JP2023005669A - インク吐出制御装置および方法 - Google Patents

インク吐出制御装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクの合一を抑制し、かつベタ埋め性などの印刷画像の画質の向上を図ることができるインク吐出制御装置および方法を提供する。【解決手段】印刷媒体に対してインクを吐出して印刷画像を形成する第1および第3のヘッド11,13と、印刷媒体に対してインクの凝集剤を含む処理液を塗工する第2のヘッド12と、第1~第3のヘッド11~13を制御して、印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、処理液を塗工し、その処理液の塗工後に残りの印字率に応じたインクを吐出する2段階インク吐出制御を行う印刷制御装置20を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、印刷媒体に対してインクを吐出して印刷画像を形成するインク吐出制御装置および方法に関するものである。
従来、紙およびフィルムなどの印刷媒体に対して、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷を施すインクジェット印刷装置が提案されている。
フィルムなどの非浸透基材に対してインクジェット印刷を行う場合、布や紙、また吸収層を塗工した合成紙などの浸透性基材と異なり、インクが基材に吸収されないため、インクドット同士の合一が発生する。インクドット同士の合一とは、隣接するインクドット同士が結合して1つのインクドットになってしまう現象である。
このようなインクドット同士の合一を防ぐ目的で、たとえば特許文献1においては、凝集剤を含む処理液を塗布した後に、インクを吐出して印刷画像を形成する方法が提案されている。
特開2019-111763号公報
しかしながら、水との接触角が高い非浸透基材である、たとえば塩化ビニルフィルムなどの場合には、処理液の基材に対する濡れ性が悪いため、基材に処理液を塗布した場合、図19に示すように、処理液は、半球の形状に近い液滴の状態で基材上に留まる。
このような処理液の液滴の上にインクが着弾した場合、薄く濡れ拡がった処理液の層の上にインクが着弾する場合と比較して、次のような問題が起こることが明らかになった。
処理液の液滴は、局所的に存在するため凝集力が高い。そのためインクが着弾して処理液の液滴と接触した場合、図20に示すように、即座に凝集するためにドットゲインが得られない。このことにより、ベタ埋め性などの画質が悪化する上、所望の画像を得るための必要なインク量が増大する。なお、ベタ埋め性とは、インクのドットゲインなどによって基材上をインクドットでどの程度埋めることができるかの基準である。
さらに、処理液の液滴上にインクが着弾した場合、図21に示すように、インクの着弾位置が狙いの着弾位置からずれてしまったり、インクのドット形状がいびつになるため、画質が悪化する。
なお、処理液が、上述したように液滴にならず、図22に示すように薄く拡がっている場合には、インクが濡れ拡がりやすく、十分にドットゲインを得ることができ、狙った位置に近いところに着弾させることができ、ドット形状も真円に近い状態とすることができる。
本発明は、インクの合一を抑制しつつ、ベタ埋め性などの印刷画像の画質の向上を図ることができるインク吐出制御装置および方法を提供することを目的とする。
本発明のインク吐出制御装置は、印刷媒体に対してインクを吐出して印刷画像を形成するインク吐出部と、印刷媒体に対してインクの凝集剤を含む処理液を塗工する処理液塗工部と、インク吐出部および処理液塗工部を制御して、印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、処理液を塗工し、その処理液の塗工後に残りの印字率に応じたインクを吐出する2段階インク吐出制御を行う制御部とを備える。
本発明のインク吐出制御装置によれば、インク吐出部および処理液塗工部を制御して、印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、処理液を塗工し、その処理液の塗工後に残りの印字率に応じたインクを吐出する2段階インク吐出制御を行うようにしたので、1回目のインク吐出時にインクの合一を抑制することができ、かつその後の処理液の塗工および2回目のインク吐出によって、ドットゲインを十分に確保することができ、ドット形状も真円に近い状態とすることができる。これにより、ベタ埋め性などの印刷画像の画質を向上させることができる。
本発明のインク吐出制御装置の一実施形態を用いたインクジェット印刷装置の概略構成を示す図 図1に示すインクジェット印刷装置を矢印A方向から見た図 第1の実施形態のインクジェット印刷装置のヘッドユニットの概略構成を示す上面図 インクジェット印刷装置の制御系の構成を示すブロック図 印字率とインクドットの合一率との関係の一例を示す図 第1の実施形態のインクジェット印刷装置の印刷動作を説明するための図 第1の実施形態のインクジェット印刷装置の印刷動作を説明するための図 第1の実施形態のインクジェット印刷装置の印刷動作を説明するための図 第2の実施形態のインクジェット印刷装置のヘッドユニットの概略構成を示す上面図 第2の実施形態のインクジェット印刷装置の印刷動作を説明するための図 第2の実施形態のインクジェット印刷装置の印刷動作を説明するための図 ヘッドユニットのその他の構成例を示す図 図12に示すヘッドユニットを用いた印刷動作を説明するための図 図12に示すヘッドユニットを用いた印刷動作を説明するための図 図12に示すヘッドユニットを用いた印刷動作を説明するための図 図12に示すヘッドユニットを用いた印刷動作を説明するための図 図12に示すヘッドユニットを用いた印刷動作を説明するための図 ヘッドユニットのその他の構成例を示す図 処理液の液滴が形成されている例を示す図 処理液の液滴にインクが着弾した場合のインクの凝集を説明するための図 処理液の液滴にインクが着弾した場合のインクドットの着弾位置ずれを説明するための図 処理液が濡れ広がる様子を示す図
以下、図面を参照して本発明のインク吐出制御装置の第1の実施形態を用いたインクジェット印刷装置について詳細に説明する。本実施形態のインクジェット印刷装置は、インク吐出制御の構成に特徴を有するものであるが、まずは、インクジェット印刷装置全体の構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の概略構成図である。また、図2は、図1に示すインクジェット印刷装置1を矢印A方向から見た図である。なお、以下に示す実施形態の説明では、図1に矢印で示す上下左右前後を、インクジェット印刷装置1における上下左右前後方向とする。
本実施形態のインクジェット印刷装置1は、図1に示すように、基台2と、脚台3と、プラテン4と、レール部5と、ヘッドユニット10とを備えている。なお、本実施形態においては、ヘッドユニット10が、本発明のインク吐出部に相当する。
基台2は、前後方向に延設された柱状部材であって、左右方向に間隔を空けて平行に配置されている。2本の基台2の底面には、それぞれ2つの車輪2aが設けられている。
各基台2上には、それぞれ脚台3が立設されている。そして、互いに向かい合う2つの脚台3の上面に、プラテン4が支承されている。
プラテン4の前後には、弧状に形成された前方用ガイド4aおよび後方用ガイド4bが延設されている。また、プラテン4の下部には、図2に示すように、ファン4dが設置されたバキューム室4cが設けられている。なお、図1においては、バキューム室4cは図示省略している。
バキューム室4cのファン4dが回転することによってバキューム室4c内が負圧となり、プラテン4に形成された吸引孔(図示省略)に吸引力が発生する。プラテン4の吸引孔に発生した吸引力によって、プラテン4上に印刷媒体Pが吸着する。
また、プラテン4の後方には、図2に示すように、駆動ローラ6および加圧ローラ7が対向して設けられている。なお、図1においては、駆動ローラ6および加圧ローラ7は図示省略している。
駆動ローラ6は、プラテン4の延伸方向に延設された長尺状のローラであって、後述する搬送駆動モータ61(図4参照)によって回転する。
加圧ローラ7は、駆動ローラ6と同様に、プラテン4の延伸方向に延設された長尺状のローラであって、図示省略した昇降機構によって昇降可能に支持されている。
そして、後方用ガイド4b上の印刷媒体Pが、駆動ローラ6と加圧ローラ7によって挟持され、加圧ローラ7によって印刷媒体Pが押圧された状態で駆動ローラ6が回転することによって、印刷媒体Pが前方に送り出される。
インクジェット印刷装置1の基台2の前側には、印刷媒体Pを巻き取る芯体8aを着脱可能に保持する巻き取り側芯体保持部8が設けられている。巻き取り側芯体保持部8は、トルクリミッタ(図示省略)を介して巻き取り駆動モータ81(図4参照)に連係しており、巻き取り駆動モータ81によって巻き取り側芯体保持部8が回転するよう構成されている。
また、インクジェット印刷装置1の基台2の後ろ側には、印刷媒体Pがロール状に巻かれたロール体の芯体9aを着脱可能に保持する供給側芯体保持部9が設けられている。供給側芯体保持部9は、トルクリミッタ(図示省略)を介して供給駆動モータ91(図4参照)に連係しており、供給駆動モータ91によって供給側芯体保持部9が回転するよう構成されている。
そして、図2に示すように、供給側芯体保持部9に保持されたロール体(印刷媒体P)が引き出され、後方用ガイド4b、駆動ローラ6と加圧ローラ7との間、プラテン4上、前方用ガイド4aを経由して、巻き取り側芯体保持部8に保持された芯体8aに巻き取られるように構成されている。
2つの脚台3の上部には、図示省略した支持部材を介してレール部5が架設されている。レール部5は、左右方向に延設されたレール(図示省略)とレール上においてヘッドユニット10を左右方向に往復移動させる主走査駆動モータ51(図4参照)を備えている。
印刷媒体Pとしては、ポリ塩化ビニル、ナイロンおよびPET(ポリエチレンテレフタラート)などの平滑化フィルムを用いることができる。なお、ポリ塩化ビニルに対する水の接触角は87°程度であり、ナイロンフィルムに対する水の接触角は70°程度であり、PETに対する水の接触角は90°程度である。本発明は、水の接触角が60°以上の印刷媒体Pに印刷を行う場合に特に有効である。
次に、本実施形態のヘッドユニット10について説明する。図3は、ヘッドユニット10の概略構成を示す上面図である。
本実施形態のヘッドユニット10は、図3に示すように、第1のヘッド11と、第2のヘッド12と、第3のヘッド13とを備えている。本実施形態においては、第1のヘッド11が、本発明の第1のインク吐出ヘッドに相当し、第2のヘッド12が、本発明の処理液吐出ヘッド(処理液塗工部)に相当し、第3のヘッド13が、第2のインク吐出ヘッドに相当し、第1および第3のヘッド11,13によってインク吐出部が構成される。本実施形態では、ヘッドユニット10を上述したような構成としたので、より簡易な吐出制御によって、後述する2段階インク吐出制御を行うことができる。
第1のヘッド11は、第1のインクジェットヘッド11a、第2のインクジェットヘッド11b、第3のインクジェットヘッド11cおよび第4のインクジェットヘッド11dの4つのインクジェットヘッドが設けられている。
第1~第4のインクジェットヘッド11a~11dは、インクを吐出するノズルが前後方向(印刷媒体Pの搬送方向)に多数配列されたものである。第1~第4のインクジェットヘッド11a~11dは、それぞれ異なる色のインクを吐出するインクジェットヘッドであり、たとえばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)のインクを吐出する。インクとしては、水性顔料インクを用いることが好ましい。
第2のヘッド12は、処理液を吐出するノズルが前後方向(印刷媒体Pの搬送方向)に多数配列されたものである。第2のヘッド12の構成としては、インクジェットヘッドと同様である。処理液は、インク液滴の合一と滲みを抑制し、発色性を向上させるための液体であるが、既に公知(たとえば特開2020-138456号公報に記載されている前処理剤B)なものを用いることができる。
具体的には、処理液は、少なくとも水、凝集剤および界面活性剤を含むことが好ましい。また、上記凝集剤は、カチオン性の水溶性カチオン樹脂であることが好ましい。なお、凝集剤としては、水溶性カチオン樹脂に限らず、多価金属塩、有機酸・無機酸などがある。
第3のヘッド13は、第1のヘッド11と同様の構成であり、第5のインクジェットヘッド13a、第6のインクジェットヘッド13b、第7のインクジェットヘッド13cおよび第8のインクジェットヘッド13dの4つのインクジェットヘッドが設けられている。
第5~第8のインクジェットヘッド13a~13dも、それぞれ異なる色のインクを吐出するインクジェットヘッドであり、たとえばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)のインクを吐出する。
第1のヘッド11、第2のヘッド12および第3のヘッド13は、図3に示すように、印刷媒体Pの搬送方向(前後方向)に並べて配列される。
第1~第3のヘッド11~13は、キャリッジ10aによって保持されており、その吐出面がキャリッジ10aから露出するように設置されている。
図4は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の制御系の構成を示すブロック図である。インクジェット印刷装置1は、印刷制御装置20からの制御信号に応じて、図4に示す制御対象の各部を動作させる。なお、本実施形態においては、印刷制御装置20が、本発明の制御部に相当する。
印刷制御装置20とインクジェット印刷装置1とは、LAN(Local Area Network)またはインターネット回線などの通信回線によって接続されており、互いに通信可能に構成されている。通信回線は、有線でも無線でもよい。
印刷制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えたコンピュータから構成される。印刷制御装置20は、入力された印刷ジョブなどに基づいて、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体に予め記憶された印刷制御プログラムを実行し、かつ電気回路を動作させることによって図4に示す各部を制御する。
印刷制御装置20は、印刷対象の原稿画像に対してRIP(Raster Image Processor)処理を施し、ビットマップ形式のラスターデータからなる印刷画像を生成する。そして、印刷制御装置20は、生成した印刷画像に基づいて、第1のヘッド11および第3のヘッド13を制御してインク吐出を行う。
また、印刷制御装置20は、高印字率領域特定部20aを備えている。高印字率領域特定部20aは、印刷画像内における高印字率領域を特定する。高印字率領域とは、印刷画像の印字率が予め設定された閾値以上の領域である。
なお、本明細書における印字率は、印刷媒体P内の所定の領域に所定のドット密度で印字した場合に、上記所定の領域内が全てドットで埋まる状態を100%とする。たとえば単色のインクで印字する場合には、印刷媒体P内の所定の領域内が全て単色のインクドットで埋まる場合、すなわち単色のインクのベタ画像となる場合を印字率100%とする。また、複数の色のインクで印字する場合には、印刷媒体P内の所定の領域内が各色のインクドットで埋まる場合を印字率100%とする。
図5は、2000μm×3000μmの領域に対して処理液無しでインクを吐出した場合における印字率とインクドットの合一率との関係の一例を示す図である。合一率とは、合一している着弾ドット数/着弾ドット数総数である。図5に示す例では、印字率45%程度であればインクドットの合一が少ないため、処理液を用いなくても印刷画像への悪影響が少ない印字率であると言える。このことから、本実施形態では、高印字率領域とする閾値として、たとえば40%に設定する。なお、高印字率領域の閾値の設定方法としては、これに限らず、実際に印字率を変化させて印刷を行い、印刷画像を視認した場合にインクドットの合一が多くなる手前の印字率を閾値に設定するようにしてもよい。
そして、印刷制御装置20は、上述した高印字率領域特定部20aによって高印字率領域を特定することによって、印刷画像内に高印字率領域が存在するか否かを確認し、高印字率領域が存在する場合には、その高印字率領域に対してのみ、2段階インク吐出制御を行って印刷画像を形成する。なお、高印字率領域を特定するためのパラメータとして印字率の代わりにインク量やドット密度などを用いてもよく、印刷媒体P上に吐出されるインク量やドット密度に関するパラメータであれば印字率というパラメータに限定されない。以下、本実施形態の2段階インク吐出制御について説明する。
印刷制御装置20は、高印字率領域に対して2段階インク吐出制御を行う際には、まず、第1のヘッド11を制御することによって、印刷媒体Pに対してインクを吐出して印刷画像を形成するが、この際、印刷媒体Pに対する印字率が、予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出する。予め設定された閾値とは、最終的に得られる印刷画像の印字率よりも低い印字率であり、たとえば20%~40%に設定される。
印刷制御装置20は、第1のヘッド11によるインク吐出を行った後、第2のヘッド12を制御することによって、高印字率領域に対して処理液として処理液を吐出する。
次いで、印刷制御装置20は、第2のヘッド12による処理液の吐出を行った後に、第3のヘッド13を制御することによって、処理液を吐出した領域に対して、残りの印字率に応じたインクを吐出する。残りの印字率とは、最終的に得られる印刷画像の印字率に到達するまでの残りの印字率である。たとえば第1のヘッド11によるインク吐出の印字率が40%である場合には、第3のヘッド13によるインク吐出の印字率は残りの60%である。
上述したように、本実施形態の印刷制御装置20は、印刷媒体Pの印字率が所定の閾値になるまでインク吐出を行った後、処理液を吐出し、その処理液の吐出の後に残りの印字率に応じたインク吐出を行う。
これにより、1回目のインク吐出時にはドットゲインを十分に確保することができ、狙った位置に近いところに着弾させることができ、ドット形状も真円に近い状態とすることができる。次いで処理液の塗工および2回目のインク吐出によって、処理液を先に吐出することによるインクのドットゲインの低下、着弾位置ズレ、ドット形状悪化などの悪影響を最小限に抑えつつ、ドット合一や滲みを抑制した画像を形成することができる。したがって、ベタ埋め性などの印刷画像の画質を向上させることができる。
なお、印刷制御装置20は、高印字率領域以外の印刷画像の領域については、第1のヘッド11または第3のヘッド13を制御して印刷画像を形成するか、もしくは第1のヘッド11と第3のヘッド13の両方を制御して印刷画像を形成するが、第2のヘッド12による処理液の吐出は行わないように制御する。本実施形態においては、高印字率領域に対してのみ2段階インク吐出制御を行うようにし、それ以外の領域には、処理液を吐出しないようにしたので、処理液の量を削減することができる。
次に、本実施形態のインクジェット印刷装置1の印刷動作の全体の流れについて、図6~図8を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、供給側芯体保持部9にロール体が設置され、そのロール体(印刷媒体P)が引き出され、後方用ガイド4b、駆動ローラ6と加圧ローラ7との間、プラテン4上、前方用ガイド4aを経由して、巻き取り側芯体保持部8に保持された芯体8aに巻き付けられる。
そして、印刷制御装置20は、供給側芯体保持部9、巻き取り側芯体保持部8および駆動ローラ6を回転させることによって、印刷媒体Pを送り出し、印刷初期位置まで到達した時点で印刷媒体Pの送り出しを一旦停止する。
次に、印刷制御装置20は、主走査駆動モータ51を動作させ、レール部5上においてヘッドユニット10を第1の方向(たとえば右方向)に移動させる。そして、印刷制御装置20は、図6に示すように、ヘッドユニット10の移動とともに、ヘッドユニット10の第1のヘッド11を動作させ、第1の走査ラインにインクを吐出する。この際、第1の走査ラインに高印字率領域が存在する場合には、その高印字率領域については、印字率が所定の閾値に到達するまでインクを吐出する。なお、最初の第1の走査ラインの走査の際には、第2のヘッド12および第3のヘッド13は動作させない。
次いで、印刷制御装置20は、図7に示すように、第2のヘッド12の直下に、第1の走査ラインが配置されるように、印刷媒体Pを1走査ライン分だけ送り出す。
そして、印刷制御装置20は、レール部5上においてヘッドユニット10を第1の方向とは逆の第2の方向(たとえば左方向)に移動させる。印刷制御装置20は、この際、第1の走査ラインに高印字率領域が存在する場合には、第2のヘッド12を制御し、高印字率領域に対してのみ処理液を吐出し、高印字率領域以外の領域には、処理液を吐出しない。また、印刷制御装置20は、第1の走査ラインに高印字率領域が存在しない場合には、処理液を吐出しない。
また、印刷制御装置20は、上述したように第1の走査ラインに処理液を吐出するとともに、第1のヘッド11を動作させ、第1の走査ラインの次の第2の走査ラインにインクを吐出する。この際のインク吐出(印字率)の制御は、第1の走査ラインの場合と同様である。
続いて、印刷制御装置20は、印刷媒体Pを1走査ライン分だけ送り出し、図8に示すように、第3のヘッド13の直下に第1の走査ラインを配置し、第2のヘッド12の直下に第2の走査ラインを配置し、第1のヘッド11の直下に、第2の走査ラインの次の第3の走査ラインを配置させる。
そして、印刷制御装置20は、レール部5上においてヘッドユニット10を第1の方向に移動させ、その移動とともに、第1~第3のヘッド11~13を動作させることによって、第1の走査ラインに2回目のインク吐出を行い、第2の走査ラインに処理液を吐出し、第3の走査ラインに1回目のインク吐出を行う。
印刷制御装置20は、第1の走査ラインに高印字率領域が存在する場合には、その高印字領域に対して、残りの印字率に応じたインクを吐出して印刷画像を形成する。なお、第2の走査ラインへの処理液の吐出制御については、上述した第1の走査ラインの場合と同様である。また、第3の走査ラインへのインク吐出(印字率)制御については、第1の走査ラインの場合と同様である。
次いで、印刷制御装置20は、印刷媒体Pを1走査ライン分だけ送り出し、第3のヘッド13の直下に第2の走査ラインを配置し、第2のヘッド12の直下に第3の走査ラインを配置し、第1のヘッド11の直下に、第3の走査ラインの次の第4の走査ラインを配置させる。
そして、印刷制御装置20は、レール部5上においてヘッドユニット10を第2の方向に移動させ、その移動とともに、第1~第3のヘッド11~13を動作させることによって、第2の走査ラインに2回目のインク吐出を行い、第3の走査ラインに処理液を吐出し、第4の走査ラインに1回目のインク吐出を行う。
印刷制御装置20は、第2の走査ラインに高印字率領域が存在する場合には、その高印字領域に対して、残りの印字率に応じたインクを吐出して印刷画像を形成する。なお、第3の走査ラインへの処理液の吐出制御については、上述した第1の走査ラインの場合と同様である。また、第4のラインへのインク吐出(印字率)制御については、第1の走査ラインの場合と同様である。
以後、印刷制御装置20は、上記と同様に、1走査ライン分の印刷媒体Pの送り出しと、レール部5上におけるヘッドユニット10の第1の方向または第2の方向への移動とを交互に繰り返しながら、第nの走査ラインへの2回目のインク吐出、第n-1の走査ラインへの処理液の吐出および第n-1の走査ラインへの1回目のインク吐出を順次繰り返して行う。
次に、本発明のインク吐出制御装置の第2の実施形態を用いたインクジェット印刷装置について説明する。第2の実施形態のインクジェット印刷装置は、第1の実施形態のインクジェット印刷装置1とヘッドユニット10の構成が異なり、2段階インク吐出制御の方法が異なる。それ以外の構成については、第1の実施形態のインクジェット印刷装置1と同様である。以下、第1の実施形態のインクジェット印刷装置1と異なる点を中心に説明する。
図9は、第2の実施形態のインクジェット印刷装置におけるヘッドユニット15の上面図である。ヘッドユニット15は、図9に示すように、第1のヘッド16、第2のヘッド17および第3のヘッド18を備えている。
ヘッドユニット15の第1のヘッド16は、第1の実施形態のヘッドユニット10の第1のヘッド11と同様である。そして、第1の実施形態のヘッドユニット10においては、第2のヘッド12と第3のヘッド13を前後方向(印刷媒体Pの搬送方向)に並べるようにしたが、第2の実施形態のヘッドユニット15においては、第2のヘッド17と第3のヘッド18を左右方向(ヘッドユニット10の移動方向)に並べるようにしている。
第2のヘッド17の構成および機能については、第1の実施形態の第2のヘッド12と同様であり、印刷媒体Pに対して処理液を吐出するものである。また、第3のヘッド18の構成および機能については、第1の実施形態の第3のヘッド13と同様であり、2回目のインク吐出を行うものである。
第1~第3のヘッド16~18は、キャリッジ15aによって保持されており、その吐出面がキャリッジ15aから露出するように設置されている。
そして、第1の実施形態においては、第2のヘッド12によって印刷媒体Pに対して処理液を吐出した後、1走査ライン分の走査時間だけ間隔を空けて第3のヘッド13によって印刷媒体Pに対して2回目のインク吐出を行うようにしたが、第2の実施形態においては、第2のヘッド17からの処理液の吐出と第3のヘッド18からの処理液の吐出とを同時期に行うようにしている。具体的には、第2のヘッド17と第3のヘッド18とで同一の走査ラインを走査している間に、第2のヘッド17からの処理液の吐出と第3のヘッド18からの処理液の吐出とを行う。
したがって、上述した同時期とは、たとえばキャリッジ15aの左右方向の幅を30cmとし、ヘッドユニット15の左右方向(印刷媒体Pの搬送方向に直交する方向)の移動速度を1m/sとした場合、キャリッジ15aの左右方向の一端から他端までの移動時間は0.3sであるので、同時期とは、処理液の吐出タイミングと2回目のインクの吐出タイミングとの時間間隔が、0.5s以下であって、好ましくは0.3s以下である。
好ましい処理液の吐出タイミングと2回目のインクの吐出タイミングとの時間間隔について説明する。特に、水の接触角が60°以上の印刷媒体においては、処理液を吐出する量によっては処理液が着弾した直後から時間経過とともに着弾液滴同士の合一が進んでしまい、処理液の塗工ムラになってしまうことがある。そのため、処理液の吐出タイミングと2回目のインクの吐出タイミングとの時間間隔は短い方が好ましく、上記時間間隔は、1s以下であることが好ましい。
したがって、同時期とは、1s以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5s以下であり、さらに好ましくは0.3s以下である。なお、上述した時間間隔の範囲内であれば、処理液の吐出タイミングと2回目のインクの吐出タイミングとはどちらが先でもよい。
次に、第2の実施形態のインクジェット印刷装置の印刷動作の全体の流れについて、図10および図11を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、供給側芯体保持部9にロール体が設置され、そのロール体(印刷媒体P)が引き出され、後方用ガイド4b、駆動ローラ6と加圧ローラ7との間、プラテン4上、前方用ガイド4aを経由して、巻き取り側芯体保持部8に保持された芯体8aに巻き付けられる。
そして、印刷制御装置20は、供給側芯体保持部9、巻き取り側芯体保持部8および駆動ローラ6を回転させることによって、印刷媒体Pを送り出し、印刷初期位置まで到達した時点で印刷媒体Pの送り出しを一旦停止する。
次に、印刷制御装置20は、主走査駆動モータ51を動作させ、レール部5上においてヘッドユニット15を第1の方向(たとえば右方向)に移動させる。そして、印刷制御装置20は、図10に示すように、ヘッドユニット15の移動とともに、ヘッドユニット15の第1のヘッド16を動作させ、第1の走査ラインにインクを吐出して印刷画像を形成する。この際、第1の走査ラインに高印字率領域が存在する場合には、その高印字率領域については、印字率が所定の閾値に到達するまでインクを吐出する。なお、最初の第1の走査ラインの走査の際には、第2のヘッド17および第3のヘッド18は動作させない。
次いで、印刷制御装置20は、図11に示すように、第2のヘッド17および第3のヘッド18の直下に、第1の走査ラインが配置されるように、印刷媒体Pを1走査ライン分だけ送り出す。
そして、印刷制御装置20は、レール部5上においてヘッドユニット15を第1の方向とは逆の第2の方向(たとえば左方向)に移動させる。印刷制御装置20は、この際、第1の走査ラインに高印字率領域が存在する場合には、第2のヘッド17を制御し、高印字率領域に対してのみ処理液を吐出し、高印字率領域以外の領域には、処理液を吐出しない。また、印刷制御装置20は、第1の走査ラインに高印字率領域が存在しない場合には、処理液を吐出しない。また、印刷制御装置20は、上述した第2のヘッド17からの処理液の吐出と同時期に、第3のヘッド18から2回目のインク吐出を行う。
また、印刷制御装置20は、上述したように第1の走査ラインに処理液および2回目のインクを吐出するとともに、第1のヘッド16を動作させ、第1の走査ラインの次の第2の走査ラインにインクを吐出する。この際のインク吐出(印字率)の制御は、第1の走査ラインの場合と同様である。
続いて、印刷制御装置20は、印刷媒体Pを1走査ライン分だけ送り出し、第2のヘッド17および第3のヘッド18の直下に第2の走査ラインを配置し、第1のヘッド16の直下に、第2の走査ラインの次の第3の走査ラインを配置させる。
そして、印刷制御装置20は、レール部5上においてヘッドユニット15を第1の方向に移動させ、その移動とともに、第1~第3のヘッド16~18を動作させることによって、第2の走査ラインに第3のヘッド18からの2回目のインク吐出と同時期に、第2のヘッド17から処理液の吐出を行う。また、印刷制御装置20は、第3の走査ラインに第1のヘッド16から1回目のインク吐出を行う。第2の走査ラインへの2回目のインク吐出(印字率)制御と処理液の吐出については、第1の走査ラインの場合と同様である。また、第3の走査ラインへの1回目のインク吐出(印字率)制御については、第1の走査ラインの場合と同様である。
以後、印刷制御装置20は、上記と同様に、1走査ライン分の印刷媒体Pの送り出しと、レール部5上におけるヘッドユニット10の第1の方向および第2の方向への移動とを交互に繰り返しながら、第nの走査ラインへの2回目のインク吐出および処理液の吐出、第n-1の走査ラインへの1回目のインク吐出を順次繰り返して行う。
第2の実施形態のインクジェット印刷装置によれば、第1の実施形態のインクジェット印刷装置1と同様に、インクの合一を抑制することができ、かつベタ埋め性などの印刷画像の画質を向上させることができる。さらに、処理液の吐出と2回目のインクの吐出とを同時期としたので、着弾した処理液の液滴が合一するのを抑制することができ、またトータルの印刷時間を短くすることができる。
なお、ヘッドユニットの構成については、図3および図7に示すヘッドユニット10,15の構成に限らず、たとえば図12に示すヘッドユニット30のような構成としてもよい。図12に示すヘッドユニット30は、第1のヘッド31、第2のヘッド32および第3のヘッド33を備えている。
ヘッドユニット30の第1のヘッド31は、第2の実施形態のヘッドユニット15の第1のヘッド16と同様である。そして、第2の実施形態のヘッドユニット15においては、第2のヘッド17と第3のヘッド18を左右方向(ヘッドユニット10の移動方向)に並べ、かつ前後方向(印刷媒体Pの搬送方向)ついて同じ位置に配置しているが、ヘッドユニット30では、第2のヘッド32と第3のヘッド33の前後方向の位置をずらして配置している。
第2のヘッド32の構成および機能については、第2の実施形態の第2のヘッド17と同様であり、印刷媒体Pに対して処理液を吐出するものである。また、第3のヘッド33の構成および機能については、第2の実施形態の第3のヘッド18と同様であり、2回目のインク吐出を行うものである。
図12に示すヘッドユニット30を用いて印刷画像を形成する場合には、図13に示すように第1のヘッド31によって、第1の走査ラインへの1回目のインク吐出が終了した後、印刷媒体Pが、図14に示す位置まで到達した時点から第2のヘッド32からの処理液の吐出を開始することによって、第1の走査ラインへの処理液の吐出を開始する。また、第1のヘッド31からのインク吐出を開始することによって、第1の走査ラインの次の第2の走査ラインへの1回目のインク吐出を開始する。
なお、図12に示すヘッドユニット30を用いる場合には、第1および第2の実施形態のように、1回のヘッドユニット10,15の移動の際に、前後方向に並ぶ全てのノズルからインクまたは処理液を吐出させるのではなく、インクまたは処理液の印字領域に応じたノズルからのみインクまたは処理液を吐出させる。
そして、印刷媒体Pが、図15に示す位置まで到達した時点から第3のヘッド33からの2回目のインク吐出を開始することによって、第1の走査ラインへの2回目のインク吐出を開始する。そして、印刷媒体Pが、図16に示す位置に到達するまで第2のヘッド32からの処理液の吐出することによって、第1の走査ラインへの処理液の吐出を完了する。また、このとき第1のヘッド31による第2の走査ラインへの1回目のインク吐出を完了する。また、このときから第1のヘッド31により第2の走査ラインの次の第3の走査ラインへのインク吐出を開始する。
次いで、印刷媒体Pが、図17に示す位置まで到達した時点まで第3のヘッド33からの2回目のインク吐出を開始することによって、第1の走査ラインへの印字を完了する。
以後、上記と同様に、印刷媒体Pの送り出しと、ヘッドユニット30の第1の方向および第2の方向への移動とを交互に繰り返しながら、所定の走査ラインへの1回目のインク吐出、処理液の吐出および2回目のインク吐出が順次行われる。
なお、1回目のインク吐出を行うインクジェットヘッドと2回目のインク吐出を行うインクジェットヘッドは必ずしも別々に設ける必要はなく、たとえば図18に示すヘッドユニット40のように、インクを吐出する第1のヘッド41と、処理液を吐出する第2のヘッド42とから構成するようにしてもよい。このような構成の場合、上述したヘッドユニット10,15,30と同様の印字結果が得られるように、第1のヘッド41からインクを吐出するノズルと、第2のヘッド42から処理液を吐出するノズルを選択的に制御するようにすればよい。
また、上記説明では、処理液をインクジェットヘッドと同様の第2のヘッドから吐出させるようにしたが、処理液の塗工方法としてはこれに限らず、たとえばスプレー塗布などの塗工方法を用いるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
表1に示す実施例1~実施例5は、第1の実施形態のインクジェット印刷装置1を用いて印刷画像を形成した場合の実施例である。
Figure 2023005669000002
インクは、上表1の評価ではKの水性顔料インクを用い、下表2に記載の各成分を下表2に示す割合(固形分換算)でプレミックスし、得られた混合液を孔径3μmのメンブレンフィルターに通過させて得た。
表2記載の原材料の詳細は、下記のとおりである。
「CAB-O-JET 200」:キャボット社製、水系自己分散ブラック顔料分散体
「タケラック W-5661」:三井化学株式会社製、ウレタン樹脂エマルション
「シルフェイスSAG002」:日信化学工業(株)製、シリコーン系界面活性剤
Figure 2023005669000003
また、処理液は、水溶性カチオン樹脂含有の処理液を用いた。
上表1の評価で用いた処理液は、下表3に記載された各成分を、下表3に示す割合でプレミックスし、得られた混合液を孔径3μmのメンブレンフィルターに通過させて得た。
下表3に記載の原材料の詳細は、以下のとおりである。
「シャロールDC-303P」:第一工業製薬株式会社製、カチオン性水溶性樹脂、有効成分量41%(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)
「ジプロピレングリコール」:富士フイルム和光純薬株式会社製
「1,2-ブタンジオール」:東京化成工業株式会社製
「シルフェイスSAG002」:日信化学工業株式会社製、シリコーン系界面活性剤
Figure 2023005669000004
印刷媒体としては、白色塩化ビニルフィルムを用いた。
印刷画像としては、黒色のベタ画像を形成した。印刷した黒インクのドット密度は、600dpi×1200dpi(目標印字率100%の時のドット密度)とした。
そして、第1の実施形態のインクジェット印刷装置1を用いて上記印刷画像を形成し、次いで温風ヒータを用いて100℃にて1分間印刷画像を乾燥させた後、ベタ埋め性の評価を行った。ベタ埋め性は、インクの濡れ拡がり性が高く、インク着弾精度が高く、インクのドット形状が真円状に近くなるほど高くなる。
ベタ埋め性評価基準は、30cm離した距離からの目視による印刷物の観察で、白点(白色塩化ビニルフィルムの着色していない場所)が全く確認できないレベルの場合を「A」とし、白点が確認できるレベルの場合を「B」とし、白点が目立っていたり、白スジが発生しているレベルの場合を「C」とした。
1回目のインク吐出の印字率の閾値および処理液の吐出の有無については、表1に示すとおりである。実施例1~実施例4に示すとおり、1回目のインク吐出の印字率が25%~40%の場合には、ベタ埋め性評価は「A」であった。また、実施例5に示すとおり、1回目のインク吐出の印字率を20%とした場合には、1回目のインク吐出の印字率が実施例1~実施例4よりも低いため、ドットゲインを十分に確保することができ、狙った位置に近いところに着弾させることができ、ドット形状も真円に近い状態とすることができるドットの数が、実施例1~実施例4よりも少なくなり、ベタ埋め性評価は「B」であった。
表1に示す比較例1は、処理液無しで2回に分けてインク吐出を行うことによって印刷画像を形成した場合であり、比較例2は、処理液無しでインク吐出を1回だけ行うことによって印刷画像を形成した場合であり、比較例3は、処理液を先に吐出した後に、インク吐出を1回だけ行うことによって印刷画像を形成した場合である。比較例1~比較例3では、ベタ埋め性評価は「C」であった。比較例1と比較例2は、処理液を用いていないため、インクドットが固定されずドットの移動と合一が起こったことで下地の白色が見えるほどベタ埋め性が悪化した。比較例3は、処理液を先に吐出した後にインクの吐出を行ったため、処理液が先に印刷媒体P上に存在していることから、処理液周辺に着弾したインクはドットゲインが得られず、また処理液が存在する影響で着弾位置が狙いの着弾位置からずれてしまったり、インクのドット形状がいびつになったりしたため、ベタ埋め性が悪化した。
次に、下表4に示す実施例6~実施例11は、第2の実施形態のインクジェット印刷装置1を用いて印刷画像を形成した場合の実施例である。すなわち、処理液の吐出タイミングと2回目のインク吐出のタイミングとが同時期の場合の実施例である。
Figure 2023005669000005
1回目のインク吐出の印字率の閾値および処理液の吐出の有無については、表4に示すとおりである。実施例6および実施例7に示すとおり、1回目のインク吐出の印字率が40%および35%の場合には、ベタ埋め性評価は「B」であった。すなわち、実施例6および実施例7は、1回目のインク吐出の印字率の閾値が同じ実施例1および実施例2と比較すると、ベタ埋め性評価は若干劣化した。これは、実施例6および実施例7では、1回目のインク吐出の印字率が40%および35%と高い状態で処理液とインクが同時に吐出されることから、処理液が十分に打たれていない領域に2回目のインクが吐出されることが発生するため(局所的に図5における印字率50%以上の領域が発生するため)ドットの合一が抑えきれない部分がでてくることから、2段階インク吐出制御によるベタ埋め性の改善効果が低下すると考えられる。
実施例8~実施例10に示すとおり、1回目のインク吐出の印字率が20%~30%の場合には、ベタ埋め性評価は「A」であった。実施例8~実施例10は、実施例6および実施例7よりも1回目のインク吐出の印字率が低い状態で処理液とインクが同時に吐出されることから、インクの合一が進む前に処理液が十分な合一抑制効果を発揮するため、(図5における印字率50%以上の領域が発生するまでにはマージンがあるため)、ベタ埋め性評価が向上したと考えられる。
ただし、実施例11に示すとおり、1回目のインク吐出の印字率が15%の場合には、1回目のインク吐出の印字率が低いため、ドットゲインを十分に確保することができ、狙いに近い位置に着弾をさせることができ、ドット形状も真円に近い状態とすることができるドットの数が、実施例8~10よりも少なくなる。これによりベタ埋め性の改善効果が低下し、ベタ埋め性評価は「B」であった。
実施例6~実施例11から分かるとおり、処理液の吐出タイミングと2回目のインク吐出のタイミングを同時期とした場合、1回目のインク吐出の印字率と2回目のインク吐出の印字率のバランスを調整すれば、ベタ埋め性評価を「A」にすることができた。
なお、実施例6において、印刷中に加熱を行った場合には、ドットの合一を抑制することができたため、ベタ埋め性評価が「A」であった。加熱は、印刷装置に備え付けられたヒータにより行い、40℃で加熱した。
本発明に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記)
本発明のインク吐出制御装置は、印刷媒体に対してインクを吐出して印刷画像を形成するインク吐出部と、印刷媒体に対してインクの凝集剤を含む処理液を塗工する処理液塗工部と、インク吐出部および処理液塗工部を制御して、印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、処理液の塗工と残りの印字率に応じたインクの吐出とを同時期に行う2段階インク吐出制御を行う制御部とを備える。
また、発明のインク吐出制御装置においては、印字率が予め設定された閾値以上である印刷画像内の高印字率領域を特定する高印字率領域特定部を備えることができ、制御部は、印刷画像内における高印字率領域に対してのみ2段階インク吐出制御を行うことができる。
また、本発明のインク吐出成語装置において、インク吐出部は、処理液の塗工前のインク吐出を行う第1のインク吐出ヘッドと、処理液の塗工後のインク吐出を行う第2のインク吐出ヘッドと、処理液を吐出する処理液吐出ヘッドとを備えることができる。
本発明のインク吐出制御方法は、印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、印刷媒体に対してインクの凝集剤を含む処理液を塗工し、その処理液の塗工後に残りの印字率に応じたインクを吐出する。
1 インクジェット印刷装置
2 基台
2a 車輪
3 脚台
4 プラテン
4a 前方用ガイド
4b 後方用ガイド
4c バキューム室
4d ファン
5 レール部
6 駆動ローラ
7 加圧ローラ
8 巻き取り側芯体保持部
8a 芯体
9 供給側芯体保持部
9a 芯体
10,15,30,40 ヘッドユニット
10a,15a キャリッジ
11 第1のヘッド
11a 第1のインクジェットヘッド
11b 第2のインクジェットヘッド
11c 第3のインクジェットヘッド
11d 第4のインクジェットヘッド
12 第2のヘッド
13 第3のヘッド
13a 第5のインクジェットヘッド
13b 第6のインクジェットヘッド
13c 第7のインクジェットヘッド
13d 第8のインクジェットヘッド
16 第1のヘッド
17 第2のヘッド
18 第3のヘッド
20 印刷制御装置
20a 高印字率領域特定部
31 第1のヘッド
32 第2のヘッド
33 第3のヘッド
41 第1のヘッド
42 第2のヘッド
51 主走査駆動モータ
61 搬送駆動モータ
81 巻き取り駆動モータ
91 供給駆動モータ
P 印刷媒体

Claims (5)

  1. 印刷媒体に対してインクを吐出して印刷画像を形成するインク吐出部と、
    前記印刷媒体に対して前記インクの凝集剤を含む処理液を塗工する処理液塗工部と、
    前記インク吐出部および前記処理液塗工部を制御して、前記印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、前記処理液を塗工し、該処理液の塗工後に残りの印字率に応じたインクを吐出する2段階インク吐出制御を行う制御部とを備えたインク吐出制御装置。
  2. 印刷媒体に対してインクを吐出して印刷画像を形成するインク吐出部と、
    前記印刷媒体に対して前記インクの凝集剤を含む処理液を塗工する処理液塗工部と、
    前記インク吐出部および前記処理液塗工部を制御して、前記印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、前記処理液の塗工と残りの印字率に応じたインクの吐出とを同時期に行う2段階インク吐出制御を行う制御部とを備えたインク吐出制御装置。
  3. 印字率が予め設定された閾値以上である前記印刷画像内の高印字率領域を特定する高印字率領域特定部を備え、
    前記制御部が、前記印刷画像内における前記高印字率領域に対してのみ前記2段階インク吐出制御を行う請求項1または2記載のインク吐出制御装置。
  4. 前記インク吐出部が、前記処理液の塗工前のインク吐出を行う第1のインク吐出ヘッドと、前記処理液の塗工後のインク吐出を行う第2のインク吐出ヘッドと、前記処理液を吐出する処理液吐出ヘッドとを備えた請求項1から3いずれか1項記載のインク吐出制御装置。
  5. 印刷媒体中の所定領域の印字率が予め設定された閾値に到達するまでインクを吐出した後、前記印刷媒体に対して前記インクの凝集剤を含む処理液を塗工し、該処理液の塗工後に残りの印字率に応じたインクを吐出するインク吐出制御方法。
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