JP6580401B2

JP6580401B2 - キャニスタ

Info

Publication number: JP6580401B2
Application number: JP2015141201A
Authority: JP
Inventors: 拓己土屋
Original assignee: Aisan Industry Co Ltd
Current assignee: Aisan Industry Co Ltd
Priority date: 2015-07-15
Filing date: 2015-07-15
Publication date: 2019-09-25
Anticipated expiration: 2035-07-15
Also published as: DE112016003181T5; CN107850014A; JP2017020480A; CN107850014B; DE112016003181B4; US20180208053A1; US10137771B2; WO2017010220A1

Description

本発明は、キャニスタに関する。

従来のキャニスタには、例えば特許文献１に記載されたものがある。特許文献１のキャニスタでは、燃料タンクに連通されるタンクポート、内燃機関の吸気通路に連通されるパージポート、及び、大気に開放される大気ポートを有するキャニスタケースと、キャニスタケース内に充填され、かつ、タンクポートからの蒸発燃料を吸着及び脱離可能な吸着材と、を備えている。キャニスタケースは、軸方向に延在する筒状の周壁部、及び、周壁部の一方の開口端面を閉鎖する端壁部を有するケース本体と、ケース本体の開口端面を閉鎖する端壁部を有するカバーとからなる。ケース本体の端壁部には、タンクポート、パージポート及び大気ポートと、大気ポートに連通される付属部品を装着可能な付属部品装着部とが形成されている。

特開２０１０−１０６７１２号公報

特許文献１のキャニスタによると、キャニスタケースのケース本体の端壁部に、タンクポート、パージポート、及び、大気ポートを含む付属部品装着部が横並び状に配置されている。このため、キャニスタケースのタンクポート、パージポート、及び、付属部品装着部の並び方向（「ポート並び方向」という）の寸法が増大するという問題があった。本発明が解決しようとする課題は、付属部品装着部を備えるキャニスタケースのポート並び方向の寸法を減少することのできるキャニスタを提供することにある。

第１の発明は、燃料タンクに連通されるタンクポート、車両の内燃機関の吸気通路に連通されるパージポート、及び、大気に開放される大気ポートを有するキャニスタケースと、前記キャニスタケース内に充填され、かつ、タンクポートからの蒸発燃料を吸着及び脱離可能な吸着材と、を備え、前記キャニスタケースは、軸方向に延在する筒状の周壁部、及び、周壁部の一方の開口端面を閉鎖する端壁部を有するケース本体と、該ケース本体の開口端面を閉鎖する端壁部を有するカバーとからなるキャニスタであって、前記ケース本体の端壁部及び前記カバーの端壁部のうちの一方の端壁部には、前記タンクポート、前記パージポート及び前記大気ポートのうちの２つのポートが横並び状に形成され、他方の端壁部には、残りの１つのポートと、そのポートに連通される付属部品を装着可能な付属部品装着部と、前記車両に取付可能な車両取付部とが形成されているキャニスタである。この構成によると、ケース本体の端壁部及びカバーの端壁部のうちの一方の端壁部に２つのポートが横並び状に形成される一方、他方の端壁部に１つのポートを含む付属部品装着部が形成されることによって、付属部品装着部を備えるキャニスタケースのポート並び方向の寸法を減少することができる。また、付属部品装着部が形成された他方の端壁部の車両取付部を車両に取付けることによって、付属部品を安定的に支持することができる。

第２の発明は、第１の発明において、前記他方の端壁部には、前記付属部品装着部と前記車両取付部とが非接触状態で配置されているキャニスタである。この構成によると、車両の走行振動が車両取付部から付属部品装着部に伝達されにくいため、車両の走行振動による付属部品装着部の歪の発生を抑制することができる。このことは、付属部品装着部の歪に起因する付属部品の落下、及び、他方の端壁部の強度低下等の抑制に有効である。

第３の発明は、第２の発明において、前記他方の端壁部には、前記付属部品装着部及び前記車両取付部が前記キャニスタケースの軸方向と同方向に延在するように形成されているキャニスタである。この構成によると、他方の端壁部を有するケース本体又はカバーの樹脂成形の際、軸方向に型抜きすることによって、付属部品装着部及び車両取付部を容易に成形することができる。

第４の発明は、第３の発明において、前記車両取付部は、板厚方向に撓み変形可能な帯板状に形成され、前記車両取付部の先端部には、前記車両に設けられるボルトを挿通するボルト挿通孔が板厚方向に貫通されているキャニスタである。この構成によると、車両に設けられるボルトとボルト挿通孔との間の寸法誤差を車両取付部の撓み変形により吸収することによって、カバー側への負荷を軽減することができる。

実施形態１にかかるキャニスタを一部破断して示す斜視図である。キャニスタを示す正面図であるキャニスタを示す背面図である。カバーを示す斜視図である。カバーを示す右側面図である。カバーを示す平面図である。キャニスタを車両に取付けた状態を一部破断して示す側面図である。

以下、本発明を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。図１はキャニスタを一部破断して示す斜視図、図２は同じく正面図、図３は同じく背面図である。なお、キャニスタの方位を図に矢印で示すように定めるが、キャニスタの配置方向を特定するものではない。また、本実施形態において、キャニスタの上下方向は、内燃機関いわゆるエンジンを搭載する自動車等の車両に対する搭載状態での天地方向に対応する。

図１に示すように、キャニスタ１０は、キャニスタケース１２を備えている。キャニスタケース１２は、前後方向に延在しかつ上下方向の高さを低くする横長四角形箱状に形成されている。キャニスタケース１２内には、蒸発燃料を吸着及び脱離可能な粒状の活性炭等の吸着材１４が充填されている。キャニスタケース１２は、樹脂成形より形成された樹脂製のケース本体１６と、樹脂成形より形成された樹脂製のカバー１８とからなる。カバー１８は、ケース本体１６内に吸着材１４を充填した後で、ケース本体１６の開口端面に対して溶着等によって接合されている。カバー１８は、ケース本体１６の前側の開口端面を閉鎖している。

ケース本体１６は、軸方向すなわち前後方向に延びる横長角筒状をなす周壁部２０と、周壁部２０の後端面を閉鎖する横長四角形状の端壁部２１とを有している。端壁部（以下、「後側の端壁部」という）２１には、ケース本体１６内外を連通するタンクポート２３及びパージポート２４が横並び状に配置されている（図３参照）。タンクポート２３及びパージポート２４は、後側の端壁部２１から後方へ突出するパイプ状に形成されている。なお、後側の端壁部２１は本明細書でいう「一方の端壁部」に相当する。

図４はカバーを示す斜視図、図５は同じく右側面図、図６は同じく平面図である。図４〜図６に示すように、カバー１８は、横長四角形状の端壁部２６と、端壁部（以下、「前側の端壁部」という）２６の後面側の外周部に形成された四角形環状の接続壁部２７とを有している。前側の端壁部２６の前面には、四角筒状の保持筒部２９が形成されている。保持筒部２９は、前側の端壁部２６の左右方向の中間部において、軸方向が前後方向に延在するように形成されている。すなわち、保持筒部２９の軸方向は、キャニスタケース１２の周壁部２０の軸方向と同方向である（図１参照）。前側の端壁部２６には、保持筒部２９内においてカバー１８内外を連通する大気ポート３０が形成されている（図２参照）。また、接続壁部２７は、ケース本体１６（図１参照）の周壁部２０の開口部に対して溶着等によって接続可能に形成されている。なお、前側の端壁部２６は本明細書でいう「他方の端壁部」に相当する。

保持筒部２９内には、ＯＢＤモジュール３２がスナップフィットにより装着可能とされている（図１及び図２参照）。ＯＢＤモジュール３２のハウジング３３は、直方体状に形成されており、保持筒部２９内に対して軸方向に嵌合可能にかつスナップフィットにより係合可能に形成されている。ＯＢＤモジュール３２を保持筒部２９内に装着することにより、ＯＢＤモジュール３２が大気ポート３０と連通される。ハウジング３３は、大気に連通される大気開放ポート３４を有している。大気開放ポート３４は、ハウジング３３の右下部において軸方向すなわち前後方向に延在している。保持筒部２９の右下部には、ハウジング３３の大気開放ポート３４の右下部を囲う断面円弧状の囲い壁部３６が形成されている（図２及び図４参照）。

ＯＢＤモジュール３２は、車両のエンジン停止時に行われる故障診断に用いられるキーオフポンプと呼ばれる部品で、ポンプ、電磁弁、電気コネクタ等（不図示）がモジュール化されている。ＯＢＤモジュール３２は、エンジンのキーオフに基づいてエンジン制御装置（不図示）によって駆動制御されることにより、蒸発燃料流路内を減圧又は加圧し、その後の圧力変化に基づいて洩れの有無を検知する。なお、ＯＢＤモジュール３２は本明細書でいう「付属部品」に相当する。また、保持筒部２９は本明細書でいう「付属部品装着部」に相当する。

次に、車両に対するキャニスタ１０の取付構造について説明する。図７はキャニスタを車両に取付けた状態を一部破断して示す側面図である。図７に示すように、キャニスタ１０は、車両３８の固定側部材、例えば車体のフロアパネル３９の下面側に取付けられる。ケース本体１６の後端部の周壁部２０の上面には、前後方向に延在しかつ上下方向に扁平な横長四角形筒状の係止部４１が形成されている（図３参照）。係止部４１の中空部は、前端部を閉鎖しかつ後方に開口する係止穴４２とされている。なお、係止穴４２の前端部は開放してもよい。

図２に示すように、カバー１８の前側の端壁部２６の右肩部には、帯板状の取付片４４が形成されている（図４参照）。取付片４４は、板厚方向を上下方向に向けた状態で、キャニスタケース１２の周壁部２０の軸方向すなわち前後方向に延在するように形成されている。すなわち、取付片４４の軸方向は、キャニスタケース１２の周壁部２０の軸方向と同方向である（図１参照）。取付片４４は、板厚方向すなわち上下方向に撓み変形可能に形成されている。取付片４４の先端部には、金属製の円筒状のカラー４５がインサート成形あるいは圧入等によって設けられている（図６参照）。カラー４５内の中空部は、上下方向に貫通するボルト挿通孔４６とされている。保持筒部２９及び取付片４４は、互いに非接触状態で配置されている。すなわち、図２及び図６に示すように、保持筒部２９と取付片４４との間には、前後方向に延在するスリット状の隙間４８が形成されている。なお、取付片４４は本明細書でいう「車両取付部」に相当する。

図７に示すように、フロアパネル３９の下面側には、キャニスタケース１２のケース本体１６の係止部４１に対応するフック部材５０が設けられている。フック部材５０は、フロアパネル３９から下方へ延在する垂下片部５１と、垂下片部５１の下端部から後方へ延在するフック部５２とを有する断面Ｌ字状に形成されている（図１参照）。フック部材５０は、左右方向に所定の幅をもって形成されている。フック部５２と係止部４１の係止穴４２とは、ほぼ密に係合可能に形成されている。

また、フロアパネル３９の下面側には、フック部材５０の前方においてキャニスタケース１２のカバー１８の取付片４４に対応する締結部材５４が設けられている（図１参照）。締結部材５４は、四角形ブロック状に形成されている。締結部材５４の下面には、ねじ穴５５が形成されている。ねじ穴５５は、取付片４４のボルト挿通孔４６に対応しており、ボルト５７がねじ穴５５にねじ付けすなわち締め付けられるようになっている。なお、ボルト５７は本明細書でいう「車両に設けられるボルト」に相当する。

車両３８にキャニスタ１０を取付ける手順について説明する（図７参照）。まず、フック部材５０のフック部５２にキャニスタケース１２の係止部４１を係合する。続いて、ボルト５７を取付片４４のボルト挿通孔４６に挿通して締結部材５４のねじ穴５５に締め付ける。このようにして、車両３８に対するキャニスタ１０の取付けが完了する。なお、フック部材５０と係止部４１とにより係合手段が構成されている。また、締結部材５４と取付片４４とにより締結手段が構成されている。

また、図１に示すように、キャニスタ１０のタンクポート２３は、蒸発燃料通路６０を介して、燃料タンク６２の上部気室に連通される。また、パージポート２４は、パージ通路６４を介して、エンジンの吸気通路６６に連通される。パージ通路６４には、電磁式のパージ弁６５が設けられている。パージ弁６５は、エンジン制御装置によって開閉制御される。また、保持筒部２９には、ＯＢＤモジュール３２が装着される。保持筒部２９に対するＯＢＤモジュール３２の装着は、フロアパネル３９にキャニスタ１０を取付ける前でもよいし、取付けた後でもよい。なお、キャニスタ１０、ＯＢＤモジュール３２、蒸発燃料通路６０、パージ通路６４、パージ弁６５等によって、蒸発燃料処理装置６７が構成される。

蒸発燃料処理装置６７において、エンジン停止中は、燃料タンク６２内の蒸発燃料が蒸発燃料通路６０を介してキャニスタ１０のキャニスタケース１２内に導かれて吸着材１４に吸着される。なお、エンジン停止中は、パージ弁６５及びＯＢＤモジュール３２の電磁弁が閉じられている。

また、エンジン運転中において、パージ弁６５、及び、ＯＢＤモジュール３２の電磁弁が開かれると、外気（大気）がＯＢＤモジュール３２を介してキャニスタケース１２内に流入し、吸着材１４に吸着された蒸発燃料がパージ通路６４を介して吸気通路６６にパージされる。また、キーオフに基づいて、ＯＢＤモジュール３２が駆動制御されることによって蒸発燃料処理装置６７における洩れの有無が検知される。

前記したキャニスタ１０によると、ケース本体１６の後側の端壁部２１にタンクポート２３及びパージポート２４が横並び状に形成される一方、カバー１８の前側の端壁部２６に大気ポート３０を含む保持筒部２９が形成されている。これによって、従来と比べて、保持筒部２９を備えるキャニスタケース１２のポート並び方向すなわち左右方向の寸法を減少することができる。また、カバー１８の保持筒部２９が形成された前側の端壁部２６の取付片４４を車両３８に取付けることによって、ＯＢＤモジュール３２を安定的に支持することができる。

また、前側の端壁部２６には、保持筒部２９と取付片４４とが非接触状態で配置されている。したがって、車両３８の走行振動が取付片４４から保持筒部２９に伝達されにくいため、車両３８の走行振動による保持筒部２９の歪の発生を抑制することができる。このことは、保持筒部２９の歪に起因するＯＢＤモジュール３２の落下、及び、前側の端壁部２６の強度低下等の抑制に有効である。

また、前側の端壁部２６には、保持筒部２９及び取付片４４がキャニスタケース１２の軸方向と同方向に延在するように形成されている。したがって、前側の端壁部２６を有するカバー１８の樹脂成形の際、軸方向に型抜きすることによって、保持筒部２９及び取付片４４を容易に成形することができる。

また、取付片４４は、板厚方向に撓み変形可能な帯板状に形成され、取付片４４の先端部には、車両３８に設けられるボルト５７を挿通するボルト挿通孔４６が板厚方向に貫通されている。したがって、車両３８に設けられるボルト５７とボルト挿通孔４６との間の寸法誤差を取付片４４の撓み変形により吸収することによって、カバー１８側への負荷を軽減することができる。

［他の実施形態］本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、キャニスタ１０は、車両３８のフロアパネル３９以外の固定側部材に取付けてもよい。タンクポート２３及びパージポート２４をカバー１８の前側の端壁部２６に形成する一方、大気ポート３０、保持筒部２９及び取付片４４をケース本体１６の後側の端壁部２１に形成してもよい。また、ケース本体１６の後側の端壁部２１のタンクポート２３又はパージポート２４を大気ポート３０に代えてもよい。また、カバー１８の前側の端壁部２６の大気ポート３０をタンクポート２３又はパージポート２４に代えてもよい。また、付属部品としては、ＯＢＤモジュール３２以外の部品でもよい。また、前側の端壁部２６の保持筒部２９と取付片４４とは、接触状態すなわち接続状態で配置してもよい。また、取付片４４は、前側の端壁部２６に接続することなく保持筒部２９に形成してもよい。また、取付片４４に対して車体３８の固定側部材を介してボルト５７を締め付けてもよい。また、キャニスタケース１２にフック部材５０を配置し、フロアパネル３９に係止部４１を配置してもよい。また、フロアパネル３９にスタッドボルトを配置し、取付片４４のボルト挿通孔４６に挿通したスタッドボルトにナットを締め付けてもよい。この場合、スタッドボルトが本明細書でいう「車両に設けられるボルト」に相当する。また、ケース本体１６側に締結手段を配置し、カバー１８側に係合手段を配置してもよい。この場合、係合手段の係止部４１又はフック部材５０が本明細書でいう「車両取付部」に相当する。

１０…キャニスタ
１２…キャニスタケース
１４…吸着材
１６…ケース本体
１８…カバー
２０…周壁部
２１…後側の端壁部（一方の端壁部）
２３…タンクポート
２４…パージポート
２６…前側の端壁部（他方の端壁部）
２９…保持筒部（付属部品装着部）
３０…大気ポート
３２…ＯＢＤモジュール（付属部品）
３８…車両
３９…フロアパネル（固定側部材）
４４…取付片（車両取付部）
４６…ボルト挿通孔
５７…ボルト（車両３８に設けられるボルト）
６２…燃料タンク
６６…吸気通路

Claims

燃料タンクに連通されるタンクポート、車両の内燃機関の吸気通路に連通されるパージポート、及び、大気に開放される大気ポートを有するキャニスタケースと、
前記キャニスタケース内に充填され、かつ、タンクポートからの蒸発燃料を吸着及び脱離可能な吸着材と、
を備え、
前記キャニスタケースは、軸方向に延在する筒状の周壁部、及び、周壁部の一方の開口端面を閉鎖する端壁部を有するケース本体と、該ケース本体の開口端面を閉鎖する端壁部を有するカバーとからなるキャニスタであって、
前記ケース本体の端壁部及び前記カバーの端壁部のうちの一方の端壁部には、前記タンクポート、前記パージポート及び前記大気ポートのうちの２つのポートが横並び状に形成され、
他方の端壁部には、残りの１つのポートと、そのポートに連通される付属部品を装着可能な付属部品装着部と、前記車両に取付可能な車両取付部とが形成されており、
前記付属部品装着部は、前記付属部品をスナップフィットにより装着可能な構成であり、
前記他方の端壁部には、前記付属部品装着部及び前記車両取付部が前記キャニスタケースの軸方向と同方向に延在するように形成されており、
前記車両取付部は、板厚方向に撓み変形可能な帯板状に形成され、
前記車両取付部の先端部には、前記車両に設けられるボルトを挿通するボルト挿通孔が板厚方向に貫通されており、
前記他方の端壁部には、前記付属部品装着部と前記車両取付部とが前記キャニスタケースの軸方向と同方向に延在する隙間を間にして非接触状態で配置されており、
前記車両取付部の前記ボルト挿通孔から前記付属部品装着部のスナップフィットにかかる係合部までの振動伝達経路がＵ字状に形成されている、キャニスタ。