JP6589998B2 - 排滓方法、スラグの製造方法及び流下スラグのエネルギー減衰構造 - Google Patents
排滓方法、スラグの製造方法及び流下スラグのエネルギー減衰構造Info
- Publication number
- JP6589998B2 JP6589998B2 JP2017564203A JP2017564203A JP6589998B2 JP 6589998 B2 JP6589998 B2 JP 6589998B2 JP 2017564203 A JP2017564203 A JP 2017564203A JP 2017564203 A JP2017564203 A JP 2017564203A JP 6589998 B2 JP6589998 B2 JP 6589998B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slag
- pan
- converter
- guide plate
- contact member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/28—Manufacture of steel in the converter
- C21C5/42—Constructional features of converters
- C21C5/46—Details or accessories
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C1/00—Refining of pig-iron; Cast iron
- C21C1/02—Dephosphorising or desulfurising
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/28—Manufacture of steel in the converter
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F27—FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
- F27D—DETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
- F27D3/00—Charging; Discharging; Manipulation of charge
- F27D3/14—Charging or discharging liquid or molten material
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F27—FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
- F27D—DETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
- F27D3/00—Charging; Discharging; Manipulation of charge
- F27D2003/0034—Means for moving, conveying, transporting the charge in the furnace or in the charging facilities
- F27D2003/0054—Means to move molten metal, e.g. electromagnetic pump
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Description
C+FeO→CO↑+Fe (1)
ところで、転炉から排滓したスラグを排滓鍋に収容させると、フォーミングしたスラグが排滓鍋の容量を超えて溢出してしまうおそれがある。そして、スラグが排滓鍋から溢出すると、例えば、設備損傷、操業障害等のトラブルを招くおそれがある。そこで、排滓鍋内のフォーミングの鎮静を待つと、排滓速度を低下させて排滓時間の長期化による生産性の低下を招く。また、排滓鍋内のフォーミングの鎮静を待つと、転炉内のスラグのフォーミングが鎮静して流下するスラグの嵩体積が減少する。その結果、排滓後の脱炭処理時に転炉内に残るスラグ量が増加して、脱炭処理時での復燐やスロッピング(溶鉄やスラグの液塊が転炉の炉口から飛び出すこと)の発生を助長するおそれがある。また、復燐やスロッピングの発生を抑制するための生石灰等の副原料の量の増加を招くおそれがある。
脱珪、脱燐又は脱炭のうち少なくとも1つの処理を転炉内で行った後に前記転炉を傾けることで、溶鉄を前記転炉内に残したまま、上層のフォーミングしたスラグを前記転炉の炉口から接触部材の第1位置に流下させ、
前記第1位置から、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされた位置である第2位置まで、前記接触部材に接触しつつ移動した前記スラグを前記第2位置から流下させ、
前記第2位置から流下した前記スラグを、前記転炉の下方に配置された鍋内に収容させる、
排滓方法。
転炉を傾けることで前記転炉の炉口から流下するスラグに接触する面が形成された接触部材であって、前記炉口から流下した前記スラグを前記面の第1位置で受け取って、前記面に沿って移動した前記スラグを、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされる位置である第2位置から鍋内に流下させる接触部材、
を備えた流下スラグのエネルギー減衰構造。
以下、実施形態、実施形態の変形例(第1〜第8変形例)並びに実施例及び比較例における実験について説明する。以下の説明では、図面に矢印X及び矢印−Xで示す方向をエネルギー減衰構造10(図1参照)の幅方向、図面に矢印Z及び矢印−Zで示す方向を上下方向(以下、矢印Z方向を上方、矢印−Z方向を下方という。)とする。また、幅方向及び上下方向のそれぞれに直交する方向(矢印Y及び矢印−Y方向)を奥行き方向とする。ここで、幅方向は、横方向の一例である。
以下、実施形態について説明する。まず、実施形態のエネルギー減衰構造10(図1参照)の構成について説明する。次いで、エネルギー減衰構造10を用いたスラグSの製造方法(排滓方法)について説明する。次いで、実施形態の作用について説明する。
本実施形態のエネルギー減衰構造10は、転炉20(図1参照)から流下したスラグSを排滓鍋30(図1参照)内に収容する際に、転炉20から流下して排滓鍋30に収容される前のスラグSに後述するガイド板42(図1参照)の凹み面42A(図2参照)を接触させて、スラグSのエネルギーを減衰させる機能を有する。ここで、排滓鍋30は、鍋の一例である。なお、転炉20から排滓鍋30に至るまでに流下するスラグSは、流下スラグの一例である。
ガイド部40は、ガイド板42と、支持部44と、を含んで構成されている。ここで、ガイド板42は、接触部材の一例である。ガイド板42は、正面視にて、上下方向に対して一例として時計回りに10°傾斜した状態で、支持部44に支持されている。そして、ガイド板42は、転炉20から流下したスラグSに凹み面42A(図2参照)で接触するようになっている。すなわち、ガイド板42には、転炉20から流下して排滓鍋30内に収容されるスラグSに接触する凹み面42Aが形成されている。ここで、凹み面42Aは、面の一例である。なお、ガイド板42は、樋状とされている。具体的には、図2に示されるように、ガイド板42は、スラグSが流れる方向に垂直な断面形状が下方に凸の湾曲した形状とされている。また、本実施形態のガイド板42は、一例として鋼鉄製とされている。また、ガイド板42の幅(すなわち奥行き方向の寸法)は、特に限定されないが、本実施形態では開口22の直径の0.5倍以上1.0倍以下の範囲に設計されている。
さらに、本実施形態のエネルギ減衰構造10は、台車50を備えている。
台車50は、凹み面42Aに接触して流下したスラグSを排滓鍋30の内周面34Aで受け取らせるように、排滓鍋30を幅方向に移動させることで排滓鍋30の幅方向の位置を調整する機能を有する。すなわち、本実施形態の台車50は、排滓鍋30の幅方向の位置の調整手段といえる。
さらに、本実施形態のエネルギ減衰構造10は、添加部60を備えている。
添加部60は、ガイド板42の凹み面42Aに沿って移動しているスラグSに鎮静材Mを添加する機能を有する。添加部60は、図1に示されるように、凹み面42Aに対向する位置に配置されている。そして、添加部60は、鎮静材Mを凹み面42Aに向けて散布させるようになっている。なお、本実施形態の鎮静材Mは、スラグSのフォーミングを鎮静させるためのものであり、一例として、安価な有機物系の熱分解物質である製紙スラッジと安価な比重調整のための物質である製鋼スラグとを混合して成型したものである。
次に、本実施形態のスラグSの製造動作(排滓方法)について、図1を参照しつつ説明する。
次に、本実施形態の作用(第1〜第6の作用)について説明する。
第1の作用は、転炉20から流下したスラグSを凹み面42Aに接触させてスラグSのエネルギーを減衰させることの作用である。第1の作用については、本実施形態を以下に想定する比較形態と比較しながら図面を参照しつつ説明する。なお、比較形態の説明において、本実施形態で用いた部品等と同じ部品等を用いる場合、同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
第2の作用は、ガイド板42の凹み面42Aが正面視にて上下方向に対して傾斜していることの作用である。ここで、転炉20から流下したスラグSが上下方向に傾斜していない凹み面42Aに接触して、排滓鍋30内に収容される場合であっても、ガイド板42との接触摩擦抵抗によりスラグSが転炉20内に収容されていた際の位置エネルギーは減衰される。しかしながら、本実施形態の場合、ガイド板42の凹み面42Aは、図1及び図2に示されるように、正面視にて上下方向に対して傾斜して配置されている。そのため、本実施形態の場合、転炉20から流下したスラグSが上下方向に傾斜していない凹み面42Aに接触させる場合に比べて、転炉20内に収容されていた際のスラグSの位置エネルギーの減衰が大きい。したがって、本実施形態によれば、転炉20から流下したスラグSが上下方向に傾斜していない凹み面42Aに接触させる場合に比べて、スラグSのフォーミングが鎮静され易い。
第3の作用は、排滓鍋30の上端からガイド板42の下端42A2までの上下方向における離間距離Lが1m以内であることの作用である。ガイド板42の下端42A2から流下したスラグSは、図1に示されるように、下端42A2での位置エネルギーを持って、排滓鍋30内に流下される。別言すると、排滓鍋30内にスラグSが流下すると、下端42A2での位置エネルギーが攪拌エネルギーに転換される。このメカニズムによれば、スラグSがガイド板42から離れる位置(下端42A2)から排滓鍋30までの上下方向の離間距離Lが小さいほど、スラグSのフォーミングが鎮静され易い。したがって、本実施形態によれば、排滓鍋30の上端からガイド板42の下端42A2までの上下方向における離間距離Lが1mよりも大きい場合に比べて、スラグSのフォーミングが鎮静され易い。
第4の作用は、ガイド板42の下端42A2から流下するスラグSが排滓鍋30の内周面34Aに受け取られて収容されることの作用である。第3の作用での説明のとおり、スラグSがガイド板42から離れる位置(下端42A2)から排滓鍋30までの上下方向の離間距離Lが小さいほど、スラグSのフォーミングが鎮静され易い。そして、本実施形態の場合、ガイド板42の下端42A2から流下したスラグSは、排滓鍋30の内周面34Aで受け取られて排滓鍋30内に収容される。そのため、本実施形態の場合、ガイド板42の下端42A2から流下したスラグSを排滓鍋30内に収容されているスラグSに直接流下させる場合に比べて、スラグSの位置エネルギーを減衰させ易い。したがって、本実施形態によれば、ガイド板42の下端42A2から流下したスラグSを排滓鍋30内に収容されているスラグSに直接流下させる場合に比べて、スラグSのフォーミングが鎮静され易い。
第5の作用は、ガイド板42が樋状であることの作用である。本実施形態のガイド板42は、図2に示されるように、樋状とされている。そして、本実施形態の場合、ガイド板42の形状が樋状であることから、ガイド板42の凹み面42Aを移動するスラグSが流下方向(スラグSの進行方向)に対して奥行き方向に広がり難い。したがって、本実施形態のガイド板42によれば、ガイド板42の形状が平面状である場合に比べて、排滓鍋30内へ収容性が安定する(こぼれ難い)。なお、ガイド板42の形状が平面状である場合も、上記の第1〜第3の作用を奏する。
第6の作用は、添加部60を有することの作用、別言すれば、ガイド板42の凹み面42Aを移動しているスラグSに鎮静材Mを添加することの作用である。本実施形態の場合、図1に示されるように、添加部60によりガイド板42を移動しているスラグSに鎮静材Mが添加される。第6の作用については、本実施形態を前述の比較形態と比較しながら図面を参照しつつ説明する。なお、比較形態の説明において、本実施形態で用いた部品等と同じ部品等を用いる場合、同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
次に、本実施形態の変形例(第1〜第8変形例)について図面を参照しつつ説明する。
第1変形例の場合、図4に示されるように、転炉20内で生成されて、ガイド板42に接触して移動したスラグSは、排滓鍋30の底32に向けて流下し、排滓鍋30内に収容される。第1変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第1変形例の場合、ガイド板42から流下したスラグSは、排滓鍋30の内周面34Aで受け取られない。しかしながら、第1変形例の場合、前述の第1〜第3、第5及び第6の作用を奏する。
第2変形例の場合、図5に示されるように、ガイド板42の下端42A2は、排滓鍋30内に配置されている。また、第2変形例の場合、ガイド板42は、支持部44に対して上下方向(又はガイド板42の傾斜方向)に移動可能に支持されている。そして、排滓鍋30内のスラグSの液面の高さが予め定められた高さとなったところで、ガイド板42は上方に移動されるようになっている。第2変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第2変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。
第3変形例の場合、図6に示されるように、ガイド板42は、支持部44が設けられている側に屈曲する屈曲部42Bを有する樋状とされている。そして、第3変形例の場合、ガイド板42の第1位置42A1に受け取られて移動したスラグSは、屈曲部42Bから排滓鍋30内に向けて流下される。ここで、屈曲部42Bは、第2位置の一例である。第3変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第3変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。
第4変形例の場合、図7に示されるように、ガイド板42は、支持部44が設けられている側と反対側に屈曲する屈曲部42Bを有する樋状とされている。そして、第4変形例の場合、ガイド板42の第1位置42A1に受け取られて移動したスラグSは、屈曲部42Bで移動方向が変更され下端42A2から排滓鍋30内に向けて流下される。ここで、下端42A2は、第2位置の一例である。第4変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第4変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。なお、また、第4変形例における離間距離Lは、本実施形態(図1)及び他の変形例(図4、図6及び図9)の離間距離Lに比べて小さく図示されているが、実際には同等である。
第5変形例の場合、図8に示されるように、ガイド板42におけるスラグSが接触する面42Cが正面視にてスラグSが接触する側に凸となる湾曲している。第5変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第5変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。また、第5変形例における離間距離Lは、本実施形態(図1)及び他の変形例(図4、図6及び図9)の離間距離Lに比べて大きく図示されているが、実際には同等である。
第6変形例の場合、図9に示されるように、ガイド板42におけるスラグSが接触する面42Dが正面視にてスラグSが接触する側に凹となる湾曲している。第6変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第6変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。
第7変形例の場合、図10に示されるように、ガイド部40が2つ備えられている。そして、第7変形例の場合、上方のガイド板42に接触して流下したスラグSが下方のガイド板42に接触して流下して、排滓鍋30内に収容される。第7変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第7変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。
第8変形例の場合、ガイド板42は、その傾斜角θが調整可能に構成されている。そして、第8変形例の場合、排滓鍋30内にスラグSが収容されている期間中、排滓鍋30内のスラグSの液面の高さが高くなってもスラグSが内周面34Aで受け取られるように、転炉20からのスラグSの流下が開始される前に、オペレータによりガイド板42の傾斜角θが調整される。第8変形例は、上記の点以外、本実施形態と同様の構成とされている。第8変形例の場合、前述の第1〜第6の作用を奏する。
次に、実施例及び比較例について説明する。
実施例及び比較例の試験は、350t規模の上底吹き転炉(図1の転炉20)において、脱珪及び脱燐処理の後のスラグSの流下中に実施した。転炉20内にスクラップ(図示省略)及び溶鉄(図示省略)を装入した後、溶鉄の量及びSi濃度、リサイクルしたスラグSの量及びその組成に応じて、スラグSが所定の塩基度となるように生石灰等の副原料を投入して溶鉄の脱珪及び脱燐処理を行った。なお、共通条件のばらつきによる評価への影響をほぼ無視できる程度に、極力条件を揃えるようにしており、脱珪及び脱燐処理の後の転炉20内のスラグSの量は約20tであった。脱珪及び脱燐処理の後に溶鉄Fを転炉20内に残したまま転炉20を傾けて炉口(開口22)から上層のスラグSを下方に配置した排滓鍋30に収容させた。スラグSの流下中は排滓鍋30からフォーミングしたスラグSが溢出しないようにフォーミングの鎮静の状況を監視しながら、転炉20の傾き動作、台車50の位置をオペレータが手動で制御して行った。また、フォーミングしたスラグSが排滓鍋30から溢出しそうになった場合は、オペレータの判断で鎮静材Mを排滓鍋30内に投入した。排滓鍋30に投入した鎮静材Mは、安価な有機物系の熱分解物質である製紙スラッジ(図示省略)と安価な比重調整のための物質である製鋼スラグ(図示省略)とを混合して成型したものを用いた。ここで、製鋼スラグへの鎮静材Mの投入量は投入操作1回につき約50kgとした。その際、ガイド板42の有無、ガイド板42の傾斜、ガイド板42の下端42A2と排滓鍋30の上端との上下方向の離間距離L、排滓鍋30へのスラグSの流下位置、ガイド板42への鎮静材Mの添加有無等の条件を変更し、排滓量、排滓時間を評価した。
各水準の条件及び各結果を図11の表に示す。
なぜなら、排滓したスラグが排滓鍋内でのフォーミングにより溢出してしまうおそれがある点では、脱珪処理と脱燐処理のうち一方のみを行った後や、脱炭処理のみを行った後に転炉20の開口22(炉口)から排滓をする場合も、脱珪及び脱燐処理を行った後の排滓と同様であるからである。
本明細書からは、少なくとも以下の(1)〜(11)までの態様が概念化される。
(1)
脱珪、脱燐又は脱炭のうち少なくとも1つの処理を転炉内で行った後に前記転炉を傾けることで、溶鉄を前記転炉内に残したまま、上層のフォーミングしたスラグを前記転炉の炉口から接触部材の第1位置に流下させ、
前記第1位置から、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされた位置である第2位置まで、前記接触部材に接触しつつ移動した前記スラグを前記第2位置から流下させ、
前記第2位置から流下した前記スラグを、前記転炉の下方に配置された鍋内に収容させる、
排滓方法。
(2)
前記接触部材は、前記転炉の側方に設けられた作業床に固定されており、
前記第2位置は、前記作業床よりも下方に位置している、
(1)に記載の排滓方法。
(3)
前記接触部材の傾斜角は、5°以上20°以下である、
(1)又は(2)に記載の排滓方法。
(4)
前記鍋の上端から前記第2位置までの上下方向の離間距離は、1m以内である、
(1)〜(3)の何れか1項に記載の排滓方法。
(5)
前記第2位置から流下した前記スラグを前記鍋内に収容させる際、前記スラグを前記鍋の内周面で受け取らせる、
(1)〜(4)の何れか1項に記載の排滓方法。
(6)
前記接触部材に接触して流下した前記スラグを前記鍋の前記内周面で受け取らせるように、前記鍋の横方向の位置及び前記接触部材の姿勢の少なくとも一方を調整してから、前記スラグを前記鍋内に収容させる、
(5)に記載の排滓方法。
(7)
前記接触部材を移動している前記スラグに鎮静材を添加する、
(1)〜(6)の何れか1項に記載の排滓方法。
(8)
(1)〜(7)の何れか1項に記載の排滓方法により前記鍋内に収容した前記スラグを排出して冷却する、
スラグの製造方法。
(9)
転炉を傾けることで前記転炉の炉口から流下するスラグに接触する面が形成された接触部材であって、前記炉口から流下した前記スラグを前記面の第1位置で受け取って、前記面に沿って移動した前記スラグを、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされる位置である第2位置から鍋内に流下させる接触部材、
を備えた流下スラグのエネルギー減衰構造。
(10)
前記接触部材は、前記鍋の上端から前記第2位置までの上下方向の離間距離が1m以内になるように、配置されている、
(10)記載の流下スラグのエネルギー減衰構造。
(11)
前記面に沿って移動している前記スラグに鎮静材を添加する添加部、
をさらに備えた(9)又は(10)に記載の流下スラグのエネルギー減衰構造。
<1>
転炉内の溶銑を脱珪及び脱燐して生成されたスラグを前記転炉の下方に配置された部材の第1位置に流下させ、
前記第1位置に対し、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされる第2位置まで前記部材に接触しつつ移動してエネルギーが減衰された前記スラグを前記第2位置から流下させ、
前記第2位置から流下したスラグを、前記部材の下方に配置された鍋内に収容させる、
排滓方法。
<2>
前記鍋の上端から前記第2位置までの上下方向の離間距離を1m以内にして、前記第2位置から流下したスラグを前記鍋内に収容させる、
<1>に記載の排滓方法。
<3>
前記部材に接触して流下したスラグを前記鍋の内周面で受け取らせて、前記鍋内にスラグを収容させる、
<1>又は<2>に記載の排滓方法。
<4>
前記部材に接触して流下したスラグを前記鍋の内周面で受け取らせるように、前記鍋の横方向の位置及び前記部材の姿勢の少なくとも一方を調整してから、スラグを前記鍋内に収容させる、
<3>に記載の排滓方法。
<5>
前記部材を移動しているスラグに鎮静材を添加して、前記第2位置から前記鎮静材が添加されたスラグを前記鍋内に流下させる、
<1>〜<4>の何れか1項に記載の排滓方法。
<6>
<1>〜<5>の何れか1項に記載の排滓方法により前記鍋内に収容したスラグを排出して冷却する、
スラグの製造方法。
<7>
転炉から流下して鍋内に収容されるスラグに接触する面が形成された接触部材であって、転炉から流下したスラグを前記面の第1位置で受け取って、前記面に沿って移動したスラグを、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされる第2位置から鍋内に流下させる接触部材、
を備えた流下スラグのエネルギー減衰構造。
<8>
前記接触部材は、前記鍋の上端から前記第2位置までの上下方向の離間距離が1m以内になるように、配置されている、
<7>記載の流下スラグのエネルギー減衰構造。
<9>
前記面に沿って移動しているスラグに鎮静材を添加する添加部、
を備えた<7>又は<8>に記載のエネルギー減衰構造。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (11)
- 脱珪、脱燐又は脱炭のうち少なくとも1つの処理を転炉内で行った後に前記転炉を傾けることで、溶鉄を前記転炉内に残したまま、上層のフォーミングしたスラグを前記転炉の炉口から接触部材の面の第1位置に流下させ、
前記第1位置から、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされた位置である前記面の第2位置まで、前記接触部材の前記面に接触しつつ移動した前記スラグを前記第2位置から流下させ、
前記第2位置から流下した前記スラグを、前記転炉の下方に配置された鍋内に収容させる、
排滓方法であって、
前記スラグが接触しつつ移動する前記面は、上下方向に対して傾斜している、
排滓方法。 - 前記接触部材は、前記転炉の側方に設けられた作業床に固定されており、
前記第2位置は、前記作業床よりも下方に位置している、
請求項1に記載の排滓方法。 - 上下方向の仮想直線と、前記第1位置と前記第2位置とを結ぶ仮想直線とで形成される角度のうち小さい方の角度を前記接触部材の傾斜角としたとき、
前記接触部材の傾斜角は、5°以上20°以下である、
請求項1又は請求項2に記載の排滓方法。 - 前記鍋の上端から前記第2位置までの上下方向の離間距離は、1m以内である、
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の排滓方法。 - 前記第2位置から流下した前記スラグを前記鍋内に収容させる際、前記スラグを前記鍋の内周面で受け取らせる、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の排滓方法。
ここで、前記鍋の前記内周面とは、前記鍋の内面が断面円弧状である場合、前記内面における上下方向の最下点の位置を基準である0%、前記鍋の開口縁の位置を100%とした場合、前記内面における基準に対する高さ位置が20%以上100%以下の部分をいう。 - 前記接触部材に接触して流下した前記スラグを前記鍋の前記内周面で受け取らせるように、前記鍋の横方向の位置及び前記接触部材の姿勢の少なくとも一方を調整してから、前記スラグを前記鍋内に収容させる、
請求項5に記載の排滓方法。 - 前記接触部材を移動している前記スラグに鎮静材を添加する、
請求項1〜6の何れか1項に記載の排滓方法。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載の排滓方法により前記鍋内に収容した前記スラグを排出して冷却する、
スラグの製造方法。 - 転炉を傾けることで前記転炉の炉口から流下するスラグに接触する面が形成された接触部材であって、前記炉口から流下した前記スラグを前記面の第1位置で受け取って、前記面に沿って移動した前記スラグを、上下方向に直交する横方向において前記第1位置とずれ、かつ、前記第1位置よりも下方とされる位置である第2位置から鍋内に流下させる接触部材であって、前記スラグが移動する前記面は上下方向に対して傾斜している前記接触部材、
を備えた流下スラグのエネルギー減衰構造。 - 前記接触部材は、前記鍋の上端から前記第2位置までの上下方向の離間距離が1m以内になるように、配置されている、
請求項9記載の流下スラグのエネルギー減衰構造。 - 前記面に沿って移動している前記スラグに鎮静材を添加する添加部、
をさらに備えた請求項9又は10に記載の流下スラグのエネルギー減衰構造。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016014686 | 2016-01-28 | ||
JP2016014686 | 2016-01-28 | ||
PCT/JP2017/001784 WO2017130837A1 (ja) | 2016-01-28 | 2017-01-19 | 排滓方法、スラグの製造方法及び流下スラグのエネルギー減衰構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2017130837A1 JPWO2017130837A1 (ja) | 2018-04-12 |
JP6589998B2 true JP6589998B2 (ja) | 2019-10-16 |
Family
ID=59397777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017564203A Active JP6589998B2 (ja) | 2016-01-28 | 2017-01-19 | 排滓方法、スラグの製造方法及び流下スラグのエネルギー減衰構造 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6589998B2 (ja) |
KR (1) | KR20180019745A (ja) |
CN (1) | CN107849626B (ja) |
WO (1) | WO2017130837A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6935845B2 (ja) * | 2018-04-24 | 2021-09-15 | 日本製鉄株式会社 | 排出スラグのフォーミング鎮静方法およびこれに用いる精錬設備 |
CN110592310A (zh) * | 2019-09-04 | 2019-12-20 | 北京首钢国际工程技术有限公司 | 一种转炉炉下活动挡渣板装置 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62177114A (ja) * | 1986-01-29 | 1987-08-04 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶鋼の出鋼方法 |
JP2582692B2 (ja) * | 1991-11-16 | 1997-02-19 | 新日本製鐵株式会社 | 転炉製鋼法 |
JP3239197B2 (ja) * | 1993-07-05 | 2001-12-17 | 新日本製鐵株式会社 | 転炉製鋼法 |
EP0714989B1 (en) * | 1993-06-30 | 2000-03-22 | Nippon Steel Corporation | Steel manufacturing method using converter dephosphorisation |
JP4907411B2 (ja) * | 2007-04-06 | 2012-03-28 | 新日本製鐵株式会社 | スラグの鎮静方法 |
JP4580434B2 (ja) * | 2008-05-09 | 2010-11-10 | 新日本製鐵株式会社 | スラグのフォーミング鎮静材及びその鎮静方法 |
JP4580435B2 (ja) * | 2008-05-27 | 2010-11-10 | 新日本製鐵株式会社 | 排滓鍋スラグのフォーミング鎮静材及びその鎮静方法 |
CN102450909A (zh) * | 2010-11-02 | 2012-05-16 | 张联合 | 一种消沫啤酒杯 |
CN202436717U (zh) * | 2012-01-12 | 2012-09-19 | 韩时雨 | 一种防止倒酒时起泡沫的啤酒杯 |
CN102885546A (zh) * | 2012-09-05 | 2013-01-23 | 苏州萃智新技术开发有限公司 | 一种啤酒杯 |
CN104480244B (zh) * | 2014-12-18 | 2017-06-20 | 首钢水城钢铁(集团)有限责任公司 | 一种减少转炉冶炼终点炉渣中含铁量的方法 |
-
2017
- 2017-01-19 JP JP2017564203A patent/JP6589998B2/ja active Active
- 2017-01-19 CN CN201780002581.4A patent/CN107849626B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2017-01-19 WO PCT/JP2017/001784 patent/WO2017130837A1/ja active Application Filing
- 2017-01-19 KR KR1020187002598A patent/KR20180019745A/ko not_active Application Discontinuation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2017130837A1 (ja) | 2017-08-03 |
CN107849626B (zh) | 2020-02-21 |
CN107849626A (zh) | 2018-03-27 |
KR20180019745A (ko) | 2018-02-26 |
JPWO2017130837A1 (ja) | 2018-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5862738B2 (ja) | 溶銑の脱硫処理用精錬容器 | |
JP6589998B2 (ja) | 排滓方法、スラグの製造方法及び流下スラグのエネルギー減衰構造 | |
JP5195737B2 (ja) | 溶銑の脱硫方法 | |
JP6477333B2 (ja) | スラグのフォーミング抑制方法 | |
CN111712585B (zh) | 排出熔渣的起泡镇静方法及用于其的精炼设备 | |
JP6119954B2 (ja) | 溶銑の脱硫処理方法 | |
JP5401938B2 (ja) | 溶銑の脱硫方法 | |
JPWO2018150862A1 (ja) | スラグフォーミング鎮静材及びスラグフォーミング鎮静方法並びに転炉吹錬方法 | |
JP6848437B2 (ja) | 溶鋼の脱硫方法および脱硫装置 | |
JP6416634B2 (ja) | 溶銑鍋における脱珪および脱硫方法 | |
JP5085094B2 (ja) | 高炉鋳床の連続精錬方法 | |
JP2014177674A (ja) | 精錬用攪拌体及び溶融鉄の精錬方法 | |
JP6238019B2 (ja) | 復硫の少ない溶銑脱硫方法 | |
JP6289205B2 (ja) | 溶銑鍋における脱珪方法 | |
JP7457236B2 (ja) | スラグのフォーミング鎮静方法 | |
JP6289204B2 (ja) | 溶銑鍋における脱珪および脱硫方法 | |
JP5078318B2 (ja) | 高炉鋳床の連続精錬方法 | |
JP5949637B2 (ja) | 脱硫処理後の溶銑の復硫防止方法 | |
WO2016142970A1 (ja) | 溶銑の脱硫処理方法及び溶銑の脱硫処理装置 | |
JP5085096B2 (ja) | 高炉鋳床の連続精錬方法及び高炉鋳床設備 | |
WO2015105035A1 (ja) | 脱硫処理後の溶銑の復硫防止方法 | |
JPWO2017018263A1 (ja) | 脱硫剤、溶銑脱硫方法および溶銑の製造方法 | |
JP5341583B2 (ja) | 脱りんスラグの流出防止方法 | |
SU1211305A1 (ru) | Способ раскислени и легировани стали | |
KR101602835B1 (ko) | 용융금속 정련장치 및 그 정련방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190305 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190820 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190902 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6589998 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |