JP2015086461A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015086461A
JP2015086461A JP2013228472A JP2013228472A JP2015086461A JP 2015086461 A JP2015086461 A JP 2015086461A JP 2013228472 A JP2013228472 A JP 2013228472A JP 2013228472 A JP2013228472 A JP 2013228472A JP 2015086461 A JP2015086461 A JP 2015086461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
coke
layer
blast furnace
distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013228472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6248550B2 (ja
Inventor
浩樹 西岡
Hiroki Nishioka
浩樹 西岡
琢哉 夏井
Takuya Natsui
琢哉 夏井
公平 砂原
Kohei Sunahara
公平 砂原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2013228472A priority Critical patent/JP6248550B2/ja
Publication of JP2015086461A publication Critical patent/JP2015086461A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6248550B2 publication Critical patent/JP6248550B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)

Abstract

【課題】装入物分布モデル及び高炉数学モデルを利用して、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を提供すること。【解決手段】原料装入条件、送風条件、センサーにより求めた原料層の堆積角及び炉頂ガス組成に基づき炉頂装入物の堆積形状を計算し、前記堆積形状の鉱石層とコークス層の境界面を,下記式(1)を用いて追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の形状変化、融着帯とコークススリットの形成変化及び炉内の圧力分布に関する炉内状況を計算し、前記炉内状況の計算結果に基づき原料装入条件又は送風条件を変更することを特徴とする高炉操業方法。ただし、f:体積存在率、t:時間、u:固体の流速、R:体積消滅速度【選択図】図1

Description

本発明は、高炉操業方法に関する。特に、装入物分布モデル及び高炉数学モデルを利用した高炉操業方法に関する。
近年の資源劣質化により高炉で使用する装入物の多種多様化が求められている。そしてかかる環境下で、高出銑、低還元材比操業が求められ、これを達成するためには、従来以上に高精度な高炉操業技術の開発が期待されている。
大型高炉を安定して操業するには、高炉内での還元ガスの通気性の確保が重要である。
高炉の通気性は、高炉の径方向での鉱石とコークスの層厚比(以下O/Cという。)により径方向に通気抵抗分布が形成されるため、そのコントロールが大切である。
高炉においては、炉頂から鉱石とコークスを順次に炉内に装入し、鉱石層とコークス層が逆V型の斜面を形成する装入物装入方式が一般的である。最近の大型高炉においては、炉頂部に旋回機能を有し、且つ、その俯仰角度が変更できるシュートを設け、このシュートにより原料をリング状に炉内に装入する旋回シュート式原料装入装置が採用されている例が多い(以下、ベルレス高炉と記す。)。
ベルレス高炉においては、旋回シュートの俯仰角度を変更することにより、装入物を炉内周辺部から装入を開始し、炉中心に向け装入する方法が一般に行われている。ここで、コークスを装入して形成したコークス層の斜面の上に鉱石を装入すると、装入時の鉱石の落下エネルギーにより、コークスが炉内側に押し流され、コークス層の崩れや流れ込みが発生する。このコークス層の崩れや流れ込みは、炉径方向を、炉内周辺部、炉中間部及び炉中心部に分割すると、装入鉱石が落下する炉内周辺部及び炉中間部において顕著である。また、この鉱石装入によるコークス層の崩れや流れ込みは、ベル式装入装置を有する高炉(ベル高炉)においても、同様である。
近年、高炉操業は、微粉炭の大量吹き込みにより、低コークス比操業へ移行している。その結果、炉頂から装入するコークス量は、鉱石量に対して減少してきており、その為、コークス層の厚みが薄くなる傾向にある。そして、炉頂から装入するコークス量の低下に伴い、炉内周辺部、炉中間部におけるコークス層表面のプロフィール形状の変化と炉中心部付近の堆積角の変動幅の増大が助長され、局所的にコークス層厚の非常に薄い場所が形成される。
高炉内のガスの通気性は、コークス層により維持され、特に鉱石層が軟化・融着と溶融を開始する融着帯の近傍では、コークス層による通気性確保が重要である。局所的にコークス層厚が非常に薄い場所が形成されると、通気性が悪化し安定的な高炉操業の妨げとなる。
低コークス比操業への移行に際し、装入物分布モデルを用い、装入物装入条件に対応した装入物分布を計算機により計算し、最適な装入物分布を追及する考え方がある。
また、高炉の炉頂からの装入物装入条件と高炉羽口からの送風条件に対応した高炉炉内の温度、圧力及び融着帯形状を数学モデルにより計算機を用い計算し、最適な高炉操業方法を追及する考え方がある。
あらかじめ高炉炉内半径方向のガス流れや装入物の分布状況判断を行うための知識データベースを備えた知識工学システムにより、高炉炉内半径方向のガス流れや装入物の分布状況を推論し、この分布状況が適正領域から外れた場合、装入物分布予測モデル計算を行って適正領域に戻すための最適な装入物分布制御条件を求め、それに基づいて装入物の分布を制御する方法が開示されている(特許文献1)。
高炉炉内の流動、反応、および伝熱を同時解析した高炉数式モデルによってシミュレートした融着帯の位置および形状を炉内の測定ゾンデで得られた情報で検証し、鉱石還元率分布、ガス温度分布、圧力分布、融着帯形状の差が生じた場合には、ガス拡散係数、ガス境膜伝熱抵抗、炉芯の空隙率、装入物降下速度分布をパラメーターとして差異を修正し、実炉における最適な融着帯の位置・形状を探索し、適度な中心流が発達した逆V型を理想形として、装入物分布条件および送風条件を調整して最適操業条件を見出し、実炉に適用する高炉操業方法が開示されている(特許文献2)。
本発明者等は、高炉のガス分布を制御し、安定な高炉操業を可能とする装入物の分布制御方法を発明した(特許文献3)。当該発明は、高炉の上部で測定された炉内半径方向のガス組成分布(計測値)と、炉頂部の原料堆積層の構造およびガス流れ分布に基づいて算出される炉内半径方向のガス組成分布(計算値)との差が最小になるように、炉内中間部のコークスの堆積角を修正することにより、原料堆積層表面のプロフィール形状の計測値からは検知できない炉内の中間部におけるコークス層の崩れや流れ込みが生じた後の、装入物の層構造を高精度で表すことができるものである。
特公平6−63009号公報 特公平6−2886号公報 特開2000−8105号公報
高炉の装入物分布又は、高炉内の数式モデルに関する特許文献1又は特許文献2に記載の発明は、下記の課題がある。即ち、特許文献1に記載の発明は、過去の実績により構築されたデータをベースにしているため、炉内中心付近の堆積角の変動、鉱石の落下点付近の原料堆積層表面の乱れ等、検知不能な現象を考慮する事が出来ず、半径方向の装入物分布の変動に対する予測精度が低下し、最適な装入物分布制御を行うことは困難であるという問題がある。
特許文献2に記載の発明は、「理想とされる逆V型の融着帯形状を与える装入物分布条件および送風条件の探索」を目的として開発されており、高炉内の層構造を考慮していないため、融着帯の圧力損失を正しく推定することが出来ない。低コークス比操業時において、コークススリット厚みの減少に伴い炉内圧力損失が上昇し、高炉操業が不安定となった際の解決手段を提供することが出来ないという問題がある。
本発明者等による特許文献3に記載の発明は、装入物装入条件に対応した装入物の堆積形状をモデルにより高精度に計算するものであり、計算された鉱石層とコークス層の高炉炉内における挙動について言及するものではない。
そこで、本発明者等は、装入物分布モデルにより装入物の堆積形状を計算し、計算された堆積形状の高炉炉内における挙動について、鉱石層とコークス層の境界面を高炉数学モデルにより追跡し、高炉内の荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の変化を計算することにより、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
本願発明は、装入物分布モデル及び高炉数学モデルを利用して、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、装入物分布モデルにより炉頂での鉱石層とコークス層の堆積形状を計算し、高炉数学モデルにより鉱石層とコークス層の境界面を追跡することにより高炉内の圧力損失が少ない高炉操業が可能であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
<1>原料装入条件、送風条件、センサーにより求めた原料層の堆積角及び炉頂ガス組成に基づき炉頂装入物の堆積形状を計算し、前記堆積形状の鉱石層とコークス層の境界面を,下記式(1)を用いて追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の形状変化、融着帯とコークススリットの形成変化及び炉内の圧力分布に関する炉内状況を計算し、前記炉内状況の計算結果に基づき原料装入条件又は送風条件を変更することを特徴とする高炉操業方法。
Figure 2015086461
ただし、f:体積存在率、t:時間、u:固体の流速、R:体積消滅速度
<2>前記炉内状況の計算結果において、炉内で圧力損失が最も大きな箇所を特定し、当該箇所に対応する装入コークスの層厚を増加することを特徴とする<1>に記載の高炉操業方法。
本発明は、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を提供することができる。
本発明の高炉炉頂装入物の分布制御方法を適用することにより、高炉のガス流れ分布を適正に制御して、低コークス操業下においても安定な高炉操業を行うことができる。
本発明の第一の実施形態を説明する図である。 高炉数学モデルの概略を説明する図である。 高炉数学モデルによる炉内層構造の一例を示す図である。 本発明の第二の実施形態を説明する図である。 装入物の装入スケジュールを変更した際の送風圧力と炉頂圧力の差を示す図である。 旋回シュートによる装入を説明する図である。 装入物の装入スケジュールおよびコークス比を変更した際の送風圧力と炉頂圧力の差を示す図である。
本発明は、まず、高炉に装入した鉱石とコークスが炉頂で形成する鉱石層とコークス層の構造を装入物分布モデルにより計算する。この場合、鉱石装入によるコークス層の崩れや流れ込みも考慮することに特徴がある。次に、炉頂で形成された鉱石層とコークス層の構造が、炉内に降下する際に、昇温・還元・軟化・融着及び溶融していく過程を、高炉数学モデルを用いて解析する。この場合、鉱石層とコークス層の境界面を追跡することに特徴がある。このようにして計算した高炉内の温度分布、圧力分布及び融着帯形状に対応して、適切な装入条件の変更又は送風条件の変更を実施することにより、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を提供することができる。
(第一の実施形態)
本発明に係る第一の実施形態は、まず、原料装入条件、送風条件、センサーにより求めた原料層の堆積角及び炉頂ガス組成(計測値)に基づき炉頂装入物の堆積形状を装入物分布モデルにより計算し、次に、高炉数学モデルにより、堆積形状の鉱石層とコークス層の境界面を追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の形状変化及び融着帯とコークススリットの形成変化並びに炉内の圧力分布を計算し、計算結果に基づき原料装入条件又は送風条件を変更する実施形態である。
図1は、本発明の第一の実施形態を説明する図である。まず、装入物分布モデルにより、炉頂における装入物の堆積形状を高精度に計算する。対象高炉の操業の送風条件、装入物の装入条件、炉頂装入物の表面形状(計測値)、半径方向の温度分布(計測値)およびガス組成分布(計測値)を装入物分布モデルにインプットし、炉頂装入物の堆積形状を高精度に推定する。炉頂装入物の表面形状(計測値)とは、装入物装入後にプロフィール計等により炉頂装入物の表面形状を測定したものをいう。半径方向の温度分布(計測値)及びガス組成分布(計測値)とは、炉頂表面の上部に装入した検出端等により計測した半径方向の温度とガス組成分布である。装入物分布モデルは、本発明者等によるモデル(特開2000−8105号公報)を用いる。
前記装入物分布モデルにおいては、プロフィール計により求められた炉頂装入物の表面形状(計測値)に、斜面に堆積する際の粒度偏析を考慮して原料堆積層の構造を決め、送風条件により与えられる上昇ガス量を原料堆積層の構造に応じて分配し、炉内半径方向のガス流れ分布及び炉内半径方向のガス組成分布を算出する。
しかし、このように算出した炉内半径方向におけるガス組成分布(計算値)と、半径方向の実際のガス組成分布(計測値)は、原料堆積層表面のプロフィール形状計測値からは検知できない炉周辺部及び中間部におけるコークス層の崩れや流れ込みの影響により、一致しない。
そこで、コークス層の崩れや流れ込みに起因する炉内の中間部のコークスの堆積角を修正しながら、さらには、炉内の中心部におけるコークスの堆積角および炉内周辺部における鉱石の堆積角を修正しながら、つまり、炉内の中間部、中心部および周辺部のそれぞれの領域における堆積角の値を少しずつ変更して、炉内半径方向におけるガス組成分布の算出を繰り返すことで、炉内半径方向におけるガス組成分布(計算値)と、半径方向の実際のガス組成分布(計測値)の差が最小となり、炉頂装入物の堆積形状を高精度で推定することができる。
次に、炉頂装入物の堆積形状は、炉内を降下するに従い、昇温と反応により変化する。装入物分布モデルにより得られた炉頂装入物の堆積形状及び送風条件を高炉数学モデルにインプットし、高炉炉内におけるコークス層および鉱石層の層構造の変化を高精度に予測し、高炉炉内の温度分布、鉱石還元率分布、コークスガス化率分布、圧力分布、融着帯形状、炉内層構造等を求める。
本発明に用いる高炉数学モデルを説明する。図2は、高炉数学モデルの概略を説明する図である。
高炉数学モデルは高炉内のガス流れ、固体流れ、液体流れ、反応、伝熱、炉内層構造を同時に求めるものである。図2に示す手順で順次計算を進め、装入に伴う周期的な変動が擬定常状態に達するまで計算を行う。従来の高炉数学モデル(例えば特公平6−2886号公報)との最も大きな違いは、炉頂に装入された鉱石層とコークス層の境界面を高精度に追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層およびコークス層の層構造の変化、すなわち、融着帯におけるコークススリットの数、およびコークススリットの半径方向の厚みを高精度に推定できるところにある。
鉱石層とコークス層界面の追跡には、VOF法を採用した。VOF法とは、流体界面を表現する計算手法で、ある流体の体積存在率fに着目し、界面形状をある流体とそれ以外の流体の境界線(あるいは面)として間接的に追跡する方法である。鉱石層とコークス層の体積存在率fを変数として、荷下がりに伴い変化する鉱石層とコークス層の各時刻における体積存在率分布を(1)式により求めた。
体積存在率fの時間積分にはクランク−ニコルソン法を採用した。クランク−ニコルソン法とは、例えば、(1)式の第2項を、現在と過去2つの時刻で評価し、それらの平均値を用いることで、安定的かつ高精度に計算を行う方法である。荷下がりに伴う層構造の変化を高精度に追跡するには、体積存在率fの対流項である、第2項の取り扱いが重要となるが、Ubbinkらが提案したCICSAM法(例えば非特許文献、Ubbink O and Issa,R.I.,J.Comput.Phys.153(1999)26−50参照)を使用した。CICSAM法は、(1)式の第2項の取り扱いに関して、流れの方向と界面とがなす角度に応じて、適切な手法を使い分けることにより、界面の移動を高い精度で追跡する方法である。
Figure 2015086461
ここで、f:体積存在率、t:時間、u:固体の流速、R:体積消滅速度である。
塊状帯でのガス流れについては、Ergunらが提唱した充填層の圧力損失と流速の関係を使用した。融着帯における融着鉱石層の圧力損失は塊状帯での圧力損失に比例するものとし、比例定数γを温度および高温通気抵抗指数KS(例えば、鉄と鋼 Vol.87 (2001) P350−P356参照)の関数として与えた。高温通気抵抗指数KSは、各温度における単位長さ当たりの圧力損失を、密度、粘度等で補正した後、温度で積分することにより求められる値であり、高温通気抵抗指数KSが小さいほど融着鉱石層の通気性が良いことを表す。
Figure 2015086461
ここで、T:温度、Tc:融着開始温度、Tm:溶け落ち温度である。
融着帯および炉芯におけるコークス層のガス流れについては、塊状帯と同様、Ergunらが提唱した充填層での圧力損失と流速の関係を使用し、ガス流速と圧力損失を求めた。高炉炉内の圧力分布、温度分布の推定精度を上げるために、高炉の炉壁に設置された圧力計により測定された高さ方向の圧力分布と、高炉数学モデルにより求めた高さ方向の圧力分布が一致するように、充填層の空隙率を調整した。
焼結鉱の還元反応に関しては、ヘマタイト/マグネタイト、マグネタイト/ウスタイト、ウスタイト/Feそれぞれの界面において同時に還元反応が進行するとした3界面未反応核モデルを採用し、コークスのガス化反応に関しては、粒子内における反応速度と拡散速度の比であるThiele modulusを使用した反応モデルを採用した。また固体の降下挙動に関しては、Kinematicモデルを採用し、速度分布を求めた。Kinematicモデルは、水平方向の速度が、高さ方向の速度勾配および充填粒子直径に比例すると仮定して、固体の速度分布を求めるモデルである。
図3に高炉数学モデルによる炉内層構造の一例を示す。炉頂に装入された鉱石層1及びコークス層2は、炉内を降下するに従い、昇温と反応を受け、変形していく。鉱石層の炉内側は、軟化・融着した融着帯を形成している。
従来技術(例えば特公平6−2886号公報)では、融着帯形状の推定に留まっていたが、本発明は、鉱石層とコークス層の境界面を高い精度で追跡することにより、融着帯形状のみならず、融着帯に存在するコークススリットの数、各コークススリットの形状・厚み、コークススリット層が最も薄い場所、すなわち、炉内で最も圧力損失が高く高炉の安定的な操業を阻害している場所を特定することが可能となった。
高炉数学モデルにより得られた高炉炉内の温度分布、鉱石還元率分布、コークスガス化率分布、圧力分布、融着帯形状、炉内層構造に対応して、装入条件、送風条件を変更することにより、高炉のガス流れ分布の適正化を図ることができる。
送風条件としては、羽口からの送風量、送風温度、酸素富化量及び微粉炭吹き込み量等を変更すること、装入物の装入条件としては、装入バッチあたりの鉱石量、コークス量を変更すること、又は、鉱石、コークスの炉半径方向の装入位置を変更することにより、低コークス操業下においても安定な高炉操業を実施することができる。
(第二の実施形態)
高炉数学モデルによる計算結果において、炉内で圧力損失が最も大きな箇所を特定し、当該箇所に対応するコークス層厚を増加する高炉操業方法である。
図4は、本発明の第二の実施形態を説明する図である。
得られた高炉炉内の圧力分布に基づき、最も圧力損失が高く、通気のネックとなっている場所を特定する。圧力損失が最も高い場所のコークス層の厚みを増加させるように、装入スケジュールを変更する。装入スケジュール変更後の炉頂装入物の堆積形状を装入物分布モデルにより推定する。装入物分布モデルにより推定された炉頂装入物の堆積形状に基づき、再度、高炉数学モデルにより高炉炉内の鉱石還元率分布、コークスガス化率分布、圧力分布、融着帯形状、炉内層構造等を求める。得られた高炉炉内の圧力分布に基づき、最も圧力損失が高く、通気のネックとなっている場所を特定する。圧力損失が最も高い場所のコークス層の厚みを増加させるように、装入スケジュールを変更するという手順を、送風圧と炉頂圧との圧力差が最小となるまで繰り返すことにより、最適な装入物分布を求めることが出来る。
(実施例1及び実施例2)
内容積が5300mの高炉を想定し、コークス比345kg/t、微粉炭比154kg/t、還元材比499kg/tの操業条件を基準操業(比較例)として、本発明を適用し、装入物分布を調整した際の高炉内圧力損失の低下効果を検討した。
計算前提条件として、主原料の被還元性指数JIS−RIの平均値は64.1%、酸素富化量は270Nm/min、送風温度は1200℃、送風湿分は14g/Nm、および微粉炭吹き込み量は65t/hとし、溶銑温度は1550℃とした。
基準操業(比較例)における送風圧力と炉頂圧力との圧力差(ΔP)は、図5に示すように165kPaであった。基準操業時の操業諸元を表1に示す。基準操業に対して本発明を適用し、高炉炉内の圧力分布を求め、融着帯において通気のネックとなっている部位を特定し、通気のネックとなっている部位に対応して装入物分布モデルに与えるコークスの装入スケジュールを変更した。具体的な装入スケジュールの変更を図6で説明する。旋回シュート4を用い、コークス(C,M)及び鉱石(O)を炉体シャフト部5にC、M,O,Oの各バッチで装入するベルレス高炉において、旋回シュート4の傾動角(θ)を分割し、炉壁際に装入する角度をノッチ1とし、炉内側に装入する角度をノッチ12とし、ノッチ1から、ノッチ12に旋回シュートの角度を傾動させながら所定の回数、旋回させて装入する。尚、Mは高炉の中心流を確保するための中心装入コークスである。装入Cの表面に装入するOを装入する装入スケジュールは、Cバッチ10ノッチの旋回数を比較例では0、実施例1では1、実施例2では2とした。その結果、通気のネックとなっている部位の圧力損失を低下させることができ、送風圧力と炉頂圧力との圧力差(ΔP)を148kPaに(実施例1)、さらに装入スケジュールを最適化することにより送風圧力と炉頂圧力との圧力差(ΔP)を142kPaに低減することができた(実施例2)。
(実施例3)
実施例1の基準操業(比較例)に対し、コークス比を320kg/tに低下させた操業条件に対して、本発明を適用し送風圧力と炉頂圧力との圧力差を基準操業と同程度に保つことのできる装入スケジュールについて検討した。
計算前提条件として、実施例1と同様、主原料の被還元性指数JIS−RIの平均値は64.1%、酸素富化量は270Nm/min、送風温度は1200℃、送風湿分は14g/Nm、および微粉炭吹き込み量は65t/hとし、出銑温度は1550℃とした。
実施例1に用いた装入スケジュールを維持したまま、コークス比を320kg/tに低下させた。融着帯において通気のネックとなっている部位の圧力損失は小さく、図7に示すように、送風圧力と炉頂圧力との圧力差を基準操業時より低い162kPaに抑えたまま、コークス比320kg/tの低コークス操業が可能であった(実施例3)。
Figure 2015086461
装入物分布モデル及び高炉内数学モデルを利用して、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を提供することができる。
1…鉱石、2…コークス、4…旋回シュート、5…炉体シャフト部。

Claims (2)

  1. 原料装入条件、送風条件、センサーにより求めた原料層の堆積角及び炉頂ガス組成に基づき炉頂装入物の堆積形状を計算し、
    前記堆積形状の鉱石層とコークス層の境界面を,下記式(1)を用いて追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の形状変化、融着帯とコークススリットの形成変化及び炉内の圧力分布に関する炉内状況を計算し、
    前記炉内状況の計算結果に基づき原料装入条件又は送風条件を変更することを特徴とする高炉操業方法。
    Figure 2015086461
    ただし、f:体積存在率、t:時間、u:固体の流速、R:体積消滅速度
  2. 前記炉内状況の計算結果において、炉内で圧力損失が最も大きな箇所を特定し、当該箇所に対応する装入コークスの層厚を増加することを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
JP2013228472A 2013-11-01 2013-11-01 高炉操業条件の決定方法 Active JP6248550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013228472A JP6248550B2 (ja) 2013-11-01 2013-11-01 高炉操業条件の決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013228472A JP6248550B2 (ja) 2013-11-01 2013-11-01 高炉操業条件の決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086461A true JP2015086461A (ja) 2015-05-07
JP6248550B2 JP6248550B2 (ja) 2017-12-20

Family

ID=53049582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013228472A Active JP6248550B2 (ja) 2013-11-01 2013-11-01 高炉操業条件の決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6248550B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017008363A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 Jfeスチール株式会社 高炉内の層厚分布の推定方法、高炉の操業方法、および高炉内の層厚分布の推定装置
JP2018053285A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 新日鐵住金株式会社 高炉の操業方法
JP2020172689A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 日本製鉄株式会社 装入方法決定方法、装入方法決定装置及び装入方法決定プログラム
CN113959628A (zh) * 2021-10-21 2022-01-21 攀钢集团研究院有限公司 高炉上部压力分布与炉况判定方法
JP2022108711A (ja) * 2021-01-13 2022-07-26 Jfeスチール株式会社 高炉融着層の通気性推定方法、高炉融着層の通気性推定装置、及び高炉の操業方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0586408A (ja) * 1991-09-27 1993-04-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉へのコークス装入方法
JPH08295910A (ja) * 1995-04-28 1996-11-12 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉の操業方法
JPH09272904A (ja) * 1996-02-06 1997-10-21 Nkk Corp 高炉のシミュレーション方法及びそのシミュレーション方法を用いた高炉内原料降下評価装置
JP2000008105A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉炉頂装入物の分布制御方法
JP2001323306A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Nkk Corp 高炉における装入物分布の推定方法
JP2012172221A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Nippon Steel Corp 高炉操業状態制御システム、操業制御装置、高炉操業状態制御方法およびプログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0586408A (ja) * 1991-09-27 1993-04-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉へのコークス装入方法
JPH08295910A (ja) * 1995-04-28 1996-11-12 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉の操業方法
JPH09272904A (ja) * 1996-02-06 1997-10-21 Nkk Corp 高炉のシミュレーション方法及びそのシミュレーション方法を用いた高炉内原料降下評価装置
JP2000008105A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Sumitomo Metal Ind Ltd 高炉炉頂装入物の分布制御方法
JP2001323306A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Nkk Corp 高炉における装入物分布の推定方法
JP2012172221A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Nippon Steel Corp 高炉操業状態制御システム、操業制御装置、高炉操業状態制御方法およびプログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017008363A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 Jfeスチール株式会社 高炉内の層厚分布の推定方法、高炉の操業方法、および高炉内の層厚分布の推定装置
JP2018053285A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 新日鐵住金株式会社 高炉の操業方法
JP2020172689A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 日本製鉄株式会社 装入方法決定方法、装入方法決定装置及び装入方法決定プログラム
JP7207118B2 (ja) 2019-04-11 2023-01-18 日本製鉄株式会社 装入方法決定方法、装入方法決定装置及び装入方法決定プログラム
JP2022108711A (ja) * 2021-01-13 2022-07-26 Jfeスチール株式会社 高炉融着層の通気性推定方法、高炉融着層の通気性推定装置、及び高炉の操業方法
JP7464033B2 (ja) 2021-01-13 2024-04-09 Jfeスチール株式会社 高炉融着層の通気性推定方法、高炉融着層の通気性推定装置、及び高炉の操業方法
CN113959628A (zh) * 2021-10-21 2022-01-21 攀钢集团研究院有限公司 高炉上部压力分布与炉况判定方法
CN113959628B (zh) * 2021-10-21 2023-06-30 攀钢集团研究院有限公司 高炉上部压力分布与炉况判定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6248550B2 (ja) 2017-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6248550B2 (ja) 高炉操業条件の決定方法
EP3190194B1 (en) Method for detecting air flow distribution in blast furnace
Li et al. Numerical investigation of the inner profiles of ironmaking blast furnaces: effect of throat-to-belly diameter ratio
JP6394269B2 (ja) 高炉状態解析装置、高炉状態解析方法、およびプログラム
JP6311659B2 (ja) 高炉内の層厚分布の推定方法、高炉の操業方法、および高炉内の層厚分布の推定装置
CN104537177B (zh) 一种高炉内软熔带软化面位置的确定方法及装置
JP7151228B2 (ja) 高炉の操業方法
Fu Numerical simulation of ironmaking blast furnace shaft
KR101246436B1 (ko) 고로의 용선 생산량 예측 방법
JP7077842B2 (ja) 高炉装入物分布の予測方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
JP2727563B2 (ja) 高炉操業方法
JP6631588B2 (ja) 装入物降下速度の偏差検出方法および高炉操業方法
JP2018035398A (ja) 高炉操業方法
JP2009242906A (ja) 高炉の操業方法
CN113699291A (zh) 一种基于激光测量数据计算高炉布料落点的方法
JP2020147824A (ja) 高炉融着帯を模擬するための反応装置
KR20200077740A (ko) 고로 연소대 조건 모사 방법 및 장치
WO2023199551A1 (ja) 高炉の操業方法
WO2022168503A1 (ja) 溶融物高さの検出方法および溶鉱炉の操業方法
JP2006265647A (ja) 高炉の装入物分布状態の判定方法
JPS6277414A (ja) 高炉操業方法
JP2006342382A (ja) 高炉下部通気性評価方法及び高炉操業方法
JP2021121689A (ja) ベル・アーマー方式の高炉における鉱石層崩れ量の推定方法
KR101246461B1 (ko) 노심 형성 판단 방법
JP2020056084A (ja) 高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171106

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6248550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350