JP6870693B2 - 高炉炉況状態判定装置、高炉の操業方法、及び、高炉炉況状態判定方法 - Google Patents

高炉炉況状態判定装置、高炉の操業方法、及び、高炉炉況状態判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉の炉況状態を判定する高炉炉況状態判定装置、高炉の操業方法、及び、高炉炉況状態判定方法に関する。
従来、高炉の炉内状況(以下、炉況という。)を監視し、適切な操業条件に変更して高炉の操業を行うことが知られている(特許文献1など)。そのため、高炉の炉況状態の異常を早期に的確に把握することは重要である。高炉は円筒形の炉であるため、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れが発生した場合には、出銑状態の円周方向のばらつきによる操業状態悪化などが発生する場合がある。そのため、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れを早期に検知することは、重要な異常検知対象の一つである。
従来、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れを検知する方法として、高炉内の原料装入面直上の温度分布を計測して行うものが知られており、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れがある場合には、原料装入面直上の温度分布の偏りや乱れとして表われる。
特開2005−272880号公報
新井、山本、架谷、化学工学論文集、1989年、第15巻、第6号、p.1073-1075
しかしながら、高炉内の原料装入面直上における測定位置の温度情報からしか異常検知ができないため、前記測定位置の温度情報から高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れの判定を作業者が行うと、その判定基準が属人的となるため判定結果にばらつきが生じてしまい、常時適切な判定ができないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れを適切に判定することができる高炉炉況状態判定装置、高炉の操業方法、及び、高炉炉況状態判定方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る高炉炉況状態判定装置は、高炉の炉況状態を判定する高炉炉況状態判定装置であって、高炉内における原料装入面直上の温度分布を計測する温度分布計測手段と、前記温度分布計測手段によって計測された前記温度分布の情報に基づいて、所定温度を上回る高温部の位置を検出する高温部位置検出手段と、前記高温部位置検出手段によって検出された前記高温部の位置に基づいて、前記炉況状態が異常であるかを判定する判定手段と、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉炉況状態判定装置は、上記の発明において、前記温度分布計測手段は、高炉炉頂部に設けられた複数の音波送受信手段のうち1つの音波送受信手段から音波を送信し、相異なる音波送受信手段で前記音波を受信して、前記音波を送信した時点から各音波送受信手段で受信するまでの前記音波の各音波伝搬経路における音波伝搬時間の計測を、全ての音波送受信手段で実施し、前記音波伝搬時間に基づいて高炉炉頂部の温度分布を計測することを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉の操業方法は、上記の発明の高炉炉況状態判定装置によって判定された高炉の炉況状態に応じて、操業条件を変更することを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉炉況状態判定方法は、高炉の炉況状態を判定する高炉炉況状態判定方法であって、高炉内における原料装入面直上の温度分布を計測する温度分布計測ステップと、前記温度分布計測ステップで計測された前記温度分布の情報に基づいて、所定温度を上回る高温部の位置を検出する高温部位置検出ステップと、前記高温部位置検出ステップで検出された前記高温部の位置に基づいて、前記炉況状態が異常であるかを判定する炉況異常判定ステップと、を有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉炉況状態判定方法は、上記の発明において、前記温度分布計測ステップでは、高炉炉頂部に設けられた複数の音波送受信手段のうち1つの音波送受信手段から音波を送信し、相異なる音波送受信手段で前記音波を受信して、前記音波を送信した時点から各音波送受信手段で受信するまでの前記音波の各音波伝搬経路における音波伝搬時間の計測を、全ての音波送受信手段で実施し、前記音波伝搬時間に基づいて高炉炉頂部の温度分布を計測することを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉炉況状態判定方法は、上記の発明において、原料が前記高炉に装入される繰り返し単位を1チャージとして、前記高温部の位置が検出されたチャージが複数回継続した場合に、前記炉況状態が異常であると判定することを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉の操業方法は、上記の発明の高炉炉況状態判定方法を用いた高炉の操業方法であって、操業諸元を変更した時刻から所定の時間内に前記高炉炉況状態判定方法によって、前記炉況状態が異常と判定された場合には、前記操業諸元の変更時点よりも前の前記操業諸元に戻すことを特徴とするものである。
また、本発明に係る高炉の操業方法は、上記の発明において、前記操業諸元は装入物分布であることを特徴とするものである。
本発明に係る高炉炉況状態判定装置、高炉の操業方法、及び、高炉炉況状態判定方法は、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れを適切に判定することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る高炉炉況状態判定装置の概略構成を示した図である。 図2は、実施形態に係る高炉炉況状態判定方法の一例を示したフローチャートである。 図3は、音波を用いた温度分布計測装置として、高炉炉頂部の内部に向けて10個のマイク/スピーカー素子を円周方向に沿って設置した場合を示した図である。 図4は、音速分布を元にした温度の求め方の説明に用いる図である。 図5は、実施例で温度計測データの使用する範囲を示した図である。 図6は、高炉炉頂部を複数の領域に区分けした図である。 図7は、同じチャージにて第2領域及び第3領域で平均温度が温度閾値を超えた領域数と、通気抵抗指数との関係を示したグラフである。 図8は、装入物分布を変更した後の第2領域及び第3領域の平均温度が温度閾値を超えた領域数の変化を示したグラフである。
以下に、本発明を適用した高炉の炉況状態を判定する高炉炉況状態判定装置、高炉の操業方法、及び、高炉炉況状態判定方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る高炉炉況状態判定装置1の概略構成を示した図である。実施形態に係る高炉炉況状態判定装置1は、図1に示すように、温度分布計測センサ2と、データ収集装置3と、高温部位置検出装置4と、判定装置5と、報知装置6とによって構成されている。
温度分布計測センサ2は、鉄鉱石を原料として銑鉄を生産する高炉の内部において、高炉の頂部から装入された原料からなる層の最上面である原料装入面の直上にある空間の温度分布(ここでは例えばガス温度分布であり、以下、単に原料装入面直上の温度分布という。)を計測する。温度分布計測センサ2としては、炉頂部に設置されたゾンデに埋め込まれた炉径方向に複数位置の温度を測定可能なように熱電対でもよいが、より詳細な温度分布を求めるには、音波を用いた温度分布計測装置(音響トモグラフィーを用いた温度分布計測装置)を用いるのが好ましい。
データ収集装置3は、温度分布計測センサ2からの計測値である温度分布データ(温度分布情報)を収集し蓄積する。
なお、高炉内への原料装入タイミングの間隔に対して、温度分布計測センサ2による原料装入面直上の全域にわたる温度分布の計測が完了するまでの時間が遅すぎると、計測された温度分布に偏りや乱れが発生している異常判定となる可能性が高くなるおそれがある。そのため、温度分布計測センサ2は、30[s]以内で原料装入面直上の全域にわたる温度分布の計測が完了するものであり、温度分布計測センサ2からのリアルタイムの温度分布データをデータ収集装置3で収集し蓄積する。
高温部位置検出装置4は、データ収集装置3に蓄積された温度分布データに基づいて、高炉内の原料装入面直上で予め設定した温度閾値以上の温度が出現した位置すなわち高温部の位置を検出する。例えば、高温部位置検出装置4は、データ収集装置3に蓄積された温度分布データを、炉頂に設定した座標系に温度をマッピングすることによって領域内の平均温度を計算することが可能である。また、高温部位置検出装置4としては、コンピュータプログラムとして実現すればよい。なお、高温部位置検出装置7においては、データ収集装置3に蓄積された温度分布データからではなく、温度分布計測センサ2が計測した温度分布データ(温度分布情報)から直に、高温部の位置を検出するようにしてもよい。
判定装置5は、高温部位置検出装置4が検出した高温部の位置に基づいて、炉況状態の判定を行うものであり、炉頂の指定した領域の平均温度が一定期間以上高かった場合を炉況異常と判定する。
報知装置6は、判定装置5の判定結果を警報などによってオペレータに提示する。報知装置6からの警報によって炉況異常、すなわち、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れが発生したことを知ったオペレータは、例えば、高炉円周方向において原料をどのように装入するかなどを予め複数設定している装入物制御パターンを変更するなどして、高炉円周方向における原料装入や反応の偏りや乱れを抑制するように、高炉の操業条件を変更する。
また、原料装入は異なる原料を交互に捲いて行われるが、その繰り返し単位を1チャージと呼ぶことにする。
ここで、高炉においては、装入された原料の分布状況によって、原料が炉内へ降下した際に、炉況の良否が大きく左右される。したがって、挿入された原料の分布(装入物分布)を精度よく制御するため、原料種や原料の粒度などによって、炉内の旋回シュートの傾動角や旋回数や装入する向き(半径方向で内側から外側、または、半径方向で外側から内側)などを予め決定し、装入する。ところが、原料はそれぞれ粒径や形状にバラつきがあるため、狙った場所へ、狙った分布で装入しても、一部が崩れて分布が乱れる(原料の流れ込み)場合がある。特に、高炉の外周よりも少し内側の部分の分布を作りこむために、複雑な装入を行うことがある。本願発明者らは、こうした場合、炉内内側に原料が崩れることがあり、原料が崩れ残った部分から高温のガスが上昇してくることを発見した。また、このような状況が継続すると、炉況が悪化することがわかった。こうした現象は、炉内の半径方向の中間部で発生することが多く、そうした位置の高温部の出現状況を監視することが、炉況異常を判定するために有効である。
次に、実施形態に係る高炉炉況状態判定方法について説明する。図2は、実施形態に係る高炉炉況状態判定方法の一例を示したフローチャートである。図2に示した実施形態に係る高炉炉況状態判定方法は、温度分布計測ステップ(ステップS1)と、温度分布データ蓄積ステップ(ステップS2)と、高温部位置検出ステップ(ステップS3)と、炉況異常判定ステップ(ステップS4)とを有している。
図2に示した実施形態に係る高炉炉況状態判定方法においては、まず、鉄鉱石を原料として銑鉄を生産する高炉の内部において、炉下部の羽口から吹き込まれ、炉内の原料との熱交換を経て吹き上がってきた熱風の原料装入面直上の温度分布を計測する(ステップS1)。次に、温度分布計測ステップ(ステップS1)で得られた温度分布データを蓄積する(ステップS2)。次に、温度分布データ蓄積ステップ(ステップS2)で蓄積された温度分布データ(温度分布情報)に基づいて、高温部の位置を検出する(ステップS3)。そして、高温部位置検出ステップ(ステップS3)で検出した高温部の位置によって、炉況状態が異常であるかの判定を行う(ステップS4)。
高炉の操業においては、主に原料性状(粒径分布や成分など)に誤認識があった場合や、炉頂の装入バンカー等の秤量器に誤差が生じ、傾動シュートで原料を捲いた結果、炉径方向で偏差が生じた場合などでは、操業諸元の一つである装入物分布が設計どおりに行われず炉況を悪化させてしまう場合がある。高炉に装入された原料は、およそ8時間で溶銑として炉外に排出されることがわかっている。
通常、原料が炉体のシャフト部の中部から下部まで降下し、原料が熱によって溶解が始まる高さ(融着帯に達する)まで降下したときに、炉況に影響が出てくると考えられる。これは、想定していたガスの流れが、想定外の装入物分布によって乱れ、融着帯の形状が変形するからと考えられる。装入された原料が溶銑として高炉から排出されるには、8時間程度かかることが知られているが、シャフト部はおおよそ装入面から中間の高さの位置であり、一般に高炉の径方向で最外部ではシャフト部の下部付近に融着帯が位置すると考えられ、高炉の径方向の内側に進むにしたがって融着帯が上方に位置するようになる。そして、高炉の径方向の中心である炉心部では、融着帯がシャフト上部まで達していると考えられる。よって、装入物分布変更後、原料が融着帯付近まで降下する2時間から4時間以降に、炉況状態に影響が出始めることになる。すなわち、変更した装入物分布が適切ではなかった場合には、羽口から炉内に吹き込まれたガスが、原料と十分に熱交換をしないまま炉頂へ上昇する。そのため、装入物分布変更後、2時間から4時間以降に、炉頂の温度分布に高温部が出現するようになった場合は、装入物分布が適切ではなかったことがわかる。このような炉況状態に異常が現れた場合には、装入物分布の変更時点よりも前の装入物分布へ戻すような操業を行って、炉況状態の異常を回避することが考えられる。
なお、装入物分布が適切ではなかった場合には、シャフト圧力に異常が出ることが多い。一方で、高炉の径方向の中間部に装入物分布の不適切な部分がある場合には、炉心部に近い部分のガスの流れが乱れるため、炉体表面に設置されたシャフト圧力計に影響が表れにくい。よって、特に炉心部に近い位置で高温部が現れるような炉況異常については、本発明が有効となる。
[実施例]
次に、実際の原料装入面直上の温度分布計測データを用いた、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例では、原料装入面直上の温度分布を計測する温度分布計測センサ2として、音波を用いた温度分布計測装置(音響トモグラフィーを用いた温度分布計測装置)を用いている。
図3は、音波を用いた温度分布計測装置として、高炉炉頂部10の内部に向けて10個のマイク/スピーカー素子20a〜20jを円周方向に沿って設置した場合を示した図である。実施形態においては、図3に示すように、高炉炉頂部10の内部に向けて、音波送受信手段であるマイク兼スピーカーとなる10個のマイク/スピーカー素子20a〜20j(マイク/スピーカー素子20a〜20jを特に区別しない場合には、マイク/スピーカー素子20という。)を円周方向に沿って設置している。そして、マイク/スピーカー素子20a〜20jのうちの1つである、例えば、マイク/スピーカー素子20aのスピーカーから音波を送信し、残りのマイク/スピーカー素子20b〜20jの各マイクで前記音波を受信し、前記音波を送信した時点から各マイクで受信するまでの前記音波の各音波伝搬経路における音波伝搬時間を計測する。そして、全てのマイク/スピーカー素子20a〜20jのスピーカーから順次音波を送信し、前述したようにして全てのマイク/スピーカー素子20a〜20jについて音波伝搬時間を計測し、その計測した音波伝搬時間に基づいて、原料装入面直上の温度分布を計測する。
ここで、マイク/スピーカー素子20のスピーカーから発せられた音波は、高炉炉頂部10内の空間を伝搬していくが、音速は媒質となる気体の温度との間に、下記(1)式の関係がある。
Figure 0006870693
ただし、上記(1)式中、Tは音波伝播経路上の平均温度、Cは音速、Rは気体定数、γは比熱比、Mは気体の分子量である。
なお、上記(1)式における音速Cは、音波を発信したマイク/スピーカー素子20のスピーカーから、残りのマイク/スピーカー素子20の各マイクまでの距離は既知であるから、スピーカーから音波を発信してマイクで音波を受信するまでの時間を計測することによって求めることができる。これにより、上記(1)式に示した関係から、音波を発信したマイク/スピーカー素子20のスピーカーから、残りのマイク/スピーカー素子20の各マイクへの音波伝搬経路上の平均温度を計算することができる。
次に、温度の求め方について説明する。温度分布は、音速分布を元に、例えば以下の方法によって計算される。
図4に示すように、音波伝搬経路が互いに平行となる一対のマイク/スピーカー素子20のスピーカーとマイクとの組を考える。スピーカーからr軸に垂直なs軸方向へ音波信号を送受信する。また、高炉炉頂部10に設定されたxy軸(原点は炉心と一致)のx軸とr軸とのなす角をθとすると、高炉炉頂部10のある点の極座標を(R,θ)と表すことができる。そして、音速分布をf(x,y)とすると、スピーカーで取得される投影データg(r,θ)は音波伝搬時間の分布であり、下記(2)式で表される。
Figure 0006870693
ここで、上記(2)式において、下記(3)式とおけば、下記(4)式のように表すことができる。
Figure 0006870693
Figure 0006870693
上記(4)式は、X線CTと同じ形であり、CTのアルゴリズムによって音速分布を再構成することが可能である。
そして、音波伝搬経路が互いに平行となる一対のマイク/スピーカー素子20のスピーカーとマイクとの他の組についてθを変化させて、g(r,θ)を計算することによって高精度化される。具体的な方法としては、例えば、非特許文献1に記載されているような二次元フーリエ変換法などの適用が可能である。
図5は、実施例で温度計測データの使用する範囲を示した図である。図5に示すように、高炉炉頂部10の径方向において外周側よりも内側の領域の温度分布データに対して高温部の位置を検出することによって、装入物分布の流れ込みを検知し、炉況を把握することが可能である。こうした原料が流動化した状況は、高炉炉頂部10の径方向において中心Oから半径rの3/4の距離よりも内側であって中心Oから半径rの1/4の距離よりも外側の範囲である図中斜線で示した中間部MAで顕著である。そして、本願発明者は、中間部MAに高温部が出現すると、炉況が不安定化するのが多いことを見出した。
そこで、本実施例においては、図6に示すように、高炉炉頂部10を半径方向に4等分し、内側から順に第1領域、第2領域、第3領域、第4領域とした。また、高炉炉頂部10を円周方向に8等分し、図中時計回り方向で順にA領域、B領域、C領域、D領域、E領域、F領域、G領域、H領域とした。そして、このように高炉炉頂部10の半径方向と円周方向とに区分けされた領域を、ぞれぞれ、領域1−A、領域1−B、・・・、領域2−A、・・・、領域3−A、・・・、領域4−A、・・・、領域4−Hと呼ぶことにする。
本実施例においては、特に高炉炉頂部10の中間部MAに対応する領域である第2領域及び第3領域、すなわち、領域2−A、・・・、領域2−H、領域3−A、・・・、領域3−Hに着目し、炉況が不安定と考えられる際に、これら着目した領域に平均温度が温度閾値である300[℃]以上の高温部が出現したかどうかを検出した。そして、本実施例では、同一の領域に3チャージ連続で高温部が出現した場合、または、同じチャージで6つ以上の領域に高温部が出現した場合を炉況異常とした。
図7は、同じチャージにて第2領域及び第3領域で平均温度が温度閾値を超えた領域数と、通気抵抗指数との関係を示したグラフである。本実施例の高炉では、高炉の炉況を表す通気抵抗指数が1.1を超えると炉況が不安定であると考えられる。そのため、本実施例では、図3に示すように、同じチャージにて第2領域及び第3領域で平均温度が温度閾値を超えた領域数、言い換えれば、同じチャージにて第2領域及び第3領域に高温部が出現した領域数が、通気抵抗指数1.1を超える6領域以上のときを炉況異常とすればよいことがわかる。
また、その他の高炉炉況状態判定方法としては、1チャージ中に所定の平均温度を超える回数(1チャージ中に高温部が出現した回数)をカウントすることも有効な判定方法であると考えられる。
図8は、装入物分布を変更した後の第2領域及び第3領域の平均温度が温度閾値を超えた領域数の変化を示したグラフである。図8に示すように、装入物分布変更後、2時間を過ぎたころから徐々に第2領域及び第3領域の平均温度が温度閾値を超えた領域数が増加した。そして、図8に示すように、装入物分布変更後、4時間を過ぎたところで前記領域数が6を超えたため、装入物分布を元に戻すと、6時間を過ぎたところから徐々に前記領域数が減少した。
1 高炉炉況状態判定装置
2 温度分布計測センサ
3 データ収集装置
4 高温部位置検出装置
5 判定装置
6 報知装置
10 高炉炉頂部
20 マイク/スピーカー素子

Claims (8)

  1. 高炉の炉況状態を判定する高炉炉況状態判定装置であって、
    高炉内における原料装入面直上の温度分布を計測する温度分布計測手段と、
    前記温度分布計測手段によって計測された前記温度分布の情報に基づいて、所定温度を上回る高温部の位置を検出する高温部位置検出手段と、
    前記高温部位置検出手段によって検出された前記高温部の位置に基づいて、高炉炉頂部の半径方向と円周方向とに区分けされた複数の領域のうち、前記高炉炉頂部の径方向において中心から半径の3/4の距離よりも内側であって前記中心から半径の1/4の距離よりも外側の範囲に対応する領域に、前記高温部が出現した場合に、前記炉況状態が異常である判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする高炉炉況状態判定装置。
  2. 請求項1に記載の高炉炉況状態判定装置において、
    前記温度分布計測手段は、前記高炉炉頂部に設けられた複数の音波送受信手段のうち1つの音波送受信手段から音波を送信し、相異なる音波送受信手段で前記音波を受信して、前記音波を送信した時点から各音波送受信手段で受信するまでの前記音波の各音波伝搬経路における音波伝搬時間の計測を、全ての音波送受信手段で実施し、前記音波伝搬時間に基づいて高炉炉頂部の温度分布を計測することを特徴とする高炉炉況状態判定装置。
  3. 請求項1または2に記載の高炉炉況状態判定装置によって判定された高炉の炉況状態に応じて、操業条件を変更することを特徴とする高炉の操業方法。
  4. 高炉の炉況状態を判定する高炉炉況状態判定方法であって、
    高炉内における原料装入面直上の温度分布を計測する温度分布計測ステップと、
    前記温度分布計測ステップで計測された前記温度分布の情報に基づいて、所定温度を上回る高温部の位置を検出する高温部位置検出ステップと、
    前記高温部位置検出ステップで検出された前記高温部の位置に基づいて、高炉炉頂部の半径方向と円周方向とに区分けされた複数の領域のうち、前記高炉炉頂部の径方向において中心から半径の3/4の距離よりも内側であって前記中心から半径の1/4の距離よりも外側の範囲に対応する領域に、前記高温部が出現した場合に、前記炉況状態が異常である判定する炉況異常判定ステップと、
    を有することを特徴とする高炉炉況状態判定方法。
  5. 請求項4に記載の高炉炉況状態判定方法において、
    前記温度分布計測ステップでは、前記高炉炉頂部に設けられた複数の音波送受信手段のうち1つの音波送受信手段から音波を送信し、相異なる音波送受信手段で前記音波を受信して、前記音波を送信した時点から各音波送受信手段で受信するまでの前記音波の各音波伝搬経路における音波伝搬時間の計測を、全ての音波送受信手段で実施し、前記音波伝搬時間に基づいて高炉炉頂部の温度分布を計測することを特徴とする高炉炉況状態判定方法。
  6. 請求項4または5に記載の高炉炉況状態判定方法において、
    原料が前記高炉に装入される繰り返し単位を1チャージとして、前記高温部の位置が検出されたチャージが複数回継続した場合に、前記炉況状態が異常であると判定することを特徴とする高炉炉況状態判定方法。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の高炉炉況状態判定方法を用いた高炉の操業方法であって、
    操業諸元を変更した時刻から所定の時間内に前記高炉炉況状態判定方法によって、前記炉況状態が異常と判定された場合には、前記操業諸元の変更時点よりも前の前記操業諸元に戻すことを特徴とする高炉の操業方法。
  8. 請求項7に記載の高炉の操業方法において、
    前記操業諸元は装入物分布であることを特徴とする高炉の操業方法。
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