JP6009393B2 - 振動測定用センサ装置 - Google Patents
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Description
以下、この発明による振動測定用センサ装置を図に基づいて説明する。図1は実施の形態1による振動測定用センサ装置100(以下、センサ装置100と称呼する。)を示す後述する図2のA−A線断面の断面図である。この実施の形態1によるセンサ1は加速度センサの例を示しており、このセンサ1は軟鋼等の磁性体のボビン3の頂部に取り付けネジ8とナット7によって固着され、ボビン下面3Aは磁性体を備えた対象物20に接する。コイル2はボビン3に塗装などの対地絶縁が施されて所要ターン数が巻き付けられている。ボビン3の両側に設けられた磁性体のヨーク4は、ピン5を中心として揺動回転しヨーク下面4Aが磁性体の対象物20の表面に接する。従ってこのセンサ装置100を取り付ける対象物20の表面形状がモータ等の円筒ヨーク状であっても、ヨーク4が揺動回転して表面形状に倣うよう密に取り付けることができる。前記コイル2はDC電源6によって励磁される。上記センサ装置100は、センサ1、コイル2、ボビン3、ヨーク4、ピン5、ナット7、取り付けネジ8が一体化されることによって構成されており、DC電源6はコイル2を励磁時に準備される。
センサ装置100をモータやコンプレッサ等、円筒状外面をもつ対象物20へ取り付けるには、まず、対象物20の振動測定する所定の位置にセンサ装置100を仮搭載する。この際ボビン3の両側に設けたヨーク4を揺動させて対象物20の表面形状にヨーク下面4Aが倣うように位置調整する。その後、DC電源6を用いてコイル2を励磁することにより、ボビン3、対象物20、ヨーク4を通る磁気回路が形成され、センサ装置100は対象物20に固着される。この固着力は対象物20の表面形状や材質等によりDC電源6の出力電源値を制御することによって調整される。この状態でセンサ装置100によって対象物20の不釣合振動を含む振動が測定される。対象物20からの取り外しはコイル2への励磁を停止することで行うことができる。このようにコイル2が設けられたボビン3と、このボビン3の両側に設けられたヨーク4とを備えたセンサ装置100であるので、ボビン3、対象物20、ヨーク4を通る磁気回路が形成され、この磁気回路における漏洩磁束量が少なく、かつ対象物20の表面に倣うよう密にヨーク4が接触しているので、接触部位の面積が増加するとともに、センサ装置100が対象物20との間の吸着電磁力を、小型化された装置であっても有効にかつ大きく発生させることができる。従って対象物20の振動測定が高精度に行うことができ、さらに振動数が高い場合であっても、対象物20の振動に追従可能となり、センサ1はより広い周波数帯域の振動が測定可能となる。センサ装置100を対象物20に取り付け、取り外しのときには、コイル2に励磁を行っていなければ、吸着力が発生していないため、従来例のマグネットを用いた場合のように、軽量の対象物が治具に引き付けられて転倒するようなことが生じない。さらに励磁電流を調整することで吸着力を大きくし、より高周波領域の振動を可能としたり、対象物20の剛性に合わせ吸着力の調整を行うことができる。また、コイル2の励磁にDC電源6を用いているため、AC電源による励磁に比較して吸着力が一定であり、センサ装置100を安定に取り付けることができ、AC電源では交番磁界によるセンサ装置100に発生する微振動がセンサ1にノイズとして計測されることを防止している。しかしながら励磁電源は、必ずしもDC電源6に限定されることなく、必要とする測定精度に合わせて選択してもよい。
実施の形態1のボビン3、ヨーク4はソリッドの軟鋼等を用いる例を示したが、ソリッドに代替して薄板の電磁鋼板の積層構造であってもよい。この場合、磁気特性がさらに向上する。
この実施の形態3は前述した実施の形態2の薄板鋼板の積層体構造をボビン31とヨーク41に採用した場合において、前述した実施の形態1で示したピン挿入孔3E、4Eとピン5に代替して、積層する薄板鋼板のそれぞれに凸部、凹部を設け、この凸部と凹部とを嵌め合わせることによって、ヨーク41がボビン31に対して揺動回転可能とするものである。図8に示すセンサ装置100のボビン31とヨーク41のP−P線断面を図9に示す。この図9はピン部51を説明するため模式的に示すものであり、図9に示すようにボビン31はピン部凹51A、ピン部凸51Bが設けられたボビン31Bと、上記ピン部凹51A、ピン部凸51Bが設けられてないボビン31Aで構成され、またヨーク41はピン部凹51A、ピン部凸51Bが設けられたヨーク41Aと、上記ピン部凹51A、ピン部凸51Bが設けられてないヨーク41Bとで構成されている。そしてボビン31は前記ボビン31A、31Bが交互に積層され、ヨーク41も前記ヨーク41A、41Bが交互に積層されるとともに、ヨーク41Aのピン部凸51Bがボビン31Bのピン部凹51Aに、ヨーク41Bのピン部凸51Bがヨーク41Aのピン部凹51Aに挿入されるよう積層されている。
このピン部51が設けられることによって、ヨーク41はボビン31に対して揺動回転可能となる。
4 ヨーク、4A ヨーク下面、4B 連結部、4C 連結溝、4D 周り止め部、
31 ボビン、41 ヨーク、100 振動測定用センサ装置。
Claims (8)
- 振動測定用センサ装置であって、コイルが設けられた磁性体よりなるボビンと、このボビンの頂部にはセンサが設置されているとともに、該ボビンの上部両側の突出部に磁性体よりなるヨークが装着されて前記ヨークとの連結部が形成され、前記ヨークが前記連結部を支点として前記ボビンに対して揺動可能に装着され、前記コイルが励磁されることで前記ボビンの下面および前記ヨーク下面とが、磁性体を備えた対象物の表面に固着し、前記対象物の発生する振動を測定することを特徴とする振動測定用センサ装置。
- 前記ヨークは、鉤部を有する鉤状をなし、前記鉤部に設けられた溝に前記ボビンの前期突出部が挿入されることで前記連結部が形成され、該連結部には前記ヨークおよび前記ボビンを貫通するピンが設けられて、前記ヨークが前記ボビンに揺動可能に装着されることを特徴とする請求項1に記載の振動測定用センサ装置。
- 前記ボビンの突出部の先端および前記ボビンの突出部と対向する前記ヨークの前記鉤部の溝底は、円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の振動測定用センサ装置。
- 前記ボビンの下面は、八の字状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動測定用センサ装置。
- 前記コイルへの励磁は、直流電源によってなされることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動測定用センサ装置。
- 前記センサは、加速度センサであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動測定用センサ装置。
- 前記ボビンおよび前記ヨークは薄板鋼板の積層体であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動測定用センサ装置。
- 前記ボビンおよび前記ヨークは薄板鋼板の積層体であるとともに、前記ボビンとヨークを貫通するピンに代替して、前記薄板鋼板に設けられたピン部凹にピン部凸が挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の振動測定用センサ装置。
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