JP2022137614A - 高炉の操業方法、装入方法制御装置及び装入方法制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】鉱石テラス長さを適切な範囲に管理することにより、高炉の安定操業を実現する。【解決手段】 鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業方法において、炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得し、前記取得された複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する高炉の操業方法。【選択図】図2
Description
本発明は、鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成する高炉の操業方法等に関するものである。
高炉の炉内には、鉱石層とコークス層とが交互に積層されており、高炉装入物の堆積形状は高炉の操業に非常に大きな影響を与える。層状に装入された鉱石原料は、高炉下部で溶融するため、羽口から導入された還元ガスはコークス層を介して炉内を上昇する。高炉の安定操業のためには、炉径方向に均一にガスを分配させることが好ましく、それを実現可能なコークス層を形成することが求められている。
炉壁近傍の鉱石層には、鉱石の安息角よりも十分小さい鉱石テラスが形成される。鉱石層において、鉱石テラスにはコークスが堆積しやすい。しかしながら、鉱石テラスの長さが過度に短くなると、炉壁近傍に堆積するコークスが少なくなるため、ガスを炉内に十分に分配できなくなる可能性がある。そのため、高炉の安定操業を実現するためには、鉱石テラスの長さを適切に管理することが重要である。
ここで、従来は、高炉の安定操業を実現するために、例えば鉱石層厚さ比(Lo/(Lc+Lo))が所定条件を満たすように管理する方法が採用されている。特許文献1及び2には、ある特定の炉径方向における堆積形状を測定し、そこから求められる鉱石層厚さ比(Lo/(Lc+Lo))が所定値以内となるように管理する技術が開示されている。
上述のように鉱石層厚さ比(Lo/(Lc+Lo))を管理指標として操業管理を行っても、ガスを炉内に適切に分配し得る層厚分布を備えたコークス層が形成されているとは限らない。鉱石層厚さ比(Lo/(Lc+Lo))が所定条件を満足したとしても、炉壁近傍のコークス層の厚みが不十分な場合には、ガスが炉内に十分に分配されず、高炉の操業変動につながる可能性がある。
上記点に鑑み、本発明は、コークス層厚の制御、特に炉壁近傍におけるコークス層厚の制御を行うべく、鉱石層の鉱石テラス長さを適切な範囲に管理し、これによって高炉の安定操業を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る高炉の操業方法は、(1)鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業方法において、炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得し、前記取得された複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する。
(2)それぞれの炉径方向における長さ評価値を、2次元プロフィールメータを用いて取得した鉱石層の堆積形状に基づいて算出することを特徴とする上記(1)に記載の高炉の操業方法。
(3)それぞれの炉径方向における長さ評価値を、3次元プロフィールメータを用いて取得した鉱石層の堆積形状に基づいて算出することを特徴とする上記(1)に記載の高炉の操業方法。
(4)予め高炉操業の安定度を評価する指標と長さ評価値との関係である関係情報を調べておき、当該関係情報に基づき、高炉の安定度が高いと評価される長さ評価値の適正範囲を決定し、前記代表値が前記適正範囲から外れる場合には、鉱石テラス長さを長くするアクションを実施することを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の高炉の操業方法。
(5)前記高炉操業の安定度を評価する指標は、銑鉄単位重量あたりのコークス消費量であるコークス比であることを特徴とする上記(4)に記載の高炉の操業方法。
(6)前記長さ評価値は、炉口径を1としたときの鉱石テラス長さである無次元鉱石テラス長さであり、前記鉱石層を形成するための鉱石層装入原料を1チャージ当たり1ダンプで装入する場合、前記適正範囲は0.16以上であることを特徴とする上記(4)又は(5)に記載の高炉の操業方法。
(7)前記代表値は、取得した長さ評価値の最小値であることを特徴とする上記(1)乃至(6)のうちいずれか一つに記載の高炉の操業方法。
(8)上記課題を解決するために、本発明に係る装入方法制御装置は、鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業に用いられる装入方法制御装置において、炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得する取得部と、前記取得部が取得した複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する操業制御部と、を有する。
(9)上記課題を解決するために、本発明に係る装入方法制御プログラムは、鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業に用いられる装入方法制御プログラムにおいて、炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する操業ステップと、をプロセスコンピュータに実行させる。
本発明によれば、鉱石テラス長さが適切な範囲に管理されるため、コークス層厚の制御、特に炉壁近傍におけるコークス層厚の制御を適切に行うことができ、高炉の安定操業を実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態である高炉の操業方法に用いられる高炉の概略図である。高炉1は、ベルレス式の高炉であり、羽口2と、環状管3と、ブローパイプ4と、微粉炭吹き込み用ランス5と、旋回シュート6と、プロフィールメータ7と、コントローラ8とを備える。羽口2は、高炉1の炉周方向に沿って、炉下部に複数設けられている。環状管3は高炉1の下部を包囲するように配設されている。ブローパイプ4は環状管3の周方向に間欠的に設けられるとともに、それぞれが異なる羽口2に接続されている。微粉炭吹き込み用ランス5は、各ブローパイプ4を挿通しており、各ブローパイプ4の内部には、微粉炭吹き込み用ランス5の先端が延出している。
旋回シュート6は、上下方向に延びる軸周りに回転し、鉱石層装入原料とコークス層装入原料とを、鉱石層とコークス層が炉内に交互に層状に形成されるように装入する。鉱石層装入原料及びコークス層装入原料はそれぞれ複数回に分けて装入してもよいし、それぞれ1回で装入してもよい。ここで、炉内には鉱石層とコークス層が交互に形成されるが、一層の鉱石層を形成するのに行う原料装入を鉱石チャージと定義し、この鉱石チャージを1回の原料装入によって達成することを「1ダンプ装入」と定義し、この鉱石チャージを複数回の原料装入によって達成することを「複数回ダンプ装入」と定義する。したがって、請求項6に記載した「前記鉱石層を形成するための鉱石層装入原料を1チャージ当たり1ダンプで装入する」とは、上述の「1ダンプ装入」を意味する。鉱石層装入原料には焼結鉱、ペレット、塊鉱石、非焼成含炭塊成鉱を用いることができる。また、鉱石層装入原料には、鉱石以外のもの(例えば小塊コークス等の還元補助剤)が含まれ得る。コークス層装入原料には、フェローコークスが含まれていてもよい。旋回シュート6の駆動方式は、順傾動、逆傾動及び順傾動と逆傾動の組み合わせのうちいずれであってもよい。なお、順傾動とは、旋回シュート6を炉壁側から炉中心側に向かって駆動する駆動方式のことである。
ここで、旋回シュート6を駆動させることにより、鉱石層における炉壁近傍の領域に鉱石テラスが形成される。鉱石テラス長さと高炉操業の安定度を評価する指標との間には、一定の相関関係があることが知られている。すなわち、鉱石テラス長さが過度に短くなると、炉壁近傍に堆積するコークスが少なくなるため、ガスを炉内に十分に分配できなくなる。
プロフィールメータ7は、鉱石層の堆積形状を取得する。具体的には、プロフィールメータ7は、測定点毎にプロフィールメータ7と鉱石層の表面との距離の波形を取得する。プロフィールメータ7には、2次元プロフィールメータ、或いは3次元プロフィールメータを用いることができる。2次元プロフィールメータの場合、一回の測定で特定の炉径方向における堆積形状が取得される。したがって、2次元プロフィールメータを複数設置することにより、複数の炉径方向における鉱石層の堆積形状を取得することができる。また、2次元プロフィールメータを炉周方向に走行させる走行機構を設けることにより、1台の2次元プロフィールメータで複数の炉径方向における鉱石層の堆積形状を取得することができる。なお、2次元プロフィールメータを用いる場合、複数の炉径方向について取得された堆積形状を用いて、測定していない領域の堆積形状を補間することにより、鉱石層の堆積形状を推定してもよい。
3次元プロフィールメータは、炉周方向所定角度毎に炉径方向における鉱石層の堆積形状を取得する。3次元プロフィールメータの測定間隔(所定角度)は、適宜設定することができる。3次元プロフィールメータの測定間隔が広い場合は、上述の2次元プロフィールメータを用いる場合と同様に、測定していない領域の堆積形状を補間してもよい。また、3次元プロフィールメータの測定データは炉周方向角度に応じて取得されるものに限られず、例えば格子状の測定点について測定されてもよく、この場合は炉周方向角度の測定データに加工してから以降の工程に用いることができる。
ここで、堆積形状の取得には、プロフィールメータ7から生の測定データを受信することのみならず、適宜生データを加工(例えば補間)して取得することも含まれる。
コントローラ8は、プロフィールメータ7が取得した鉱石層の堆積形状に基づき、鉱石テラスの長さを評価するための長さ評価値を算出する。鉱石テラス長さとは、鉱石テラスの肩部(言い換えると、プロフィールメータ7が取得した距離の波形のうち略水平状態から傾斜状態に切り替わるポイント)から炉壁までの炉径方向における長さのことである。具体的には、取得した堆積形状を多項式近似し、これを2階微分した値が炉壁近傍で最小となるポイント(つまり、鉱石テラスの肩部に相当する位置)を算出し、このポイントと炉壁との炉径方向における距離を鉱石テラス長さとすることができる。なお、鉱石テラス長さを規定するポイントと炉壁との位置が同一方位上に存在することは言うまでもない。ここで、炉壁近傍は、例えば炉口径を1としたときの無次元半径で0.7以上1.0以下の範囲とすることができる。なお、炉口径とは、炉口の半径のことである。
コントローラ8が行う処理は、プログラムによって実現可能であり、各種処理を実現するために予め用意されたプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等のプロセスコンピュータが補助記憶装置に格納された当該プログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された当該プログラムをプロセスコンピュータが実行することで、実現される。
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、プロセスコンピュータ(例えば、サーバ)に提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(MagnetOptical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
本発明者等は、複数の炉径方向について鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値をそれぞれ取得し、これらの取得した長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として高炉を操業することを知見した。ここで、複数の炉径方向とは、炉中心から炉壁に向かって延びる仮想線のことである。炉直径上には炉中心から炉壁に向かって延びる第1の炉径方向と、炉中心から炉壁に向かって延びる、第1の炉径方向とは向きが180度異なる第2の炉径方向とが存在するが、本明細書では炉直径上に存在するこれら二つの炉径方向を夫々独立した炉径方向と扱うものとする。したがって、炉直径上に並ぶ第1の炉径方向及び第2の炉径方向のそれぞれの方向について長さ評価値を取得することも上述の「複数の炉径方向について鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値をそれぞれ取得」に含まれる。
「操業管理指標として高炉を操業する」とは、代表値が高炉操業の安定性を満足する値となるように操業管理を行うことである。これにより、炉内のガス流れがより均一となり、操業を安定化することができる。なお、以下の説明において、高炉操業の安定性が実現される長さ評価値を、適正範囲ともいう。
代表値には、例えば長さ評価値の最小値を用いることができる。すなわち、コントローラ8は、各炉径方向における長さ評価値を互いに比較し、その最小値を代表値とすることができる。長さ評価値の最小値を代表値とすることにより、取得したデータの中で最も長さ評価値が小さい堆積形状部における長さ評価値が適正範囲に改善されるため、炉周方向全体を適正範囲に向かってシフトさせることができる。結果的に、上述の効果(ガスの均一な分配)を高めることができる。また、各方位の鉱石テラス長さが均一となるようなアクションをさらに実施することにより、ガス分配の均一性をより高めることができる。
ただし、代表値は、長さ評価値の最小値に限るものではなく、長さ評価値が小さい下位X割の平均値であってもよいし、全周の単純平均でもよい。X割は例えば3割とすることができる。
ただし、代表値は、長さ評価値の最小値に限るものではなく、長さ評価値が小さい下位X割の平均値であってもよいし、全周の単純平均でもよい。X割は例えば3割とすることができる。
また、炉内圧が最も高い方位の長さ評価値を代表値としてもよい。上述の通り、鉱石テラスが短くなると炉壁近傍に堆積するコークスが少なくなり、この部分における炉内圧が高くなる。したがって、炉内圧が最も高い方位の長さ評価値を代表値としても、炉周方向全体を適正範囲に向かってシフトさせることができる。
さらに、溶銑温度が最も低い方位の長さ評価値を代表値としてもよい。ガスの流れが不十分な領域は、還元が進みにくいため、溶銑温度が低くなる。したがって、溶銑温度が最も低い方位の長さ評価値を代表値としても、炉周方向全体を適正範囲に向かってシフトさせることができる。
さらに、溶銑温度が最も低い方位の長さ評価値を代表値としてもよい。ガスの流れが不十分な領域は、還元が進みにくいため、溶銑温度が低くなる。したがって、溶銑温度が最も低い方位の長さ評価値を代表値としても、炉周方向全体を適正範囲に向かってシフトさせることができる。
適正範囲は、例えば、長さ評価値と高炉操業の安定度を評価する指標との関係(以下、関係情報ともいう)を予め調べておき、当該関係情報に基づき決定することができる。具体的には、目標とする安定度に対応する評価指標を決定し、決定した評価指標以下の範囲を満足する無次元鉱石テラス長さ(-)(長さ評価値に相当する)の範囲を決定する。この点について、図2の関係情報を取得した場合を例に挙げて詳細に説明する。図2は、鉱石装入を1チャージ当たり1ダンプで行った多数の操業実績に基づき取得した「高炉操業の安定度を評価する指標」の一例である高炉のコークス比(kg/t)と無次元鉱石テラス長さ(-)との関係であり、横軸が高炉のコークス比(kg/t)であり、縦軸が無次元鉱石テラス長さ(-)である。なお、無次元鉱石テラス長さ(-)が長さ評価値に相当することはいうまでないが、長さ評価値は、必ずしも無次元値である必要はなく、実際の鉱石テラス長さに換算した値であってもよい。コークス比(kg/t)は、銑鉄単位重量あたりのコークス消費量のことであり、CR(kg/t)ともいう。
コークス比(kg/t)は高炉の操業状況の良否を示し、コークス比(kg/t)が低いとき安定操業が実現されていると考えることができる。例えば、コークス比(kg/t)が310(kg/t)以下であることを安定操業の一基準として考えることができる。すなわち、コークス比(kg/t)が310(kg/t)以下であるとき、スペーサとしてのコークスが少なくても、炉内ガスが適切に分配され、鉱石原料が炉径方向に均一に還元されていると考えることができる。安定操業でない場合には、コークス比を増やす必要があるため、コークス比(kg/t)が310(kg/t)を超過する。したがって、図2の例では目標とする安定度に対応する評価指標を310(kg/t)に設定することができる。図2に図示するように、コークス比(kg/t)が310(kg/t)以下を満足するときの無次元鉱石テラス長さ(-)の範囲は、0.16以上である。したがって、図2の例では無次元鉱石テラス長さ(-)が0.16以上の範囲を適正範囲とすることができる。 なお、本実施形態では、「高炉操業の安定度を評価する指標」として「コークス比(kg/t)」を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、還元材比(RAR)や、通気性の安定度を示す指標(σ送風圧力、通気抵抗指数等)等の他の指標を用いることができる。他の指標を用いる場合にも、当該他の指標と無次元鉱石テラス長さ(-)との関係を求めて、適正範囲を予め設定しておくことにより、本願発明の高炉の操業方法に適用することができる。
代表値が適正範囲に属しない場合、コントローラ8は、これを改善する改善アクションを実施するための処理を行う。例えば、鉱石ダンプにおいて、炉中心側に全ノッチを1ノッチだけずらして、内振りに変更することにより改善アクションとすることができる。また、高炉のストックラインを上げることにより、改善アクションとすることができる。ストックラインを上げることにより、炉中心側に投入される鉱石が増加するため、鉱石テラス長さを長くすることができる。
また、鉱石テラス長さが最小となる方位(以下、最小方位ともいう)の原料装入量を調整することにより、改善アクションとしてもよい。具体的には、予め鉱石装入前の原料装入において、旋回シュートの旋回中に排出ゲートの開度を調整することによって、最小方位に装入される原料の装入量を多くしておく。これにより、最小方位における装入面が他の装入面よりも高くなるため、最小方位における鉱石が結果的に内振りとなり、鉱石テラス長さを長くすることができる。なお、鉱石テラス長さではなく炉内圧が最も高い方位や、溶銑温度が最も低い方位の原料装入量を調整してもよい。
本実施形態では、ベルレス式高炉を例に挙げて説明したが、本発明はベル高炉にも適用することができる。ベル高炉の場合、炉内を落下する鉱石層装入原料に衝突して、落下軌跡を修正するムーバブルアーマーの角度を調整したり、ベルの開速度を調整することにより、改善アクションとすることができる。
改善アクション後、代表値が適正範囲に属するか、再度判定を行う。その結果、代表値が適正範囲に属しない場合には、さらに改善アクションを行う。すなわち、代表値が適正範囲に属するまで、改善アクションを繰り返し実施する。
本発明は、また別の観点によれば、図3に示す装入方法制御装置により実現される。装入方法制御装置10は、取得部11と、操業制御部12とを有する。取得部11は、炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を、複数の炉径方向のそれぞれについて取得する。すなわち、取得部11は、鉱石層の堆積形状を取得するとともに、それぞれの炉径方向における長さ評価値を算出する。取得部11は、プロフィールメータ7及びコントローラ8が協働することによって実現される。操業制御部12は、取得部11が取得した複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する。操業制御部12は、コントローラ8によって実現される。処理の詳細は、上述したから説明を繰り返さない。
図4は、上述のプログラムによって実現される処理を示したフローチャートである。説明が重複するため、処理の概要のみ説明する。取得部11(プロフィールメータ7)は、鉱石層の堆積形状を取得する(ステップS101)。取得部11(コントローラ8)は、取得した堆積形状に基づきそれぞれの炉径方向について鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を算出する(ステップS102)。操業制御部12(コントローラ8)は、算出した長さ評価値に基づき代表値を決定する(ステップS103)。操業制御部12(コントローラ8)は、決定した代表値が適正範囲に属するか否かを判別する(ステップS104)。代表値が適正範囲に属する場合(ステップS104 Yes)、処理はステップS101に戻る。代表値が適正範囲に属しない場合(ステップS104 No)、処理はステップS105に進む。ステップS105において、操業制御部12(コントローラ8)は上述したアクションを実行して、処理はステップS101に戻る。なお、ステップS101~S102が請求項9に記載の「取得ステップ」に相当し、ステップS103~S105が請求項9に記載の「操業ステップ」に相当する。
本発明の高炉の操業方法について、実施例を示して詳細に説明する。1/3ベルレス試験装置を用いて実高炉と同一の条件で高炉原料を層状に装入して、複数の炉径方向における無次元鉱石テラス長さ(-)を調べた。1/3ベルレス試験装置とは、ベルレス式炉頂装入装置を模した実炉の1/3サイズの模型実験装置(半径1800mm程度)である。高炉原料の平均粒径は実炉の約1/3とし、装入量は実炉の約1/27とした。コークス装入を1チャージ当たり1ダンプで行い、コークスの1チャージ当たりの装入量は約1.3tとした。また、鉱石装入を1チャージ当たり1ダンプで行い、鉱石の1チャージ当たりの装入量は約7.3tとした。
鉱石層の堆積形状を3次元プロフィールメータで測定し、この測定した3次元堆積形状を炉周方向10°間隔ずつ切り出し、各方位(炉径方向に相当する)における堆積形状を取得した。各方位における堆積形状を取得した後、各方位の無次元鉱石テラス長さ(-)を算出した。具体的には、取得した堆積形状を多項式近似し、2階微分した値が炉壁近傍で最小となるポイントを算出し、このポイントと装置内壁との距離(炉径方向における距離)を炉口径を1として無次元化した値を無次元鉱石テラス長さ(-)とした。代表値は無次元鉱石テラス長さ(-)の最小値とした。図5に改善アクションの実施前後の無次元鉱石テラス長さ(-)をプロットした。白抜きのプロット(丸印)が改善アクション実施前であり、黒塗のプロット(丸印)が改善アクションの実施後である。適正範囲は無次元値で0.16以上とし、0.16を点線で示した。
このとき、無次元鉱石テラス長さ(-)の最小値は、方位4であり、0.16よりも小さい値であった。そこで、鉱石テラス長さを拡張するために、鉱石ダンプにおいて、全ノッチを1ノッチだけ装置中心側にずらす(内振りに変更する)ことにより、改善アクションを模擬した。これにより、鉱石をより装置中心側に装入した。
その結果、図5に図示するように、無次元鉱石テラス長さ(-)の最小値は、方位13となったが、方位13における無次元鉱石テラス長さ(-)は、0.16以上となった。すなわち、全方位において、無次元鉱石テラス長さ(-)を適正範囲に収めることができた。
また、改善アクションを実施することにより、標準偏差σが1.3から0.9に改善し、無次元鉱石テラス長さ(-)のバラツキが小さくなった。したがって、改善アクションを実施することにより、炉内のガス流れの均一化を指向した高炉操業を行うことができることが明らかとなった。
1/3ベルレス試験装置によって得られた結果を踏まえ、実高炉において、鉱石ダンプを変更した操業を行い、操業が安定するか否かを検討した。対象高炉は4000~5000m3級の高炉で、上記1/3ベルレス試験における、改善アクション実施前と同じ装入条件で操業を行っていた。この時、特定の炉径方向に設置されたプロフィールメータの測定結果より算出した無次元鉱石テラス長さ(-)は0.15であった。無次元鉱石テラス長さ(-)が適正範囲の下限値を下回っていたため、鉱石ダンプを1ノッチだけ全体に内振りにずらす改善アクションを行った。その結果、無次元鉱石テラス長さは0.22に改善し、適正範囲に収めることができた。また、炉内全体の通気抵抗が約2%低下し、炉内ガス流れが均一化したため安定操業が可能となることを確認した。
1 高炉 2 羽口 3 環状管 4 ブローパイプ
5 微粉炭吹き込み用ランス 6 旋回シュート 7 プロフィールメータ
8 コントローラ 10 装入方法制御装置 11 取得部 12 操業制御部
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8 コントローラ 10 装入方法制御装置 11 取得部 12 操業制御部
Claims (9)
- 鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業方法において、
炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得し、
前記取得された複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する高炉の操業方法。 - それぞれの炉径方向における長さ評価値を、2次元プロフィールメータを用いて取得した鉱石層の堆積形状に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
- それぞれの炉径方向における長さ評価値を、3次元プロフィールメータを用いて取得した鉱石層の堆積形状に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
- 予め高炉操業の安定度を評価する指標と長さ評価値との関係である関係情報を調べておき、
当該関係情報に基づき、高炉の安定度が高いと評価される長さ評価値の適正範囲を決定し、
前記代表値が前記適正範囲から外れる場合には、鉱石テラス長さを長くするアクションを実施することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の高炉の操業方法。 - 前記高炉操業の安定度を評価する指標は、銑鉄単位重量あたりのコークス消費量であるコークス比であることを特徴とする請求項4に記載の高炉の操業方法。
- 前記長さ評価値は、炉口径を1としたときの鉱石テラス長さである無次元鉱石テラス長さであり、
前記鉱石層を形成するための鉱石層装入原料を1チャージ当たり1ダンプで装入する場合、前記適正範囲は0.16以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の高炉の操業方法。 - 前記代表値は、取得した長さ評価値の最小値であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の高炉の操業方法。
- 鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業に用いられる装入方法制御装置において、
炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得する取得部と、
前記取得部が取得した複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する操業制御部と、
を有する装入方法制御装置。 - 鉱石層とコークス層とを炉内に交互に層状に形成し、炉頂での堆積形状を炉中心側に向かって下向きに傾斜させる高炉の操業に用いられる装入方法制御プログラムにおいて、
炉内に形成される鉱石層の鉱石テラス長さを評価するための長さ評価値を複数の炉径方向のそれぞれについて取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した複数の長さ評価値に基づき決定した代表値を操業管理指標として操業する操業ステップと、
をプロセスコンピュータに実行させるための装入方法制御プログラム。
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JP2021037174A JP2022137614A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | 高炉の操業方法、装入方法制御装置及び装入方法制御プログラム |
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2021
- 2021-03-09 JP JP2021037174A patent/JP2022137614A/ja active Pending
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