JP6575467B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉における原料の流れ込みの発生を検出する高炉操業方法に関する。
高炉操業においては、コークスや鉱石の原料の降下状態を管理することが重要であり、炉下部から一定量の熱風を送り、炉上部から安定的に原料を降下させて、熱バランスを保つことが必要である。高炉炉内では炉上部から装入された原料が下降する間に、段階的に昇温、還元、溶融等の各過程を経て全体の熱的バランスが保たれている。
このとき、高炉炉内では、堆積した原料の間隙を通り熱風が炉下部から上昇している。高炉の水平断面を考えると間隙の大きい部分には多くの熱風が上昇し、間隙の小さい部分では相対的に少ない熱風が上昇する。通常は、高炉の中心部側に比較的粗いコークスを多く装入し、炉壁部側に比較的細かい鉱石を多く装入することで安定して原料を下降させている。そして、高炉での生産性を高く維持するために、熱風の送風量を増加させて、より多くのコークスを燃焼させ、鉱石の昇温、還元、溶融の促進を図っている。
しかしながら、熱風を吹込む羽口周辺の通気性に円周偏差が生じると、熱風が多く通過する領域の鉱石類の還元量は促進され、原料の降下速度が早くなる一方で、熱風の通過が少ない領域の還元量は少なくなり、原料の降下速度は遅くなる。このため、仮に、原料を円周方向に均一に装入できたとしても、原料の堆積形状に円周方向の高低差が生じる場合がある。
この、高低差が大きくなると、原料が荷崩れし、流れ込みと呼ばれる現象が起こる。流れ込みは、羽口周辺の通気性の円周偏差以外にも、原料の粒径変化や堆積角の変化によっても引き起こされる。原料の流れ込みが発生すると、流れ込みが発生した場所において、コークス層と鉱石層の比率が変化し、熱風の炉壁部側と中心部側の分配比率が変化する。熱風の炉壁部側と中心部側の分配比率が変化すると、高炉炉内の通気性や還元性が悪化するので、流れ込みの発生に伴って原料の装入方法を調整する必要がある。これに対して特許文献1には、炉頂ガスの温度を測定し、コークスおよび鉄源の装入に伴う温度変化を監視することで、流れ込みを検知し、コークスを中心方向により多く装入するという対策により操業を安定させる方法が開示されている。
特許第2969250号公報
コークスが高炉の中心部側に多く堆積すると温度が上昇するので、炉頂ガスの温度を測定すればコークスの中心部への堆積をある程度定量的に把握し、制御することが可能となる。しかしながら、円周方向に流れ込みが発生した場合は、炉頂ガス温度に変化が出ないので、流れ込みを検出できないという課題があった。
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、円周方向の流れ込みが発生した場合でも精度よく検出することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)高炉炉口部の同一平面に設置され、炉口部平面内の複数の測定点の温度を測定する複数の超音波センサを用いて、1チャージ分の原料の装入前における前記複数の測定点の温度と、装入後における前記複数の測定点の温度とを測定し、前記原料の装入後において関連する2以上の測定点の温度が、装入前に対して所定温度以上低下した場合に、前記関連する2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断することを特徴とする、高炉操業方法。
(2)前記原料の装入後において関連する2以上の測定点の温度が、装入前に対して所定温度以上上昇した場合であって、所定温度以上低下した関連する2以上の測定点のそれぞれが、所定温度以上上昇した関連する2以上の測定点のいずれかから予め定められた距離内にある場合に、所定温度以上上昇した関連する2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の原料が、所定温度以上低下した関連する2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の位置に流れ込んだと判断することを特徴とする、請求項1に記載の高炉操業方法。
(3)前記関連する2以上の測定点とは、予め定められた距離内にある2以上の測定点であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の高炉操業方法。
(4)前記予め定められた距離は、前記炉口部平面の単位面積あたりの前記複数の測定点が少ない領域では長くし、前記炉口部平面の単位面積あたりの前記複数の測定点が多い領域では短くすることを特徴とする、(3)に記載の高炉操業方法。
(5)高炉炉口部の同一平面に設置され、炉口部平面内の温度分布を測定する複数の超音波センサを用いて、1チャージ分の原料の装入前における前記温度分布と、装入後における前記温度分布とを測定し、前記原料の装入後において装入前の温度に対して所定温度以上低下した温度領域の面積が前記炉口部平面内の面積に対して予め定められた割合以上である場合に、前記温度領域の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断することを特徴とする、高炉操業方法。
(6)前記原料の装入後において装入前の温度に対して所定温度以上上昇した温度領域の面積が前記炉口部平面の面積に対して予め定められた割合以上である場合であって、前記所定温度以上上昇した温度領域と前記所定温度以上低下した温度領域とが隣接している場合に、前記所定温度以上上昇した温度領域に対応した位置の原料堆積層の原料が、前記所定温度以上低下した温度領域に対応した原料堆積層の位置に流れ込んだと判断することを特徴とする、(5)に記載の高炉操業方法。
(7)円周方向に前記原料が流れ込んだと判断した場合に、流れ込んだ原料が堆積していた原料堆積層の位置に熱風を吹込む羽口の送風量は変化させずに、他の原料堆積層の位置に熱風を吹込む羽口の送風量を合計で所定量低下させることを特徴とする、(2)または(6)に記載の高炉操業方法。
(8)前記原料として鉱石を装入した後に、前記高炉の中心部側へ流れ込みが発生したと判断した場合に、次チャージのコークスを前記高炉の中心部側に過剰に装入し、
前記原料としてコークスを装入した後に、前記高炉の中心部側へ流れ込みが発生したと判断した場合に、次チャージのコークスを前記高炉の炉壁側に過剰に装入することを特徴とする、(2)または(6)に記載の高炉操業方法。
本発明の実施により、装入原料の装入前後における炉口部平面内の複数の測定点の温度変化および/または温度分布変化を詳細に把握できる。これにより、円周方向の流れ込みの発生を、炉口部平面内の複数の測定点および温度分布に温度変化として検出できる。
本実施形態に係る高炉操業方法が適用できる超音波温度計測システム10の一例を示す。 炉口部平面内の温度分布の一例を示す。 炉口部平面内における温度分布の差を示す。 炉口部平面内における複数の測定点を示す。 炉口部平面内における複数の測定点を示す。 炉口部平面内における複数の測定点を示す。 炉口部平面内における温度分布の差を示す。 炉口部平面内における温度分布の差を示す。
上述したように、通常の高炉操業においては、高炉の中心部側に比較的粗いコークスを多く装入し、炉壁部側に比較的細かい鉱石を多く装入するので、炉口部の水平方向断面のガス温度を考えると、中心部に高温ガスが流れ、炉壁方向に向けて徐々にガス温度が低下する。しかし、高炉内で原料の流れ込みが発生すると、原料の荷崩れが発生した領域の温度は上昇し、原料が流れ込んだ領域の温度は低下する。
したがって、1チャージ分の原料であるコークスおよび鉱石を装入する前、および、装入後に高炉の炉口部空間における水平面(以後、炉口部平面と記載する)の温度を測定し、1チャージ毎に温度を比較することで流れ込みを検出できると考えられる。発明者らは、高炉炉口部の同一平面に設置された複数の超音波センサを用いて、炉口部平面内における複数の測定点の温度、および、炉口部平面内の温度分布が測定できることに着目し、これら複数の測定点または温度分布に所定の温度低下が見られた場合に、流れ込みが発生したと判断することで、円周方向の流れ込みであっても検出できることを見出して本発明を完成させた。以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。
図1は、本実施形態に係る高炉操業方法が実施できる超音波温度計測システム10の一例を示す。超音波温度計測システム10は、高炉30の炉口部に沿って同一平面上に等間隔で10個設けられた超音波センサ12と、処理装置14とを備える。超音波センサ12は、超音波を発信する発信機と、発信された超音波を受信する受信機とを有する。また、処理装置14は、制御部16と、表示部18と、格納部20とを有する。
処理装置14は、例えば、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータである。制御部16は、例えば、CPU等であって、格納部20に保存されたプログラムやデータを用いて、超音波温度計測システム10の動作を制御し、所定の演算を実行する。表示部18は、例えば、LCDまたはCRTディスプレイ等である。格納部20は、例えば、更新記録可能なフラッシュメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、メモリーカード等の情報記録媒体およびその読み書き装置である。格納部20には、超音波温度計測システム10が有する種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラム実行中に使用するデータ等が予め格納されている。
高炉操業中において、任意の超音波センサ12からの超音波を発信し、他の全ての超音波センサ12で当該超音波を受信する。超音波センサ12からの超音波の発信は、制御部16の制御によって、例えば、任意の超音波センサ12から時計回りに順番に繰り返し実行される。それぞれの超音波センサ12は、超音波を発信した発信時間、または、当該超音波を受信した受信時間を制御部16に出力する。
1つの発信時間に対応した9つの受信時間を9つのデータとし、これら9つのデータを1セットのデータとすると、制御部16は、10個の超音波センサ12から10セットのデータを取得する。制御部16は、予め、格納部20に格納されているそれぞれの超音波センサ12間の距離を読み出し、発信時間、受信時間および超音波センサ12間の距離を用いて、それぞれの超音波センサ12間の音速を算出する。音速は、炉口部空間の温度により変化するので、以下の(1)式によりそれぞれの超音波センサ12間の温度を算出できる。
C=331.5×((273+T)/273)・・・(1)
但し、(1)式において、Cは、超音波センサ12間の音速(m/s)であり、Tは、超音波センサ12間の温度(℃)である。なお、(1)式の計算において、より精度を上げるために、炉頂ガスの成分や圧力による補正を加えてもよい。
制御部16は、超音波センサ12間の温度を用いて、それぞれの超音波センサ12を接続した線が交差する複数の測定点の温度を算出する。制御部16は、例えば、複数の測定点の時間(温度の関数)と複数の測定点までの既知の距離とから算出される時間の和が、それぞれの超音波センサ12間の受信時間を再現できるように算出する。
超音波センサ12からの超音波の発信および受信は、精度を保持できる範囲内でなるべく短時間に行うことが好ましい。本実施形態においては、例えば、1つの超音波センサ12から超音波を4秒間発信しながら他の超音波センサ12で当該超音波を受信する。その後、2秒間インタバルを置き、他の一つの超音波センサ12からの超音波の発信とその他の一つの超音波センサ12以外の超音波センサによる受信を行う、ということを同様に繰り返す。図1に示した例においては、10個の超音波センサ12を備えるので、制御部16は、60秒ごとに炉口部平面内の複数の測定点の温度を算出することになる。
制御部16は、炉口部平面内内の複数の測定点の温度を算出して、表示部18に炉口部平面内内の温度を表示する。これにより、使用者は、炉口部平面内内の温度を確認できる。また、制御部16は、上述した動作を繰り返し実行して炉口部平面内の温度を算出し、表示部18に表示させた炉口部平面内の温度を更新する。このようにして、超音波温度計測システム10は、炉口部平面内の温度を略連続的に測定する。
本実施形態において、超音波温度計測システム10は、10個の超音波センサ12を備える。1つの超音波センサ12から4秒間発信ながら他の超音波センサ12で当該超音波を受信し、その後2秒間インタバルをおくので、制御部16は、60秒間で90個のデータを取得する。しかしながら、90個のデータのうち、45個のデータは、同じ超音波センサ12間を逆に測定した重複するデータになる。すなわち、1回目の測定で得られる1セットのデータには重複するものはないが、2回目以降の測定から1セットのデータに含まれる前の測定と重複するデータが1つずつ増える。
このように、測定を繰り返すごとに重複するデータが増えるので、炉口部平面内の複数の測定点の温度を更新する場合においては、一部前のデータを用いて、30秒ごとに炉口部平面内の温度を更新することが好ましく、さらには、制御部16が1セットのデータを取得するごとに、すなわち、6秒ごとに炉口部平面内の温度を更新することがより好ましい。
また、制御部16は、炉口部平面内の複数の測定点の温度を用いて、炉口部平面内の温度分布を算出し、表示部18に炉口部平面内の温度分布を表示してもよい。制御部16は、例えば、複数の測定点の間の温度はその距離に比例して変化するとして測定点間の温度を補間し、炉口部平面内の温度分布を算出する。
図2は、炉口部平面内の温度分布の一例を示す。図2に示した温度分布は、安定して高炉操業が行なわれている状態の温度分布を示したものである。本実施形態において、高炉の炉上部から原料として1チャージ分のコークスおよび鉱石を別々に、15分毎に装入している。上述したように、高炉の中心部側に粗いコークスを装入し、炉壁部側に細かい鉱石を多く装入しているので、高炉操業が安定している状態では、図2に示したように、高炉の中心部には比較的高温のガスが流れ、炉壁部には比較的低温のガスが流れ、炉中心側と比較して炉壁側の温度が低くなる。高炉炉内へのコークスや鉱石の原料の装入は、円周方向に均等になるように行っているが、装入中における原料の粒径変動等の影響もあり、炉中心軸に対して完全に軸対象なガス流れにはなっていないことが、図2から見てとれる。
図3は、炉口部平面内における温度分布の差を示す。図3に示した温度差分布の差は、1チャージ分の原料を装入した後の温度分布と、1チャージ分の原料を装入する前の温度分布との差を示す。高炉炉内の通気性が悪化している時期において、1チャージ分の鉱石の装入前後の温度分布を比較すると、図3に示すように、鉱石を装入した後において、温度が50℃以上低下した温度領域40と、50℃以上上昇した温度領域42が隣接して発生することが確認された。なお、高炉操業が安定している状態では、同一領域の温度変化は全て50℃以下であった。
図3に示した状態においては、原料の粒径が大きい、または、原料の性状の変化により、原料の堆積角が大きくなり、領域42の位置に対応した原料堆積層から領域40の位置に対応した原料堆積層へ向けて原料の流れ込みが発生したと考えられる。このように、原料の流れ込みが発生すると、原料が流れ込んだ原料堆積層の位置に対応した炉口部平面の位置では50℃以上温度が低下する。このため、制御部16によって更新される炉口部平面内の温度を監視し、1チャージ分の原料である鉱石またはコークスの装入前後の炉口部平面内の温度低下を検出することで、原料の流れ込みの発生を検出できることがわかる。
さらに、炉口部平面内の温度が50℃以上上昇した位置に対応する原料堆積層の位置は、流れ込んだ原料が流れ込む前に堆積していた位置であり、炉口部平面内の温度が50℃以上低下した位置に対応する原料堆積層の位置は、原料が流れ込んだ位置である。このため、炉口部平面内における温度が50℃以上上昇した位置を特定することで流れ込んだ原料が流れ込む前に堆積していた原料堆積層の位置を特定でき、温度が50℃以上低下した位置を特定することで原料が流れ込んだ原料堆積層の位置を特定できることがわかる。なお、本実施形態において、炉口部平面内の位置に対応した原料堆積層の位置とは、炉口部平面内の位置から鉛直下方向に延ばした線が原料堆積層とが交わる位置を意味する。また、本実施形態において50℃は、1チャージ分の原料の装入後において上昇した所定温度の一例であり、1チャージ分の原料の装入後において低下した所定温度の一例でもある。
次に、原料として鉱石を装入した例を用いて、流れ込みを検出する方法を説明する。まず、炉口部平面内の複数の測定点における温度の低下から流れ込みを検出する方法を説明する。図4は、炉口部平面内における複数の測定点を示す。図4(a)は、炉口部平面内を示す図であり、図4(b)は、その部分拡大図である。
流れ込みを検出する場合において、制御部16は、1チャージ分の鉱石装入前における炉口部平面内の複数の測定点の温度と、1チャージ分の鉱石装入後における炉口部平面の複数の測定点の温度との差を算出する。制御部16は、鉱石装入前後の温度差を算出し、鉱石装入後に温度が50℃以上低下した測定点を特定する。図4(b)において、測定点50、測定点52、測定点54が、鉱石の装入後に温度が50℃以上低下した測定点であるとする。
制御部16は、まず、温度が50℃以上低下した測定点50、測定点52、測定点54を特定し、測定点50、測定点52、測定点54のそれぞれから予め定められた距離を半径とした円60、円62、円64を作成する。制御部16は、作成された円60、円62、円64のいずれかに他の温度が50℃以上低下した測定点が含まれる場合、すなわち、温度が50℃以上低下した2以上の測定点であって、この2以上の測定点が予め定められた距離内にある場合に、当該2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断する。なお、本実施形態において2以上の測定点が予め定められた距離内にあることは、温度が50℃以上低下した関連する2以上の測定点であることの一例である。
図4(b)に示した例においては、測定点52を中心とした円62の中に、測定点50および測定点54が含まれるので、測定点50と測定点52、測定点52と測定点54は予め定められた距離内にあるので、制御部16は、測定点50、測定点52、測定点54の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断して、表示部18に当該位置に原料が流れ込んだ旨を表示する。
図5は、炉口部平面内における複数の測定点を示す。図5(a)は、炉口部平面全体を示す図であり、図5(b)は、その部分拡大図である。図5(b)において、測定点56、測定点58が鉱石の装入後に温度が50℃以上低下した測定点であるとする。
図5(b)に示した場合において、制御部16は、鉱石装入前後の温度差を算出し、温度が50℃以上低下した測定点56、測定点58を特定し、測定点56、測定点58のそれぞれから予め定められた距離を半径とした円66、円68を作成する。なお、円66および円68の半径は、図4(b)における円60、円62、円64の半径と同じである。
図5(b)に示した例においては、測定点56を中心とした円66の中に、50℃以上温度が低下した測定点58は含まれない。また、測定点58を中心とした円68の中に、50℃以上温度が低下した測定点66は含まれない。このように、図5(b)に示した例においては、50℃以上温度が低下した2以上の測定点が予め定められた距離内にないので、制御部16は、流れ込みが発生していないと判断する。なお、制御部16は、流れ込みの発生がないと判断した場合に、その旨を表示部18に表示してもよい。
このように、本実施形態では、1チャージ分の鉱石装入前における炉口部平面内の複数の測定点の温度と、1チャージ分の鉱石装入後における炉口部平面の複数の測定点の温度のとの差を算出し、鉱石装入後において、温度が50℃以上低下した2以上の測定点が予め定められた距離内にある場合に、制御部16は、流れ込みが発生したと判断する。これにより、流れ込みが発生していないのに、何らかの不具合で1つの測定点が低温になったとしても、制御部16は、流れ込みが発生したと誤検出することを回避できる。また、何らかの不具合で2以上の測定点が低温になった場合でも、それらの測定点が予め定められた距離内になければ、制御部16は、流れ込みの発生を誤検出することがない。
炉況に影響を及ぼすような流れ込みが発生すると、原料が流れ込んだ原料堆積層の位置に対応する炉口部平面内には、ある程度の大きさの50℃以上温度が低下した低温領域が発生する。このため、予め定められた距離内の2以上の測定点において50℃以上温度が低下した場合に、流れ込みが発生したと判断することで、制御部16は、流れ込み発生の誤検知を抑制しながら、高精度に流れ込みの発生を検出できる。
なお、予め定められた距離は、以下に示す方法で予め定めてよい。本実施形態においては、複数の測定点を中心にそれぞれ円を作成し、当該円に他の測定点が含まれる最小の半径を求める。そして、炉口部平面における全ての測定点で求められた最小の半径のうち、最大の値を予め定められた距離としてよい。このように、最大の値を予め定められた距離とすることで、予め定められた距離内に2つの測定点が含まれない状況を回避できる。
また、図1に示した超音波センサ12を10個設けた場合であって、上述した方法で予め定めた距離を定めると、最小の半径は、炉口部平面の単位面積あたりの測定点が多い炉壁部側の領域では小さい半径となる一方で、炉口部平面の単位面積あたりの測定点が少ない中心部側の領域では大きい半径となる。そのため、上述した方法に従うと、予め定められた距離は、これらの半径のうち最大の値とするので、予め定められた距離としては、炉中心側の領域に対応した大きい半径が採用される。
予め定められた距離を大きい半径にして、炉口部平面の単位面積あたりの測定点が多い炉壁部側の領域における流れ込みの発生を判断すると、半径が大きいので、ある測定点に近接する測定点だけでなく、近接しない他の測定点を含む円になり、近接した2つの測定点の温度低下に基づいて流れ込みの発生を検出できないおそれが生じる。このため、予め定められた距離を、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数が少ない領域では長くし、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数が多い領域では短くしてもよい。具体的には、例えば、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数が少ない中心部側の領域と、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数が多い炉壁部側の領域とに分け、これらの領域のそれぞれで上述した方法を用いて予め定められた距離を決定する。このように、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数に基づいて予め定められた距離を決定することで、さらに誤検知を少なくし、高精度に流れ込みの発生を検出できる。
次に、原料が流れ込んだ原料堆積層の位置および流れ込む前に原料が堆積していた原料堆積層の位置を特定する方法について説明する。図6は、炉口部平面内における複数の測定点を示す。
図6(a)、図6(b)は、炉口部平面の部分拡大図である。図6(a)において、測定点50、測定点52、測定点54が、鉱石の装入後に温度が50℃以上低下した測定点であり、測定点80、測定点82、測定点84が、鉱石の装入後に温度が50℃以上上昇した測定点であるとする。制御部16は、図4(b)を用いて説明したように、測定点50、測定点52、測定点54の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断する。
次いで、制御部16は、鉱石の装入後に温度が50℃以上上昇した測定点80、測定点82、測定点84を特定し、測定点80、測定点82、測定点84のそれぞれから予め定められた距離を半径とした円90、円92、円94を作成する。制御部16は、作成された円90、円92、円94のいずれかに他の50℃以上温度が上昇した測定点が少なくとも1つ含まれる、すなわち、予め定められた距離内に50℃以上温度が上昇した測定点が2以上のある場合に、予め定められた距離内にある2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の原料が流れ込んだと判断する。なお、なお、本実施形態において2以上の測定点が予め定められた距離内にあることは、温度が50℃以上上昇した関連する2以上の測定点であることの一例である。
図6(a)に示した例においては、測定点80を中心とした円90の中に、測定点82および測定点84が含まれる。また、測定点82を中心とした円92の中に、測定点90および測定点94が含まれる。さらに、測定点84を中心とした円94の中に、測定点80および測定点82が含まれる。このように、図6(a)に示した例においては、測定点80を中心とした円90の中に他の温度が50℃以上上昇した測定点82および測定点84が含まれ、測定点80、測定点82、測定点84は予め定められた範囲内にあるので、制御部16は、この位置に対応した原料堆積層の原料が流れ込んだと判断する。
次に、制御部16は、50℃以上上昇した2以上の測定点のそれぞれが、50℃以上低下した2以上の測定点のいずれかから予め定められた距離内にある場合に、50℃以上上昇した2以上の測定点に対応した位置の装入物が、温度が50℃以上低下した2以上の測定点に対応した位置に流れ込んだと判断する。具体的には、図6(b)に示すように、制御部16は、測定点50、測定点52、測定点54から予め定められた距離を半径とした円60、円62、円64を作成する。制御部16は、円60、円62、円64のいずれかに50℃以上温度が上昇した測定点80、測定点82、測定点84が含まれる場合に、測定点80、測定点82、測定点84の位置に対応した原料堆積層の原料が、測定点50、測定点52、測定点54の位置に対応した原料堆積層の位置に流れ込んだと判断する。
図6(b)に示した例においては、測定点50を中心とした円60の中に、測定点80および測定点82が含まれる。また、測定点52を中心とした円62の中に、測定点84が含まれる。このように、図6(b)に示した例においては、測定点80および測定点82は、測定点50の予め定められた範囲内にあり、測定点84は、測定点52の予め定められた範囲内にあるので、制御部16は、測定点80、測定点82、測定点84の位置に対応した原料堆積層の原料が、測定点50、測定点52、測定点54の位置に対応した原料堆積層の位置に流れ込んだと判断して、表示部18にその旨を表示する。
このように、本実施形態に係る高炉操業方法を実施することで、原料の流れ込みの発生を高精度に検出できるとともに、原料が流れ込んだ原料堆積層の位置、および、流れ込む前に原料が堆積していた原料堆積層の位置を特定できる。このように、それぞれの位置を特定することで、例えば、流れ込みが発生した場合に、原料である鉱石またはコークスの装入位置を調整する等の対策がとれ、炉況を早期に回復し、安定した操業に戻すことができる。
次に、炉口部平面内の温度分布に基づいて流れ込みの有無を検出する方法について説明する。図7は、炉口部平面内における温度分布の差を示す。
流れ込みを検出する場合において、制御部16は、1チャージ分の鉱石装入前における炉口部平面内の温度分布と、1チャージ分の鉱石装入後における炉口部平面の温度分布のとの差を算出する。制御部16は、鉱石装入前後の温度分布の差を算出し、鉱石装入後に温度が50℃以上低下した温度領域および温度が50℃以上上昇した温度領域を特定する。図7において、温度領域40は、鉱石の装入後に温度が50℃以上低下した温度領域であり、領域42は、温度が50℃以上上昇した温度領域であるとする。
制御部16は、温度が50℃以上低下した温度領域40を特定し、温度領域40の面積を測定する。制御部16は、予め格納された炉口部平面の面積を示すデータを格納部20から読み出し、炉口部平面の面積に対する温度領域40の面積の割合を算出する。制御部16は、当該割合が10%以上であった場合に、当該温度領域の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断する。なお、本実施形態において、炉口部平面内の温度領域の位置に対応した原料堆積層の位置とは、炉口部平面内の温度領域を鉛直下方向の原料堆積層に投影した位置を意味する。
また、制御部16は、同様に、温度が50℃以上上昇した温度領域42を特定し、炉口部平面の面積に対する温度領域42の面積の割合を算出する。制御部16は、当該割合が10%以上であった場合に、当該温度領域の位置に対応した原料堆積層の原料が流れ込んだと判断する。そして、制御部16は、温度領域40と温度領域42とが隣接する場合に、温度領域40の位置に対応する原料堆積層の位置に温度領域42の位置に対応する原料堆積層の原料が流れ込んだと判断する。なお、10%は予め定められた割合の一例であって、当該値を、高炉の操業実績に基づいて定めてよい。また、予め定められた割合は、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数によって変えてもよく、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数が少ない温度領域では当該割合を大きくし、炉口部平面の単位面積あたりの測定点の数が少ない温度領域では割合を小さくしてよい。
また、制御部16は、所定温度以上上昇した温度領域の外側の測定点群のうち、所定温度以上低下した温度領域内の測定点群に対する最短距離が所定の距離以下であるような測定点がある割合以上存在する場合に、所定温度以上上昇した温度領域と所定温度以上低下した温度領域とが隣接すると判断する。本実施形態において、所定の距離とは、例えば、炉口半径の5%の長さである。また、ある割合とは、例えば、測定点群に含まれる測定点数の5%である。
図7に示した例において、温度領域40の面積は、炉口部平面の面積の15%であり、温度領域42の面積は、炉口部平面の面積の20%である。このように、図7に示した例においては、50℃以上温度が低下した温度領域40の面積が、炉口部平面の面積の10%以上であるので、制御部16は、温度領域40の位置に対応する原料装入層の位置に原料が流れ込んだと判断する。また、50℃以上温度が上昇した温度領域42の面積が、炉口部平面の面積の10%以上であるので、制御部16は、温度領域42の位置に対応する原料装入層の原料が流れ込んだと判断する。
また、図7に示した例において、温度領域42の外側の測定点群のうち、温度領域40の温度領域内の測定点群に対する最短距離が、炉口半径の4%であるような測定点が40%存在するとする。この場合、温度領域42の外側の測定点群のうち、温度領域40の温度領域内の測定点群に対する最短距離が5%以下となる測定点が5%以上存在するので、制御部16は、温度領域40と温度領域42とが隣接していると判断し、温度領域42の位置に対応する原料堆積層の原料が、温度領域40の位置に対応する原料堆積層に流れ込んだと判断する。制御部16は、温度領域42の位置に対応する原料堆積層の原料が、温度領域40の位置に対応する原料堆積層に流れ込んだと判断した場合に、表示部18にその旨を表示する。
図7に示した例においては、高炉の中心部側に鉱石が流れ込むことによって多くの鉱石が堆積し、高炉の中心部におけるコークス層厚に対する鉱石層厚の比が増加し、中心部の通気性が悪化し炉口部平面内の温度が低下したと考えられる。このため、図7に示した例においては、次チャージのコークス装入時に、温度領域40の位置に対応した原料堆積層の位置にコークスを過剰に装入し、これにより炉況を早期に回復させて、安定した操業に戻すことが好ましい。
本実施形態において、制御部16は、温度差分布において50℃以上温度が低下した温度領域であって、この温度領域の面積が炉口部平面の面積の10%以上である場合に、この温度領域の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断し、温度分布において50℃以上温度が上昇した温度領域であって、この温度領域の面積が炉口部平面の面積の10%以上である場合に、この温度領域の位置に対応した原料堆積層の原料が流れ込んだと判断する。これにより、何らかの不具合によって低温領域または高温領域が生じた場合であっても、その領域の面積が炉口部平面の面積の10%以上とならない限りは、原料の流れ込みが発生したと検出することがないので、原料の流れ込みの誤検出を回避できる。このように、炉口部平面の面積の10%以上である場合に流れ込みがあると判断することで、制御部16は、流れ込みを誤検出することを回避し、高精度に流れ込みの発生を検出できる。さらに、何らかの不具合によって炉口部平面の面積の10%以上の低温領域または高温領域が生じた場合であっても、高温領域の外側の測定点群のうち、低温領域内の測定点群に対する最短距離が、炉口半径の5%以下であるような測定点が5%以上存在しなければ、高温領域と低温領域が隣接していないため流れ込みが発生していないと判断されるので、制御部16は、流れ込みを誤検出することを回避し、高精度に流れ込みの発生を検出できる。
図8は、炉口部平面内における温度分布の差を示す。図8に示した例において、温度領域44は、鉱石装入後に温度が50℃以上低下した温度領域であり、温度領域46は、鉱石装入後に温度が50℃以上上昇した温度領域であるとする。
図8に示した例において、温度領域44の面積は、炉口部平面の面積の13%であり、温度領域46の面積は、炉口部平面の面積の13%である。このように、図8に示した例においては、温度が50℃以上低下した温度領域44の面積が炉口部平面の面積の10%以上であるので、制御部16は、温度領域44の位置に対応する原料装入層の位置に原料が流れ込んだと判断する。また、温度が50℃以上上昇した温度領域46の面積が炉口部平面の面積の10%以上であるので、制御部16は、温度領域46の位置に対応する原料装入層の原料が流れ込んだと判断する。
また、図8に示した例において、温度領域46の外側の測定点群のうち、温度領域44の温度領域内の測定点群に対する最短距離が、炉口半径の4%であるような測定点が30%存在するとする。この場合、温度領域46の外側の測定点群のうち、温度領域44の温度領域内の測定点群に対する最短距離が5%以下となる測定点が5%以上存在するので、制御部16は、温度領域44と温度領域46とが隣接していると判断し、温度領域46の位置に対応する原料堆積層の原料が、温度領域44の位置に対応する原料堆積層に流れ込んだと判断する。制御部16は、温度領域46の位置に対応する原料堆積層の原料が、温度領域44の位置に対応する原料堆積層に流れ込んだと判断した場合に、表示部18にその旨を表示する。
図8に示した例においては、温度領域46の位置に対応した炉下部における羽口の通気性が悪化し、これにより、原料の降下速度が遅くなり、原料の堆積形状に円周方向の高低差が生じたために、温度領域46の位置に対応する原料堆積層の原料が温度領域44の位置に対応する原料堆積層の位置に流れ込んだと考えられる。この場合の対策としては、温度領域46の位置における炉下部の羽口からの送風量を増やすという対策も考えられるが、設備トラブルを招く可能性があるので、通気性が悪化していると予測される温度領域46の位置に対応する羽口の送風量に合わせて、他の位置の羽口の送風量を合計で100Nm/min以上低下させることが好ましい。これにより、原料の堆積形状の円周方向の高低差は解消され、流れ込みの発生が抑制され、安定した高炉操業を継続させることができる。なお、本実施形態において、100Nm/min以上は、送風量を低下させる所定量の一例である。また、上記所定量を、変更前の送風量に対する減少割合で規定してもよく、例えば、1%以上としてもよい。ただし、送風量の低下量を大きくし過ぎると炉内全体の圧力バランスを過剰に変更してしまう恐れもあるので、送風量の低下量は、低下させる羽口の合計で500Nm/min以下、あるいは5%以下とすることが好ましい。
なお、本実施形態においては、制御部16が流れ込み発生の有無を判断する例を示したがこれに限られない。例えば、使用者が表示部18に表示された炉口部平面内の複数の測定点の温度変化、または、温度分布の変化を確認し、使用者が上述した方法に従って流れ込み発生の有無を判断してもよい。また、使用者によって流れ込みが発生したと判断した場合において、使用者の操作により、原料装入の調整や羽口の送風量の調整を行なうとしてもよい。
なお、図4から図8に示した例においては、1チャージ分の鉱石装入前後における炉口部平面内の温度変化に基づいて流れ込みの有無を判断する方法を説明したが、1チャージ分のコークス装入前後における炉口部平面内の温度変化に基づいて流れ込みの有無を判断してもよい。これにより、コークスの流れ込みについても検出できる。例えば、コークスの装入前後で図7に示した温度分布の差が算出された場合は、高炉の中心部側にコークスが流れ込むことによって相対的に多くの鉱石が壁側に堆積し、高炉の壁側におけるコークス層厚に対する鉱石層厚の比が増加し、炉壁部の通気性が悪化すると考えられる。このため、図7に示した例においては、次チャージのコークス装入時に、温度領域42の位置に対応した原料堆積層の位置にコークスを過剰に装入し、これにより炉況を早期に回復させて、安定した操業に戻すことが好ましい。
さらに、1チャージ分の原料の装入前後における炉口部平面内の温度差を算出する場合において、装入前における炉口部平面内の全温度の平均値と、装入後における炉口部平面内の全温度の平均値とを算出し、当該平均値の差を、炉口部平面内の各測定点の温度差から減じてもよい。1チャージ分の原料の装入前後において、炉口部平面内の全体の温度が変化した場合、当該温度変化は流れ込みの検出に寄与しない。このため、装入前における炉口部平面内における全温度の平均値と、装入後における炉口部平面内における全温度の平均値とを算出し、装入前後における各測定点の温度差から当該平均値の差を減ずることで、炉口部平面内全体の温度変化の影響を無くすことができるので、より高精度に流れ込みの有無を検出できる。
また、本実施形態においては、炉口部周面に超音波センサ12を設けて炉口部平面内の温度を測定する例を示したが、超音波センサに加えて固定式温度センサを複数設けてもよい。固定式の温度センサを炉口部平面内における測定点がない位置に設けることで、炉口部平面内における温度測定位置を追加できるので、これにより、炉口部平面内の温度をより詳細に測定でき、温度測定精度を向上できる。
また、本実施形態においては、超音波温度計測システム10が超音波センサ12を10個備える例を示したが、超音波センサ12の数は10個に限られず、少なくとも5個以上あればよい。さらに、超音波センサ12を高炉30の炉口部に沿って等間隔に設けた例を示したが、これに限られない。超音波センサ12を接続した線が交差する測定点の数を増やすことを目的として、超音波センサ12の設置間隔をそれぞれ変えてもよい。
炉口部平面内の温度分布の測定をして、原料の流れ込みを検知し、鉱石が中心方向に流れ込んだ場合は中心方向にコークスを多く堆積させ、コークスが中心方向に流れ込んだ場合は壁側にコークスを多く堆積させる、という対策を施した。また、鉱石またはコークスが円周方向に流れ込んだ場合は、流れ込みが発生した側の羽口を除く羽口からの送風量を100Nm/min減少させた。この結果、通気性の悪化や出銑の円周偏差を引き起こすことなく、安定した操業を続けることができた。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲に限定するものではない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中に示した装置、システムおよび方法における動作の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書において、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 超音波温度計測システム
12 超音波センサ
14 処理装置
16 制御部
18 表示部
20 格納部
30 高炉
40 温度領域
42 温度領域
44 温度領域
50 測定点
52 測定点
54 測定点
56 測定点
58 測定点
60 円
62 円
64 円
66 円
68 円

Claims (10)

  1. 高炉炉口部の同一平面に設置され、炉口部平面内の複数の測定点の温度を測定する複数の超音波センサを用いて、1チャージ分の原料の装入前における前記複数の測定点の温度と、装入後における前記複数の測定点の温度とを測定し、
    前記原料の装入後において関連する2以上の測定点の温度が、装入前に対して所定温度以上低下した場合に、前記関連する2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断することを特徴とする、高炉操業方法。
  2. 前記原料の装入後において関連する2以上の測定点の温度が、装入前に対して所定温度以上上昇した場合であって、所定温度以上低下した関連する2以上の測定点のそれぞれが、所定温度以上上昇した関連する2以上の測定点のいずれかから予め定められた距離内にある場合に、所定温度以上上昇した関連する2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の原料が、所定温度以上低下した関連する2以上の測定点の位置に対応した原料堆積層の位置に流れ込んだと判断することを特徴とする、請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記関連する2以上の測定点とは、予め定められた距離内にある2以上の測定点であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高炉操業方法。
  4. 前記予め定められた距離は、前記複数の測定点のそれぞれを中心に円を作成し、前記円に他の測定点が含まれる最小の半径のうちの最大の値であることを特徴とする、請求項3に記載の高炉操業方法。
  5. 前記予め定められた距離は、前記炉口部平面の単位面積あたりの前記複数の測定点が少ない領域では長くし、前記炉口部平面の単位面積あたりの前記複数の測定点が多い領域では短くすることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の高炉操業方法。
  6. 高炉炉口部の同一平面に設置され、炉口部平面内の温度分布を測定する複数の超音波センサを用いて、1チャージ分の原料の装入前における前記温度分布と、装入後における前記温度分布とを測定し、
    前記原料の装入後において装入前の温度に対して所定温度以上低下した温度領域の面積が前記炉口部平面内の面積に対して予め定められた割合以上である場合に、前記温度領域の位置に対応した原料堆積層の位置に原料が流れ込んだと判断することを特徴とする、高炉操業方法。
  7. 前記予め定められた割合は、流れ込みが発生した過去の高炉の操業実績に基づいて定められることを特徴とする、請求項6に記載の高炉操業方法。
  8. 前記原料の装入後において装入前の温度に対して所定温度以上上昇した温度領域の面積が前記炉口部平面の面積に対して予め定められた割合以上である場合であって、前記所定温度以上上昇した温度領域と前記所定温度以上低下した温度領域とが隣接している場合に、前記所定温度以上上昇した温度領域に対応した位置の原料堆積層の原料が、前記所定温度以上低下した温度領域に対応した原料堆積層の位置に流れ込んだと判断することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の高炉操業方法。
  9. 円周方向に前記原料が流れ込んだと判断した場合に、流れ込んだ原料が堆積していた原料堆積層の位置に熱風を吹込む羽口の送風量は変化させずに、他の原料堆積層の位置に熱風を吹込む羽口の送風量を合計で所定量低下させることを特徴とする、請求項2または請求項8に記載の高炉操業方法。
  10. 前記原料として鉱石を装入した後に、前記高炉の中心部側へ流れ込みが発生したと判断した場合に、次チャージのコークスを前記高炉の中心部側に過剰に装入し、
    前記原料としてコークスを装入した後に、前記高炉の中心部側へ流れ込みが発生したと判断した場合に、次チャージのコークスを前記高炉の炉壁側に過剰に装入することを特徴とする、請求項2または請求項8に記載の高炉操業方法。
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