JP6120488B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数種類の顔料のインクと当該顔料インクに接触させる処理液とをそれぞれ吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
近年、顔料インクを用いたインクジェット記録装置において、樹脂を含むクリアインク(処理液)によって記録媒体に記録された顔料インクを被覆することにより、光沢ムラ及びブロンズ現象の軽減や耐擦過性の向上を実現させる技術が提案されている。
特許文献1には、記録媒体に被覆層を設ける際に、記録媒体上に溢れる量まで処理液を塗布することによって、処理液の水平液面を形成させる方法が開示されている。
特開2004−314350号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法によると、記録媒体の表面に処理液を溢れるほど多量に付与することとなり、ランニングコストの点から望ましくない。また、処理液を多量に付与するため被覆層を定着させるために加熱する必要があり、加熱用の定着機を記録装置に設置した場合に記録装置本体のコストも上がる。
そこで、ランニングコスト及び本体コストを抑えつつ、顔料インクを被覆するためには、加熱する必要がない程度の量、つまり溢れない程度の量により平滑化するように記録媒体上の顔料インクに処理液を付与することが望まれる。しかし、顔料インクに浸透する処理液の浸透速度は顔料インクの種類(色)によって異なるので、各顔料インクに溢れない程度の処理液を同じように付与しても、顔料インクの色毎に処理液(被覆層)表面の平滑性が異なる。したがって、顔料インクの色毎に光沢の程度が異なり、光沢ムラ等が生じて高光沢な画像を得ることができないことがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものである。そして、その目的は、処理液の消費量を低減させつつ、顔料インクの種類による光沢ムラを軽減した高光沢な画像を得ることができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、複数種類の顔料インクと前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録装置であって、単位領域毎の前記複数種類の顔料インク各々の付与量に関する画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された画像データに基づき、前記記録媒体の単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査を決定する決定手段と、前記画像データに基づき、前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成し、かつ単位領域毎に前記複数種類の顔料インクの吐出を開始した後、前記決定手段によって決定された走査から前記処理液の吐出が開始されるように前記吐出データを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出手段と、を備え、前記決定手段は、単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インク各々の比率に応じて前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの付与の開始から前記処理液の付与の開始までの時間が異なり、かつ、前記複数種類の顔料インクによって画像が記録された単位領域への前記処理液の浸透速度が第1の速さとなる第1単位領域よりも前記浸透速度が前記第1の速さより遅い第2の速さとなる第2単位領域の方が早い回の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査を決定することを特徴とする。
上記構成によれば、顔料インクにより画像が記録された単位領域に対する処理液の浸透速度に応じ単位領域に対する顔料インク吐出から処理液吐出までの時間を異ならせることにより、顔料インクを被覆するための処理液を適切なタイミングで付与することができる。したがって、光沢の程度が領域によらずに安定して、画像全体において高光沢な出力物を得ることができる。また、溢れない程度に処理液の量が抑えられていても、処理液は各顔料インクを平滑に被覆することができるので、溢れるほど多量に処理液を付与する場合と比べて、処理液の消費量を低減できる。
したがって、本発明によれば、処理液の消費量を低減させつつ、顔料インクの種類による光沢ムラを軽減した高光沢な画像を得ることができる。
第1実施形態におけるインクジェット記録装置を示す概略斜視図である。 第1実施形態における記録ヘッドを吐出口側から見た模式図である。 インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。 (A)及び(B)はブラックおよびライトマゼンタインクについての図である。 (A)及び(B)はブラックインクに処理液を付与した断面を示す模式図である。 (A)及び(B)はライトマゼンタに処理液を付与した断面を示す模式図である。 MPUが吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。 (A)及び(B)は処理液用のマスクパターンを説明するための図である。 Sグループ領域における記録状態を説明するための図である。 Fグループ領域における記録状態を説明するための図である。 画像の写像性の対比を示した図である。 MPUが吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。 (A)及び(B)は顔料インク用のマスクパターンを説明するための図である。 処理液用のマスクパターンを説明するための図である。 MPUが吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。 (A)及び(B)は記録Dutyと写像性との関係を示す図である。 MPUが吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。 ルックアップテーブルを示す図である。
本明細書において「処理液」とは、インクと接触させることによって、画像品位を向上させる液体のことである。また、処理液より形成された層を「被覆層」という。「画像品位を向上させる」とは、グロス性、ヘイズ性、およびブロンズ性の少なくとも1つを向上させて、インク画像の品位を向上させる意である。また、本明細書における「グロス」は、JIS K 5600−4−7に定められた方法に準じて測定されるグロスの値を意味するものであり、『入射角+0±0.9°』の反射角での光の強さのことを意味し、グロスの値は正反射光が強いほど大きい値となる。本明細書においては、「グロス」は以下「光沢度」と称する。
また、「ヘイズ」は、ISO DIS 13803に定められた方法に準じて測定されるヘイズの値を意味するものであり、『入射角+1.8±0.9°』の反射角での光の強さのことを意味し、ヘイズの値は拡散反射光が強いほど大きい値となる。「写像性」とは、式1によって計算される値のことであり、その値が大きいほど「写像性が高い」と呼び、平滑な表面であることを意味する。一方、写像性の値が小さいほど「写像性が低い」と呼び、粗い表面であることを意味する。また本明細書において「高光沢な画像」とは、「平滑な表面」=「写像性が高い表面」を意味する。
「写像性」=「(グロスの値)−(ヘイズの値)」÷「(グロスの値)+(ヘイズの値)」
・・・ (式1)
なお、本明細書においてグロス及びヘイズの値の測定には、BYK−Gardner社製のマイクロ−ヘイズ プラスを使用したが、グロス及びヘイズの値を測定できるのであれば、測定器はこれに限定されるものではない。
また、本明細書において、「処理液のウェイト時間」とは、顔料インクが記録媒体に着弾してから処理液が記録媒体上の顔料インクに着弾するまでの時間を意味する。しかし、実施形態は複数回走査によるマルチパス記録のため、各パス(記録走査)によってその時間が変わってしまう。従って、実施形態においては便宜上、顔料インクの記録動作が開始してから処理液の記録動作が開始するまでの時間を「処理液のウェイト時間」とする。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の実施形態において、記録ヘッド、およびインクタンクを個別的に言及する場合には、それぞれに付された参照番号を用いるが、包括的に言及する場合には総称的な参照番号として、記録ヘッドには「22」、インクタンクには「21」を用いる。
(第1の実施形態)
〔インクジェット記録装置30の構成〕
まず、本実施形態におけるインクジェット記録装置30の構成について説明する。図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置30を示す概略斜視図である。同図に示すように、インクジェット記録装置30は、記録部20と搬送ローラ3とを備える。記録部20は、複数の記録ヘッド22および複数のインクタンク21からなる。
記録ヘッド22は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)インクおよび処理液(H)を夫々吐出する複数の記録ヘッド22K〜22HがX方向に並列配置して構成されている。夫々の記録ヘッドには、Y方向に配列する複数の吐出口が配列されている。インクタンク21は、記録ヘッド22K〜22Hへそれぞれインクを供給するインクタンク21K〜21Hから構成される。記録ヘッド22とインクタンク21とは一体的または分離可能にヘッドカートリッジを構成し、不図示のキャリッジに着脱可能に搭載されている。しかし、記録ヘッド22とインクタンク21とは、ヘッドカートリッジを構成せずに別々にキャリッジに搭載されるものであってもよい。
記録部20を主走査方向(図中X方向)へ往復移動させながらインクを吐出させる記録走査と、搬送ローラ3によるX方向と交差する副走査方向(図中矢印Y方向)への記録媒体1の搬送動作とを繰り返して記録媒体1に対して記録する。
図2は、本実施形態における記録ヘッド22を吐出口23側から見た模式図である。同図に示すように、記録ヘッド22には、主走査方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に沿って1200dpiの密度で1280個の吐出口23が配列されており、各色の吐出口列を形成している。
本実施形態において、顔料インクを吐出するための記録ヘッド22K〜22LMと、処理液を吐出するための記録ヘッド22Hとは、同一形態のものを用いる。また、本実施形態は、記録ヘッド22K〜22LMにおける夫々の範囲αで示される640個の吐出口から各顔料インクを吐出し、記録ヘッド22Hにおける範囲βで示される640個の吐出口から処理液を吐出する。このように構成することによって、Y方向に搬送される記録媒体1には、範囲αによって顔料インクが付与された後に範囲βによって処理液が付与されることとなる。なお、各吐出口23から1度に吐出されるインクの吐出量は約4ngである。
次に、インクジェット記録装置30の制御系の構成例について説明する。図3は、インクジェット記録装置30の制御系の構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置30はホストコンピューター28と接続されている。また、インクジェット記録装置30は、MPU302、ASIC303、キャリッジ駆動系308、搬送駆動系309、回復駆動系310、記録ヘッド駆動系311、プリントバッファ306、マスクバッファ307、ROM304およびRAM305を備えている。ROM304には各種プログラムが記録されており、RAM305はMPU302の作業領域や一時データ保存領域として利用される。
MPU302は、ROM304に記録されたプログラムに従ってインクジェット記録装置30全体を制御する。すなわち、MPU302は、ASIC303を介して、キャリッジ駆動系308、搬送駆動系309、回復駆動系310、および記録ヘッド駆動系311をそれぞれ制御する。キャリッジ駆動系308はキャリッジを、搬送駆動系309は搬送ローラ3を、回復駆動系310は記録ヘッド22の吐出回復用のポンプやキャップ等を、記録ヘッド駆動系311は記録ヘッド22を、それぞれ駆動するためのものである。また、MPU302はASIC303を介してプリントバッファ306へのデータの読み書きが可能な構成になっている。
プリントバッファ306は、記録ヘッド22へ転送できる形式に変換された画像データを一時保管する。マスクバッファ307は、マルチパス記録を行う際、プリントバッファ306から記録ヘッド22へ転送する画像データとの間でAND処理(論理積処理)するための所定のマスクパターンを一時的に保管する。このようなマスクパターンは、記録モードやパス数に応じてROM304内に複数用意されており、記録時には、該当するマスクパターンがROM304から読み出されて上記AND処理のためにマスクバッファ307に格納される。
〔本実施形態の特徴的構成〕
<インクの組成>
次に、本実施形態に用いる顔料インクおよび処理液の組成について説明する。以下、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
1 ブラックインク
(1)分散液の作製
アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(重合比(重量比)=30/40/30)]酸価202、重量平均分子量6500を、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な10%ポリマー水溶液を作成した。上記ポリマー溶液600g、カーボンブラック100gおよびイオン交換水300gを混合し、機械的に所定時間撹拌した後、遠心分離処理によって粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液とする。得られたブラック分散液は、顔料濃度が10%、ポリマー濃度が6%であった。
(2)インクの作製
以下の成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧濾過し、顔料濃度5%の顔料インクを調製した。
・上記ブラック分散液 50部
・グリセリン 10部
・トリエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 0.5部
・イオン交換水 29.5部
2 シアンインク
(1)分散液の作製
ベンジルアクリレートとメタクリル酸とを原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、これを水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記ポリマー溶液200g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水700g、これらを混合し、機械的に所定時間撹拌した後、遠心分離処理によって粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、顔料濃度が10%、ポリマー濃度が10%であった。
(2)インクの作製
以下の成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧濾過し、顔料濃度2%の顔料インクを調製した。
・上記シアン分散液 20部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 0.5部
・イオン交換水 59.5部
3 マゼンタインク
(1)分散液の作製
ベンジルアクリレートとメタクリル酸とを原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、これを水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈し均質な50%ポリマー水溶液を作成した。上記ポリマー溶液100g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水800g、これらを混合し、機械的に所定時間撹拌した後、遠心分離処理によって粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、顔料濃度が10%、ポリマー濃度が5%であった。
(2)インクの作製
以下の成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧濾過し、顔料濃度4%の顔料インクを調製した。
・上記マゼンタ分散液 40部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 0.5部
・イオン交換水 39.5部
4 イエローインク
(1)分散液の作製
アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(重合比(重量比)=30/40/30)]酸価202、重量平均分子量6500、を水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈し均質な10%ポリマー水溶液を作成した。上記ポリマー溶液300g、C.I.ピグメントイエロー74を100gおよびイオン交換水600g、これらを混合し、機械的に所定時間攪拌した後、遠心分離処理によって粗大粒子を含む非分散物を除去してイエロー分散液とした。得られたイエロー分散液は、顔料濃度が10%、ポリマー濃度が3%であった。
(2)インクの作製
以下の成分を混合し、十分に攪拌して溶解・分散後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)で加圧濾過し、顔料濃度4%の顔料インクを調製した。
・上記イエロー分散液 40部
・グリセリン 9部
・エチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 1部
・イオン交換水 40部
5 ライトマゼンタインク
(1)分散液の作製
マゼンタインクにおけるマゼンタ分散液と同様のものを用いる。
(2)インクの作製
以下の成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧濾過し、顔料濃度0.8%の顔料インクを調製した。
・上記マゼンタ分散液 8部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 0.5部
・イオン交換水 71.5部
6 ライトシアンインク
(1)分散液の作製
シアンインクにおけるシアン分散液と同様のものを用いる。
(2)インクの作製
以下の成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧濾過し、顔料濃度0.4%の顔料インクを調製した。
・上記シアン分散液 4部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 0.5部
・イオン交換水 75.5部
7 処理液
(1)樹脂の組成
まず、処理液に添加する樹脂の組成について説明する。本実施形態に用いられる処理液は、顔料インク上において平滑面を形成し得るだけの量が残る必要がある。平滑面を形成し得る樹脂としては、110mgKOH/g以上、250mgKOH/g以下の酸価を有するものが好ましい。また、処理液に含まれる樹脂としては疎水性モノマーと親水性モノマーとから共重合されたビニル樹脂が好ましい。ビニル樹脂の主鎖構造としては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、およびグラフトコポリマーのいずれも使用できるが、好ましくは、ランダムコポリマーを使用する。
本実施形態におけるランダムコポリマーとは、2つ以上の異なるモノマーの共重合体を指し、それぞれのモノマーユニットが均一に分布するポリマー化合物を意味する。なお、親水性とは水に対する親和性が大きく単独で水に溶解するものを示し、疎水性とは水に対して親和性が小さく単独で水に溶解しないものを示す。共重合されたビニル樹脂の具体例としては、スチレン−(メタ)アクリルエステル−(メタ)アクリル酸系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂等が挙げられる。本明細書中(メタ)アクリルと表記されているものは、メタクリル及び/又はアクリルのことを指すものとする。
本実施形態は処理液に含有させる樹脂として、重量平均分子量14000、酸価115のスチレンアクリル酸ランダムコポリマーを用いた。また、樹脂2gをTHF200mlとエタノール100mlとの混合液中に溶解させて、規定度の測定済みのエタノールKOH溶液を用いて中和滴定(JIS0070に準拠)を行い、酸価を測定した。
なお、本実施形態に用いられる処理液はアセチレングリコール系界面活性剤およびポリシロキサン系界面活性剤から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、顔料インクの処理液に対する接触角(濡れ性)を高めてインクの浸透性を高めることができる。界面活性剤の種類や含有量は特に限定されないが、インク全量に対して、0.5%以上であり、かつ10%以下であることが好ましい。より好ましくは1%以上であり、かつ5%以下がよい。
(2)処理液の作製
以下の成分を混合して十分攪拌した後、KOHによりpHを9.5に調整し、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧濾過し、処理液を調整した。
・スチレンアクリル酸ランダムコポリマー 5部
・グリセリン: 7.5部
・1,2−ヘキサンジオール 5部
・アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) 5部
・イオン交換水 77.5部
本実施形態において処理液は、顔料インクを被覆して高光沢な画像を得るために用いた。そのため、顔料インク上に処理液が残るように、樹脂水溶液を用いて処理液を作製した。
なお、本実施形態における処理液は無色であっても、有色であってもよい。したがって、処理液は色材を含んでいてもよい。また、以上では高分子分散剤により顔料を分散したい顔料インクを用いたが、自己分散型顔料を含む顔料インクを用いてもよい。
以上挙げた本実施形態の顔料インクおよび処理液を用いて画像を記録した場合、記録媒体に対する処理液の吸収速度は、既に吸収されている顔料インクによって異なる。その結果、好適な写像性を得るための処理液のウェイト時間も、顔料インクによって異なるという現象が現れる。
図4(A)および(B)は、本実施形態で用いる処理液をブラックインク画像とライトマゼンタ画像上に記録した場合の浸透速度と写像性を示す図である。
ここで、浸透速度(吸収特性)は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の『紙及び板紙の液体吸収性試験方法』に記載されたブリストー法を基にして測定した。
ブリストー法の概要は次の通りである。まず、所定の大きさの開口スリットを有する保持容器に一定量のインクを注入し、スリットを介して短冊状に加工して円盤に巻きつけられた記録媒体に接触させる。そして、保持容器の位置を固定したまま、円盤を回転させて記録媒体に転移するインク帯の面積(長さ)を測定する。インク帯の面積から単位面積辺りの転移量(ml/m2)を算出することができ、この転移量(ml/m2)は所定時間に記録媒体に吸収されたインク容量を示す。
ここで所定時間は、転移時間として定義される。吸収時間(ミリ秒)は、スリットと記録媒体の接触時間に相当し、円盤の速度と開口スリットの幅から換算される。転移量V(ml/m2)と吸収時間T(ミリ秒)の関係は次に示す式(2)によって表される。
V=Vr+Ka(T−Tw)1/2 ・・・ 式(2)
ここでインク滴が記録媒体表面に付着した直後には、インクは記録媒体表面の凹凸部分において吸収されるのが殆どであり、記録媒体内部へは殆ど浸透していない。その間の時間がコンタクトタイム(Tw)、コンタクトタイムに記録媒体の凹凸部に吸収されたインク量がVrである。インクが付着した後、コンタクトタイムを越えると、該コンタクトタイムを越えた時間、即ち(T−Tw)1/2に比例した分だけ記録媒体への吸収量が増加する。Kaはこの増加分の比例係数であり、浸透速度に応じた値を示す。そしてKa値はブリストー法による液体の動的浸透性試験装置(例えば、東洋精機製作所製の動的浸透性試験機)等を用いて測定可能である。
図4(A)は、上述のブリストー法に基づき、記録媒体上の顔料インクに対する処理液の吸収特性を評価した結果である。上述のブリストー法は、インクが記録されていない記録媒体を使用して記録媒体へのインクの転移量を測定するが、本例においては顔料インクが記録された記録媒体を使用して、記録された顔料インクへの処理液の転移量を測定した。詳しくは、記録Dutyが100%のブラックインク及びライトマゼンタインク夫々を1パスにて記録した記録媒体に対する処理液の転移量を測定して、Ka値を求めた。
なお、本例において記録媒体はキヤノン製プレミアム光沢紙(商品名「プレミアム光沢紙[厚口]LFM−GPP」を使用した。また、100%の記録Dutyとは、1/1200インチ四方(以下「1200dpi四方」と呼ぶ)の領域に4.5plのインク滴を1滴付与することを意味する。
図4(Aに示すように、各顔料インクのKa値は、ブラックインクが2.7(ml/(m2・msec1/2))、ライトマゼンタインクが2.3(ml/(m2・msec1/2))である。つまり、本実施形態において、処理液の浸透速度は、ブラックインクに対してはライトマゼンタインクに対してよりも速く、ライトマゼンタインクに対してはブラックインクに対してよりも遅いことになる。
一方、図4(B)は、ブラックインク画像およびライトマゼンタインク画像における処理液のウェイト時間に対する写像性の関係を示した図である。上記2つの顔料インクの記録Dutyはそれぞれ200%、処理液の記録Dutyは100%としている。ここでは、顔料インクを200%の記録Dutyで記録した後、処理液を100%の記録Dutyで4秒後に記録した画像と、6秒後に記録した画像の写像性をそれぞれ測定した結果を示している。
同図に示すように、処理液のウェイト時間が短い場合(4秒)と長い(6秒)場合とを比較すると、ブラックインク画像の写像性は、処理液のウェイト時間が長い場合の方がウェイト時間が短い場合よりも高い。一方、ライトマゼンタインク画像の写像性は、処理液のウェイト時間が短い場合の方がウェイト時間が長い場合よりも高くなっている。以下、このように、画像の写像性が顔料インクによって異なるメカニズムを説明する。
図5(A)および(B)は、ブラックインクを付与した後に処理液を付与した場合の記録媒体の断面を示す模式図である。図5(A)は処理液のウェイト時間が短い場合(4秒)、同図(B)は処理液のウェイト時間が長い場合(6秒)である。
本実施形態の処理液は本実施形態のブラックインクに対して比較的浸透しやすい性格を有している。よって、処理液のウェイト時間が短いと、ブラックインク層402が流動的な状態で処理液403が付与されることとなり、処理液403がブラックインク層402の中に浸透してしまう。そのため、ブラックインク層402の上に処理液403が十分に残らず、図5(A)のように、被覆層404にはブラックインク層402を被覆できていない箇所が存在する。
これに対し、処理液のウェイト時間が長い場合は、ブラックインク層405が流動的ではない状態で処理液403が付与されることとなり、処理液403はブラックインク層405の中に浸透しにくくなる。そのため、ブラックインク層405の上に処理液403が十分に残り、図5(B)のように、被覆層406はブラックインク層405を十分に被覆することが出来る。ブラックインク層405に目止めされて記録媒体1上に処理液403が浸透しにくくなる。
このように、本実施形態のブラックインクについては、ウェイト時間が4秒である場合よりも、6秒である場合のほうが、画像面の平滑性が高くなる。その結果、再度図4(B)を参照するに、処理液を付与しない場合のブラック画像の写像性が0.54であるのに対し、4秒後に処理液を付与しても写像性は0.62までしか上がらないが、6秒後に処理液を付与すると写像性は0.86まで向上する。
一方、図6(A)および(B)は、ライトマゼンタインクを付与した後に処理液を付与した場合の記録媒体の断面を図5(A)および(B)と同様に示す図である。本実施形態の処理液は本実施形態のマゼンタインクに対して比較的浸透し難い性格を有しており、処理液のウェイト時間が短くても、処理液403がライトマゼンタインク層502に浸透している間に、ライトマゼンタインク層502は記録媒体1上に定着する。したがって、図6(A)に示すように、処理液403はライトマゼンタインク層502上に十分に残ることが出来、ライトマゼンタインク層502を十分に被覆する被覆層504を形成することが出来る。
これに対し、処理液のウェイト時間が長い場合は、処理液を付与する段階でライトマゼンタインク層505は記録媒体1に定着しており、凹凸のある表面が形成されている。このようなライトマゼンタインク層505に処理液403を付与しても、処理液403はライトマゼンタインク層505に浸透しにくく、図6(B)に示すように、ライトマゼンタインク層505上で凝集してしまう。そのため、処理液403が付与された後でもライトマゼンタインク層505が形成した凹凸はそのまま残り、凹凸を有する被覆層506が形成される。
このように、本実施形態のマゼンタインクについては、ウェイト時間が6秒である場合よりも、4秒である場合のほうが、画像面の平滑性が高くなる。その結果、再度図4(B)を参照するに、処理液を付与しない場合のマゼンタインク画像の写像性が0.54であるのに対し、4秒後に処理液を付与しても写像性は0.82まで向上するが、6秒後に処理液を付与すると写像性は0.67まで低下する。
以上説明したように、本実施形態に用いられる顔料インクに対する処理液の浸透速度および好適な写像性を得るための処理液のウェイト時間は、顔料インクの種類によって異なる。すなわち、全ての顔料インクに対して一律のウェイト時間で処理液の記録を行った場合、処理液(被覆層)表面の平滑性ひいては光沢性が顔料インク毎に異なり、画像上に光沢ムラが発生してしまうのである。
本実施形態では、以上の状況に鑑み、処理液の浸透速度に応じて使用する顔料インクそれぞれのグループ分けを行う。具体的には、処理液の浸透速度が比較的速い画像を形成するインクをFグループ、処理液の浸透速度が比較的遅い画像を形成するインクをSグループとする。以下、グループ分けの方法例をいくつか挙げる。
例えば、再度図4(A)を参照するに、ブラックインクのKa値を参考に閾値を設定して浸透速度グループを分類することが出来る。つまり、各顔料インクに対する処理液の浸透速度を上述のブリストー法に基づき夫々測定し、ブラックインクのKa値に基づき設定した閾値より小さいKa値を有する顔料インクはSグループに、閾値以上のKa値を有する顔料インクはFグループに、夫々分類する。
また、例えば、顔料インクに対する処理液の浸透速度は、顔料インクのPB比が関係すると考えられるため、顔料インクのPB比によって浸透速度グループを分類してもよい。PB比とは、顔料に対するポリマーの比率のことであり、PB比が相対的に大きい(顔料濃度に対してポリマー濃度が相対的に大きい)と処理液が浸透しにくくなる傾向にある。
本実施形態の各顔料インクのPB比は、ブラック(K):0.6、シアン(C):1、マゼンタ(M):0.5、イエロー(Y):0.3、ライトマゼンタ(LM):1、ライトシアン(LC):1であった。この場合、処理液の浸透速度が相対的に速いブラックインクのPB比の値を参考に、閾値を0.65と設定して、PB比が閾値未満であるか閾値以上であるかによって各顔料インクについて浸透速度グループを決定する。そうすると、ブラック、イエローおよびマゼンタはFグループに、ライトマゼンタ、ライトシアンおよびシアンはSグループに、夫々分類される。
なお、本実施形態の顔料インクは添加ポリマーが混合されていなかったため分散ポリマーの濃度と顔料濃度とによりPB比を計算したが、添加ポリマーを混合する場合は、添加ポリマーの濃度を用いて同じようにPB比を計算してもよい。また、分散ポリマー及び添加ポリマーを足した量を全ポリマー量として、全ポリマー濃度と顔料インク濃度とを同じようにPB比を計算してもよい。
また、図4(B)に示したような画像の写像性を予め測定し、好適な写像性が得られる処理液のウェイト時間に応じて、インクグループを分類してもよい。このように、顔料インクのグループ分けは、ブリストー法に基づく浸透速度の測定、顔料インクのPB比、もしくは処理液付与後の画像の写像性の値の測定など様々な方法によって分類することが出来る。そして本実施形態においては、ブラック(K)、イエロー(Y)およびマゼンタ(M)はFグループに、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)およびシアン(C)はSグループに、それぞれ分類されたものとして以下の説明を行う。
本実施形態では、顔料インクそれぞれのグループに基づいて、記録媒体上の個々の単位領域を、処理液の浸透速度が比較的速いFグループ領域、あるいは浸透速度が比較的遅いSグループ領域のいずれかに分類する。具体的には、例えば各単位領域に記録される顔料インクの2値画像データのデータ数(吐出ドット数)をカウントし、各顔料インクのデータ比率に応じて、当該単位領域がFグループ領域に分類されるかSグループ領域に分類されるかを判定する事が出来る。また、Fグループの代表的なインクであるブラックインク、Sグループの代表的なインクであるライトマゼンタインクのように、ある特定のインクに注目して、それらの混在する比率から、個々の単位領域のグループを判定してもよい。
このように、各単位領域についてFグループ領域であるかSグループ領域であるかを判定する判定方法については、様々な方法を採用することが出来る。そして、記録媒体上のFグループ領域とSグループ領域において、処理液のウェイト時間を異ならせるような記録制御を行う。具体的には、Fグループ領域に処理液を付与する場合は、処理液が顔料インクに浸透しすぎず顔料インク上に十分に残るように、処理液のウェイト時間を長くする。一方、Sグループ領域に処理液を付与する場合は、処理液が顔料インク上に凹凸を持って残り過ぎないように、処理液のウェイト時間を短くする。このような制御を行うため、本実施形態では8パスのマルチパス記録におけるマスクパターンを利用する。
なお、本実施形態において、単位領域とは、1インク滴を記録可能な最小単位である「画素」としてもよく、また10滴程度の複数滴のインクにより形成される画素領域としてもよい。さらには、1記録走査により画像が形成される領域としてもよく、任意の領域として設定することが出来る。単位領域を小さい範囲に設定するほど、各単位領域に対して的確にウェイト時間を制御することが出来、画像の品位を向上させることができる。しかしその一方で、各単位領域の分類するための処理回数が多くなるため、MPU302への負荷は増大してしまう。逆に、単位領域を大きい範囲に設定するほど、処理回数およびMPU302の負荷は抑えられるが、各単位領域に対するウェイト時間制御の曖昧性は増大することになる。
<吐出データの生成>
まず、本実施形態の顔料インク及び処理液の吐出データの生成方法を、図3および図7を用いて説明する。図7は本実施形態のMPU302が吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。図に示すように、ユーザーからの記録指示がホストコンピューター28のアプリケーション29に入力されると、ホストコンピューター28はハードディスク等の各種記録媒体に保存されているRGB形式の多値画像データをインクジェット記録装置30に送信する。多値画像データは、ホストコンピューター28に接続されたスキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からも受け取ることができる。
このRGB形式の多値画像データがインクジェット記録装置30へ入力されると、MPU302は、RGB形式の多値画像データを画像形成に用いる顔料インク(K、C、M、Y、LC、LM)夫々に対応した多値画像データに変換する(S31)。次いで、MPU302は、2値化処理において、ROM304に記憶されていたディザパターンなどに従って、各顔料インクに対応した多値画像データを各顔料インクの2値画像データに展開する(S32)。これにより、複数種類の顔料インク夫々を付与するための2値画像データが生成される。
次に、MPU302は、処理液の2値画像データを生成する(S33)。本実施形態において、処理液が溢れない程度に高光沢な画像を実現するため、処理液を、顔料インク画像上に均一に記録Duty100%で記録する。実際にはこの記録Dutyに限らず、顔料インクの種類・付与量および処理液の種類等に応じて処理液付与後の記録画像が高光沢となるように、望ましい記録Dutyを決定すればよい。
そして、MPU302は、顔料インクの2値画像データと顔料インクのグループに従って、個々の単位領域についてFグループかSグループかを判定する(S34)。具体的には、前述の通り、顔料インクの2値画像データのデータ数(吐出ドット数)をカウントして、その比率によって、単位領域のグループを判定する。Sグループ領域に判定された単位領域にはSマスクパターン(図8(A)参照)を設定する(S35)。一方、Fグループ領域に判定された単位領域にはFマスクパターン(図8(B)参照)を設定する(S36)。
次いで、S37においてMPU302は顔料インクおよび処理液の吐出データをそれぞれ生成する。具体的には、各単位領域について、顔料インクの2値画像データと、S35あるいはS36で宛がわれたマスクパターンとの間でAND処理を行い、記録ヘッド22へ転送できる形式の吐出データを生成する(S37)。これらの吐出データは、MPU302からASIC303を介して記録ヘッド駆動系311へ入力される。
このように、MPU302にて生成された吐出データに基づき、インクジェット記録装置30の記録ヘッド22から後述するマルチパス記録方式により顔料インク及び処理液を吐出して、画像を形成する。
<処理液用のマスクパターン>
次に、処理液用のマスクパターンについて説明する。図8(A)および(B)は、処理液用のSマスクパターンおよびFマスクパターンを説明するための図である。8パスのマルチパス記録を行う場合、記録ヘッド22の複数のノズルはY方向に8分割して考えることが出来る。図8(A)および(B)では、処理液吐出用の記録ヘッド22Hにおいて、1280個の吐出口が160個ずつのブロックB1〜B8に8等分されている。ここで、再度図2を参照するに、ブロックB1〜B4は範囲αの領域に該当し、顔料インク用の記録ヘッドによって顔料インクの吐出が行われる領域である。ブロックB5〜B8は範囲βの領域に該当し、記録ヘッド22Hによって処理液の吐出が行われる領域である。各記録走査のたびに記録媒体が1ブロック分ずつY方向に搬送されることにより、記録媒体には、第1〜第4記録走査によって顔料インクが記録された後、第5〜第8記録走査によって処理液が記録される。
図8(A)および(B)では、説明の便宜のため、個々のブロックに含まれる一部(4×10画素群)に対するマスクパターンを示している。図において個々のマス目は1画素領域を示し、黒で示した画素はドットの記録を許容する画素、白で示した画素はドットの記録を許容しない画素をそれぞれ示している。図8(A)および(B)のいずれにおいても、各ブロックのマスクパターンを合計すると全ての画素に一度だけ記録が許容されるよう、互いに補完関係を有するマスクパターンが設定されている。
実際に記録を行う際は、処理液の2値データと各ブロックに対応するマスクパターンとでAND処理をすることにより、各パスにて処理液を付与するための記録データを生成することができる。
図8(A)に示すように、浸透速度の遅いSグループ領域に宛がわれるSマスクパターンにおいては、B5およびB6ブロックで処理液が付与される。すなわち、第1〜第4走査で顔料インクが記録された領域に対し、これに連続する第5および第6走査にて処理液が付与される。他方、図8(B)に示すように、浸透速度の速いFグループ領域に宛がわれるFマスクパターンにおいては、B7およびB8ブロックで処理液が付与される。すなわち、第1〜第4走査で顔料インクが記録された領域に対し、2走査分の時間が経過した後の第7および第8走査にて処理液が付与される。
ここで1回の記録走査に関わる時間を1秒とすると、Sグループ領域では最初に顔料インクを付与する記録走査から最初に処理液を記録する記録走査までに4秒経過していることから、ウェイト時間は4秒となる。一方、Fグループ領域では最初に顔料インクを付与する記録走査から最初に処理液を記録する記録走査までに6秒経過していることから、ウェイト時間は6秒となる。
このように、本実施形態においては、Fグループ領域は処理液のウェイト時間が長くなるように、Sグループ領域は処理液のウェイト時間が短くなるように、それぞれの単位領域において使用する処理液用マスクパターンを適宜使い分ける。
〔記録動作〕
本実施形態では、このように、5、6回目の記録走査にて処理液の吐出を完了させるか、7、8回目の記録走査にて処理液の吐出を完了させるかによって、処理液のウェイト時間を異ならせる。これによって、Fグループ領域は、記録Dutyが100%の処理液量により顔料インク上に処理液を十分に残らせることができる。一方、Sグループの領域は、同じく記録Dutyが100%の処理液量により被覆層表面の凹凸を抑制しつつ処理液を顔料インク上に残らせることができる。
図9および図10は上記マスクパターンを用いて記録を行った場合の記録状態を説明する図である。図9は、Sグループ領域に対する記録状態、図10はFグループ領域に対する記録状態をそれぞれ示している。
上述のように、顔料インクの記録ヘッド22K〜22LMにおいては、ブロックB1〜B4の範囲αにおける640個の吐出口が用いられる。図9および図10においては、それらのブロックB1〜B4によって記録される画像を夫々A,B,C,Dで表している。また、処理液用の記録ヘッド22Hにおいては、ブロックB5〜B8の範囲βにおける640個の吐出口が用いられる。図9および図10においては、それらのブロックB5〜B8によって記録される画像を夫々e、f、g、hで表している。また、図9および図10において記録領域50−1〜50−8は、記録ヘッド22の1つのブロックに相当する範囲の記録媒体1上の記録領域を示している。
まず、図9を参照してSグループ領域に対する記録方法を説明する。まず第1走査において、記録領域50−1に対し、顔料インクによる画像Aを記録する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向(矢印Y方向)に搬送する。その後の第2走査においては、記録領域50−1に対し顔料インクによる画像Bを記録するとともに、記録領域50−2に対し画像Aを記録する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向に搬送する。その後の第3走査においては、記録領域50−1に対し顔料インクによる画像Cを記録するとともに、記録領域50−2には画像Bを記録し、記録領域50−3には画像Aを記録する。
次に、記録媒体1を記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向に搬送する。その後の第4走査においては、記録領域50−1に対し顔料インクによる画像Dを記録するとともに、記録領域50−2には画像Cを、記録領域50−3には画像Bを、記録領域50−4には画像Aを記録する。このような第1から第4走査によって、記録領域50−1は画像A〜Dが重ねあわされ、顔料インクによる記録が終了する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向に搬送する。その後の第5走査においては、記録領域50−1に対し処理液による画像eを記録するとともに、記録領域50−2には画像Dを、記録領域50−3には画像Cを、記録領域50−4には画像Bを、記録領域50−5には画像Aを記録する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向に搬送する。その後の第6走査においては、記録領域50−1に対し処理液による画像fを記録するとともに、記録領域50−2に対し画像fを記録する。また、記録領域50−3に対しては顔料インクによって画像Dを、記録領域50−4に対し画像Cを、記録領域50−5に対し画像Bを、記録領域50−6に対し画像Aを記録する。
このような第5から第6走査によって、記録領域50−1に画像eおよびfが重ねあわされ、処理液による被覆層の形成が終了する。その後の第7から第8走査では、処理液の吐出はない。以下、同様の走査を繰り返すことにより、各記録領域に対する記録と被覆層の形成とが順次終了することになる。このように、Sグループ領域については、顔料インクが記録される第1〜第4走査の直後の第5および第6走査によって処理液が記録されることになる。すなわち、Sグループ領域については、処理液のウェイト時間は4秒となる。
次に、図10を参照してFグループ領域に対する記録方法を説明する。Fグループ領域においても、第1から第4走査によって、記録領域50−1は画像A〜Dが重ねあわされ、顔料インクによる記録が終了する。続く第5および第6走査では、記録領域50−1に対しいかなる画像も記録されない。但し、50−2以降の記録領域については、画像A〜Dの記録が順次行われている。
第6走査が終了すると、記録媒体1を、記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向に搬送する。その後の第7走査においては、記録領域50−1に対し処理液による画像gを記録するとともに、記録領域50−4には画像Dを、記録領域50−5には画像Cを、記録領域50−6には画像Bを、記録領域50−7には画像Aを記録する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッド22の1ブロック分だけ副走査方向に搬送する。その後の第8走査においては、記録領域50−1に対し処理液による画像hを記録するとともに、記録領域50−2に対し画像gを記録する。また、記録領域50−5に対しては顔料インクによって画像Dを、記録領域50−6に対し画像Cを、記録領域50−7に対し画像Bを、記録領域50−8に対し画像Aを記録する。このような第7走査から8走査によって、記録領域50−1に画像gおよびhが重ねあわされ、処理液による被覆層の形成が終了する。以下、同様の操作を繰り返すことにより、記録領域に対する記録と被覆層の形成とが順次終了する。
以上のように、本実施形態においては、単位領域のグループすなわち単位領域における処理液の浸透速度に応じて、処理液用マスクパターンを使い分けることにより、個々の単位領域で好適な写像性が得られるように、処理液のウェイト時間を調整することができる。つまり、処理液の浸透速度が相対的に速い単位領域に対する処理液のウェイト時間は、長くなるようにすることができる。一方、処理液の浸透速度が相対的に遅い単位領域に対する処理液のウェイト時間は、短くなるようにすることができる。
図11は、本実施形態のように単位領域ごとにマスクパターンを設定した場合と、従来のように全領域で同じマスクパターンを使用した場合において、画像の写像性の対比を示した図である。同図に示すように、従来の記録動作によるブラックインク画像の写像性は0.62であるのに対し、本実施形態の記録動作によるブラックインク画像の写像性は0.86であり、従来よりも向上している。そして、この値はライトマゼンタインク画像の写像性0.82と略同等の値であり、両者の間で写像性に大きな差がないことが分かる。すなわち、従来例に比べ、画像全体が高光沢になるとともに、光沢ムラも抑制されている。
上述のように、本実施形態においては、単位領域に対する処理液の浸透速度に応じて処理液のウェイト時間を異ならせることにより、各顔料インクを被覆するための処理液を適切なタイミングで付与することができる。したがって、光沢の程度が領域によらず安定し、画像全体において高光沢な出力物を得ることができる。また、溢れない程度に処理液の量が抑えられていても、処理液は各顔料インクを平滑に被覆することができるので、溢れるほど多量に処理液を付与する場合と比べて、処理液の消費量を低減できる。
なお、本実施形態においては、8パスのマルチパス記録において、8回の記録走査のうち、最初の4回の記録走査により顔料インクによる記録をして、その後の2回の記録走査により処理液による被覆層を形成した。しかし、本実施形態において、マルチパス数や顔料インクと処理液とをそれぞれ付与する記録走査に特に制限はない。顔料インクを記録した後に、処理液を付与するタイミングを適切に調整できるマルチパス記録であればよい。また、処理液のウェイト時間は本実施形態の限りではなく、顔料インクおよび処理液の種類や付与量に応じて、処理液のウェイト時間すなわち処理液を吐出するブロックが適切に定められればよい。
本実施形態においては、顔料インクを、浸透速度の違いにより、FグループとSグループとの2グループに分類し、単位領域についてもFグループ領域とSグループ領域とに分類したが、分類する数はこの限りではない。処理液付与後の画像品位が向上するように、さらに多くのグループ(例えば、3グループ、4グループ等)に分類してもよい。例えば、単位領域を4段階のグループに分類する場合には、これら4グループ夫々に対応した吐出領域の異なる4種類の処理液用のマスクパターンを用意すればよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、記録媒体の単位領域ごとに処理液の浸透速度に応じたグループ分けを行い、単位領域ごとに処理液のウェイト時間を調整した。これに対し、本実施形態においては、顔料インクの種類に応じて予め専用のマスクパターンを決定しておくことにより、顔料インクごとに処理液のウェイト時間を制御する。従って、本実施形態においては、処理液の記録を行う領域は固定し、顔料インクの記録を行うブロックを顔料インク毎に異ならせる。その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
<吐出データの生成>
図12は、本実施形態のMPU302が吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。S31およびS32は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
MPU302は、生成された顔料インクの2値画像データに基づくことなく、処理液の2値画像データを生成する(S33)。そして、予め決められていた顔料インク毎のマスクパターンと処理液のマスクパターンとによって、記録に使用するマスクパターンを設定する(S38)。次いで、MPU302は、顔料インクと処理液の2値画像データと、S38で設定されたマスクパターンとの間でAND処理を行い、記録ヘッド22へ転送できる形式の吐出データを生成する(S37)。
<顔料インク用マスクパターン>
図13(A)および(B)は、S38で設定する顔料インク用のマスクパターンを説明するための図である。図13(A)はライトマゼンタインクのように比較的処理液が浸透し難いSインクのマスクパターンであり、同図(B)はブラックインクのように比較的処理液が浸透しやすいFインクのマスクパターンである。図13(A)のマスクパターンでは、ブロックB3〜B6の連続する4つのブロックによってインクが吐出され、これら領域に宛がわれたマスクパターンは互いに補完関係を有している。一方、図13(B)のマスクパターンでは、ブロックB1〜B4の連続する4つのブロックによってインクが吐出され、これら領域に宛がわれたマスクパターンは互いに補完関係を有している。各顔料インクがどのマスクパターンを使用するかは、予め図3に示すROM304に記憶されている。
図14は、S38で設定する処理液用のマスクパターンを説明するための図である。このマスクパターンでは、ブロックB7〜B8の連続する2つのブロックによって処理液が吐出され、これら領域のマスクパターンは互いに補完関係を有している。
ここで、Sグループのインクが記録される領域では、図13(A)に示すように最初の2回の走査においてはブロックB1およびB2によって何も吐出されず、続く4回の走査においてブロックB3〜B6によって顔料インクが記録される。そして、図14に示すように最後の2回の走査においてブロックB7およびB8によって処理液が記録される。一方、Fグループのインクが記録される領域では、図13(B)に示すように最初の4回の走査においてブロックB1〜B4によって顔料インクが記録され、続く2回の走査ではブロックB5およびB6によって何も吐出されない。そして、図14に示すように最後の2回の走査にてブロックB7およびB8によって処理液が記録される。
このように、本実施形態では、第3〜第6記録走査にて顔料インクの吐出を完了させるか、第1〜第4記録走査にて顔料インクの吐出を完了させるかによって、顔料画像が形成されてから処理液が付与されるまでの処理液のウェイト時間を異ならせている。従って、本実施形態においても、処理液の付与量を抑えつつ、顔料インク毎の光沢ムラを軽減した高光沢な画像を得ること、つまり画像品位を向上させることが可能となる。
また、本実施形態においては、顔料インクの種類毎に使用するマスクパターンが予め決められているため、第1実施形態のように単位領域毎にグループ領域を判定する必要がない。そのため、本実施形態においては、第1実施形態の構成よりもMPU302の負荷を低減できる。
(第3の実施形態)
本実施形態においても、第1の実施形態と同様、記録媒体の単位領域ごとに処理液の浸透速度に応じたグループ分けを行う。但し、本実施形態においては、処理液の浸透速度が遅いと判断したSグループ領域については、単位領域における顔料インクの記録Dutyに応じてマスクパターンを異ならせることにより、処理液のウェイト時間を制御する。本実施形態においても第2の実施形態と同様、記録ヘッドにおける処理液の吐出領域は固定されており、顔料インクの吐出領域が所定領域毎に異なるようなマスクパターンを用いる。前述した実施形態と同様の部分については、説明を省略する。
<吐出データの生成>
図15は、本実施形態のMPU302が吐出データを生成する工程を説明するフローチャートである。図15に示すように、S32〜S33は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
MPU302は、単位領域ごとに浸透速度に応じたグループを判定する(S34)。これにより、浸透速度の速いFグループ領域は、Fマスクパターン(図13(B)参照)が設定される(S36)。一方、浸透速度の遅いSグループ領域について、MPU302は単位領域の記録Dutyを判定し(S42)、単位領域の記録Dutyが所定値よりも小さい場合は、S36に進んでFマスクパターンを設定する。一方、単位領域の記録Dutyが所定値よりも大きい場合は、S35に進みSマスクパターン(図13(A)参照)を設定する。その後の工程(S37)については第1実施形態と同様であるので省略する。
<画像の写像性>
図16(A)および(B)は、顔料インクの記録Dutyと処理液付与後の画像の写像性との関係を、2段階のウェイト時間で比較しながら説明する図である。図16(A)は、Sグループのライトマゼンタ(LM)インクで記録した画像、同図(B)はFグループのブラック(K)インクで記録した画像について夫々示している。
図16(A)に示すように、ライトマゼンタインクの記録Dutyが150〜200%付近の場合、処理液のウェイト時間が4秒の場合の方が、6秒の場合よりも処理液付与後の画像の写像性が高い。しかし、記録Dutyが140%付近(同図に示す矢印部分)以下においては、処理液のウェイト時間が6秒の場合の方が4秒の場合よりも画像の写像性が高くなっている。
これは、約140%未満の低い記録Dutyではインクが記録媒体を被覆している割合が低く記録媒体自体が露出しているので、処理液の浸透速度が速くなるためである。このため、このような記録Dutyにおいては、処理液のウェイト時間を6秒程度に長くして顔料インク上に処理液を残りやすくした方が、画像の写像性が向上する。よって、本実施形態では、S34で単位領域がSグループ領域であると判断された場合、S42において顔料インクの記録Dutyが約140%以上であるか否かを判断する。そして、約140%以上のときはSマスクパターンを設定するが、約140%未満のときはFマスクパターンを設定する。
一方、図16(B)に示すように、Fグループのブラック(K)インクの場合は、記録Dutyに関わらず処理液のウェイト時間は6秒の場合の方が4秒の場合に比べて画像の写像性が向上する。よって、S34で単位領域における顔料インクがFグループであると判断された場合は、特に記録Dutyを判断することなくS36にてFグループ用マスクパターンを設定する。
以上のように、本実施形態においては、単位領域のグループ領域および単位領域における記録Dutyに応じて、異なるマスクパターンを用いることにより、処理液のウェイト時間を顔料インク毎に好適に調整することができる。つまり、浸透速度の遅い単位領域に対する処理液のウェイト時間を短くし、浸透速度の速い単位領域に対する処理液のウェイト時間を長くできる。
従って、本実施形態においても、処理液の付与量を抑えつつ、顔料インクの色毎の光沢ムラを軽減した高光沢な画像を得ること、つまり画像品位を向上させることが可能となる。
なお、以上の説明では、Sグループの記録Dutyが140%以上か140%未満かによって設定するマスクパターンを変更した。しかし、本実施形態において、マスクパターンを切り替える閾値となる記録Dutyはこれに限るものではなく、処理液付与後の画像品位が向上するような適切な値に設定すればよい。
(第4の実施形態)
上記実施形態では、単位領域に記録される顔料インクの種類や記録Dutyによってその単位領域のグループ分けを行った。これに対し、本実施形態においては、単位領域に対応する画像データのRGB値に基づいてグループ領域を判定し、処理液のウェイト時間を制御する。本実施形態においても第1実施形態と同様、顔料インクについては記録ヘッドにおける吐出領域が固定されたマスクパターンを用いる。一方、処理液については吐出領域が異なる2つのマスクパターン(図8(A)および(B))を用いる。そのため、記録動作については、図9および図10に示した第1実施形態と同様である。その他の点についても上記実施形態と同様の部分については、説明を省略する。
<吐出データの生成>
図17は本実施形態のMPU302が吐出データを生成するまでの工程を説明するフローチャートである。再度図3を参照するにユーザーから記録指示がホストコンピューター28のアプリケーション29に入力されるとホストコンピューター28はハードディスク等の各種記録媒体に保存されているRGB形式の多値画像データをインクジェット記録装置30に送信する。
ホストコンピューター28からインクジェット記録装置30へRGB形式の多値画像データが入力されと、MPU302は、単位領域に対応する画像データのRGB値に基づき、当該単位領域のグループ領域を判定する(S39)。
本実施形態においては、画像データのRGB値と処理液付与後の画像写像性とこれに対応するグループ領域の関係を予め調べ、この対応関係をルックアップテーブルとしてROM304に記憶しておく。
図18は上記ルックアップテーブルを示す図である。画像データのRGB値夫々に対し、2段階のウェイト時間に対応する写像性と、当該領域のグループ領域が対応付けられている。図に示すように、処理液のウェイト時間が6秒の場合の方が4秒の場合よりも写像性が高いならば、そのRGB値を有する領域における処理液の浸透速度は速く、当該領域はFグループ領域と判断される。一方、処理液のウェイト時間が4秒の場合の方が6秒の場合よりも写像性が高いならば、そのRGB値を有する領域における処理液の浸透速度は遅く、当該領域はSグループ領域と判断される。
本実施形態のMPU302は、S39において、このような対応関係が記憶されたルックアップテーブルを参照することにより、個々の単位領域をFグループ領域あるいはSグループ領域のいずれかに分類する。MPU302が注目する単位領域がSグループ領域であると判定した場合、S40へ進み単位領域に対しSマスクパターン(図8(A)参照)を設定する(S40)。一方、注目する単位領域がFグループ領域であると判定した場合はFマスクパターン(図8(B)参照)を設定する(S41)。その後、前述の実施形態と同様の段階(S31〜S33)を経て、吐出データを生成する(S37)。
したがって、本実施形態においても、処理液用マスクパターン(図8(A)および(B))を適宜使い分けることにより、処理液のウェイト時間を異ならせることができる。
このように、本実施形態においても処理液のウェイト時間を制御することにより、処理液の付与量を抑えつつ、所定領域毎の光沢ムラを軽減させた高光沢な画像を得ること、つまり画像品位を向上させることができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態においては、個々の顔料インクについて、処理液の記録Dutyを一律に100%に固定して、処理液用の2値画像データを生成した。しかし、処理液付与後の画像品位が向上するように、例えば複数種類の顔料インクの2値画像データが重複する場合には、これら複数の2値データのOR処理により、全ての画素に満遍なく処理液用の2値画像データを生成してもよい。これによって、処理液の消費量をさらに低減させることができる。このように、処理液用の2値画像データの生成方法に限りはない。
また、上記実施形態においては、顔料インクを吐出するためのノズルを構成する吐出口列と、処理液を吐出するためのノズルを構成する吐出口列と、が主走査方向に並列した構成の記録ヘッドを用いて説明した。しかし、本発明においては、これら複数の吐出口列が、副走査方向にずれて配置される記録ヘッドを用いることも出来る。また、処理液吐出用のノズルの数が顔料インク吐出用のノズルよりも多く、前者のノズルの列が後者のノズルの列よりも長くてもよい。
また、実施形態においてはマスクパターンを異ならせることによって処理液のウェイト時間を異ならせたが、各走査間で記録ヘッドにウェイトをかけることによって、処理液のウェイト時間を異ならせてもよい。例えば、図9を用いて説明すると、第1〜第4走査によって記録領域50−1の記録が終了した後、記録部20を停止して記録を中断させて、第5走査の記録領域50−1の記録への処理液の吐出までの時間を制御する。このように、走査間の記録を停止させる時間を制御することによって、マスクパターンを異ならせることなく、処理液のウェイト時間を異ならせることもできる。
また本発明は、顔料インクと処理液とを吐出可能な記録ヘッドの複数回の走査によって、記録媒体上の所定領域に対して、インクによる画像形成と、処理液による被覆と、を行う種々のインクジェット記録装置に対して、広く適用することができる。したがって、記録ヘッドの数や構成などは、前述した実施形態に限定されない。
また、上記実施形態は、光沢性、ヘイズ性の機能を向上させるための処理液を具体例として例示した。しかし、本発明に適用可能な処理液は、このような機能を持つ液体に制限されるものではない。光沢性、ヘイズ性の機能だけに限らず、ブロンズ性、耐擦過性、耐水性、耐アルカリ性、耐候性など、顔料インクに対して何らかの性能を向上させる処理液であればよい。
1 記録媒体
22 記録ヘッド
30 インクジェット記録装置
302 MPU
311 記録ヘッド駆動系
402、405 ブラックインク
502、505 ライトマゼンタインク
403 処理液

Claims (20)

  1. 複数種類の顔料インクと前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録装置であって、
    単位領域毎の前記複数種類の顔料インク各々の付与量に関する画像データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された画像データに基づき、前記記録媒体の単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査を決定する決定手段と、
    前記画像データに基づき、前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成し、かつ単位領域毎に前記複数種類の顔料インクの吐出を開始した後、前記決定手段によって決定された走査から前記処理液の吐出が開始されるように前記吐出データを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出手段と、を備え、
    前記決定手段は、単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インク各々の比率に応じて前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの付与の開始から前記処理液の付与の開始までの時間が異なり、かつ、前記複数種類の顔料インクによって画像が記録された単位領域への前記処理液の浸透速度が第1の速さとなる第1単位領域よりも前記浸透速度が前記第1の速さより遅い第2の速さとなる第2単位領域の方が早い回の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査を決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 複数種類の顔料インクと、前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録装置であって、
    単位領域毎の前記複数種類の顔料インク各々の付与量に関する画像データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された画像データに基づき、前記記録媒体の単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査を決定する決定手段と、
    前記画像データに基づき、前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成し、かつ単位領域毎に前記複数種類の顔料インクの吐出を開始した後、前記決定手段によって決定された走査から前記処理液の吐出が開始されるように前記吐出データを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出手段と、を備え、
    前記決定手段は、単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インク各々の比率に応じて前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの付与の開始から前記処理液の付与の開始までの時間が異なり、かつ、前記単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インクの各々の比率に応じて、前記処理液の浸透速度が第1の速さとなる第1単位領域と前記浸透速度が前記第1の速さより遅い第2の速さとなる第2単位領域とを判定し、前記第1単位領域および前記第2単位領域のうち顔料インクの付与量が所定の量より小さい領域よりも、前記第2単位領域のうち顔料インクの付与量が所定の量よりも大きい領域の方が、早い回の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査を決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記決定手段は、前記第2単位領域には、前記複数種類の顔料インクを吐出するための最後の走査の次の走査で前記処理液の吐出が開始され、前記第1単位領域には、前記顔料インクを吐出するための最後の走査の次の走査より後の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 1回の走査においてドットの記録を許容する画素とドットの記録を許容しない画素とを定めたマスクパターンを複数用意し、
    前記決定手段は、前記単位領域ごとに、前記複数のマスクパターンの中から前記浸透速度に応じた1つのマスクパターンを定めることにより、前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの吐出が行われる走査から前記処理液の吐出が行われる走査までの走査の回数が前記単位領域ごとに異なるように、前記処理液の吐出を始める走査を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記画像データはRGBの画像データであり、前記決定手段は、前記RGBの画像データを用いて単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記処理液とは、無色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記処理液とは、有色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記複数種類の顔料インクそれぞれの色が異なることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 複数種類の顔料インクと前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録装置であって、
    前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出手段と、を備え、
    前記複数種類の顔料インクのうち第1の顔料インクが付与された記録媒体上の領域への前記処理液の浸透速度は、前記複数種類の顔料インクのうち前記第1の顔料インクとは異なる第2の顔料インクが付与された記録媒体上の領域への前記処理液の浸透速度より速く、
    前記生成手段は、前記第1の顔料インクを前記単位領域に吐出するための最後の走査が、前記第2の顔料インクを前記単位領域に吐出するための最後の走査である所定回目の走査より前の回の走査であり、かつ、前記処理液を前記単位領域に吐出するための最初の走査が、前記所定回目の走査よりも後の回の走査となるように、前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 前記処理液を前記単位領域に吐出するための最初の走査は、前記所定回目の走査の次の回の走査であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 複数種類の顔料インクと前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録方法であって、
    単位領域毎の前記複数種類の顔料インク各々の付与量に関する画像データを取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された画像データに基づき、前記記録媒体の単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査を決定する決定工程と、
    前記画像データに基づき、前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成し、かつ単位領域毎に前記複数種類の顔料インクの吐出を開始した後、前記決定工程において決定された走査から前記処理液の吐出が開始されるように前記吐出データを生成する生成工程と、
    前記生成工程において生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出工程と、
    を備え、
    前記決定工程において、単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インク各々の比率に応じて前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの付与の開始から前記処理液の付与の開始までの時間が異なり、かつ、前記複数種類の顔料インクによって画像が記録された単位領域への前記処理液の浸透速度が第1の速さとなる第1単位領域よりも前記浸透速度が前記第1の速さより遅い第2の速さとなる第2単位領域の方が早い回の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査が決定されることを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 複数種類の顔料インクと、前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録方法であって、
    単位領域毎の前記複数種類の顔料インク各々の付与量に関する画像データを取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された画像データに基づき、前記記録媒体の単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査を決定する決定工程と、
    前記画像データに基づき、前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成し、かつ単位領域毎に前記複数種類の顔料インクの吐出を開始した後、前記決定工程において決定された走査から前記処理液の吐出が開始されるように前記吐出データを生成する生成工程と、
    前記生成工程において生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出工程と、を備え、
    前記決定工程において、単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インク各々の比率に応じて前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの付与の開始から前記処理液の付与の開始までの時間が異なり、かつ、前記単位領域に吐出される前記複数種類の顔料インクの各々の比率に応じて、前記処理液の浸透速度が第1の速さとなる第1単位領域と前記浸透速度が前記第1の速さより遅い第2の速さとなる第2単位領域とが判定され、前記第1単位領域および前記第2単位領域のうち顔料インクの付与量が所定の量より小さい領域よりも、前記第2単位領域のうち顔料インクの付与量が所定の量よりも大きい領域の方が、早い回の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査が決定されることを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. 前記決定工程において、前記第2単位領域には、前記複数種類の顔料インクを吐出するための最後の走査の次の走査で前記処理液の吐出が開始され、前記第1単位領域には、前記顔料インクを吐出するための最後の走査の次の走査より後の走査で前記処理液の吐出が開始されるように前記処理液の吐出を始める走査が決定されることを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 1回の走査においてドットの記録を許容する画素とドットの記録を許容しない画素とを定めたマスクパターンを複数用意し、
    前記決定工程において、前記単位領域ごとに、前記複数のマスクパターンの中から前記浸透速度に応じた1つのマスクパターンが定められることにより、前記単位領域に対する前記複数種類の顔料インクの吐出が行われる走査から前記処理液の吐出が行われる走査までの走査の回数が前記単位領域ごとに異なるように、前記処理液の吐出を始める走査が決定されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記画像データはRGBの画像データであり、前記決定工程において、前記RGBの画像データを用いて単位領域毎の前記処理液の吐出を始める走査が決定されることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記処理液とは、無色であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記処理液とは、有色であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記複数種類の顔料インクそれぞれの色が異なることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  19. 複数種類の顔料インクと前記複数種類の顔料インクで記録された画像を被覆する透明な被覆層の形成を行うための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して複数回走査させることにより、前記記録媒体に、前記複数種類の顔料インクによる画像の記録と前記処理液による画像の被覆を行うインクジェット記録方法であって、
    前記単位領域に対して、前記記録ヘッドの複数回の走査のそれぞれで前記記録ヘッドから前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データを生成する生成工程と、
    前記生成工程において生成された前記吐出データに基づいて前記記録ヘッドから前記顔料インクおよび前記処理液を吐出させる吐出工程と、を備え、
    前記複数種類の顔料インクのうち第1の顔料インクが付与された記録媒体上の領域への前記処理液の浸透速度は、前記複数種類の顔料インクのうち前記第1の顔料インクとは異なる第2の顔料インクが付与された記録媒体上の領域への前記処理液の浸透速度より速く、
    前記生成工程において、前記第1の顔料インクを前記単位領域に吐出するための最後の走査が、前記第2の顔料インクを前記単位領域に吐出するための最後の走査である所定回目の走査より前の回の走査であり、かつ、前記処理液を前記単位領域に吐出するための最初の走査が、前記所定回目の走査よりも後の回の走査となるように、前記複数種類の顔料インクおよび前記処理液を吐出させるための吐出データが生成されることを特徴とするインクジェット記録方法。
  20. 前記処理液を前記単位領域に吐出するための最初の走査は、前記所定回目の走査の次の回の走査であることを特徴とする請求項19に記載のインクジェット記録方法。
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