WO2017010220A1

WO2017010220A1 - キャニスタ

Info

Publication number: WO2017010220A1
Application number: PCT/JP2016/067882
Authority: WO
Inventors: 拓己土屋
Original assignee: 愛三工業株式会社
Priority date: 2015-07-15
Filing date: 2016-06-16
Publication date: 2017-01-19
Also published as: JP2017020480A; JP6580401B2; US10137771B2; US20180208053A1; CN107850014A; DE112016003181B4; CN107850014B; DE112016003181T5

Abstract

キャニスタ（１０）は、タンクポート（２３）、パージポート（２４）及び大気ポート（３０）を有するキャニスタケース（１２）と、キャニスタケース（１２）内に充填される吸着材（１４）とを備える。キャニスタケース（１２）は、周壁部（２０）及び端壁部（２１）を有するケース本体（１６）と、ケース本体（１６）の開口端を閉鎖する端壁部（２６）を有するカバー（１８）とからなる。ケース本体（１６）の端壁部（２１）には、タンクポート（２３）及びパージポート（２４）が横並び状に形成される。カバー（１８）の端壁部（２６）には、大気ポート（３０）と、大気ポート（３０）に連通されるＯＢＤモジュール（３２）を装着可能な保持筒部（２９）と、車両（３８）に取付可能な取付片（４４）とが形成される。

Description

キャニスタ

　本開示は、キャニスタに関する。

　例えば特開２０１０－１０６７１２号公報は、従来のキャニスタを開示している。特開２０１０－１０６７１２号公報に記載のキャニスタは、燃料タンクに連通されるタンクポート、内燃機関の吸気通路に連通されるパージポート、及び、大気に開放される大気ポートを有するキャニスタケースと、キャニスタケース内に充填され、かつ、タンクポートからの蒸発燃料を吸着及び脱離可能な吸着材と、を備えている。キャニスタケースは、軸方向に延在する筒状の周壁部、及び、周壁部の一方の開口端を閉鎖する端壁部を有するケース本体と、ケース本体の開口端を閉鎖する端壁部を有するカバーとからなる。ケース本体の端壁部には、タンクポート、パージポート及び大気ポートと、大気ポートに連通される付属部品を装着可能な付属部品装着部とが形成されている。

　特開２０１０－１０６７１２号公報に記載のキャニスタによると、キャニスタケースのケース本体の端壁部に、タンクポート、パージポート、及び、大気ポートを含む付属部品装着部が一列に配置されている。このため、キャニスタケースのタンクポート、パージポート、及び、付属部品装着部の並び方向（以下、「ポート並び方向」という）の寸法が増大するという問題があった。本開示の目的は、付属部品装着部を備えるキャニスタケースのポート並び方向の寸法を減少することのできるキャニスタを提供することにある。

　本開示の１つの特徴によると、燃料タンクに連通されるタンクポート、車両の内燃機関の吸気通路に連通されるパージポート、及び、大気に開放される大気ポートを有するキャニスタケースと、前記キャニスタケース内に充填され、かつ、タンクポートからの蒸発燃料を吸着及び脱離可能な吸着材と、を備えるキャニスタである。前記キャニスタケースは、軸方向に延在する筒状の周壁部、及び、周壁部の一方の開口端を閉鎖する端壁部を有するケース本体と、該ケース本体の開口端を閉鎖する端壁部を有するカバーとからなる。前記ケース本体の端壁部及び前記カバーの端壁部のうちの一方には、前記タンクポート、前記パージポート及び前記大気ポートのうちの２つが横並び状に形成される。前記ケース本体の端壁部及び前記カバーの端壁部のうちの他方には、残りの１つのポートと、前記残り一つのポートに連通される付属部品を装着可能な付属部品装着部と、前記車両に取付可能な車両取付部とが形成されている。

　この特徴によると、ケース本体の端壁部及びカバーの端壁部のうちの一方に２つのポートが横並び状に形成されており、ケース本体の端壁部及びカバーの端壁部のうちの他方に１つのポートを含む付属部品装着部が形成されることで、付属部品装着部を備えるキャニスタケースのポート並び方向の寸法を減少することができる。また、付属部品装着部が形成された他方の端壁部の車両取付部を車両に取付けることによって、付属部品を安定的に支持することができる。

実施形態１にかかるキャニスタを一部破断して示す斜視図である。カバーを有するキャニスタを示す正面図である。キャニスタを示す背面図である。カバーを示す斜視図である。カバーを示す右側面図である。カバーを示す平面図である。車両に取付けたキャニスタを一部破断して示す側面図である。

　本開示を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。図１はキャニスタ１０を一部破断して示す斜視図、図２は同じく正面図、図３は同じく背面図である。キャニスタ１０の方位を図に矢印で示すように定めるが、当該矢印はキャニスタの配置方向を特定するものではない。また、本実施形態において、キャニスタ１０の上下方向は、内燃機関いわゆるエンジンを搭載する自動車等の車両にキャニスタ１０が搭載された状態における天地方向に相当する。

　図１に示すように、キャニスタ１０は、キャニスタケース１２を備えている。キャニスタケース１２は、前後方向に延在する横長四角形箱状に形成されており、その上下方向の長さは、前後方向及び左右方向の長さより短く設定されている。キャニスタケース１２内には、蒸発燃料を吸着及び脱離可能な粒状の活性炭等の吸着材１４が充填されている。キャニスタケース１２は、樹脂から成形されたケース本体１６と、樹脂から成形されたカバー１８とからなる。カバー１８は、ケース本体１６内に吸着材１４を充填した後で、ケース本体１６の開口端に対して溶着等によって接合されている。カバー１８は、ケース本体１６の前側の開口端を閉鎖している。

　ケース本体１６は、軸方向すなわち前後方向に延びる横長角筒状をなす周壁部２０と、周壁部２０の後端を閉鎖する横長四角形状の端壁部２１（以下、「後端壁部」という）とを有している。図３に示すように、後端壁部２１には、ケース本体１６内外を連通するタンクポート２３及びパージポート２４が横並び状に配置されている。タンクポート２３及びパージポート２４は、後端壁部２１から後方へ突出するパイプ状に形成されている。後端壁部２１は本明細書でいう「一方の端壁部」に相当する。

　図４はカバー１８を示す斜視図、図５は同じく右側面図、図６は同じく平面図である。図４～図６に示すように、カバー１８は、横長四角形状の端壁部２６（以下、「前端壁部」という）と、前端壁部２６の後面側の外周部に形成された四角形環状の接続壁部２７とを有している。前端壁部２６の前面には、四角筒状の保持筒部２９が形成されている。保持筒部２９は、前端壁部２６の左右方向の中間部において、前後方向に延在する軸を有するように形成されている。すなわち、図１に示されるように、保持筒部２９の軸方向は、キャニスタケース１２の周壁部２０の軸方向と平行である。図２に示されるように、前端壁部２６には、保持筒部２９内においてカバー１８内外を連通する大気ポート３０が形成されている。接続壁部２７は、ケース本体１６の周壁部２０の開口端に対して溶着等によって接続可能に形成されている。前端壁部２６は本明細書でいう「他方の端壁部」に相当する。

　図１及び図２に示すように、保持筒部２９内は、ＯＢＤ（Ｏｎ－Ｂｏａｒｄ　Ｄｉａｇｎｏｓｔｉｃｓ）モジュール３２がスナップフィットにより装着可能に形成されている。ＯＢＤモジュール３２のハウジング３３は、直方体状に形成されており、軸方向に沿って保持筒部２９内に嵌合可能にかつスナップフィットにより係合可能に形成されている。ＯＢＤモジュール３２を保持筒部２９内に装着することにより、ＯＢＤモジュール３２が大気ポート３０と連通される。ハウジング３３は、大気に連通される大気開放ポート３４を有している。大気開放ポート３４は、ハウジング３３の右下部において軸方向すなわち前後方向に延在している。図２及び図４に示されるように、保持筒部２９の右下部には、ハウジング３３の大気開放ポート３４の右下部を囲うように断面円弧状の囲い壁部３６が形成されている。

　ＯＢＤモジュール３２は、車両のエンジン停止時に行われる故障診断に用いられるキーオフポンプと呼ばれる部品で、ポンプ、電磁弁、電気コネクタ等（不図示）がモジュール化されている。ＯＢＤモジュール３２は、エンジンのオフ操作に基づいてエンジン制御装置（不図示）によって駆動制御されることにより、蒸発燃料流路内を減圧又は加圧し、その後の圧力変化に基づいて洩れの有無を検知する。ＯＢＤモジュール３２は本明細書でいう「付属部品」に相当する。保持筒部２９は本明細書でいう「付属部品装着部」に相当する。

　次に、車両に対するキャニスタ１０の取付構造について説明する。図７は車両に取付けたキャニスタ１０を一部破断して示す側面図である。図７に示すように、キャニスタ１０は、車両３８の固定部材、例えば車体のフロアパネル３９の下面側に取付けられる。図３に示されるように、ケース本体１６の後端部の周壁部２０の上面には、前後方向に延在しかつ上下方向に扁平な横長四角形筒状の係止部４１が形成されている。係止部４１は、前端を閉鎖しかつ後方に開口する係止穴４２を有している。係止穴４２は前方に開口してもよい。

　図２及び４に示すように、カバー１８の前端壁部２６の右上部には、帯板状の取付片４４が形成されている。取付片４４は、板厚方向を上下方向に向けた状態で、キャニスタケース１２の周壁部２０の軸方向すなわち前後方向に延在するように形成されている。すなわち、図１に示されるように、取付片４４の軸方向は、キャニスタケース１２の周壁部２０の軸方向と平行である。取付片４４は、板厚方向すなわち上下方向に撓み変形可能に形成されている。図６に示されるように、取付片４４の前端部には、金属製の円筒状のカラー４５がインサート成形あるいは圧入等によって設けられている。カラー４５内の中空部は、上下方向に貫通するボルト挿通孔４６とされている。保持筒部２９及び取付片４４は、互いに非接触状態、すなわち離間するよう配置されている。そのため、図２及び図６に示すように、保持筒部２９と取付片４４との間には、前後方向に延在するスリット状の隙間４８が形成されている。取付片４４は本明細書でいう「車両取付部」に相当する。

　図７に示すように、フロアパネル３９の下面側には、キャニスタケース１２のケース本体１６の係止部４１に係合するフック部材５０が設けられている。図１に示されるように、フック部材５０は、フロアパネル３９から下方へ延在する垂下片部５１と、垂下片部５１の下端部から後方へ延在するフック部５２とを有する断面Ｌ字状に形成されている。フック部材５０は、左右方向に所定の幅を有するよう形成されている。フック部５２は、係止部４１の係止穴４２にほぼ隙間無く嵌合するよう形成されている。

　図１に示すように、フロアパネル３９の下面側には、フック部材５０の前方においてキャニスタケース１２のカバー１８の取付片４４に係合する締結部材５４が設けられている。締結部材５４は、直方体状に形成されている。締結部材５４の下面には、ねじ穴５５が形成されている。ねじ穴５５は、取付片４４のボルト挿通孔４６と同軸になるよう位置決めされており、ボルト５７が挿通孔４６を介してねじ穴５５に螺合及び係止される。ボルト５７は本明細書でいう「車両に設けられるボルト」に相当する。

　図７に基づき、車両３８にキャニスタ１０を取付ける手順について説明する。まず、フック部材５０のフック部５２にキャニスタケース１２の係止部４１を係合する。続いて、ボルト５７を取付片４４のボルト挿通孔４６に挿通して締結部材５４のねじ穴５５に締め付ける。このようにして、車両３８に対するキャニスタ１０の取付けが完了する。フック部材５０と係止部４１とにより係合手段が構成されている。締結部材５４と取付片４４とにより締結手段が構成されている。

　図１に示すように、キャニスタ１０のタンクポート２３は、蒸発燃料通路６０を介して、燃料タンク６２の上部気層に連通される。パージポート２４は、パージ通路６４を介して、エンジンの吸気通路６６に連通される。パージ通路６４には、電磁式のパージ弁６５が設けられている。パージ弁６５は、エンジン制御装置によって開閉制御される。保持筒部２９には、ＯＢＤモジュール３２が装着される。保持筒部２９に対するＯＢＤモジュール３２の装着は、フロアパネル３９にキャニスタ１０を取付ける前でもよいし、取付けた後でもよい。キャニスタ１０、ＯＢＤモジュール３２、蒸発燃料通路６０、パージ通路６４、パージ弁６５等によって、蒸発燃料処理装置６７が構成される。

　蒸発燃料処理装置６７において、エンジン停止中は、燃料タンク６２内の蒸発燃料が蒸発燃料通路６０を介してキャニスタ１０のキャニスタケース１２内に導かれて吸着材１４に吸着される。エンジン停止中は、パージ弁６５及びＯＢＤモジュール３２の電磁弁が閉じられている。

　エンジン運転中において、パージ弁６５、及び、ＯＢＤモジュール３２の電磁弁が開かれると、外気（大気）がＯＢＤモジュール３２を介してキャニスタケース１２内に流入し、吸着材１４に吸着された蒸発燃料がパージ通路６４を介して吸気通路６６にパージされる。また、エンジンのオフ操作に基づいて、ＯＢＤモジュール３２が駆動制御されることによって蒸発燃料処理装置６７における洩れの有無が検知される。

　前記したキャニスタ１０によると、ケース本体１６の後端壁部２１にタンクポート２３及びパージポート２４が横並び状に形成される一方、カバー１８の前端壁部２６に大気ポート３０を含む保持筒部２９が形成されている。これによって、従来と比べて、保持筒部２９を備えるキャニスタケース１２のポート並び方向すなわち左右方向の寸法を減少することができる。また、カバー１８の保持筒部２９が形成された前端壁部２６の取付片４４を車両３８に取付けることによって、ＯＢＤモジュール３２を安定的に支持することができる。

　前端壁部２６には、保持筒部２９と取付片４４とが非接触状態で配置されている。したがって、車両３８の走行振動が取付片４４から保持筒部２９に伝達されにくいため、車両３８の走行振動による保持筒部２９の歪の発生を抑制することができる。このことは、保持筒部２９の歪に起因するＯＢＤモジュール３２の落下、及び、前端壁部２６の強度低下等の抑制に有効である。

　前端壁部２６には、保持筒部２９及び取付片４４がキャニスタケース１２の軸方向と同方向に延在するように形成されている。したがって、前端壁部２６を有するカバー１８の樹脂成形の際、軸方向に型抜きすることによって、保持筒部２９及び取付片４４を容易に成形することができる。

　取付片４４は、板厚方向に撓み変形可能な帯板状に形成され、取付片４４の先端部には、車両３８に設けられるボルト５７を挿通するボルト挿通孔４６が板厚方向に貫通されている。したがって、車両３８に設けられるボルト５７とボルト挿通孔４６との間の寸法誤差を取付片４４の撓み変形により吸収することによって、カバー１８側への負荷を軽減することができる。

　本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、キャニスタ１０は、車両３８のフロアパネル３９以外の固定側部材に取付けてもよい。タンクポート２３及びパージポート２４をカバー１８の前端壁部２６に形成する一方、大気ポート３０、保持筒部２９及び取付片４４をケース本体１６の後端壁部２１に形成してもよい。ケース本体１６の後端壁部２１のタンクポート２３又はパージポート２４を大気ポート３０に代えてもよい。カバー１８の前端壁部２６の大気ポート３０をタンクポート２３又はパージポート２４に代えてもよい。付属部品としては、ＯＢＤモジュール３２以外の部品でもよい。前端壁部２６の保持筒部２９と取付片４４とは、接触状態すなわち接続状態で配置してもよい。取付片４４は、前端壁部２６に接続することなく保持筒部２９に形成してもよい。取付片４４に対して車体３８の固定側部材を介してボルト５７を締め付けてもよい。キャニスタケース１２にフック部材５０を配置し、フロアパネル３９に係止部４１を配置してもよい。フロアパネル３９にスタッドボルトを配置し、取付片４４のボルト挿通孔４６に挿通したスタッドボルトにナットを締め付けてもよい。この場合、スタッドボルトが本明細書でいう「車両に設けられるボルト」に相当する。ケース本体１６側に締結手段を配置し、カバー１８側に係合手段を配置してもよい。この場合、係合手段の係止部４１又はフック部材５０が本明細書でいう「車両取付部」に相当する。

Claims

　燃料タンクに連通されるタンクポート、車両の内燃機関の吸気通路に連通されるパージポート、及び、大気に開放される大気ポートを有するキャニスタケースと、
　前記キャニスタケース内に充填され、かつ、タンクポートからの蒸発燃料を吸着及び脱離可能な吸着材と、
　を備えるキャニスタであって、
　前記キャニスタケースは、軸方向に延在する筒状の周壁部、及び、周壁部の一方の開口端を閉鎖する端壁部を有するケース本体と、該ケース本体の開口端を閉鎖する端壁部を有するカバーとを備え、
　前記ケース本体の端壁部及び前記カバーの端壁部のうちの一方には、前記タンクポート、前記パージポート及び前記大気ポートのうちの２つが横並び状に形成され、
　前記ケース本体の端壁部及び前記カバーの端壁部のうちの他方には、残りの１つのポートと、前記残り一つのポートに連通される付属部品を装着可能な付属部品装着部と、前記車両に取付可能な車両取付部とが形成されているキャニスタ。
　請求項１に記載のキャニスタであって、
　前記付属部品装着部は、前記車両取付部と離間しているキャニスタ。
　請求項２に記載のキャニスタであって、
　前記付属部品装着部及び前記車両取付部は、前記キャニスタケースの軸方向に延在するように形成されているキャニスタ。
　請求項３に記載のキャニスタであって、
　前記車両取付部は、板厚方向に撓み変形可能な帯板状に形成され、
　前記車両取付部の先端部は、板厚方向に貫通しており、前記車両取付部を前記車両に固定するためのボルトが挿通可能な貫通孔を有するキャニスタ。