JP2020012127A - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉構造を問わずに適用でき、堆積物の局所的な表面形状を考慮した最適なガス流れの制御が可能な高炉の操業方法を提供する。【解決手段】炉頂から鉄鉱石とコークスを交互に装入する高炉の操業方法において、高炉内で、かつ装入物下方において、炉径方向の位置とガス利用率または温度の少なくとも一方の関係を示す測定グラフを求める測定工程(S1)と、測定グラフと、目標とする高炉操業における炉径方向の位置とガス利用率または温度の関係を示す目標操業グラフを比較し、ガス利用率または温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する特定工程(S2)と、問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する装入工程(S3)と、を実施することを特徴とする、高炉の操業方法。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の操業方法に関する。
高炉操業では、鉄源として焼結鉱、還元材および熱源としてコークスを炉内に層状となるように装入して堆積させ、炉下部から熱源として熱風を吹き込むことで溶銑を生産している。
焼結鉱とコークスにより形成される堆積形状によりガス流れが変化するため、堆積形状を管理・制御することが高炉操業安定化のためには非常に重要である。
高炉は、計画された出銑量を安定して生産する必要があるため、出銑量や装入する原料性状の変化に応じて装入物堆積形状を変化させ、最適なガス流れ形成、安定生産を図っている。
特に、近年では高出銑・低コークス比の操業が進められており、炉内投入酸素量の増加にともない高炉内ガス量が増大しているため、それに応じた装入物堆積形状の造り込みが必須である。
特許文献1には、低コークス比で安定した高炉操業を可能とするため、コークス堆積層の堆積形状が、コークステラスの長さ/炉口半径の比を0.3以下、コークス傾斜角が10〜20°になるように高炉を操業する方法が記載されている。
特許文献2には、ベル式高炉のガス流分布の制御のための原料装入方法として、炉中心領域から中間領域で粉・細粒比率を1.0〜2.5%とする旨が記載されている。
特許文献3には、高PCI操業下でも安定な高炉操業を行える装入物の分布制御方法として、原料堆積層およびガス流れ分布に基づいて算出される炉内半径方向のガス組成分布と、炉上部で測定された炉内半径方向のガス組成分布との差を最小化する旨が記載されている。
特許文献4には、所望の堆積物表面プロフィールを得るために、大ベル先端から高炉炉壁まで複数に区分した微小区間毎に、落下装入物の加速度を求めて位置を算定し、算定した位置から落下軌跡を求め、落下軌跡から炉内堆積表面プロフィールを推定し、推定プロフィールと目標プロフィールを比較して差を求め、差をもとに装入物の分布を調整する旨が記載されている。
特開2008−208463号公報 特開2006−70353号公報 特開2000−8105号公報 特開平5−222416号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の技術には、以下の点で改善の余地があった。
特許文献1に記載の技術では、堆積物の表面形状は局所的に凹凸を有する曲線であるため、堆積角は直線近似で求める。そのため、堆積角が特許文献1で規定する範囲を満たしていても、局所的な凹凸形状のガス流れへの影響を考慮できなかった。
特許文献2、4に記載の技術はベル式高炉の場合は有効であるが、ベルレス高炉には適用できなかった。
特許文献3に記載の技術は、高炉のガス流れ分布の制御の1手法としては有効であるが、具体的な操業改善アクションが堆積角の変更しかなく、特許文献1と同様に、局所的な凹凸形状のガス流れへの影響を考慮できなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高炉構造を問わずに適用でき、堆積物の局所的な表面形状を考慮した最適なガス流れの制御が可能な高炉の操業方法を提供することを目的とする。
本発明の高炉の操業方法は、炉頂から鉄鉱石とコークスを交互に装入する高炉の操業方法において、高炉内で、かつ装入物下方において、炉径方向の位置と、ガス利用率または温度の少なくとも一方の関係を示す、測定グラフを求める測定工程と、前記測定グラフと、目標とする高炉操業における、炉径方向の位置と、ガス利用率または温度の関係を示す目標操業グラフを比較し、ガス利用率または温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する特定工程と、前記問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する装入工程と、を実施することを特徴とする。
本発明によれば、測定グラフと目標操業グラフの差からガス流れに影響する問題位置を特定する。
そのため、高炉構造を問わずに適用できる。
また、測定グラフと目標操業グラフの差から、ガス流れに影響する局所的な凹凸が存在する炉径方向位置を、問題位置として容易に特定できるため、局所的な凹凸の影響を考慮した操業改善アクションが可能である。
本発明では、前記目標操業グラフは、炉の半径をR、炉径方向の半径位置をr、中心を0としたとき、r/R=0でのガス利用率が0%、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率が45%〜60%の範囲で一定であり、0≦r/R≦0.4でのガス利用率が、0%から、45%〜60%で一定の範囲まで単調増加するグラフであるのが好ましい。
本発明によれば、目標操業グラフとして、単調増加関数と直線を組み合わせた単純なグラフを用いるため、目標操業グラフを求めるのに必要な工数とコストを低減できる。
本発明では、前記測定工程は、装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率または温度を求める工程であるのが好ましい。
本発明によれば、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率または温度を求めればよいので、目標操業グラフを求めるのに必要な工数とコストを低減できる。
本発明では、前記装入工程は、装入物の径方向の堆積形状を測定する堆積形状測定工程と、測定した堆積形状を参照して、前記問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する工程であるのが好ましい。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを的確に制御できる。
本発明では、前記装入工程は、前記問題位置におけるガス利用率が目標操業グラフのガス利用率よりも高い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす工程であるのが好ましい。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
本発明では、前記装入工程は、前記問題位置におけるガス利用率が理想操業グラフのガス利用率よりも低い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす工程であるのが好ましい。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
前記装入工程は、前記問題位置における温度が目標操業グラフの温度よりも高い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす工程であることが好ましい。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
前記装入工程は、前記問題位置における温度が目標操業グラフの温度よりも低い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす工程であることが好ましい。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
本発明の実施形態に係る高炉操業方法の概要を示すフロー図。 第1の実施形態および実施例1で、測定グラフと目標操業グラフを重ねた状態を示す例。 実施例1において、操業改善アクション前後の、装入物の表面のプロファイルを比較した図であって、図中の「調整前」は操業改善アクション前のプロファイルであり、「調整後」は操業改善アクション後のプロファイルである。また、図中ではプロファイルを、装入物の層厚に対する鉱石層厚の比で示している。 第2の実施形態および実施例2で、測定グラフと目標操業グラフを重ねた状態を示す例。
以下、図面に基づき、本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係る高炉操業方法について説明する。
最初に、図1を参照して、高炉操業方法の概要を説明する。
まず、高炉内で、かつ装入物下方において、炉径方向の位置と、ガス利用率または温度の少なくとも一方の関係を示す、測定グラフを求める(図1のS1、測定工程)。
次に、測定グラフと、目標とする高炉操業における、炉径方向の位置と、ガス利用率または温度の関係を示す、目標操業グラフを比較し、ガス利用率または温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する(図1のS2、特定工程)。
次に、問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する(図1のS3、装入工程)。
以上が高炉操業方法の概要である。以下の説明では、ガス利用率を用いて測定グラフを求める場合を第1の実施形態とし、温度を用いて測定グラフを求める場合を第2の実施形態とする。
次に、図1および図2を参照して、第1の実施形態に係る高炉の操業方法の詳細を説明する。
<対象高炉>
第1の実施形態で対象とする高炉は、炉頂から鉄鉱石とコークスを交互に装入するものであれば、構造や容積は限定されない。原料の装入手段は、ベル式でもよいし、ベルレスでもよい。
原料も特に限定されない。鉄鉱石は焼結鉱、ペレット、還元鉄等の種々の鉄源を利用できる。
<S1:測定工程>
S1では、炉径方向の位置と、ガス利用率ηの関係を示す、測定グラフを求める。
ガス利用率ηは、例えば以下の式(1)で求められる。
η(%)=[%CO2]/([%CO]+[%CO2])×100・・・(1)
式(1)における[%CO2]は、ガス中のCO2の体積%である。[%CO]は、ガス中のCOの体積%である。
ガス組成は、炉径方向に複数設けたゾンデを用いて測定できる。
測定位置は、装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率ηを求める。
装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下とすることにより、還元後ガスの組成分布を測定することができ、炉内でのガス利用率を求めることができる。
1本の水平直線上におけるガス利用率ηを求めることにより、高炉の円周方向全域に渡って測定を行う必要がなくなる。ただし、複数の水平直線上におけるガス利用率ηを求めてもよい。
測定グラフ100の例を図2に示す。
<S2:特定工程>
S2では、測定グラフ100と、目標とする高炉操業における、炉径方向の位置と、ガス利用率ηの関係を示す、目標操業グラフを比較し、ガス利用率ηの差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する。
目標操業グラフは、目標とするガス流れが達成された状態での、炉径方向の位置とガス利用率ηの関係を示すグラフである。
目標操業グラフは、高炉の構造、出銑比、コークス比等によって異なるため、操業条件毎に異なるが、以下の条件を満たすグラフであるのが好ましい。
まず、炉中心は通気性確保のために、鉱石の還元等の炉内反応が、他の領域と比べて進行しない方が好ましい。よってガス利用率ηは低い方が好ましい。炉中心では、理想的にはη=0である。
炉中心以外の領域は、炉内反応が均一に進行するのが好ましい。炉内反応が均一に進行しないと、ガス流れに偏りが生じ、局所的な操業変動により、所望の出銑比等が得られない可能性があるためである。
このようなグラフとしては、図2の符号200に示すグラフが挙げられる。
具体的には、図2のグラフは、炉の半径をR、炉径方向の半径位置をr、中心を0としたとき、r/R=0でのガス利用率ηが0%、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率ηが45%〜60%の範囲で一定である。また、0≦r/R≦0.4でのガス利用率ηが、0%から、45%〜60%で一定の範囲まで単調増加する。炉壁近傍(R>0.9)は、原料の装入方法(1チャージ何バッチにするか等)によって好ましいガス利用率ηが異なるため、特に規定しないが、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率ηと同程度が望ましい。
目標操業グラフ200は、図2に示す形状には限定されない。実炉において、安定操業が達成された状態での炉径方向の位置とガス利用率ηの関係を実測して、目標操業グラフ200としてもよい。
測定グラフ100と、目標操業グラフ200の比較は、図2に示すように、2つのグラフを重ね合わせて、炉径方向における差分を求めればよい。例えば図2では、相対距離0.0〜0.45付近までは、目標操業グラフ200よりも測定グラフ100の方が、ガス利用率ηが小さく、0.45超では、測定グラフ100の方が、ガス利用率ηが大きいことがわかる。
問題位置は、ガス利用率ηの差が20%以上ある炉径方向位置である。例えば、図2では、相対距離0.1における目標操業グラフ200と測定グラフ100のガス利用率ηの差が20%以上あるため、相対距離0.1が問題位置である。
<S3:装入工程>
装入工程では、問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率ηの差が20%未満になるように調整して装入する。この際、装入物の径方向の堆積形状を測定し(堆積形状測定工程)と、測定した堆積形状を参照して、次チャージにおける装入量を調整するのが好ましい。
具体的には、問題位置におけるガス利用率ηが、目標操業グラフ200のガス利用率ηよりも高い場合は、次チャージにおける問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に目標操業グラフ200との差分1%当たり、0.5〜5質量%減らす。またはコークス装入量を、目標操業グラフ200との差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす。
問題位置におけるガス利用率ηが理想操業グラフのガス利用率ηよりも低い場合は、次チャージにおける問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフ200との差分1%当たり、0.5〜5%増やす。またはコークス装入量を、目標操業グラフ200との差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす。調整前後の堆積形状の例を図3に示す。
以上が、高炉操業方法の詳細の説明である。
このように、第1の実施形態によれば、測定グラフ100と目標操業グラフ200のガス利用率ηの差から、ガス流れに影響する局所的な凹凸の炉径方向位置を、問題位置として特定するため、局所的な凹凸の影響を考慮した操業改善アクションが可能である。
次に、第2の実施形態について、図1および図4を参照して説明する。
第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる部分について、主に説明する。
<S1:測定工程>
S1では、炉径方向の位置と温度の関係を示す測定グラフ100Aを求める。測定位置等は第1の実施形態と同様である。
<S2:測定工程>
S2では、測定グラフ100Aと、目標とする高炉操業における、炉径方向の位置と温度の関係を示す、目標操業グラフを比較し、温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する。
第2の実施形態における目標操業グラフは、高炉の構造、出銑比、コークス比等によって異なるため、操業条件毎に異なるが、以下の条件を満たすグラフであるのが好ましい。
まず、炉中心は通気性確保のために、鉱石の還元等の炉内反応が、他の領域と比べて進行しない方が好ましい。よって温度は高い方が好ましい。
炉中心以外の領域は、炉壁に近づくにつれて、温度が低くなるのが望ましい。
炉内反応が均一に進行するのが好ましい。炉内反応が均一に進行しないと、ガス流れに偏りが生じ、局所的な操業変動により、所望の出銑比等が得られない可能性があるためである。
このようなグラフとしては、図4の符号200Aに示すような、下に凸の単調減少曲線が挙げられる。
目標操業グラフ200Aは、図4に示す形状には限定されない。実炉において、安定操業が達成された状態での炉径方向の位置と温度の関係を実測して、目標操業グラフ200Aとしてもよい。
測定グラフ100Aと、目標操業グラフ200Aの比較は、図4に示すように、2つのグラフを重ね合わせて、炉径方向における差分を求めればよい。例えば図4では、相対距離0.0〜0.45付近までは、目標操業グラフ200Aよりも測定グラフ100Aの方が、温度が高く、0.45超では、測定グラフ100Aの方が、温度が低いことがわかる。
問題位置は、温度の差が20%以上ある炉径方向位置である。例えば、図4では、相対距離0.1における目標操業グラフ200Aと測定グラフ100Aの温度の差が20%以上あるため、相対距離0.1が問題位置である。
<S3:装入工程>
装入工程では、問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、温度差が20%未満になるように調整して装入する。この際、装入物の径方向の堆積形状を測定し(堆積形状測定工程)と、測定した堆積形状を参照して、次チャージにおける装入量を調整するのが好ましい。
具体的には、問題位置における温度が目標操業グラフ200Aの温度よりも高い場合は、次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に目標操業グラフ200Aとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やす。またはコークス装入量を目標操業グラフ200Aとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす。
問題位置における温度が目標操業グラフ200Aの温度よりも低い場合は、次チャージにおける問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に目標操業グラフ200Aとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らす。またはコークス装入量を、目標操業グラフ200Aとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす。
このように、第2の実施形態によれば、測定グラフ100Aと目標操業グラフ200Aの温度差から、ガス流れに影響する局所的な凹凸の炉径方向位置を、問題位置として特定するため、局所的な凹凸の影響を考慮した操業改善アクションが可能である。
以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例には限定されない。
(実施例1)
対象高炉は容積が4000〜5000m級の大型の高炉であり、溶銑を出銑比1.8以上で製造していた。
この高炉に対し、目標操業グラフ200として、図2に示すグラフを用意した。このグラフは、r/R=0でのガス利用率ηが0%、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率ηが50%であり、0≦r/R≦0.4でのガス利用率ηが、0%から、50%まで単調増加するグラフである。
次に、この高炉の装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率ηを、ゾンデを用いて、COガスおよびCO2ガス濃度を測定することにより、求めた。
次に、求めたガス利用率ηと、炉径方向との関係を測定グラフ100として求め、測定グラフ100と目標操業グラフ200を重ね合わせた。
その結果、r/R=0.1において、ガス利用率ηの差が20%以上あったため、この位置を問題位置として検出した。
次に、ガス利用率ηを求めた水平線上における、装入物表面の形状を、プロファイルメータを用いて求めた。結果を図2に示す。
また、この時点での炉頂の圧力損失は1500〜1550hPaであった。
さらに、図3に示すように、装入物の表面プロファイルを調整した。具体的には、次チャージにおける問題位置への鉄鉱石装入量を、装入装置の傾動角度を調整することにより、相対的に目標操業グラフ200との差分10%減らす操業改善アクションを行った。
次チャージ装入後、同じ条件で測定グラフ100を求めた。最後に、測定グラフ100を目標操業グラフ200に重ねた。その結果、前チャージ時に問題位置であった場所における、測定グラフ100と目標操業グラフ200のガス利用率ηの差は、10%以下となり、差分が20%以下になった。
この時点での炉頂の圧力損失は1400〜1450hPaであった。
この結果から、ガス利用率ηと、炉径方向との関係から、ガス流れを悪化させる局所的な位置を特定し、改善アクションが可能であることが分かった。
(実施例2)
実施例1と同じ高炉にて、目標操業グラフ200Aとして、図4に示すグラフを用意した。このグラフは、炉径方向の位置と温度の関係を示すグラフである。
次に、この高炉の装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上における温度を、ゾンデを用いて求めた。
次に、求めた温度と、炉径方向との関係を測定グラフ100Aとして求め、測定グラフ100Aを目標操業グラフ200Aに重ね合わせた。
その結果、r/R=0.1において、温度差が20%以上あったため、この位置を問題位置として検出した。
次に、温度を求めた水平線上における、装入物表面の形状を、プロファイルメータを用いて求めた。
また、この時点での炉頂の圧力損失は1500〜1550hPaであった。
さらに、次チャージにおける問題位置への鉄鉱石装入量を、装入装置の傾動角度を調整することにより、相対的に目標操業グラフとの差分10%減らした。
次チャージ装入後、同じ条件で測定グラフ100Aを求めた。最後に、測定グラフ100Aを目標操業グラフ200Aに重ねた。その結果、前チャージ時に問題位置であった場所における、測定グラフ100Aと目標操業グラフ200Aの温度の差は、10%以下となり、差分が20%以下になった。
この時点での炉頂の圧力損失は1400〜1450hPaであった。
この結果から、温度と、炉径方向との関係からも、ガス流れを悪化させる局所的な位置を特定し、改善アクションが可能であることが分かった。
100、100A…測定グラフ、200、200A…目標操業グラフ。

Claims (8)

  1. 炉頂から鉄鉱石とコークスを交互に装入する高炉の操業方法において、
    高炉内で、かつ装入物下方において、炉径方向の位置とガス利用率または温度の少なくとも一方の関係を示す測定グラフを求める測定工程と、
    前記測定グラフと、目標とする高炉操業における炉径方向の位置とガス利用率または温度の関係を示す目標操業グラフを比較し、ガス利用率または温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する特定工程と、
    前記問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する装入工程と、
    を実施することを特徴とする、高炉の操業方法。
  2. 前記目標操業グラフは、炉の半径をR、炉径方向の半径位置をr、中心を0としたとき、
    r/R=0でのガス利用率が0%、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率が45%〜60%の範囲で一定であり、0≦r/R≦0.4でのガス利用率が、0%から、45%〜60%で一定の範囲まで単調増加するグラフであることを特徴とする、請求項1に記載の高炉の操業方法。
  3. 前記測定工程は、装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率または温度を求める工程であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高炉の操業方法。
  4. 前記装入工程は、
    装入物の径方向の堆積形状を測定する堆積形状測定工程と、
    測定した堆積形状を参照して、前記問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する工程であることを特徴とする、請求項1〜請求項3に記載の高炉の操業方法。
  5. 前記装入工程は、
    前記問題位置におけるガス利用率が前記目標操業グラフのガス利用率よりも高い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。
  6. 前記装入工程は、
    前記問題位置におけるガス利用率が前記目標操業グラフのガス利用率よりも低い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。
  7. 前記装入工程は、
    前記問題位置における温度が前記目標操業グラフの温度よりも高い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。
  8. 前記装入工程は、
    前記問題位置における温度が前記目標操業グラフの温度よりも低い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。
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