマ処理を施すのに必要となるプラズマエネルギー量に調整してもよい。
制御部15は、複数の高周波高圧電源12a〜12fを個別にオン/オフすることが可能であり、たとえば印刷速度情報に比例して高周波高圧電源12a〜12fの駆動数を選択するか、各放電電極11a〜11fに与えるパルス電圧のプラズマエネルギー量の強度を調整する。また、制御部15は、印刷媒体M1の種類(たとえばコート紙やPETフィルムなど)に応じて、高周波高圧電源12a〜12fの駆動数、および/または、各放電電極11a〜11fに与えるプラズマエネルギー量を調整してもよい。
このように、複数の放電電極11a〜11fを備えることは、印刷媒体M1の表面を均一に酸性化する点においても有効である。すなわち、たとえば同じ搬送速度(または印刷速度)とした場合、1つの放電電極で酸性化処理を行う場合よりも複数の放電電極で酸性化処理を行う場合の方が印刷媒体M1がプラズマの空間を通過する時間を長くすることが可能となる。その結果、より均一に印刷媒体M1の表面に酸性化処理を施すことが可能となる。
ここで、大気圧非平衡プラズマによるプラズマ処理は、電子温度が極めて高く、ガス温度が常温付近であるため、印刷媒体M1を酸性化するための手段として好ましい。大気圧非平衡プラズマを広範囲に安定して発生させるには、誘電体で被覆された電極間に交番する高電圧を印加して得られるストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電を用いることが最も好ましい。ただし、大気圧非平衡プラズマを発生させる方法としては、上述したストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電以外にも、種々の方法を用いることができる。たとえば、電極間に誘電体等の絶縁物を挿入する誘電体バリア放電、細い金属ワイヤ等に著しい不平等電界を形成するコロナ放電、短パルス電圧を印加するパルス放電などを適用することが可能である。また、これらの方法を2つ以上組み合わせることも可能である。
図4は、図2における酸性化処理部へ応用可能な大気圧非平衡プラズマによるプラズマ処理部の一例を示す模式図である。図4に示すように、プラズマ処理部10aには、放電電極11と、接地電極13と、誘電体14と、高周波高圧電源12とを備える。誘電体14は、放電電極11と接地電極13との間に配置される。放電電極11および接地電極13は、金属部分が露出した電極であってもよいし、絶縁ゴムやセラミックなどの誘電体または絶縁体で被覆された電極であってもよい。また、放電電極11と接地電極13との間に配置される誘電体14は、ポリイミド、シリコン、セラミック等の絶縁体であってよい。なお、プラズマ処理として、コロナ放電を採用した場合、誘電体14は省略されてもよい。ただし、たとえば誘電体バリア放電を採用した場合など、誘電体14を設けた方が好ましい場合もある。その場合、誘電体14の位置は、放電電極11側に近接または接触するように配置するよりも、接地電極13側に近接または接触するように配置した方が、沿面放電の領域が広がるため、よりプラズマ処理の効果を高めることが可能である。また、放電電極11および接地電極13(もしくは誘電体14が設けられている側の電極はその誘電体14)は、2つの電極間を通過する印刷媒体M1と接触する位置に配置されてもよいし、接触しない位置に配置されてもよい。
高周波高圧電源12は、放電電極11と接地電極13との間に高周波・高電圧のパルス電圧を印加する。このパルス電圧の電圧値は、たとえば約10kV(キロボルト)(p−p)程度であってよい。また、その周波数は、たとえば約20kHz(キロヘルツ)とすることができる。このような高周波・高電圧のパルス電圧を2つの電極間に供給することで、各放電電極11と誘電体14との間に大気圧非平衡プラズマ16が発生する。印刷媒体M1は、大気圧非平衡プラズマ16の発生中に放電電極11と誘電体14との間を通過する。これにより、印刷媒体M1の放電電極11側の表面がプラズマ処理される。
なお、図4に例示したプラズマ処理部10aでは、回転型の放電電極11とベルトコンベア型の誘電体14とが採用されている。印刷媒体M1は、回転する放電電極11と誘電体14との間で挟持搬送されることで、大気圧非平衡プラズマ16中を通過する。これにより、印刷媒体M1の表面が大気圧非平衡プラズマ16に接触し、これに一様なプラズマ処理が施される。ただし、実施形態において採用されるプラズマ処理装置は、図4に示される構成に限られるものではない。たとえば、放電電極11が印刷媒体M1と接触せずに近接している構成や、放電電極11がインクジェットヘッドと同じキャリッジに搭載された構成など、種々変形可能である。また、ベルトコンベア型の誘電体14に限らず、平板型の誘電体14を採用することも可能である。
酸性化処理部10(図4参照)によるプラズマ処理のエネルギー(以下、プラズマエネルギー量ともいう)は、たとえば、印刷媒体M1を抵抗体とした場合に放電電極11および接地電極13間に流れる電流を求め、この電流値と印加電圧とパルス時間幅とから求めることができる。図4に示す酸性化処理部10は、6本の放電電極11a〜11fを有している。その場合、6本の放電電極11a〜11fの全体で消費されるエネルギーを一度のプラズマ処理でのエネルギーとして制御される。制御部15は、高周波高圧電源12を個別にオン/オフすることが可能であり、印刷速度情報に比例して高周波高圧電源12の駆動個数を選択する。また、印刷媒体M1の種類によって必要なプラズマエネルギー量が異なる場合が考えられる。この場合においても、制御部15は、印刷媒体M1の種類に応じて選択的に必要な数の放電電極11からプラズマを発生させる。印刷媒体M1は、プラズマの発生中に放電電極11と誘電体14との間を通過することでプラズマ処理される。その結果、印刷媒体M1表面のバインダ樹脂の鎖が破壊され、気相中の酸素ラジカルやオゾンと高分子とが再結合して極性官能基が生成され、それにより、印刷媒体M1の表面に親水性および酸性化が付与される。なおプラズマ処理を大気中で行っているが、窒素等のガス雰囲気下で実施してもよい。
図5は、図2における先塗り処理部の概略構成を示す図である。なお、図5は、先塗り処理部30Aまたは30B(以下、先塗り処理部30とする)の側視断面図を示し、図6は、先塗り処理部30における加圧機構31の斜視図を示す。
図5に示すように、先塗り処理部30は、印刷媒体M1を挟持搬送するために対向配置された2つのローラ35および36と、印刷媒体M1へ処理液PLを塗布するローラ35に処理液PLを転送するための汲上ローラ34と、汲上ローラ34の一部が浸漬するように処理液PLを貯蔵するタンク33と、ローラ35に転送される処理液PLの量を制御する加圧機構31とを備える。
汲上ローラ34の表面には、細かい溝が設けられている。汲上ローラ34で汲み上げられた処理液は、ローラ35へ転写される。先塗りの処理液には、水性で酸性のpHとなるような溶剤と、ならびにカチオンポリマーと呼ばれる高分子材料とが混合されている。カチオンポリマーはアミン系とヒドリン系とから成り立っている。
なお、本実施形態では、先塗り処理の前にプラズマ処理を行っているが、これは印刷媒体M1が緩浸透の媒体である場合、プラズマ処理を先に行うことで媒体表面が親水化し、先塗り処理の処理液を薄く均一に塗布することが可能になるためである。
図6は、図5における加圧機構の概略構成を示す斜視図である。図6に示すように、加圧機構31は、不図示の制御部によって制御されるステッピングモータ310を有する。ステッピングモータ310が正回転(A方向)した場合の駆動力は、ステッピングモータ310の駆動軸と同軸上に設けられたギヤ311からアイドラギヤ312を介してギヤ313に伝達される。
ここで、このギヤ313には、先端が送りネジとなっている軸314が連結されており、アンカー315を水平方向(C方向)に引き寄せることができる。このアンカー315には、スプリング316の端部が取り付けられている。スプリング316の他端は、メータリングブレード32を支持するブラケット317に取り付けられている。したがって、アンカー315の水平移動に伴って、メータリングブレード32の押圧力が可圧する。
一方、ステッピングモータ310が逆回転(B方向)した場合には、アンカー315は水平方向(D方向)に押し戻されるため、ブラケット317が減圧方向に回動し、メータリングブレード32の押圧力が低減または解除される。
なお、アンカー315には、基準位置を検知するセンサが設けられてもよい。このセンサは、たとえばアンカー315の下方に形成されている検知片318によりオン/オフされるスイッチであってもよい。センサのオン/オフにしたがってアンカー315の移動量を調整することで、必要な押圧力をメータリングブレード32に付与することができる。また、図6に示すような加圧機構31は、メータリングブレード32における汲上ローラ34との接触端と反対側の端の辺の両側に設けられているとよい。
本実施形態では、上述のように構成された加圧機構31を制御することで、塗布量がたとえば0.02〜0.2mg/cmとなるようにメータリングブレード32の押圧力を調整するが、これに限られるものではない。たとえば加圧機構31によるメータリングブレード32の押圧力を制御することで、汲上ローラ34からローラ35へ転写される処理液の量を調節することも可能である。その場合、先塗り処理部30Aおよび30Bのうち一方、ならびにその経路を省略してもよい。
また、複数の先塗り処理部30Aおよび30Bの汲上ローラ34の細かい溝の深さを変えることで、塗布量の異なる先塗り処理部30Aおよび30Bの組み合わせを実現してもよい。その場合、両方の先塗り処理部30Aおよび30Bによる処理結果の塗布量が、0.02〜0.2mg/cmの範囲で調整可能であるとよい。
また、図2におけるインクジェット記録部40は、インクジェットヘッドを含み、不図示の制御部からの制御の下で前処理が施された印刷媒体M1にインクを吐出して画像記録を行う。インクジェット記録部40は、複数の同色ヘッド(図2では4色×4ヘッド)を備えてもよい。これにより、インクジェット記録処理の高速化が可能になる。また、高速で高解像度(たとえば1200dpi)を達成するために、各色のヘッドは、インクを吐出するノズルとノズルの間隔を補正するようにずらして固定されている。さらに、制御部は、各ノズルから吐出されるインクのドットが大/中/小滴と呼ばれる3種類の容量に対応する駆動周波数の制御信号をインクジェットヘッドに入力する。
つづいて、印刷媒体の種類に応じてプラズマ処理と先塗り処理とを組み合わせた前処理を実行可能なインクジェット記録処理の動作を、図面を参照して詳細に説明する。図7は、図2に示すインクジェット記録装置をより簡略化して示す模式図である。図8は、本実施形態にかかるインクジェット記録処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8では、インクジェット記録装置1全体を制御する制御部100の動作を示す。
図7には、インクジェット記録装置1の構成として、図2に示す構成に加え、第1先塗り処理部30Aを制御する制御部35Aと、第2先塗り処理部30Bを制御する制御部35Bと、印刷媒体M1の濡れ性を検出する濡れ性検出部51と、印刷媒体M1のpH値を検出するpH検出部52と、インクジェット記録装置1全体を制御する制御部100と、印刷媒体M1の種類や処理条件や検出結果などを記憶する記憶部101とがさらに示されている。濡れ性検出部51およびpH検出部52は、プラズマ処理及び/又は先塗り処理が必要に応じて適切に施されているか否かをチェックするための構成であり、酸性化処理部10、第1および第2先塗り処理部30Aおよび30Bよりも経路の下流側であってインクジェット記録部40よりも上流側に配置される。制御部100は、濡れ性検出部51およびpH検出部52から入力された検出結果に基づいて制御部15、35Aおよび35Bを制御することで、印刷媒体M1に対する前処理の程度を制御する。すなわち、制御部100は、濡れ性検出部51およびpH検出部52から入力された検出結果に基づいて制御部15、35Aおよび35Bを制御することで、プラズマ処理の要否、先塗り処理の要否、プラズマ処理でのプラズマエネルギー量(または電圧等)、先塗り処理の回数、各先塗り処理における処理液の塗布量等を制御する。なお、インクジェット記録部40は、別に設けられた制御部(不図示)によって制御されてもよいし、制御部100によって制御されてもよい。
つづいて、インクジェット記録処理の動作を説明する。図8に示すように、まず、制御部100は、不図示の入力部からの指示にしたがい、印刷媒体M1の搬送を開始する(ステップS101)。これにより、印刷媒体M1が搬送経路R1へ送り出される。また、制御部100は、予め入力部から設定入力された印刷条件に基づき、印刷媒体M1の種類を特定するとともに(ステップS102)、印刷モード(カラー印刷およびモノクロ印刷や解像度等)や使用インクの種類等に基づいて、前処理およびその処理条件を決定する(ステップS103)。なお、印刷媒体M1の種類、印刷モード、使用インクの種類等の印刷条件は、たとえば記憶部101に記憶されている。印刷条件と前処理との対応関係は、たとえば記憶部101に記憶されている。また、ステップS103では、前処理として実行するプラズマ処理と第1先塗り処理と第2先塗り処理との組み合わせや、各処理で使用する処理条件(プラズマエネルギー量、処理液の塗布量等)等が決定される。
搬送経路R1へ送り出された印刷媒体M1は、まず、酸性化処理部10を通過する。その際、制御部100は、ステップS103においてプラズマ処理を実行するように決定したか否かを判定する(ステップS104)。プラズマ処理を実行する場合(ステップS104;YES)、制御部100は、ステップS103で決定した処理条件(プラズマエネルギー量等)に基づき酸性化処理部10を駆動することで、印刷媒体M1にプラズマ処理を施す(ステップS105)。たとえば制御部100は、ステップS103で決定した処理条件に基づいて、駆動する放電電極11a〜11fの数、および/または、各高周波高圧電源12a〜12fから各放電電極12a〜12fへ供給するパルス電圧のプラズマエネルギー量を調整する。なお、プラズマエネルギー量は、上述したように、印刷媒体M1へ流れた電流に基づいて求められてよい。一方、プラズマ処理を実行しない場合(ステップS104;NO)、制御部100は、ステップS104を経ずに次のステップS105へ進む。
つぎに、制御部100は、ステップS103において第1先塗り処理を実行するように決定したか否かを判定する(ステップS106)。第1先塗り処理を実行しない場合(ステップS106;NO)、制御部100は、印刷媒体M1が第1経路の搬送経路R1へ送り出されるように搬送切替部21を制御するとともに、ステップS110へ進む。
一方、第1先塗り処理を実行する場合(ステップS106;YES)、制御部100は、印刷媒体M1が搬送経路R11へ送り出されるように搬送切替部21を制御して、印刷媒体M1に第1先塗り処理部30Aを通過させる。印刷媒体M1が第1先塗り処理部30Aを通過する際、制御部100は、ステップS103で決定した処理条件(処理液の塗布量等)に基づき第1先塗り処理部30Aを駆動することで、印刷媒体M1に1回目の先塗り処理を施す(ステップS107)。
つぎに、制御部100は、ステップS103において第2先塗り処理を実行するように決定したか否かを判定する(ステップS108)。第2先塗り処理を実行しない場合(ステップS108;NO)、制御部100は、印刷媒体M1が第2経路の搬送経路R12へ送り出されるように搬送切替部22を制御するとともに、ステップS110へ進む。
一方、第2先塗り処理を実行する場合(ステップS108;YES)、制御部100は、印刷媒体M1が搬送経路R21へ送り出されるように搬送切替部22を制御して、印刷媒体M1に第2先塗り処理部30Bを通過させる。印刷媒体M1が第2先塗り処理部30Bを通過する際、制御部100は、ステップS103で決定した処理条件(処理液の塗布量等)に基づき第2先塗り処理部30Bを駆動することで、印刷媒体M1に2回目の先塗り処理を施し(ステップS109)、ステップS110へ進む。
ステップS110では、制御部100は、濡れ性検出部51の検出結果から印刷媒体M1の濡れ性を取得する。濡れ正の検出方法については後述するが、たとえば前処理後の印刷媒体M1に液滴を着弾させ、その際のドットの大きさや形状の測定結果から濡れ性を検出してもよい。また、制御部100は、pH検出部52の検出結果から印刷媒体M1のpH値を取得する(ステップS111)。pH値の検出方法については後述するが、たとえば非接触型のpHセンサを用いて前処理後の印刷媒体M1のpH値を検出してもよい。なお、ステップS110およびS111で検出された濡れ性およびpH値は、たとえば記憶部101に記憶されてもよい。その際、検出された濡れ性およびpH値は、たとえばステップS102で特定した印刷媒体M1の種類やステップS103で決定した処理条件等に対応づけて記憶されてもよい。
つぎに、制御部100は、ステップS110およびS111で検出された濡れ性およびpH値が印刷可能と判断できる程度であるか否かを判定し(ステップS112)、印刷可能と判断できない場合(ステップS112;NO)、ステップS103へリターンして、再度前処理を実行する。一方、印刷可能と判断できる場合(ステップS112;YES)、制御部100は、ステップS113へ進む。
第1経路、第2経路または第3経路へ送り出された印刷媒体M1は、その後、共通の搬送経路R32を通過する。制御部100は、印刷媒体M1が搬送経路R32を通過するタイミングに合わせてインクジェット記録部40を駆動することで、前処理後の印刷媒体M1に対するインクジェット記録を実行する(ステップS113)。その後、制御部100は、印刷後の印刷媒体M1に適宜後処理を施した後、印刷媒体M1を排出し(ステップS114)、本動作を終了する。
なお、図8では、印刷媒体M1の経路や、酸性化処理部10におけるプラズマエネルギー量(放電電圧および周波数)や、第1および第2先塗り処理部30Aおよび30Bでの処理液の塗布量を制御部100が印刷条件等に基づいて自動的に決定する場合を例示したが、これに限られるものではない。たとえば印刷媒体M1の経路や、酸性化処理部10におけるプラズマエネルギー量(放電電圧および周波数)や、第1および第2先塗り処理部30Aおよび30Bでの処理液の塗布量を、ユーザが手動で設定または調整して、制御部100がこの設定(調整)値に基づいて各部を制御してもよい。
また、プラズマ処理におけるプラズマエネルギー量は、基本的には0.1〜10.0J/cmの範囲内の値とすることが好ましい。さらに、第1および第2先塗り処理それぞれの塗布量は、基本的には約0.02〜0.2mg/cmの範囲内の値とすることが好ましい。印刷媒体に対するプラズマエネルギー量や先塗り処理の塗布量の最適条件を求める方法としては、たとえば、各種の印刷媒体に対してプラズマエネルギー量や先塗り処理の塗布量を連続的に変化させ、実際に処理後の印刷媒体にインクジェット記録を行うことで得られた画像(ドット)を測定して比較することで求めることができる。画像(ドット)の評価項目としては、目視評価以外に、印刷濃度、ドット径、真円度、粒状度などを挙げることができる。また、その他の評価項目として、定着性を測定してもよい。ただし、これらの項目は、インクやインクジェット記録の設定条件に左右されるので、補助的に基本特性として処理した印刷媒体のpHおよび濡れ性(印刷媒体と純水で形成される接触角)も測定するとよい。これらの結果から各印刷媒体の最適条件を求め、インクジェット記録部40の制御に反映するとよい。
以下に示す表1は、印刷媒体M1として浸透性の低いコート紙を用い、これにプラズマ処理、先塗り処理、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理をそれぞれ適用した場合の接触角とpH値との測定結果を示している。表1における接触角は、印刷媒体M1へ滴下した純水の接触角の測定結果であり、濡れ性を表している。また、pH値は、媒体の表面に指示薬を塗った際の酸性度である。なお、プラズマ処理と先塗り処理といずれも媒体表面を酸性化する効果がある。酸性化した印刷媒体M1は、アルカリ性であるインクと中和するため、顔料が凝集して粘性が上がり、結果的にドットが合一した時も顔料の移動を少なくすることができる。
上記表1に示すように、プラズマ処理と先塗り処理とのいずれも行わない場合、接触角が大きい。これは、印刷媒体であるコート紙が純水をはじいていることを示している。一方、プラズマ処理が施されたコート紙では、接触角が小さくなり、濡れ性が改善していることが分かる。さらに、プラズマ処理を行うことで、コート紙のpHが酸性化している。これは、プラズマ処理によってコート紙表面に極性官能基が発生して酸性になるとともに、コート紙のコート層が放電破壊されて凹部が形成され、その結果、コート紙表面が親水化していると考えられる。なお、表1には示されていないが、実際にはプラズマエネルギー量を約2.8J/cm以上とした場合でもpH値にはほとんど変化が生じなかった。また、表1に示すコート紙での結果は良好であるが、たとえば凹部の多い普通紙や粗面紙では濡れ性や浸透性が上がりすぎてしまう場合があった。
また、先塗り処理では、表1に示されるように、pHは酸性を示しているものの、接触角はプラズマ処理ほど劇的には変化していない。なお、先塗り液は水性であるため、水をはじきやすいコート紙へ薄く均一に塗布することが難しく、ある程度の塗布量が必要になる。
また、表1に示されるように、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理による結果は、プラズマ処理による濡れ性の向上、先塗り処理による速やかな酸性化という、上記2つの処理の中間の結果となっている。なお、プラズマ処理によってコート紙の表面が酸性化するとともに凹凸が形成されるため、先塗り液が濡れやすくなった結果、薄く均一に塗布することが可能になるという効果も得られる。
これらのことから、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理は、プラズマ処理による効果が得られやすい印刷媒体と、先塗り処理による効果が得られやすい印刷媒体とのいずれでも高い効果が得られる方法であることが分かる。
つづいて、印刷媒体M1に対する濡れ性およびpH値の検出について説明する。図9は、図7に示される濡れ性検出部による濡れ性検出方法の一例を示す模式図である。図10は、図9に示す濡れ性検出方法における接触角の算出方法を説明するための図である。
図9に示すように、濡れ性検出部51は、前処理後の印刷媒体M1に対して実際に液滴を着弾させ、それによって形成されたドットDを光源511およびカメラ512を用いて真横(印刷媒体M1の印刷面と平行な方向であって印刷面と同一レベル)から撮像し、それにより得られた画像からドットDの形状を取得する。取得されたドットDの画像は、たとえば制御部100に送られる。制御部100は、入力されたドットDの画像を解析することで接触角θを特定し、特定された接触角θから印刷媒体M1の濡れ性を取得する。
具体的には、図10に示すように、ドットDの端点近辺を円(または球)の一部とみなし、円弧上の3点A1、A2およびA3から円Oの中心Mを求め、点A1における円の接線mを求める。求めた円の接線mと印刷媒体M1の表面M10との角度がドットDの画像における左側の接触角θとなる。同様に、円弧上の点B1、B2、B3からドットDの画像における右側の接触角θを求めることができる。
なお、上記した方法の他に、濡れ性試薬を印刷媒体M1に塗布し、その濡れ具合をカメラで読み取り、得られた画像から濡れ性を判読する方法など、種々の方法を適用することが可能である。図11は、濡れ性が悪い印刷媒体に対して濡れ性試薬を塗布した際に撮像された画像の一例を示し、図12は、濡れ性が良い印刷媒体に対して濡れ性試薬を塗布した際に撮像された画像の一例を示す。図11と図12とを比較すると明らかなように、濡れ性の悪い印刷媒体(図11)では、濡れ性試薬が弾かれているのに対し、濡れ性の良い印刷媒体では、濡れ性試薬が広がっている。この広がり具合から、印刷媒体の濡れ性を判読することが可能である。
また、pH検出部52には、上述したように、非接触プローブのpHセンサを用いることができる。
図13は、印刷媒体へ施した前処理とインクの付着量および印刷濃度(単色)との関係を示す図である。図13において、実線は前処理を施さなかった場合を示し、一点破線は塗布量を0.1mg/cmとした先塗り処理を施した場合を示し、点線はプラズマエネルギー量を2.78J/cmとしたプラズマ処理を施した場合を示し、二点破線はプラズマエネルギー量を0.14J/cmとしたプラズマ処理と塗布量を0.06mg/cmとした先塗り処理との併用処理を施した場合を示す。なお、図13では、顔料が酸により凝集する特性の水性顔料インク(アルカリ中で顔料が分散されているインク)を使用している。また、印刷媒体として、緩浸透メディアであるコート紙を用いた。
図13に示すように、前処理を施さなかった場合(実線)と比較して、いずれかの前処理を施した場合の方が高い印刷濃度が得られた。また、先塗り処理のみの場合とプラズマ処理のみの場合とでは、印刷濃度にほとんど差が見られなかった。ただし、実際の印刷画像で比較すると、先塗り処理の場合では、プラズマ処理の場合と比較して、重なった2色の画像(ドット)が混ざっており、また、ドットの先鋭性も良くなかった。一方、プラズマ処理の場合では、混色もなく、ドットの先鋭性も良好であった。併用処理を施した場合は、図13に示す4つの場合の中では最も高い印刷濃度が得られた。ドットの粒状度は、プラズマ処理のみの場合が最も高い値が得られた。
つぎに、本実施形態にかかるインクジェット記録装置1および印刷物の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、インクジェット記録部40のインクジェットヘッドとして、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色の吐出ヘッド(記録ヘッド、インクヘッド)を例示するが、これらの吐出ヘッドに限定されない。すなわち、グリーン(G)、レッド(R)及びその他の色に対応する吐出ヘッドを更に有してもよいし、ブラック(K)のみの吐出ヘッドであってもよい。以後の説明では、K、C、M及びYは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの夫々に対応するものとする。
また、本実施形態では、印刷媒体M1としてロール状に巻かれた連続紙(以下、ロール紙という)を用いるが、これに限定されものではなく、たとえばカット紙など、画像を形成できる印刷媒体であればよい。ここで、ロール紙は、切断可能なミシン目が所定間隔で形成された連続紙(連帳紙、連続帳票)であってよい。その場合、ロール紙におけるページ(頁)とは、例えば所定間隔のミシン目で挟まれる領域とする。
印刷媒体が紙である場合、その種類としては、例えば、普通紙、上質紙、再生紙、薄紙、厚紙、コート紙等を用いることができる。また、OHPシート、合成樹脂フィルム、金属薄膜及びその他表面にインク等で画像を形成することができるものも印刷媒体M1として用いることができる。
図14は、本実施形態にかかるインクジェット記録装置全体の概略構成を示す。ただし、図14では、先塗り処理部を1つとする。図14に示すように、インクジェット記録装置1は、印刷媒体M1(ロール紙)を搬送経路D1に沿って搬入(搬送)する搬入部INと、搬入された印刷媒体M1に対して前処理としてのプラズマ処理を施す酸性化処理部10と、同じく印刷媒体M1に対して前処理としての先塗り処理を施す先塗り処理部30と、前処理された印刷媒体M1の表面に画像を形成する画像形成装置120とを有する。これらの装置は、別の筐体で存在し全体でシステムを構成しても良いし、同じ筐体内に納められた印刷装置であっても良い。また、印刷システムとして構成される場合には、システムの全体または一部を制御する制御部は、何れかの装置に含まれていてもよいし、独立した別筐体に設けられてもよい。
画像形成装置120は、プラズマ処理された印刷媒体M1にインクジェット処理により画像を形成するインクジェット記録部40を含む。また、画像形成装置120は、画像が形成された印刷媒体M1を後処理する後処理部121を含んでもよい。さらに、インクジェット記録装置1は、後処理された印刷媒体M1を乾燥する乾燥部130と、画像形成された(場合によってはさらに後処理された)印刷媒体M1を搬出する搬出部OUTとを有してもよい。さらにまた、インクジェット記録装置1は、各部の動作を制御する制御部100(図7参照)を有する。
本実施形態では、図14に示すインクジェット記録装置1において、上述したように、インクジェット記録処理の前に、印刷媒体M1の表面を酸性化するプラズマ処理と、印刷媒体M1に処理液を塗布する先塗り処理とが適宜が実行される。プラズマ処理には、上述したように、誘電体バリア放電を利用した大気圧非平衡プラズマ処理を採用することができる。大気圧非平衡プラズマによる酸性化処理は、電子温度が極めて高く、ガス温度が常温付近であるため、印刷媒体などの被処理物に対するプラズマ処理方法として好ましい方法の1つである。
大気圧非平衡プラズマを広範囲に安定して発生させるには、ストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電を採用した大気圧非平衡プラズマ処理を実行するとよい。ストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電は、たとえば誘電体で被覆された電極間に交番する高電圧が印加することで得ることが可能である。
なお、大気圧非平衡プラズマを発生させる方法としては、上述したストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電以外にも、種々の方法を用いることができる。たとえば、電極間に誘電体等の絶縁物を挿入する誘電体バリア放電、細い金属ワイヤ等に著しい不平等電界を形成するコロナ放電、短パルス電圧を印加するパルス放電などを適用することが可能である。また、これらの方法を2つ以上組み合わせることも可能である。
ここで、本実施形態にかかるプラズマ処理を施した場合と施していない場合との印刷結果の違いを、図面を用いて詳細に説明する。図15は、本実施形態にかかるプラズマ処理を施していない印刷媒体に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図であり、図16は、図15に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。図17は、本実施形態にかかるプラズマ処理を施した印刷媒体に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図であり、図18は、図17に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。なお、図15および図17に示す印刷物を得るにあたり、デスクトップ型のインクジェット記録装置を用いた。また、印刷媒体M1には、コート層を備える一般的なコート紙を用いた。
本実施形態にかかるプラズマ処理を施していないコート紙は、コート紙表面にあるコート層の濡れ性が悪い。そのため、プラズマ処理を施していないコート紙に対してインクジェット記録処理にて形成した画像では、たとえば図15および図16に示すように、ドットの着弾時にコート紙の表面に付着したドットの形状(ビヒクルCT1の形状)が歪になる。また、ドットの乾燥が十分でない状態で近接ドットを形成すると、図15および図16に示すように、コート紙への近接ドットの着弾時にビヒクルCT1およびCT2同士が合一し、これによりドット間で顔料P1およびP2の移動(混色)が起き、その結果、ビーディング等による濃度ムラが生じてしまう場合がある。
一方、本実施形態にかかるプラズマ処理を施したコート紙は、コート紙表面にあるコート層の濡れ性が改善されている。そのため、プラズマ処理を施したコート紙に対してインクジェット記録処理にて形成した画像では、たとえば図17に示すように、ビヒクルCT1がコート紙の表面に比較的平坦な真円状に広がる。これにより、図18のようにドットが平坦な形状となる。また、プラズマ処理で形成された極性官能基によってコート紙表面が酸性になるため、インク顔料が電気的に中和され、顔料P1が凝集してインクの粘性が上がる。これにより、図18のようにビヒクルCT1およびCT2が合一した場合でも、ドット間の顔料P1およびP2の移動(混色)が抑制される。さらに、コート層内部にも極性官能基が生成されるため、ビヒクルCT1の浸透性が上がる。これにより比較的短時間で乾燥することが出来る。濡れ性向上により真円状に広がったドットが、浸透しながら凝集することにより、顔料P1が高さ方向に均等に凝集され、ビーディング等による濃度ムラの発生を抑えることが可能となる。なお、図15、図18は模式図であり、実際には図18の場合にも顔料は層になって凝集している。
このように、実施形態1にかかるプラズマ処理を施した印刷媒体M1では、プラズマ処理によって印刷媒体M1の表面に親水性の官能基が生成されて濡れ性が改善される。さらに、プラズマ処理によって印刷媒体M1の表面粗さが大きくなり、その結果、印刷媒体M1表面の濡れ性がさらに向上する。また、プラズマ処理によって極性官能基が形成された結果、印刷媒体M1表面が酸性になる。それらにより、着弾したインクが印刷媒体M1表面で均一に拡がりつつ、マイナスに帯電した顔料が印刷媒体M1表面で中和されることで凝集して粘性が上がり、結果的にドットが合一したとしても顔料の移動を抑制することが可能となる。また、印刷媒体M1表面に形成されたコート層内部にも極性官能基が生成されることで、ビヒクルが速やかに印刷媒体M1内部に浸透し、これにより乾燥時間を短縮することが出来る。つまり、濡れ性が上がることで真円状に広がったドットは、凝集によって顔料の移動が抑えられた状態で浸透することで、真円に近い形状を保つことが可能となる。
図19は、本実施形態にかかるプラズマエネルギー量と印刷媒体表面の濡れ性、ビーディング、pH値および浸透性との関係を示すグラフである。図19では、印刷媒体M1としてコート紙へ印刷した場合の表面特性(濡れ性、ビーディング、pH値、浸透性(吸液特性))がプラズマエネルギー量に依存してどのように変化するかが示されている。なお、図19に示す評価を得るにあたり、インクには、顔料が酸により凝集する特性の水性顔料インク(マイナスに帯電した顔料が分散されているアルカリ性インク)を使用した。
図19に示すように、コート紙表面の濡れ性は、プラズマエネルギー量が低い値(たとえば0.2J/cm程度以下)で急激に良くなり、それ以上エネルギーを増加させてもあまり改善はしない。一方、コート紙表面のpH値は、ある程度まではプラズマエネルギー量を高めることにより低下していく。ただし、プラズマエネルギー量がある値(たとえば4J/cm程度)を超えたところで飽和状態になる。また、浸透性(吸液特性)は、pHの低下が飽和したあたり(たとえば4J/cm程度)から急激に良くなっている。ただし、この現象は、インクに含まれている高分子成分に依存して異なる。
上述したように、印刷媒体M1表面の特性と画像品質との関係では、表面の濡れ性が向上することにより、ドットの真円度が向上している。この理由としては、プラズマ処理による表面粗さの増加および生成された親水性の極性官能基によって印刷媒体M1表面の濡れ性が向上するとともにこれが均一化したことが考えられる。また、印刷媒体M1表面のゴミや油分や炭酸カルシウムなどの撥水要因がプラズマ処理によって除外されることも1つの要因と考えられる。すなわち、印刷媒体M1表面の濡れ性が向上しつつ印刷媒体M1表面の不安定要因が取り除かれた結果、液滴が円周方向に均等に拡がり、ドットの真円度が向上すると考えられる。
また、印刷媒体M1表面を酸性化(pHの低下)させることにより、インク顔料の凝集、浸透性の向上、ビヒクルのコート層内部への浸透などが生じる。これらにより、印刷媒体M1表面の顔料濃度が上昇するため、ドットが合一したとしても、顔料の移動を抑えることが可能となり、その結果、顔料の混濁が抑制し、顔料を均一に印刷媒体M1表面に沈降凝集させることが可能となる。ただし、顔料混濁の抑制効果は、インクの成分やインクの滴量に依存して異なる。たとえばインクの滴量が小滴の場合、大滴の場合に比べて、ドットの合一による顔料の混濁は発生し難い。それは、ビヒクル量が小滴の場合の方が、ビヒクルがより早く乾燥・浸透するためであり、少しのpH反応で顔料を凝集することができるためである。なお、プラズマ処理の効果は、印刷媒体M1の種類や環境(湿度など)によって変動する。そこで、プラズマ処理におけるプラズマエネルギー量を、液滴の量や印刷媒体M1の種類、環境などに応じて最適な値に制御してもよい。その結果、印刷媒体M1の表面改質効率が向上し、さらなる省エネを達成することが可能な場合が存在する。
また、図20は、本実施形態にかかるプラズマエネルギー量とpHとの関係を示すグラフである。通常、pHは溶液中で測定するのが一般的であるが、近年では、固体表面のpHの測定が可能である。その測定器としては、たとえば堀場製作所製のpHメーターB−211等が存在する。
図20において、実線はコート紙のpH値のプラズマエネルギー依存性を示し、点線はPETフィルムのpH値のプラズマエネルギー依存性を示す。図20に示すように、コート紙と比べてPETフィルムは、少ないプラズマエネルギー量で酸性化する。ただし、コート紙においても、酸性化する際のプラズマエネルギー量は3J/cm程度以下であった。そして、pH値が5以下となった印刷媒体M1にアルカリ性の水性顔料インクを吐出するインクジェット処理装置で画像記録した場合、形成された画像のドットは真円に近い形状となった。また、ドットの合一による顔料の混濁もなく、にじみのない良好な画像が得られた(図17参照)。
ここで、印刷媒体M1表面の酸性化に必要なプラズマエネルギー量を得る方法の1つとしては、プラズマ処理の時間を長くすることが考えられる。これは、たとえば印刷媒体M1の搬送速度を遅くすることで実現可能である。ただし、印刷媒体M1へ高速で画像記録を行う場合には、プラズマ処理の時間を短くすることが望まれる。プラズマ処理時間を短くする方法としては、上述のように、複数の放電電極11a〜11fを備え、印刷速度および必要なpH値等に応じて必要な数の放電電極11a〜11fを駆動する方法や、各放電電極11a〜11fに与えるプラズマエネルギー量の強度を調整する方法などが考えられる。ただし、これらに限定されるものではなく、これらを組み合わせた方法や、その他の方法など、適宜変更することが可能である。
つぎに、印刷媒体M1として普通紙を用い、先塗り処理とプラズマ処理との併用処理を実行した場合のインク付着量に対する画像濃度の結果を、図21を用いて説明する。
図21に示すように、印刷媒体M1として普通紙を用いた場合、印刷画像におけるドットが濃度平衡状態になる前の濃度(中間調濃度)は、プラズマ方式の方が先塗り方式よりも勝っている傾向がある。プラズマ方式では、プラズマ処理も先塗り処理も施されていない未処理の印刷媒体と比較して、ドットの濃度は高めである。ただし、プラズマ方式では、先塗り方式と比較して、ドットの飽和濃度が低くなる。一方、先塗り方式では、セット効果により、ドットの濃度が高くなる。
中間調の場合、同じ濃度を得るためには、先塗り方式よりもプラズマ方式の方がインクの付着量を少なくすることができる。プラズマ方式では、未処理の場合と比較して、中間調でのインク付着量(同濃度でのインク付着量)を1%〜18%程度低減することが可能である。また、先塗り方式と比較して、中間調インク付着量を15%〜29%程度低減することが可能でなる。これに対し、プラズマ方式の方が先塗り方式よりも飽和濃度(最高濃度)が劣る理由は、普通紙にSDF処理することでドットが広がり、その結果、同じ付着量でもベタの埋まりが良くなるためであると考えられる。一方、先塗り方式では、ドットは広がらないが、ドット濃度が高いため、飽和濃度が高くなると考える。
以上の結果から、浸透し難い印刷媒体と浸透し易い印刷媒体とでプラズマ処理と先塗り処理との効果が異なることが分かる。そこで、システムとして併用処理を行なうことにより、印刷媒体に対する対応能力(前処理による効果)を向上させることが可能となる。プラズマ処理と先塗り処理との併用処理は、プラズマエネルギー量をプラズマ処理単体の場合のたとえば約1/20、塗布量を先塗り処理単体の場合のたとえば約3/5に減らすことができる。その結果、低消費エネルギー且つ低塗布量で高画質の印刷物を得ることが可能である。さらに、印刷結果におけるドットが高い濃度を示しているということは、付着させるインク量を減らすことが可能であることを示しているため、インク量を減らしてコストを削減することが可能である。さらにまた、浸透し難い印刷媒体にはプラズマ処理が効果的であり、浸透し易い印刷媒体には先塗り処理が効果的に作用していることから、印刷媒体の性状に応じてプラズマ処理と先塗り処理と組み合わせやそれぞれの処理条件を変えることで、最適な前処理を施すことが可能である。
図22は、プラズマ処理と先塗り処理とを併用したときの浸透し難い印刷媒体の粒状度を示す図である。図22では、粒状度が低い値ほど良好な画像であることを示している。系列はプラズマ処理のエネルギーである。なお、図22において、プラズマエネルギー量を0J/cmとした場合は先塗り処理による処理液の塗布量のみの結果を示している。また、プラズマエネルギー量を0.139J/cmとした場合は併用処理を施した場合の結果を示している。図22に示すように、たとえば粒状度0.5以下を達成するためには、先塗り処理のみでは約0.2mg/cmの塗布量が必要であるのに対し、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理では約0.1mg/cmの塗布量と、およそ半分の塗布量で済むことが分かる。
以上で説明した最適化制御は、印刷媒体の性状に応じたものであるが、印刷結果である画像に基づいて最適化制御を行うように構成することも可能である。たとえばインクジェット記録装置1に反射濃度計を組み込み、印刷媒体M1に対してプラズマ処理のエネルギーや先塗り処理の塗布量を連続的に変化させながら、基準となる印刷パターンをインクジェット記録部40で印刷し、その結果得られた画像の印刷濃度を反射濃度計で測定する。そして、最も高い印刷濃度が得られた処理条件を最適条件として設定し、これを維持しつつインクジェット記録処理を行う。これにより、短時間で測定および処理条件の変更を行うことが可能となり、速やかなインクジェット記録を実現することができる。また、反射濃度計からの濃度情報を取り込むことで、印刷媒体M1に対する処理条件を記憶部101等に記憶しておき、このデータをデータベース化することも可能である。
また、インクの成分、インクの種類、印刷媒体の種類、それらの組み合わせが変更された場合、最適条件も変化する。そこで、それぞれのケースでの処理条件や濃度情報をインクジェット記録装置1に記憶しておくことで、条件変更に応じて最適なインクジェット記録を実現することが可能となり、高品質な印刷物を安定して出力することが可能となる。
さらに、プラズマ処理前に例えば印刷媒体M1の電気抵抗を測定して印刷媒体M1の厚さや性状をある程度特定した後に上記の検討を行って最適化した処理条件の併用処理を行うことも可能である。
さらにまた、印刷媒体M1がカット紙ならばプラズマ処理部10の下流側および先塗り処理部30の下流側にそれぞれセンサを設けて各処理の状態を把握し、必要に応じて別の搬送経路を経て再び前処理が行われるように構成することも可能である。その際、センサで得られた各種情報を制御部100へ送り、制御部100において処理条件を変更することも可能である。
以上で説明したように、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理は、プラズマ処理にかかるエネルギーを減らしてプラズマ処理部10の小型化が可能になるとともに、先塗り処理による塗布量を減らして処理液の乾燥時間・乾燥エネルギーを減らし、且つ、インクの使用量を減らすことができる。さらに、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理が実施された印刷媒体に画像記録することで、ドットを真円に近い形状とすることができるとともに、ドットが合一した場合でも顔料の混合を低減することが可能であるため、にじみの発生の少ない、良好な画像を得ることができる。
このように本実施形態は、インクジェット記録装置の前処理として、印刷媒体へのプラズマ処理と先塗り処理との併用を可能にする構成とすることで、先塗り方式とプラズマ方式との双方の利点を活かす前処理を実施することが可能となる。たとえば、高品質の印刷媒体を維持したまま、プラズマエネルギー量を減らすとともに、処理液の塗布量を減らすことが可能である。さらに、印刷媒体M1の種類に応じて各々の処理制御を変更することで、各処理が不得意とする印刷媒体を補点することが可能となり、あらゆる印刷媒体に対して最適な前処理を施すことが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 インクジェット記録装置
10 酸性化処理部
10a プラズマ処理部
11、11a〜11f 放電電極
12、12a〜12f 高周波高圧電圧
13 接地電極
14 誘電体
15、35A、35B、100 制御部
16 大気圧非平衡プラズマ
17 ローラ
21、22 経路切替部
30、30A、30B 先塗り処理部
31 加圧機構
310 ステッピングモータ
311、313 ギヤ
312 アイドラギヤ
314 軸
315 アンカー
316 スプリング
317 ブラケット
318 検知片
32 メータリングブレード
33 タンク
34 汲上ローラ
35、36 ローラ
40 インクジェット記録部
51 濡れ性検出部
52 pH検出部
101 記憶部
120 画像形成装置
121 後処理部
130 乾燥部
IN 搬入部
OUT 搬出部
M1 印刷媒体
D1、R1、R2、R11、R12、R21、R22、R31、R32 搬送経路
特開2010−58404号公報

Claims (14)

  1. 印刷媒体表面をプラズマ処理するプラズマ処理部と、
    前記プラズマ処理後の前記印刷媒体表面に処理液を塗布する先塗り処理を施す第1先塗り処理部と、
    前記先塗り処理後の前記印刷媒体にインクジェット記録方式で記録する記録部と、
    前記プラズマ処理部における前記印刷媒体表面に付与するプラズマエネルギー量および前記第1先塗り処理部による前記処理液の塗布量を制御する制御部と、
    前記プラズマ処理および前記先塗り処理後における、前記記録部がインクジェット記録方式で形成したドットの前記印刷媒体の表面に対する接触角を検出する検出部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記検出部が検出した接触角に基づいて前記プラズマエネルギー量および前記処理液の処理量を制御することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記制御部は、前記印刷媒体の種類に応じて前記プラズマ処理部における前記プラズマエネルギー量を制御し、前記印刷媒体の種類に応じて前記第1先塗り処理部による前記処理液の塗布量を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記印刷媒体の種類に応じた前記プラズマエネルギー量および前記印刷媒体の種類に応じた前記処理液の塗布量のうち少なくとも1つを、前記インクジェット記録方式で形成した画像の印刷濃度の最大値に基づいて決定することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷媒体の種類と、前記記録部によるインクジェット記録時の印刷条件と、前記プラズマ処理部および前記第1先塗り処理部による処理条件との対応付けを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記対応付けに基づいて、前記プラズマ処理部における前記プラズマエネルギー量および前記第1先塗り処理部による前記処理液の塗布量のうち少なくとも1つを最適化する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の印刷装置。
  5. 前記第1先塗り処理部は、前記印刷媒体へ前記処理液を塗布する第1ローラと、前記処理液を貯留するタンクと、前記タンクから前記処理液を汲み上げて前記第1ローラへ転写する第2ローラと、前記第2ローラにより汲み上げられる前記処理液の量を規制するブレードと、前記ブレードを制御して前記第2ローラにより汲み上げられる前記処理液の量を調整する調整機構とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の印刷装置。
  6. 前記プラズマ処理部と前記記録部とを経由するように前記印刷媒体を搬送する第1経路と、
    前記プラズマ処理部と前記第1先塗り処理部と前記記録部とを経由するように前記印刷媒体を搬送する第2経路と、
    前記印刷媒体の搬送経路を前記第1経路と前記第2経路とのいずれかに切り替える第1経路切替部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  7. 前記制御部は、前記印刷媒体の搬送経路が前記第1経路と前記第2経路とのいずれかに切り替えられるように前記第1経路切替部を制御することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  8. 前記制御部は、前記印刷媒体の種類に応じて前記印刷媒体の搬送経路が前記第1経路と前記第2経路とのいずれかに切り替えられるように前記第1経路切替部を制御することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  9. 前記制御部は、前記検出部による検出結果に応じて前記印刷媒体の搬送経路が前記第1経路と前記第2経路とのいずれかに切り替えられるように前記第1経路切替部を制御することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  10. 前記印刷媒体の搬送経路が前記第1経路と前記第2経路とのいずれかに切り替えられるように前記第1経路切替部を制御するとともに、前記印刷媒体の種類に応じて前記プラズマ処理部におけるプラズマのエネルギーを制御し、前記印刷媒体の種類に応じて前記第1先塗り処理部による前記処理液の塗布量を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  11. 前記第1先塗り処理部による前記先塗り処理後の前記印刷媒体表面にさらに処理液を塗布する先塗り処理を施す第2先塗り処理部と、
    前記プラズマ処理部と前記第1先塗り処理部と前記第2先塗り処理部と前記記録部とを経由するように前記印刷媒体を搬送する第3経路と、
    前記印刷媒体の搬送経路を前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに切り替える第2経路切替部と
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記印刷媒体に対する前記処理液の塗布量に応じて前記印刷媒体の搬送経路が前記第2経路と前記第3経路とのいずれかに切り替えられるように前記第2経路切替部を制御する
    ことを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  12. 前記記録部により前記印刷媒体表面に付与されるインクは、負帯電した顔料が液体中へ分散しているインクであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の印刷装置。
  13. 印刷媒体表面をプラズマ処理するプラズマ処理部と、
    前記プラズマ処理後の前記印刷媒体表面に処理液を塗布する先塗り処理を施す第1先塗り処理部と、
    前記先塗り処理後の前記印刷媒体にインクジェット記録方式で記録する記録部と、
    前記プラズマ処理部における前記印刷媒体表面に付与するプラズマエネルギー量および前記第1先塗り処理部による前記処理液の塗布量を制御する制御部と、
    前記プラズマ処理および前記先塗り処理後における、前記記録部がインクジェット記録方式で形成したドットの前記印刷媒体の表面に対する接触角を検出する検出部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記検出部が検出した接触角に基づいて前記プラズマエネルギー量および前記処理液の処理量を制御することを特徴とする印刷システム。
  14. 印刷媒体にインクジェット記録方式で画像が形成された印刷物を製造するための製造方法であって、
    印刷媒体表面をプラズマ処理するプラズマ処理と、
    前記プラズマ処理後の前記印刷媒体表面に処理液を塗布する先塗り処理と、
    前記先塗り処理後の前記印刷媒体にインクジェット記録方式で記録する記録処理と、
    前記プラズマ処理において前記印刷媒体表面に付与するプラズマエネルギー量および前記先塗り処理における前記処理液の塗布量を制御する制御処理と、
    前記プラズマ処理および前記先塗り処理後における、前記インクジェット記録方式で形成したドットの前記印刷媒体の表面に対する接触角を検出する検出処理と、
    を含み、
    前記制御処理は、前記検出処理で検出された接触角に基づいて前記プラズマエネルギー量および前記処理液の処理量を制御することを特徴とする印刷物の製造方法。
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