JP6248550B2 - 高炉操業条件の決定方法 - Google Patents
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Description
高炉の通気性は、高炉の径方向での鉱石とコークスの層厚比(以下O/Cという。)により径方向に通気抵抗分布が形成されるため、そのコントロールが大切である。
ベルレス高炉においては、旋回シュートの俯仰角度を変更することにより、装入物を炉内周辺部から装入を開始し、炉中心に向け装入する方法が一般に行われている。ここで、コークスを装入して形成したコークス層の斜面の上に鉱石を装入すると、装入時の鉱石の落下エネルギーにより、コークスが炉内側に押し流され、コークス層の崩れや流れ込みが発生する。このコークス層の崩れや流れ込みは、炉径方向を、炉内周辺部、炉中間部及び炉中心部に分割すると、装入鉱石が落下する炉内周辺部及び炉中間部において顕著である。また、この鉱石装入によるコークス層の崩れや流れ込みは、ベル式装入装置を有する高炉(ベル高炉)においても、同様である。
高炉内のガスの通気性は、コークス層により維持され、特に鉱石層が軟化・融着と溶融を開始する融着帯の近傍では、コークス層による通気性確保が重要である。局所的にコークス層厚が非常に薄い場所が形成されると、通気性が悪化し安定的な高炉操業の妨げとなる。
また、高炉の炉頂からの装入物装入条件と高炉羽口からの送風条件に対応した高炉炉内の温度、圧力及び融着帯形状を数学モデルにより計算機を用い計算し、最適な高炉操業方法を追及する考え方がある。
そこで、本発明者等は、装入物分布モデルにより装入物の堆積形状を計算し、計算された堆積形状の高炉炉内における挙動について、鉱石層とコークス層の境界面を高炉数学モデルにより追跡し、高炉内の荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の変化を計算することにより、炉内圧力損失が少ない高炉操業方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
<1>原料装入条件、送風条件、センサーにより求めた原料層の堆積角及び炉頂ガス組成に基づき炉頂装入物の堆積形状を計算し、
前記堆積形状の鉱石層とコークス層の境界面を、VOF法を採用して、下記式(1)を用いて追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の形状変化、融着帯とコークススリットの形成変化及び炉内の圧力分布に関する炉内状況を計算し、
前記炉内状況の計算結果に基づき原料装入条件又は送風条件を決定することを特徴とする高炉操業条件の決定方法。
<2>前記炉内状況の計算結果において、炉内で圧力損失が最も大きな箇所を特定し、当該箇所に対応する装入コークスの層厚を増加する原料装入条件とすることを特徴とする<1>に記載の高炉操業条件の決定方法。
<3>前記(1)式の第2項の取り扱いは、CICSAM法に基づいて、固体の流れの方向と前記鉱石層とコークス層の境界面とがなす角度に応じて、適切な手法を使い分けることにより、前記境界面の移動を追跡することを特徴とする<1>または<2>に記載の高炉操業条件の決定方法。
本発明の高炉炉頂装入物の分布制御方法を適用することにより、高炉のガス流れ分布を適正に制御して、低コークス操業下においても安定な高炉操業を行うことができる。
本発明に係る第一の実施形態は、まず、原料装入条件、送風条件、センサーにより求めた原料層の堆積角及び炉頂ガス組成(計測値)に基づき炉頂装入物の堆積形状を装入物分布モデルにより計算し、次に、高炉数学モデルにより、堆積形状の鉱石層とコークス層の境界面を追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層とコークス層の形状変化及び融着帯とコークススリットの形成変化並びに炉内の圧力分布を計算し、計算結果に基づき原料装入条件又は送風条件を変更する実施形態である。
しかし、このように算出した炉内半径方向におけるガス組成分布(計算値)と、半径方向の実際のガス組成分布(計測値)は、原料堆積層表面のプロフィール形状計測値からは検知できない炉周辺部及び中間部におけるコークス層の崩れや流れ込みの影響により、一致しない。
高炉数学モデルは高炉内のガス流れ、固体流れ、液体流れ、反応、伝熱、炉内層構造を同時に求めるものである。図2に示す手順で順次計算を進め、装入に伴う周期的な変動が擬定常状態に達するまで計算を行う。従来の高炉数学モデル(例えば特公平6−2886号公報)との最も大きな違いは、炉頂に装入された鉱石層とコークス層の境界面を高精度に追跡することにより、荷下がりに伴う鉱石層およびコークス層の層構造の変化、すなわち、融着帯におけるコークススリットの数、およびコークススリットの半径方向の厚みを高精度に推定できるところにある。
送風条件としては、羽口からの送風量、送風温度、酸素富化量及び微粉炭吹き込み量等を変更すること、装入物の装入条件としては、装入バッチあたりの鉱石量、コークス量を変更すること、又は、鉱石、コークスの炉半径方向の装入位置を変更することにより、低コークス操業下においても安定な高炉操業を実施することができる。
高炉数学モデルによる計算結果において、炉内で圧力損失が最も大きな箇所を特定し、当該箇所に対応するコークス層厚を増加する高炉操業方法である。
図4は、本発明の第二の実施形態を説明する図である。
得られた高炉炉内の圧力分布に基づき、最も圧力損失が高く、通気のネックとなっている場所を特定する。圧力損失が最も高い場所のコークス層の厚みを増加させるように、装入スケジュールを変更する。装入スケジュール変更後の炉頂装入物の堆積形状を装入物分布モデルにより推定する。装入物分布モデルにより推定された炉頂装入物の堆積形状に基づき、再度、高炉数学モデルにより高炉炉内の鉱石還元率分布、コークスガス化率分布、圧力分布、融着帯形状、炉内層構造等を求める。得られた高炉炉内の圧力分布に基づき、最も圧力損失が高く、通気のネックとなっている場所を特定する。圧力損失が最も高い場所のコークス層の厚みを増加させるように、装入スケジュールを変更するという手順を、送風圧と炉頂圧との圧力差が最小となるまで繰り返すことにより、最適な装入物分布を求めることが出来る。
内容積が5300m3の高炉を想定し、コークス比345kg/t、微粉炭比154kg/t、還元材比499kg/tの操業条件を基準操業(比較例)として、本発明を適用し、装入物分布を調整した際の高炉内圧力損失の低下効果を検討した。
計算前提条件として、主原料の被還元性指数JIS−RIの平均値は64.1%、酸素富化量は270Nm3/min、送風温度は1200℃、送風湿分は14g/Nm3、および微粉炭吹き込み量は65t/hとし、溶銑温度は1550℃とした。
基準操業(比較例)における送風圧力と炉頂圧力との圧力差(ΔP)は、図5に示すように165kPaであった。基準操業時の操業諸元を表1に示す。基準操業に対して本発明を適用し、高炉炉内の圧力分布を求め、融着帯において通気のネックとなっている部位を特定し、通気のネックとなっている部位に対応して装入物分布モデルに与えるコークスの装入スケジュールを変更した。具体的な装入スケジュールの変更を図6で説明する。旋回シュート4を用い、コークス(C,M)及び鉱石(O)を炉体シャフト部5にC、M,O1,O2の各バッチで装入するベルレス高炉において、旋回シュート4の傾動角(θ)を分割し、炉壁際に装入する角度をノッチ1とし、炉内側に装入する角度をノッチ12とし、ノッチ1から、ノッチ12に旋回シュートの角度を傾動させながら所定の回数、旋回させて装入する。尚、Mは高炉の中心流を確保するための中心装入コークスである。装入Cの表面に装入するO1を装入する装入スケジュールは、Cバッチ10ノッチの旋回数を比較例では0、実施例1では1、実施例2では2とした。その結果、通気のネックとなっている部位の圧力損失を低下させることができ、送風圧力と炉頂圧力との圧力差(ΔP)を148kPaに(実施例1)、さらに装入スケジュールを最適化することにより送風圧力と炉頂圧力との圧力差(ΔP)を142kPaに低減することができた(実施例2)。
実施例1の基準操業(比較例)に対し、コークス比を320kg/tに低下させた操業条件に対して、本発明を適用し送風圧力と炉頂圧力との圧力差を基準操業と同程度に保つことのできる装入スケジュールについて検討した。
計算前提条件として、実施例1と同様、主原料の被還元性指数JIS−RIの平均値は64.1%、酸素富化量は270Nm3/min、送風温度は1200℃、送風湿分は14g/Nm3、および微粉炭吹き込み量は65t/hとし、出銑温度は1550℃とした。
実施例1に用いた装入スケジュールを維持したまま、コークス比を320kg/tに低下させた。融着帯において通気のネックとなっている部位の圧力損失は小さく、図7に示すように、送風圧力と炉頂圧力との圧力差を基準操業時より低い162kPaに抑えたまま、コークス比320kg/tの低コークス操業が可能であった(実施例3)。
Claims (3)
- 前記炉内状況の計算結果において、炉内で圧力損失が最も大きな箇所を特定し、当該箇所に対応する装入コークスの層厚を増加する原料装入条件とすることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業条件の決定方法。
- 前記(1)式の第2項の取り扱いは、CICSAM法に基づいて、固体の流れの方向と前記鉱石層とコークス層の境界面とがなす角度に応じて、適切な手法を使い分けることにより、前記境界面の移動を追跡することを特徴とする請求項1または2に記載の高炉操業条件の決定方法。
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