JP2017190482A - 高炉のセンサ故障検知システム及び異常状況の予測システム - Google Patents

高炉のセンサ故障検知システム及び異常状況の予測システム Download PDF

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【課題】高炉の異常状況の予測システムにおいて、センサが故障している場合であっても、高炉の異常状況を精度良く検出する【解決手段】本発明に係る高炉の異常状況の予測システムは、高炉に設けられた複数のセンサで計測された計測データに基づいて、高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模をスコア値にて予測する高炉の異常状況の予測システムであって、複数のセンサのうち、故障しているセンサの個数が、予め定められた閾値より小さい場合には、第1補正処理を行った上で、高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模を示すスコア値を算出し、複数のセンサのうち、故障しているセンサの個数が、予め定められた閾値以上である場合には、第2補正処理を行うことで、高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模を示すスコア値を算出するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、操業実績データを計測するために高炉に設けられる複数のセンサについて、これらのセンサの故障を自動で検知する高炉のセンサ故障検知システム、及び高炉において発生する異常状況の発生しやすさと発生した場合の規模を予測し、操業オペレータに予測結果を通知する異常状況の予測システムに関するものである。
従来から、高炉では、その上部から鉄鉱石、コークス、石灰石などの炉内装入物を層状に装入し、下部から熱風を吹込んで、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応を行わせ、銑鉄を製造している。炉内装入物に関しては、高炉内で半径方向に適正なガス流速分布が得られるように投入量や粒度を調整する。また、吹き込む熱風に関しては、高炉下部の側壁に形成された羽口からの送風条件(送風温度や送風湿度など)を適切に制御する。斯かる制御を適切に行い、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応が効率よく進行させ、所望とする銑鉄の温度(出銑温度)が確保できるように操業を行っている。
係る操業中に、希ではあるものの高炉の異常状況、すなわち高炉のトラブルが発生することがある。高炉で発生するトラブルの1つに「吹き抜け」といわれるものがある。吹き抜けとは、通気性が悪化した高炉内において、比較的通気性の良い部分にガスが偏って流通する現象である。
吹き抜けが生じると、固体とガスとの熱交換が十分に行われないため、ガスが高温のまま直接、高炉上部へ抜け出てしまうこととなり、銑鉄の温度低下などが発生し、銑鉄の製造が正常に行われないことになる。それ故、吹き抜けの発生可能性や吹き抜け発生時の規模を予見することは高炉の安定操業の観点から非常に重要である。
上記の理由により、高炉操業における吹き抜け(異常状況)を予測する技術が既に開発されている。
例えば、特許文献1は、炉内に装入した装入物から溶銑を生成する高炉の操業中、前記高炉内の物理量を測定し、その結果に基づいて吹き抜けの発生を予測する方法において、高炉の高さ方向へ適宜距離を隔てた位置で前記物理量を経時的に測定し、得られた両物理量の差を算出し、算出された位置的差分と異なる時刻の位置的差分との差である経時的差分を求め、得られた経時的差分及び前記位置的差分を用いて吹き抜けが発生するか否かを判断する予測方法を開示する。
特開平11−140520号公報
上述した特許文献1の予測方法の場合、高炉内の物理量として圧力が用いられており、高炉のシャフトの上縁近傍には、シャフト内の圧力を測定する複数の圧力センサが設けられている。また、高炉内の物理量として温度を用いる場合には、温度センサが高炉の外周面に取り付けられることになる。
ただ、このような圧力センサや温度センサは、精密機器であるため熱に弱く、耐熱性を備えたものであっても故障が起きることは避けがたい。故障した圧力センサや温度センサを用いると、センサの計測値が本来の値からずれ、正確な物理量が取得できなくなる。
当然、正確でない物理量を用いて、吹き抜けのような高炉の異常状況を予測しても正確な予測は不可能である。つまり、吹き抜けが実際には起こらないのに吹き抜けがさも起こるかのように報知が繰り返されたり、吹き抜けが実際に起こりそうであるのに吹き抜けを見逃して報知が全くされなかったりといった問題が起こる可能性もある。
本発明は、上記問題点を鑑みて為されたものであり、圧力や温度などの物理量をセンシングして高炉の異常状況を予測する際に、物理量をセンシングするセンサが故障している場合であっても、センサの故障を迅速に検知でき、また故障したセンサがあっても高炉の異常状況を精度良く検出することができる高炉のセンサ故障検知システム及び異常状況の予測システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る高炉のセンサ故障検知システムは、高炉に設けられた複数のセンサで計測された計測値に基づいて操業を行う高炉に対して、前記複数のセンサのうち、対象となるセンサの故障を検知する高炉のセンサ故障検知システムであって、前記複数のセンサのうち、対象となるセンサについて、当該対象となるセンサの周辺のセンサで計測された計測値から、前記対象となるセンサの計測結果の推定値を推定する第1のステップと、前記第1のステップで推定された推定値の挙動、及び前記対象となるセンサで計測される計測値の挙動から、前記対象となるセンサの乖離度を計算する第2ステップと、前記第2ステップで計算された乖離度が、炉況に応じて予め定められた閾値以上であって、かつ前記周辺のセンサの乖離度と比べて最も大きい場合に、前記対象となるセンサを故障していると判断する第3ステップと、備えていることを特徴とする。
なお、好ましくは、炉況が悪化した場合に、前記閾値を大きくするとよい。
なお、好ましくは、前記対象となるセンサの第1のステップで、既に「故障している」と判断されたセンサが周辺のセンサとして選択された場合は、前記「故障している」と判断されたセンサの故障判断における第1のステップで得られる推定値で、前記対象となるセンサに対する周辺のセンサの計測値を置き換える第4のステップを設け、前記周辺のセンサの乖離度がすべて閾値を下回るまで、前記第4のステップを繰り返すとよい。
なお、好ましくは、前記周辺のセンサの計測値を平均して平均値を求めておき、
前記第1のステップで、前記対象となるセンサの周辺のセンサで計測された計測値から、前記対象となるセンサの計測結果の推定値を推定するに際しては、
前記対象となるセンサに対する周辺のセンサの計測値を、前記求められた平均値で置き換える第5のステップを行うとよい。
なお、好ましくは、前記対象となるセンサにおいて、一定時間に亘って計測される計測値及びこの計測値から得られる推定値から絶対値平均及び分散値を求め、求められた絶対値平均と分散値によって2次元平面を作成し、作成された2次元平面における推定値と計測値間の重みつき距離から乖離度を算出するとよい。
一方、本発明に係る高炉の異常状況の予測システムは、高炉に設けられた複数のセンサで計測された計測データに基づいて、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模をスコア値にて予測する高炉の異常状況の予測システムであって、前記複数のセンサのうち、故障しているセンサの個数が、予め定められた閾値より小さい場合には、第1補正処理を行った上で、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模を示すスコア値を算出し、前記複数のセンサのうち、故障しているセンサの個数が、予め定められた閾値以上である場合には、第2補正処理を行うことで、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模を示すスコア値を算出するように構成されていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記複数のセンサは、前記高炉の炉体の周方向及び高さ方向の複数位置に配備された圧力センサ又は温度センサであるとよい。
なお、好ましくは、前記第1補正処理は、正常な温度センサの計測値を用いて補間することにより、前記故障している温度センサの計測データを算出するように構成されているとよい。
なお、好ましくは、前記第1補正処理は、前記故障している圧力センサの計測値を除外して前記スコアを算出する構成とされているとよい。
なお、好ましくは、前記第2補正処理は、前記算出されたスコア値のすべてを、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模が最大であることを示すスコア値に置き換える構成とされているとよい。
本発明に係る高炉のセンサ故障検知システム及び異常状況の予測システムによれば、圧力や温度などの物理量をセンシングして高炉の異常状況を予測する際に、物理量をセンシングするセンサが故障している場合であっても、センサの故障を迅速に検知でき、また故障したセンサがあっても高炉の異常状況を精度良く検出することができる。
高炉における異常状況の予測システムの概念図を示したものである。 本実施形態の予測システムが設けられる高炉設備の断面図である。 本実施形態の高炉のセンサ故障検知システムが適用された高炉設備の模式図を示したものである。 本実施形態のセンサ故障検知システムを適用可能な高炉設備の模式図を示したものである。 本実施形態のセンサ故障検知システムの操作手順を示したフローチャートを示したものである。
以下、本発明に係る高炉のセンサ故障検知システム及び異常状況の予測システムに関する実施の形態を、図を基に説明する。
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態の高炉のセンサ故障検知システム及び異常状況の予測システムが設けられた高炉設備1について説明する。
図1及び図2に示す如く、高炉設備1は、竪型円筒状の炉体2を、その軸心が上下方向を向くように配備したものであり、この炉体2の外部は鋼板製の鉄皮3で覆われていて、炉体2の内部は耐火物4(耐火煉瓦)で内張りされている。この高炉の炉体2における上下方向の上端側や下端側は中途側に比べて細く絞られており、上述した炉体2は、上からシャフト部、直胴状のベリー部、さらにその下に、上広がりのボッシュ部、そして最下部の炉床部より構成されている。そして、シャフト部〜ボッシュ部の炉体2の外周面に上述した鉄皮3が設けられており、鉄皮3の内側に耐火物4が設けられている。さらに、シャフト部に設けられる鉄皮3と耐火物4の間には、ステーブ9と呼ばれる水冷金物を埋設されており、このステーブ9に水などの冷却剤などを流通させることで炉体2を冷却することが可能となっている。
炉床部の側壁には、炉内に熱風や微粉炭を吹き込む開口(羽口10)が放射状に設けられており、操業時にはこの羽口10からの送風によって、いわゆる「レースウェイ」と呼ばれるコークスが著しく疎な状態で存在する空洞部分が装入された原料中に形成される。
さらに、炉床部の側壁には、銑鉄(溶銑)を取り出す出銑口11が設けてあり、この出銑口11より数時間おきに銑鉄が出銑される。
高炉に付帯する設備としては、上述したもの以外にも、高炉の炉頂へ鉄鉱石やコークスなどの原料を運び上げるベルトコンベア、搬送された原料を一時貯蔵するホッパ、原料を炉内の径方向に適正な分布で装入するベル式またはベルレス式の装入装置、熱風を作る熱風炉などがある。
次に、上述した高炉設備1を用いて銑鉄を製造する際の手順を説明する。まず、付帯設備の一つである装入装置により、コークスなどの燃料を兼ねる還元材と鉄鉱石とを高炉の頂部から層状となるように投入する。加えて、不純物除去の目的で石灰石を入れる。このように原料が供給された高炉に対して、羽口10から熱風を吹き入れて内部のコークスを燃焼させる。
このとき、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応が効率よく進行し、所望とする銑鉄の温度(出銑温度)が確保できるように、オペレータは、鉄鉱石やコークスの量の粒度、羽口10から吹き込まれる熱風の温度(送風温度)、湿度(送風湿度)、微粉炭の吹き込み量などを所望の操業条件に制御する。このようにすれば、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応が行われて高炉中で銑鉄が製造され、製造された銑鉄が出銑口11から30分〜2時間程度の間隔で炉外に取り出される。
ところで、上述した高炉操業においては、「吹き抜け」といわれる操業トラブル(高炉の異常状況)が発生する場合がある。この「吹き抜け」は、鉄鉱石やコークスなどを層状に重ねた原料中において、何らかの理由により通気性が悪化した部分が局部的に発生し、通気性が悪化した部分を避けて比較的通気性の良い部分にガスが偏って流通する現象である。
この「吹き抜け」が生じると、通気性が悪化した部分において固体とガスとの熱交換が十分に行われなくなり、ガスが高温のまま高炉上部へ抜け出てしまう。そうすると、銑鉄の温度低下などが発生し、銑鉄の製造が正常に行われないことになる。
それ故、本発明では、温度や圧力などの物理量を計測するセンサを高炉に設けて、これらのセンサで計測された温度や圧力などの物理量に基づいて高炉の操業において吹き抜けの発生を未然に防止できるようにしている。
具体的には、この吹き抜けの予測システムは、高炉の鉄皮3と耐火物4との間に埋設されたステーブ9と呼ばれる水冷金物に、炉壁の温度や圧力を検出するセンサを設けておき、このセンサで検出された圧力と温度とに基づいて、「吹き抜け」の発生状況を予測するようにしている。
ただ、上述したセンサは、粉塵が舞うと共に高温とされた劣悪な環境に存在する高炉に設けられているため、センサが頻繁に故障することは避けられない。そのため、故障したセンサから出力される誤ったデータにより間違った操業アクションが行われる可能性があり、センサが故障していることを確実に検知する技術、言い換えれば高炉のセンサ故障検知システムが必要となる。
そこで、本発明では、センサ故障検知システムを設けることで、まず高炉に設けられるセンサの故障を確実に検知するようにしている。また、本発明では、複数のセンサのうち、一部のセンサが故障していることがセンサ故障検知システムでわかったとしても、残りのセンサで計測された計測データ(圧力及び温度のデータ)に基づいて、「吹き抜け」の発生状況(発生可能性及び発生規模)を予測するようにしている。
以降では、まず本発明の「高炉の異常状況の予測システム」について説明する。
具体的には、本発明のセンサには、複数の温度センサ及び/又は圧力センサが用いられる。上述した複数の温度センサや圧力センサは、上述した炉体2(炉壁)の外周面を全周に亘って取り囲むように円環状に形成されたステーブ9に取り付けられている。また、このステーブ9は、シャフト部の外周面において、上下方向に所定の距離をあけるように複数条に亘って形成されており、本実施形態でも3条のステーブ9が上下方向に距離をあけて設けられている。
上述した高炉に設けられるセンサ(圧力センサ及び/又は温度センサ)は、本実施形態ではシャフト部の周方向にほぼ同じ間隔をあけて配備され、且つ上下方向にも同じ間隔をあけて配備されている。
具体的には、シャフト部には、周方向及び上下方向に均等に配設されたステーブ9に、圧力センサ及び温度センサが設けられるものとなっている。この構成により、周方向及び上下方向に均等に間隔をあけて炉体2の圧力や温度を計測できるようになっている。
これら複数の圧力センサで計測された炉体2の圧力は、「ステーブ圧力」として予測部に送られ、また複数の温度センサで計測された炉体2の温度も、「ステーブ温度」として予測部に送られる。
予測部は、温度センサで計測された「ステーブ温度」及び圧力センサで計測された「ステーブ圧力」に基づいて、上述した「吹き抜け」の発生可能性や発生規模の予測に必要な各スコア、具体的には、温度重心スコア、温度差スコア、平均温度スコア、炉体圧スコアを算出している。
具体的には、温度センサで計測された「ステーブ温度」に対しては、予測部では、まず複数の温度センサで検知された複数の「ステーブ温度」の計測データに基づいて、「ステーブ平均温度」及び「ステーブ温度差」などを算出している。
具体的には、「ステーブ平均温度」は、一つのステーブ9に設けられた複数の温度センサで検知される「ステーブ温度」を、一つのステーブ9に設けられるすべてのセンサで平均した平均温度である。また、「ステーブ温度差」は、上下方向に設けられる複数のステーブ9に対してそれぞれ求められる「ステーブ平均温度」に対して、炉体2の最も上部側にあるものと下部側にあるものとの平均温度差を算出したものである。
予測部では、このようにして算出された「ステーブ平均温度」及び「ステーブ温度差」に基づいて、以下に示すような各スコアを算出している。すなわち、高炉の炉中心に対して「ステーブ温度」がどのような偏りで分布しているかを示す温度重心スコア、上述した「ステーブ平均温度」をスコア化した平均温度スコア、「ステーブ温度差」をスコア化した温度差スコアなどである。これらの温度重心スコア、平均温度スコア、及び温度差スコアを参照すれば、高炉の「吹き抜け」が発生した差に、その規模がどの程度まで大きいかを予測することができる。
一方、圧力センサで計測された「ステーブ圧力」に対しては、予測部でまず移動平均などを用いた平滑化処理が行われる。この平滑化処理は、圧力センサで計測された「ステーブ圧力」の計測データから高周波成分などを取り除くものであり、高周波ノイズを排除して圧力の変化傾向の差異を分かりやすくするために行われる。次に、予測部では、平滑化処理後の圧力センサで計測された「ステーブ圧力」の計測データを用いて、「炉体圧スコア」が算出されている。この「炉体圧スコア」は、「吹き抜け」が発生する可能性を判断する際に用いられるスコアとなっている。
このようにして予測部で算出された各スコアは表示部で表示され、オペレータが表示部の各スコアを確認することで、「吹き抜け」の発生可能性や発生時の規模を予見できるようになっている。
ところで、上述したように、温度センサや圧力センサは、精密機器であるため熱に弱く、耐熱性を備えたものであっても故障が起きることは避けられない。故障した圧力センサや温度センサを用いると、センサの計測値が本来の値からずれ、正確な温度や圧力が取得できなくなる。
当然、正確でない温度や圧力を用いて吹き抜けを予測しても正確な予測は不可能である。無論、故障したセンサを新品に取り替えることも考えられるが、高炉設備1に設けられたセンサは簡単には接近できないような場所に設けられていることも多く、操業中は取り替えが困難であることが一般的である。それゆえ、高炉の異常状況の予測システムでは、故障したセンサを用いて、正確な「吹き抜け」の予測を行うことが必要となる。
そこで、本発明の異常状況の予測システムでは、まず複数の温度センサや圧力センサのうち、どのセンサが「故障している」か否かを判断部で判断している。
そして、判断部において「故障している」と判断された温度センサの個数(故障数)が予め定められた上限個数以下である場合には、第1補正処理を用いて「ステーブ温度」の計測結果を補正し、補正した「ステーブ温度」に基づき「吹き抜け」の発生規模を予測している。
また、判断部において「故障している」と判断された圧力センサの個数(故障数)が予め定められた上限個数以下である場合には、第1補正処理を用いて「ステーブ圧力」の計測結果を補正し、補正した「ステーブ圧力」に基づき各スコアを算出している。
一方、判断部において「故障している」と判断された温度センサの個数が予め定められた上限個数を超えるか、「故障している」と判断された圧力センサの個数が予め定められた上限個数を超える場合は、第2補正処理を用いて「ステーブ温度」や「ステーブ圧力」の結果を「吹き抜け」の見逃しが起こらないようなものに補正し、補正した「ステーブ温度」や「ステーブ圧力」の結果に基づき各スコアを算出している。
このようにして算出された各スコアを表示部に表示することで、センサが故障していてもオペレータは「吹き抜け」の発生可能性や発生時の規模をほぼ正確に予見することができる。
次に、本願発明の吹き抜けの予測システムを構成する判断部、第1補正処理、第2補正処理、表示部について説明する。
判断部は、温度センサ及び圧力センサが故障しているか否かを判断する部分であり、温度センサについては各温度センサで検知された複数の「ステーブ温度」の計測データを用いて故障を判断すると共に、圧力センサについては各圧力センサで検知された複数の「ステーブ圧力」の計測データを用いて故障を判断している。つまり、この判断部が、上述した本発明のセンサ故障検知システムを構成している。なお、センサ故障検知システムについては、後ほど詳しく説明する。
また、この判断部(センサ故障検知システム)によるセンサ故障の判断は、パソコンなどのコンピュータに記憶されたプログラムを用いて自動で行っても良いが、オペレータ(人間)による判断で人為的に行われてもよい。
判断部での判断の結果、「故障している」と判断された温度センサ及び圧力センサの個数が予め定められた故障の上限個数より少ない場合には後述する第1補正処理が行われ、予め定められた故障の上限個数以上である場合には第2補正処理が行われる。
第1補正処理は、故障した温度センサや圧力センサで計測される特異的な値が、各スコア値の算出結果に対して大きく影響しないようにして、「吹き抜け」の発生可能性や発生規模の予測が誇大にものとならないように補正する処理である。
具体的には、この第1補正処理は、温度センサの計測データを補正する場合であれば、上述した判断部で故障と判断された温度センサに対して、この温度センサに以外の温度センサの計測データを利用して温度データを線形補間し、線形補間された温度データを故障と判断された温度センサの計測データとして代替的に利用することで温度センサの計測データを補正している。
また、圧力センサの計測データを補正する場合であれば、第1補正処理は、上述した判断部で故障と判断された圧力センサに対して、この圧力センサの計測値を除外して平滑化処理を行うことにより「ステーブ圧力」を補正している。
このような第1補正処理で補正を行えば、故障した温度センサや圧力センサの計測データが「吹き抜け」の判断に及ぼす影響が小さくなり、温度センサや圧力センサが故障していたとしても過剰な報知に繋がることがなく、「吹き抜け」の発生や発生時の規模について正確な判断を下すことが可能となる。
一方、上述した第1補正処理に対して、第2補正処理は、故障した温度センサや圧力センサの個数が許容できるレベル(上限個数)を超えている場合に、「吹き抜け」の発生可能性や発生規模を最大のスコアに強制的に置き換えて、「吹き抜け」の見逃しを回避するように補正する処理である。
具体的には、この第2補正処理は、故障した温度センサや圧力センサの数が予め定められた閾値以上である場合に、温度センサの計測データ及び圧力センサの計測データに基づいて算出されるすべてのスコア、つまり温度重心スコア、平均温度スコア、温度差スコア及び炉体圧スコアの値を、最大値(最も危険とされるスコア値)まで強制的に引き上げる操作を行うものとなっている。
例えば、故障した温度センサの故障数の閾値が3個の場合、判断部で故障判定される温度センサの故障数が1個や2個であれば、上述した第1補正処理が行われ、各スコアの値が算出される。しかし、判断部で故障判定される温度センサの故障数が3個以上であれば、温度重心スコア、平均温度スコア、温度差スコア及び炉体圧スコアの値は、いずれも「吹き抜け」の発生可能性が最大であるか、または「吹き抜け」の発生規模が最大になるようなスコアの値に書き換えられる。
このような第2補正処理で補正を行えば、予測システムの予測結果が必ず「吹き抜け」が最大規模で、且つ最大の起こりやすさで発生するものとなり、温度センサや圧力センサの故障により「吹き抜け」の見逃しが起こる心配がなくなる。
表示部は、オペレータが確認可能な予測モニタや音声などで報知を行う報知器などを有している。この予測モニタは、液晶モニタやCRTモニタで構成され、コントロール室内に設置されている。オペレータがこの予測モニタを視聴したり報知器による報知を聞いたりすることで、オペレータは「吹き抜け」の発生の可否や発生時の規模を予見可能な状態となっている。
このようにして第1補正処理及び第2補正処理で補正された結果に基づいて算出されたスコア値を表示部で表示すれば、故障したセンサの計測データが「吹き抜け」の判断結果に及ぼす影響が最低限に抑えられ、吹き抜けが実際には起こらないのに吹き抜けがさも起こるかのように報知が繰り返される、あるいは吹き抜けが実際に起こりそうであるのに吹き抜けを見逃して報知が全くされないといった問題を回避することが可能となる。
上述した本実施形態の予測システムの処理内容をまとめると、表1に示すようになる。
表1の下側に示される[前提]は、温度センサの計測データに対して第1補正処理を行う際の前提、言い換えれば判断部での温度センサの故障判断の例を示すものである。
すなわち、表1の例では、温度センサの故障を判断する際には、「高炉の状況が悪化した際には、周方向の同じ位置に設けられる温度センサの計測データが、どのステーブ(高さ)でも高くなる」という考え方に則り、各ステーブ9に設けられる温度センサの中で周方向の位置が同じ温度センサ間で同様な結果が得られるかどうかに着目している。つまり、各ステーブ9において周方向の位置が同じ温度センサの計測データ(表の例では3データ)をすべて挙げ、計測データ同士を比較する。比較の結果、故障を判断しようとしている温度センサの計測データが、周方向位置が同じである他の計測データと異なる変化傾向を示す場合は、「温度センサが故障している(以降、故障判定という)」と判断する。また、計測データが同じような変化傾向を示す場合は「温度センサは故障していない(以降、正常判定という)」と判断する。このような判断は、「故障する温度センサは原則として1つのみである」という考え方に従っている。
このような故障判断を行った結果、故障判定された温度センサの個数が、同一高さに設けられた温度センサの中で、予め定められた閾値(表1の例では「2個」)を下回る場合に第1補正処理が行われ、閾値以上となる場合に第2補正処理が行われる。また、故障判定された温度センサの個数が、周方向位置が同じ温度センサの中で、予め定められた閾値を下回る場合にも第1補正処理が行われ、閾値以上となる場合には第2補正処理が行われる。
なお、表1の例では、閾値(故障センサの個数の閾値)は「温度重心スコア」、「温度差スコア」、「平均温度スコア」のそれぞれに対して、「ujh」、「ush」、「uah」と個別に設定されている。そして、各スコアごとに閾値以上であるかどうかの判断が行われ、閾値より小さい場合には、第1補正処理として、同じ高さに位置する温度センサの計測データのうち、正常判定された温度センサの計測データを用いた線形補間が行われる。
また、閾値以上である場合は、第2補正処理として、「温度重心スコア」や「温度差スコア」の場合はスコア値を最大値の「1」に置換する処理が、また「平均温度スコア」の場合は故障判定された温度センサを含む同じ高さのスコア値を最大値の「1」に置換する処理が行われる。
一方、表1の上側に示される[前提]は、圧力センサの計測データに対して第1補正処理を行う際の前提、言い換えれば判断部での圧力センサの故障判断の例を示すものである。
すなわち、表1の例では、圧力センサの故障を判断する際には、「高炉の状況が悪化した際には、上下方向の同じ高さに設けられる温度センサの計測データが、全て高くなる」という考え方に則り、同じステーブ9(同じ高さ)に設けられる圧力センサ同士の間に同様な変化傾向が見られるかどうかに着目する。つまり、同じステーブ9に設けられる圧力センサで計測された計測データの変化傾向を比較し、比較の結果、故障を判断しようとする圧力センサの計測データが、同じ高さに位置する他の計測データと異なった変化傾向を示す場合は故障判定とし、計測データ同士の変化傾向に差がない場合は正常判定としている。このような判断も、「故障する圧力センサは原則として1つのみである」という考え方に従っている。
このような故障判断を行った結果、故障判定された圧力センサの個数が、周方向位置が同じで高さが異なる温度センサの中で、予め定められた閾値(表1の例では「uph」)を下回る場合に第1補正処理が行われ、閾値以上となる場合に第2補正処理が行われる。そして、第1補正処理では、平滑化処理の対象から故障判定された圧力センサの計測データを除外する、言い換えれば、平滑化処理に続いて行われる「炉体圧スコア」の算出から故障判定された圧力センサの計測データを除外するという処理が行われる。
上述した表1の処理条件を用いれば、故障したセンサの計測データが「吹き抜け」の発生可能性や発生規模の予測結果に影響し難くなり、吹き抜けが実際には起こらないのに吹き抜けがさも起こるかのように報知が繰り返される「過検出現象」、あるいは、吹き抜けが実際に起こりそうであるのに吹き抜けを見逃して報知が全くされない「見逃し現象」を防止乃至抑制することが可能となる。
次に、上述したセンサの故障検知システム、すなわち本発明のセンサ故障検知システムについて説明する。
図3〜図5に示すように、本実施形態のセンサの故障検知システムは、以降に示す第1のステップ〜第3のステップを行うことによって、対象となるセンサ12の故障を判断するものとなっている。この「対象となるセンサ12」とは、高炉に設けられた複数のセンサ(例えば、図4に黒点で示されるもの)のうち、上述した判断部で故障を判断しようとしているセンサのことである。例えば、判断部では、複数のセンサのそれぞれについて個別に故障の判断が行われ、この個別の判断がすべてのセンサに対して行われる。この判断部で故障の判断が行われている1個1個のセンサが、上述した「対象となるセンサ12」に相当する。
つまり、図3及び図5のフローチャートに示すように、故障検知システムの第1のステップでは、対象となるセンサ12の周辺のセンサで計測値が計測される(S1)。そして、計測された計測値から、対象となるセンサ12の計測結果の推定値を推定するものである。具体的には、本実施形態の故障検知システムでは、対象となるセンサに対して、周方向及び高さ方向に隣接しているセンサの計測値を計測し(S2)、計測された計測値を用いて対象となるセンサの推定値を計算している(S3)。
この推定値は、周方向や高さ方向に計測値がある程度連続的に変化すると仮定して、対象となるセンサ12に対して周方向や高さ方向に隣接する計測値の重み付き平均を求め、求められた重み付き平均値を中間推定値(中間値)とするものである。この中間推定値は、周方向について求める場合には、高さ方向に隣接する計測値を平均化することで求められ、また高さ方向について求める場合には、周方向に隣接する計測値を平均化することで求められる。
例えば、周方向に並んだセンサの計測値を平均化して中間推定値を求める場合であれば、対象となるセンサ12と同じ高さに位置する同種の全てのセンサについて、計測値の平均値(計測値の周方向の平均値)を求める。なお、「同種のセンサ」とは、対象となるセンサ12が温度センサであるなら同じ高さに位置する温度センサを、また対象となるセンサが圧力センサであるなら同じ高さに位置する圧力センサを、同種のセンサとするという意味である。上述のようにして求められた計測値の平均値が、周方向の中間推定値となる。
この中間推定値は、周方向に平均化する場合であれば、次の式(1)のように示すこともできる。
ここで計測値とは、対象となるセンサ12が温度センサであれば温度の計測値、圧力であれば圧力の計測値を示す。
一方、高さ方向に並んだセンサの計測値を平均化して中間推定値を求める場合であれば、対象となるセンサ12と周方向で同じ位置に設けられる同種の高さ方向に隣接するセンサについて、計測値の平均値(計測値の高さ方向の平均値)を求める。
例えば、高さが(h)のセンサの中間推定値を求める場合は、高炉の上部に位置する高さが(h+1)のセンサと、高炉の下部に位置する高さが(h−1)のセンサとの平均値を求める。このとき、高さが(h+1)のセンサから対象となるセンサ12までの距離と、高さが(h−1)のセンサから対象となるセンサまでの距離とは異なる場合が考えられる。そのため、高さ方向の距離の比を用いた内分値を高さ方向の平均化に加味し、以下の式(2)ように計算を行う。
なお、周方向の同じ位置に配備されたセンサ、言い換えれば上下方向に並ぶセンサのうち、最上部に位置するセンサのさらに上部や、最下部に位置するセンサのさらに下部にはセンサがないため、高さ方向に隣接するセンサのうち、1番目に近い高さのセンサと2番目に近い高さのセンサとの計測値を用いて式(3)のように計算するとよい。
上述した操作が、本実施形態のセンサ故障検知システムの第1のステップである。
次に、本実施形態のセンサ故障検知システムの第2のステップを説明する。
図5の「S4」に示すように、センサ故障検知システムの第2のステップは、あるセンサについて上述した第1のステップで求められた周方向の中間推定値、及び高さ方向の中間推定値に基づいて、乖離度を求めるものである。このとき最終的な推定値としてはどちらかの中間推定値をそのまま用いてもよいし、2つの中間推定値の重み付平均値を用いてもよい。
この乖離度を求める場合には、上述した式(1)〜式(3)に従って求められる対象となるセンサ12の中間推定値(推定値)及び計測値を経時的に計測し、これらの経時的な変化を「推定値の挙動」あるいは「計測値の挙動」としてまず把握する。そして、得られた推定値の経時変化のデータや計測値の経時変化のデータから、一定期間に亘るデータを抽出し、その期間での分散値及び平均値を求める。このようにして抽出された計測値のデータから求められた平均値が計測値の絶対値平均であり、抽出された推定値のデータから求められた平均値が推定値の絶対値平均である。このようにして計測値と推定値の双方に対して、絶対値平均と分散値が求められたら、求められた絶対値平均と分散値をそれぞれX軸、Y軸の指標に用いて2次元平面上の点として示すことができる。例えば、絶対値平均をX軸にすると共に、分散値をY軸にした2次元平面を考えた場合、計測値と推定値とは2次元平面上の別の点としてそれぞれ位置することになる。
このようにして計測値と推定値とが2次元平面上の点として示されたら、これら2点間の重み付距離を以下の式(4)のように計算することができる。この重み付距離が、本実施形態の「乖離度」となる。
つまり、故障しているセンサでは、計測値の絶対値が周囲のセンサの値に比べて大きくずれることが多い。しかし、その一方で、絶対値の大きさは変わらずに、値のばらつき(分散)が非常に変化することも十分に起こり得る。それゆえ、上述した乖離度として式(4)のようなものを用いれば、対象となるセンサ12について実際に計測された計測値と、周囲のセンサから推定される推定値との双方について、絶対値そのものが大きく乖離した場合と、値のばらつき具合が大きく変化した場合との二つの変化を捉えることで、総合的に且つ正確にセンサの故障を検知することができる。
上述した操作が、本実施形態のセンサ故障検知システムの第2のステップである。
次に、本実施形態のセンサ故障検知システムの第3のステップを説明する。
図5の「S5」に示すように、センサ故障検知システムの第3のステップは、 このようにして式(4)に基づいて乖離度Ed hが得られたら、本発明の高炉のセンサ故障検知システムでは、求められた乖離度Ed hが、所定の閾値以上であるかどうかで、センサが故障しているかどうかを判断する。
次に、センサの故障を判断する閾値の設定方法について説明する。
つまり、各センサについて経時的に求められた乖離度に対して、センサが正常でかつ安定して動作しているような期間を選択する。このような期間としては、例えば8時間以上送風流量を変化させていないような期間を抽出するとよい。このような期間に計算された乖離度の平均をμ’、標準偏差をσ’とすると、計算された乖離度の平均と標準偏差から乖離度を正規化して正規化値(=(Ed h−μ’)/σ’)を求めることができる。このようにして求められた乖離度の正規化値を基準にして閾値を設定することができる。
すなわち、炉況が安定している場合は正規化値5、つまり正規化値の5倍を閾値とし、正規化値5を超えるような乖離度のときにセンサが故障したと判断し、正規化値5以下のときはセンサは故障していないと判断する。また、炉況が悪いときは1つの計測点で周囲と比べて突出した温度(圧力)となる可能性が高いため、安定時に比べて閾値を大きく設定するものとし、正規化値7〜10を閾値とする。
このように閾値を炉況に応じて変化させれば、センサ故障の過検出を低減することが可能となる。すなわち、高炉の炉況が悪いときは、ある特定の高炉の部位のみで温度や圧力が急に悪化することがある。そのため、炉況が安定しているときと同様の基準で、センサの故障を判断すると、センサの故障が過検出となりがちになる。当然、センサの故障が過検出されると、吹き抜けのような高炉の異常状況を判断する際にも、判断結果に信憑性がなくなるため、好ましくない。そのため、吹抜の危険度で炉況を判断して危険度が大きいときには、閾値を大きくして過検出を減らすことができる。
上述のようにして求められた対象となるセンサ12の乖離度が、閾値以上となっている場合には次のステップに進む。また、求められた対象となるセンサの乖離度が、閾値を超えていない場合(閾値より小さいの場合)は対象となるセンサは故障していない(正常である)と判断する。
さらに、図5の「S6」に示すように、上述した「S5」の判断で、センサの乖離度が閾値以上となっていると判断された場合には、対象となるセンサ12の周囲に位置するセンサ、言い換えれば周方向や高さ方向の中間推定値を推定する場合に用いられたセンサの乖離度と、対象となるセンサ12の乖離度とを比較する。
比較の結果、対象となるセンサ12の乖離度が周囲に位置するセンサの乖離度より大きくない場合には、対象となるセンサ12は故障していない(正常である)と判断する。しかし、対象となるセンサ12の乖離度が周囲に位置するセンサの乖離度より大きい場合には、対象となるセンサを故障していると判断する。
このようにして対象となるセンサが故障していると判断されたら、故障している旨を表示モニタなどに表示する。
上述した操作が、本実施形態のセンサ故障検知システムの第3のステップである。
なお、互いに隣接し合う複数個のセンサが同時に故障している場合には、故障しているセンサの計測値から得られる中間推定値を用いて隣接するセンサの乖離度を計算すると、算出された乖離度が実際よりも低くなるなどして乖離度を的確に判断できなくなる可能性もある。そこで、互いに隣接し合う複数個のセンサが同時に故障している場合には、以下の第4のステップに示す操作を行うとよい。
すなわち、上述したように乖離度は、対象となるセンサ12に対して、周方向に隣接するセンサ及び高さ方向に隣接するセンサの計測値から中間推定値を算出し、算出された中間推定値と対象となるセンサ12の計測値を統計的に処理して算出される。この乖離度の計算は、対象となるセンサ12に隣接するセンサに対しても等しく行われる為、隣接するセンサについて乖離度を求める際にも、隣接するセンサに対する中間推定値が当然ながら算出される。
そこで、故障したと判断される隣接するセンサについては、中間推定値を算出する際に本来用いられる隣接するセンサの計測値に替えて、隣接するセンサの推定値を用いて(置き換えて)再度故障診断を行う。この操作が、本実施形態のセンサ故障検知システムの第4のステップである。上述した第4のステップは、周辺のセンサの乖離度がすべて閾値を下回るまで、繰り返し行われる。
このようにすれば、互いに隣接し合う複数個のセンサが同時に故障している場合にも、乖離度を的確に判断することができ、センサの故障を精度良く判断することが可能となる。
なお、上述した第4のステップに替えて、以降に示す第5のステップを用いても良い。
すなわち、本実施形態のセンサ故障検知システムの第5のステップは、対象となるセンサの第1のステップで、既に「故障している」と判断されたセンサが周辺のセンサとして選択された場合は、周辺のセンサの計測値を平均して平均値を求め、対象となるセンサに対する周辺のセンサであって、「故障している」と判断されたセンサの計測値を、求められた平均値で置き換えるというものである。
このような第5のステップを設ければ、隣接するセンサで計測される計測値は似た値を示すことが多いため、その平均値を推定値とすることで、センサが正常な場合はある程度の精度で短時間にセンサの故障を推定することができる。
上述した本実施形態の高炉のセンサ故障検知システムによれば、圧力や温度などの物理量をセンシングしてその計測値を用いてアクションを行う操業において、物理量をセンシングするセンサが故障している場合であっても、故障センサが発する異常値により誤ったアクションをとることがなくなる。さらにセンサ自体の故障でなくても、付着物などによりセンサが異常な計測値を示している場合にもそれを検知することができる。
また、高炉は操業条件によって、各計測値は様々な挙動を示すため、1つのセンサの計測値を観察しても故障かどうか判別できない。そのため周辺のセンサ計測値と操業条件を用いて故障有無を判断し、適切な高炉操業に繋げることができる。
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述した実施形態では、高炉の異常状況として「吹き抜け」を挙げたが、高炉の異常状況としては吹き抜け以外の操業トラブルを挙げても良い。また、上述した実施形態では、複数のセンサとして「温度センサ」や「圧力センサ」を挙げたが、これら以外の物理量を計測するセンサを用いてもよい。
上述した実施形態では、上述した重みαは定数であった。しかし、対象となるセンサからの距離に応じて重みを変化させても良い。例えば、対象となるセンサから遠いセンサの重みを小さくして、近くのセンサの重みを大きくした重み付平均で計算してもよい。
上述した実施形態では、対象となるセンサの上部と下部にセンサがあるような高炉を挙げた。しかし、高さ方向の中間推定値について、センサが格子状に配置されておらず、上部と下部のセンサの定義ができない場合には、高さ方向の計算は行わずに周囲方向の中間推定値を対象となるセンサの推定値としてもよい。
上述した実施形態では、対象となるセンサに隣接して故障したセンサが複数あった場合には計測値に替えて推定値を用いる例を挙げた。しかし、この故障したセンサを除外して再計算を行っても良い。つまり、推定値計算に故障センサを用いた全てのセンサでなく、前試行で閾値以上となったセンサについてのみ再計算を行ってもよい。
上述した実施形態では、対象となるセンサが故障しているかどうかの結果を表示する例を挙げた。しかし、表示するデータが対象となるセンサ(故障と判断されたセンサ)の計測値から計算される値の場合には、故障したことを直接表示しなくても、補完計算方法を用いて、補完した値を表示することとしてもよい。
1 高炉設備
2 炉体
3 鉄皮
4 耐火物
9 ステーブ
10 開口(羽口)
11 出銑口
12 対象となるセンサ

Claims (10)

  1. 高炉に設けられた複数のセンサで計測された計測値に基づいて操業を行う高炉に対して、前記複数のセンサのうち、対象となるセンサの故障を検知する高炉のセンサ故障検知システムであって、
    前記複数のセンサのうち、対象となるセンサについて、当該対象となるセンサの周辺のセンサで計測された計測値から、前記対象となるセンサの計測結果の推定値を推定する第1のステップと、
    前記第1のステップで推定された推定値の挙動、及び前記対象となるセンサで計測される計測値の挙動から、前記対象となるセンサの乖離度を計算する第2ステップと、
    前記第2ステップで計算された乖離度が、炉況に応じて予め定められた閾値以上であって、かつ前記周辺のセンサの乖離度と比べて最も大きい場合に、前記対象となるセンサを故障していると判断する第3ステップと、
    備えていることを特徴とする高炉のセンサ故障検知システム。
  2. 炉況が悪化した場合に、前記閾値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の高炉のセンサ故障検知システム。
  3. 前記対象となるセンサの第1のステップで、既に「故障している」と判断されたセンサが周辺のセンサとして選択された場合は、
    前記「故障している」と判断されたセンサの故障判断における第1のステップで得られる推定値で、前記対象となるセンサに対する周辺のセンサの計測値を置き換える第4のステップを設け、
    前記周辺のセンサの乖離度がすべて閾値を下回るまで、前記第4のステップを繰り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の高炉のセンサ故障検知システム。
  4. 前記周辺のセンサの計測値を平均して平均値を求めておき、
    前記第1のステップで、前記対象となるセンサの周辺のセンサで計測された計測値から、前記対象となるセンサの計測結果の推定値を推定するに際しては、
    前記対象となるセンサに対する周辺のセンサの計測値を、前記求められた平均値で置き換える第5のステップを行う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉のセンサ故障検知システム。
  5. 前記対象となるセンサにおいて、一定時間に亘って計測される計測値及びこの計測値から得られる推定値から絶対値平均及び分散値を求め、
    求められた絶対値平均と分散値によって2次元平面を作成し、
    作成された2次元平面における推定値と計測値間の重みつき距離から乖離度を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高炉のセンサ故障検知システム。
  6. 高炉に設けられた複数のセンサで計測された計測データに基づいて、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模をスコア値にて予測する高炉の異常状況の予測システムであって、
    前記複数のセンサのうち、請求項1〜5のいずれかに記載のセンサ故障検知システムもしくは操業者の判断・経験により「故障している」と判断されたセンサの個数が、予め定められた上限個数より少ない場合には、第1補正処理を行った上で、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模を示すスコア値を算出し、
    前記複数のセンサのうち、故障しているセンサの個数が、予め定められた上限個数以上である場合には、第2補正処理を行うことで、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模を示すスコア値を算出するように構成されている
    ことを特徴とする高炉の異常状況の予測システム。
  7. 前記複数のセンサは、前記高炉の炉体の周方向及び高さ方向の複数位置に配備された圧力センサ又は温度センサであることを特徴とする請求項6に記載の高炉の異常状況の予測システム。
  8. 前記第1補正処理は、
    正常な温度センサの計測値を用いて補間することにより、前記故障している温度センサの計測データを算出するように構成されていることを特徴とする6または7に記載の高炉の異常状況の予測システム。
  9. 前記第1補正処理は、
    前記故障している圧力センサの計測値を除外して前記スコアを算出する構成とされていることを特徴とする6〜8のいずれかに記載の高炉の異常状況の予測システム。
  10. 前記第2補正処理は、
    前記算出されたスコア値のすべてを、前記高炉の異常状況の発生可能性又は発生規模が最大であることを示すスコア値に置き換える構成とされていることを特徴とする6〜9のいずれかに記載の高炉の異常状況の予測システム。
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