JP6579860B2 - トナー及びトナーの製造方法並びに画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、トナーボトルやカートリッジを世界中へ船などで輸送する場合には、より厳しい高温高湿環境下にさらされ、トナー内部からのブルーミングが発生し、トナーの摩擦帯電性、流動性が次第に低下してくる。このような状態のトナーは帯電量の低下や帯電分布の不均一、さらにはトナーの搬送性に代表されるトナー物性が現像器内でより低下し、画像上の不具合が発生することが分かってきている。
特許文献2では、多価アルコールの脂肪酸エステルと一価アルコールの脂肪酸エステルを特定割合で組み合わせて使用することにより、低温定着性、保存性、及び印字耐久性に優れたトナーを得る技術が開示されている。
本発明の目的は、上記課題を解決できるトナーを提供することにある。具体的には、機内汚染が少なく、高温高湿環境下の放置後も現像性が優れたトナー及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
本発明は、スチレンを含む重合性単量体の重合体、エステルワックス及びポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子が、該ポリエステル樹脂で形成されたシェルを有し、
該ポリエステル樹脂が、下記構造式(2)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される該エステルワックスのo−ジクロロベンゼン可溶分の数平均分子量(Mn)が、700以上であり、
該ポリエステル樹脂をスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXp(mN/m)、該エステルワックスをスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXw(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たす
20.0≦Xw−Xp・・・・(1)
ことを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、上記トナーの製造方法及び上記トナーを用いた画像形成方法に関する。
本発明は、重合性単量体、エステルワックス及びポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することにより得られたトナー粒子を有するトナーであって、
該重合性単量体はスチレンを含み、
高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される該エステルワックスのo−ジクロロベンゼン可溶分の数平均分子量(Mn)が、700以上であり、
該ポリエステル樹脂をスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXp(mN/m)、該エステルワックスをスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXw(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするトナーに関する。
20.0≦Xw−Xp・・・・(1)
上記条件を満たすことで本発明の効果が得られる理由は明確ではないが、本発明者らは次のように考えている。
有するシェルの析出が連続的に進行することにより、さらに選択的にポリエステル樹脂をトナー表面に偏在させることが可能となる。そのため、さらに該エステルワックスのトナー内部への内包が促進される。
そのような観点から、本発明で用いるエステルワックスは、高温GPCによって測定されるo−ジクロロベンゼン可溶分のMnが700以上であることが必須である。エステルワックスのMnが700以上であることにより、熱による揮発が減少し、機内汚染が抑制される。該Mnは800以上3000以下であることが好ましい。該Mnは、エステルワックス合成条件や原材料モノマーの種類、量により制御することができる。
一方で、前述の高温高湿環境下に放置後の現像性の観点からは、高温高湿環境下に放置後、トナー内部からのワックスのブルーミングが十分に少ないことが好ましい。ブルーミングが多いと、トナーが凝集塊になり、スジ状の画像不良、いわゆる「現像スジ」が発生しやすくなる。また、ワックスのブルーミングはトナーの帯電性を低下させ、所望のトナー量を画像上に載せられず、画像濃度が低下する。以下、本発明において現像性とは、現像スジ、画像濃度の観点から評価を行っている。
20.0≦Xw−Xp・・・・(1)
上記式(1)を満たす場合には、ポリエステル樹脂とエステルワックスの界面張力差が適度なものとなる。すなわち上記式(1)を満たす場合には、エステルワックスの内包化がより良好となることで、エステルワックスのブルーミングが抑制され、トナーの現像性がより良好なものとなる。一方で、上記式(1)を満たさない場合には、エステルワックスの内包化が不十分となり、トナー内部からのブルーミングが発生し、トナーの現像性が低下する。Xw−Xpは、20以上60以下であることが好ましく、30以上50以下であることがより好ましい。該Xwは、エステルワックスの合成条件モノマーの種類、量により制御することができる。また、該Xpは、ポリエステル樹脂の重合条件やモノマー組成により制御することができる。
本発明で用いるエステルワックスは、二価以上六価以下(より好ましくは3価以上6価以下)のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は二価以上六価以下(より好ましくは3価以上6価以下)のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステルであることが好ましい。
上記のエステルワックスであれば、トナーによる機内汚染が抑制されるだけでなく、一価のアルコールとカルボン酸のエステル、又は一価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルに比べて界面張力が高く、トナー内部に内包化されやすい。そのため、高温高湿環境放置後でもトナー内部からのエステルワックスのブルーミングが抑制され、現像性が良
化する。
また、本発明のトナーは、重合性単量体100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下のエステルワックスを含有することが好ましい。より好ましくは、2.0質量部以上15質量部以下である。エステルワックスの含有量が上記の範囲である場合には、トナーの現像性が良化するだけでなく、低温定着性が良化する。これは、1.0質量部以上では、エステルワックスによる結着樹脂の可塑効果が良好なものとなるからである。一方で、20.0質量部以下では、トナーに含有される該エステルワックスの量が適度な量となるため、該ポリエステル樹脂による十分な内包化が発現することにより、トナーの現像性が良好なものとなると考えられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂は、アルコール成分としてイソソルビドを用いることが好ましいが、それ以外のアルコール成分としては下記のものも併用することができる。
二価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのような脂肪族系のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAのようなビスフェノールA類が挙げられる。
られる。
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸の如き芳香族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸のような炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸の脂肪族多価カルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステルなど。
本発明において、ポリエステル樹脂と共に、従来公知のポリエステル樹脂を併用してもよい。なお、本発明のトナーにおいて、ポリエステル樹脂の含有量は、重合性単量体100質量部に対し、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
特に、本発明においては、添加したポリエステル樹脂がトナー粒子表面にシェルを形成する。ポリエステル樹脂の酸価を上記範囲とすることにより本発明の作用効果がより発現し易くなり好ましい。
特に、本発明においては、添加したポリエステル樹脂がトナー粒子表面にシェルを形成する。ポリエステル樹脂の分子量を、定着性を阻害しない範囲で適度に高くすることで、重合反応が進む過程で適度に速く析出させ、ワックスの内包化をさせ易くなるものと考えられる。
カルボン酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
二価のカルボン酸としては、例えば、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタン二酸(ピメリン酸)、オクタン二酸(スベリン酸)、ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
さらに、三価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
また、二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−へキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,30−トリアコンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
さらに、三価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。
(1)重合性単量体
(2)ワックス
(3)ポリエステル樹脂
さらに必要に応じて着色剤、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて重合性単量体組成物を調製する。この重合性単量体組成物を、好ましくは分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、該重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する。そして、好ましくは重合開始剤を用いて、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合する重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し、トナー粒子の表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
単官能性モノマーとしては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。本発明に用いる重合性単量体は、スチレンを含む。また、スチレンに加え、スチレン誘導体又はアクリル系重合性単量体を含むことが好ましい。
本発明において、重合性単量体中のスチレンの含有量は、60質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明においては、スチレンに加え、前記した単官能性モノマーを単独で若しくは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性モノマーと多官能性モノマーを組み合わせて使用することができる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤等が例示できる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁
止剤等を更に添加し用いることも可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラックが例示できる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214等が例示できる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー粒子中への分散性の点から選択される。これらの着色剤は、重合性単量体100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下用いることが好ましい。
また、磁性材料は個数平均粒径が2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下のものがより好ましい。これらの磁性材料は、重合性単量体100質量部に対し、40質量部以上150質量部以下用いることが好ましい。
これらの帯電制御剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下用いられる。
としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が例示できる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が例示できる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上20質量部以下使用することが好ましい。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いてもよい。
例えばリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を水系媒体中に添加することにより、微細なリン酸カルシウムを製造することができる。
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上5.0質量部以下添加することが好ましい。添加量が前記の範囲内であれば、定着性の低下を抑制しつつ、十分な流動性の向上効果が得られる。また、上記の流動性向上剤は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が4nm以上120nm以下であることが好ましい。
該現像装置は、
トナーの担持体と、該トナー担持体と当接部を形成するように配置されたトナー供給部材とを有する現像室と、
トナー収容室を有し、
該トナー担持体と該トナー供給部材の回転方向は、各々の表面が該当接部において同一方向であり、
該当接部における該トナー供給部材の該トナー担持体への侵入量が0.3mm以上1.5mm以下であり、
該当接部における該トナー供給部材の周速が、該トナー担持体の周速に対して、110%以上250%以下であり、
該トナーとして、前記トナーを用いる画像形成方法である。
図1は、本発明の画像形成方法を適用できる画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタであり、画像情報に従って、記録材にフルカラー画像を形成することができる。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1〜第4の画像
形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
以下の例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤のトナーを用い、現像剤担持体としての現像ローラ(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行った。即ち、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光体ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
トナー収容室18内には、撹拌搬送部材22が設けられている。撹拌搬送部材22は、
トナー収容室18内に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。
トナーは、現像ブレード21と現像ローラ17との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。また、現像ブレード21に不図示のブレードバイアス電源から所定電圧を印加した。この電圧印加により、トナーコート層が安定化する。
現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部において各々の表面が同方向(図2では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光体ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、当接部Nにおいて互いに同方向に周速差を持って回転しており、この動作により、トナー供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給とはぎ取りを行っている。その際、トナー供給ローラと現像ローラとの電位差を調整することにより、現像ローラへのトナー供給量を調整することができる。当接部における、供給ローラ(供給部材)の周速が現像ローラ(トナー担持体)の周速に対して110%以上250%以下であり、トナー供給ローラに対しては、DCバイアスを印加する。
図2におけるトナー供給ローラ20は、例えば、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層と、を備える。具体的には、導電性支持体たる芯金電極20aと、その周囲に気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層としての発泡ウレタン層20bが設けられており、図中Eの方向に回転する。表層のウレタンを連続気泡体とすることで、トナー供給ローラ20内部にトナーが多量に進入可能となる。また、トナー供給ローラ20の表面セル径は50μm以上1000μm以下とすることが好ましい。
以上述べたように、本発明の画像形成方法は、トナー供給ローラと現像ローラを同一方向に回転させることにより、トナーへの負荷を軽減し、長期間の使用においても高画質を維持することができる。
本発明の画像形成方法が適用される画像形成装置によると、トナーへの物理的な負荷が軽減されるため、トナーの凝集塊の発生が抑制され、現像スジが発生しにくくなる。
<エステルワックスの数平均分子量(Mn)測定>
エステルワックスの分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
具体的な手法としては、エステルワックス0.03gをゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンにワックスと上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、ワックスを溶解する。ワックスが溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。なお、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
[分析条件]
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
ワックスの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
界面張力は、以下に述べる懸滴法により測定した。具体的には温度60℃の環境下にて協和界面科学(株)製のFACE 固液界面解析装置 Drop Master700を用い、レンズ部の視野としてWIDE1にて測定した。まず、順針を用いた鉛直方向下向きの内径0.4mmの細管の先端部分を脱気したスチレン又はサンプルのスチレン溶液を入れる。
次に細管はシリンジ部に接続する。シリンジ部にはイオン交換水を入れる。なお、本発明の測定方法においては、スチレンに溶解させるサンプル濃度は4.76質量%で実施した。次にシリンジ部を協和界面科学(株)製 AUTO DISPENSER AD−31に接続してイオン交換水を細管から押し出すことにより、スチレン又はサンプルのスチレン溶液内で細管先端部に液滴を作成することができる。そして、この液滴の形状から水との界面張力を計算する。液滴を作成する上での制御や計算方法については協和界面科学(株)製の測定解析システムを用いて行った。測定方法は界面張力測定(懸滴法)に解析方法はds/de法により行った。なお、計算に必要な水とスチレン溶液の密度差は水とスチレンの密度差である0.1g/cm3として行った。最終的な界面張力の測定結果は10回の測定値の平均値とした。
ポリエステル樹脂の構造決定は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)並びにFT−IRスペクトルを用いて行うことができる。以下に用いる装置について記す。
測定試料は、トナー中から分取することで採取し、分析してもよい。
(i)1H−NMR、13C−NMR
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
(ii)FT−IRスペクトル
Thermo Fisher Scientific Inc.製 AVATAR360FT−IR
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
ポリエステル樹脂AのTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、ポリエステル樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、無水トリメリット酸以外の表2に示した原材料モノマー100.0質量部を混合し、撹拌しながら130℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52質量部を加え、200℃に昇温し6時間かけて縮重合した。さらに、表2に示すmol比率で無水トリメリット酸を添加し、40kPaの減圧下にてMwが16000になるまで縮合反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂P1を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂P1の物性を表2に示す。
原材料モノマーのmol比率を表2に記載の比率に変えた以外は非晶性ポリエステル樹脂P1の製造と同様の操作を行い、非晶性ポリエステル樹脂P2〜P7を製造した。
(分散媒)
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム14質量部及び10%塩酸4.5質量部を投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。調整された水系媒体のpHは5.5であった。
・スチレン 60.0質量部
・ピグメントブルー15:3 6.0質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−88) 0.5質量部
上記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させた。
この分散物に
・スチレン 15.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・エステルワックスE1(セバシン酸ジベヘニル) 5.0質量部
・非晶性ポリエステル樹脂P1 6.0質量部
を加え、重合性単量体組成物を得た。
別容器中で上記の重合性単量体組成物を65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤パーヘキシルPV(日本油脂社製)11.0質量部を溶解し上記水系媒体中に投入した。65℃、N2パージ下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで5分間攪拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、懸濁液を室温まで冷却し、10%塩酸を加えpH2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させた。その後、懸濁液を加圧濾過し、さらに2000質量部のイオン交換水で洗浄した。得られたケーキを1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH1以下とした状態で2時間攪拌した。上記と同様にその懸濁液を加圧濾過しさらに2000質量部のイオン交換水で洗浄し、十分通気をした。その後、40℃の熱風乾燥機中で乾燥した。さらに、風力分級して微粉、粗粉を除去し、重量平均粒径(D4)7.0μmのトナー粒子1を得た。
上記トナー粒子1:100.0質量部に対して、疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均径(D1):7nm、シリカ原体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで表面処理されたもの)1.5質量部、及び疎水性酸化チタン微粒子(1次粒子の個数平均径(D1):50nm、イソブチルトリメトキシシラン15.0質量%で表面処理されたもの)0.3質量部を添加した。これらを、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機社製)を用いて撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。
トナー製造例1のC.I.ピグメントブルー15:3を、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントレッド269、又はカーボンブラックに変更する以外は同様の方法により、それぞれトナー2〜4を得た。
表3に示すように、エステルワックスの種類、エステルワックスの添加量及びポリエステル樹脂の種類を変更すること以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー5〜17を得た。
トナー1を下記項目について評価した。
下記の様な改造を施した市販のレーザービームプリンターHP LaserJet Pro 400 Color M451dn(HP製)を用いて、200,000枚の耐久試験を行った。プリンターの改造条件としては、普通紙モードのプロセススピードを360mm/secに、厚紙モードのプロセススピードを90mm/secに変更し、定着温調を200℃に設定した。耐久評価チャートは各色印字率が5%(フルカラー印字率20%)のオリジナルチャートを用い、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの全ステーションに、トナー1を詰め替えたカートリッジを装着し、トナーが無くなる毎にカートリッジ交換を行い、プリントを続けた。
耐久試験の条件は、高温高湿環境(30℃,80%RH)、常温常湿環境(23℃,50%RH)、低温低湿環境(15℃,10%RH)の各環境下において、普通紙モードで坪量68g/m2(A4サイズ)の用紙を8,000枚通紙し、厚紙モードで坪量220g/m2(LETTERサイズ)の用紙を2,000枚通紙するパターンを繰り返し、合計200,000枚のプリント試験を行った。
耐久後の定着器周りの汚染状態を、目視により以下の基準で評価した。
評価結果を表4に示す。
A:定着器周辺に目立った汚染は見られない。
B:定着器周辺に微量の汚染が観察される。
C:定着ガイド部に汚染の広がりがはっきりと観察される。
この改造カートリッジはカートリッジ内部のギアを変更・追加することにより、トナー供給ローラが現像ローラとの当接部において各々の表面が同一の方向に移動するように改造を行った。なお、トナー供給ローラの現像ローラへの侵入量は1.1mmとし、トナー供給ローラの現像ローラ基準での周速は160%となるよう調整を行った。また、カートリッジ内部からは製品トナーを抜き取り、エアブローによって清掃した後、本発明のトナー1を160g充填した。そして、以下の方法により、高温高湿環境下放置後における画像濃度、現像スジの評価を行うことで、現像性の評価とした。
高温高湿環境(40℃,90%RH)に72時間放置した本発明のトナー1を充填したカートリッジを、常温常湿環境(23℃、60%RH)にてLBP−7700Cに装着し、A4用紙(商品名:「GF−C081」、81.4g/m2、キヤノン社製)に全ベタ
画像を3枚出力した。さらに、ハーフトーンの画像を1枚出力した。その後、印字率1%の画像を20000枚出力した。さらに、上記と同様に全ベタ画像及びハーフトーン画像を出力した。初期と20000枚出力後に得られた全ベタ画像及びハーフトーン画像に対して、画像濃度、現像スジの評価を以下の基準で行った。評価結果を表4に示す。
ベタ部分の画像濃度により評価した。なお、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.30以上1.40未満
C:1.20以上1.30未満
D:1.15以上1.20未満
E:1.15未満
ハーフトーン画像上に現れた、現像スジの数で評価した。
A:未発生
B:1個所以上3個所以下
C:4個所以上6個所以下
D:7個所以上あるいは幅0.5mm以上のスジ
保存時の安定性を評価するために耐ブロッキング性の評価を実施した。約5gのトナー1を100mlのポリカップに入れ、55℃、5%RH環境下で3日放置した後、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、23℃、60%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1) デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2) 上記のように3日放置したトナーを、予め23℃、60%RH環境下において24時間放置した後、5.0gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3) 篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。
凝集度(%)=
{(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5.0(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5.0(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5.0(g)}×100×0.2
評価基準は下記の通り。
A:凝集度が20%未満(耐熱性が特に優れている)
B:凝集度が20%以上30%未満(耐熱性が優れている)
C:凝集度が30%以上40%未満(耐熱性に使用上問題はない)
D:凝集度が40%以上(耐熱性に劣り、使用上問題がある)
市販のレーザープリンターであるLBP−7700C(キヤノン製)及びプロセスカートリッジであるトナーカートリッジ323(シアン)(キヤノン製)を定着性評価のための改造をして、定着こすり試験を実施した。
A4の複写機用普通紙(105g/m2)に単位面積あたりのトナー質量が0.6mg/cm2になるように調整し、濃度測定用の10mm×10mmの3ドット3スペース(600dpi)画像を多数有する画像を出力し、得られた定着画像を、50g/cm2の加重をかけたシルボン紙で5回摺擦し、摺擦後の画像濃度の低下率を以下に基づいて評価した。なお画像を出力する際には、評価機本体のギア及びソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが330mm/secとなるようにし、定着温度の設定は160℃とした。
また、画像濃度の測定には、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、摺擦後の画像濃度の低下率を算出した。
A:2.0%未満
B:2.0%以上5.0%未満
C:5.0%以上10.0%未満
D:10.0%以上
実施例1と同様にして、トナー2〜17を評価した。評価結果を表4に示す。
15:現像室、17:現像ローラ(トナー担持体)、18:トナー収容室、20:トナー供給ローラ(トナー供給部材)、20a:芯金電極、20b:発泡ウレタン層、21:現像ブレード、22:撹拌搬送部材、30a〜b:現像開口、51:駆動ローラ、52:二次転写対向ローラ、53:従動ローラ、80:トナー、100:画像形成装置、100A:画像形成装置本体
Claims (8)
- スチレンを含む重合性単量体の重合体、エステルワックス及びポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子が、該ポリエステル樹脂で形成されたシェルを有し、
該ポリエステル樹脂が、下記構造式(2)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される該エステルワックスのo−ジクロロベンゼン可溶分の数平均分子量(Mn)が、700以上であり、
該ポリエステル樹脂をスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXp(mN/m)、該エステルワックスをスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXw(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たす
20≦Xw−Xp・・・・(1)
ことを特徴とするトナー。 - 前記エステルワックスが、
二価以上六価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は
二価以上六価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル
である請求項1に記載のトナー。 - 前記ポリエステル樹脂が、前記構造式(2)で示されるイソソルビドユニットを、前記ポリエステル樹脂に含有される全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下含有する請求項1又は2に記載のトナー。
- 静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像装置でトナーを用いて現像する現像工程を有する画像形成方法において、
該現像装置が、
トナー担持体と、該トナー担持体と当接部を形成するように配置されたトナー供給部材とを有する現像室と、
トナー収容室と、
を有し、
該トナー担持体と該トナー供給部材の回転方向は、各々の表面が該当接部において同一方向になる回転方向であり、
該当接部における該トナー供給部材の該トナー担持体への侵入量が、0.3mm以上1.5mm以下であり、
該当接部における該トナー供給部材の周速が、該トナー担持体の周速に対して、110%以上250%以下であり、
該トナーが、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーである
ことを特徴とする画像形成方法。 - スチレンを含む重合性単量体、エステルワックス及びポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物を調製する工程、
該重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する工程、及び
該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合してトナー粒子を得る工程、
を有するトナーの製造方法であって、
該ポリエステル樹脂が、下記構造式(2)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される該エステルワックスのo−ジクロロベンゼン可溶分の数平均分子量(Mn)が、700以上であり、
該ポリエステル樹脂をスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXp(mN/m)、該エステルワックスをスチレンに溶解させた溶解液の懸滴法による水との界面張力をXw(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たす
20≦Xw−Xp・・・・(1)
ことを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記エステルワックスが、
二価以上六価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は
二価以上六価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル
である請求項5に記載のトナーの製造方法。 - 前記エステルワックスの含有量が、前記重合性単量体100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下である請求項5又は6に記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂が、前記構造式(2)で示されるイソソルビドユニットを、前記ポリエステル樹脂に含有される全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下含有する請求項5〜7のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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