JP4942075B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4942075B2
JP4942075B2 JP2006006550A JP2006006550A JP4942075B2 JP 4942075 B2 JP4942075 B2 JP 4942075B2 JP 2006006550 A JP2006006550 A JP 2006006550A JP 2006006550 A JP2006006550 A JP 2006006550A JP 4942075 B2 JP4942075 B2 JP 4942075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment liquid
processing liquid
recording medium
ink
threshold value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006006550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006218860A (ja
Inventor
淳 山野辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006006550A priority Critical patent/JP4942075B2/ja
Publication of JP2006218860A publication Critical patent/JP2006218860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4942075B2 publication Critical patent/JP4942075B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明はインクジェット記録装置に係り、特に、インクと処理液とを反応させて被記録媒体へインクを定着させて被記録媒体に画像を記録(形成)する画像記録(形成)技術に関する。
近年、画像やドキュメント等のデータ出力装置としてインクジェット記録装置が普及している。インクジェット記録装置は印字ヘッドに備えられたノズルに対応したアクチュエータをデータに応じて駆動し、ノズルからインクを吐出させて被記録媒体 (メディア)上にデータに応じた画像やドキュメントなどを形成する。
インクジェット記録装置では、印字画像の品質を向上させるためにメディア上に微小サイズのドットを高密度に形成するようにドットサイズやドット間ピッチが決められており、ドットが高密度に形成される画像では隣り合うドットは互いに重なり合うように形成される。また、カラー画像では複数の色のインクがメディアに定着する前に次々と重ねられることになる。このようにして複数のドットが重なり合うと、メディア上にインク滴が着弾する際にメディア上でインク滴が合一する着弾干渉による濃度むらや、にじみ(色間にじみ)などが生じてしまうことがある。このような濃度むらやにじみは印字画像の品質を著しく低下させてしまい、好ましい(所望の)画像を得られないことがある。
このような印字画像の品質を低下させずに好ましい画像を得るために、カチオンポリマー(ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、キトサン、及びこれらの中和物等)や、アニオンポリマー(ポリアクリル酸、セラック、スチレン−アクリル酸共重合物、スチレン−無水マレイン酸共重合物等)の処理液をメディア上に付着させた後にインクを打滴することでインクに含まれる色材(インク溶質)をメディアに定着(もしくは色材同士を凝集)させて、インクのにじみや着弾干渉を回避する方法が提案されている。
特許文献1に記載された画像形成装置及び画像記録方法では、処理液の塗布からインクの打滴までの時間を短縮するために、インクジェット記録ヘッドを記録媒体に対して相対移動させるためのキャリッジにインク吐出に先立って記録媒体に当接して処理液を塗布する塗布ローラを搭載するように構成されている。
また、特許文献2に記載されたインクジェット記録装置では、インク及び処理液を個別に吐出可能な複数の記録ヘッドを備え、処理液の吐出が常にインクの吐出に先行し、処理液が打滴されてからインクが打滴されるまでの時間が短くなるように、処理液を打滴するヘッドがインクを吐出させるヘッドの両端に設けられている。
特開平9−193367号公報 特開平8−72234号公報
一般に、被記録媒体に処理液を付着させるには、塗布ローラなどを用いて処理液を一面に塗布させる方法や、インクと同様に印字ヘッド(吐出ヘッド)を用いて処理液を打滴する方法がある。しかしながら、塗布ローラなどを用いて処理液を塗布する方法では、インクが打滴されない場所にも処理液が塗布されるので、印字完了(打滴完了)後も処理液がメディア上に残ってしまい、余分な処理液を除去するなどの溶媒処理の負担が増してしま
う。特に非浸透媒体を用いる場合にはこのような問題が顕著になる。
一方、印字ヘッドを用いて処理液を打滴する方法では、特に浸透系のメディアを用いると最下流側のヘッドからインクを打滴するときには既に処理液がメディア内に浸透してしまい、インクと処理液とを反応させることができないことがある。
特許文献1に記載された画像形成装置及び画像記録方法及び、特許文献2に記載されたインクジェット記録装置によって開示された技術では、例えば、メディアの種類、画像内容、インクの打滴量などの条件によって生じるそれぞれの課題を解決するためには不十分である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、メディアの種類などの条件によらずインクと処理液とを確実に反応させ、好ましい画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のインクジェット記録装置は、色材を含有するインクと反応させて、前記色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理液を被記録媒体に吐出させて、該被記録媒体に該処理液を付着させるインクジェット方式の処理液吐出ヘッドと、前記被記録媒体に前記処理液吐出ヘッドから吐出させる処理液と同じ機能を有する処理液を塗布して、該被記録媒体に該処理液を付着させる処理液塗布手段と、前記被記録媒体と前記処理液吐出ヘッドとを相対的に移動させる相対移動手段と、前記相対移動手段の相対移動方向における前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段の下流側に設けられ、前記被記録媒体に前記インクを吐出させて所望の画像を形成するインクジェット方式のインク吐出ヘッドと、前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断し、前記判断された処理液量に基づいて、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるか、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるか、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段の両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択する処理液付着制御手段と、前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断する際に、第1しきい値>第2しきい値>第3しきい値の関係を有する第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値を設定する設定手段と、を備え、前記処理液付着制御手段は、前記判断された処理液量が前記第1しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第1しきい値未満であり第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第2しきい値未満であり第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする。
本発明によれば、インクに処理液を反応させて被記録媒体にインクを定着させるインクジェット記録装置において、被記録媒体に処理液を吐出させる処理液吐出ヘッドと、処理液を塗布する処理液塗布手段と、を両方備えたので、様々な条件に応じてこの両者を適宜選択的に用いて好ましい被記録媒体への処理液付着を実現することができる。
処理液吐出ヘッドを用いると微少量の処理液を被記録媒体に付着させることができ、処理液塗布手段を用いると一度の塗布で多量の処理液を被記録媒体の広い領域に付着させることができる。これらを選択的に用いることで、様々な条件に対応することが可能になる。
本明細書において「画像」という用語には、デジタルカメラやデジタルビデオカメラによって撮影されたデジタル画像や写真画、絵だけでなく線画やドキュメントなどを含んでいてもよいし、これらが混在していてもよい。
処理液吐出ヘッドと処理液塗布手段とを選択的に切り換える態様には、処理液塗布手段と処理液吐出ヘッドとを併用する態様や、処理液塗布手段及び処理液吐出ヘッドの何れも用いない態様を含んでいてもよい。
インク吐出ヘッド及び処理液吐出ヘッドには、インク或いは処理液を吐出させる吐出孔を複数並べた吐出孔列が被記録媒体の画像記録幅に対応した長さを有するライン型ヘッドや、被記録媒体の画像記録幅に満たない長さを有し、該短尺ヘッドを被記録媒体の画像記録幅の方向へ走査させるシリアル型ヘッドがある。
ライン型の吐出ヘッドには、被吐出媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺の吐出孔列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、被吐出媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
また、インク吐出ヘッド及び処理液吐出ヘッドには、PZTなどの圧電素子(アクチュエータ)を用いてインク或いは処理液に吐出力を方式適用してもよいし、インクを貯留するインク室(圧力室)に備えられたヒータなどの加熱手段を用いてインク或いは処理液を加熱して発生したバブルによってインク或いは処理液に吐出力を与える方式を適用してもよい。
被記録媒体には、インク吐出ヘッド及び処理液吐出ヘッドによって画像記録を受ける媒体(メディア)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材料や形状を問わず、様々な媒体を含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記被記録媒体が非浸透性媒体であるか、浸透性媒体であるかを判断する被記録媒体判断手段を備え、前記処理液付着制御手段は、前記設定された第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値による前記処理液ヘッド及び前記処理液塗布手段の選択に代わり、前記被記録媒体判断手段によって判断された前記被記録媒体が非浸透性媒体の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記被記録媒体判断手段によって判断された前記被記録媒体が浸透性媒体の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記被記録媒体判断手段は、被記録媒体の浸透速度に基づいて当該被記録媒体が非浸透性媒体であるか、浸透性媒体であるかを判断することを特徴とする。
被記録媒体の種類を判断し、その被記録媒体の種類に応じて処理液吐出ヘッド及び処理液塗布手段を選択的に用いるように構成されるので、被記録媒体の種類に応じた好ましい処理液付着が可能になる。
被記録媒体の種類によって処理液の浸透速度(浸透時間)が異なるので、浸透速度の速い浸透系媒体を用いる場合には多量の処理液を被記録媒体に付着させることができる処理液塗布手段が選択されるように制御され、一方、浸透速度の遅い(浸透しない)非浸透系媒体を用いる場合には少量の処理液を被記録媒体へ付着させることができる処理液吐出ヘッドを選択するように制御される。
被記録媒体判断手段による被記録媒体の種類を判断する態様には、オペレータ(使用者)が直接入力してもよいし、センサや撮像素子などの検出手段を用いて被記録媒体を直接的に読み取り、この読取結果から自動的に判断してもよい。また、被記録媒体を供給する供給手段に被記録媒体の種類を含む情報を記憶させる情報記録体(メモリ、ICタグ等)を備え、この情報記録体から被記録媒体の種類(メディア種)を読み取るように構成してもよい。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記被記録媒体に記録される画像の内容が、文字及び線画のいずれか一方を含むものであるか、図形、写真画、絵柄の少なくともいずれかの一つを含むものであるかを判断する画像内容判断手段を備え、前記処理液付着制御手段は、前記設定された第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値による前記処理液ヘッド及び前記処理液塗布手段の選択に代わり、前記画像内容判断手段によって判断された画像の内容が文字及び線画のいずれか一方を含むものである場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記画像内容判断手段によって判断された画像の内容が、図形、写真画、絵柄の少なくともいずれかの一つを含むものである場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする。
画像の内容を判断し、その画像の内容に応じて処理液吐出ヘッド及び処理液塗布手段を選択的に用いるように構成されるので、画像の内容に応じた好ましい処理液付着が可能になる。
画像の内容(描画対象)には、写真画、絵、線画、文字(テキスト)絵文字、記号などが含まれる。写真画などインクによるドットが高密度に形成される場合には処理液塗布手段を用いて被記録媒体へ処理液を付着させるとよい。一方、文字などインクによって形成されるドットの密度が低い場合には、処理液吐出ヘッドを用いて被記録媒体に処理液を付着させるとよい。
画像内容判断手段による画像の内容を判断する態様には、オペレータが直接入力してもよいし、画像データのファイル形式、画像データの付帯情報などから自動的に判断してもよい。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、
前記処理液付着制御手段は、前記画像内容判断手段によって判断された画像の内容が、文
字及び線画と、図形、写真画、及び絵柄と、を含む場合は、処理液吐出ヘッドを用いて前
記被記録媒体に前記処理液を付着させるとともに、該画像の内容が図形、写真画、絵柄の
いずれか一つを含む部分は、テキスト、線画のいずれか一方を含む部分よりも、処理液の
打滴密度を密にするように前記処理液吐出ヘッドの動作を制御することを特徴とする。ま
た、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記被記録媒体に吐出されるインク吐出量を判断するインク吐出量判断手段を備え、前記設定手段は、前記インク吐出量判断手段により判断されたインク吐出量に応じて、前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断する際の前記第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値を設定し、前記処理液付着制御手段は、前記インク吐出量判断手段によって判断されたインク吐出量に基づいて判断された処理液量が第2しきい値未満であり第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記インク吐出量判断手段によって判断されたインク吐出量に基づいて判断された処理液量が前記第1しきい値未満であり前記第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記インク吐出量判断手段によって判断されたインク吐出量に基づいて判断された処理液量が前記第1しきい以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする。
インク吐出量を判断し、そのインク吐出量に応じて処理液吐出ヘッド及び処理液塗布手段を選択的に用いるように構成されるので、インク吐出量に応じた好ましい処理液付着が可能になる。
インク吐出量に応じて処理液吐出ヘッドと処理液塗布手段とを選択的に用いる態様には、予め設定されたしきい値とインク吐出量とを比較して、該しきい値よりもインク吐出量が大きい場合には処理液塗布手段を用い、該しきい値よりもインク吐出量が少ない場合には処理液吐出ヘッドを用いるように制御する態様がある。更に、複数のしきい値を設定し、インク吐出量の多い順に、処理液吐出ヘッドと処理液塗布手段の併用、処理液塗布手段のみの使用、処理液吐出ヘッドのみの使用、処理液を付着させない、を選択的に切り換えてもよい。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記被記録媒体に複数の領域を設定する領域設定手段を備え、前記処理液付着制御手段は、前記領域設定手段によって設定された領域ごとに付着させる処理液量を判断し、前記判断された領域ごとの処理液量が前記第2しきい値未満であり、前記第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体の各領域に前記処理液を付着させ、前記判断された領域ごとの処理液量が前記第1しきい値未満であり、前記第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された領域ごとの処理液量が前記第1しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする。
被記録媒体に設定された複数の領域ごとの条件に応じて処理液塗布手段と処理液吐出ヘッドとを選択的に切り換えることができるので、各領域の条件に合わせて処理液の付着量を細かく制御することができる。
被記録媒体に設定された各領域の画像内容やインク吐出量を判断して、これらの条件に応じて処理液塗布手段と処理液吐出ヘッドとを選択的に切り換えるとよい。
被記録媒体に複数の領域を設定する態様では、処理液塗布手段を各領域の大きさに対応した複数の処理液塗布部材から構成する態様が好ましい。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記処理液塗布手段は、前記相対移動手段の移動方向と直交する方向について配置された複数の塗布ローラを具備し、前記領域設定手段は、前記複数の塗布ローラの配置に対応して前記被記録媒体に複数の領域を設定することを特徴とする。請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記複数の塗布ローラは、前記相対移動手段の移動方向と直交する方向について、オーバーラップするように配置されることを特徴とする
処理液吐出ヘッドから吐出させる処理液と処理液塗布手段によって塗布する処理液との物性を異なるように構成すると、被記録媒体への処理液の塗布及び吐出を安定に実行することができる。処理液吐出ヘッドに処理液を供給する処理液供給系と処理液塗布手段へ処理液を供給する処理液供給系とを別々に備えてもよいし、共通の処理液供給系を有し、該処理液供給系と処理液吐出ヘッド或いは処理液塗布手段の何れか一方の間に物性を変える手段を備えてもよい。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記処理液の物性には、前記処理液に含まれる反応物質の濃度、前記処理液に含まれる反応物質の粘度及び前記処理液の表面張力のうち少なくとも何れか1つが含まれることを特徴とする。
処理液の反応物質の濃度、粘度、表面張力に応じて好ましい処理液付着を実行することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記処理液塗布手段によって塗布される処理液の濃度は前記処理液吐出ヘッドから吐出される処理液の濃度よりも大きいことを特徴とする。
反応物質の濃度が大きくなると処理液の粘度が大きくなる。処理液吐出ヘッドにより高粘度の処理液を吐出させると、吐出量異常、吐出位置異常、不吐出などの吐出異常が発生し易くなるので、濃度の高い処理液は処理系塗布手段を用いることで、被記録媒体へ処理液を確実に付着させることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記処理液塗布手段によって塗布される処理液の粘度は前記処理液吐出ヘッドから吐出される処理液の粘度よりも大きいことを特徴とする。
処理液吐出ヘッドから吐出される処理液に低い粘度を持った処理液を用いることで、処理液吐出ヘッドの処理液吐出を安定して行うことが可能になる。
処理液吐出ヘッドの処理液の温度を制御して処理液吐出ヘッド内にある処理液の粘度を一定に保つように構成するとよい。
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記処理液吐出ヘッドから吐出される処理液の表面張力は前記処理液塗布手段によって塗布される処理液の表面張力よりも大きいことを特徴とする。
処理液塗布手段により塗布される処理液に低い表面張力を持った処理液を用いることで、被記録媒体への処理液塗布を安定して行うことが可能になる。請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記被記録媒体に記録される画像の内容を表す画像データから、インク吐出ヘッドのインクのドットデータ、及び前記処理液吐出ヘッドの処理液のドットデータ、前記処理液塗布手段の処理液の塗布データを生成することを特徴とする。請求項15に記載の発明に係るインクジェット記録方法は、色材を含有するインクと反応させて前記色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理液を、インクジェット方式の処理液吐出ヘッドから被記録媒体に吐出させて、前記被記録媒体に該処理液を付着させる処理液吐出工程と、前記処理液吐出ヘッドから吐出させる処理液と同じ機能を有する処理液を、処理液塗布手段を用いて該被記録媒体に塗布して、前記被記録媒体に前記処理液を付着させる処理液塗布工程と、前記被記録媒体と前記処理液吐出ヘッドとを相対的に移動させる相対移動工程と、前記相対移動工程の相対移動方向における前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段の下流側に設けられるインクジェット方式のインク吐出ヘッドから前記被記録媒体に前記インクを吐出させて所望の画像を形成する画像形成工程と、前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断する際に、第1しきい値>第2しきい値>第3しきい値の関係を有する第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値を設定する設定工程と、前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断し、前記判断された処理液量が前記第1しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第1しきい値未満であり第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第2しきい値未満であり第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択する選択工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、被記録媒体へ処理液を吐出させる処理液吐出ヘッドと、処理液を塗布する処理液塗布手段と、を備えたので、条件に応じて吐出及び塗布を選択的に切り換えることができ、被記録媒体への好ましい処理液付着(塗布及び吐出)が実行される。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yから吐出されるインクと反応させて該インクの定着を促進させる処理液S(S1 )に対応して設けられた処理液吐出ヘッド13と、各色インクに対応する印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵するインク貯蔵/装填部14と、処理液吐出ヘッド13に供給する処理液S(S1 )を貯蔵する処理液貯蔵/装填部15と、被記録媒体たる記録紙16を供給する給紙部18と、処理液S(S2 )を記録紙16へ塗布する処理液塗布部19と、処理液塗布部19に充填される処理液S(S2 )を貯蔵する処理液貯蔵/充填部20と、前記印字部12のインク吐出面に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印画済みの記録紙16(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図6中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字ヘッド12K,12C,12M,12Y及び処理液吐出ヘッド13は同一の構造を有しており、これらのヘッドは最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Y及び処理液吐出ヘッド13は、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってノズルが複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、紙送り方向という。)に沿って上流側から処理液(S)に対応した処理液吐出ヘッド13及び、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。
また、処理液吐出ヘッド13の紙送り方向上流側には、処理液S(S2 )を記録紙16上に塗布する処理液塗布部19が備えられている。図2に示すように、処理液塗布部19は、紙送り方向と略直交する方向(主走査方向)に並べられた2つの塗布ローラ19A,19Bを有したローラモジュール19Cと、塗布ローラ19D、19Eを有するローラモジュール19Fと、を有している。
塗布ローラ19A,19B,19D,19Eはスポンジなどの多孔質部材から成り、処理液Sが含浸された塗布ローラ19A,19B,19D,19Eを記録紙16に接触させながら記録紙16を紙送り方向に移動させることで記録紙16の所定の領域に処理液Sが塗布されるように構成されている。
また、処理液塗布部19は塗布ローラ19A,19B,19D,19Eが主走査方向の位置(位相)をずらして副走査方向に並べられる構造を有しているので、記録紙16の幅方向の全領域にもれなく処理液Sを塗布できると共に、記録紙16を幅方向に4分割した領域ごとに処理液Sを塗布することができる。
本例では、塗布ローラ19A,19B,19D,19Eに多孔質部材を適用したが、たとえば、ゴム等の部材から成る塗布ローラを所定の方向に回動させながら処理液Sを該塗布ローラ介して記録紙16へ流し込むように構成してもよい。
即ち、各塗布ローラ19A,19B,19D,19Eには不図示の選択機構(例えば、各塗布ローラ19A,19B,19D,19Eを上下させて記録紙16とのクリアランス、接触圧力を可変させる上下機構)が設けられており、後述するシステム制御系の指令に応じて何れの塗布ローラを記録紙16に接触させるかを選択するように構成されている。なお、塗布ローラ19A,19B,19D,19Eの上下機構には、駆動源となるモータ、モータの駆動力を伝達させるベルト、プーリー、ギアなどの伝達機構、塗布ローラ19
A,19B,19D,19Eや前記モータ、前記伝達機構を支持するガイドなどの支持部材を含む構成がある。
本例に示す処理液塗布部19は、主走査方向に4つの塗布ローラを有する(主走査方向に4分割された塗布ローラを有する)態様を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。即ち、主走査方向に2つ又は3つの塗布ローラを有していてもよいし、5つ以上の塗布ローラを有していてもよい。
このような構成により、記録紙16を搬送しつつ処理液吐出ヘッド13及び処理液塗布部19を用いて処理液Sを記録紙16に付着させた後に、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12及び処理液吐出ヘッド13によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12及び処理液吐出ヘッド13を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
インク貯蔵/装填部14、処理液貯蔵/充填部15、20は同一の構成から成り、インク貯蔵/装填部14は各ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク (図2中不図示、図5に符号60Aで図示)を有し、処理液貯蔵/充填部15、20は処理液S(S2 )を貯蔵する処理液タンク (図2中不図示、図5に符号60B,60Cで図示)を有している。各タンクは所要の管路(図2中不図示、図5に符号63A,63B,63Cとで図示)を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Y、処理液吐出ヘッド13、処理液塗布部19と連通されている。
また、インク貯蔵/装填部14及び処理液貯蔵/充填部15、20は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、各色インク間、インク−処理液間(処理液貯蔵/充填部15、20に異なる処理液が充填される場合には各処理液間)の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の印字結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド12K,12C,12M,12Y及び処理液吐出ヘッド13の構造について説明する。色別の各印字ヘッド12K,12C,12M,12Y及び処理液吐出ヘッド13の構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a) 、(b) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態におけるヘッド50は、図3(a) 、(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が印字媒体(記録紙16)送り方向と略直交する方向に被記録媒体の全幅(印字可能幅)に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、被記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
図4に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板(振動板)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されている。加圧板56と兼用される共通電極と個別電極57との間に駆動信号を印加することによってアクチュエータ58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。なお、アクチュエータ58にはピエゾ素子などの圧電体 (圧電素子)が好適に用いられる。
かかる構造を有するインク室ユニット53は、図3(a) 、(b) に示す如く、ヘッド50の長手方向である主走査方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜め方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ、2400dpi)におよぶ高密度のノズルを実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、主走査方向に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列しているものとして説明する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態ではピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方法が採用されているが、本発明の実施に際してインクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔インク供給系及び処理液供給系 (供給系)の説明〕
次に、本インクジェット記録装置10のインク供給系について説明する。
図5には、本インクジェット記録装置10に備えられる供給系の構成を示す。なお、図5に示す供給系は、図1で説明したインク貯蔵/装填部14及び処理液貯蔵/装填部15、20に相当する。
図5に示す供給系には、インクを供給するための基タンクであるインクタンク60A,処理液S1 、S2 を供給するための基タンク60B、60Cが設置される。インクタンク60A及び処理液タンク60B、60Cの基本構成は同一なので、以下インクタンク60Aを用いて説明する。なお、インクタンク60A及び処理液タンク60B、60Cを総称して単にタンク60と記載することがある。
インクタンク60Aの形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に
応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
また、タンク60のインク (処理液)は、異物や気泡を除去するためにフィルタ62(フィルタ62A、62B、62Cを総称して単にフィルタ62と記載することがある)、所定の管路63を介してヘッド50及び処理液塗布部19に供給される。フィルタ62のフィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、処理液貯蔵/装填部15、20のそれぞれに異なる処理液S1 、S2 が貯蔵される場合には、フィルタ62Bとフィルタ62Cとは異なるメッシュサイズを有していてもよい。例えば、S1 或いはS2 の一方の粘度が他方の粘度よりも高い場合には、粘度の高い処理液Sに対応するフィルタ62はメッシュサイズを大きくするとよい。
なお、図5には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクはヘッド50の内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク及び処理液Sの粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
該キャップは、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップで覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インク及び処理液Sが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒及び処理液溶媒が蒸発してインク粘度及び処理液粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインク及び処理液を吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(即ち、アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク及び劣化処理液(粘度が上昇したノズル近傍のインク、処理液)を排出すべくキャップに向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインク及び処理液Sを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッド50に前記キャップを当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク及び処理液S(気泡が混入したインク、処理液)を吸引により除去し、吸引除去したインク及び処理液Sを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインク及び処理液Sのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インク及び劣化処理液の吸い出しが行われ
る。なお、吸引動作は圧力室52内のインク及び処理液全体に対して行われるので、インク消費量及び処理液消費量が大きくなる。したがって、インク及び処理液の粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)によりヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴、処理液又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
記録紙16に浸透系媒体を用いる態様では、記録紙16上に残留する処理液によってコックリングが発生することがあり、また、非浸透系媒体を用いる場合には、残留する処理液が記録紙16の裏側に回りこんでしまい、記録紙16やベルト33を汚してしまうことがある。このような現象を回避するために、記録紙16上に残留する処理液(溶媒)を回収する処理液回収機構を設けてもよい。
処理液回収機構の一例を挙げると、印字部12の紙送り方向下流側に設けられる多孔質部材などを有する吸液部材を記録紙16に接触させて処理液Sを直接除去する態様がある。もちろんこれ以外の様々な方法を適用可能である。
〔制御系の説明〕
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェイス70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84A、84B、塗布制御部85等を備えている。
通信インターフェイス70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェイス部である。通信インターフェイス70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェイスやセントロニクスなどのパラレルインターフェイスを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェイス70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。
メモリ74は、通信インターフェイス70を介して入力された画像を一旦記憶する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェイス70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバである。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指
示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
なお、図6に示すモータ88には、図1のドラム31(32)を回動させるモータや、塗布ローラ19A,19B,19D,19Eの上下機構に用いられるモータなど、複数のモータを示している。また、複数のモータを示すモータ88を制御するモータドライバ76は各モータに対応して設けられる。もちろん、複数のモータドライバをワンチップ化してもよい。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データをヘッドドライバ84A、84B(以下、ヘッドドライバ84A、84Bを総称してヘッドドライバ84と記載することがある。)に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、ヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴及び処理液Sの吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。
また、プリント制御部80は塗布制御部85を介して処理液塗布部19の制御を行い、処理液塗布部19によって塗布される処理液Sの塗布量や塗布タイミング(塗布領域)、塗布ローラ19A,19B,19D,19Eの選択(切換)などの制御が行われる。
処理液Sの塗布量は、塗布ローラ19A,19B,19D,19Eの当接圧力(塗布ローラ19A,19B,19D,19Eと記録紙16とのクリアランス)を変えてもよいし、当接時間を変えてもよい。なお、当接時間を変えて処理液Sの塗布量を制御する態様では図1に示す吸着ベルト搬送部22の移動速度を制御して記録紙16の搬送速度を制御すればよい。
また、処理液塗布部19の塗布タイミングは、上述した各塗布ローラ19A,19B,19D,19Eを塗布タイミングに合わせて上下させて、各塗布ローラ19A,19B,19D,19Eを記録紙16に当接(接触)させる、当接させないを制御すればよい。
本インクジェット記録装置10には、図1に示す印字部12から記録紙16上に打滴される各色のインクと反応させる処理液Sを記録紙16上へ打滴する処理液吐出ヘッド13と、記録紙16上に処理液Sを塗布する処理液塗布部19を備えている。プリント制御部80では、記録紙16へ好ましい処理液の付着が実行されるように、この2つの処理液を付着させる手段を選択的に用いる制御を実行する。なお、処理液Sの吐出制御及び処理液Sの塗布制御の詳細は後述する。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて駆動信号を生成し、この駆動信号によって各色のヘッド12K,12C,12M,12Y及び処理液吐出ヘッド13の圧電素子を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェイス70を介して外部(例えば、ホスト
コンピュータ86)から入力され、メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ74に記憶される。
メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータ及び処理液のドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータ及び処理液Sのドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
なお処理液Sのドットデータは、各色インク(KCMY)のドットデータと同一としてもよいし、処理液Sのみに対応するドットデータとしてもよい。即ち、処理液Sのドットデータはインクと1対1に対応してもよいし、インクによって形成される複数のドットが処理液Sの1ドットに対応するように構成してもよい。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェイスを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。
なお、プログラム格納部90は動作パラメータ(システムパラメータ)等の不図示の記録手段(メモリ)と兼用してもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
なお、図1に示した例では、印字検出部24が印字面側に設けられており、ラインセンサの近傍に配置された冷陰極管などの光源(不図示)によって印字面を照明し、その反射光をラインセンサで読み取る構成になっているが、本発明の実施に際しては他の構成でもよい。
〔処理液の吐出/塗布制御の説明〕
上述したように、本インクジェット記録装置10は処理液が付着した記録紙16に各色インクを打滴し、インクのにじみや着弾干渉を回避するように構成されている。また、記録紙16に処理液を付着させる手段には、処理液吐出ヘッド13及び処理液塗布部19の2種類を備えている。
これらを選択条件(詳細は後述)に応じて選択的に切り換えることで、塗布のみ、打滴のみ、塗布と打滴の併用、処理液を記録紙16に付着させないの4種類の処理液付着方法から1つを選択するように構成されている。
なお、記録紙16を複数の領域に分割し、領域ごとの各種条件に応じて領域ごとに処理液の付着方法を選択してもよい。図1に示す処理液塗布部19による処理液の塗布を含む態様では、当該領域に対応する塗布ローラ19A,19B,19D,19Eを1つ又は複数選択して記録紙16に接触(近接)させるように制御が行われる。
〔第1実施形態〕
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、上述した選択条件に記録紙16の種類を適用する。即ち、記録紙16の種類を判断し、その判断結果に基づいて処理液吐出ヘッド13と処理液塗布部19とを選択的に用いて記録紙16に処理液Sを付着させる。
本インクジェット記録装置10に適用される記録紙16は、IJ(インクジェット)専用紙、普通紙、再生紙などの浸透紙(浸透系媒体)、印刷用アート紙などの非浸透紙(非浸透系媒体)に大別することができる。
浸透紙では、インク(溶媒)が記録紙16の内部に浸透し、記録紙16の主に内部(受像層)においてインクに含まれる色材が定着することで、所望のドットが形成される。一方、非浸透紙では、インクが記録紙16の内部に浸透せずに記録紙16の表面にインク中の色材が定着することで、所望のドットが形成される。
なお、非浸透紙にはその内部にインク溶媒の一部(一般的にはごくわずかの量)が浸透してしまうものを含んでいてもよい。言い換えると、非浸透媒体には付着したインク溶媒量や処理液量に比べて浸透可能な量が非常に小さく、浸透媒体に比べて浸透速度が遅い媒体が含まれている。
本例では、インクによって所望の画像が形成 (記録)される被記録媒体に紙類を用いる態様を示したが、本発明の適用範囲は紙類に限定されず、布などの浸透媒体やOHPシート等の樹脂シート、フイルムなどの非浸透媒体にも適用可能である。
図7は、本第1実施形態に係る処理液の付着制御の流れを説明するフローチャートである。
画像記録が開始されると(ステップS10)、先ず、記録画像の画像データ(RGBデータ)が取得され(ステップS12)、各色インク(KCMY)及び処理液Sに対応したドットデータが生成される(ステップS20)。このようにして生成されたドットデータに基づいて各ヘッドに与えられる駆動信号が生成される(ステップS22)。また、ステップS12で取得した画像データから処理液Sの塗布データが生成される(ステップS24)。
一方、ステップS12において画像データが取得されると、記録紙(被記録媒体)種類の情報を取得し(ステップS16)、該被記録媒体種類の情報に基づいて当該画像記録に用いられる記録紙が浸透紙であるか、或いは非浸透紙であるかが判断される(ステップS18)。
記録紙種類情報は、ロール紙のマガジンやカット紙が装填されるカセットに取り付けられた情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別してもよいし、キーボードやタッチパネルなどのマンマシンインターフェイス(不図示)を介してユーザが記録紙種類情報を与えてもよい。また、印字検出部24等のセンサ類(検出部材)を用いて記録紙16を直接的に検出し、検出結果から記録紙種類を判断(記録紙種類情報を取得)してもよい。
ステップS18において非浸透媒体であると判断されると(NO判定)、図1に示す処理液吐出ヘッド13を用いて記録紙16に処理液Sを付着させる方法が選択され(図7の
ステップS30)、処理液吐出ヘッド13はステップS22で生成された駆動信号(打滴データ)を取得し(ステップS32)、該打滴データに基づいて処理液吐出ヘッド13から記録紙16上に処理液Sが打滴される(図7のステップS34)。
ステップS34において処理液Sが打滴されると、ステップS50に進み、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yから各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応した駆動信号に基づいて各色インクが打滴され、記録紙16には所望の画像が形成され、画像記録が終了される(ステップS52)。
一方、ステップS18において、記録紙16が浸透紙であると判断されると(YES判定)、図1に示す処理液塗布部19を用いた処理液Sの塗布が選択され(図7のステップS40)、ステップS24で生成された塗布データを取得した後に(ステップS42)、該処理液塗布部19を用いて処理液Sが記録紙16上に塗布される(ステップS44)。その後、ステップS50に進み、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yから画像データに応じて各色インクが打滴され、記録紙16には所望の画像が形成される。
本インクジェット記録装置10では、図6に示した画像バッファメモリ82等のメモリ(記憶媒体)に被記録媒体の種類と最適な処理液Sの付着方法との関係を予めデータテーブル化して記憶しておき、該データテーブルを参照して記録紙の種類ごとに最適な処理液Sの付着方法を選択するように構成される。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、浸透紙を用いる場合には処理液塗布部19が選択され、非浸透紙を用いる場合には処理液吐出ヘッド13が選択されるように、記録紙16の種類に応じて処理液Sの付着方法を選択的に切り換えるように構成されるので、様々な媒体(メディア)に応じて最適量の処理液Sを記録紙16に付着させることができ、記録紙16の種類によらずにじみや着弾干渉によるすじやむらのない好ましい画像が記録される。
本実施形態では、記録紙16の種類(浸透紙/非浸透紙)に応じて処理液Sの付着方法を選択する態様を示したが、記録紙16の種類に代わり、記録紙16の浸透速度(浸透時間)に基づいて処理液Sの付着方法を選択するように構成してもよい。該浸透速度は、図1に示した印字検出部24などを用いて直接的に求めることが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態中、第1実施形態と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態では、上述した選択条件に描画対象(記録画像の種類)を適用する。即ち、描画対象が図形、写真画、絵柄などの場合には処理液塗布部19により記録紙16には処理液Sが塗布され、描画対象が文書(テキスト)などの場合には処理液吐出ヘッドにより処理液Sが打滴される。
図8は、第2実施形態に係る処理液付着方法の制御の流れを示すフローチャートである。なお、図8中、図7と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本制御では、図7に示すステップS16及びステップS18に代わり、ステップS12で取得した画像データから描画(記録)対象の情報を取得し(ステップS60)、該描画対象が図形であるか、或いはテキスト(ドキュメント)であるかを判断する(ステップS62)。
ステップS62において、描画対象がテキストであれば(NO判定)、図1に示す処理液吐出ヘッド13を用いて処理液Sを打滴し記録紙16に処理液Sを付着させる方法が選択され(図8のステップS30)、描画対象が図形であれば(YES判定)、ステップS24で生成された塗布データを取得し(ステップS42)、図1に示す処理液塗布部19を用いて処理液Sが記録紙16上に塗布される(図8のステップS44)。
描画対象(記録画像の内容)を判断するには、画像データに付随する情報(例えば、ファイル形式など)から判断してもよいし、設定されている印字モード(高画質印字モード、高速印字モード等)から判断してもよい。更に、使用者がマンマシンインターフェイスなどを介して描画対象の情報を直接与えてもよい。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、図形、写真画、絵柄を印字する場合には処理液塗布部19が選択され、文書を印字する場合には処理液吐出ヘッドが選択されるように、描画対象に応じて処理液の付着方法を選択的に切り換えるように構成されるので、描画対象に応じて最適量の処理液を記録紙16に付着させることができ、記録紙16の種類によらずにじみや着弾干渉によるすじやむらのない好ましい画像が記録される。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態中、第1及び第2実施形態と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第3実施形態では、上述した選択条件にインク打滴量(打ち込み量、吐出量)を適用する。即ち、処理液Sの必要量はインク打滴量(インク吐出量)Vに比例し、インク打滴量Vが多くなれば処理液Sの必要量が多くなる。したがって、ドットデータから求められる単位面積当たりのインク打滴量V(pl)と予め設定されたしきい値Vthとを比較し、この比較結果に基づいて処理液Sの付着方法を選択するように構成される。
処理液塗布部19を用いて記録紙16へ処理液Sを塗布すると、処理液吐出ヘッド13を用いて処理液Sを打滴するよりも多量の処理液Sを記録紙16に付着させることができる。
更に、処理液塗布部19の塗布では処理液Sの供給が間に合わない場合には処理液吐出ヘッド13と処理液塗布部19とを併用することで、処理液塗布部19を用いて処理液Sを塗布するよりも多量の処理液Sを記録紙16に付着させることができる。
言い換えると、記録紙16への処理液付着量は、多い方から、塗布と打滴の併用、塗布のみ、打滴のみの順になる。
本例では、予め3つのしきい値Vth1(P)、Vth2(P)、Vth3(P)が設定され、処理液Sの打滴と処理液Sの塗布を併用、処理液Sを塗布、処理液Sを打滴、処理液Sを付着させない、の4つの方法を選択的に切り換える。なお、しきい値Vthは記録紙16の種類P に応じて適宜変更されるので、Vth (P) と表すこととする。また、上述したしきい値Vth1(P)、Vth2(P)、Vth3(P)は、Vth1(P)>Vth2(P)>Vth3(P)の関係を有している。
図9に、第3実施形態に係る処理液付着制御のフローチャートを示す。なお、図9中図7及び図8と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図9に示すように、ステップS16で記録紙16の種類の情報を取得すると、ステップ
70に進み、しきい値Vth1(P)、Vth2(P)、Vth3(P)が設定されると共に、ステップS12で取得された画像データ(ドットデータ)に基づいて単位面積当たりのインク打滴量Vが算出される(ステップS72)。
なお、単位面積当たりのインク打滴量Vは、当該記録画像(又は記録紙16)の全領域を対象として求めてもよいし、図10に示すように、当該記録画像を複数の領域に分割した領域(符号101、102、…、112、…)ごとに求めてもよい。インク打滴量Vを領域ごとに求める場合、上述したしきい値Vth1(P)、Vth2(P)、Vth3(P)は領域ごとに設定される。
記録画像を複数の領域に分割する態様では、ステップS12において画像データを取得した後に該記録画像を分割してもよいし、予め記録紙16を複数の領域に分割した後に、各領域に対応した画像データを取得してもよい。
その後、ステップS74に進み、ステップS72で求められたインク打滴量VはステップS70で設定されたしきい値Vth1(P)と比較され、ステップS74における比較結果がV≧Vth1(P)である場合(YES判定)、処理液Sの付着方法には図1に示す処理液塗布部19を用いた塗布と処理液吐出ヘッド13を用いた打滴とを併用する方法が選択される(図9のステップS80)。
ステップS80において塗布と打滴の併用が選択されると、ステップS24で生成された塗布データを取得する(ステップS82)と共に、ステップS22で生成された打滴データを取得(ステップS84)し、処理液塗布部19により処理液Sが塗布された後に処理液吐出ヘッド13により処理液Sが打滴される(ステップS86)。
一方、ステップS74における比較結果がV<Vth1(P)である場合(NO判定)、ステップS76に進み、インク吐出量Vはしきい値Vth2(P)と比較される。ステップS76における比較結果が(Vth1(P)>)V≧Vth2(P)である場合(YES判定)、ステップS40に進み、処理液Sの付着方法には処理液塗布部19による塗布が選択される。
また、ステップS76における比較結果がV<Vth2(P)である場合(NO判定)、ステップS78に進み、インク打滴量Vはしきい値Vth3(P)と比較される。
ステップS78における比較結果が(Vth2(P))>V≧Vth3(P)である場合(YES判
定)、処理液の付着方法には処理液吐出ヘッドによる打滴が選択される(ステップS30)。
一方、ステップS78における比較結果がV<Vth3(P)の場合(NO判定)、記録紙16へ処理液を付着させない処理(処理液なし)が選択され(ステップS90)、処理液Sが付着していない記録紙16へステップS22で生成された各色インクの打滴データに基づいて各色インクの打滴が実行される(ステップS50)。
処理液Sの打滴或いは処理液Sの打滴と処理液Sの塗布との併用が選択された場合には、インクの打滴量に応じて処理液Sの打滴密度を可変させることで、記録紙16に付着させる処理液Sの量を最適化することができる。
ここで、それぞれの場合における画像の具体例を挙げると、V≧Vth1(P)となる画像はべた画像などがあり、Vth1(P)>V≧Vth2(P)となる画像にはべた以外の写真画、絵柄などがある。また、Vth2(P)>V≧Vth3(P)となる画像にはテキスト、線画などがあり、V<Vth3(P)は白地(画像が形成されない)がある。
このようにして、インク打滴量Vに応じて記録紙16に付着させる処理液Sの量を制御すると、インク打滴量Vに対して最適な量の処理液Sを付着させることができ、インクと処理液とを確実に反応させることができると共に、処理液の消費量を抑制することが可能である。
〔応用例〕
次に、上述した第1〜第3実施形態の応用例について説明する。本応用例では、第1〜第3実施形態に係る処理液付着制御を組み合わせた場合の処理液付着制御を示す。
本応用例では、浸透紙にテキストを記録する場合には処理液吐出ヘッド13による打滴が選択され、非浸透紙にテキストを記録する場合には処理液吐出ヘッド13による打滴が選択される。即ち、記録紙16の種類に関わらず、テキストを記録する場合には処理液吐出ヘッド13による打滴が選択される。
また、浸透紙に図形等を記録する場合には処理液塗布部19による塗布が選択され、非浸透紙に図形等を記録する場合には、該図形等の内容に応じて処理液吐出ヘッド13による打滴或いは処理液塗布部19による塗布を選択する。
図11には第1実施形態に示す処理液付着制御と第2実施形態に係る処理液付着制御とを組み合わせた場合のフローチャートを示す。
図11に示す態様では、ステップS12で画像データを取得すると、先に第2実施形態に示す描画対象に基づいて処理液Sの付着方法が選択される。即ち、ステップS62で描画対象が図形であるかが判断され、描画対象が図形でない場合には(NO判定)、処理液吐出ヘッド13により処理液Sの打滴が行われる(ステップS30)。
一方、ステップS62で描画対象が図形であると判断されると(YES判定)、ステップS16に進み、記録紙16の種類の情報を取得し、記録紙16が浸透紙であるか非浸透紙であるかが判断される(ステップS18)。
記録紙16が浸透紙である場合には(YES判定)、処理液塗布部19による処理液Sの塗布が選択され(ステップS40)、記録紙16が非浸透紙である場合には(NO判定)、ステップS100に進む。
ステップS100では、図10に示すように、記録画像に複数の領域101〜112、…、を設定し(メッシュに区切り)、各領域について画像内容を判断する。図10に示す例では、ドットパターンで示す領域には画像が記録され、これ以外の領域にはテキストが記録されるか、または何も記録されない。
領域107、108のように、領域内の全部に画像が形成される場合には処理液塗布部19による処理液Sの塗布が選択され、これ以外の領域では処理液吐出ヘッド13による処理液Sの打滴が選択される。なお、処理液吐出ヘッド13による打滴を選択された領域のうち、領域内の全部に画像が記録されない領域では、処理液を付着させない処理が選択されるように構成してもよい。
このようにして記録紙16の所望の領域に処理液Sが付着されると、ステップS50に進み、各色インクの打滴が実行される。
なお、図形等とテキストが混在する領域102〜104,106,110〜112では
、該領域内において図形が記録される場合には、処理液吐出ヘッド13から吐出される処理液Sの打滴密度を密にするように制御する態様が好ましい。
〔処理液の説明〕
本インクジェット記録装置10に適用される処理液Sには公知の材料を用いたものを適用可能である。上述した材料には、例えば、カチオンポリマー(アクリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、キトサン、及びこれらの中和物等)や、アニオンポリマー(ポリアクリル酸、セラック、スチレン−アクリル酸共重合物、スチレン−無水マレイン酸共重合物等)を含み、これ以外に溶媒(水)、界面活性剤、保湿剤、色材凝集剤(pH調整剤(酸)又は多価金属塩)などから構成される。
また、各色インクは溶媒(水)、色材(顔料又は染料)、界面活性剤、保湿剤、アニオンポリマーなどから構成されている。
本インクジェット記録装置10には、上述した処理液Sを記録紙16に付着させる部材を2種類有しており、処理液吐出ヘッド13から吐出される処理液S1 と処理液塗布部19によって塗布される処理液S2 との物性を変えてもよい。
即ち、処理液S1 と処理液S2 とを、反応物質(内容物)が同じであり、濃度(反応物の濃度、量)が異なるように構成し、処理液S2 の濃度が処理液S1 の濃度よりも高くなるように構成することができる。言い換えると、処理液S1 と処理液S2 との関係は、処理液S1 の濃度<処理液S2 の濃度を満たすように構成される。
ここで、処理液Sの濃度を高くすることでより多くの量のインクと反応させることができる(インクとの反応効率を向上させることができる)。また、処理液Sの粘度を高くすると粘度が高くなり、記録紙16への浸透時間を長くすることができる。
特に、浸透紙を用いる場合には処理液Sが記録紙16へ付着してからインク打滴(着弾)までの時間を確保することができるので好ましい。
一方、反応物質の濃度を高くすることによって処理液Sの粘度が高くなると処理液吐出ヘッドによって吐出させることが難しくなる。高粘度の処理液を処理液吐出ヘッド13によって吐出させると、処理液が吐出されない不吐出や吐出量異常、吐出位置異常などの吐出異常が生じ、所望の量の処理液Sを所望の位置に打滴することができず、記録画像にはにじみ、着弾干渉によるすじ、むらなどが発生してしまう。
したがって、濃度(粘度)の高い処理液S(S2 )は処理液塗布部19によって記録紙16へ塗布し、濃度(粘度)の低い処理液S(S1 )は処理液吐出ヘッド13によって記録紙16へ打滴するように構成することが好ましい。
また、処理液S1 と処理液S2 との表面張力を変えてもよい。処理液Sに含まれる界面活性剤の分量を多くすることで表面張力を下げることができる。処理液Sの表面張力が高いと記録紙16上で処理液Sが丸まってしまい、記録紙16へ処理液Sを均一付着させることが難しくなる。したがって、処理液Sの表面張力を下げることで処理液Sを記録紙16上へ均一に付着させることができ、好ましい。
このようにして、2種類の部材を併用することで、濃度、粘度、表面張力などの物性が異なる処理液を選択条件に合わせて確実に付着させることができ、且つ、最適量の処理液Sを記録紙16に付着させることができると共に処理液の消費量を抑制することが可能になる。
本例では、処理液S1 に含まれる反応物質と処理液S2 に含まれる反応物質との組成を変えず含有量を変えて濃度を変えるように構成したが、処理液S1 と処理液S2 とに含まれる反応物質の組成を変えてもよい。
また、本例では、印字部12の紙送り方向上流側に処理液吐出ヘッド13と処理液塗布部19とを備える態様を示したが、処理液吐出ヘッド13と処理液塗布部19とを有する処理液付着装置を印字部12の紙送り方向上流側に備えてもよい。更に、インク打滴後(インク定着後)に記録紙16上に残留する処理液を除去する処理液除去手段を印字部12の紙送り方向下流側に備えてもよい。
本例では印字ヘッドに備えられるノズルからインクを吐出させて、記録紙16上に画像を形成するインクジェット記録装置10を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、レジストなどインク以外の液体で画像(立体形状)を形成する画像形成装置や、ノズル(吐出孔)から薬液、水などを吐出されるディスペンサ等の液体吐出装置などにも広く適用可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a) 、(b) 中4−4線に沿う断面図 図1に示したインクジェット記録装置の供給系の構成を示す要部ブロック図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第1実施形態に係る処理液付着制御の流れを示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係る処理液付着制御の流れを示すフローチャート 本発明の第3実施形態に係る処理液付着制御の流れを示すフローチャート 記録紙を複数領域に分割する態様を説明する図 本発明の応用例に係る処理液付着制御の流れを示すフローチャート
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12K,12M,12C,12Y,50…印字ヘッド、13…処理液吐出ヘッド、16…記録紙、19…処理液塗布部、19A,19B,19D,19E…塗布ローラ、24…印字検出部、72…システムコントローラ、74…メモリ、80…プリント制御部、82…画像バッファメモリ、84A,84B…ヘッドドライバ、85…塗布制御部、90…プログラム格納部、101〜112…記録紙回転部

Claims (15)

  1. 色材を含有するインクと反応させて、前記色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理液を被記録媒体に吐出させて、該被記録媒体に該処理液を付着させるインクジェット方式の処理液吐出ヘッドと、
    前記被記録媒体に前記処理液吐出ヘッドから吐出させる処理液と同じ機能を有する処理液を塗布して、該被記録媒体に該処理液を付着させる処理液塗布手段と、
    前記被記録媒体と前記処理液吐出ヘッドとを相対的に移動させる相対移動手段と、
    前記相対移動手段の相対移動方向における前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段の下流側に設けられ、前記被記録媒体に前記インクを吐出させて所望の画像を形成するインクジェット方式のインク吐出ヘッドと、
    前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断し、前記判断された処理液量に基づいて、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるか、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるか、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段の両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択する処理液付着制御手段と、
    前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断する際に、第1しきい値>第2しきい値>第3しきい値の関係を有する第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値を設定する設定手段と、
    を備え
    前記処理液付着制御手段は、前記判断された処理液量が前記第1しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第1しきい値未満であり第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第2しきい値未満であり第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記被記録媒体が非浸透性媒体であるか、浸透性媒体であるかを判断する被記録媒体判断手段を備え、
    前記処理液付着制御手段は、前記設定された第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値による前記処理液ヘッド及び前記処理液塗布手段の選択に代わり、前記被記録媒体判断手段によって判断された前記被記録媒体が非浸透性媒体の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記被記録媒体判断手段によって判断された前記被記録媒体が浸透性媒体の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記被記録媒体判断手段は、被記録媒体の浸透速度に基づいて当該被記録媒体が非浸透性媒体であるか、浸透性媒体であるかを判断することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記被記録媒体に記録される画像の内容が、文字及び線画のいずれか一方を含むものであるか、図形、写真画、絵柄の少なくともいずれかの一つを含むものであるかを判断する画像内容判断手段を備え、
    前記処理液付着制御手段は、前記設定された第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値による前記処理液ヘッド及び前記処理液塗布手段の選択に代わり、前記画像内容判断手段によって判断された画像の内容が文字及び線画のいずれか一方を含むものである場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記画像内容判断手段によって判断された画像の内容が、図形、写真画、絵柄の少なくともいずれかの一つを含むものである場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記処理液付着制御手段は、前記画像内容判断手段によって判断された画像の内容が、文字及び線画と、図形、写真画、及び絵柄と、を含む場合は、処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるとともに、
    該画像の内容が図形、写真画、絵柄のいずれか一つを含む部分は、テキスト、線画のいずれか一方を含む部分よりも、処理液の打滴密度を密にするように前記処理液吐出ヘッドの動作を制御することを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記被記録媒体に吐出されるインク吐出量を判断するインク吐出量判断手段を備え、
    前記設定手段は、前記インク吐出量判断手段により判断されたインク吐出量に応じて、前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断する際の前記第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値を設定し、
    前記処理液付着制御手段は、前記インク吐出量判断手段によって判断されたインク吐出量に基づいて判断された処理液量が第2しきい値未満であり第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記インク吐出量判断手段によって判断されたインク吐出量に基づいて判断された処理液量が前記第1しきい値未満であり前記第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記インク吐出量判断手段によって判断されたインク吐出量に基づいて判断された処理液量が前記第1しきい以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記被記録媒体に複数の領域を設定する領域設定手段を備え、
    前記処理液付着制御手段は、前記領域設定手段によって設定された領域ごとに付着させる処理液量を判断し、前記判断された領域ごとの処理液量が前記第2しきい値未満であり、前記第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体の各領域に前記処理液を付着させ、前記判断された領域ごとの処理液量が前記第1しきい値未満であり、前記第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された領域ごとの処理液量が前記第1しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記処理液塗布手段は、前記相対移動手段の移動方向と直交する方向について配置された複数の塗布ローラを具備し、
    前記領域設定手段は、前記複数の塗布ローラの配置に対応して前記被記録媒体に複数の領域を設定することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記複数の塗布ローラは、前記相対移動手段の移動方向と直交する方向について、オーバーラップするように配置されることを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記処理液の物性には、前記処理液に含まれる反応物質の濃度、前記処理液に含まれる反応物質の粘度及び前記処理液の表面張力のうち少なくとも何れか1つが含まれることを特徴とする請求項1乃至のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記処理液塗布手段によって塗布される処理液の濃度は前記処理液吐出ヘッドから吐出される処理液の濃度よりも大きいことを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記処理液塗布手段によって塗布される処理液の粘度は前記処理液吐出ヘッドから吐出される処理液の粘度よりも大きいことを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記処理液吐出ヘッドから吐出される処理液の表面張力は前記処理液塗布手段によって塗布される処理液の表面張力よりも大きいことを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記被記録媒体に記録される画像の内容を表す画像データから、インク吐出ヘッドのインクのドットデータ、及び前記処理液吐出ヘッドの処理液のドットデータ、前記処理液塗布手段の処理液の塗布データを生成することを特徴とする請求項1乃至13のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 色材を含有するインクと反応させて前記色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理液を、インクジェット方式の処理液吐出ヘッドから被記録媒体に吐出させて、前記被記録媒体に該処理液を付着させる処理液吐出工程と、
    前記処理液吐出ヘッドから吐出させる処理液と同じ機能を有する処理液を、処理液塗布手段を用いて該被記録媒体に塗布して、前記被記録媒体に前記処理液を付着させる処理液塗布工程と、
    前記被記録媒体と前記処理液吐出ヘッドとを相対的に移動させる相対移動工程と、
    前記相対移動工程の相対移動方向における前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段の下流側に設けられるインクジェット方式のインク吐出ヘッドから前記被記録媒体に前記インクを吐出させて所望の画像を形成する画像形成工程と、
    前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断する際に、第1しきい値>第2しきい値>第3しきい値の関係を有する第1しきい値、第2しきい値及び第3しきい値を設定する設定工程と、
    前記被記録媒体上に付与される処理液量を判断し、前記判断された処理液量が前記第1しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段及び前記処理液吐出ヘッドの両方を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第1しきい値未満であり第2しきい値以上の場合は、前記処理液塗布手段を用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させ、前記判断された処理液量が前記第2しきい値未満であり第3しきい値以上の場合は、前記処理液吐出ヘッドを用いて前記被記録媒体に前記処理液を付着させるように、前記処理液吐出ヘッド及び前記処理液塗布手段を選択する選択工程と、
    を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2006006550A 2005-01-14 2006-01-13 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Expired - Fee Related JP4942075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006006550A JP4942075B2 (ja) 2005-01-14 2006-01-13 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005008145 2005-01-14
JP2005008145 2005-01-14
JP2006006550A JP4942075B2 (ja) 2005-01-14 2006-01-13 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006218860A JP2006218860A (ja) 2006-08-24
JP4942075B2 true JP4942075B2 (ja) 2012-05-30

Family

ID=36981473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006006550A Expired - Fee Related JP4942075B2 (ja) 2005-01-14 2006-01-13 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4942075B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10279604B2 (en) 2012-09-18 2019-05-07 Ricoh Company, Ltd. Printing apparatus and printed material manufacturing method
US10967631B2 (en) 2018-03-19 2021-04-06 Ricoh Company, Ltd. Liquid ejection device, liquid ejection method, and computer-readable recording medium

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008213267A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、液体吐出方法、及び、プログラム
JP5765449B2 (ja) * 2008-01-24 2015-08-19 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP5554025B2 (ja) * 2008-07-10 2014-07-23 富士フイルム株式会社 インクジェット記録方法
JP2010247528A (ja) * 2009-03-25 2010-11-04 Konica Minolta Holdings Inc 画像形成方法
CN102481791A (zh) * 2009-09-14 2012-05-30 富士胶片株式会社 喷墨印刷方法和装置
US8794754B2 (en) 2010-12-21 2014-08-05 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Recording apparatus
JP5738613B2 (ja) * 2011-01-31 2015-06-24 株式会社Screenホールディングス インクジェットプリンタおよび画像形成方法
JP6592877B2 (ja) * 2013-07-31 2019-10-23 株式会社リコー 印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法
JP6264860B2 (ja) * 2013-11-27 2018-01-24 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP2016002765A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 株式会社リコー 画像形成装置、制御方法及びプログラム
JP6631109B2 (ja) * 2015-09-15 2020-01-15 セイコーエプソン株式会社 印刷装置およびプログラム
JP6972636B2 (ja) 2017-04-21 2021-11-24 セイコーエプソン株式会社 印刷装置および印刷方法
JP6965030B2 (ja) * 2017-06-15 2021-11-10 キヤノン株式会社 記録装置および記録方法
US10744795B2 (en) * 2017-10-24 2020-08-18 Ricoh Company, Ltd. Liquid discharge system, image forming apparatus, and liquid discharge method
JP7151244B2 (ja) * 2017-10-24 2022-10-12 株式会社リコー 液滴吐出システム、画像形成装置、液滴吐出方法
JP2023005669A (ja) * 2021-06-29 2023-01-18 理想科学工業株式会社 インク吐出制御装置および方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10217446A (ja) * 1996-12-05 1998-08-18 Canon Inc 記録装置および記録制御システム
US6598965B1 (en) * 1999-11-30 2003-07-29 Hewlett-Packard Company, L.P. Fixer usage generation technique for inkjet printers
JP2002234143A (ja) * 2001-02-08 2002-08-20 Noritsu Koki Co Ltd インクジェットプリンタ
JP2002362018A (ja) * 2001-06-12 2002-12-18 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、液体組成物、粉体組成物、記録液、及び印刷物
JP2004090596A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成装置
JP2004330569A (ja) * 2003-05-06 2004-11-25 Seiko Epson Corp インクジェット式印刷機及びその前処理液塗布方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10279604B2 (en) 2012-09-18 2019-05-07 Ricoh Company, Ltd. Printing apparatus and printed material manufacturing method
US10967631B2 (en) 2018-03-19 2021-04-06 Ricoh Company, Ltd. Liquid ejection device, liquid ejection method, and computer-readable recording medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006218860A (ja) 2006-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4942075B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
US7530684B2 (en) Inkjet recording apparatus
JP3981930B2 (ja) インクジェット記録装置及び液塗布方法並びに画像形成方法
JP5143930B2 (ja) 画像形成装置及びインクジェット記録装置
US7370948B2 (en) Image recording apparatus
US7645019B2 (en) Image forming method and image forming apparatus using treatment liquid
JP4989361B2 (ja) メンテナンス装置及び液体吐出装置並びにノズル面メンテナンス方法
JP2006264068A (ja) 液体吐出装置及びインクジェット記録装置並びに液体除去方法
JP2006326983A (ja) インクジェット記録装置及び方法
US20060214970A1 (en) Image forming apparatus and method
JP4172430B2 (ja) 画像形成装置
JP2007106117A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2007261088A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出ヘッドのメンテナンス方法
JP2006088578A (ja) 画像形成装置及び方法
US7216947B2 (en) Image forming apparatus and droplet ejection control method
JP3838439B2 (ja) インクジェット記録装置及び記録方法
JP4743418B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2002321349A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP5085047B2 (ja) 画像形成装置及びインクジェット記録装置
JP2005313635A (ja) 打滴制御方法及び液吐出装置
JP2006027132A (ja) 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
JP4042123B2 (ja) 画像形成装置並びに打滴制御方法
JP2006306079A (ja) 画像形成装置及び液体除去能力設定方法
JP2006306078A (ja) 画像形成装置及び液体除去能力設定方法
US7370928B2 (en) Droplet discharge control method and liquid discharge apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees