JP2020012127A - 高炉の操業方法 - Google Patents
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Abstract
Description
焼結鉱とコークスにより形成される堆積形状によりガス流れが変化するため、堆積形状を管理・制御することが高炉操業安定化のためには非常に重要である。
特に、近年では高出銑・低コークス比の操業が進められており、炉内投入酸素量の増加にともない高炉内ガス量が増大しているため、それに応じた装入物堆積形状の造り込みが必須である。
特許文献1に記載の技術では、堆積物の表面形状は局所的に凹凸を有する曲線であるため、堆積角は直線近似で求める。そのため、堆積角が特許文献1で規定する範囲を満たしていても、局所的な凹凸形状のガス流れへの影響を考慮できなかった。
特許文献2、4に記載の技術はベル式高炉の場合は有効であるが、ベルレス高炉には適用できなかった。
特許文献3に記載の技術は、高炉のガス流れ分布の制御の1手法としては有効であるが、具体的な操業改善アクションが堆積角の変更しかなく、特許文献1と同様に、局所的な凹凸形状のガス流れへの影響を考慮できなかった。
本発明によれば、測定グラフと目標操業グラフの差からガス流れに影響する問題位置を特定する。
そのため、高炉構造を問わずに適用できる。
また、測定グラフと目標操業グラフの差から、ガス流れに影響する局所的な凹凸が存在する炉径方向位置を、問題位置として容易に特定できるため、局所的な凹凸の影響を考慮した操業改善アクションが可能である。
本発明によれば、目標操業グラフとして、単調増加関数と直線を組み合わせた単純なグラフを用いるため、目標操業グラフを求めるのに必要な工数とコストを低減できる。
本発明によれば、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率または温度を求めればよいので、目標操業グラフを求めるのに必要な工数とコストを低減できる。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを的確に制御できる。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
本発明によれば、ガス流れに影響する局所的な凹凸が生じている位置に装入する鉄鉱石またはコークスの装入量を、理想状態との差分1%単位で調整するので、局所的な凹凸形状のガス流れを、より的確に制御できる。
まず、本発明の実施形態に係る高炉操業方法について説明する。
まず、高炉内で、かつ装入物下方において、炉径方向の位置と、ガス利用率または温度の少なくとも一方の関係を示す、測定グラフを求める(図1のS1、測定工程)。
以上が高炉操業方法の概要である。以下の説明では、ガス利用率を用いて測定グラフを求める場合を第1の実施形態とし、温度を用いて測定グラフを求める場合を第2の実施形態とする。
<対象高炉>
第1の実施形態で対象とする高炉は、炉頂から鉄鉱石とコークスを交互に装入するものであれば、構造や容積は限定されない。原料の装入手段は、ベル式でもよいし、ベルレスでもよい。
原料も特に限定されない。鉄鉱石は焼結鉱、ペレット、還元鉄等の種々の鉄源を利用できる。
S1では、炉径方向の位置と、ガス利用率ηの関係を示す、測定グラフを求める。
ガス利用率ηは、例えば以下の式(1)で求められる。
η(%)=[%CO2]/([%CO]+[%CO2])×100・・・(1)
式(1)における[%CO2]は、ガス中のCO2の体積%である。[%CO]は、ガス中のCOの体積%である。
測定位置は、装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率ηを求める。
装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下とすることにより、還元後ガスの組成分布を測定することができ、炉内でのガス利用率を求めることができる。
1本の水平直線上におけるガス利用率ηを求めることにより、高炉の円周方向全域に渡って測定を行う必要がなくなる。ただし、複数の水平直線上におけるガス利用率ηを求めてもよい。
測定グラフ100の例を図2に示す。
S2では、測定グラフ100と、目標とする高炉操業における、炉径方向の位置と、ガス利用率ηの関係を示す、目標操業グラフを比較し、ガス利用率ηの差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する。
まず、炉中心は通気性確保のために、鉱石の還元等の炉内反応が、他の領域と比べて進行しない方が好ましい。よってガス利用率ηは低い方が好ましい。炉中心では、理想的にはη=0である。
具体的には、図2のグラフは、炉の半径をR、炉径方向の半径位置をr、中心を0としたとき、r/R=0でのガス利用率ηが0%、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率ηが45%〜60%の範囲で一定である。また、0≦r/R≦0.4でのガス利用率ηが、0%から、45%〜60%で一定の範囲まで単調増加する。炉壁近傍(R>0.9)は、原料の装入方法(1チャージ何バッチにするか等)によって好ましいガス利用率ηが異なるため、特に規定しないが、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率ηと同程度が望ましい。
装入工程では、問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率ηの差が20%未満になるように調整して装入する。この際、装入物の径方向の堆積形状を測定し(堆積形状測定工程)と、測定した堆積形状を参照して、次チャージにおける装入量を調整するのが好ましい。
以上が、高炉操業方法の詳細の説明である。
第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なる部分について、主に説明する。
S1では、炉径方向の位置と温度の関係を示す測定グラフ100Aを求める。測定位置等は第1の実施形態と同様である。
S2では、測定グラフ100Aと、目標とする高炉操業における、炉径方向の位置と温度の関係を示す、目標操業グラフを比較し、温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する。
まず、炉中心は通気性確保のために、鉱石の還元等の炉内反応が、他の領域と比べて進行しない方が好ましい。よって温度は高い方が好ましい。
炉中心以外の領域は、炉壁に近づくにつれて、温度が低くなるのが望ましい。
炉内反応が均一に進行するのが好ましい。炉内反応が均一に進行しないと、ガス流れに偏りが生じ、局所的な操業変動により、所望の出銑比等が得られない可能性があるためである。
このようなグラフとしては、図4の符号200Aに示すような、下に凸の単調減少曲線が挙げられる。
問題位置は、温度の差が20%以上ある炉径方向位置である。例えば、図4では、相対距離0.1における目標操業グラフ200Aと測定グラフ100Aの温度の差が20%以上あるため、相対距離0.1が問題位置である。
装入工程では、問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、温度差が20%未満になるように調整して装入する。この際、装入物の径方向の堆積形状を測定し(堆積形状測定工程)と、測定した堆積形状を参照して、次チャージにおける装入量を調整するのが好ましい。
(実施例1)
対象高炉は容積が4000〜5000m3級の大型の高炉であり、溶銑を出銑比1.8以上で製造していた。
その結果、r/R=0.1において、ガス利用率ηの差が20%以上あったため、この位置を問題位置として検出した。
また、この時点での炉頂の圧力損失は1500〜1550hPaであった。
この時点での炉頂の圧力損失は1400〜1450hPaであった。
実施例1と同じ高炉にて、目標操業グラフ200Aとして、図4に示すグラフを用意した。このグラフは、炉径方向の位置と温度の関係を示すグラフである。
次に、この高炉の装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上における温度を、ゾンデを用いて求めた。
次に、求めた温度と、炉径方向との関係を測定グラフ100Aとして求め、測定グラフ100Aを目標操業グラフ200Aに重ね合わせた。
その結果、r/R=0.1において、温度差が20%以上あったため、この位置を問題位置として検出した。
また、この時点での炉頂の圧力損失は1500〜1550hPaであった。
さらに、次チャージにおける問題位置への鉄鉱石装入量を、装入装置の傾動角度を調整することにより、相対的に目標操業グラフとの差分10%減らした。
この時点での炉頂の圧力損失は1400〜1450hPaであった。
Claims (8)
- 炉頂から鉄鉱石とコークスを交互に装入する高炉の操業方法において、
高炉内で、かつ装入物下方において、炉径方向の位置とガス利用率または温度の少なくとも一方の関係を示す測定グラフを求める測定工程と、
前記測定グラフと、目標とする高炉操業における炉径方向の位置とガス利用率または温度の関係を示す目標操業グラフを比較し、ガス利用率または温度の差が20%以上ある炉径方向位置を問題位置として特定する特定工程と、
前記問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する装入工程と、
を実施することを特徴とする、高炉の操業方法。 - 前記目標操業グラフは、炉の半径をR、炉径方向の半径位置をr、中心を0としたとき、
r/R=0でのガス利用率が0%、0.4≦r/R≦0.9でのガス利用率が45%〜60%の範囲で一定であり、0≦r/R≦0.4でのガス利用率が、0%から、45%〜60%で一定の範囲まで単調増加するグラフであることを特徴とする、請求項1に記載の高炉の操業方法。 - 前記測定工程は、装入物上面から鉛直方向下向きに3000mm以上、5000mm以下の高さで、かつ、中心から炉壁までを結ぶ1本の水平直線上におけるガス利用率または温度を求める工程であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高炉の操業方法。
- 前記装入工程は、
装入物の径方向の堆積形状を測定する堆積形状測定工程と、
測定した堆積形状を参照して、前記問題位置における鉄鉱石またはコークスの、次チャージにおける装入量を、ガス利用率または温度の差が20%未満になるように調整して装入する工程であることを特徴とする、請求項1〜請求項3に記載の高炉の操業方法。 - 前記装入工程は、
前記問題位置におけるガス利用率が前記目標操業グラフのガス利用率よりも高い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。 - 前記装入工程は、
前記問題位置におけるガス利用率が前記目標操業グラフのガス利用率よりも低い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。 - 前記装入工程は、
前記問題位置における温度が前記目標操業グラフの温度よりも高い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%増やすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に減らす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。 - 前記装入工程は、
前記問題位置における温度が前記目標操業グラフの温度よりも低い場合は次チャージにおける前記問題位置への鉄鉱石装入量を、相対的に前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%減らすか、またはコークス装入量を前記目標操業グラフとの差分1%当たり、0.5〜5質量%相対的に増やす工程であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の高炉の操業方法。
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