JP7457236B2 - スラグのフォーミング鎮静方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スラグのフォーミング鎮静方法に関する。
溶鉄の精錬処理中又は精錬処理後に、溶鉄と製鋼スラグ(以下、スラグ)との界面で溶鉄中のCとスラグ中のFeO(酸化鉄)とが反応して発生するCO気泡や、スラグ自身の内部でスラグ中のFeOとスラグに含まれる粒鉄中のCとが反応して発生するCO気泡により泡立つ現象(以下、フォーミング)が発生することがある。このスラグのフォーミングが激しいと、1300~1650℃のスラグが精錬設備や搬送容器から溢れ出す場合があり、精錬設備・搬送容器が損傷すると復旧に多大な時間と労力が必要となる。スラグ中のFeO濃度が高いと、CO気泡が多量に発生するので、FeO濃度の高いスラグは、強いフォーミング性(急速に膨張して溢れ出易い特性)を有することになる。
スラグのフォーミングを鎮静するためには、CO気泡が滞留する層(以下、泡沫層)を破壊してスラグを収縮させることが必要である。そこで、スラグの内部でガス化する塊状物(鎮静剤)をスラグに投入し、該塊状物が熱分解でガス化する際の体積膨張エネルギーを利用して泡沫層を破壊する方法が一般に知られている。
ここで、溶鉄の精錬プロセスの一種として、転炉で脱燐処理を行った後に、スラグの一部を炉外の鉱滓鍋に排出(中間排出)し、引続き同一の転炉において脱炭処理を行う多機能転炉法が一般的に知られている。この多機能転炉法において、脱燐吹錬中にスラグのフォーミング激しくなって転炉の炉口からスラグが溢れそうになると、脱燐吹錬を中断せざるを得ず、脱燐反応の進行が不十分となってしまう。そのため、次工程の脱炭吹錬で脱燐速度を上昇させるために、転炉内に余分にCaOを添加する必要があり、精錬コストの増加と、スラグ発生量の増加を招くことになる。さらに、脱炭吹錬においても、スラグのフォーミングが激しく進行してしまうと、出鋼の際に転炉を傾斜させたときに転炉の炉口からスラグが流出することが懸念される。以上の理由から、少なくとも脱燐処理時及び脱炭処理時において、転炉内に鎮静剤を投入する必要がある。
そこで、スラグのフォーミングを抑制する鎮静剤について様々な技術が提案されている(例えば特許文献1~8参照)。
特開昭54-32116号公報 特開平4-180507号公報 特開平5-287347号公報 特開平7-145417号公報 特開平11-50124号公報 特開2008-255446号公報 特開2009-270178号公報 特開2009-287050号公報
ところで、吹錬条件が異なると、スラグの組成や、性状、フォーミングの機構などが異なる。例えば、脱燐吹錬では、主に送酸中にスラグと溶鉄との界面から発生したCOガスによってスラグがフォーミングする。また、脱炭吹錬では、脱燐吹錬と同様の機構によってフォーミングが生じるが、脱燐吹錬時よりもスラグの塩基度が高い。また、脱炭反応が進行することにより、脱炭吹錬時では脱燐吹錬時よりも溶鉄温度が高くなり、COガスの発生速度が大きくなる。
したがって、適切な鎮静剤を一律に決定せず、状況に応じて効率良く鎮静剤を選択することが好ましい。また、鎮静剤を添加する場合においても、スラグのフォーミングの抑制効果にある程度のばらつきがあるため、安定した効果を得るためには、鎮静剤を大量に添加するなど、精錬コストの上昇を招いてしまう。
本発明は前述の問題点を鑑み、精錬炉における吹錬中に発生するフォーミングをより効率良く鎮静できるスラグのフォーミング鎮静方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、スラグのフォーミングを鎮静するのに重要な因子を検討した。その結果、鎮静剤の添加によって得られるフォーミングの鎮静効果は、その鎮静剤の高温化でのガス発生体積(Nm3/kg)と、その鎮静剤の見掛け密度(kg/m3)とが関係することを見出した。
ここで、ガス発生体積とは、鎮静剤がフォーミングしたスラグと接触して、完全燃焼することを仮定した際のガスの体積であり、その鎮静剤の含有成分や組成を用いて算出することができる。例えば、ガス発生物質としてセルロース(C6105)を50質量%含有する物質のガス発生体積は、その化合物の組成、原子量、割合から算出することができる。
また、鎮静剤の見掛け密度とは、鎮静剤が固体の場合はその成形物の内部に含まれる気孔の体積も含めた成形物の密度であり、例えば、JIS Z8807:2012に記載の方法で測定することができる。また、鎮静剤が液体の場合は、その液体の密度である。
さらに、本発明者は、鎮静剤の添加によってフォーミングしたスラグの泡沫層を破壊するまでのガス化のタイミングについて検討した。検討の結果、フォーミングしたスラグに添加された鎮静剤は、温度条件によってガス化のタイミングが異なることがわかった。例えば高温条件では、スラグの深部に十分に到達するまでにガス化が進行してしまうため、溶鉄の温度によって適切な鎮静剤の条件が異なることも見出した。
また、本発明者らは、スラグの平均見掛け密度と鎮静剤の見掛け密度との差が小さすぎると、その鎮静効果がやや小さくなることを確認した。つまり、見掛け密度差が小さいとフォーミングしたスラグに添加した鎮静剤がスラグ中を沈降する速度が遅くなり、スラグ中のより浅い位置で鎮静剤がガス化し、スラグの泡沫層を効率良く破壊できなくなる可能性があると考えられる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)
精錬炉で脱燐吹錬を行った後に、脱炭吹錬を行う際に、前記脱燐吹錬を行う精錬炉内の溶鉄の温度が1400℃未満である場合に、前記精錬炉内のスラグに以下の(1)式で算出されるNaが60以下の条件を満たす鎮静剤を添加し、前記脱炭吹錬を行う精錬炉内の溶鉄の温度が1400℃以上である場合に、前記精錬炉内のスラグに以下の(1)式で算出されるN a が0.7以上、70以下の条件を満たす鎮静剤を添加することを特徴とするスラグのフォーミング鎮静方法。
a=10-3・ρb/Vg ・・・(1)
ここで、Vgは鎮静剤の1kgが完全燃焼した場合のガス発生体積(Nm3/kg)を表し、ρbは鎮静剤の見掛け密度(kg/m3)を表す。
(2)
前記脱燐吹錬に添加する鎮静剤は、さらに以下の(2)式で算出されるNbが0.5以上、58以下の条件、かつ(3)式の条件を満たすことを特徴とする上記(1)に記載のスラグのフォーミング鎮静方法。
b=10-3・(ρb-ρs)/Vg ・・・(2)
ρb-ρs≧500 ・・・(3)
ここで、ρsはスラグの平均見掛け密度(kg/m3)を表す。
(3)
前記脱炭吹錬に添加する鎮静剤は、さらに以下の(5)式で算出されるNbが0.7以上、66以下の条件、かつ(6)式の条件を満たすことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のスラグのフォーミング鎮静方法。
b=10-3・(ρb-ρs)/Vg ・・・(5)
ρb-ρs≧500 ・・・(6)
ここで、ρsはスラグの平均見掛け密度(kg/m3)を表す。
本発明によれば、精錬炉における吹錬中に発生するフォーミングをより効率良く鎮静できるスラグのフォーミング鎮静方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るスラグのフォーミング鎮静方法について詳細に説明する。本実施形態では、転炉などの精錬炉内の溶鉄の温度によって添加する鎮静剤の条件が異なる。具体的には、溶鉄の温度が1400℃未満の場合と、1400℃以上の場合とに分けて説明する。ここで1400℃未満の温度は、主に脱燐吹錬中の溶鉄の温度を想定しているが、脱燐吹錬中での溶鉄の温度に限定されない。また、1400℃以上の温度は、主に脱炭吹錬中の溶鉄の温度を想定しているが、脱炭吹錬中での溶鉄の温度に限定されない。
本実施形態でフォーミングしたスラグに添加する鎮静剤は、熱分解でガス化する際の体積膨張エネルギーを利用して泡沫層を破壊する効果を有する物質であり、実操業において広く使用される製紙廃剤成形品等の固体もしくは液体である。この製紙廃剤成形品とは、例えば、製紙廃剤:30~50質量%、水分:10質量%、製鋼スラグ等を混合して、直径30~50mm、高さ30~50mmの円柱状に塊状化した成形物である。製紙廃剤成形品はセルロースを主成分とし、スラグの熱で分解してガス化する。そのときの体積膨張エネルギーで泡沫層が破壊され、フォーミングが鎮静する。
ここで、鎮静剤の見掛け密度が高いほど、フォーミングしたスラグに鎮静剤を添加した際に、スラグの深部まで鎮静剤が沈降し、その深部で鎮静剤がガス化して膨張するため、フォーミングしたスラグの泡沫層が破壊されやすいと考えられる。しかしながら、鎮静剤の見掛け密度が高い物質は、ガスを発生する有機物等の含有量が少なくなる。一般的に、ガス発生を起こす有機物の密度は小さいため、鎮静剤全体の見掛け密度を高くするほど、ガス化する際のガス発生体積が小さくなる傾向がある。また、ガス発生体積が大きいほどスラグのフォーミングの鎮静効果が高くなる傾向がある。そのため、ガス発生体積が極端に小さく、鎮静剤の見掛け密度が高い鎮静剤では、十分なスラグ鎮静効果は得られない。しかしその一方で、後述するように、ガス発生体積が大きすぎても、十分なスラグ鎮静効果が得られない場合もある。そこで本実施形態では、鎮静剤のガス発生体積と、鎮静剤の見掛け密度との関係を規定し、その条件を定めることによって適切な鎮静剤を選択できるようにしている。以下、具体的な条件について説明する。
[溶鉄の温度:1400℃未満]
本実施形態に係るスラグのフォーミング鎮静方法では、主に脱燐吹錬中など、精錬炉内の溶鉄の温度が1400℃未満の条件においては、以下の(1)式で算出されるNaが60以下の鎮静剤をスラグに添加する。なお、Naが60超では、ガス発生体積が小さすぎることから、スラグのフォーミングを十分に鎮静化させ得ることができない。
a=10-3・ρb/Vg ・・・(1)
ここで、Vgは鎮静剤の1kgが完全燃焼した場合のガス発生体積(Nm3/kg)を表し、ρbは鎮静剤の見掛け密度(kg/m3)を表す。
また、スラグの平均見掛け密度と鎮静剤の見掛け密度との差が小さすぎると、フォーミングしたスラグに添加した鎮静剤がスラグ中を沈降する速度が遅くなり、スラグ中のより浅い位置で鎮静剤がガス化し、スラグの泡沫層を効率良く破壊できなくなる可能性がある。そこで、スラグの平均見掛け密度との関係で、添加する鎮静剤はさらに以下の(2)式で算出されるNbが0.5以上、58以下の条件及び(3)式の条件を満たすことが好ましい。
b=10-3・(ρb-ρs)/Vg ・・・(2)
ρb-ρs≧500 ・・・(3)
ここで、ρsはスラグの平均見掛け密度(kg/m3)を表す。なお、ρsの値は、実際にフォーミングしたスラグを採取してJIS Z8807:2012に記載の方法で測定してもよいが、精錬炉内の形状と炉内スラグ重量との値を用いて計算した値を用いてもよい。
[溶鉄の温度:1400℃以上]
溶鉄が高温の条件では、鎮静剤を添加すると、スラグ中を沈降する早期のタイミングで高温化されてガス化しやすくなる。したがって、ガス発生体積が極端に大きく、見掛け密度が小さな鎮静材は、スラグ中のより浅い位置で鎮静剤がガス化し、スラグの泡沫層を効率良く破壊できなくなる。ただし、ガス発生体積が極端に大きくなければ、前述したように、ガス発生体積が大きいほどスラグのフォーミングの鎮静効果が高くなる傾向がある。また、1400℃未満の条件に比べて1400℃以上の高温条件では、鎮静剤の見掛け密度を高くすることによって、鎮静剤をスラグのより深部に沈降させる効果がやや大きくなり、ガス発生体積が小さくなるデメリットがやや小さくなる。
以上の点を踏まえ、本実施形態に係るスラグのフォーミング鎮静方法では、主に脱炭吹錬中など、精錬炉内の溶鉄の温度が1400℃以上の条件においては、前述の(1)式で算出されるNaが0.7以上、70以下の鎮静剤をスラグに添加する。なお、Naが70超では、ガス発生体積が小さすぎることから、スラグのフォーミングを十分に鎮静化させ得ることができない。また、Naが0.7未満では、鎮静剤の見掛け密度が小さすぎることからスラグ中を沈降しにくくなり、フォーミングしたスラグの表面付近で早期にガス化してしまい、スラグの泡沫層が破壊されなくなってしまう。
また、スラグの平均見掛け密度と鎮静剤の見掛け密度との差が小さすぎると、フォーミングしたスラグに添加した鎮静剤がスラグ中を沈降する速度が遅くなり、同様にスラグ中のより浅い位置で鎮静剤がガス化し、スラグの泡沫層を効率良く破壊できなくなる可能性がある。そこで、スラグの平均見掛け密度との関係で、添加する鎮静剤はさらに前述の(2)式で算出されるNbが0.7以上、66以下の条件及び前述の(3)式の条件を満たすことが好ましい。なお、ρsの値は、同様にJIS Z8807:2012に記載の方法で測定してもよく、精錬炉内の形状と炉内スラグ重量との値を用いて計算した値を用いてもよい。
[鎮静剤の添加方法]
鎮静剤の精錬炉内への添加は、その精錬炉に近傍に敷設されたホッパーを介して行われる。このホッパーは、鎮静剤を貯蓄したバンカーにつながっており、作業者によって設定された、任意の量の鎮静剤を添加することが可能である。
鎮静剤を添加するタイミングとしては、精錬炉内でフォーミングしたスラグがその精錬炉の高さ方向の4/5程度の高さに到達した場合に、前述の条件を満たす精錬剤を添加することが好ましい。このスラグ高さの計測方法としては、例えば、ランスの振動情報、μ波を用いて計測する方法、炉内の音響レベルから予測する方法などがある。
なお、そのスラグ高さが精錬炉の高さ方向の4/5の高さより低い条件で鎮静剤を添加してもよいが、スラグが十分にフォーミングしておらず、鎮静剤の鎮静効果が低下して必要な鎮静剤量が多くなる場合がある。一方で、そのスラグ高さが精錬炉の高さ方向の4/5以上の高さに到達すると、その後フォーミングによって炉口からスラグが流出する場合がある。フォーミングによって炉口からスラグが流出する前に前述の精錬剤を添加することが好ましいが、フォーミングによってスラグが精錬炉の炉口から流出した後に前述の精錬剤を添加した場合においても、その効果は発現する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(第1の実施例)
300t規模の転炉に250tの溶銑を装入し、フラックス等を添加して上吹きランスから酸素を吹き付けて脱燐処理を行った。そして、脱燐吹錬中の溶鉄温度を測温プローブで測定し、溶鉄の温度が1400℃未満であることを確認した後、転炉内に鎮静剤を150kg添加した。なお、同様の実験を7種類の鎮静剤を用いて行った。また、鎮静剤を添加する時のスラグの組成は、CaO:30~60質量%、SiO2:10~35質量%、T.Fe:10~30質量%、MgO:5~10質量%、MnO:5~10質量%、P25:2~5質量%、Al23:0~5質量%であった。
試験No.1~No.11で用いたそれぞれの鎮静剤A~G、鎮静剤1kgが完全燃焼した場合際のガス発生体積Vg、鎮静剤の見掛け密度ρb、及びスラグの平均見掛け密度ρsを表1に示す。なお、それぞれのガス発生体積Vgは予め測定した値であり、鎮静剤の見掛け密度ρbは予めJIS Z8807:2012に記載の方法で測定した。また、スラグの平均見掛け密度ρsは、スラグ高さを炉口付近として吹錬前の溶鉄の湯面高さと転炉の幾何学的形状とからフォーミングしたスラグの体積を計算し、投入した副原料の重量及び生成酸化物の計算重量からフォーミングしたスラグの重量を計算し、その商から計算した。鎮静剤A~Eは、一般炭、製紙廃剤、水、製鋼スラグ、耐火物、金属屑、セメントの混合比を調整して製造したものである。
鎮静剤を添加した後すぐに中間排滓を行うために、作業者が炉口付近からのスラグ流出可否を確認しながら、転炉の傾動操作を行った。このとき、問題なく炉傾動して中間排滓を行うことができた場合を炉傾動「可」とし、スラグのフォーミングが十分に鎮静しておらず、炉口からスラグの流出タイミングが早くて炉傾動が出来ない場合を、炉傾動「不可」として評価した。また、炉傾動「可」であった例については、併せてスラグ流出角度も表1に示す。スラグ流出角度とは、スラグの流出が開始した際の転炉の傾動角度を示しており、この傾動角度は、吹錬終了時点の転炉の炉口が鉛直方向にある状態を0度とし、中間排滓の際の炉傾動に伴って傾動角度が大きくなる。つまり、スラグ流出角度が大きいほど、炉内のスラグ高さが小さく、スラグ鎮静効果が大きいことを示す。
表1に示すように、No.1~No.7は、何れの条件においても炉傾動が可能であった。その一方で、比較例のNo.8は炉傾動が不可であった。No.1~No.7は、Naが60以下であり、スラグ深部でガスが発生したため、効率的にフォーミングスラグを鎮静したと考えられる。また、No.2~No.7は、No.1に対してスラグ流出角度が大きかった。これは、No.2~7のNbが0.5以上、58以下、かつρb-ρs≧500であり、No.1に対して、よりスラグの深部でガスが発生したため、効率的にフォーミングスラグを鎮静したと考えられる。
(第2の実施例)
300t規模の転炉に250tの溶銑を装入し、脱燐処理を行った後に中間排滓を行い、その後、上吹きランスから酸素を吹き付けて脱炭吹錬を行った。そして、脱炭吹錬中の溶鉄温度を測温プローブで測定し、溶鉄の温度が1400℃以上であることを確認した後、転炉内に鎮静剤を150kg添加した。なお、同様の実験を7種類の鎮静剤を用いて行った。また、鎮静剤を添加する時のスラグの組成は、CaO:30~60質量%、SiO2:10~35質量%、T.Fe:10~30質量%、MgO:5~10質量%、MnO:5~10質量%、P25:2~5質量%、Al23:0~5質量%であった。また、試験No.1~No.7で用いたそれぞれの鎮静剤A~Gは、一般炭、製紙廃剤、水、製鋼スラグ、耐火物、金属屑、セメントの混合比を調整して製造したものである。ガス発生体積Vg、鎮静剤の見掛け密度ρb、及びスラグの平均見掛け密度ρsをそれぞれ表2に示す。
鎮静剤を添加した後すぐに、転炉を傾動して出鋼を行うために、作業者が炉口付近からのスラグ流出可否を確認しながら、転炉の傾動操作を行った。脱炭吹錬後の炉傾動では、転炉から出鋼した溶鋼を溶鋼鍋で受鋼する際に、炉口から流出したスラグが溶鋼鍋の中に落下する、もしくは、その鍋の周囲に落下し、設備の損傷を招くことがある。問題なく炉傾動して溶鋼を出鋼することができた場合を炉傾動「可」とし、スラグのフォーミングが十分に鎮静しておらず、炉口からスラグの流出タイミングが早くて炉傾動が出来ない場合を、炉傾動「不可」として評価した。また、炉傾動「可」であった例については、併せてスラグ流出角度も表2に示す。
表2に示すように、No.1~No.6は、何れの条件においても炉傾動が可能であった。その一方で、比較例のNo.7及びNo.8は炉傾動が不可であった。No.1~No.6は、Naが0.7以上、70以下であり、スラグ深部でガスが発生したため、効率的にフォーミングスラグを鎮静したと考えられる。また、No.1~No.4、及びNo.6は、No.5に対してスラグ流出角度が大きかった。これは、No.1~No.4、及びNo.6のNbが0.7以上、66以下あり、No.5に対して、よりスラグ深部でガスが発生したため、効率的にフォーミングスラグを鎮静したと考えられる。

Claims (3)

  1. 精錬炉で脱燐吹錬を行った後に、脱炭吹錬を行う際に、前記脱燐吹錬を行う精錬炉内の溶鉄の温度が1400℃未満である場合に、前記精錬炉内のスラグに以下の(1)式で算出されるNaが60以下の条件を満たす鎮静剤を添加し、前記脱炭吹錬を行う精錬炉内の溶鉄の温度が1400℃以上である場合に、前記精錬炉内のスラグに以下の(1)式で算出されるN a が0.7以上、70以下の条件を満たす鎮静剤を添加することを特徴とするスラグのフォーミング鎮静方法。
    a=10-3・ρb/Vg ・・・(1)
    ここで、Vgは鎮静剤の1kgが完全燃焼した場合のガス発生体積(Nm3/kg)を表し、ρbは鎮静剤の見掛け密度(kg/m3)を表す。
  2. 前記脱燐吹錬に添加する鎮静剤は、さらに以下の(2)式で算出されるNbが0.5以上、58以下の条件、かつ(3)式の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のスラグのフォーミング鎮静方法。
    b=10-3・(ρb-ρs)/Vg ・・・(2)
    ρb-ρs≧500 ・・・(3)
    ここで、ρsはスラグの平均見掛け密度(kg/m3)を表す。
  3. 前記脱炭吹錬に添加する鎮静剤は、さらに以下の(5)式で算出されるNbが0.7以上、66以下の条件、かつ(6)式の条件を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のスラグのフォーミング鎮静方法。
    b=10-3・(ρb-ρs)/Vg ・・・(5)
    ρb-ρs≧500 ・・・(6)
    ここで、ρsはスラグの平均見掛け密度(kg/m3)を表す。
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