JP2018017785A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー担持体と供給部材の回転方向が当接部において同一方向に移動する現像装置を用いた場合に、高速、高画質、高耐久を満足する画像形成方法を提供する。【解決手段】静電潜像を現像装置内のトナーで現像してトナー像を形成する現像工程を有する画像形成方法であって、前記現像装置は、トナー担持体と、前記トナーを供給する供給部材とを有し、前記トナー担持体と供給部材の回転方向が、当接部において同一方向であり、前記トナーが結着樹脂、着色剤および荷電制御樹脂を含有するトナー粒子と、シリカ粒子とを含有するトナーであり、前記荷電制御樹脂は、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂であり、前記シリカ粒子は、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下であり、かつ、稠密度が0.80以上である。【選択図】なし
Description
本発明は電子写真法、静電記録法またはトナージェット法の如き記録方法に係る画像形成方法に関するものである。
近年、電子写真法を用いた複写機あるいはプリンターは、装置の発展とともに利用者からの要求も年々厳しくなっている。近年の動向では、高速化・高画質化に加え、低コスト・小型化の要望がより強まっている。すなわち、より簡素な構成要素での設計、さらには長期間の使用においても高画質を維持することが求められている。
特に、長期間の使用において高画質を維持するために、トナーへの負荷を軽減し、トナー劣化を抑える試みが行われており、現像装置の改良によるアプローチやトナーの改良によるアプローチが盛んに行われている。
長期間の使用によるトナー劣化に対し、現像装置の改良によるアプローチとして、特許文献1では、像担持体にトナーを付与する現像ローラと、発泡部材で構成され現像ローラにトナーを供給する供給ローラとを有し、現像ローラと供給ローラとが接触して互いに順方向に回転するものであり、現像ローラにおける現像後の位置にて現像残トナーを回収するトナー回収ブレードを備えた現像装置が提案されている。特許文献1によれば、現像ローラと供給ローラを順方向に回転させることにより、摩擦熱の発生を抑制し、トナーの凝集・融着を抑制することで、長期間の使用においても高画質を維持している。しかし、本装置においては、現像残トナーを回収するためのトナー回収ブレードが必須となってしまい、簡素な構成要素という点では不十分である。また、より高速化が進んだ場合に、現像残トナーの回収が不十分となり、現像ローラに連れ回ったトナーが過帯電することによる、規制不良が懸念される。
長期間の使用によるトナー劣化に対し、トナーの改良によるアプローチとして、粒径が数百ナノメートル程度の大粒径無機微粒子、特に粒度分布が狭いゾルゲル法によるシリカ粒子を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
大粒径無機微粒子の添加は、いわゆるスペーサー効果を生み、小粒径無機微粒子が付着したトナー表面が、キャリア、現像剤塗布ブレード、現像剤担持ローラ、現像器内壁、撹拌羽根、他のトナー等と直接接するのを防ぎ、ストレスを低減する。これにより、小粒径無機微粒子の埋没を抑え、トナーの長寿命化が達成される。
一方で、大粒径無機微粒子の添加は、いわゆるスペーサー効果を生み出すため、トナー粒子表面が、キャリア、現像剤担持ローラなどの帯電付与部材、あるいはトナー粒子同士の接触が減るため、トナーの帯電立ち上がり性が遅くなり、ゴーストやかぶり、画像均一性等が悪化しやすくなる。
また、従来のゾルゲル法で得られる大粒径シリカ粒子は、一般にシラノール基を多く有する親水性の粒子であるため、例え疎水化処理したとしても、残存シラノール基が多い。そのため、温度、湿度に左右されやすく、トナーに安定した帯電性を付与することが難しい。
上記課題に対し、重量平均分子量6000〜35000の4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を含有する共重合体である帯電制御樹脂を含有するコアシェル型着色樹脂粒子と大粒径シリカ粒子とを含有するトナーと、現像ローラの表面輝度と表面粗さを規定した画像形成方法が提案されている(特許文献4)。
この方法によれば、現像ローラの表面特性を改質することにより、同時に、感光体表面でのトナーの帯電量の絶対値を制御することで、効果的にクリーニングを行うことができ、高精細で高画質の画像を形成することができる。しかし、像担持体にトナーを付与する現像ローラと、発泡部材で構成され現像ローラにトナーを供給する供給ローラとを有し、現像ローラと供給ローラとが接触して互いに順方向に回転する現像装置において、より高速化が進んだ場合に、低温低湿環境下における現像残トナーの回収が不十分となり、現像ローラに連れ回ったトナーが過帯電することによる、規制不良と、高温高湿環境下における、帯電不良によるカブリの両立に改善の余地があることが分かった。
特に、長期間の使用において高画質を維持するために、トナーへの負荷を軽減し、トナー劣化を抑える試みが行われており、現像装置の改良によるアプローチやトナーの改良によるアプローチが盛んに行われている。
長期間の使用によるトナー劣化に対し、現像装置の改良によるアプローチとして、特許文献1では、像担持体にトナーを付与する現像ローラと、発泡部材で構成され現像ローラにトナーを供給する供給ローラとを有し、現像ローラと供給ローラとが接触して互いに順方向に回転するものであり、現像ローラにおける現像後の位置にて現像残トナーを回収するトナー回収ブレードを備えた現像装置が提案されている。特許文献1によれば、現像ローラと供給ローラを順方向に回転させることにより、摩擦熱の発生を抑制し、トナーの凝集・融着を抑制することで、長期間の使用においても高画質を維持している。しかし、本装置においては、現像残トナーを回収するためのトナー回収ブレードが必須となってしまい、簡素な構成要素という点では不十分である。また、より高速化が進んだ場合に、現像残トナーの回収が不十分となり、現像ローラに連れ回ったトナーが過帯電することによる、規制不良が懸念される。
長期間の使用によるトナー劣化に対し、トナーの改良によるアプローチとして、粒径が数百ナノメートル程度の大粒径無機微粒子、特に粒度分布が狭いゾルゲル法によるシリカ粒子を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
大粒径無機微粒子の添加は、いわゆるスペーサー効果を生み、小粒径無機微粒子が付着したトナー表面が、キャリア、現像剤塗布ブレード、現像剤担持ローラ、現像器内壁、撹拌羽根、他のトナー等と直接接するのを防ぎ、ストレスを低減する。これにより、小粒径無機微粒子の埋没を抑え、トナーの長寿命化が達成される。
一方で、大粒径無機微粒子の添加は、いわゆるスペーサー効果を生み出すため、トナー粒子表面が、キャリア、現像剤担持ローラなどの帯電付与部材、あるいはトナー粒子同士の接触が減るため、トナーの帯電立ち上がり性が遅くなり、ゴーストやかぶり、画像均一性等が悪化しやすくなる。
また、従来のゾルゲル法で得られる大粒径シリカ粒子は、一般にシラノール基を多く有する親水性の粒子であるため、例え疎水化処理したとしても、残存シラノール基が多い。そのため、温度、湿度に左右されやすく、トナーに安定した帯電性を付与することが難しい。
上記課題に対し、重量平均分子量6000〜35000の4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を含有する共重合体である帯電制御樹脂を含有するコアシェル型着色樹脂粒子と大粒径シリカ粒子とを含有するトナーと、現像ローラの表面輝度と表面粗さを規定した画像形成方法が提案されている(特許文献4)。
この方法によれば、現像ローラの表面特性を改質することにより、同時に、感光体表面でのトナーの帯電量の絶対値を制御することで、効果的にクリーニングを行うことができ、高精細で高画質の画像を形成することができる。しかし、像担持体にトナーを付与する現像ローラと、発泡部材で構成され現像ローラにトナーを供給する供給ローラとを有し、現像ローラと供給ローラとが接触して互いに順方向に回転する現像装置において、より高速化が進んだ場合に、低温低湿環境下における現像残トナーの回収が不十分となり、現像ローラに連れ回ったトナーが過帯電することによる、規制不良と、高温高湿環境下における、帯電不良によるカブリの両立に改善の余地があることが分かった。
本発明は、上記状況を鑑み、トナー担持体と、トナー担持体と当接部を形成するよう配置されたトナー供給部材とを有する現像室を有し、前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向である現像装置を用いた場合に、簡易な構成要素での設計においても、高速、高画質、高耐久を満足する画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、現像装置を用いて、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像工程を有する画像形成方法であって、
前記現像装置は、
前記トナーを担持して前記静電潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体に前記トナーを供給する供給部材とを有する現像室と、
前記トナーが収容された収容室とを有し、
前記トナー担持体と前記供給部材とは、当接部を形成するように配置されており、前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向であり、
前記当接部における前記供給部材の前記トナー担持体への侵入量が0.3mm以上1.5mm以下であり、
前記供給部材の周速が前記トナー担持体の周速に対して110%以上250%以下であり、
前記トナーが結着樹脂、着色剤および荷電制御樹脂Aを含有するトナー粒子と、シリカ粒子Bとを含有するトナーであって、
前記荷電制御樹脂Aは、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂であり、
前記シリカ粒子Bは、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下であり、かつ、稠密度が0.80以上であることを特徴とする画像形成方法である。
前記現像装置は、
前記トナーを担持して前記静電潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体に前記トナーを供給する供給部材とを有する現像室と、
前記トナーが収容された収容室とを有し、
前記トナー担持体と前記供給部材とは、当接部を形成するように配置されており、前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向であり、
前記当接部における前記供給部材の前記トナー担持体への侵入量が0.3mm以上1.5mm以下であり、
前記供給部材の周速が前記トナー担持体の周速に対して110%以上250%以下であり、
前記トナーが結着樹脂、着色剤および荷電制御樹脂Aを含有するトナー粒子と、シリカ粒子Bとを含有するトナーであって、
前記荷電制御樹脂Aは、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂であり、
前記シリカ粒子Bは、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下であり、かつ、稠密度が0.80以上であることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、トナー担持体と、トナー担持体と当接部を形成するよう配置されたトナー供給部材とを有する現像室を有し、前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向である現像装置を用いた場合に、簡易な構成要素での設計においても、高速、高画質、高耐久を満足する画像形成方法を提供することができる。
以下に本発明が適用される画像形成方法を用いた画像形成装置の一例を挙げ、これを図1に示し、本発明の構成についてさらに詳しく説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
図1は、本発明が適用される画像形成方法を用いた画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体100Aに入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
尚、本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。また、感光体ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。更に、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
なお、本発明では、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤のトナーを用いるのが好ましい。また、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
本発明では、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及びクリーニング部材6とは、一体化され、即ち、一体的にカートリッジ化された、プロセスカートリッジ7が好適に用いられる。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体100Aに設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能となっている。各色用のプロセスカートリッジ7は、全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブランク(K)の各色のトナーが収容されている。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光体ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
また、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが当接する二次転写部N2を形成する。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
更に説明すれば、画像形成時には、先ず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光体ドラム1の表面が走査露光され、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。
その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。中間転写ベルト5上の4色トナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
また、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。
尚、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、又は、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
次に、画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。本発明では、収容しているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一であるものを用いる。
図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光体ドラム1が図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。本発明では、画像形成プロセスの中心となる感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光体ドラム1を用いることが好ましい。
また、感光体ユニット13には、感光体ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光体ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
一方、現像ユニット4は、トナー80を担持するためのトナー担持体としての現像ローラ17と、現像ローラ17にトナーを供給する供給部材としてのトナー供給ローラ20が配置された現像室を有している。
また、トナー供給ローラ20は、現像ローラ17との間に当接部N(現像ローラ17とトナー供給ローラ20とでトナーを挟む部分)を形成し、同一方向に回転している。
トナー収容室18内には、撹拌搬送部材22が設けられている。撹拌搬送部材22は、トナー収容室18内に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。
現像ブレード21は現像ローラ17の下方に配置され、現像ローラに対してカウンターで当接しており、トナー供給ローラ20によって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。現像ブレード21は、厚さ0.1mmの板バネ状のSUS製の薄板を用い、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成し、その表面がトナー及び現像ローラ17に当接される。ここで、現像ブレードとしてはこの限りではなく、リン青銅やアルミニウム等の金属薄板でも良い。また、現像ブレード21の表面にポリアミドエラストマーやウレタンゴムやウレタン樹脂等の薄膜を被覆したものを用いても良い。
トナーは、現像ブレード21と現像ローラ17との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。また、本発明においては、現像ブレード21に不図示のブレードバイアス電源から所定電圧を印加し、トナーコート層の安定化をするのが好ましい。
現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部において各々の表面が同方向(図2では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。
尚、図2では、現像ローラ17は、感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
本発明においては、現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光体ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。
本発明においては、トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、各々の表面が当接部Nにおいて、同一方向に回転している。図2においては、トナー供給ローラ20は図示矢印E方向(時計方向)に、現像ローラ17は矢印D方向に回転している。このことにより、トナーへの負荷を軽減し、長期間の使用においても高画質を維持することができる。トナー供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ20と現像ローラ17は所定の侵入量、即ち、トナー供給ローラ20が現像ローラ17により凹状とされるその凹み量△Eを持って接触している。本発明においては、その侵入量は、現像残トナーのはぎ取り性とトナーへの負荷のバランスから、0.3mm以上1.5mm以下であり、0.7mm以上1.2mm以下であることが好ましい。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、当接部Nにおいて互いに同方向に周速差を持って回転しており、この動作により、トナー供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給とはぎ取りを行っている。その際、トナー供給ローラと現像ローラとの電位差を調整することにより、現像ローラへのトナー供給量を調整することが出来る。本発明では、供給ローラの周速が現像ローラの周速に対して110%以上250%以下であり、150%以上200%以下であることが好ましい。トナー供給ローラに対しては、DCバイアスを印加してもよい。
以下、本発明に好適に用いられるトナー供給ローラの詳細について説明する。
図2におけるトナー供給ローラ20は、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層と、を備える。具体的には、導電性支持体たる芯金電極20aと、その周囲に気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層としての発泡ウレタン層20bが設けられており、図中Eの方向に回転する。表層のウレタンを連続気泡体とすることで、トナー供給ローラ20内部にトナーが多量に進入可能となる。また、トナー供給ローラ20の表面セル径は50μm以上1000μm以下とするのが好ましい。
ここで、セル径とは、任意断面の発泡セルの平均径をいい、まず任意断面の拡大画像から最大である発泡セルの面積を測定し、この面積から真円相当径を換算し最大セル径を得る。そしてこの最大セル径の1/2以下である発泡セルをノイズとして削除した後、残りの個々のセル面積から同様に換算した個々のセル径の平均値のことを指す。
以上述べたように、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置は、トナー供給ローラと現像ローラを同一方向に回転させることにより、トナーへの負荷を軽減し、長期間の使用においても高画質を維持することができる。
しかし、より高速化が進んだ場合に、現像されずに残ったトナーのはぎ取りが不十分となり、現像ローラに連れ回ったトナーが過帯電することによる、規制不良が懸念される。特に、低温低湿環境において起こりやすい。トナーのはぎ取りを十分とするために、トナーへの大粒径無機微粒子の添加は、部材へのトナーの付着性が軽減し、特に低温低湿環境下における規制不良に対し改善はみられる。一方、高温高湿環境下においては、トナー最表層に存在する水分により、帯電不良を起こし、カブリが悪化する。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討の結果、トナーが結着樹脂、着色剤および荷電制御樹脂Aを含有するトナー粒子と、シリカ粒子Bとを含有するトナーであって、前記荷電制御樹脂Aは、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂であり、前記シリカ粒子Bは、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下であり、かつ、稠密度を0.80以上にすることで、上記問題を解決し、簡易な構成要素での設計においても、高速、高画質、高耐久を満足する画像形成方法を提供できることを見出した。
本発明の構成をとることで、簡易な構成要素での設計においても、高速、高画質、高耐久を満足することができるメカニズムは不明だが、本発明者らは以下の様に考えている。
本発明においては、荷電制御樹脂Aの酸解離定数pKaを適切な範囲に制御することにより、荷電制御樹脂Aの高温高湿環境下における含水率を下げることができる。トナー最表層に存在する荷電制御樹脂Aの吸水を抑制することで、トナー最表層の吸水を抑制することができる。一方、シリカ粒子Bは、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下であり、かつ、稠密度が0.80以上であることで、スペーサー効果を発現し、現像ローラへの付着力が低下し、特に低温低湿環境下での規制不良が抑制される。
本発明の画像形成方法においては、両者の相乗効果により、高温高湿環境下及び低温低湿環境下、何れの環境においても、トナーの帯電性とトナーの部材への付着性が何れも同程度に維持することができる。そのため、本発明の画像形成装置において低温低湿環境下及び高温高湿環境下の多数枚使用時においても、高速、高画質、高耐久を満足する画像形成方法を提供できると考えている。
本発明の画像形成方法では、トナーが結着樹脂、着色剤および荷電制御樹脂Aを含有するトナー粒子と、シリカ粒子Bとを含有するトナーであって、前記荷電制御樹脂Aは、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂であることが必要である。
本発明に用いられる荷電制御樹脂AのpKa(酸解離定数)が、6.0以上9.0以下である樹脂は、高温高湿環境で優れた帯電性能を発揮するため、その点について説明する。
一般的にイオン性官能基を有する荷電制御樹脂としては、スルホン酸やカルボン酸などの官能基を有したものが多く用いられているが、このような樹脂は水分を吸着し易く、高温高湿環境下ではその影響で帯電量が低下する場合がある。しかしpKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であれば、樹脂の吸湿性を低減し、高温高湿環境での帯電量の低下を抑制できる。pKa(酸解離定数)が6.0未満の場合、荷電制御樹脂の水分吸着量が増え、高湿下で帯電性低下してしまう。pKa(酸解離定数)が9.0を超える場合、帯電能力低く十分な帯電量を発現することができない。なお、pKa(酸解離定数)が7.0以上8.5以下であると、トナーへの水分吸着量と帯電性へのバランスが更に良くなる。
イオン性官能基を有する荷電制御樹脂としては、上記pKa(酸解離定数)を満たすものであれば構わない。例えば、芳香環に結合した水酸基や、芳香環に結合したカルボキシル基を有する樹脂がpKa(酸解離定数)を上記範囲することができる。具体的に、ビニルサリチル酸、4−ビニルフタル酸、1‐ビニルナフタレン‐2‐カルボン酸を重合させたものなどを用いることができるが、特に分子構造として側鎖に式(1)に示す構造を有することが望ましい。
より好ましくは、荷電制御樹脂が下記式(2)で示される部位を有する(1価の基を有する)重合体であることである。
式(2)で示される構造をモノマーユニットとして含有した荷電制御樹脂を用いた場合、摩擦帯電により生じた電荷を安定に付与することができる。メカニズムは明確ではないが、式(2)で示される構造に存在する酸素原子やアリール基などの共役系の広がりにより、式(2)で示される構造に存在するサリチル酸部位で発生した電荷は、トナーを構成する材料に電荷授受され、帯電の立ち上がりを速くする効果を生み出していると考えている。また、余剰の帯電(過帯電)が生じた場合は速やかに電荷を放出し、局部的な過帯電を防止する効果も期待される。式(2)で示される構造には、電子伝導に有利なアルキルエーテルを介して、芳香環とサリチル酸構造とが結合する構造を有している。このサリチル酸誘導体からのびる大きな共役系構造が、外部の温湿度の影響を最小限に抑えつつ、摩擦帯電により生じた電荷を分子内部に保持する役割を果たし、安定して電荷を付与すると考えている。特に、高温高湿環境下において、トナーへの水分吸着が抑えられるため、本発明の効果を生み出していると考えている。
R7とR8におけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシル基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
本発明のトナーにおける前記帯電制御樹脂における重合体の主鎖構造は、特に限定されない。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。本発明の荷電制御樹脂を製造する上での製造しやすさや、コストメリット等を考慮すれば、ポリエステル系重合体、或いは、ビニル系重合体であることが好ましい。
荷電制御樹脂Aに含まれる構造式(1)及び(2)で示される1価の基aの含有量は50μmol/g以上1000μmol/g以下であることが好ましい。50μmol/g以上1000mol/g以下にすることで、良好な帯電性と耐久性が発揮できる。特に、高温高湿環境下において、トナーへの水分吸着が抑えられる。
荷電制御樹脂Aに含まれる構造式(1)及び(2)で示される1価の基の含有量は、後述の方法により求めることができる。まず、重合体を後述の方法により滴定することにより、荷電制御樹脂Aの酸価を定量し、荷電制御樹脂Aが有する式(1)や式(2)で示される1価の基に由来するカルボキシ基の量を算出する。そして、これを基に荷電制御樹脂A中の式(1)や式(2)で示される1価の基の含有量(μmol/g)を算出することができる。なお、荷電制御樹脂Aが、式(1)や式(2)で示される1価の基以外の部位にカルボキシ基を有している場合は、重合体を作製する際に式(1)や式(2)で示される1価の基を付加反応させる直前の化合物(例えばポリエステル樹脂)の酸価をあらかじめ測定しておく。式(1)や式(2)で示される1価の基の付加量は、付加反応後の重合体の酸価との差で算出することができる。
また、NMRを測定し、各単量体成分の特徴的な化学シフト値から導出した積分値より各成分のmol比を算出し、それを基に含有量(μmol/g)を算出することができる。
本発明のトナーにおける前記荷電制御樹脂Aの添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることで、良好な帯電性が得られる。
式(1)及び式(2)を含有する荷電制御樹脂Aは、単一重合体でも他の重合性単量体との共重合体でもよい。共重合体として使用可能な重合性単量体としては具体的には次に例示される通りである。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体が例示される。
式(1)や式(2)を含有する荷電制御樹脂Aを作製する場合、用いることのできる重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。使用できる過酸化物系重合開始剤としては、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられる。また、使用できるアゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。この際使用される重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対し0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおける荷電制御樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、帯電性、保存安定性を満足すれば問題なく、4000以上100000以下であることが好ましい。重量平均分子量は、開始剤量、反応温度、反応溶媒など公知の方法により制御可能である。
荷電制御樹脂Aの製造方法としては特に限定されず、公知の手法により製造することができる。一例として、式(2)で示される構造を含有する重合性単量体(式(3))と重合開始剤を用いて重合させればよい。
また、使用可能な重合性単量体(式(3))の具体例としては、以下のものを挙げることができる。ここに示す例は、あくまで一例であり、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられるシリカ粒子Bは、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下である。80nm以上200nm以下であることがより好ましい。
シリカ粒子Bの体積平均粒子径が500nmより大きい場合には、トナーの流動性を阻害するとともに、トナー粒子表面から脱離し易い傾向を示す。そのため、本発明のトナー粒子であっても、長期にわたり安定した帯電性、帯電立ち上がり性、流動性をトナーに付与することができない。さらには脱離したシリカ粒子Bは、現像剤構成材料や画像形成システム部材へ付着、汚染し、帯電特性の低下やそれに伴うトナー飛散の発生などの悪影響を及ぼす。
一方、体積平均粒子径が60nmよりも小さい場合には、大粒径シリカとして十分なスペーサー効果を発揮することができず、長期使用時において、トナー表面劣化が生じる。
シリカ粒子の体積平均粒子径(Dv)は、例えば後述するシリカ粒子の好ましい製造方法であるゾルゲル法において、以下を調整することにより制御することができる。例えば、水が存在する有機溶媒の濃度、アルコキシシランの溶媒中への添加量、滴下時間、塩基の添加量、滴下時間を調整することにより、体積平均粒子径を制御することができる。
シリカ粒子Bは、体積粒度分布における変動係数が23%以下であることが好ましい。さらには、15%以下であることが好ましい。シリカ粒子Bの変動係数が上記範囲内であれば、シリカ粒子Bがトナー表面にてより効果的にスペーサー効果を発現することができ、長期にわたり安定的な帯電性を有するトナーを得ることができる。
変動係数が23%より大きい場合、シリカ粒子の粒径分布においてばらつきが大きい。そのため、シリカ粒子一粒一粒がスペーサー粒子として、効率的に機能しにくくなる傾向にある。また、シリカ粒子一粒一粒のトナーへの帯電性付与に差が生じやすいことから、帯電分布が広がり、カブリ等が低下することがある。そのため長期にわたり安定的な帯電性を有するトナーを得ることができない場合がある。
該変動係数は、例えば後述するシリカ粒子の好ましい製造方法であるゾルゲル法において、以下を調整することにより制御することができる。例えば、アルコキシシランの溶媒中への添加量、滴下時間、塩基の添加量、滴下時間を調整することにより、該変動係数を制御することができる。
本発明のシリカ粒子Bの稠密度は、0.80以上である。シリカ粒子Bの稠密度が上記範囲内であれば、シリカ粒子Bがトナー粒子表面にてより効果的にスペーサー効果を発現することができ、長期にわたり安定的な帯電性、流動性を有するトナーを得ることができる。
稠密度が0.80より小さい場合、たとえシリカ粒子の体積平均粒径が上記範囲内であっても、シリカ粒子の形状においてばらつきが大きい。そのため、シリカ粒子一粒一粒がスペーサー粒子として、効率的に機能しにくくなり、転写性が向上し難い。また、シリカ粒子一粒一粒のトナーへの帯電性に差が生じやすいことから、帯電分布が広がり、カブリ等が低下する。そのため長期にわたり安定的な帯電性を有するトナーを得ることができない。
なお、シリカ粒子Bの稠密度は、0.90以上が好ましい。また、該稠密度は、例えば後述するシリカ粒子の好ましい製造方法であるゾルゲル法において、以下を調整することにより制御することができる。例えば、アルコキシシランの溶媒中への添加量、滴下時間、塩基の添加量、滴下時間を調整することにより、該稠密度を制御することができる。
稠密度とは下記式(A)で示される指標であり、無機微粒子の面積を無機微粒子の凸面積で除した値である。凸面積とは対象の外添剤の輪郭を基に作成される包絡線で囲われた部分の面積である。稠密度は0から1の間の値をとる量であり、値が小さいほど凹部が多い入り組んだ形状となる。
稠密度=無機微粒子の面積/包絡線により囲まれた無機微粒子の面積 …式(A)
稠密度=無機微粒子の面積/包絡線により囲まれた無機微粒子の面積 …式(A)
なお、稠密度は、画像解析ソフトウェアImageJにて、Solidityという名称で数値範囲の規定を行う事が可能である。
本発明に用いられるシリカ粒子Bは、長期にわたり環境によらず安定的な帯電性、流動性、転写性を有するトナーを得ることを目的に、疎水化処理されたシリカ粒子Bを用いることが好ましい。
シリカ粒子Bを疎水化処理する方法は、特に制限されず、公知の方法をに用いる事が可能である。シリカ粒子の疎水化処理方法としては、シリカ粒子に疎水化処理剤を乾式で処理する方法や、水や有機化合物等の溶媒に浸漬し、シリカ粒子に疎水化処理剤を湿式で処理する方法が挙げられる。
中でも、乾式による疎水化処理方法が、シリカ粒子の凝集を防止しつつ、トナーに優れた流動性を付与することができる点で好ましい。乾式による疎水化処理方法としては、シリカ粒子を撹拌しながら、疎水化処理剤を噴霧して処理する方法や、疎水化処理剤の蒸気を流動床や撹拌下のシリカ粒子へ導入する方法が挙げられる。
シリカ粒子の疎水化処理剤としては、以下のものが挙げられる。シリル化剤として、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン類やテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のシラザン類。
ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイル等のシリコーンオイル。ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のシロキサン類。脂肪酸及びその金属塩として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸、前記脂肪酸と亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩。
これらのうち、アルコキシシラン類、シラザン類、ストレートシリコーンオイルは疎水化処理を実施しやすいので、好ましく用いられる。このような疎水化処理剤は単独で、又は、2種類以上を混合して用いることができる。また、上記疎水化処理剤を順次段階的に用いてシリカ粒子を表面処理し、用途に応じて要求される疎水性、流動性等を達成することができる。
以下、シリカ粒子Bの製造方法について説明する。本発明に用いられるシリカ粒子Bは、前述した体積平均粒径、稠密度が本願規定の範囲内であれば、特に製造方法は限定されない。
シリカ粒子Bの製造方法としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法(即ち、ヒュームドシリカの製造方法)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式法(このうちアルカリ条件で合成したものを沈降法、酸性条件で合成したものをゲル法という)、ヒドロカルビルオキシシランなどのアルコキシシランの加水分解によって得られるゾルゲル法(いわゆるStoeber法)が挙げられる。その中でも、シリカ粒子Bを製造する方法として、粒度分布を他の方法に比べてシャープにでき、本発明規定範囲である稠密度を得やすいことから、ゾルゲル法が好ましい。
本発明の好ましい製造方法であるゾルゲル法によるシリカ粒子Bについて、以下説明する。まず、水が存在する有機溶媒中において、アルコキシシランを触媒により加水分解、縮合反応させて、シリカゾル懸濁液を得る。そして、シリカゾル懸濁液から溶媒を除去し、乾燥して、シリカ粒子を得る。
さらに、ゾルゲル法により得られる粒子は、球形かつ単分散で存在するが、一部合一しているものが存在する。そのため、本発明の規定の粒径、円形度、好ましい範囲である変動係数以下のものを得るために、シリカ粒子Bは、解砕処理したものであってもよい。
解砕処理のタイミングとしては、疎水化処理剤で表面処理をする前に、あるいは、疎水化処理剤で表面処理を行った後でもよい。
シリカ粒子Bのトナーへの添加量(外添量)としては、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上2.50質量部以下が好ましい。シリカ粒子Bの添加量が上記範囲内であれば、上述したシリカ粒子Bの効果が良好に発揮される。シリカ粒子Bのトナーへの添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.10質量部以上2.00質量部以下であることがより好ましい。
本発明に係るシリカ粒子Bを、特定のコアシェル構造のトナー粒子以外のトナー粒子に外添した場合、課題に対して改善できるものの、十分満足できるレベルには至らない。本発明では、以下に詳述するトナー粒子に上述のシリカ粒子Bを外添することにより、課題に対して十分に満足することができるトナーを得ることができる。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂並びに必要に応じて着色剤及びワックスを含有するコアに、極性樹脂を含有するシェル層を形成したコアシェル構造であることが好ましい。本発明に係るトナー粒子は、公知の粉砕法及び重合法を用いて製造することができる。中でも、コアシェル構造を形成・制御しやすい懸濁重合法、溶解懸濁重合法、乳化凝集法で製造することがより好ましい。特に、小粒径化が容易で、真球に近く表面の凹凸が少ないコアシェル構造のトナー粒子を得やすい懸濁重合法により製造されるトナー粒子が好ましい。
例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体及び必要に応じて着色剤、ワックスを含む重合性単量体組成物に極性樹脂を添加し、トナー粒子を製造することで、主に結着樹脂及び必要に応じて添加される着色剤、ワックスから形成されるコアを、極性樹脂から形成されるシェル層で被覆したコアシェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。
次に、本発明のトナー及びトナーの製造方法について詳細に説明する。
次に、本発明のトナー及びトナーの製造方法について詳細に説明する。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、4.0μm以上9.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは5.0μm以上7.5μm以下である。
トナーの重量平均粒径が4.0μm以上であると、トナーの流動性が悪化しにくく、帯電立ち上がり性、帯電分布が良好になり、カブリや飛散、画像濃度薄等の弊害を引き起こし難くなる。9.0μm以下であると、微小文字等の細線再現性の悪化及び画像飛び散りの悪化を引き起こし難くなり、昨今望まれる高画質画像を供し得る。
以下、本発明のトナー粒子の好ましい製造方法である懸濁重合法で製造されるトナー粒子について、詳述する。
懸濁重合法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。重合性単量体に、必要に応じて着色剤(着色剤組成物)、ワックス及び重合開始剤等を混合して重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して重合性単量体組成物の粒子を形成(造粒)する。そして、水系媒体中にて重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させてトナー粒子を得る。
重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトン。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
単官能性重合性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて、又は、多官能性重合性単量体と組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
上記工程における重合性単量体組成物は、着色剤を第1の重合性単量体に分散させた分散液を、第2の重合性単量体と混合して調製されたものであることが好ましい。即ち、着色剤を第1の重合性単量体により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の重合性単量体と混合することにより、着色剤がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できる。
重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。油溶性開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の顔料分散剤;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤。
水溶性開始剤としては、以下のものが挙げられる。過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素。
また、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
上記重合開始剤の濃度は、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。上記重合性開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減温度を参考に、単独又は混合して使用される。
さらに、本発明においては、トナー粒子の耐ストレス性を高めると共に、上記粒子構成分子の分子量を制御するために、ビニル系状重合体の合成時に架橋剤を用いることもできる。
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリルレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独又は混合物として用いられる。
これらの架橋剤は、トナーの定着性、耐オフセット性の点で、重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上10質量部以下の範囲、より好ましくは0.1質量部以上5質量部以下の範囲で用いる。
重合性単量体や架橋剤は、単独、又は理論ガラス転移温度(Tg)が、40℃以上75℃以下の範囲を示すように単量体を適宜混合して用いることが好ましい。理論ガラス転移温度が40℃以上の場合にはトナーの保存安定性や耐ストレス性の面から問題が生じ難く、一方75℃以下の場合はトナーのフルカラー画像形成の場合において透明性や低温定着性が低下しない。
上記懸濁重合法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。また、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
上記分散安定化剤のうち、本発明においては、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。また、本発明においては、難水溶性無機分散安定化剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散安定化剤が重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上2.0質量部以下の範囲となるような割合で使用することが好ましい。このような範囲で使用することによって、重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性が向上するからである。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300質量部以上3000質量部以下の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記難水溶性無機分散安定化剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定化剤をそのまま用いて分散させてもよい。しかし、細かい均一な粒度を有する分散安定化剤粒子を得るために、水中にて高速撹拌下に、上記難水溶性無機分散安定化剤を生成させて調製することが好ましい。例えば、リン酸カルシウムを分散安定化剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定化剤を得ることができる。
懸濁重合法においては、重合性単量体組成物に極性樹脂を添加し、トナー粒子を製造することで、主にコアを形成する結着樹脂及び必要に応じて添加したワックスを、極性樹脂(シェル)で被覆した、コアシェル構造を有するトナーを得ることができる。
そのため、これら重合法によるトナーは、ワックスをトナー内に良好に内包化することにより、比較的多量のワックスを含有しても、トナー表面への露出は少なく、連続プリントにおけるトナー劣化を抑制することができる。
本発明で用いることができる極性樹脂は例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステル樹脂が望まれる。前記極性樹脂は、コアを形成する樹脂100質量部当たり、好ましくは0.5質量部以上20.0質量部以下、より好ましくは1.0質量部以上10.0質量部以下である。
本発明のトナーの着色剤としては、以下に示すブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの顔料及び必要に応じて染料を用いることができる。
ブラック着色剤としては、公知のブラック着色剤を用いることができる。例えば、ブラック着色剤としては、カーボンブラックが挙げられる。また、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を混合して、ブラックに調節したものが挙げられる。
カーボンブラックとしては、特に制限はないが、例えばサーマル法、アセチレン法、チャンネル法、ファーネス法、ランプブラック法等の製法により得られたカーボンブラックを用いることができる。
本発明に用いるカーボンブラックの一次粒子の平均粒径は、特に制限はないが、14nm以上80nm以下であることが好ましく、より好ましくは25nm以上50nm以下である。平均粒径が14nm以上の場合には、トナーは赤味を呈さず、フルカラー画像形成用のブラックとして好ましい。カーボンブラックの平均粒径が80nm以下の場合には、良好に分散しかつ着色力が低くなり過ぎず好ましい。なお、カーボンブラックの平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡で拡大した写真を撮影して測定することができる。
上記カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
これらは粗製顔料であってもよく、本発明の顔料分散剤の効果を著しく阻害するものでなければ調製された顔料組成物であってもよい。
イエロー着色剤としては、公知のイエロー着色剤を用いることができる。
顔料系のイエロー着色剤としては、縮合多環系顔料、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、155、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199が挙げられる。
染料系のイエロー着色剤としては、C.I.solvent Yellow33、56、79、82、93、112、161、162、163、C.I.disperse Yellow42、64、201、211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、公知のマゼンタ着色剤を用いることができる。
マゼンタ着色剤としては、縮合多環系顔料、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red 2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.Pigment Violet19が挙げられる。
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHP画像の透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、コアを形成する結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、一種以上のワックスを含有していることが好ましい。トナー中に含まれるワックスは総量で、トナー粒子100質量部中に2.5質量部以上25.0質量部以下含有されることが好ましい。また、トナー中に含まれるワックスの総量は、4.0質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、6.0質量部以上18.0質量部以下であることがさらに好ましい。
ワックスとしては、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
本発明のトナーは、トナーの帯電性を環境によらず安定に保つために、荷電制御剤を用いてもよい。
また、本発明のトナーは低温定着性を向上させることを目的に、結晶性ポリエステルをコアに含有させてもよい。
結晶性ポリエステルとしては、例えば脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの重縮合樹脂から構成される以下のものが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの酸の無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。
また、本発明においては上記のようなカルボン酸単量体を主成分として用いるが、上記の成分の他に三価以上の多価カルボン酸を用いてもよい。
三価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。
これらは1種単独、又は、2種以上併用してもよい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタジエングリコールその他が挙げられる。
また、本発明においては上記のようなアルコール単量体が主成分として用いられるが、上記成分の他に、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の二価のアルコール、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の三価のアルコール等を用いてもよい。
三価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらは1種単独、又は、2種以上併用してもよい。
上記脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールは、下記式(4)が示す直鎖型脱脂肪族ジカルボン酸と下記式(3)の直鎖型脂肪族ジオールから構成されることがより好ましい。
HOOC−(CH2)m−COOH 式(4)
[式中、mは、4以上16以下の整数を示す]
HO−(CH2)n−OH 式(5)
[式中、nは、4以上16以下の整数を示す]
HOOC−(CH2)m−COOH 式(4)
[式中、mは、4以上16以下の整数を示す]
HO−(CH2)n−OH 式(5)
[式中、nは、4以上16以下の整数を示す]
直鎖型であると、ポリエステル樹脂の結晶性に優れ、結晶融点が適度であるため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び、低温定着性に優れる。また、炭素数が4以上であると、融点(Tm)が適度であるため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び、低温定着性に優れる。また、16以下であると、実用上の材料の入手が容易である。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステルの融点Tm(C)は、55℃以上90℃以下であることが好ましく、60℃以上85℃以下であることがより好ましい。Tm(C)は、使用する脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジオールの種類、重合度等によって調整することができる。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面にシリカ粒子Bの他にシリカ粒子B以外の無機微粒子を外添してもよい。該無機微粒子は、トナーの流動性改良及び帯電均一化のためにトナー粒子に添加、混合され、添加された無機微粒子はトナー粒子の表面に均一に付着した状態で存在する。
本発明におけるシリカ粒子B以外の無機微粒子は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が4nm以上500nm以下であることが好ましい。
本発明で用いられるシリカ粒子B以外の無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニアから選ばれる無機微粒子又はその複合酸化物などが使用できる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミナ複合酸化物、シリカチタニア複合酸化物等が挙げられる。これら無機微粒子は、表面を疎水化処理して用いることが好ましい。
さらに、本発明に用いられるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末のような滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末などの研磨剤、あるいは、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機及び/又は無機微粒子を現像性向上剤として少量用いる事もできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
以下、本発明において用いた測定方法について、説明する。
<シリカ粒子Bの体積平均粒径(Dv)及び体積粒度分布における変動係数の測定>
本発明におけるシリカ粒子Bの体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数の測定は、ゼータタイザーNano−ZS(シスメック社製)を用いて行う。変動係数は、半値幅(width)と体積平均粒径を測定し、半値幅の体積平均粒径に対する比率(%)を計算して求める。サンプル調整及び測定条件は以下の通りである。
本発明におけるシリカ粒子Bの体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数の測定は、ゼータタイザーNano−ZS(シスメック社製)を用いて行う。変動係数は、半値幅(width)と体積平均粒径を測定し、半値幅の体積平均粒径に対する比率(%)を計算して求める。サンプル調整及び測定条件は以下の通りである。
シリカ粒子A約1mgを純水20ml中に添加し、ホモジナイザー(SMT社製)を用いて、3分間分散する。シリカ粒子の凝集による影響を小さくするため、分散後すぐに、以下の条件で、体積平均粒径と変動係数を測定する。
〔測定条件〕
・セル:DTS0012−Disposable sizing cuvette
・Dispersant:Water
・Refractive Index:
material:1.460
dispersant:1.330
・Temperature:25℃
・Mesurment duration:
Number of runs:5
Runs duration(Seconds):10
・Result Calculation:General Purpose
・セル:DTS0012−Disposable sizing cuvette
・Dispersant:Water
・Refractive Index:
material:1.460
dispersant:1.330
・Temperature:25℃
・Mesurment duration:
Number of runs:5
Runs duration(Seconds):10
・Result Calculation:General Purpose
≪シリカ粒子Bの稠密度の測定方法≫
シリカ粒子Bの稠密度の測定方法を以下に示す。
シリカ粒子Bの稠密度の測定方法を以下に示す。
トナー粒子にシリカ粒子B1.0質量%をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で外添混合する。これを走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 S−4800TypeII)を用いてSEM観察像を得る。
得られたSEM観察像を画像処理ソフトImagej(開発元 Wayne Rashand)を用いて、稠密度を算出する。
SEM観察像の画像処理による稠密度は、以下(1)〜(8)の手順で行い算出した。
(1)[Analyze]−[Set Scale]にて、スケールの設定を行う。
(2)[Image]−[Adjust]−[Threshold]で閾値を設定する。
(ノイズが残らず、測定対象であるシリカ粒子が残る値に設定)
(3)[Image]−[Crop]で、測定したいシリカ粒子の画像部分を選択する。
(4)シリカ粒子が重なっているものは画像編集により消去する。
(5)[Edit]−[Invert]で白黒の画像を反転させる。
(6)[Analyze]−[Set Measurements]で[Area]、[Shape Descriptors]、[Perimeter]、[Fit Ellipse]、[Ferets Diameter]Ferets Diameterをチェックする。また、[Redirect to]を[None、Decimal Place(0−9)]を3に設定する。
(7)得られたSolidityデータから無作為に選択した1000個の粒子の平均値を稠密度とした。
(1)[Analyze]−[Set Scale]にて、スケールの設定を行う。
(2)[Image]−[Adjust]−[Threshold]で閾値を設定する。
(ノイズが残らず、測定対象であるシリカ粒子が残る値に設定)
(3)[Image]−[Crop]で、測定したいシリカ粒子の画像部分を選択する。
(4)シリカ粒子が重なっているものは画像編集により消去する。
(5)[Edit]−[Invert]で白黒の画像を反転させる。
(6)[Analyze]−[Set Measurements]で[Area]、[Shape Descriptors]、[Perimeter]、[Fit Ellipse]、[Ferets Diameter]Ferets Diameterをチェックする。また、[Redirect to]を[None、Decimal Place(0−9)]を3に設定する。
(7)得られたSolidityデータから無作為に選択した1000個の粒子の平均値を稠密度とした。
<トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<荷電制御樹脂A及びトナーの分子量測定>
本発明で用いられる荷電制御樹脂A及びトナーの分子量及び分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
本発明で用いられる荷電制御樹脂A及びトナーの分子量及び分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
GPCによる分子量の測定は、以下の様にして行う。上記樹脂をTHF(テトラヒドロフラン)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。尚、サンプル溶液調製は、樹脂の濃度が0.8質量%になるようにTHFの量を調整する。なお、樹脂がTHFに溶解しにくい場合には、DMFなどの塩基性溶媒を用いることも可能である。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、以下に列挙する標準ポリスチレン樹脂カラムを用いて作成した分子量校正曲線を使用する。具体的には、東ソ−社製の商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」である。
<ポリエステル樹脂の分子量測定>
ポリエステル樹脂0.03gをo−ジクロロベンゼン10mlに分散して溶解後、135℃において24時間振投機で振とうを行い、0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用い、下記の条件にて分析を行う。
ポリエステル樹脂0.03gをo−ジクロロベンゼン10mlに分散して溶解後、135℃において24時間振投機で振とうを行い、0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用い、下記の条件にて分析を行う。
[分析条件]
分離カラム:Shodex(TSK GMHHR−H HT20)×2
カラム温度:135℃
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
移動相流速:1.0ml/min.
試料濃度 :約0.3%
注入量 :300μl
検出器 :示差屈折率検出器 Shodex RI−71
分離カラム:Shodex(TSK GMHHR−H HT20)×2
カラム温度:135℃
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
移動相流速:1.0ml/min.
試料濃度 :約0.3%
注入量 :300μl
検出器 :示差屈折率検出器 Shodex RI−71
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
<樹脂の酸価測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
得られた酸価から樹脂A中に含まれる式(1)で示される部位の含有量を算出する。
<帯電制御樹脂AのpKa>
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、THF150mlを加え、30分かけて溶解する。この溶液にpH電極を入れ、サンプルのTHF溶液のpHを読み取る。その後、0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を10μlずつ添加し、その都度pHを読み取り滴定を行う。pHが10以上となり、30μl添加してもpHの変化がなくなるまで0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液を加える。得られた結果から0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液添加量に対するpHをプロットし、滴定曲線を得る。得られた滴定曲線からpH変化の傾きが一番大きいところを中和点とし、添加した水酸化カリウム量から酸価(mgKOH/g)を算出する。pKaは中和点までに必要とした0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液量の半分量でのpHと同じ値であるため、滴定曲線から半分量でのpHを読み取る。
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、THF150mlを加え、30分かけて溶解する。この溶液にpH電極を入れ、サンプルのTHF溶液のpHを読み取る。その後、0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を10μlずつ添加し、その都度pHを読み取り滴定を行う。pHが10以上となり、30μl添加してもpHの変化がなくなるまで0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液を加える。得られた結果から0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液添加量に対するpHをプロットし、滴定曲線を得る。得られた滴定曲線からpH変化の傾きが一番大きいところを中和点とし、添加した水酸化カリウム量から酸価(mgKOH/g)を算出する。pKaは中和点までに必要とした0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液量の半分量でのpHと同じ値であるため、滴定曲線から半分量でのpHを読み取る。
<荷電制御樹脂A、非晶性ポリエステルの組成分析>
荷電制御樹脂A、非晶性ポリエステルの組成分析は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行う。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
荷電制御樹脂A、非晶性ポリエステルの組成分析は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行う。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値から各単量体成分のmol比を求め、これを基に組成比を算出する。
<トナーおよび樹脂のガラス転移温度(Tg)>
本発明のトナー及び樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
本発明のトナー及び樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
示差走査熱量計は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定する。測定サンプルは2から5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用いる。20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20乃至140℃の間で、1.0℃/minのモジュレーションをかけて、昇温速度1℃/minで測定を行う。本発明においては、ガラス転移温度は中点法で求めることができる。
<荷電制御樹脂Aの製造例>
<式(3)の一例である重合性単量体C−1の製造例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gをメタノール150mLに溶解させた。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を作製し、これをサリチル酸中間体が入った溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(6)で示される構造を有する重合性単量体C−1を20.1g得た。
<式(3)の一例である重合性単量体C−1の製造例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gをメタノール150mLに溶解させた。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を作製し、これをサリチル酸中間体が入った溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(6)で示される構造を有する重合性単量体C−1を20.1g得た。
<式(3)の一例である重合性単量体C−2の製造例>
(工程1)
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱しながら混合し、この混合液にtert−ブチルアルコール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。次に、混合液にtert−ブチルアルコール144gを加え50℃で30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却してから、氷水1.00kgに徐々に注ぎ、析出物を濾過した。析出物を水洗し、更にヘキサンにより洗浄した。ここで得られた析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.60Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて乾燥させることで下記式(7)に示すサリチル酸中間体を74.9g得た。
(工程1)
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱しながら混合し、この混合液にtert−ブチルアルコール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。次に、混合液にtert−ブチルアルコール144gを加え50℃で30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却してから、氷水1.00kgに徐々に注ぎ、析出物を濾過した。析出物を水洗し、更にヘキサンにより洗浄した。ここで得られた析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.60Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて乾燥させることで下記式(7)に示すサリチル酸中間体を74.9g得た。
(工程2)
上記サリチル酸中間体 25.0gをメタノール150mLに溶解させた。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を作製し、これをサリチル酸中間体が入った溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(8)で示される構造を有する重合性単量体C−2を20.1g得た。
上記サリチル酸中間体 25.0gをメタノール150mLに溶解させた。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を作製し、これをサリチル酸中間体が入った溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(8)で示される構造を有する重合性単量体C−2を20.1g得た。
<式(3)の一例である重合性単量体C−3の製造例>
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100.0gをメタノール2Lに溶解させ、炭酸カリウム88.3gを加えて67℃に加熱した。この溶解液に4−(クロロメチル)スチレン102.0gを22分間かけて滴下し、67℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却し、メタノールを減圧留去し、ヘキサンで洗浄した。残渣をメタノールに溶解させ水に滴下し、再沈澱させ、析出物をろ過した。この再沈澱操作を2回繰り返し、残渣を80℃で乾燥させ、下記式(9)で示される構造を有する重合性単量体C−3を得た。
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100.0gをメタノール2Lに溶解させ、炭酸カリウム88.3gを加えて67℃に加熱した。この溶解液に4−(クロロメチル)スチレン102.0gを22分間かけて滴下し、67℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却し、メタノールを減圧留去し、ヘキサンで洗浄した。残渣をメタノールに溶解させ水に滴下し、再沈澱させ、析出物をろ過した。この再沈澱操作を2回繰り返し、残渣を80℃で乾燥させ、下記式(9)で示される構造を有する重合性単量体C−3を得た。
<式(3)の一例である重合性単量体C−4の製造例>
tert−ブチルアルコール144gを2−オクタノール253gに変更すること以外は、重合性単量体C−2の合成(工程1)と同じ方法で、サリチル酸中間体を得た。ここで得られたサリチル酸中間体32gを用いること以外は、重合性単量体C−2の合成(工程2)と同じ方法で、下記式(10)で示される構造を有する化合物C−4を得た。
tert−ブチルアルコール144gを2−オクタノール253gに変更すること以外は、重合性単量体C−2の合成(工程1)と同じ方法で、サリチル酸中間体を得た。ここで得られたサリチル酸中間体32gを用いること以外は、重合性単量体C−2の合成(工程2)と同じ方法で、下記式(10)で示される構造を有する化合物C−4を得た。
<重合性単量体C−5の製造例>
重合性単量体C−5は、Journal of Polymer Science : Polymer Chemistry Edition 18, 2755(1980)に記載の方法を用いて製造した。
重合性単量体C−5は、Journal of Polymer Science : Polymer Chemistry Edition 18, 2755(1980)に記載の方法を用いて製造した。
<荷電制御樹脂Aの製造例>
<荷電制御樹脂A−1の製造例>
重合性単量体C−1 12.00gとスチレン 88.00gをDMF40.00mlに溶解させ、1時間撹拌した後110℃まで加熱した。この反応液に、tert−ブチルパーオキシイソプピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)3.40gをトルエン40.00mlに仕込んだ溶液を1時間撹拌して得られた溶解液を滴下した。窒素導入下、更に110℃にて4時間反応した。その後、冷却しメタノール1.00Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させることで、重合性単量体C−1とスチレンとから得られた樹脂A−1を得た。
<荷電制御樹脂A−1の製造例>
重合性単量体C−1 12.00gとスチレン 88.00gをDMF40.00mlに溶解させ、1時間撹拌した後110℃まで加熱した。この反応液に、tert−ブチルパーオキシイソプピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)3.40gをトルエン40.00mlに仕込んだ溶液を1時間撹拌して得られた溶解液を滴下した。窒素導入下、更に110℃にて4時間反応した。その後、冷却しメタノール1.00Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させることで、重合性単量体C−1とスチレンとから得られた樹脂A−1を得た。
得られた樹脂A−1の組成分析は前述の1H−NMRに行い、重合性単量体C−1が重合されていることを確認した。また、樹脂A−1の酸価は24.9mgKOH/gであり、酸価から重合性単量体C−1に由来の式(1)で示されるユニットが444μmol/g含有していることを確認した。樹脂A−1の仕込み量と物性を表2に示す。
<荷電制御樹脂A−2〜A−8の製造例>
表2に示すようなモノマー成分及び配合に変更したこと以外は、荷電制御樹脂A−1の製造例と同様にして荷電制御樹脂A−2〜A−8を得た。得られた荷電制御樹脂A−2〜A−8の物性を表2に示す。
表2に示すようなモノマー成分及び配合に変更したこと以外は、荷電制御樹脂A−1の製造例と同様にして荷電制御樹脂A−2〜A−8を得た。得られた荷電制御樹脂A−2〜A−8の物性を表2に示す。
<荷電制御樹脂A−9〜A−11の合成例>
荷電制御樹脂A−8の合成例のうち、下記変更以外は同様に合成を行った。
荷電制御樹脂A−8の合成例のうち、下記変更以外は同様に合成を行った。
重合性単量体C−5 8.0質量部を4−ビニルフタル酸(重合性単量体C−6) 8.0質量部に変更し、荷電制御樹脂A−9を得た。
重合体単量体C−5 8.0質量部を1−ビニルナフタレン−2−カルボン酸(重合性単量体C−7) 8.0質量部に変更し、荷電制御樹脂A−10を得た。
重合性単量体C−5 8.0質量部を4−ビニルフェノール(重合性単量体C−8) 8.0質量部に変更し、荷電制御樹脂A−11を得た。得られた物性を表3に示す。
<荷電制御樹脂A−12>
重合性単量体として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(重合性単量体C−9)を用い、撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付し反応容器を用意した。反応容器は非遮光状態にした状態で2−ブタノン100.0質量部及びメタノール50.0質量部を仕込み、窒素気流下で60℃にした。
重合性単量体として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(重合性単量体C−9)を用い、撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付し反応容器を用意した。反応容器は非遮光状態にした状態で2−ブタノン100.0質量部及びメタノール50.0質量部を仕込み、窒素気流下で60℃にした。
次に、以下の単量体及び溶媒を混合し、単量体混合液を調製した。
〈モノマー組成、混合比〉
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸含有混合液
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 8.0質量部
・スチレン 83.0質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 9.0質量部
・2−ブタノン 100.0質量部
・メタノール 50.0質量部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.0質量部
各々の混合溶液を別経路で反応容器に60分間かけて滴下した。60℃で8時間撹拌し、室温まで冷却した。得られた重合体含有組成物をメタノール1400質量部に、滴下し、樹脂組成物を沈殿・晶析させた。得られた樹脂組成物をろ過し、メタノール200質量部で2回洗浄した。得られた樹脂粉末を減圧下、60℃で10時間乾燥し、帯電制御樹脂A−12を得た。得られた帯電制御樹脂A−12の物性を表3に示す。
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸含有混合液
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 8.0質量部
・スチレン 83.0質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 9.0質量部
・2−ブタノン 100.0質量部
・メタノール 50.0質量部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.0質量部
各々の混合溶液を別経路で反応容器に60分間かけて滴下した。60℃で8時間撹拌し、室温まで冷却した。得られた重合体含有組成物をメタノール1400質量部に、滴下し、樹脂組成物を沈殿・晶析させた。得られた樹脂組成物をろ過し、メタノール200質量部で2回洗浄した。得られた樹脂粉末を減圧下、60℃で10時間乾燥し、帯電制御樹脂A−12を得た。得られた帯電制御樹脂A−12の物性を表3に示す。
<荷電制御樹脂A−13>
荷電制御樹脂A−12のうち、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を1.5質量部に変更し、荷電制御樹脂A−13得た。得られた物性を表3に示す。
荷電制御樹脂A−12のうち、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を1.5質量部に変更し、荷電制御樹脂A−13得た。得られた物性を表3に示す。
<荷電制御樹脂A−14>
荷電制御樹脂A−13のうち、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を2.0質量部に変更し、荷電制御樹脂A−14得た。得られた物性を表3に示す。
荷電制御樹脂A−13のうち、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を2.0質量部に変更し、荷電制御樹脂A−14得た。得られた物性を表3に示す。
<シリカ粒子B−1の製造例>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール589.6g、水42.0g、28質量%アンモニア水47.1gを加えて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながら、テトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)及び5.4質量%アンモニア水395.2gを同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴下した。滴下が終了した後、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。上記工程を数十回実施し、得られたシリカ粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理を行なった。
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール589.6g、水42.0g、28質量%アンモニア水47.1gを加えて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながら、テトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)及び5.4質量%アンモニア水395.2gを同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴下した。滴下が終了した後、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。上記工程を数十回実施し、得られたシリカ粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理を行なった。
その後、シリカ粒子500gを内容積1000mlのポリテトラフルオロエチレン内筒式ステンレスオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら、0.5gのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)及び0.1gの水を二流体ノズルにて霧状にしてシリカ粉末に均一になるように吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、200℃で2時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧して脱アンモニアを行い、シリカ粒子B−1を得た。シリカ粒子B−1の各物性を表4に示す。
<シリカ粒子B−2、B−3の製造例>
シリカ粒子1の製造例において、最初に使用するメタノールの量をそれぞれ、695.1、878.5gに変更した。さらに、テトラメトキシシランの滴下時間をそれぞれ、7時間、5時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間をそれぞれ6時間、4時間、に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−2、B−3を得た。シリカ粒子B−2、B−3の各物性を表4に示す。
シリカ粒子1の製造例において、最初に使用するメタノールの量をそれぞれ、695.1、878.5gに変更した。さらに、テトラメトキシシランの滴下時間をそれぞれ、7時間、5時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間をそれぞれ6時間、4時間、に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−2、B−3を得た。シリカ粒子B−2、B−3の各物性を表4に示す。
<シリカ粒子B−4の製造例>
シリカ粒子B−1の製造例において、最初に使用するメタノールの量をそれぞれ、489.2gに変更した。さらにテトラメトキシシランの滴下時間を7時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間を6時間に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−4を得た。シリカ粒子B−4の各物性を表4に示す。
シリカ粒子B−1の製造例において、最初に使用するメタノールの量をそれぞれ、489.2gに変更した。さらにテトラメトキシシランの滴下時間を7時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間を6時間に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−4を得た。シリカ粒子B−4の各物性を表4に示す。
<シリカ粒子B−5、B−6の製造例>
シリカ粒子B−1の製造例において、最初に使用するメタノールの量をそれぞれ、381.7g、333.2g、に変更した。また28質量%アンモニア水37.1gに変更した。さらにテトラメトキシシランの滴下時間をそれぞれ、7時間、5.5時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間をそれぞれ6時間、4.5時間に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−5、B−6を得た。シリカ粒子B−5、B−6の各物性を表4に示す。
シリカ粒子B−1の製造例において、最初に使用するメタノールの量をそれぞれ、381.7g、333.2g、に変更した。また28質量%アンモニア水37.1gに変更した。さらにテトラメトキシシランの滴下時間をそれぞれ、7時間、5.5時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間をそれぞれ6時間、4.5時間に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−5、B−6を得た。シリカ粒子B−5、B−6の各物性を表4に示す。
<シリカ粒子B−7、B−8、B−9の製造例>
シリカ粒子B−1の製造例において、テトラメトキシシランの滴下時間をそれぞれ、5時間、3.5時間、2時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間をそれぞれ4時間、3時間、2時間に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−7、B−8、B−9を得た。シリカ粒子B−7、B−8、B−9の各物性を表4に示す。
シリカ粒子B−1の製造例において、テトラメトキシシランの滴下時間をそれぞれ、5時間、3.5時間、2時間に変更し、5.4質量%アンモニア水の滴下時間をそれぞれ4時間、3時間、2時間に変更した。この様な操作によって、シリカ粒子の体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数を調整した。また、炭素量がシリカ粒子B−1と同じ量になるように、HMDSによる表面処理をする際、HMDS及び水の量を調整し、シリカ粒子B−7、B−8、B−9を得た。シリカ粒子B−7、B−8、B−9の各物性を表4に示す。
<シリカ粒子B−10の製造例>
特開昭60−255602号公報記載の方法に準じ、金属ケイ素を原料として爆燃法により体積平均粒径145nmのシリカ粒子を作成した。体積粒度分布における変動係数は30%であった。これを、分級し、体積平均粒径115nm、体積粒度分布における変動係数22%のシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子1と同様にHMDSにて表面処理し、シリカ粒子B−10を得た。シリカ粒子B−10の各物性を表4に示す。
特開昭60−255602号公報記載の方法に準じ、金属ケイ素を原料として爆燃法により体積平均粒径145nmのシリカ粒子を作成した。体積粒度分布における変動係数は30%であった。これを、分級し、体積平均粒径115nm、体積粒度分布における変動係数22%のシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子1と同様にHMDSにて表面処理し、シリカ粒子B−10を得た。シリカ粒子B−10の各物性を表4に示す。
<シリカ粒子B−11の製造例>
燃焼法により体積平均粒径87nmのシリカ粒子(ヒュームドシリカ)を作製した。体積粒度分布における変動係数は、35%であった。これを分級し、体積平均粒径80nm、体積粒度分布における変動係数21%のシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子B−1と同様にしてHMDSで表面処理し、シリカ粒子B−11を得た。シリカ粒子B−11の各物性を表4に示す。
燃焼法により体積平均粒径87nmのシリカ粒子(ヒュームドシリカ)を作製した。体積粒度分布における変動係数は、35%であった。これを分級し、体積平均粒径80nm、体積粒度分布における変動係数21%のシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子B−1と同様にしてHMDSで表面処理し、シリカ粒子B−11を得た。シリカ粒子B−11の各物性を表4に示す。
<非晶性ポリエステルの製造例>
本発明の実施例に用いる非晶性ポリエステル(極性樹脂)は以下により製造した。
本発明の実施例に用いる非晶性ポリエステル(極性樹脂)は以下により製造した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表5に示す、無水トリメリット酸以外のモノマー成分を、表5に示すモル比で入れ、230℃で窒素気流下にて生成する水を除去しながら、10時間反応させた。この際、触媒としてチタン系触媒(チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート))を、酸及びアルコールのモノマー総量100部に対して、0.25部添加した。
次いで20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が0.5(mgKOH/g)以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸を表5に示すモル比で添加し、常圧密閉下で2時間反応させ、その後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非晶性ポリエステルを得た。得られた非晶性ポリエステルの物性を表5に示す。
<トナー粒子1の製造例>
下記の手順によってトナー粒子1を製造した。
下記の手順によってトナー粒子1を製造した。
(分散媒の調製)
イオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム15.3質量部、及び、10%塩酸4.9質量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10質量部に8.5質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
イオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム15.3質量部、及び、10%塩酸4.9質量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10質量部に8.5質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 50.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5質量部
上記材料をアトライタ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、更に直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、マスターバッチ分散液を得た。
・スチレン 50.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5質量部
上記材料をアトライタ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、更に直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、マスターバッチ分散液を得た。
上記マスターバッチ分散液に
・スチレン 25.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・荷電制御樹脂A−1 1.0質量部
・ワックス(日本精蝋製:HNP−51) 7.0質量部
・非晶性ポリエステル樹脂 3.0質量部
を加えて、重合性単量体含有組成物を得た。
・スチレン 25.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・荷電制御樹脂A−1 1.0質量部
・ワックス(日本精蝋製:HNP−51) 7.0質量部
・非晶性ポリエステル樹脂 3.0質量部
を加えて、重合性単量体含有組成物を得た。
別容器中で上記材料を60℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて、9000r/minにて撹拌し、溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)9質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下で、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて10,000rpmで5分間撹拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間反応させ、90℃に昇温してさらに6時間反応させた。重合反応終了後、反応容器を冷却した。その後、10%塩酸を加えて、pH2.0にした状態で2時間撹拌し、分散安定剤を溶解させた。その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥及び分級して、トナー粒子1を得た。得られたトナー粒子1の重量平均粒径(D4)6.8μmであった。
<トナー粒子2〜14の製造例>
トナー粒子1の製造例において、荷電制御樹脂A−1の代わりに荷電制御樹脂A−2〜AA−14を用いること以外は同様に行い、トナー粒子2〜14を得た。得られたトナー粒子の物性は、表6に示す。
トナー粒子1の製造例において、荷電制御樹脂A−1の代わりに荷電制御樹脂A−2〜AA−14を用いること以外は同様に行い、トナー粒子2〜14を得た。得られたトナー粒子の物性は、表6に示す。
〔実施例1〕
100質量部のトナー粒子1に対し、0.40質量部のシリカ粒子B−1、1.00質量部の疎水性シリカ粒子RY200(稠密度:0.71)日本アエロジル株式会社社製)と0.15質量部の酸化チタン微粉体JMT−150AO(テイカ株式会社社製)をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で5分間乾式混合して、トナー1を得た。
100質量部のトナー粒子1に対し、0.40質量部のシリカ粒子B−1、1.00質量部の疎水性シリカ粒子RY200(稠密度:0.71)日本アエロジル株式会社社製)と0.15質量部の酸化チタン微粉体JMT−150AO(テイカ株式会社社製)をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で5分間乾式混合して、トナー1を得た。
以下に本発明の評価方法及び評価基準を具体的に説明する。
市販のレーザープリンターであるLBP−7700C(キヤノン製)およびプロセスカートリッジであるトナーカートリッジ323(シアン)(キヤノン製)を改造して、耐久試験を行うことによりトナーを評価した。プロセススピードは250mm/secとした。
この改造カートリッジはカートリッジ内部のギアを変更・追加することにより、トナー供給ローラがトナー担持ローラとの当接部において各々の表面が同一の方向に移動するように改造を行った。なお、供給ローラの現像ローラへの侵入量は1.1mmとし、供給ローラの現像ローラ基準での周速は160%となるよう調整を行った。また、カートリッジ内部からは製品トナーを抜き取り、エアブローによって清掃した後、本発明のトナーを160g充填した。
(1)ベタ追従性、規制不良・現像スジの評価
低温低湿環境(15℃/10%RH)において、A4用紙(商品名:「GF−C081」、81.4g/m2、キヤノン社製、今後は特に断らない限り本用紙を使用しているものとする)に全ベタ画像を3枚出力した。さらに、ハーフトーンの画像を1枚出力した。その後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、同様に全ベタ画像およびハーフトーン画像を出力した。得られた全ベタ画像およびハーフトーン画像に対して、ベタ追従性、規制不良、現像スジの評価を行った。
低温低湿環境(15℃/10%RH)において、A4用紙(商品名:「GF−C081」、81.4g/m2、キヤノン社製、今後は特に断らない限り本用紙を使用しているものとする)に全ベタ画像を3枚出力した。さらに、ハーフトーンの画像を1枚出力した。その後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、同様に全ベタ画像およびハーフトーン画像を出力した。得られた全ベタ画像およびハーフトーン画像に対して、ベタ追従性、規制不良、現像スジの評価を行った。
なお、画像濃度の測定は、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、画像濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定することによって行い、得られた相対濃度を画像濃度の値とした。
・評価基準
(ベタ追従性)
全ベタ画像1枚目先端部の画像濃度と全ベタ画像3枚目後端部の画像濃度との差で評価した。
A:画像濃度の差が0.10未満
B:画像濃度の差が0.10以上0.20未満
C:画像濃度の差が0.20以上0.30未満
D:画像濃度の差が0.30以上
(ベタ追従性)
全ベタ画像1枚目先端部の画像濃度と全ベタ画像3枚目後端部の画像濃度との差で評価した。
A:画像濃度の差が0.10未満
B:画像濃度の差が0.10以上0.20未満
C:画像濃度の差が0.20以上0.30未満
D:画像濃度の差が0.30以上
(規制不良)
画像上現れた斑点状スジ及びトナー塊の量で評価した。
A:未発生
B:斑点状のスジはないが、2、3個所の小さなトナー塊がある
C:端部に斑点状スジが若干ある、もしくは4、5個所の小さなトナー塊がある
D:全面に斑点状のスジある、もしくは5個所以上小さなトナー塊または明らかなトナー塊がある。
画像上現れた斑点状スジ及びトナー塊の量で評価した。
A:未発生
B:斑点状のスジはないが、2、3個所の小さなトナー塊がある
C:端部に斑点状スジが若干ある、もしくは4、5個所の小さなトナー塊がある
D:全面に斑点状のスジある、もしくは5個所以上小さなトナー塊または明らかなトナー塊がある。
(現像スジ)
ハーフトーン画像上現れた、現像スジの数で評価した。
A:未発生
B:1個所以上3個所以下
C:4個所以上6個所以下
D:7個所以上、あるいは幅0.5mm以上のスジ
ハーフトーン画像上現れた、現像スジの数で評価した。
A:未発生
B:1個所以上3個所以下
C:4個所以上6個所以下
D:7個所以上、あるいは幅0.5mm以上のスジ
(2)カブリ
高温高湿環境(30℃/80%RH)において、LetterサイズのHP Color Laser Photo Paper,glossy(220g/m2)に0%印字比率のベタ白画像を出力した。印字率0%のベタ白画像を出力後に感光体上の観察を行なった。サンプル画像出力後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、更に、72時間高温高湿環境下に保管した後、同様にベタ白画像を出力した。得られたベタ白画像に対し、カブリの評価を行った。
高温高湿環境(30℃/80%RH)において、LetterサイズのHP Color Laser Photo Paper,glossy(220g/m2)に0%印字比率のベタ白画像を出力した。印字率0%のベタ白画像を出力後に感光体上の観察を行なった。サンプル画像出力後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、更に、72時間高温高湿環境下に保管した後、同様にベタ白画像を出力した。得られたベタ白画像に対し、カブリの評価を行った。
なお、カブリ濃度(%)の測定は、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用い、測定した画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出することにより行った。フィルターは、アンバーフィルターを用いた。また、画像濃度の測定は得られたサンプル画像のベタ画像部5点の画像濃度の平均値として算出した。
・評価基準
A:カブリ濃度0.5%未満
B:カブリ濃度0.5%以上1.0%未満
C:カブリ濃度1.0%以上2.0%未満
D:カブリ濃度2.0%以上
A:カブリ濃度0.5%未満
B:カブリ濃度0.5%以上1.0%未満
C:カブリ濃度1.0%以上2.0%未満
D:カブリ濃度2.0%以上
前記条件でトナー1を評価したところ、トナー1は、全ての評価項目において非常に良好な結果を示した。詳細な結果を表7に示す。
<実施例2〜20及び比較例1〜8>
実施例1において、トナー粒子、シリカ粒子B、供給ローラの現像ローラへの侵入量、供給ローラの現像ローラに対する周速差、用いるトナーを表7のように変更する以外は実施例1と同様の評価を行ない、実施例2〜20及び比較例1〜8とした。評価結果を表7に示す。なお、表中、侵入量は、供給ローラの現像ローラへの侵入量を表し、周速比は、供給ローラの現像ローラ基準での周速比を表している。
実施例1において、トナー粒子、シリカ粒子B、供給ローラの現像ローラへの侵入量、供給ローラの現像ローラに対する周速差、用いるトナーを表7のように変更する以外は実施例1と同様の評価を行ない、実施例2〜20及び比較例1〜8とした。評価結果を表7に示す。なお、表中、侵入量は、供給ローラの現像ローラへの侵入量を表し、周速比は、供給ローラの現像ローラ基準での周速比を表している。
1 感光体ドラム、4 現像ユニット、7 プロセスカートリッジ、13 感光体ユニット、15 現像室、17 現像ローラ(トナー担持体)、18 トナー収容室、20 トナー供給ローラ(トナー供給部材)、22 撹拌搬送部材、30 現像開口、80 トナー、100 画像形成装置
Claims (5)
- 現像装置を用いて、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像し、トナー像を形成する現像工程を有する画像形成方法であって、
前記現像装置は、
前記トナーを担持して前記静電潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体に前記トナーを供給する供給部材とを有する現像室と、
前記トナーが収容された収容室とを有し、
前記トナー担持体と前記供給部材とは、当接部を形成するように配置されており、前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向であり、
前記当接部における前記供給部材の前記トナー担持体への侵入量が0.3mm以上1.5mm以下であり、
前記供給部材の周速が前記トナー担持体の周速に対して110%以上250%以下であり、
前記トナーが結着樹脂、着色剤および荷電制御樹脂Aを含有するトナー粒子と、シリカ粒子Bとを含有するトナーであって、
前記荷電制御樹脂Aは、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂であり、
前記シリカ粒子Bは、体積平均粒子径(Dv)が60nm以上500nm以下であり、かつ、稠密度が0.80以上であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記荷電制御樹脂AのpKaが7.0以上8.5以下である請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記シリカ粒子Bが、ゾルゲル法によるシリカ粒子である請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記シリカ粒子Bの体積粒度分布における変動係数が23%以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記トナー粒子が、前記荷電制御樹脂A、着色剤、及び重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、前記重合性単量体組成物の前記粒子に含まれる前記重合性単量体を重合させることにより得られたトナー粒子である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016145977A JP2018017785A (ja) | 2016-07-26 | 2016-07-26 | 画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016145977A JP2018017785A (ja) | 2016-07-26 | 2016-07-26 | 画像形成方法 |
Publications (1)
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