JP2006306079A - 画像形成装置及び液体除去能力設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メディア上の液体を除去する際に、液体除去部材へのインク色材等の付着を抑制するとともに効率のよい液体除去が行われ、画像故障などの画像品質の劣化を防止する画像形成装置及び液体除去能力設定方法を提供する。
【解決手段】印字部(12)の後段には、記録媒体(16)上の液体を除去する吸収ロール(100)と、吸収ロール(100)の表面状態を検出する汚れセンサ(124)と、を備え、汚れセンサ(124)の検出結果に基づいて吸引装置(108)の吸引力が可変される。また吸収ロール(100)の水分を検出する水分計(136)を備え、吸収ロール(100)の水分量に応じて吸引装置(108)の吸引力が可変される。吸収ロール(100)の状態を検出し、検出結果に応じて吸引装置(108)の吸引力を可変させるので、好ましい液体除去が行われる。
【選択図】 図3

Description

本発明は画像形成装置及び液体除去能力設定方法に係り、特に、メディア上の余剰な液体を効率よく除去することで高品位の画像を形成するインクジェット記録装置その他の画像形成装置及びその液体除去方法に関する。
インクジェット記録装置などの画像形成装置では、水やアルコールなどの溶媒に色材や添加剤を混合した液体インクを用いてメディア上に画像を形成する。画像が形成されたメディアの表面には液体(インク溶媒)が残り、画像劣化(画像故障)、裏移り、コックリングなどが発生する原因となる。インクジェット記録装置では、このようなメディア上に残る液体を速やかに取り除く必要があり、様々な工夫がなされている。特に、メディア上で処理液とインクを反応させてインクに含まれる色材を不溶化する、或いは、色材を凝集させてインクの定着を促進させる方式では、メディア上に付着する液体量が多くなり、液体除去の必要性が高くなっている。
特許文献1に記載されたインク吸収体及び該インク吸収体を用いた画像形成装置・方法では、液体溶媒吸収体と、その表面の少なくとも一部を覆い、インク着色剤との離型性を持ちインク溶媒を透過する離型部材と、を備えたインク吸収体を備え、インクがシート上に付着するとその部分に離型部材を挟んで液体溶媒吸収体を近接させ、離型部材を介して液体溶媒を液体溶媒吸収体に吸収させ、液体インクはシート上において着色剤と液体溶媒とが分離した状態となるように構成されている。また、高分子吸収体内の液量を検出する液量センサを配設し、センサ値が所定値に達したところで絞り機構を作動させるように構成されている。
特許文献2に記載された中間部材上において過剰液体の除去を行うインクジェットプロセスでは、インクジェットデバイスに形成された一次像を転写プロセスゾーンで受取部材に転写する構成において、一次像が形成されると像凝集プロセスにおいて凝集像が形成され、過剰液体除去プロセスゾーンにおいて凝集像からキャリア液体の一部を除去するように構成されている。
特開2001−179959号公報 特開2003−136689号公報
しかしながら、従来は、吸収媒体をメディアに接触させ、吸収媒体をメディアに押圧して液体除去を行っていたが、メディアの種類、厚さ、表面性などの違うメディアに対しての対応が不十分であった。例えば、メディアの種類、厚さ、表面性などにかかわらず、メディア上の液体を除去する際に所定の圧力で吸収媒体をメディアに押圧しているために、表面の平滑性が低いメディアは平滑性が高いメディアに比べてインク色材が吸収媒体へ付着し易く、画像故障、濃度低下、吸収媒体に付着した色材の他のメディアへの再付着などが懸念される。
特許文献1に記載されたインク吸収体及び該インク吸収体を用いた画像形成装置・方法及び特許文献2に記載された転写型インクジェットプリンタでは、インク吸収体の吸収力やその制御について開示されておらず、インク吸収体にインク色材が付着してしまう恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、メディア上の液体を除去する際に、液体除去部材へのインク色材等の付着を抑制するとともに効率のよい液体除去が行われ、画像故障などの画像品質の劣化を防止する画像形成装置及び液体除去能力設定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、記録媒体に液体を吐出させて所望の画像を形成する吐出ヘッドと、前記記録媒体と前記吐出ヘッドとを相対的に搬送させる搬送手段と、前記吐出ヘッドを基準とする前記記録媒体の移動方向下流側に設けられ、前記記録媒体上の液体を除去する液体除去手段と、前記液体除去手段の少なくとも液体除去後の状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御する液体除去制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体上の液体を除去する液体除去手段の少なくとも液体除去後の状態を検出し、その検出結果に基づいて液体除去手段の液体除去能力を制御するように構成されるので、記録媒体上に画像を形成する画像形成体(例えば、インク色材)を除去することなく、適切な液体(溶媒)除去が行われる。
液体除去制御手段の液体除去能力には、例えば、単位時間当たりに除去される液体量や除去される液体に作用する力(圧力)などがあり、この液体除去能力が過多になると記録媒体(記録媒体の表面)から液体以外の物質を除去してしまう恐れがあり、一方、液体除去能力が不足すると所定量の液体を除去することができない恐れがある。
検出手段によって液体除去手段の状態を検出する態様には、液体除去前の状態を検出した後に液体除去後の状態を検出し、液体除去前後の液体除去手段の状態変化を検出する態様がある。
また、吐出ヘッドから吐出される液体には、記録媒体上に画像を形成する画像形成体を含む液体や、該画像形成体を含む液体と反応して画像形成体を凝集(析出)させる液体などがある。
吐出ヘッドには、記録媒体の全幅(記録媒体の画像形成可能幅)に対応した長さの吐出孔列を有するライン型ヘッドや、記録媒体の全幅に満たない長さの吐出孔列を有する短尺ヘッドを記録媒体の幅の方向へ走査させるシリアル型ヘッドがある。
ライン型の吐出ヘッドには、記録媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺の吐出孔列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
記録媒体は吐出ヘッドによって液体の吐出を受ける媒体(メディア)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材料や形状を問わず、様々な媒体を含む。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置の一態様に係り、前記液体除去手段は、液体を吸引する吸引手段を備え、前記液体除去制御手段は、前記吸引手段の吸引力を可変させて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする。
液体を吸引する吸引手段の吸引力を可変させて液体除去手段の液体除去能力が制御され
るので、簡易な制御で精度よく記録媒体上の液体を除去することができる。
吸引手段には吸引ポンプが好適に用いられる。吸引ポンプの回転数を上げると吸引力を上げることができ、回転数を下げると吸引力を下げることができる。即ち、吸引ポンプの回転数を可変させると、記録媒体上の液体に作用する圧力を可変させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置の一態様に係り、前記液体除去手段は、前記記録媒体上の液体に接触して前記記録媒体上の液体を吸収除去する吸収手段と、前記記録媒体の記録面と略垂直方向の成分を有する方向に前記吸収手段を移動させる移動手段と、を備え、前記液体除去制御手段は、前記移動手段によって前記吸収手段の位置を変えて前記吸収手段の前記記録媒体に対する押圧を可変させるように制御することを特徴とする。
液体除去手段には記録媒体上の液体に接触して該液体を吸収する吸収手段を含み、この吸収部材を記録媒体の記録面と略垂直方向の成分を持つ方向に移動させて記録媒体に対する吸収手段の押圧を可変させるように構成される。したがって、吸収手段の押圧を変えることで該吸収手段の液体除去能力が制御され、簡易な構成で効率のよい液体除去が可能になる。
吸収手段には、多孔質部材や不織布など毛細管力を用いて液体を吸収する部材が好適に用いられる。
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の画像形成装置の一態様に係り、前記検出手段は、前記液体除去手段に含まれる液体量を検出する液体量検出手段を含み、前記液体除去制御手段は、前記液体量検出手段の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする。
液体除去手段に含まれる液体量を検出することで、記録媒体から除去された液体量を判断することができ、検出された液体量が所定の範囲内であれば、好適な液体除去が行われたと判断することができる。一方、検出された液体量が所定の範囲外であれば、液体除去量過多或いは過少であると判断し、液体除去能力を変更するように制御するとよい。
また、検出された液体量を記憶しておき、記憶された液体量に基づいて液体除去手段のメンテナンス時期を推定してもよい。例えば、記憶された液体量を逐次加算し、この加算結果を記憶しておき、該加算結果が所定の閾値を超えると液体除去手段のメンテナンス時期と判断する態様がある。液体除去手段のメンテナンス実行後には、液体量検出手段の初期化(リセット)を行う態様が好ましい。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置の一態様に係り、前記検出手段は、前記液体除去手段に付着する付着物を検出する付着物検出手段を含み、前記液体除去制御手段は、前記付着物検出手段の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
液体除去手段の液体除去能力(吸収部材の押圧や吸引手段の吸引力)が過多であると、記録媒体上に画像を形成する画像形成体が液体除去手段に付着してしまうことがある。このような液体除去手段の付着物を検出することで、好ましい液体除去が行われたか否かを判断することができる。付着物検出手段によって液体除去手段に付着する付着物が検出されたときには、液体除去能力を下げるように制御される。
液体除去手段の清掃を実行する清掃手段を備え、液体除去手段の付着物を検出する場合には、付着物検出実行前に、液体除去手段の清掃を実行する態様が好ましい。この付着物には、画像形成体などの固体、液体(溶媒)、半固体状態の物質が含まれていてもよい。また、液体除去部材の内部に浸透した液体が含まれていてもよい。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の画像形成装置の一態様に係り、前記記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段を備え、前記液体除去制御手段は、前記記録媒体判断手段によって判断された記録媒体の種類に応じて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする。
記録媒体の種類に応じて液体除去手段の液体除去能力が制御されるので、記録媒体に応じた好ましい液体除去が行われる。
記録媒体の種類には、表面性(平坦性)や記録媒体の厚みなどの要素から判断される。例えば、記録媒体の厚みに応じて液体除去時における液体除去手段の位置を移動させるように制御される態様がある。
記録媒体判断手段による記録媒体の種類を判断する態様には、ユーザインターフェイスを介してユーザが記録媒体情報を入力するように構成してもよいし、センサや撮像素子などの検出手段を用いて記録媒体を直接的に読み取り、この読取結果から記録媒体の種類を判断してもよい。また、記録媒体を供給する供給手段に記録媒体の種類を含む情報を記憶させる情報記録体(メモリ、ICタグ等)を備え、この情報記録体から記録媒体の種類(メディア種)を読み取るように構成してもよい。
また、前記目的を達成するために請求項7に記載のインクジェット記録装置は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の画像形成装置を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記吐出ヘッドは、前記記録媒体上に画像を形成するインクを吐出させるインクジェットヘッドと、前記インクと反応させて前記インクを記録媒体に定着させる処理液を吐出させる処理液吐出ヘッドと、を含むことを特徴とする。
処理液とインクとを反応させて、インクの定着を促進させる2液系のインクジェット記録装置では、未反応のインク(インク溶媒)及び余剰な処理液が効率よく除去されるとともにインク色材を除去することなく、好ましい液体除去が行われる。特に、記録媒体上に多量の液体(溶媒)が吐出される2液系のインクジェット記録装置では、大きな効果を得ることができる。
また、本発明は前記目的を達成するための方法発明を提供する。即ち、請求項9に記載の発明に係る液体除去能力設定方法は、記録媒体に液体を吐出させて所望の画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に液体除去手段を用いて前記記録媒体上の液体を除去する液体除去工程と、前記液体除去工程後に前記液体除去手段の状態を検出する検出工程と、前記検出工程の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を設定する設定工程と、を含むことを特徴とする。
画像形成工程と液体除去工程との間に液体除去前の液体除去手段の状態を検出する液体除去前検出工程を設け、液体除去後の液体除去手段の状態と液体除去前の液体除去手段の状態と変化に基づいて液体除去手段の液体除去能力を設定してもよい。
液体除去工程の実行前に液体除去手段をクリーニングするクリーニング工程を備えると
より好ましい。また、液体除去能力の初期値(デフォルト値)を設定する初期値設定工程を含む態様が好ましい。
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の液体除去能力設定方法の一態様に係り、前記画像形成工程は、前記記録媒体上にテスト画像を形成することを特徴とする。
記録媒体上にテスト画像を形成し、該テスト画像における液体除去結果から液体除去量の適否を判断するので、実画では常に好ましい液体除去が行われる。
本発明によれば、記録媒体上の液体を除去する液体除去手段の状態を検出し、その検出結果に応じて記録媒体に対する吸引手段の吸引力や液体除去手段の押圧などの液体除去能力が制御されるように構成されるので、記録媒体上に画像を形成する画像形成体を除去することなく好ましい液体除去が行われる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1実施形態、インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Y及び、これらのインクと反応させてインクの定着を促進させる処理液吐出ヘッド12S(以下、印字ヘッド12K,12C,12M,12Y及び処理液吐出ヘッド12Sを総称してヘッド12S,12K,12C,12M,12Yと記載することがある。)を有する印字部12と、各色インクに対応する印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応するインク及び処理液吐出ヘッド12Sに対応する処理液を貯蔵する貯蔵/装填部14と、被記録媒体たる記録媒体16を供給する給紙部18と、記録媒体16の種類を検出するメディア検出部19と、記録媒体16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のインク吐出面に対向して配置され、記録媒体16の平面性を保持しながら記録媒体16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印字検出部24の後段に設けられ記録媒体16上の液体(溶媒)を除去する液体除去部25と、印画済みの記録媒体16(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録媒体16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判定し、用紙の種類に
応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
また、インクジェット記録装置10は、印字部12の前段側に記録媒体16の種類を検出するメディア検出部19を備えている。詳細は後述するが(図3参照)、メディア検出部19は、記録媒体16の厚みを検出する厚みセンサと、記録媒体16の表面性(平滑性)を検出する表面性センサと、を含んで構成されている。図1には図示しない厚みセンサ及び表面性センサはそれぞれ図3に符号120、122として記載されている。なお、上述した情報記録体に記録媒体16の厚み情報や表面性情報などメディア検出部19によって得られる情報が記憶されている場合にはメディア検出部19は省略可能である。
給紙部18から送り出される記録媒体16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録媒体16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録媒体16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のインク (処理液)吐出面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録媒体16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録媒体16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図7等に符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録媒体16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yと記録媒体16が対向し、記録媒体16が処理液及びインクの打滴を受ける印字領域 (吐出領域)では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録媒体16に加熱空気を吹き付け、記録媒体16を加熱する。印字直前に記録媒体16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録媒体16の少なくとも一辺を超える長さにわたってノズルが複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録媒体16の送り方向(以下、紙送り方向という。)に沿って上流側から処理液(S)に対応した処理液吐出ヘッド12S、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録媒体16を搬送しつつ処理液吐出ヘッド12Sから処理液を吐出させ、該処理液が付着した記録媒体16上に(該処理液上に)各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出させることにより記録媒体16にはカラー画像を形成し得る。
このようにして紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドが処理液及び各色インクごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録媒体16と印字部12とを相対的に移動させる動作を一回行うだけで(即ち、1回の副走査で)、記録媒体16の全面に画像を形成することができる。これにより、ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示すように、貯蔵/装填部14は処理液吐出ヘッド12Sに対応する処理液タンク14S及び、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンク14K,14C,14M,14Yを有している。各タンクは所要の管路(不図示)を介して各ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yと連通されている。
また、貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、各色インク間、インク−処理液間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の印字結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yによる処理液及びインクの吐出幅(印字可能幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定など
で構成される。
印字検出部24の後段(紙送り方向下流側)には、記録媒体16上に残留する(反応せずに残っている)処理液及び、記録媒体16上に残留するインク溶媒を除去する液体除去部25が配置されている。なお、液体除去部25の詳細は後述する。
液体除去部25の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、記録媒体16を乾燥させると共に画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔液体除去部の説明〕
次に、図3を用いて、液体除去部25について詳述する。図3は、液体除去部25の構成を示す要部構成図である。
図3に示すように、液体除去部25は、紙送り方向と略直交する方向に記録媒体16の幅方向に対応する長さ(記録媒体16の全幅と略同一長さ又はそれ以上の長さ)を有する吸収ロール100と、吸収ロール100の両端部に連結される支持部材101を介して吸収ロール100を支持し、吸収ロール100と記録媒体16との距離を可変させるよう(吸収ロール100を記録媒体16の記録面と略垂直方向に移動させるように)に駆動源102によって駆動される押圧アーム104と、吸収ロール100に吸収(吸収ロール内に収容)されている液体をチューブ106を介して吸引する吸引装置(ポンプ)108と、吸引装置108によって吸収ロール100から吸引された液体を受容する液体受け110と、吸収ロール100に当接して吸収ロール100の表面に付着するインク色材や異物、吸収ロール100の表面近傍の液体を除去するクリーニングロール112と、を備えている。
吸収ロール100は記録媒体16上の液体と接触する接液部100Aが不織布、親水性多孔質部材、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン系材料などの液体吸収性に優れた部材によって構成され、記録媒体16上の液体(主としてインク溶媒と処理液溶媒)は毛細管力によって接液部100Aに吸収除去される。
また、吸収ロール100はチューブ106を介して吸引装置108につながれる。この吸引装置108を動作させて吸収ロール100に設けられた中空部分に負圧を発生させる
ことで吸収ロール100によって記録媒体16上から吸収除去された液体が液体受け110に排出される。
更に、吸収ロール100は、不図示の回動機構により支持部材101を回動軸として回動自在に構成されている。即ち、液体除去実行時には、吸収ロール100を記録媒体16上の液体(或いは記録媒体16)に接触させるとともに、吸収ロール100を回動させる。
吸収ロール100の押圧(吸収ロール100の記録媒体16の厚み方向の位置)を可変させる押圧アーム104を駆動する駆動源102には、ステッピングモータやサーボモータなどの位置制御(回転量制御)可能なモータ(モーションアクチュエータ)が好適に用いられる。この駆動源102に与える駆動信号を管理して押圧アーム104の移動量を制御し、吸収ロール100と記録媒体16との距離(クリアランス)を可変させることができる。
記録媒体16の厚みが変わる場合や吸収ロール100の記録媒体16に対する押圧を変える場合などには、この吸収ロール100と記録媒体16との距離が可変される。なお、ここでいう吸収ロール100と記録媒体16との距離を可変させることには、吸収ロール100が記録媒体16の表面に接触する状態(即ち、吸収ロール100と記録媒体16との距離がゼロの状態)から更に吸収ロール100を記録媒体16側へ移動させる(吸収ロール100を記録媒体16に所定の圧力で押し付ける)ことが含まれている。言い換えると、吸収ロール100が記録媒体16と接触する位置を基準位置として吸収ロール100が記録媒体16から離れる方向の距離を正方向とするときに、吸収ロール100を負方向に移動させるように駆動源102を駆動してもよい。
吸収ロール100の接液部100Aを多数の穴(吸引孔)を持つ金属や樹脂などの中空部材で構成し、この中空部分に吸引装置108から負圧を発生させることで記録媒体16上の液体を吸引除去してもよい。このようにして記録媒体16上の液体を吸引除去する態では、吸引装置108によって発生される負圧を可変させて単位時間あたりに吸収ロール100によって除去される液体の量を制御することができる。
即ち、吸引装置108の発生圧力を大きくすると吸収ロール100の単位時間当たりの液体除去量は大きくなり、該負圧を小さくすると吸収ロール100の単位時間当たりの液体除去量は小さくなる。
クリーニングロール112は、記録媒体16の幅方向に吸収ロール100と略同一長さを有し、その両端部は支持部材114を介して押圧アーム104に支持される。吸収ロール100の接液部100Aに多孔質部材などを用いる場合には、クリーニングロール112は接液部100Aよりも浸透性のよい部材が用いられる。
クリーニングロール112は不図示の移動機構によって、吸収ロール100と接触するクリーニング位置と、吸収ロール100に接触しない非接触状態となる退避位置と、の間を移動可能に構成されている。吸収ロール100のクリーニングを実行時にはクリーニングロール112をクリーニング位置に移動させ、吸収ロール100のクリーニング非実行時には、クリーニングロール112を退避位置に移動させる。また、クリーニングロール112は支持部材114を回動軸として回動 (従動)可能に構成されている。
なお、吸収ロール100の接液部100Aに多数の吸引孔を持つ金属部材や樹脂部材を用いる場合には、クリーニングロールに代わりブレード状の部材を用い、該ブレードを接液部100Aに摺動させて接液部100Aの表面に付着した液体やインク色材などの固体
を除去してもよい。
また、吸収ロール100の紙送り方向上流側には、記録媒体16の厚みを検出する厚みセンサ120と、記録媒体16の表面性を検出する表面性センサ122と、を備えている。この厚みセンサ120及び表面性センサ122は、図1のメディア検出部19に含まれる。厚みセンサ120及び表面性センサ122によって記録媒体16の厚みや表面性(記録媒体16表面の平滑性)を検出する方法には公知の技術を適用することができる。例えば、記録媒体16の表面性の判断では、記録媒体16に光を照射する発光部と、この反射光を受光する受光部と、を有するセンサを用い、受光部で検出された光量や波長などの情報から記録媒体16の表面性を判断する態様がある。
一方、吸収ロール100の紙送り方向下流側には、100の表面に付着するインク色材や異物などを検知する汚れセンサ124と、汚れセンサ124を吸収ロール100の長手方向に沿って走査させるキャリッジ126と、を備えている。汚れセンサ124は吸収ロール100の長手方向の長さよりも短い幅を有し、キャリッジ126を吸収ロール100の長手方向に沿って吸収ロール100の長手方向の全域にわたり移動させることで、吸収ロール100の全領域において表面に付着した付着物(汚れ)が検出される。汚れセンサ124のよる吸収ロール100表面の付着物を検出する方法には公知の技術が用いられる。例えば、吸収ロール100の表面に所定の光を照射する発光素子と、吸収ロール100の表面で照射された反射光を受光する受光部と、を備え、吸収ロール100の表面と付着物の反射率の違いから吸収ロール100表面の付着物の有無を判定する方法がある。
図3には、吸収ロール100の幅よりも短い幅を持つ汚れセンサ124を走査させて吸収ロール100の全幅にわたって付着物の検出を行う態様を示したが、吸収ロール100の幅に対応する幅を有する汚れセンサ124を備えてもよい。
また、吸収ロール100には吸収ロール100に含まれる水分量を検出する水分量検出部(図3中不図示、図7に符号150で図示)が備えられる。該水分量検出部は、吸収ロール100内に配設される1対の電極130、132を含む水分計センサ134で構成され、水分量センサ134から得られる電極130と132と間の抵抗値から吸収ロール100に含まれる水分量の情報(信号)を推定する。
図3に示すように、水分計センサ134が設けられる吸収ロール100の回動方向の位置 (位相)には位相検出マーク140が設けられ、本体側に備えられた位相検出センサ142を用いて吸収ロール100の回動方向の位相が検出されるように構成されている。即ち、吸収ロール100の水分量を検出する際には、吸収ロール100を回動させて水分計センサ134の位相合わせが行われる。なお、水分計136で検出される水分には、インク溶媒及び処理液に含まれる水以外の溶媒が含まれている。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yの構造について説明する。ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図4(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図4(b) はその一部の拡大図である。また、図4(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図5はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図4(a),(b) 中の5−5線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図4(a) 〜(c) 及び図5に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等から
なる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態におけるヘッド50は、図4(a),(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が紙送り方向と略直交する方向に記録媒体16の全幅(印字可能幅)に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図4(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、被記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
なお、処理液は、記録媒体16上においてインクが打滴される領域に略一様(略均一)に付着させればよいため、インクに比べると高密度ドット形成は要求されない。したがって、処理液吐出ヘッド12Sはインク吐出用のヘッド50(12K,12C,12M,12Y)に比べて、ノズル数を少なく(ノズル密度を低く)した構成も可能である。また、処理液吐出ヘッド12Sのノズル径をインク吐出用のヘッド50のノズル径よりも大きくする構成も可能である。
図5に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板(振動板)56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されている。加圧板56と兼用される共通電極と個別電極57との間に駆動信号を印加することによって圧電素子58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。また、図5に示すインク室ユニット53の構造はあくまでも一例であり、もちろん他の構造を適用してもよい。
かかる構造を有するインク室ユニット53は、図4(a),(b) に示す如く、ヘッド50の長手方向である主走査方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜め方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ、2400dpi)におよぶ高密度のノズルを実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、主走査方向に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列しているものとして説明する。ここで、図4(a),(b) に示す主走査方向は、図3に示すセンサ走査方向と略平行方向となっており、図4(a) に示す副走査方向は、図3に示す紙送り方向と略平行方向となっている。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態ではピエゾ素子に代表される圧電素子58の変形によってインク滴を飛ばす方法が採用されているが、本発明の実施に際してインクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔インク供給系及び処理液供給系 (供給系)の説明〕
次に、本インクジェット記録装置10の処理液供給系及びインク供給系について説明する。なお、本例では、処理液供給系とインク供給系は同一の基本構成を有しており、図6に示すインク供給系を用いて説明する。以降、処理液供給系とインク供給系とを総称して供給系と記載することがある。
図6には、本インクジェット記録装置10に備えられるインク供給系の構成を示す。なお、図6に示すインク供給系は、図1で説明した貯蔵/装填部14に相当する。
図6に示すインク供給系には、インク (処理液)を供給するための基タンクであるインク供給タンク (処理液供給タンク)60が設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
また、インク供給タンク60のインクは、異物や気泡を除去するためにフィルタ62、所定の管路 (不図示)を介してヘッド50に供給される。フィルタ62のフィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクはヘッド50の内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク及び処理液の粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
該キャップは、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップで覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インク及び処理液が吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒及び処理液溶媒が蒸発してインク粘度及び処理液粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子58が動作してもノズル51からインク及び処理液を吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(即ち、圧電素子58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子58を動作させ、その劣化インク及び劣化処理液(粘度が上昇したノズル近傍のインク、処理液)を排出すべくキャップに向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、圧電素子58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッ
ド50に前記キャップを当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインクS(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク及び処理液全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)によりヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
〔制御系の説明〕
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェイス70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84、押圧制御部85、吸引制御部87等を備えている。
通信インターフェイス70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェイス部である。通信インターフェイス70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェイスやセントロニクスなどのパラレルインターフェイスを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェイス70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。
メモリ74は、通信インターフェイス70を介して入力された画像を一旦記憶する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェイス70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、押圧制御部85等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89及びを制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバである。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって加熱ファン40等のヒータ89を駆動するドライバである。
なお、図7にはモータ88を1つだけ図示したが、実際には、ベルト吸着搬送部22の駆動モータや吸収ロール100の回動機構、移動機構のモータなど、複数のモータ (アクチュエータ)が含まれている。また、複数のモータ88を制御するモータドライバ76は各モータに対応して複数設けられる。もちろん、複数のモータドライバの一部又は全部を
集積化してもよい。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データをヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、ヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴及び処理液の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて駆動信号を生成し、この駆動信号によって各ヘッド12S,12K,12C,12M,12Yの圧電素子を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、押圧制御部85は、システムコントローラ72から送られる指令信号に基づいて駆動信号(パルス信号)を生成し、この駆動信号によって押圧アーム104の駆動源102を駆動する。即ち、駆動源102にステッピングモータやサーボモータなどの位置制御型モータを適用し、押圧アームの移動量を該パルス信号のパルス数(駆動信号の移動量情報)で管理される。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェイス70を介して外部(例えば、ホストコンピュータ86)から入力され、メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ74に記憶される。
メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
本例では、システムコントローラ72に付随する記憶部としてメモリ74を示したが、メモリ74は複数のメモリ(記憶媒体)から構成されていてもよい。また、システムコントローラ72にメモリが内蔵されていてもよい。なお、メモリ74に記憶される情報には、上述したRGB画像データ以外にも、各種設定情報、システムパラメータ、条件判断に用いられるしきい値テーブル、各種データテーブルや各種補正に用いられる補正係数などが含まれていてもよい。
吸引制御部87は、システムコントローラ72の制御信号に基づいて、吸引装置108のオンオフ、回転数、回転周波数を制御する。吸引制御部87を介して吸引装置108の駆動力を制御することで、図3に示す吸収ロール100の吸収力(液体除去能力)を可変させることができる。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部9
0はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェイスを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち複数の記録媒体を備えてもよい。
なお、プログラム格納部90は動作パラメータ(システムパラメータ)等の不図示の記録手段(メモリ)と兼用してもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録媒体16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って吐出状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
本インクジェット記録装置10は、ヘッド50や印字領域にある記録媒体16の周囲温度及び周囲湿度を検出する温度検出部92、湿度検出部94を備えており、温度検出部92によって検出された温度(温度情報)を表す温度信号及び湿度検出部94によって検出された湿度 (湿度情報)を表す湿度信号は、システムコントローラ72に送られる。システムコントローラ72では、この温度信号及び湿度信号に基づいて所望の(設定された)温度及び湿度が維持されるようにヒータ89や冷却ファン(不図示)などの温度可変手段を制御する。
また、本インクジェット記録装置10は、使用するメディアの種類を判定するメディア判定部96を備え、メディア判定部96で判定されたメディアの種類に応じて、吸収ロール100と記録媒体16との距離、吸引装置108の吸引力、処理液及びインクの吐出制御、ヘッド50の温度制御、湿度制御などの各種制御が行われる。即ち、メディア判定部96によって判定されたメディア種類情報がシステムコントローラ72に送られると、システムコントローラ72ではこのメディア種類情報に基づいて各部を制御するように構成されている。
メディア判定部96によってメディアの種類を判定する態様は、キーボードやタッチパネルなどのマンマシンインターフェイスを介してオペレータが所望のメディアの種類を入力してもよいし、記録媒体16のマガジンやトレイに取り付けられた紙の種類情報が記録されたバーコード或いは無線タグなどの情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別してもよい。
一方、メディア検出部19を用いて使用する記録媒体16の種類を直接検出し、その検出結果からメディア種を判定することが可能である。メディア検出部19に含まれる厚みセンサ120及び表面性センサから得られた記録媒体16の厚み情報や記録媒体16の表面性情報は、システムコントローラ72に送られる。システムコントローラ72では、この記録媒体16の厚み情報や表面性情報に基づいて図3に示す吸収ロール100と記録媒体16との距離(吸収ロール100の押圧)や吸引装置108の吸引力などが制御される。
例えば、記録媒体16に塗工紙や再生紙などの表面が粗いメディアはインク色材が付着しにくく、色材が吸収ロール100の表面に移らないように吸収ロール100が記録媒体16を押圧する力或いは吸引装置108の吸引力を弱める必要がある。一方、OHPなど表面性がよい平滑なメディアはその表面から色材が取れにくく、吸収ロール100にインク色材が付着しにくいので吸収ロール100が記録媒体16を押圧する力或いは吸引装置108の吸引力を上げて液体除去の効率を上げることができる。
汚れセンサ124から得られた吸収ロール100の表面状態情報はシステムコントローラ72に送られる。システムコントローラ72では、汚れセンサ124から得られた吸収ロール100の表面状態情報をメモリ74などのメモリに定期的に記憶し、この記憶されている吸収ロール100の表面状態情報と、汚れセンサ124から得られた吸収ロール100の表面状態情報との差分を求め、この差分と所定の閾値とを比較した比較結果に応じて吸収ロール100が記録媒体16を押圧する力或いは吸引装置108の吸引力が制御される。このような方法を用いることで、吸収ロール100に元々付着している付着物の影響がキャンセルされる(吸収ロール100のキャリブレーションを行うことと等価である)。また、吸収ロール100の表面状態情報を定期的に記憶し、これらを逐次加算(積算)して、吸収ロール100の表面状態が変化する速度(汚れの進行速度)を算出することができ、この汚れの進行速度に基づいて吸収ロール100の交換時期を推定してもよい。更に、このようにして推定された吸収ロール100の交換時期をユーザに報知するように構成してもよい。
また、水分量センサ134、水分計136を含む水分量検出部150から得られた吸収ロール100に含まれる水分量の情報 (水分量情報)は、システムコントローラ72に送られる。システムコントローラ72では、水分量検出部150から得られた水分量と予め決められた閾値とを比較し、その比較結果に基づいて記録媒体16から除去された液体量が判断される。
〔液体除去制御の説明〕
次に、インクジェット記録装置10にて実行される液体除去制御における吸収ロール100の液体除去能力(記録媒体16を押圧する力或いは吸引装置108の吸引力)を設定する液体除去能力設定制御について詳細に説明する。インクジェット記録装置10は、記録媒体16上に残留する溶媒を除去し、印字後の記録媒体16の印字面が他の記録媒体16に接触して起こる裏移りや画像の汚れを防止と共に、記録媒体16のコックリングを防止するように構成されている。インクジェット記録装置10の液体除去制御では、記録媒体16の種類に応じて吸収ロール100の液体除去能力を設定(調整)して、記録媒体16に応じた好ましい液体除去が実行される。なお、本例には、吸引装置108の吸引力を可変させて吸収ロール100の液体除去能力を制御する態様を示す。
図8乃至図10は、本例に示す液体除去能力設定制御の流れを示すフローチャートである。図8には、本制御のメインフローチャートを示し、図9及び図10にはそれぞれ、図8のデフォルト値設定サブルーチン、吸収ロール初期化サブルーチンのフローチャートを示す。
図8に示すように、液体除去能力設定制御が開始されると(ステップS10)、吸収ロール100の液体除去時の記録媒体16の厚み方向の位置(吸収ロール100の押圧)や、吸引装置108の吸引力などのデフォルト値を設定するデフォルト値設定が実行される(ステップS12)。図8のデフォルト値設定の詳細を図9に示す。
図9に示すように、デフォルト値設定が開始されると(ステップS100)では、記録媒体(メディア)の検出/選択(プリセット)が実行される(ステップS102)。このステップS102では、図7のメディア判定部96によって記録媒体16の種類を判定してもよいし、メディア検出部19を用いて記録媒体16の厚みなどを検出してもよい。
その後、図9のステップS104では、ステップ102でプリセットされた記録媒体16に応じて吸引装置108の吸引力のデフォルト値が決められる。記録媒体16の種類と吸引装置108の吸引力のデフォルト値との関係を予めデータテーブルに記憶しておき、ステップS102でプリセットされた記録媒体16に基づいて該データテーブルを参照して吸引装置108の吸引力のデフォルト値を決定するように構成するとよい。
次に、記録媒体16の厚み情報が取得(用紙厚みの検知)されると(ステップS106)、この記録媒体16の厚み情報に基づいて吸収ロール100の液体除去時(オン時)のデフォルト位置が決められ(ステップS108)、更に、吸引装置108の溶媒除去時の回転数のデフォルト値が決められ(ステップS110)、デフォルト値設定が終了される(ステップS112)。即ち、図9に示すデフォルト値設定では、液体除去時における吸収ロール100のデフォルト位置、吸引装置108の回転数のデフォルト値が決められる。
図8のステップS12に示すデフォルト値設定が終了すると、吸収ロール100の初期化が実行される(ステップS14)。図8のステップS14に示す吸収ロール100の初期化の詳細を図10に示す。
図10に示すように、吸収ロール100の初期化が開始されると(ステップS140)、吸引装置108のオン(或いは、吸引装置108のオンタイミングを示すタイマー)が設定され、吸引装置108を高速動作させて、吸収ロール100表面及び内部に含まれる水分が除去されるとともに、水分計136がリセットされる(ステップS142)。なお、吸収ロール100を含まれる水分を除去する方法として、吸収ロール100に加熱されたエアーを吹き付けるなど、吸収ロール100を乾燥させる方法を適用してもよい。
次に、クリーニングロール112を用いて吸収ロール100のクリーニングが実行され(ステップS144)、図8のステップS14に示す吸収ロール100の初期化が終了される(ステップS146)。なお、図10のステップS144において、吸収ロール100のクリーニングを実行するタイミングを示すタイマーを設定するように構成してもよい。吸収ロール100のクリーニングはドライクリーニング(吸収ロール100に加熱したエアーを吹き付けて乾燥させ、表面に付着する異物をはく離させる方法)を適用してもよいし、ウエットクリーニング(吸収ロール100にクリーニング液を吹き付けて汚れを除去する方法)を適用してもよい。
図10に示す吸収ロール100の初期化が終了すると、汚れセンサ124を用いて吸収ロール100の表面状態が検出され(図8のステップS16)、検出結果(データ1)が記憶される(ステップS18)。ステップS18で取得したデータ1は吸収ロール100の初期表面状態(初期状態の汚れ情報)になる。
次に、記録媒体16上の液体除去が水分計センサ134の配設位置で実行されるように、吸収ロール100の位相合わせが行われ(ステップS20)、テストプリントが実行される(ステップS22)。ステップS22のテストプリントでは、図9のステップS102でプリセットされた記録媒体16の種類における最大吐出量となる条件でインクの吐出が行われる。
ステップS22においてテストプリントが実行されると、吸収ロール100を記録媒体16上の液体に接触させて(吸収ロール100をオンして)記録媒体16上の液体除去が実行され(ステップS24)、所定の時間が経過すると、吸収ロール100と記録媒体16とを非接触状態になるように吸収ロール100をオフして(ステップS26)、汚れセンサ124をスキャンさせて吸収ロール100の表面状態の検出が実行される(ステップS28)。
ステップS28で取得した吸収ロール100の表面状態情報(データ2)が記憶される
と(ステップS30)、データ2からデータ1を減じた表面状態の差分データが所定の閾値と比較される(ステップS32)。この表面状態の差分データが吸収ロール100の表面状態の変化量(液体除去時に付着した付着物に相当)である。
ステップS32において、前記差分データ((データ2)−(データ1))が所定の閾値よりも小さい場合、即ち、吸収ロール100の表面にインク色材などの異物が付着していない場合(或いは、異物が付着していてもごく微量であり問題にならない場合)には(NO判定)、ステップS34に進む。
ステップS34では、吸収ロール100の水分量(液体除去時に吸収ロール100が記録媒体16から除去した液体量)が所定の閾値と比較され、該水分量が所定の閾値よりも大きい場合には(NO判定)、吸収ロール100から所定量の液体が除去されるとともに液体除去時にインク色材を除去していないので、吸引装置108の吸引力は適正であると判断し、吸引装置108の吸引力をデフォルト値に設定して(或いは、デフォルト値のままで)、当該液体除去能力設定制御は終了される(ステップS36)。
一方、ステップS34において吸収ロール100の水分量が所定の閾値よりも小さい場合には(YES判定)、吸引装置108の吸引力不足(設定されている吸引力では所定量の液体を除去できない)と判断され、吸引装置108の吸引力を1段階上げ(ステップS38)、ステップS14に戻る。
また、ステップS32において、前記差分データ((データ2)−(データ1))が所定の閾値よりも大きい場合、即ち、吸収ロール100の表面に許容できないインク色材などの異物が付着している場合には(YES判定)、吸引装置108の吸引力を1段階下げて(ステップS40)、ステップS14に進む。
このようにして、図8に示すステップS14からステップS40を繰り返しながら、記録媒体16の種類に適した吸引装置108の吸引力が求められる。
図8には、吸引装置108の吸引力を可変させて吸収ロール100の液体除去能力を可変させる態様を示したが、吸収ロール100の押圧を可変させて吸収ロール100の液体除去能力を可変させる態様では、ステップS38において吸引装置108の吸引力を1段階上げる代わりに吸収ロール100の記録媒体16に対する押圧を1段階上げるように押圧アーム104を動作させ、また、ステップS40において吸引装置108の吸引力を1段階下げる代わりに吸収ロール100の記録媒体16に対する押圧を1段階下げるように押圧アーム104を動作させる。
〔吸収ロールの液体除去能力〕
上述したように、吸収ロール100の液体除去能力を可変させる方法には、吸収ロール100の記録媒体16に対する押圧(吸収ロール100の厚み方向の位置)を変える方法及び、吸引装置108の吸引力(回転数)を変える方法がある。これらのうち、何れか一方を変えてもよいし、両方とも変えてもよい。また、記録媒体16の特性に応じて液体除去能力テーブル(吸収力テーブル)を予め記憶しておき、この吸収力テーブルに従って液体除去能力を変えてもよい。
図11及び図12には吸収力テーブルの一例を示す。図11に示す吸収力テーブル200はOHP(樹脂フイルム)に対応しており、図12に示す吸収力テーブル202はアート紙に対応している。
記録媒体16にOHPを用いる場合、液体除去時にインク色材が吸収ロール100に付
着しにくいので、主として吸引装置108の吸引力(回転数)を変えて吸収ロール100の液体除去能力が調整される。即ち、液体除去能力を1段階上げる場合(図11の(+1))には、吸収ロール100の位置を変えずに吸引装置108の回転数がデフォルト値(図11の(0) )を基準として1.2倍になるように制御される。また、液体除去能力を2段階上げる場合(図11の(+2))には、吸収ロール100の位置(クリアランス)がデフォルト値を基準として0.8倍になるように(吸収ロール100をデフォルト位置よりも記録媒体16に近づくように)吸収ロール100が移動されるとともに吸引装置108の回転数がデフォルト値を基準として1.4倍になるように制御される。
一方、吸収ロール100の液体除去能力を1段階下げる場合(図11の(-1))には、吸収ロール100の位置をデフォルト位置から変えずに吸引装置108の回転数がデフォルト値の0.8倍となり、吸収ロール100の液体除去能力を2段階下げる場合(図11の(-2))には、吸収ロール100の位置(クリアランス)がデフォルト値を基準として1.2倍になるように(吸収ロール100をデフォルト位置よりも記録媒体16から遠ざかるように)吸収ロール100が移動されるとともに吸引装置108の回転数がデフォルト値を基準として0.6倍になるように制御される。
記録媒体16にアート紙を用いる場合、液体除去時にインク色材が吸収ロール100に付着しやすいので、主として吸収ロール100の記録媒体16の厚み方向の位置を変えて液体除去能力が調整される。即ち、液体除去能力を1段階上げる場合(図12の(+1))には、吸引装置108の回転数をデフォルト値(図12の(0) )から変えずに吸収ロール100の位置がデフォルト位置の0.9倍になるように制御される。また、液体除去能力を2段階上げる場合(図12の(+2))には、吸引装置108の回転数がデフォルト値を基準として1.1倍になるとともに吸収ロール100の位置(クリアランス)がデフォルト値を基準として0.8倍となるように吸収ロール100を移動させる。
一方、吸収ロール100の液体除去能力を1段階下げる場合(図12の(-1))には、吸引装置108の回転数をデフォルト値(図12の(0) )から変えずに吸収ロール100の位置がデフォルト位置の1.1倍になるように制御される。また、液体除去能力を2段階下げる場合(図12の(-2))には、吸引装置108の回転数がデフォルト値を基準として0.9倍になるとともに吸収ロール100の位置(クリアランス)がデフォルト値を基準として1.2倍となるように吸収ロール100を移動させる。
図11及び図12に示すような記録媒体16の種類ごとの吸収力テーブルを予め記憶しておき、この吸収力テーブルを参照して吸収ロール100の液体除去能力を調整するとよい。また、吸収ロール100の経時的変化に応じて該吸収力テーブルが更新されるように構成するとより好ましい。
なお、インクの種類よって、記録媒体16からはく離しやすい性質を有するものや、吸収ロール100に付着しやすい性質を有するものがあるので、インクの種類に応じて吸収ロール100の液体除去能力を変えてもよい。
〔テストプリントの他の態様〕
図8のフローチャートで示す液体除去能力設定制御では、テストパッチを1パッチずつ印字して1段階ずつ液体除去能力を変えながら、使用される記録媒体16に好適な液体除去能力を設定したが、図13に示すように、連続的なテストパッチを印字して、段階的に液体除去能力を変えながら最適な液体除去能力を設定してもよい。図13には、紙送り方向に沿って5つのテストパッチ220〜228から成るテストパターン230を形成し、テストパッチごとに液体除去能力を変えて液体除去を実行し、吸収ロール100の表面状態及び水分量を検出し、その検出結果に基づいて最適な吸収ロール100の液体除去能力
が求められる。
図13に示すテストパッチ220〜228は、間隔Lで等間隔に並べられる。このテストパッチの配置間隔Lを吸収ロール100の周長と略同一とすることで、常に水分計センサ134がある位置で液体除去が可能になる。また、吸収ロール100の液体除去能力は、図11(又は図12)に示す吸収力テーブル200(202)を参照して決められている。
図13に示す例では、テストパッチ220の液体除去における液体除去能力は図11に示す2段階ダウン(-2)の液体除去能力が適用され、テストパッチ222の液体除去における液体除去能力は図11に示す1段階ダウン(-1)の液体除去能力が適用される。また、テストパッチ224の液体除去における液体除去能力はデフォルト値(0) の液体除去能力が適用され、テストパッチ226,228の液体除去における液体除去能力にはそれぞれ図11の1段階アップ(+1)、2段階アップ(+2)の液体除去能力が適用される。即ち、テストパッチ220〜228の液体除去における液体除去能力は、図11の2段階ダウンの液体除去能力から2段階アップの液体除去能力まで1段階ずつ変えられる。なお、各テストパッチを形成する際には最大吐出量となる条件にてインクが吐出される。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、記録媒体16上の厚さや表面性などに応じて液体除去実行時の吸収ロール100の液体除去能力を設定するように構成されている。具体的には、記録媒体16にテストパターンを印字し、該テストパターンに対して液体除去を実行し、液体除去実行後に吸収ロール100に付着するインク色材等の付着物や吸収ロール100に含まれる水分量を検出して、この検出結果に基づいて吸収ロール100の液体除去能力の調整が行われる。したがって、記録媒体16の種類に応じた好適な液体除去が実行され、液体除去能力の不足による液体除去能力不足により発生するコックリングや、液体除去能力過多によるインク色材のはく離などが防止され、記録媒体16には好ましい画像が形成される。
上記実施形態には、記録媒体16上で処理液とインクとを反応させてインク色材を記録媒体に定着させる2液系を例示したが、本発明は、処理液を使用せずに記録媒体16の表面又は内部にインクを定着させる態様にも適用可能である。
また、温度や湿度が変化するとインクや処理液の粘度や表面張力などが変化したり、記録媒体16の表面状態、厚みなどが変化したりするので、温度及び湿度による吸収ロール100の押圧或いは吸引装置108の吸引力の補正係数を予め準備しておき(温度、湿度ごとの補正テーブルを記憶しておき)、温度検出部92、湿度検出部94の検出結果に基づいて吸収ロール100の液体除去能力を制御するとよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置300について説明する。インクジェット記録装置300では、記録媒体16をセンシングして、その結果に基づいて液体除去における吸収ロール100の液体除去能力を制御するように構成される。本例には、吸引装置108の吸引力を可変させて吸収ロール100の液体除去能力を制御する態様を示す。
図14は、インクジェット記録装置300の液体除去部302の構成を示す要部構成図であり、図15はインクジェット記録装置300のシステム構成を示す要部ブロック図である。なお、インクジェット記録装置300の全体構成は、図1に示すインクジェット記録装置10とほぼ同一であり、ここでは全体の説明を省略して図1に示すインクジェット記録装置10と異なる部分について説明する。また、図14中図3と同一又は類似する部
分及び、図15中図7と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図14に示すインクジェット記録装置300の液体除去部302には、吸収ロール100の紙送り方向上流側に濃度計304(濃度計1)が備えられ、吸収ロール100の紙送り方向下流側に濃度計306(濃度計2)が備えられている。この濃度計1及び濃度計2を用いて記録媒体16上の色インク色材濃度を検出し、この検出結果を吸収ロール100の液体除去能力設定にフィードバックするように構成される。即ち、図15に示すように、濃度計1によって検出された液体除去前のインク色材濃度の情報及び、濃度計2によって検出された液体除去後のインク色材濃度の情報がシステムコントローラ72に送られ、システムコントローラ72ではこれらの濃度差を求め、該濃度差が所定の閾値よりも大きい場合には液体除去時にインク色材が液体と一緒に除去されていると判断して吸引装置108の吸引力を下げるように制御する。
本例に適用される濃度計1,2は、発光部と受光部とを備え、発光部から記録媒体16に照射された光がインク色材で反射された反射光(反射成分)を受光部で検出し、この受光部で検出した反射光量に基づいて該インク色材濃度が求められる。なお、濃度計1で検出されるインク色材濃度はインク溶媒(主として水)による反射成分を補正する必要がある。即ち、濃度計1では、受光部で検出された光量からインク溶媒によって反射された光量が補正された補正光量が求められ、この補正光量に基づいて液体除去前の補正濃度が求められる。
具体的には、45度の反射光と90度の反射光を測定可能な受光部を備え、45度の反射光でインク溶媒からの反射成分の大小を検知する。この45度の反射成分(インク溶媒による反射成分)を90度の反射成分(インク色材による反射成分)の補正パラメータとして、インク色材による反射成分に補正をかける。
図16には、インクジェット記録装置300における溶媒除去時の液体除去能力設定制御のフローチャートを示す。なお、図16中、図8と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図16に示す液体除去能力設定制御では、図8の吸収ロール初期化(ステップS12)の後に、図14に示す表面性センサ122を用いて、記録媒体(メディア)16の表面性が特定される(ステップS15)。ステップS15の記録媒体16の表面性特定の詳細を図17に示す。
図17に示すように、記録媒体16の表面性特定が開始されると(ステップS240)、先ず、表面性センサ122を用いて記録媒体16表面性のセンシングか実行され(ステップS242)、記録媒体16で反射した反射光の光量(反射光量)が所定の閾値(閾値1)と比較される(ステップS244)。ステップS244において、該反射光量が閾値1よりも大きい場合には(NO判定)、ステップS246に進み、該反射光量は所定の閾値(閾値2、但し、閾値1<閾値2)と比較される。
ステップS246において、該反射光量が閾値2よりも大きい場合には(YES判定)、記録媒体16の平坦性が高いと判断され、吸引装置108の吸引力を上げるように制御される(ステップS248)、吸引装置108の吸引力はステップS248で補正され(ステップS252)、記録媒体16の表面性特定制御が終了される(ステップS254)。
また、ステップS246において該反射光量が閾値2よりも小さい場合には(NO判定
)、記録媒体16の表面性に基づく吸引装置108の吸引力補正を行わずに、吸引装置108の吸引力が決定され(ステップS252)、ステップS254に進む。
一方、該反射光量が閾値1よりも小さい場合には(YES判定)、記録媒体16の平坦性が低い(表面が粗い)と判断され、吸引装置108の吸引力を下げるよう制御され(ステップS250)、吸引装置108の吸引力はステップS250で補正され(ステップS252)ステップS254に進む。
即ち、反射光量が表面性特定の下限閾値である閾値1と上限閾値である閾値2との間の範囲である場合には、記録媒体16の表面性による吸引装置108の吸引力の補正を行わず、反射光量が閾値1と閾値2との範囲外である場合には、表面性による吸引装置108の吸引力補正が行われる。
図17に示す記録媒体16の表面性特定によって吸引装置108の吸引力が補正されると、テストプリントが実行され(図16のステップS22)、ステップS202に進む。
ステップS202では、濃度計1を用いて液体除去前のインク色材濃度が検出される。上述したように、濃度計1では上述した補正濃度が求められる。その後、液体除去が実行されると(ステップS204)、濃度計2を用いて液体除去後のインク色材濃度(濃度2)が求められる(ステップS210)。
ステップS210で求められた濃度2とステップS202で求められた補正濃度との濃度差が求められ、この濃度差は所定の閾値と比較される(ステップS212)。ステップS212において、該濃度差が該閾値よりも小さい場合には(NO判定)、ステップS216に進み、ステップS216では印刷データがあるか否かが判断される。ステップS216において、印刷データがある場合には(NO判定)、ステップS218に進み、該印刷データの印刷に用いられるメディアが同じ種類であるか否かが判断され、該印刷で使用されるメディアが異なる種類のメディアであれば(NO判定)、ステップS12に進み、同じ種類のメディアであれば(YES判定)、ステップS36に進み、当該液体除去能力設定制御は終了される。また、ステップS216において印刷データがない場合には(YES判定)、ステップS36に進み、当該液体除去能力制御は終了される。
なお、液体除去能力制御はテストパターンを用いて行われることが好ましいが、実画を用いて液体除去能力制御を行うこともできる。図18には、実技画像における液体除去能力制御のフローチャートを示す。なお、本例には、吸引装置108の吸引力を可変させて吸収ロール100の液体除去能力を制御する態様を示す。
図18に示すように、プリントが開始されると(ステップS300)、印字データに基づいて液体の吐出量(処理液の吐出量及びインクの吐出量)が算出され(ステップS302)、これら液体の吐出量の最大値とその場所が特定される(ステップS304)。その後、図8のステップS12に示すデフォルト値設定(図18のステップS306)、図8のステップS14に示す吸収ロール100の初期化(図18のステップS308)が実行され、更に、図16のステップS15に示す記録媒体16の表面性特定(図18のステップS310)が実行され、記録媒体16の表面性が考慮された吸引装置108の吸引力のデフォルト値が決められる(ステップS312)。
その後、当該画像において、最大吐出量となる場所が画像の下半分(紙送り方向後端側)にあるか上半分 (紙送り方向先端側)にあるかが判断され(ステップS314)、最大吐出量となる場所が画像の下半分にあると判断されると(YES判定)、当該画像を180度回転させ(ステップS316)、ステップS318に進む。
ステップS318では、濃度計1,2を最大吐出量となる場所に対応するように移動させ、ステップS320に進み、実画のプリントが実行される。一方、ステップS314において、最大吐出量となる場所が当該画像の上半分にあると判断されると(NO判定)、ステップS318に進む。
記録媒体16上の液体を除去する液体除去時には、図16のステップS200からステップS214に示す吸引装置108の吸引力設定 (吸引力補正)が実行され(図18のステップS322)、記録媒体16上に所望の画像が形成されると、プリント制御は終了される(ステップS324)。
このようにして、記録媒体16をセンシングして吸引装置108の吸引力を可変させる態様では、最終的な生産物である記録媒体16を直接センシングするので、ユーザに品質が低下した画像を提供する恐れが低くなり、また、簡単な装置構成によって好ましい液体除去が実現される。
更に、効果を上げるために、厚みセンサ120(図15に図示)を用いて記録媒体16の厚みを検出して、記録媒体16の厚みに応じて記録媒体16と吸収ロール100とのクリアランス(即ち、液体除去時の吸収ロール100の位置)を調整するとよい。
更にまた、記録媒体16の種類を検出/選択(プリセット)し、記録媒体16の種類に応じて吸引装置108(図15に図示)の吸引力(回転数)を制御してもよい。なお、記録媒体16の検出には、図15に示す表面性センサ122を用いてもよいし、濃度計1,2を用いてもよい。濃度計1,2を備える態様では、表面性センサ122を省略可能である。
〔応用例〕
次に、上述した第1、第2実施形態の応用例について説明する。図19は本応用例に係るインクジェット記録装置400の液体除去部402の構成を示す要部構成図であり、図20はインクジェット記録装置400のシステム構成を示す要部ブロック図である。なお、インクジェット記録装置400の全体構成は、図1に示すインクジェット記録装置10とほぼ同一であり、ここでは全体の説明を省略して図1に示すインクジェット記録装置10と異なる部分について説明する。また、図19中図3と同一又は類似する部分及び、図20中図7と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図19、図20に示すように、インクジェット記録装置400は、吸収ロール100の表面をセンシングする汚れセンサ124と、吸収ロール100に含まれる水分量を検出する水分量検出部(図20に符号で150)と、を備え、更に、記録媒体16のインク色材濃度を検出する濃度計1,2を備えている。
このような構成を有するインクジェット記録装置400では、実画プリントの実行時には、記録媒体16のインク色材濃度を検出して吸引装置108の吸引力(或いは吸収ロール100の押圧)が調整され、一方、所定のインターバルで吸収ロール100の表面状態及び吸収ロール100の水分量を検出してこの検出結果を積算し、吸収ロール100のクリーニング時期や吸収ロール100及びクリーニングロール112の交換時期を予測し、この予測結果をユーザに報知する。このようにして、吸収ロール100をセンシングする手段と、記録媒体16をセンシングする手段と、を併用することで、効率よく液体除去を実行できるとともに液体除去部25のメンテンナンス性の向上が見込まれる。
ことができる。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態では、印字部12の最上流に1つの処理液吐出ヘッド12Sを配置したが(図1参照)、本発明の実施に際して、処理液吐出ヘッドの配置はこの例に限定されず、印字部12における各色ヘッド間の少なくとも1箇所に処理液吐出ヘッドを付加する構成も可能である。
また、上述した実施形態では、処理液を付与する手段としてインクジェット方式による吐出ヘッドを用いたが、これに代えて、又はこれと併用して、ローラ、刷毛、ブレードなどの部材を用いて記録媒体16上に処理液を塗布する手段を用いることも可能である。
上記実施形態では、1種類の処理液を吐出させる処理液吐出ヘッド12Sを示したが、処理液吐出ヘッド12Sを複数のヘッドから構成してもよいし、2種類以上の処理液を選択的に吐出可能な構成を有していてもよい。また、インクジェット記録装置10(300,400)には1種類のインクを備える態様を示したが、更に多数のヘッドを備え、複数種類のインクを選択的に吐出可能な構成も考えられる。
上記実施形態では、記録媒体16の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、短尺の記録ヘッドを往復移動させながら画像記録を行うシャトルヘッドを用いるインクジェット記録装置についても本発明を適用可能である。
上記実施形態では、長手方向に記録媒体16の幅に対応する長さを有する吸収ロール100を示したが、吸収ロール100はその長手方向に分割される構造を有し、分割された吸収ロール100ごとに独立して溶媒除去を可能に構成してもよい。記録媒体16上の溶媒分布に応じて吸収ロール100を細かく制御可能であると共に、吸収ロール100のメンテナンス性の向上が見込まれる。
上記実施形態では印字ヘッドに備えられるノズルからインクを吐出させて、記録媒体16上に画像を形成するインクジェット記録装置を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、レジストなどインク以外の液体で画像(立体形状)を形成する画像形成装置や、ノズル(吐出孔)から薬液、水などを吐出されるディスペンサ等の液体吐出装置などにも広く適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図1に示すインクジェット記録装置の液体除去部の要部構成図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図4(a) 、(b) 中5−5線に沿う断面図 図1に示したインクジェット記録装置の供給系の構成を示す要部ブロック図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第1実施形態に係る溶媒除去の液体除去能力設定制御の流れを示すフローチャート 図9に示した液体除去能力設定制御のデフォルト値設定シーケンスを説明する図 図9に示した液体除去能力設定制御の吸収ロール初期化シーケンスを説明する図 吸収力テーブルの一例を説明する図 吸収力テーブルの他の一例を説明する図 テストプリントを説明する図 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の液体除去部の要部構成図 図14に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第2実施形態に係る溶媒除去の液体除去能力設定制御の流れを示すフローチャート 図16に示した液体除去能力設定制御のメディア表面性特定を説明する図 図16に示した液体除去能力設定制御の他の態様を示すフローチャート 本発明の応用例に係るインクジェット記録装置の液体除去部の要部構成図 図19に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図
符号の説明
10, 300,400…インクジェット記録装置、12S,12K,12M,12C,12Y,50…ヘッド、16…記録媒体、22…吸着ベルト搬送部、72…システムコントローラ、74…メモリ、80…プリント制御部、85…押圧制御部、87…吸引制御部、90…プログラム格納部、96…メディア判定部、100…吸収ロール、104…押圧アーム、108…吸引装置、112…クリーニングロール、120…厚みセンサ、122…表面性センサ、124…汚れセンサ、134…水分計センサ、136…水分計

Claims (10)

  1. 記録媒体に液体を吐出させて所望の画像を形成する吐出ヘッドと、
    前記記録媒体と前記吐出ヘッドとを相対的に搬送させる搬送手段と、
    前記吐出ヘッドを基準とする前記記録媒体の移動方向下流側に設けられ、前記記録媒体上の液体を除去する液体除去手段と、
    前記液体除去手段の少なくとも液体除去後の状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御する液体除去制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記液体除去手段は、液体を吸引する吸引手段を備え、
    前記液体除去制御手段は、前記吸引手段の吸引力を可変させて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記液体除去手段は、前記記録媒体上の液体に接触して前記記録媒体上の液体を吸収除去する吸収手段と、
    前記記録媒体の記録面と略垂直方向の成分を有する方向に前記吸収手段を移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記液体除去制御手段は、前記移動手段によって前記吸収手段の位置を変えて前記吸収手段の前記記録媒体に対する押圧を可変させるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記検出手段は、前記液体除去手段に含まれる液体量を検出する液体量検出手段を含み、
    前記液体除去制御手段は、前記液体量検出手段の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記検出手段は、前記液体除去手段に付着する付着物を検出する付着物検出手段を含み、前記液体除去制御手段は、前記付着物検出手段の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段を備え、
    前記液体除去制御手段は、前記記録媒体判断手段によって判断された記録媒体の種類に応じて前記液体除去手段の液体除去能力を可変させるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の画像形成装置を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記吐出ヘッドは、前記記録媒体上に画像を形成するインクを吐出させるインクジェットヘッドと、
    前記インクと反応させて前記インクを記録媒体に定着させる処理液を吐出させる処理液吐出ヘッドと、
    を含むことを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 記録媒体に液体を吐出させて所望の画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像形成工程後に液体除去手段を用いて前記記録媒体上の液体を除去する液体除去工程と、
    前記液体除去工程後に前記液体除去手段の状態を検出する検出工程と、
    前記検出工程の検出結果に基づいて前記液体除去手段の液体除去能力を設定する設定工程と、
    を含むことを特徴とする液体除去能力設定方法。
  10. 前記画像形成工程は、前記記録媒体上にテスト画像を形成することを特徴とする請求項9記載の液体除去能力設定方法。
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