JP4963698B2 - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、データ生成装置、記憶媒体およびインクジェット記録システム - Google Patents

インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、データ生成装置、記憶媒体およびインクジェット記録システム Download PDF

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本発明は複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の性能を向上させるための処理液とを吐出して記録を行うインクジェット記録装置、インクジェット記録方法、データ生成装置、記憶媒体およびインクジェット記録システムに関する。
近年インクジェット記録装置は、記録する画像の高精細化に伴い、写真やポスター、グラフィックプリントなど大衆展示用途や商標記録用途などで幅広く用いられている。このような大衆展示用途や商標記録用途のために形成された画像では、高精細の他、光沢均一性やブロンズ性などの画像品位を高める要求や、画像の強度や長期保存性などを示す画像堅牢性を高める要求が高まっている。
ここでブロンズ性とは、照明光が顔料画像表面で正反射(鏡面反射)する際、ブロンズ現象によって照明光の色と異なった色を反射する度合いのことであり、特に、シアンインクで顕著に現れることが知られている。インクジェット記録装置に用いられる着色インクとしては、染料系と顔料系に大別される。染料系インクは、着色染料が水やアルコール系媒体に分子状態で溶解しているため、顔料系インクよりも透明性が高く発色に優れるという特性を有するが、紫外線や空気中の活性ガスによる退色が早いという欠点がある。一方、顔料インクは長期保存による耐退色性に優れている。
近年、顔料インクは製造技術の進歩により、顔料インク本来の長期保存性能と、染料インクに匹敵する高発色性の両立が可能になった。そのため、記録した画像を長期に亘って保存する要求の高い、写真やポスターなどの商標記録用途を中心に、顔料インクを用いたインクジェット記録装置が普及している。
特開平11−263052号公報
しかし、顔料を用いた、特にこのような用途では、画像の光沢度が不均一になりやすい問題や、顔料シアンインクに代表されるブロンズ現象など、従来から懸念されてきた画像品位の問題が重要になりつつある。また、ポスターなどの展示用途が増すにつれ、オフセット印刷物と比較した場合の画像の強度や長期保存性などを示す画像堅牢性の弱さは、新たな問題として掲げられている。
以下に、画像堅牢性の問題のうち、耐擦過性の問題を一例として説明する。
主には、顔料インクを使用して光沢紙に記録したときに、記録後の取り扱い時や、展示中など、一般的な作業工程にも関わらず画像が傷つきやすいことが問題となっている。
図4(b)は、インク受容層が形成された記録媒体に、顔料インクを用いて記録を行った場合の記録画像の断面を模式的に示した図である。顔料インクを使用して光沢紙に形成した画像が傷つきやすい理由を、図4(b)を用いて以下に説明する。
インクジェット記録装置に用いられる記録媒体には、紙やフィルムなどの基材(不図示)の上にインクの吸収を目的として、その表面にインク受容層24が形成された構成になっている。インク受容層24は、インクの滲み等を抑えるためにインク溶媒に対し吸収性の高いシリカやアルミナなど無機系の微粒子が多量に含まれている。写真の記録に用いられる光沢紙のような記録媒体においては、高い表面平滑性が必要となるためにサブミクロンオーダーの無機粒子が一般に用いられる。従って、インク受容層24に形成される無機微粒子間の隙間は、その粒子径と比例するため、サブミクロンオーダーの細孔で形成されている。
一方、顔料インク25は、インク中において着色顔料が約100ナノメート程度の粒子として分散している。従って、着色顔料粒子よりインク受容層24の細孔径の方が小さい場合、着色顔料粒子がインク受容層24の内部に進入することができず、篩いに掛けられたように表面に留まってしまう。一般に、光沢紙のような記録媒体では、着色顔料粒子の径よりもインク受容層24の細孔径の方が小さいため、顔料インク25層はインク受容層24の表面に形成される。
このように、顔料インク層25がインク受容層24の表面に形成されるので、顔料インク層25に外力が加わった場合には、画像表面が傷つきやすい。また、場合によっては外力によって顔料インク層25(画像)が剥れてしまうこともある。このような理由により、顔料インクを使用して形成した画像は、耐擦過性の問題が顕著に発生すると考えられている。
このような問題に対しては、光沢紙上の顔料インク層25の表層に透明層を形成して画像表面の動摩擦係数を下げることが、耐擦過性の向上に極めて効果的である。そこで、近年のインクジェット記録装置では、耐擦過性の機能を持つ樹脂を含有した処理液を用いて透明層を形成した光沢紙を用いて記録する構成が提案されている。
図4(a)は、処理液を用いて透明層を形成した記録画像の断面を模式的に示した図である。顔料インク層25を覆うように、最表面に処理液による透明層26を形成する。この透明層26による顔料インク層25の保護によって、爪の接触等の外力による画像面の剥れや傷が発生しにくい記録画像を得ることができ、耐擦過性を改善することができる。しかし、必ずしも図4(a)のように全面を処理液で覆う必要は無く、部分的に覆っていない箇所があっても、顔料インクに直接外力が加わらない程度に処理液に覆われていれば、耐擦過性は改善することができる。
特許文献1には、以上のような処理液を用いた透明層26の一般的な形成方法として、インクジェット記録時に、画像上に、皮膜形成能を有する透明樹脂を加熱溶融したものをノズルから吐出し、透明層で画像を覆う方法が開示されている。この方法では、画像の全て、もしくは均一にドットを配置して透明層を形成して画像の保護を行っている。
記録媒体上の顔料インクの画像最表面を透明層によって覆うことは、耐擦過性の向上や、光沢の均一性などの画像性能を向上させるには極めて効果的である。しかし、記録される画像は、複数色の顔料インクによって記録される画像に対して、その画像全体に対して処理液を付与するため、顔料インクの各色と比較して、処理液は比較的多量に用いることになる。その結果、処理液用タンクの大型化、さらに、処理液消費量が多いことによるランニングコストがアップするなどの問題が生じていた。
よって本発明は、処理液の消費量を抑えつつ、画像性能を向上させることが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
そのため本発明のインクジェット記録装置は、複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の性能を向上させるための処理液とを記録媒体に付与することで画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合が、前記処理液に対する接触角が相対的に大きい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合よりも小さくなるように、前記処理液の付与量を制御するための処理を実行可能な制御部を備えることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の性能を向上させるための処理液とを記録媒体に付与することで画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記顔料インクを前記記録媒体に付与する工程と、前記記録媒体に付与された顔料インクと接触するように前記処理液を前記記録媒体に付与する工程とを有し、前記処理液の付与工程では、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合が、前記処理液に対する接触角が相対的に大きい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合よりも小さくなるように、前記処理液を前記記録媒体に付与することを特徴とする。
また、本発明のデータ生成装置は、複数種類の顔料インクにより形成される画像の性能を向上させるための処理液を付与するためのデータを生成するデータ生成装置であって、
前記処理液に対する接触角が相対的に小さい顔料インクの付与データに基づいて、前記接触角が相対的に小さい顔料インクと接触させるための処理液の付与データを生成し、且つ、前記接触角が相対的に大きい顔料インクの付与データに基づいて、前記接触角が相対的に大きい顔料インクと接触させるための処理液の付与データを生成する生成手段を備え、前記生成手段は、前記接触角が相対的に小さい顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記処理液の付与データを生成することを特徴とする。
また、本発明の記憶媒体は、複数種類の顔料インクにより形成される画像の性能を向上させるための処理液を付与するためのデータを生成する生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記生成処理は、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記接触角が相対的に小さい顔料インクおよび接触角が相対的に大きい顔料インクの付与データに基づいて前記処理液の付与データを生成する工程を含む、ことを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録システムは、複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の性能を向上させるための処理液とを記録媒体に付与することで画像を記録するインクジェット記録装置と、前記インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置とを含むインクジェット記録システムであって、前記データ供給装置は、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記接触角が相対的に小さい顔料インクおよび接触角が相対的に大きい顔料インクの付与データに基づいて前記処理液の付与データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成した前記処理液の付与データを前記インクジェット記録装置に供給する供給手段とを備え、前記インクジェット記録装置は、前記供給手段により供給された前記処理液の付与データに基づいて、前記処理液を前記記録媒体に付与可能な手段を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、顔料インクの処理液に対する接触角の違いによって、顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合を変える処理を行う。詳しくは、接触角の相対的に小さなインク(濡れ性のよいインク)の付与量に対する処理液の付与量の割合を、接触角の相対的に大きなインク(濡れ性の悪いインク)の付与量に対する処理液の付与量の割合よりも小さくする。これによって、処理液の消費量を抑えつつも、画像性能を向上させることができる。
本明細書において、「処理液」とは、インクと接触させることによって、画像堅牢性や画像品位といった画像性能を向上させる液体(画像性能向上液)である。ここで、「画像堅牢性を向上させる」とは、耐擦過性、耐候性、耐水性、耐アルカリ性の少なくとも1つを向上させて、インク画像の堅牢性を向上させる意である。一方、「画像品位を向上させる」とは、光沢性、ヘイズ性、ブロンズ性の少なくとも1つを向上させて、インク画像の品位を向上させる意である。
ここで、「耐擦過性」は、JIS K 5600−5−5に定められた方法に準じて測定される最小負荷値により評価するものである。そして、「耐擦過性を向上させる」とは、「最小負荷値の値を高くする」ことを意味する。
また、「耐候性」は、JIS K 5600−7−6に定められた方法に準じて測定される変化の程度(等級)により評価するものである。例えば、色の変化の程度の評価には、色差を用いる。そして、「耐候性を向上させる」とは、「変化の程度(等級)の値を低くする」ことを意味する。
また、「耐水性」は、JIS K 5600−6−1に定められた方法に準じて測定される損傷の兆候の観察により評価するものである。そして、「耐水性を向上させる」とは、「損傷の兆候を小さくする」ことを意味する。
また、「耐アルカリ性」は、JIS K 5600−6−1に定められた方法に準じて測定される損傷の兆候の観察により評価するものである。そして、「耐アルカリ性を向上させる」とは、「損傷の兆候を小さくする」ことを意味する。
また、「光沢性」は、JIS K 5600−4−7に定められた方法に準じて測定される光沢度により評価するものである。そして、「光沢性を向上させる」とは、「光沢度の値を高くする」ことを意味する。
また、「ヘイズ性」は、JIS K 7374に定められた方法に準じて測定されるヘイズ値により評価するものである。そして、「ヘイズ性を向上させる」とは、「ヘイズ値の値を低くする」ことを意味する。
また、「ブロンズ性」は、JIS K 0115に定められた方法に準じて測定される色度により評価するものである。そして、「ブロンズ性を向上させる」とは、「色度の値を無彩色へ近づける」ことを意味する。
(全体的構成)
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の要部を示した斜視図である。インクジェット記録ヘッド22は、カラー顔料インク用の記録ヘッドと処理液用の記録ヘッドから構成されており、これらの記録ヘッドが備えた吐出口から記録媒体1に対してカラー顔料インクや処理液が吐出されることで記録が行われる。
記録ヘッド22は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)のカラー顔料インクおよび処理液(H)をそれぞれ吐出する7つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Y、22LC、22LM、22Hから構成される。またインクタンク21は、記録ヘッド22K、22C、22M、22Y、22LC、22LM、22Hの夫々に供給されるインクおよび処理液を貯蔵する7つのインクタンク21K、21C、21M、21Y、21LC、21LM、21Hから構成される。そして、これらの記録ヘッド22およびインクタンク21は、主走査方向(矢印B方向)に移動可能になっている。
キャップ20は7つの記録ヘッド夫々のインク吐出面をキャップするために、7つのキャップ20K、20C、20M、20Y、20LC、20LMおよび20Hから構成されている。記録ヘッド22およびインクタンク21は、記録を行なわないときにはキャップ20の有るホームポジションに戻って待機する。
なお、これらの記録ヘッドやインクタンクを個別的に言及する場合には、夫々に付された参照番号を用いるが、包括的に言及する場合には総称的な参照番号として、記録ヘッドには「22」、インクタンクには「21」、キャップには「20」を用いる。
また、ここで用いる記録ヘッドとインクタンクは、記録ヘッドとインクタンクが一体的に構成されるものでも良いし、夫々が分離可能な構成のものでも良い。
図2は、記録ヘッド22を吐出口側から見た図である。この記録ヘッドは、主走査方向と交差する方向に1280個の吐出口が配列されて、各色の吐出口列を形成している。
図3は、本発明の代表的な実施形態であるインクジェット装置の概略構成を示すブロック図である。画像入力部28は、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやハードディスク等の各種記録媒体に保存されている多値画像データを入力する。画像処理部29は、画像入力部28より入力された多値画像データに後述する画像処理を施して2値画像データに変換する。
これにより、複数種類の顔料インクを付与するための2値画像データ(顔料インク用付与データ)が生成される。また、処理液を付与するための2値画像データ(処理液用付与データ)も上記の生成処理によって生成される。画像出力部30は、画像処理部29にて変換された少なくとも2種類以上の顔料インクと処理液の2値画像データに基づいて顔料インクおよび処理液を付与することで画像形成を行う。なお図示はしていないが、この記録装置を構成する各部には、各部自身の動作および他の部との連携動作を制御するCPUや、CPUの制御プログラムを格納したROM、また、その制御プログラムを実行する作業領域として用いられるRAMなどが搭載されている。
以上の構成の記録装置における記録動作について図1、図2を参照して説明する。カセット(不図示)に複数枚積層された光沢紙(記録紙1)が給紙ローラ(不図示)によって一枚ずつ記録動作領域まで供給される。そして、記録動作領域では、記録ヘッド22とプラテン(不図示)との間を光沢紙1が搬送ローラ対3により搬送される。一方、インクや処理液はインクタンク21より記録ヘッド22に供給され、記録ヘッド22は図1の矢印B方向(往路走査方向)に移動しながら2値画像データに応じて光沢紙に記録を行う。
この記録は、ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー・ライトシアン・ライトマゼンタ・処理液の順に光沢紙上にインク液滴を付与させることで行われる。そして、1走査分の記録が終了すると、片方向記録の場合、記録ヘッド22が元のホームポジションに戻り、再びブラック・シアン・マゼンタ・イエロー・ライトシアン・ライトマゼンタ・処理液の順に矢印B方向(往路走査方向)への記録を行う。一方、双方向記録の場合、ホームポジションに向かう矢印−B方向(復路走査方向)に記録ヘッドが移動しながら、処理液・ライトマゼンタ・ライトシアン・イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの順に記録を行う。一方向に向かう1回の記録動作(1走査)が終了してから次回の記録動作が開始される前に、搬送ローラ対3が駆動して光沢紙を矢印A方向に所定量、間欠的に搬送する。
このように1走査分の記録動作と所定量の搬送動作とを繰り返すことによって、光沢紙に所定幅ずつ記録を行うのである。このように本実施形態では、顔料インクと処理液の重なり順が常に一定となる片方向記録モードも、顔料インクと処理液の付与順が走査毎に逆転する双方向記録モードも実行可能であり、これら両記録モードにおいて後述する効果を得ることができる。
光沢紙に顔料インクを用いて画像を形成した場合、上述した図4(b)のように、着色顔料粒子がインク受容層の内部に進入することができず、顔料インク層25がインク受容層の表面に形成される。従って、顔料インク層25に直接外力が加わるため、画像表面に傷がつきやすく、顔料インク層25が剥がれやすい。実際の使用環境では、記録媒体を丸めたり壁に貼ったりなどのハンドリング過程において、「爪と接触」したときの画像の損傷が極めて大きく、顔料インク層が完全に剥がれ落ちる場合もある。
一方、図4(a)のように、顔料インク層25の最表面を覆うように処理液の透明層26を形成すると、顔料インク層が爪等と直接接触することがなくなるため、顔料インク層の剥がれを抑制することができる。このように顔料インク層を直接的に保護することは、耐擦過性向上に対し極めて効果的である。但し、顔料インク層25の耐擦過性を改善する目的のためには、処理液と顔料インクを混合させればよい。
従って、処理液を顔料インクよりも先に付与することで顔料インクと処理液を混合させ、これにより顔料インク層自体を強固なものにして、耐擦過性の効果を発揮する形態であってもよい。つまり、顔料インクの上に処理液が重なる片方向記録のみならず、顔料インクの上に処理液が重なる部分と処理液の上に顔料インクが重なる部分とが混在する双方向記録であっても、耐擦過性効果を得ることができる。このように本発明では、顔料インクと処理液の付与順序に制限はなく、顔料インクと処理液を接触させることにより、画像品位や画像堅牢性といった画像性能を向上させることができればよい。
(インクと処理液の組成)
次に、本実施形態で用いる顔料インクと処理液の組成について説明する。後述する通り、ブラック・マゼンタ・イエローのインクは処理液に対する接触角が相対的に大きいインクであり、一方、シアン・ライトシアン・ライトマゼンタのインクは処理液に対する接触角が相対的に小さいインクである。以下、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、質量基準である。
(イエローインク)
(1)分散液の作製
顔料[C.I.ピグメントイエロー74(製品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX(クラリアント社製))]10部、アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(重量比)=30/40/30)、酸価202、重量平均分子量6500、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム]30部、純水60部を混合し、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、12時間分散処理を行った。更に、この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、固形分が約12.5%、重量平均粒径が120nmの顔料分散体1を得た。得られた顔料分散体を用いて、下記のようにしてインクを調製した。
(2)インクの作製
以下の成分を混合し、十分に攪拌して溶解・分散後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過して、インクを調製した。
・上記で得た顔料分散体:40部
・グリセリン:9部
・エチレングリコール:6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH):1部
・1,2−ヘキサンジオール:3部
・ポリエチレングリコール(分子量1000):4部
水:37部
(マゼンタインク)
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作成した。
上記ポリマー溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を300gを混合し、機械的に0.5時間撹拌した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製には上記マゼンタ分散液を使用した。このマゼンタ分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記マゼンタ分散液 40部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 39.5部。
(ライトマゼンタインク)
(1)分散液の作製
マゼンタインクで使用したポリマー溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を300gを混合し、機械的に0.5時間撹拌した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製には上記マゼンタ分散液を使用した。このマゼンタ分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記マゼンタ分散液 8部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 71.5部。
(シアンインク)
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作成した。
上記のポリマー溶液を180g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を220gを混合し、機械的に0.5時間撹拌した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製には上記シアン分散液を使用した。このシアン分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記シアン分散液 20部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 59.5部。
(ライトシアンインク)
(1)分散液の作製
シアンインクで作成したポリマー溶液を180g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を220gを混合し、機械的に0.5時間撹拌した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製には上記シアン分散液を使用した。このシアン分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記シアン分散液 4部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 75.5部。
(ブラックインク)
(1)分散液の作製
イエローインクで使用したポリマー溶液を100g、カーボンブラックを100gおよびイオン交換水を300gを混合し、機械的に0.5時間撹拌する。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理する。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液とする。得られたブラック分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が6質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製には上記ブラック分散液を使用した。このブラック分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度5質量%、分散剤濃度3質量%の顔料インクを調製する。
上記ブラック分散液 50部
グリセリン 10部
トリエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 29.5部
(処理液)
(1)処理液の作製
以下の成分を混合し、十分に攪拌して、処理液を調製した。
・市販のアクリルシリコーン共重合体(商品名:サイマックUS−450;東亞合成製):5部
・グリセリン:5部
・エチレングリコール:15部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH):0.5部
・水:74.5部
処理液には、記録画像の耐擦過性を向上させるための透明樹脂材料を含有させることが重要である。このような透明樹脂材料の一例としては、ポリジメチルシロキサン成分を共重合した透明樹脂材料が挙げられる。このような透明樹脂材料を用いることで、滑り性が生じ動摩擦係数を効率的に下げることが可能となる。本実施形態では、市販のポリジメチルシロキサン成分を共重合した透明樹脂材料(上述したアクリルシリコーン共重合体:サイマックUS−450)を用いる。
一般的なポリジメチルシロキサン化合物は、下記の構造式(1)で表されるポリジメチルシロキサンセグメントを有する。ポリジメチルシロキサン成分は、(Si−O−Si)のシロキサン結合鎖の周囲をメチル基(−CH3)配置されているため、極性が低い分子構造を有している。従って、表面エネルギの低い材料表面ほど安定なため、ポリジメチルシロキサン成分は透明樹脂層表面に局在化する性質を有すると考えられる。
Figure 0004963698
ポリジメチルシロキサン系化合物は液体であることが多いが、(Si−O−Si)単位の繰り返し数に応じて、水のようにさらさらしたものから水飴状のものにまでその流動性は異なる。ここで、一般に物質は表面エネルギーが低いほど安定である。このため、流動性を有するポリジメチルシロキサン系化合物は物質の表面や界面に移動して、表面や界面及びその近傍に局在化する。この結果、コート層の表面エネルギーが低下するため、コート層とポリメタクリル酸メチル(PMMA)のボールとの摩擦力が弱まる、つまり、動摩擦係数を顕著に低下することができると考えられる。
滑り性が生じる透明樹脂材料として他に、アクリル系樹脂にシリコーンオイルを添加したものなどが挙げられるが、顔料インク層の最表面に透明樹脂層を形成し動摩擦係数を下げる樹脂材料であればいかなる材料も使用可能である。
(特徴的構成)
本実施形態では、顔料インクの処理液に対する接触角(濡れ性)の違いに着目して、処理液の付与の最適化を図っている。以下にこの接触角(濡れ性)について説明する。
図5(a)、図5(b)は、固体表面上の液滴の接触角の測定法について説明するための図である。一般に、図5(a)に示すように、固体表面上100に、液滴101を乗せ、ある状態で平衡になっているとき、以下のような式が成り立つ。
γS=γLcosθ+γSL・・・・・・・・(式1)
γS :固体表面張力
γSL :固液境界張力
γL :液体表面張力
この式1を「Youngの式」と言い、このとき、液体表面と固体表面のなす角度が「接触角」である。この接触角が小さいほど「濡れ性がよい」、接触角が大きいほど「濡れ性が悪い」と一般的に言われている。
接触角を測定する方法として、一般的には「θ/2法」が用いられている。この「θ/2法」は、図5Bに示すように、液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度θ1から接触角θを求める方法である。液滴形状を円の一部と仮定することで、幾何の定理より以下の式が成り立つ。
2θ1=θ・・・・・・・・・・・・・(式2)
しかし、「θ/2法」は、前述したように、液滴が球の一部であることを前提としているため、重力の影響によりつぶれた液滴を測定すると誤差を生じる。そのため、接線法やカーブフィット法などによる解析を行うこともある。これら接線法やカーブフィット法の詳細の説明は省略する。
本明細書において、インクの「接触角」は、次のように定義される。すなわち、顔料インクの画像表面上を固体表面上100に見立て、処理液を滴下(吐出)してできる液滴を液滴101とし、その液滴101と顔料インクとの接触部分が成す角度θを測定したものを、顔料インクの処理液に対する接触角とする。測定には、協和界面科学株式会社製のDropMasterを使用した。なお、顔料インクの処理液に対する接触角を測定できるのであれば、測定器は上記例示したものに限定されるものではない。
次に、本実施形態で用いた顔料インクのうち、前述の測定器で測定した接触角の値に大きく差があったブラックインクとライトシアンインクを例に挙げて、接触角(濡れ性)の違いにより処理液の付与量を変えることの有効性について説明する。
図6は、ブラックインクおよびライトシアンインク夫々の処理液に対する接触角の値を示した表である。本実施形態に用いた顔料インクの中で、最も大きい接触角の値を示したブラックインクの接触角は35度、最も小さい接触角の値を示したライトシアンインクの接触角は12度であった。
図7(a)、図7(b)は、上述の定義に従う接触角が異なる顔料インクの上に処理液を滴下した場合の、処理液の接触角の違いを説明するための図である。図7(a)はブラックインク上に処理液を滴下した状態を示しており、図7(b)はライトシアンインク上に処理液を滴下した状態を示している。この接触角の値は、処理液が顔料インクと接触した際の、処理液のドット広がり面積と深く関係する。つまり、顔料インクの接触角の値が小さいほど(濡れ性が良いほど)、その顔料インク上での処理液の広がり面積は大きくなり、顔料インクの接触角の値が大きいほど(濡れ性が悪いほど)、その顔料インク上での処理液の広がり面積は小さくなる。
本実施形態は、このような顔料インクの接触角の違いによる処理液の広がり度合いの違いに着目し、処理液に対する接触角が異なる顔料インク間で、顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合を異ならせた点に特徴がある。
すなわち、接触角の大きい顔料インク上では処理液は広がりにくいため、接触角の大きい顔料インクを完全にあるいは一定の割合で被覆するのに要する処理液のドット数は比較的多くなる。一方、接触角の小さい顔料インク上では処理液が広がりやすいため、接触角の小さい顔料インクを完全にあるいは一定の割合で被覆するのに要する処理液のドット数は比較的少なくできる。従来は、顔料インクの接触角の大小に関わらず、顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合を同じにしていたため、必要以上に多くの処理液を消費していた。これに対し、本実施形態では、接触角の小さい顔料インクについては、接触角の大きい顔料インクよりも、顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合を小さくしているので、処理液の付与量を必要最小限に抑えることができる。
次に、本実施形態の上述した特徴的な処理を実行可能な制御部について図8を用いて説明する。なお、「特徴的な処理」とは、接触角の相対的に小さい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合が、接触角の相対的に大きい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量よりも小さくように、処理液の付与量を制御するための処理である。図8は、図3の画像処理部29のブロック構成図であって、この画像処理部29は上記特徴的な処理を実行可能な制御部を構成する。この制御部を構成する画像処理部29において、顔料インクの濡れ性(接触角)に応じた処理液の付与量が決められる。
具体的には、まず、画像入力部28からRGB形式の多値画像データが入力される。次いで、RGB形式の多値画像データが、画像形成に用いる複数種類のインク(K、C、M、Y、LC、LM)夫々に対応した多値画像データに変換される。次いで、2値化手段31において、2値化パターン記憶手段32に記憶されたパターンに従って、各種インクに対応した多値画像データは各種インクの2値のビットマップデータに展開される。これにより、複数種類の顔料インク夫々を付与するための2値画像データ(顔料インク用付与データ)が生成される。
このようにして生成された複数種類の顔料インクの2値画像データ(顔料インク用付与データ)に基づいて、処理液を付与するための処理液用付与データが生成される。この処理液用付与データの生成には、処理液のパターン記憶手段35a、35b、処理液用データ生成手段36a、36bおよび論理和演算処理手段(OR回路)34が用いられる。
詳しくは、複数種類の顔料インクは、処理液に対する濡れ性(接触角)の違いにより、接触角小グループと接触角大グループに予め分類されている。本実施形態の場合、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)およびシアン(C)は接触角小グループに分類され、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)は接触角大グループに分類されている。そして、これらグループの夫々に対応した処理液付与パターンがパターン記憶手段35a、35bに記憶されている。後述から明らかなように、処理液付与パターンとは、処理液を付与する位置(画素)を決定するためのパターンである。
図11(a)、図11(b)は、パターン記憶手段35a、35bに記憶されている処理液付与パターンを示した図である。図11(a)は、パターン記憶手段35aに記憶される処理液付与パターンであって、接触角が相対的に小さい顔料インク(LC、LM、C)の2値画像データとのAND処理により顔料インクの2値画像データを間引くためのパターンである。この処理液付与パターンは記録Duty20%のパターンとなっているので、記録Dutyが100%となる顔料インクベタ部に形成される処理液ドットの数を、前記ベタ部を構成する顔料インクドットの数の20%に制御することができる。
一方、図11(b)は、パターン記憶手段35bに記憶される処理液付与パターンであって、接触角が相対的に大きい顔料インク(M、Y、K)の2値画像データとのAND処理により顔料インクの2値画像データを間引くためのパターンである。この処理液付与パターンは記録Duty60%のパターンとなっているので、記録Dutyが100%となる顔料インクベタ部に形成される処理液ドットの数を、前記ベタ部を構成する顔料インクドットの数の60%に制御することができる。
処理液用データ生成手段36a、36bでは、このようなパターン記憶手段35a、35bに記憶されている処理液付与パターンと、顔料インクの2値画像データとに基づいて、処理液の2値のビットマップデータが生成される。詳しくは、処理液用データ生成手段36aでは、接触角小グループに属する顔料インクの2値画像データと、図11(a)に示される処理液付与パターンを示すデータとのAND処理(論理積演算)によって、第1の処理液用付与データが生成される。この第1の処理液用付与データは、接触角小グループに属する顔料インクに対して処理液を付与するための2値のビットマップデータである。一方、処理液用データ生成手段36bでは、接触角大グループに属する顔料インクの2値画像データと、図11(b)に示される処理液付与パターンを示すデータとのAND処理(論理積演算)によって、第2の処理液用付与データが生成される。この第2の処理液用付与データは、接触角大グループに属する顔料インクに対して処理液を付与するためのビットマップデータである。
このように処理液用データ生成手段36a、36bで夫々生成された第1の処理液用付与データおよび第2の処理液用付与データは、論理和演算処理手段(OR回路)34に入力される。そして、論理和演算処理手段(OR回路)34において、第1の処理液用付与データと第2の処理液用付与データとのOR処理が実行される。これにより、接触角大グループと接触角小グループの両方に属する顔料インクに対して処理液を付与するための処理液用付与データ(処理液の2値のビットマップデータ)が生成される。次いで、この処理液用付与データをプリントデータとして、各色顔料インクのビットマップデータとともに画像出力部30へ送られる。
以上のようなデータ処理によれば、顔料インクの処理液に対する接触角に応じて、顔料インクが付与される位置に対して処理液が付与される割合を好適に異ならせることができる。つまり、接触角の相対的に小さい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合が、接触角の相対的に大きい顔料インクの付与量に対する処理液の付与量よりも小さくように、処理液の付与量を制御することができるのである。これによれば、接触角の小さい顔料インクに関し、接触角の大きい顔料インクよりも、顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合が小さくなるので、処理液の付与量を必要最小限に抑えることができる。
(評価)
次に、本実施形態の効果について検証する。以下では、顔料インクに対する処理液の付与割合を異ならせた複数の評価画像を形成し、これら評価画像夫々について画像堅牢性を確認し、十分な画像堅牢性を得るのに必要な処理液の付与割合を接触角の異なるインクグループ毎に求める。そして、顔料インクに対する処理液の付与割合を、接触角の大きい顔料インクよりも接触角の小さい顔料インクの方で小さくしても、十分な画像堅牢性を得ることができることを検証する。ここで、画像堅牢性とは耐擦過性を指し、耐擦過性の効果は次のようにして定量的に確認した。
耐擦過性の測定には、多くの方法が考えられるが、前述したように、本実施形態では、「爪と接触」したときにできる画像の損傷に着目し、画像表面の引っ掻き硬さの測定することにより耐擦過性を評価した。耐擦過試験は、新東科学株式会社(製)の表面性試験機(製品名:ヘイドン トライボギア TYPE14DR)を使用して行なった。これは、引っ掻き針(一般的にはサファイアやダイアモンド)に所定の垂直荷重を与え、引っ掻いた時の傷幅の大小などにより引っ掻き硬さを求めるものである。
本実施形態では、「爪と接触」したときにできる画像の損傷と近い傷を付けるために、摩擦部材としてポリメチルメタクリル酸(PMMA)樹脂ボール(4mmΦ)を用いた。ボール圧子フォルダーに樹脂ボールを固定し、画像面に垂直に樹脂ボールを押し当て、樹脂ボールを速度40mm/secで画像表面を移動させた。樹脂ボールに付加される垂直荷重を段階的に上げた時の傷状態を下記の判断基準で主観評価した。判断基準は、実際に人の爪により引掻きをした際の、傷の状態と対応するように基準化した。
○: 垂直荷重500g以下で画像剥れによる傷が発生しない。
(人が繰り返し爪で引掻いても画像剥れによる傷が発生しない。)
×: 垂直荷重200g以下で画像剥れによる傷が発生する。
(人が爪で簡単に画像剥れによる傷が発生する。)
評価画像は、前述したインクジェット記録装置にて、ブラックおよびライトシアンの顔料インク夫々に対して処理液を付与することで形成した。具体的には、図9に示されるように、顔料インクの記録Dutyを100%とし、処理液の記録Dutyを0%〜100%の範囲で変化させて、各種評価画像を形成した。そして、これら処理液の記録Dutyを変化させた各種評価画像について、ヘイドン評価と、人の爪での評価とを行って、処理液による耐擦過性の効果を確認した。
図9は、このような評価画像についての耐擦過性を評価した結果を示した表である。接触角が大きいブラックインクの場合、処理液の付与量がブラックインク付与量の60%以上であれば、十分な耐擦過性を得ることができた。一方、接触角が小さいライトシアンインクの場合、処理液の付与量がライトシアンインク付与量の20%以上であれば、十分な耐擦過性を得ることができた。したがって、接触角の小さい顔料インクに対しては、接触角の大きい顔料インクに比して、顔料インクと接触させる処理液の量を少なくしても、耐擦過性には十分な効果があることがわかった。
また、従来は、完全に顔料インクの画像面積と対応させるために、処理液の記録Dutyは100%としていたが、本実施形態のように処理液の記録Dutyは100%未満でも十分な効果を示すことが分かった。
図10は、濡れ性の違いによる処理液の最適使用量を表わした表である。画像形成に用いる顔料インクを、ブラックインクに代表されるような接触角大グループと、ライトシアンインクに代表されるような接触角小グループとに分類した。そして、接触角大グループの画像データには顔料インクの量に対して60%量の処理液を、接触角小グループの画像データには顔料インクの量に対して20%量の処理液を吐出すると、顔料インクによる記録画像全体を処理液で覆うことができることがわかった。従って、本実施形態のインクを用いる場合、顔料インクの付与量に対する処理液の付与量の割合を接触角大グループでは60%、接触角小グループでは20%に設定することが最適である。
このように、処理液に対する接触角が相対的に小さな顔料インクのグループについて、処理液の付与割合を小さくすることで、処理液の付与量を低減させても、耐擦過性の効果を十分発揮することができる。また、処理液を用いた従来のインクジェット装置と比較し、処理液の消費量を抑えた低ランニングコストのインクジェット装置を実現することができる。更に、処理液の付与量を低減させることで、顔料インクと処理液のトータル水分量が減るため、乾燥時間も短縮できる。
なお、本実施形態で適用可能な処理液は、顔料インク画像層の耐擦過性を向上させる材料であればよく、上記組成に限定されるものではない。
また、本実施形態では、耐擦過性の機能を向上させるための処理液を具体例として例示した。しかし、本実施形態で適用可能な処理液は、このような耐擦過性液体に制限されるものではない。処理液は、耐擦過性の機能だけに限らず、光沢均一性、光源依存性、ブロンズ性等の画像品位や、UV性、耐水性、耐アルカリ性、耐候性等の画像堅牢性など、顔料インク画像について何らかの性能を向上させる特性を備えた処理液であればよい。こういった意味で、本発明で適用可能な処理液は画像性能向上液ということができる。
また、本実施形態では、一般的に顔料インクとの耐擦過性が弱い組み合わせとなる光沢紙を用いたが、これに限定されるものではなく、マット紙や普通紙等の他の記録媒体を用いてもよい。
(その他の実施形態)
前述の実施形態では、画像を形成する顔料インクを、接触角の違いにより、接触角小グループと接触角大グループとの2種類に分類したが、分類する数はこの限りではない。接触角の程度に合わせて、インク毎にさらに多くのグループ(例えば、3グループ、4グループ等)に分類してもよい。この場合であっても、接触角のグループ毎に処理液の付与割合を異ならせることは前述した実施形態と同様である。例えば、4グループに分類する場合には、これら4グループ夫々に対応したDutyの異なる4種類の処理液付与パターンを用意すればよい。
また、前述の実施形態では、画像形成に用いる顔料インクの他に、これら顔料インクによる画像性能(前述の実施形態では耐擦過性)を向上させる処理液を別に用いた。従って、基本的には、画像形成とは別使用なので、無色透明に近い状態が好ましい。しかし、有色でもライトシアンインクやライトマゼンタインク、ライトグレーインクなど画像形成に用いる顔料インクのうち、淡色の顔料インクの一部、又は全てに耐擦過性などの機能を向上させる材料を追加し、画像形成と機能向上の両方の役割を担わせても良い。この場合、インクタンクや記録ヘッドなどの1色分の追加部品が要らないので、小型化や低コスト化に大いに貢献できる。もちろん、画像形成に用いる顔料インクのうちの濃色の顔料インクの一部もしくは全てが処理液を兼ねても良い。
また、処理液は、画像形成が行われる前に記録媒体に吐出され、顔料インク画像層の下に存在しても、画像形成を行っている最中に顔料インクと共に吐出され顔料インク画像層の内部に存在してもよい。さらには、画像生成が終了した後に吐出され顔料インク画像層の最表面に存在してもよい。このように本発明において、処理液と顔料インクの付与順番や処理液の存在位置などは限定されるものではない。
また、前述の実施形態では、画像を形成する顔料インクを、処理液との濡れ性(接触角)の値の違いにより分類し、その顔料インクのデータ量に応じて、その画像に対応する処理液の付与データを決定するようにした。しかし、記録媒体の種類(高吸収受容層など受容層の種類や、光沢紙・マット紙など用途別種類)に応じて、更に処理液の付与データ比率を変更する形態であってもよい。また、記録モードの種類(ドラフトモードや高精細モードなど)に応じて、更に処理液の付与データ比率を変更する形態であってもよい。
また、本発明は、紙や布、不織布、OHPフィルム等の記録媒体を用いる記録装置全てに適用が可能であり、具体的な適用装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務機や大量生産機等を挙げることができる。
また、前述の実施形態では、本発明の特徴的な処理を行う画像処理部29がインクジェット記録装置内部に備えられている形態について説明したが、画像処理部29はインクジェット記録装置内部に備えられている必要はない。例えば、図12に示されるように、インクジェット記録装置と接続されるホストコンピュータのプリンタドライバに上記画像処理部29の機能を持たせるようにしてもよい。この場合、プリンタドライバが、アプリケーションから受け取った多値画像データに基づいて顔料インク用付与データと処理液用付与データを生成し、これを記録装置301に供給することになる。このように、ホストコンピュ−タとインクジェット記録装置301を含んで構成されるインクジェット記録システムも本発明の範疇である。
この場合、ホストコンピュータは、インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置として機能し、また、インクジェット記録装置を制御する制御装置としても機能することになる。
また、本発明の特徴は、画像処理部29にて実行されるデータ処理にある。従って、本発明の特徴的なデータ処理を行う画像処理部29を備えたデータ生成装置も本発明の範疇である。画像処理部29がインクジェット記録装置に備えられている場合、このインクジェット記録装置が本発明のデータ生成装置として機能し、画像処理部29がホストコンピュ−タに備えられている場合、このホストが本発明のデータ生成装置として機能する。
更に、上述した特徴的なデータ処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムや、そのプログラムをコンピュータにより読み出し可能に格納した記憶媒体も本発明の範疇である。
本実施形態のインクジェット記録装置の要部を示した斜視図である。 記録ヘッドを吐出口側から見た図である。 本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 (a)は、処理液を用いて透明層を形成した記録画像の断面を模式的に示した図であり、(b)は、インク受容層が形成された記録媒体に顔料インクを用いて記録を行った場合の記録画像の断面を模式的に示した図である。 (a)、(b)は、固体表面上の液滴の接触角の測定法について説明するための図である。 ブラックインクおよびライトシアンインクの接触角の値を示した表である。 (a)、(b)は、接触角が異なる顔料インクの上に処理液を滴下した場合の、処理液の接触角の違いを説明するための図である。 図3の画像処理部のブロック構成図である。 耐擦過性の評価結果を示した表である。 濡れ性の違いによる処理液の最適使用量を表わした表である。 (a)、(b)は、処理液付与パターンを示す図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録システムの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 記録紙
3 搬送ローラ対
20 キャップ
21 インクタンク
22 記録ヘッド
24 インク受容層
25 顔料インク層
26 透明層
28 画像入力部
29 画像処理部
30 画像出力部
35 処理インクのパターン記憶手段

Claims (9)

  1. 複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の品質を向上させるための処理液とを記録媒体に付与することで画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記処理液に対する接触角が相対的に小さい第1の顔料インクの付与量に対する、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液の付与量の割合が、前記処理液に対する接触角が相対的に大きい第2の顔料インクの付与量に対する、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液の付与量の割合よりも小さくなるように、前記処理液の付与量を制御するための処理を実行可能な制御部を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御部は、前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクの付与データに基づいて前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクと接触させるための、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される処理液の付与データを生成し、且つ、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクの付与データに基づいて前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクと接触させるための、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される処理液の付与データを生成する生成手段を備え、
    前記生成手段は、前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクが付与される位置に対して、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクが付与される位置に対して、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記処理液の付与データを生成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記処理液は無色であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記処理液は有色であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記画像の品質とは、画像の耐擦過性、耐候性、耐水性、耐アルカリ性、光沢性、ヘイズ性、ブロンズ性の少なくとも1つの特性であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の品質を向上させるための処理液とを記録媒体に付与することで画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記顔料インクを前記記録媒体に付与する工程と、
    前記記録媒体に付与された顔料インクと接触するように前記処理液を前記記録媒体に付与する工程とを有し、
    前記処理液の付与工程では、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい第1の顔料インクの付与量に対する、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液の付与量の割合が、前記処理液に対する接触角が相対的に大きい第2の顔料インクの付与量に対する、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液の付与量の割合よりも小さくなるように、前記処理液を前記記録媒体に付与することを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 複数種類の顔料インクにより形成される画像の品質を向上させるための処理液を付与するためのデータを生成するデータ生成装置であって、
    前記処理液に対する接触角が相対的に小さい第1の顔料インクの付与データに基づいて、前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクと接触させるための、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液の付与データを生成し、且つ、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクの付与データに基づいて、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクと接触させるための、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液の付与データを生成する生成手段を備え、
    前記生成手段は、前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクが付与される位置に対して、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクが付与される位置に対して、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記処理液の付与データを生成することを特徴とするデータ生成装置。
  8. 複数種類の顔料インクにより形成される画像の品質を向上させるための処理液を付与するためのデータを生成する生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
    前記生成処理は、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい第1の顔料インクが付与される位置に対して、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクが付与される位置に対して、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクおよび接触角が相対的に大きい第2の顔料インクの付与データに基づいて前記処理液の付与データを生成する工程を含む、
    ことを特徴とする記憶媒体。
  9. 複数種類の顔料インクと当該顔料インクにより形成される画像の品質を向上させるための処理液とを記録媒体に付与することで画像を記録するインクジェット記録装置と、前記インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置とを含むインクジェット記録システムであって、
    前記データ供給装置は、前記処理液に対する接触角が相対的に小さい第1の顔料インクが付与される位置に対して、前記第1の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合が、前記接触角が相対的に大きい第2の顔料インクが付与される位置に対して、前記第2の顔料インクの付与と対応して付与される前記処理液が付与される割合よりも小さくなるように、前記接触角が相対的に小さい第1の顔料インクおよび接触角が相対的に大きい第2の顔料インクの付与データに基づいて前記処理液の付与データを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成した前記処理液の付与データを前記インクジェット記録装置に供給する供給手段とを備え、
    前記インクジェット記録装置は、前記供給手段により供給された前記処理液の付与データに基づいて、前記処理液を前記記録媒体に付与するための手段を備える、
    ことを特徴とするインクジェット記録システム。
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