JP6582963B2 - 振動検出センサ - Google Patents

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Description

本発明は振動検出センサに関する。
プラントに設置されるスチームトラップ、モータやポンプ等の機器や設備の監視のため、振動を検出することが行われる。発生する振動は、振動検出センサで検出し、電気信号に変換して出力される。
例えば特許文献1に開示された監視装置は、電力機器を収納したタンク内の導体に異常過熱状態で振動を発生する検出体を埋設しておき、異常過熱によって発生した振動をタンクの外壁面に取り付けた振動検出センサで検出するものである。
特開平5−223635号公報
特許文献1記載の監視装置は、タンクの外壁面に振動検出センサを取り付ける必要があるが、一般的には、機器や設備に振動検出センサを取り付ける場合、接着剤が用いられたり、ねじで固定されることが多い。
ところが、接着剤の場合は、取り付け面を平坦にしたり、洗浄する必要があり、取り付けや取り付け位置の変更が煩雑で、時間がかかるという問題がある。また、接着剤が振動検出センサと機器との間に介在するため、接着剤の弾性によって振動の伝達が緩和される恐れもある。
ねじで取り付ける場合は、機器や設備にねじ加工が必要となり、接着剤の場合と同様に、取り付けや取り付け位置の変更が煩雑で時間がかかるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、振動を直接伝達でき、取り付けや取り付け位置の変更が短時間にできる振動検出センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る振動検出センサは、
振動を検出する振動検出素子と、
前記振動検出素子が実装される回路基板と、
前記回路基板が内部に固定されるハウジングと、
前記ハウジングの外部に固定される磁性材料のヨークと、
前記ヨークに装着され被検出体に磁力で取り付ける永久磁石と、
前記ヨークおよび前記ハウジングを貫通して前記ヨークと前記ハウジングとを固定し前記ヨークからの振動を前記ハウジングに伝達する締め付け部材と、を備える、
ことを特徴とする。
本発明によれば、振動を直接伝達でき、取り付けや取り付け位置の変更が簡単にできる。
本発明の振動検出センサの一実施の形態を示す正面図である。 本発明の一実施の形態の図1中のA−A断面図である。 本発明の一実施の形態の図1中のB−B断面図である。 本発明の他の一実施の形態の正面図である。 本発明の他の一実施の形態の図4中のC−C断面図である。 本発明の他の一実施の形態の図4中のD−D断面図である。
以下に、本発明の一実施の形態に係る振動検出センサを添付図面に基づいて説明する。
本発明の振動検出センサ1は、図1〜3に示すように、振動を検出する振動検出素子10と、振動検出素子10が実装される回路基板20と、回路基板20が内部に固定されるハウジング30と、ハウジング30の外部に固定される磁性材料のヨーク40と、ヨーク40に装着され被検出体に磁力で取り付ける永久磁石50と、を備えて構成される。
本実施の形態の振動検出素子10は、例えば、加速度センサで構成され、直交するX,Y,Z方向の振動を検出するものである。例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型加速度センサが用いられる。MEMS型加速度センサは、加速度を検出する検出素子部と、検出素子からの信号を増幅、調整して出力する信号処理回路で構成される。検出素子部は、静電容量式のものやピエゾ抵抗式のものなどの検出素子で構成される。振動検出素子10は、上記のもののほか、振動を把握するためのセンサとして用いられているものであれば良い。
回路基板20は、例えばガラス繊維入り樹脂を基材とし、基材の表面に所定の配線パターンが形成されているものである。回路基板20は、振動検出素子10が被検出体側(裏側)に実装され、半田によって電気的に接続されている。また、回路基板20は、振動検出素子10への電力供給と振動検出素子10で検出した振動に基づく電気信号を出力するための電気コード21が電気的に接続されている。
ハウジング30は、振動検出素子10および回路基板20を収納するためのものであり、例えばアルミニウムなどの金属材料で形成される。ハウジング30は、底面部31側(反被検出体側)が塞がれ,被検出体側が開口部32とされた矩形の箱状に形成され、箱状の内側部分が振動検出素子10および回路基板20の収納部33とされる。ハウジング30は、図1,3に示すように、収納部33に、底面部31から開口部32側の中間部まで突き出し、先端が水平とされた回路基板20用の支持部34と、回路基板20を固定するためのねじ用のボス部35とが一体に形成されている。また、ハウジング30は、支持部34とボス部35とを結ぶ方向(図1の紙面左右方向)と直交する方向(図1の紙面上下方向)の底面部31の対向する2箇所、すなわち、図1,3の左右の2箇所に平面視U字状に切り欠かれて切り欠き部36が形成されている。切り欠き部36では、底面部31側がハウジング30の中間部の水平の支持部34の外側面が露出するように形成され、切り欠き部36は、外側の周囲がU字状の壁面37で囲まれている。すなわち、ハウジング30の底面部31は、切り欠き部36の部分が中間部までの高さとされた支持部34と、他の部分が全高の底面部31となっており、内側が収納部33とされる。また、収納部33には、支持部34の切り欠き部36が位置する部分に開口部32まで突き出す締め付け用のボス部38が形成されており、ボス部38から支持部34を貫通して切り欠き部36までねじ孔39が形成してある。
このハウジング30には、回路基板20が収納部33に収納され、図3に示すように、支持部34に当てられて表裏方向(図中の紙面上下方向)に位置決めされ、図2に示すように、ボス部35に当てられた回路基板20が固定部材を構成するねじ61によってハウジング30のボス部35に固定される。
また、ハウジング30は、開口部32を塞ぐように、後述するヨーク40が当てられ、ヨーク40を貫通してボス部38のねじ孔39に挿通された締め付け部材を構成する皿ねじ62に、切り欠き部36の支持部34の外側から締め付け部材を構成するナット63が締め付けられる。これにより、ナット63が切り欠き部36の壁面37の内側に位置し、切り欠き部36によって底面部31の外側面にナット63が突き出さないようにしている。
ハウジング30の収納部33には、振動検出素子10および回路基板20を気密的に封止する封止部材70が充填される。封止部材70は、例えばエポキシ樹脂などが用いられ、収納部33内を満たすように充填される。
封止部材70を充填して収納部33内の振動検出素子10や回路基板20を気密状態とすることで、簡単に気密性や防水性を確保することができ、製造工程も簡素化することができる。
ヨーク40は、磁性材料からなり、例えば機械構造用炭素鋼SPC(Stell Plate Cold)で、横断面形状がコの字に形成されている。ヨーク40は、平面部41と、両端部に突き出した脚部42とを備えて構成されている。ヨーク40は、ハウジング30の開口部32を塞ぐように平面部41が当てられ、両端の脚部42が被検出体側に突き出すように配置される。ヨーク40は、平面部41に貫通してねじ孔39が形成され、被検出体側のねじ孔39の周囲に座ぐり部43が形成してある。ヨーク40の座ぐり部43側から締め付け部材を構成する皿ねじ62を挿通し、ハウジング30のねじ孔39を介して切り欠き部36の外側の支持部34から突き出した皿ねじ62に締め付け部材を構成するナット63を締め付けてヨーク40をハウジング30に固定する。
これにより、ヨーク40とハウジング30とが強固に固定されて一体となり、ハウジング30のボス部35にねじ61で取り付けられた振動検出素子10に振動が直接伝達されることになる。
また、ヨーク40とハウジング30とを固定するナット63は、支持部34の外側で、切り欠き部36の壁面37の内側に位置し、ハウジング30の外側にナット63が飛び出さないようになる。
また、ヨーク40の平面部41は、内側の座ぐり部43によって締め付け部材となる皿ねじ62の頭部が外側に突き出すことがなく、平面部41の内側は、平坦面のまま保持されている。
永久磁石50は、例えばフェライトからなる磁性材料で四角柱形状に形成されて構成される。永久磁石50は、磁石厚み方向に2極が着磁されている。
永久磁石50は、ヨーク40の平面部41と両端部の脚部42との間に装着され、永久磁石50は、脚部42の先端より内側に配置されている。
永久磁石50は、ヨーク40の皿ねじ62の頭部が座ぐり部43で平坦とされた平面部41に装着され、永久磁石50の磁力によりヨーク40と密着性を高めて取り付けられている。
このような構成した振動検出センサ1は、永久磁石50が装着されたヨーク40の脚部42を被検出体に当てるように設置し、永久磁石50の磁力によって被検出体に取り付ける。
被検出体で振動が発生すると、ヨーク40を介して皿ねじ62で一体とされたハウジング30に振動が伝達され、ハウジング30のボス部35にねじ61で取り付けられた回路基板20の振動検出素子10が振動を検出し、検出された振動に基づく電気信号が電気コード21を介して振動検出センサ1から出力される。
また、被検出体への取り付け位置、例えばスチームトラップ、モータやポンプなどの振動を検出しやすい位置に振動検出センサ1を変える場合には、永久磁石50で吸着していた振動検出センサ1を被検出体から取り外した後、再び吸着させることで簡単に検出位置の変更ができる。特に、接着剤やねじによる取り付け作業に比べ、被検出体の平坦性や清浄性の確保、ねじ加工の必要性がなく、簡単かつ短時間に対応することができる。また、接着剤が介在することによる弾性の影響を排除することができる。また、接着剤を用いる場合には、経年変化で接着強度が変化する場合があるが、永久磁石50を用いることで、経年変化の影響を抑えることができる。
この振動検出センサ1によれば、ハウジング30の収納部33内を封止部材70を充填して気密状態としたので、簡単に製造することができるとともに、防水性を確保することができる。蓋を設けてハウジング30の開口部32を密封する場合に比べ、金型やシール用のパッキンの必要もなく、部品点数を減らすこともできる。
次に、本発明の振動検出センサの他の実施の形態について、図4〜図6により説明する。なお、既に説明した上記の実施の形態と同一部分には、同一符号を記し、重複する説明は省略する。
振動検出センサ1Aは、ハウジング30の開口部32を蓋体80で塞ぎ、収納部33を気密状態で密封するようにしたものである。
蓋体80は、例えばアルミニウムなどの金属からなり、ハウジング30の開口部32を塞ぐことができる矩形に形成される。蓋体80は、周囲の内側に突出部81が形成されて収納部33の内側面に位置決めされる。蓋体80は、突出部81の外側の平坦面がパッキン取り付け面とされ、パッキン71が取り付けられて開口部32の先端面との間をシールする。
蓋体80の内側には、収納部33内に取り付けられた回路基板20を支持するための凸部を構成する固定部82が突き出すように形成され、先端部が回路基板20に接触するようにしてある。
蓋体80は、ハウジング30の開口部32を塞ぐようにした状態で、ヨーク40が当てられ、ヨーク40をハウジング30に固定する締め付け部材を構成する2本の皿ねじ62とナット63でヨーク40と共締めされる。これにより、ハウジング30が蓋体80で気密状態に密封できると共に、固定部82で回路基板20を支持することで、一層確実にヨーク40を介して回路基板20の振動検出素子10に振動が伝達される。
なお、振動検出センサ1Aの他の構成は、既に説明した振動検出センサ1と同一である。
このような振動検出センサ1Aでは、永久磁石50が装着されたヨーク40の脚部42を被検出体に当てるように設置し、永久磁石50の磁力によって被検出体に取り付ける。
被検出体で振動が発生すると、ヨーク40および蓋体80を介して皿ねじ62で一体とされたハウジング30に振動が伝達され、ハウジング30のボス部35にねじ61で取り付けられた回路基板20の振動検出素子10が振動を検出し、検出された振動に基づく電気信号が電気コード21を介して振動検出センサ1Aから出力される。
また、被検出体への取り付け位置、例えばスチームトラップ、モータやポンプなどの振動を検出しやすい位置に振動検出センサ1Aを変える場合には、永久磁石50で吸着していた振動検出センサ1Aを被検出体から取り外した後、再び吸着させることで簡単に検出位置の変更ができる。特に、接着剤やねじによる取り付け作業に比べ、被検出体の平坦性や清浄性の確保、ねじ加工の必要性がなく、簡単かつ短時間に対応することができる。また、接着剤が介在することによる弾性の影響を排除することができる。また、接着剤を用いる場合には、経年変化で接着強度が変化する場合があるが、永久磁石50を用いることで、経年変化の影響を抑えることができる。また、蓋体80に形成した凸部を構成する固定部82で回路基板20を抑えることで、一層確実に振動を振動検出素子10に伝達することができる。
この振動検出センサ1Aによれば、ハウジング30の収納部33内を蓋体80およびパッキン71によって気密状態で密封したので、封止部材70を用いる場合に比べ、封止部材70の硬化時間を待つことなく一層短時間に製造することができる。また、蓋体80を設けているので、蓋体80を取り外して内部を点検することができる。
本発明の振動検出センサ1によれば、振動を検出する振動検出素子10と、振動検出素子10が実装される回路基板20と、回路基板20が内部に固定されるハウジング30と、ハウジング30の外部に固定される磁性材料のヨーク40と、ヨーク40に装着され被検出体に磁力で取り付ける永久磁石50と、を備えて構成されているので、振動を永久磁石50、ヨーク40およびハウジング30を介して振動検出素子10に直接伝達でき、永久磁石50により取り付けや取り付け位置の変更が短時間にできる。
本発明の振動検出センサ1によれば、ヨーク40およびハウジング30を貫通してヨーク40とハウジング30とを固定しヨーク40からの振動をハウジング30に伝達する締め付け部材62を備えることで、締め付け部材62で一体とされたヨーク40およびハウジング30を介して振動検出素子10に振動を一層確実に伝達することができる。
本発明の振動検出センサ1によれば、ヨーク40は、締め付け部材62の頭部が平坦に取り付けられる座ぐり部43を備えることで、ヨーク40に永久磁石50を密着させることができ、被検出体への磁力による吸着を確実に行うことができる。
本発明の振動検出センサ1によれば、ハウジング30は、開口部32を有し、内部に回路基板20が固定される収納部33と、収納部33内に充填される封止部材70と、を備えることで、収納部33内を気密状態にすることができ、簡単に気密性や防水性を確保することができる。また、製造工程も封止部材70を充填するだけであり、簡素化することもできる。
本発明の振動検出センサ1Aによれば、ハウジング30は、開口部32を有し、内部に回路基板20が固定される収納部33と、収納部33の開口部32を塞ぐ蓋体80と、を備え、蓋体80は、ヨーク40とハウジング30との間に配置され、締め付け部材62でハウジング30に固定されることで、収納部33内を蓋体80で気密状態にすることができ、簡単に気密性や防水性を確保することができた、蓋体80を取り外して内部を点検することもできる。製造工程も封止部材70の硬化時間を待つことなく短時間に製造することができる。
本発明の振動検出センサ1Aによれば、回路基板20を収納部33の底面に固定する固定部材61と、蓋体80に形成され、締め付け部材62、63による締め付け力により回路基板20をハウジング30の底面に向かって押さえ込む凸部82と、を備えることで、回路基板20を確実にハウジングに固定することができ、振動を振動検出素子10に確実に伝達して検出することができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定するものではない。
1 振動検出センサ
1A 振動検出センサ
10 振動検出素子
20 回路基板
21 電気コード
30 ハウジング
31 底面部
32 開口部
33 収納部
34 支持部
35 ボス部
36 切り欠き部
37 壁面
38 ボス部
39 ねじ孔
40 ヨーク
41 平面部
42 脚部
43 座ぐり部
50 永久磁石
61 ねじ(固定部材)
62 皿ねじ(締め付け部材)
63 ナット(締め付け部材)
70 封止部材
71 パッキン
80 蓋体
81 突出部
82 固定部(凸部)

Claims (5)

  1. 振動を検出する振動検出素子と、
    前記振動検出素子が実装される回路基板と、
    前記回路基板が内部に固定されるハウジングと、
    前記ハウジングの外部に固定される磁性材料のヨークと、
    前記ヨークに装着され被検出体に磁力で取り付ける永久磁石と、
    前記ヨークおよび前記ハウジングを貫通して前記ヨークと前記ハウジングとを固定し前記ヨークからの振動を前記ハウジングに伝達する締め付け部材と、を備える、
    ことを特徴とする振動検出センサ。
  2. 前記ヨークは、
    前記締め付け部材の頭部が平坦に取り付けられる座ぐり部を備える、
    ことを特徴とする請求項に記載の振動検出センサ。
  3. 前記ハウジングは、
    開口部を有し、内部に前記回路基板が固定される収納部と、
    前記収納部内に充填される封止部材と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の振動検出センサ。
  4. 前記ハウジングは、
    開口部を有し、内部に前記回路基板が固定される収納部と、
    前記開口部を塞ぐ蓋体と、を備え、
    前記蓋体は、前記ヨークと前記ハウジングとの間に配置され、締め付け部材で前記ハウジングに固定される、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の振動検出センサ。
  5. 前記回路基板を前記収納部の底面に固定する固定部材と、
    前記蓋体に形成され、前記締め付け部材による締め付け力により前記回路基板を前記ハウジングの底面に向かって押さえ込む凸部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項に記載の振動検出センサ。
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