JP2007053451A - 電気音響変換器およびその振動子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 漏洩磁束を低減すると共に、簡単にそして小型に構成され得るようにした、ランジュバン型の電気音響変換器とその振動子を提供する。
【解決手段】 中空円筒状の振動子本体110およびこの振動子本体内に配置されるコイル120から成る振動子100と、上記振動子本体の開放した両端をそれぞれ塞ぐように配置される磁気バイアス付加のための一対の円板状の永久磁石200,210と、上記振動子本体の両端に対してそれぞれ上記永久磁石を介して配置されるフロントマス300およびリアマス400と、上記フロントマスおよびリアマスの間に振動子本体および永久磁石を挟持し結合するために、これらの中心付近に挿通され締め付けられるボルト500と、を設けるように、電気音響変換器10を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波等の音波を放射する電気音響変換器に関し、特にランジュバン型振動子を備えた電気音響変換器およびその振動子に関する。
従来、磁歪材や超磁歪材料を用いた超磁歪振動子は、例えば図9に示すように、構成されている。
図9において、超磁歪振動子900は、振動子本体910と、コイル920とから構成されている。
上記振動子本体910は、磁歪材料から構成されており、断面が円形の棒状に形成されている。
上記コイル920は、上記振動子本体910の外周面に沿って配置され、所定数巻回されることにより構成されている。
このように構成された超磁歪振動子900によれば、外部の図示しない駆動部から駆動用電気信号が上記コイル920に加えられると、コイル920により磁束が発生し、この磁束による磁界が上記振動子本体910に作用する。
そして、上記駆動電流を変化させて、上記振動子本体910に加えられる磁界を変化させることにより、上記振動子本体910がその軸方向に関して振動するようになっている。
ここで、このような原理の超磁歪振動子900を利用した電気音響変換器は、具体的には、例えば図10に示すように構成されている。
図10において、電気音響変換器930は、上述した超磁歪振動子900に対して、永久磁石940およびヨーク950と、フロントマス960およびバネ970と、ケース980と、から構成されている。
上記永久磁石940は、上記振動子本体910の一端(図示の場合、上端)に取り付けられており、上記振動子本体910の軸方向に垂直な半径方向に関して上記コイル920を越えて張り出すように、円板状に形成されている。
上記ヨーク950は、磁性材料から構成されており、上記振動子本体910の他端(図示の場合、下端)に取り付けられると共に、上記コイル920の周囲を包囲するように、上縁が開放した中空円筒状に形成されている。
上記フロントマス960は、上記振動子本体910の他端(図示の場合、下端)に対してヨーク950を介して固定されており、上記ヨーク950の下端からさらに半径方向外側に突出するように、円板状に形成されている。
さらに、上記フロントマス960は、適宜の質量を有することによって、上記振動子本体910に過大な力が加わったときに上記振動子本体910の割れを防止するようになっている。
上記バネ970は、例えば圧縮コイルバネとして構成されており、上記永久磁石940の一端(図示の場合、上端)とケース980の内側の上端面との間に配置され、その付勢力により上記振動子本体910に下向きの機械的なバイアス応力を付与するようになっている。
上記ケース980は、下縁が開放した中空円筒状に形成されており、上記フロントマス960の張り出した外周縁付近に対して、その開放した下縁が取り付けられることにより、上記振動子900,永久磁石940,ヨーク950,フロントマス960およびバネ970を包囲し、保護するようになっている。
このような構成の電気音響変換器930によれば、上記永久磁石940による磁束がヨーク950を介して上記振動子900の振動子本体910を通過することになり、上記振動子本体910に磁気バイアスが与えられると共に、上記バネ970により上記振動子本体910に機械的なバイアス応力が与えられることになる。
この状態から、上記振動子900のコイル920に対して、外部の図示しない駆動部から駆動電流が流されると、コイル920で発生した磁束による磁界が、上記振動子本体910に対して作用することになり、上記振動子本体910が軸方向に振動する。
この振動子本体910の振動が、上記フロントマス960を介して外部に出力されることになる。
ところで、このような構成の電気音響変換器930においては、上記振動子本体910に対して磁気バイアスを付与するために、永久磁石940およびヨーク950による閉ループの磁気回路が必要となる。
また、上記振動子900に関して、振動子本体910を軸方向に上下に振動させるためには、外付け部品としてのコイル920が必要であると共に、このコイル920を固定するための固定要素が必要となり、構造が複雑化してしまう。
さらに、外付け部品が比較的多いことから、コイル920で発生する磁束が、上記振動子本体910以外の部分を通過する漏洩磁束が多くなってしまい、入力電力に対して、振動の発生効率が低くなってしまう。
これに対して、特許文献1においては、磁歪素子(振動子本体)の軸方向両端に配置され、磁気回路を構成する二つの金属ブロックが磁歪素子に軸方向に挿通されたボルトにより磁歪素子に対して固定保持されているランジュバン型の超音波振動子が開示されている。
この超音波振動子においては、ボルトを使用することにより二つの金属ブロックが振動子本体に対して固定されるので、小型で簡単な構成により、磁気回路が構成されることになる。
また、特許文献2においては、磁歪棒(振動子本体)の軸方向両端に磁気バイアス付加用の永久磁石が配置されると共に、永久磁石により磁歪棒に印加される磁気バイアスを調整するために上記各永久磁石に対して軸方向に挿脱可能な鉄芯が備えられているランジュバン型の磁歪式アクチュエータが開示されている。
この磁歪式アクチュエータにおいては、二つの永久磁石を使用することにより、より強い磁気バイアスを磁歪棒に印加することができ、より大きな振動を発生させることができると共に、各鉄芯を対応する永久磁石に対して挿脱調整することにより、上記磁気バイアスが適宜に調整されるようになっている。
さらに、特許文献3においては、中空円筒状の磁歪材と、この磁歪材の中心軸に沿って配置された強磁性体と、これらの磁歪材と強磁性体との間の環状空間内に設けられたコイルと、それぞれ上記磁歪材および強磁性体の両端に接する一対のヨークとを備えた磁歪素子が開示されている。
この磁歪素子においては、中空円筒状の磁歪材の内部にコイルを収容すると共に、コイル内を貫通する強磁性体と磁歪材とにより磁気回路を構成するようになっている。
特開平05−007594号 特開平08−228032号 特許第3024996号
ところで、上述した特許文献1による超音波振動子においては、磁気回路を構成する二つの金属ブロックが磁歪素子に軸方向に挿通されたボルトにより磁歪素子に対して固定保持されていることから、簡単な構成により小型の磁気回路となるが、外付け部品としてのコイルが必要であるために、このコイルを固定するための固定要素が必要となり、全体としての構造が複雑化してしまうと共に、磁歪素子で発生した磁束の一部が外部に漏洩することになってしまい、入力電力に対する振動の発生効率が比較的低くなってしまう。
上述した特許文献2による磁歪式アクチュエータにおいては、磁歪棒の両端に永久磁石が配置されていると共に、この永久磁石内に配置される鉄芯が挿脱可能であることにより、磁気バイアスが調整され得るようになっているが、全体の構成は、前述した電気音響変換器930とほぼ同様の構成である。
即ち、永久磁石およびヨークによる閉ループの磁気回路が必要であると共に、外付け部品としてのコイルが必要であるので、コイルを固定するための固定要素が必要となり、構造が複雑化してしまう。
また、外付け部品が比較的多いことから、同様に漏洩磁束が多くなってしまい、入力電力に対する振動の発生効率が低くなってしまう。
上述した特許文献3による磁歪素子においては、中空円筒状の磁歪材の内部にコイルを収容すると共に、コイル内を貫通する強磁性体と磁歪材とにより磁気回路を構成しているが、中心の棒状部材の周りにコイルが配置され、さらにその外側に円筒状部材が配置されていることから、前述した電気音響変換器930と機械的な構成はほぼ同じであり、また中心の棒状部材が磁気回路を構成するために軸に垂直な面内にて所定の断面積を有する必要があると共に、同様にケースが設けられていることから、全体として複雑な構成により、大型化してしまう。
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、漏洩磁束を低減すると共に、簡単にそして小型に構成され得るようにした、ランジュバン型の電気音響変換器とその振動子の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載の電気音響変換器は、中空円筒状の振動子本体およびこの振動子本体内に配置されるコイルから成る振動子と、上記振動子本体の開放した両端をそれぞれ塞ぐように配置される磁気バイアス付加のための一対の円板状の永久磁石と、上記振動子本体の両端に対してそれぞれ上記永久磁石を介して配置されるフロントマスおよびリアマスと、上記フロントマスおよびリアマスの間に振動子本体および永久磁石を挟持し結合するために、これらの中心付近に挿通され締め付けられるボルトと、を設けた構成としてある。
電気音響変換器をこのような構成とすると、振動子本体が中空円筒状に構成され、この振動子本体内にコイルが配置されているので、振動子本体の外側に外付け部品としてのコイルがないので、コイルの固定要素も不要であることから、比較的簡単で小型に構成され得ると共に、コイルで発生する磁束に対する磁気回路が、その外側に配置される振動子本体および両端の永久磁石により閉ループとして構成されているので、外部への漏洩磁束が大幅に低減され得ることになり、入力電力に対する振動発生効率が向上することになる。
また、振動子本体の両端に配置される永久磁石およびフロントマス,リアマスが、振動子本体内を貫通するボルトにより互いに結合され、固定保持されるので、全体に細型に、そして簡単に構成される。
その際、振動子本体内を貫通するボルトは、磁気回路を構成する必要がないことから、比較的小さな断面積で済むので、コイルそして振動子本体が比較的小径に構成され得ることになる。
請求項2記載の電気音響変換器は、上記振動子本体が、その円筒状の側壁部に、コイルへのリード線を引き出すための切欠部を備えている構成としてある。
電気音響変換器をこのような構成とすると、振動子本体に設けられた切欠部を通して、振動子本体内に配置されたコイルへのリード線を外部に引き出すことができる。
請求項3記載の電気音響変換器は、上記リアマスおよびこれに隣接する永久磁石が、コイルへのリード線を引き出すための貫通孔を備えている構成としてある。
電気音響変換器をこのような構成とすると、リアマスおよびこれに隣接する永久磁石に設けられた貫通孔を通して、振動子本体内に配置されたコイルへのリード線を外部に引き出すことができる。これにより、上記リード線が、振動子本体の側面からではなく、リアマス側の端面から引き出されることにより、電気音響変換器の取付の際の配線の自由度が大きくなる。
請求項4記載の電気音響変換器は、上記コイルへのリード線を引き出すための切欠部または貫通孔が、密閉されている構成としてある。
電気音響変換器をこのような構成とすると、例えば水中等の液体中の環境でも電気音響変換器を使用することができる。
請求項5記載の電気音響変換器は、上記振動子本体,永久磁石,フロントマスおよびリアマスの外部に露出している表面が、腐蝕防止コーティングを施されている構成としてある。
電気音響変換器をこのような構成とすると、外部に露出している表面が腐蝕防止コーティングにより覆われているので、腐蝕性の液体中の環境でも電気音響変換器を使用することができる。
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項6記載の電気音響変換器の振動子は、中空円筒状の振動子本体およびこの振動子本体内に配置されるコイルから構成されており、上記振動子本体の開放した両端をそれぞれ塞ぐように磁気バイアス付加のための一対の円板状の永久磁石と、その外側にフロントマスおよびリアマスが配置され、上記フロントマスおよびリアマスの間に振動子本体および永久磁石を挟持し結合するためにボルトが挿通される構成としてある。
請求項7記載の電気音響変換器の振動子は、上記振動子本体が、その円筒状の側壁部に、コイルへのリード線を引き出すための切欠部を備えている構成としてある。
請求項8記載の電気音響変換器の振動子は、上記コイルへのリード線を引き出すための切欠部が、密閉されている構成としてある。
請求項9記載の電気音響変換器の振動子は、上記振動子本体の外部に露出している表面が、腐蝕防止コーティングを施されている構成としてある。
本発明は、このように電気音響変換器の振動子としても実現化することができる。
このようにして、本発明によれば、中空円筒状の振動子本体内にコイルが配置されているので、振動子本体の外側にコイルがなく、コイルの固定要素も不要であることから、比較的簡単で小型に構成され得る。また、磁気回路が、コイルの外側に配置される振動子本体および両端の永久磁石により閉ループとして構成されているので、外部への漏洩磁束が大幅に低減され得ることになり、入力電力に対する振動発生効率が向上することになる。
さらに、振動子本体内を貫通するボルトは、磁気回路を構成する必要がないことから、比較的小さな断面積で形成され得るので、コイルそして振動子本体が比較的小径に構成され得ることになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[実施形態1]
本発明の電気音響変換器の第一の実施形態について、図1を参照して説明する。
図1において、電気音響変換器10は、振動子100と、一対の永久磁石200,210と、フロントマス300と、リアマス400と、を設けてある。
上記振動子100は、いわゆるランジュバン型振動子として、振動子本体110と、駆動用のコイル120と、から構成されている。
上記振動子本体110は、磁歪材料から構成されており、上下両端が開放した中空円筒状に形成されている。
上記コイル120は、上記振動子本体110の内部に収容され、その中心軸の周りに所定数巻回されるように配置されている。これにより、上記コイル120に駆動用電気信号が印加されたとき、上記振動子本体110の中心軸方向に沿った磁束が発生されるようになっている。
ここで、上記振動子本体110は、その側面に一対の貫通孔111,112を備えており、これらの貫通孔111,112を介してコイル120へのリード線121,122が外部に引き出されるようになっている。
上記永久磁石200,210は、上記振動子100の振動子本体110の直径とほぼ同じ直径の円板状に形成されており、その極性が互いに対向するように、上記振動子本体110の開放した両端を塞ぐように配置される。
これにより、各永久磁石200,210は、それぞれ上記振動子本体110に対して静的な磁気バイアスを付与するようになっている。
この場合、上記振動子本体110の最適な振動が発生するように、上記永久磁石200,210は、その厚さや磁気強度が選定されるようになっている。
上記フロントマス300およびリアマス400は、上記振動子100の振動子本体110の直径とほぼ同じ直径の円板状に形成されており、それぞれ上記振動子本体110の開放した両端に対して、永久磁石200,210を挟んで配置される。
これらのフロントマス300およびリアマス400は、適宜の質量を有することにより、上記振動子本体110に過大な力が加わったときに、上記振動子本体110に作用する引張り応力を吸収し、上記振動子本体110の割れを防止するようになっている。
ここで、フロントマス300は、外部の媒質に対して振動を付与するための振動面として作用すると共に、リアマス400は、上記振動子本体110の共振周波数および背面への振動伝達を調整する重りとして作用する。
上述した永久磁石200,210そしてフロントマス300およびリアマス400は、それぞれその中心に貫通孔を備えており、図示のように、リアマス400,永久磁石210から、振動子本体110の中空部を介して、さらに永久磁石200そしてフロントマス300まで、ボルト500が挿通される。
そして、上記フロントマス300およびリアマス400が、それぞれ永久磁石200,210を介して振動子本体110に対して所定の締付力で締め付けられることにより、上記振動子本体110に対して機械的なバイアス応力が付与され、上述した引張り応力が確実に抑制されるようになっている。
次に、本実施形態の電気音響変換器10の動作について、説明する。
外部から駆動用の電気信号がリード線121,122を介して振動子100のコイル120に加えられると、コイル120により上記振動子本体110の中心軸方向の磁束が発生し、この磁束による磁界が上記振動子本体110に作用することによって、上記振動子本体110が中心軸方向に振動する。
そして、この振動が永久磁石200,210を介してフロントマス300およびリアマス400に伝達され、フロントマス300およびリアマス400の質量に基づいて振動周波数が調整されて、フロントマス300から外部に振動が伝達される。
このようにして、本発明による電気音響変換器10によれば、従来の磁歪振動子を用いた電気音響変換器や圧電振動子を用いたランジュバン型振動子と同様に作用して、外部に振動を付与することができる。
その際、中空円筒状の振動子本体110内にコイル120が収容されると共に、永久磁石200,210そしてフロントマス300およびリアマス400が、振動子本体110の中心軸付近に沿って挿通されるボルト500により互いに挟持され、結合されているので、振動子本体110の外側に、コイルやコイル保持部材さらに永久磁石,フロントマスおよびリアマスを固定するための支持構造が不要であることから、全体として小型、特に小径に構成され得ると共に、組立が容易に行なわれ得る。
この場合、上記ボルト500は、コイル120で発生する磁束のための磁気回路を構成しないので、その断面積が制限されるようなことはないので、振動子本体110がより小径に構成され得ることになる。
さらに、閉ループとなる磁気回路が、振動子本体110および永久磁石200,210により構成されているので、コイル120で発生した磁束がこれらの磁気回路の外側に漏洩する漏洩磁束が著しく低減され得ることになり、入力電力に対する振動発生効率が向上することになる。
したがって、同じ振動を発生させるためには、電気音響変換器10はより小型に構成され得ることになる。
[実施形態2]
図2〜図4は、本発明による電気音響変換器の第二の実施形態を示している。
図2〜図4において、電気音響変換器20は、図1に示した電気音響変換器10とほぼ同様の構成であって、フロントマス300が、振動子本体110の下端と比較して、その中心軸に対して垂直に大きく張り出して、ほぼ正方形のフランジ部を構成している。また、振動子本体110の側面に、軸方向に延びる切欠部113を備えている点で異なる構成になっている。
この場合、コイル120へのリード線121,122は、上記切欠部113を介して上記振動子本体110の側面から外部に引き出されるようになっている。また、上記ボルト500は、リアマス400側から挿通されると共に、フロントマス300の上面に設けられたネジ孔310内に螺合するようになっている。
このように構成された電気音響変換器20は、前述した電気音響変換器10と同様に作用すると共に、大きなフロントマス300により、外部に対してより大きな振動を付与することができる。
ここで、上記電気音響変換器20と図10に示した従来の電気音響変換器930による振動発生性能の比較を行なった結果を図5のグラフに示す。
この比較においては、フロントマス下面の変位率(ppm)およびコイルへの入力電力(W)に関して、変位率/入力電圧を各周波数について求めた。
周波数は振動子の共振周波数を1として規格化(計測周波数/共振周波数)して、フロントマス下面の振動をレーザドップラ振動計により速度として計測して変位に換算して、元の長さとの比として算出した。
この結果、図5を参照すると、共振周波数付近においては、同じ入力電力で、コイルが振動子本体の内側に配置されている電気音響変換器20で、より大きな変位が得られることが分かる。
また、電気音響変換器20では、振動子本体110が肉薄に形成されていることにより、高周波での変位率が高くなり、使用可能な帯域幅が広いことが分かる。
[実施形態3]
図6は、本発明による電気音響変換器の第三の実施形態を示している。
図6において、電気音響変換器30は、図2に示した電気音響変換器20とほぼ同様の構成であって、上記振動子本体110の上端に配置される永久磁石210およびリアマス400が、軸方向に延びる貫通孔211,410を備えている点で異なる構成になっている。
そして、上記振動子100のコイル120へのリード線121,122が、振動子本体110の内側からこれらの貫通孔211,410を介して、上端面から外部に引き出されるようになっている。
このように構成された電気音響変換器30は、前述した電気音響変換器20と同様に作用すると共に、コイル120へのリード線121,122が振動子100の振動子本体110の側方ではなく、上端面から外部に引き出されることにより、電気音響変換器30の取付の際の配線の自由度が大きくなる。
[実施形態4]
図7は、本発明による電気音響変換器の第四の実施形態を示している。
図7において、電気音響変換器40は、図6に示した電気音響変換器30とほぼ同様の構成であって、上記永久磁石210およびリアマス400に設けられた貫通孔211,410が、リード線121,122を挿通した状態で、密閉手段220,420により密閉されている点で異なる構成になっている。
この場合、上記密閉手段220,420は、例えばエポキシ樹脂やコーキング材等が使用され、硬化した状態にて、振動子本体110の内部を密閉するようになっている。
このように構成された電気音響変換器40は、前述した電気音響変換器30と同様に作用すると共に、コイル120へのリード線121,122を外部に引き出す貫通孔211,410がそれぞれ密閉手段220,420により密閉されているので、電気音響変換器40を例えば水中等の液体中で使用する場合であっても、この液体が貫通孔211,410を通って振動子本体110内に侵入することがない。
[実施形態5]
図8は、本発明による電気音響変換器の第五の実施形態を示している。
図8において、電気音響変換器50は、図7に示した電気音響変換器40とほぼ同様の構成であって、上記振動子本体110,永久磁石200,210,フロントマス300およびリアマス400の外部に露出している表面が、腐蝕防止コーティング600を施されている点で異なる構成になっている。
この場合、上記腐蝕防止コーティング600は、電気音響変換器50の使用環境に応じて、適宜の腐蝕防止材が使用される。
このように構成された電気音響変換器50は、前述した電気音響変換器40と同様に作用すると共に、外部に露出する表面が腐蝕防止コーティング600により覆われることになるので、電気音響変換器40を例えば腐蝕性の液体中で使用する場合であっても、この液体が電気音響変換器50の表面を腐蝕させるようなことがない。
以上、本発明の電気音響変換器について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかる電気音響変換器は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、フロントマス300は、振動子本体110の開放した端部とほぼ同径の円形、または張り出した正方形に形成されているが、これに限らず、例えば三角形,五角形以上の多角形あるいは円錐形等の任意の形状を有していてもよい。
また、上述した実施形態においては、コイル120に駆動用電気信号を印加して、振動子本体110を軸方向に振動させて、フロントマス300から外部に振動を付与するようになっているが、これに限らず、例えば外部からの振動をフロントマス300で受けて、フロントマス300から振動子本体110に伝達される振動によりコイル120に発生する電流を計測することにより、電気音響変換器10〜50を振動計として使用することも可能である。
本発明は、例えば電気音響変換器,水中音響変換器等に利用可能である。
本発明の電気音響変換器の第一の実施形態の構成を示す概略斜視図である。 本発明の電気音響変換器の第二の実施形態の構成を示す概略斜視図である。 図2の電気音響変換器の縦断面図である。 図2の電気音響変換器の横断面図である。 図2の電気音響変換器と従来の電気音響変換器の変位率を示すグラフである。 本発明の電気音響変換器の第三の実施形態の構成を示す概略斜視図である。 本発明の電気音響変換器の第四の実施形態の構成を示す概略斜視図である。 本発明の電気音響変換器の第五の実施形態の構成を示す概略斜視図である。 従来のランジュバン型振動子の構成の一例を示す概略斜視図である。 図9の振動子を組み込んだ電気音響変換器の構成例を示す概略断面図である。
符号の説明
10,20,30,40,50 電気音響変換器
100 振動子
110 振動子本体
111,112 貫通孔
113 切欠部
120 コイル
121,122 リード線
200,210 永久磁石
211 貫通孔
220 密閉手段
300 フロントマス
310 ネジ孔
400 リアマス
410 貫通孔
420 密閉手段
500 ボルト
600 腐蝕防止コーティング

Claims (9)

  1. 中空円筒状の振動子本体およびこの振動子本体内に配置されるコイルから成る振動子と、上記振動子本体の開放した両端をそれぞれ塞ぐように配置される磁気バイアス付加のための一対の円板状の永久磁石と、上記振動子本体の両端に対してそれぞれ上記永久磁石を介して配置されるフロントマスおよびリアマスと、上記フロントマスおよびリアマスの間に振動子本体および永久磁石を挟持し結合するために、これらの中心付近に挿通され締め付けられるボルトと、を設けたことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 上記振動子本体が、その円筒状の側壁部に、コイルへのリード線を引き出すための切欠部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
  3. 上記リアマスおよびこれに隣接する永久磁石が、コイルへのリード線を引き出すための貫通孔を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
  4. 上記コイルへのリード線を引き出すための切欠部または貫通孔が、密閉されていることを特徴とする請求項2または3に記載の電気音響変換器。
  5. 上記振動子本体,永久磁石,フロントマスおよびリアマスの外部に露出している表面が、腐蝕防止コーティングを施されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電気音響変換器。
  6. 中空円筒状の振動子本体およびこの振動子本体内に配置されるコイルから構成されており、上記振動子本体の開放した両端をそれぞれ塞ぐように磁気バイアス付加のための一対の円板状の永久磁石と、その外側にフロントマスおよびリアマスが配置され、上記フロントマスおよびリアマスの間に振動子本体および永久磁石を挟持し結合するためにボルトが挿通されることを特徴とする電気音響変換器用の振動子。
  7. 上記振動子本体が、その円筒状の側壁部に、コイルへのリード線を引き出すための切欠部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の電気音響変換器用の振動子。
  8. 上記コイルへのリード線を引き出すための切欠部が、密閉されていることを特徴とする請求項6に記載の電気音響変換器用の振動子。
  9. 上記振動子本体の外部に露出している表面が、腐蝕防止コーティングを施されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の電気音響変換器用の振動子。
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