JP3603776B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉内に多量の微粉炭を吹き込んで行う高炉の操業方法、より詳細には、炉内通気性を良好に保つために炉上部の装入物分布制御を行う高炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、高炉操業では炉頂部から鉱石とコークスを交互に装入し、炉下部の羽口部から吹き込まれる1200℃程度の熱風でコークスを燃焼させ、その発生したガスにより鉱石を還元して溶銑を得るものである。
最近の高炉操業では、コークス炉の寿命延長や溶銑コストの低減などを目的としてコークスの代わりに羽口部から微粉炭を吹き込む操業が主流となっており、その吹き込み量も年々増加する傾向にある。
【0003】
微粉炭を溶銑トン当り180kg以上吹き込む高微粉炭吹込み操業においては、溶銑トン当りの鉱石装入量とコークス装入量の比(O/C比)の増加による装入物層内の空隙率の低下、溶銑トン当りの装入物重量と炉内ガス量の比(熱流比)の低下による炉内ガス温度の上昇、それに伴う炉内ガス流速の増加といった原因により、炉上部での通気抵抗及び圧損の増加を招くことが知られている。
【0004】
このような状態が生じると、送風圧力の著しい上昇や装入物が安定して降下せずに炉上部に吹き上げられる吹き抜け現象が引き起こされ、その結果、高炉の安定操業が大きく阻害され、操業弾力性が著しく低下する。したがって、高微粉炭吹込み操業下での安定操業を実現するためには、炉上部での装入物の通気性を改善することが重要である。
【0005】
一方、高微粉炭操業下で従来から行われてきた装入物分布制御法として、第89回製銑部会資料「加古川1高炉の高PCI操業」(以下、先行技術1という)や第84回製銑部会資料「君津3高炉における微粉炭多量吹込み操業試験」(以下、先行技術2という)に記載されているような、周辺部(炉壁側部分)の鉱石層とコークス層の層厚の比[Lo/Lc]を大きくすることで周辺部のガス流速(以下、周辺流という)を抑制し、その一方で、中心部(炉中心側部分)のガス流速(以下、中心流という)を強化する方法がある。
【0006】
図7は先行技術1に示されている、装入物分布制御を実施する前後での炉半径方向における[Lo/Lc]の分布である。この先行技術1によれば、図7のように微粉炭吹込み比を溶銑トン当り200kgから250kgまで増加させたのに伴い、周辺部での[Lo/Lc]が高くなるように装入物分布制御を行った結果、高微粉炭吹込みに伴う高酸素富化送風下において羽口部での衝風エネルギーが低下したものの、中心流が強化され周辺流が抑制された炉内ガス流速分布となり、この結果、炉壁部への熱損失を比較的低位に維持することができ、安定操業が可能となったとしている。
【0007】
また、図8は先行技術2に示されている、装入物分布制御を実施したときの炉半径方向でのガス利用率分布の変化を示している。ここで、ガス利用率はその値が小さいほどその部位でのガス流速が大きいことを意味している。この先行技術2によれば、微粉炭吹込み比を溶銑トン当り118kgから203kgまで増加させたのに伴い、コークスの装入モードを炉中心側に、鉱石の装入モードを炉壁側にそれぞれ変更して炉壁側での[Lo/Lc]が高くなるように装入物分布制御を行った結果、図8に示されるように周辺流が抑制され、中心流が強化された炉内ガス流速分布となり、炉上部でも安定したガス流れを維持できたとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の上記先行技術1,2が示すような装入物分布制御法を用いることで、高微粉炭吹込み時に顕著となる炉下部領域での炉壁部への熱負荷増大現象を抑制したり、融着帯形状を逆V字型に作り込むことにより融着帯を含む領域での炉内の圧力損失を低減することが可能となる。
しかし、これら先行技術1,2には、以下のような問題点がある。
【0009】
即ち、高炉原料(焼結鉱、コークス等)として通気性に対して悪影響を与えるような性状のものを使用する場合に上記先行技術の方法を実施すると、周辺流が極端に低下する結果、周辺部での鉱石の還元停滞により炉熱が低下したり、炉壁部に停滞層が形成されて炉内実容積が減少することにより通気性が悪化するなどの現象が顕著となる。ここで、先行技術1,2の装入物分布制御法では融着帯形状が逆V字型になることにより、この部位での圧力損失の低減効果が期待されるが、融着帯での通気性は、単にその形状だけでなく鉱石の溶け落ち挙動や融着層の厚さ、さらにはコークススリットの厚さや数といった要因により大きく左右されるため、十分な効果が得られない場合がある。したがって、先行技術1,2をもってしても上述した要因による炉内通気性の悪化を十分に改善することはできず、高微粉炭吹き込み操業を安定的に実施することは非常に困難であった。
【0010】
したがって本発明の目的は、微粉炭を溶銑トン当り180kg以上吹き込んで行う高炉操業において、炉上部の装入物層での圧力損失を低減することにより炉内通気性を良好に保ち、安定した高微粉炭吹き込み操業を可能とする高炉の操業方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の高炉操業方法は、炉内装入層の最上部におけるコークス層厚Lcとコークス層厚Lc及び鉱石層厚Loを合わせた装入層厚(Lc+Lo)との比[Lc/(Lc+Lo)]の炉半径方向での分布が、炉中心部側と炉壁側で大きく、且つそれらの中間部で小さくなるように装入物分布制御を行うことを骨子とするものであり、その特徴は以下のとおりである。
【0012】
[1] 炉頂部からコークスと鉱石を交互に装入し、コークス層と鉱石層とを交互に積層させる原料装入を行い、且つ炉内に微粉炭を溶銑トン当り180kg以上吹き込んで行う高炉操業において、
炉内装入層の最上部におけるコークス層厚Lcとコークス層厚Lc及び鉱石層厚Loを合わせた装入層厚(Lc+Lo)との比[Lc/(Lc+Lo)]が、炉半径方向における各領域で下記(1)〜(3)の条件を満足するよう、炉頂部からコークス及び鉱石を装入することを特徴とする高炉の操業方法。
(1) 炉半径方向における炉中心部側領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≧0.9
(2) 炉半径方向における中間部領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≦0.4
(3) 炉半径方向における炉周辺部側領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≧0.5
【0013】
[2] 上記[1]の操業方法において、炉半径方向における炉中心部側領域、中間部領域及び炉周辺部側領域を、それぞれ下記の領域に設定して炉頂部からコークス及び鉱石を装入することを特徴とする高炉の操業方法。
(a) 炉半径方向における炉中心部側領域:r/Rt≦0.1の領域
(b) 炉半径方向における中間部領域:0.1<r/Rt≦0.6の領域
(c) 炉半径方向における炉周辺部側領域:0.6<r/Rtの領域
但し r:炉半径方向における炉中心からの距離(m)
Rt:炉口部での炉内半径(m)
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明法を実施した場合の炉上部(炉内装入層の最上部)における炉径方向での装入物堆積形態と[Lc/(Lc+Lo)]の分布を示す説明図である。ここで、Lc:炉上部におけるコークス層厚、Lo:炉上部における鉱石層厚であり、したがって(Lc+Lo)は炉上部におけるコークス層及び鉱石層を合わせた装入物層厚である。また、図1において、1は鉱石層、2はコークス層、3は下層である。
【0015】
本発明法では、炉頂部からコークスと鉱石を交互に装入し、コークス層と鉱石層とを交互に積層させる原料装入を行うに当たり、コークス層厚Lcとコークス層厚Lc及び鉱石層厚Loを合わせた装入層厚(Lc+Lo)との比[Lc/(Lc+Lo)]が、炉半径方向における各領域で下記(1)〜(3)の条件を満足するようにコークス及び鉱石を装入する。
(1) 炉半径方向における炉中心部側領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≧0.9
(2) 炉半径方向における中間部領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≦0.4
(3) 炉半径方向における炉周辺部側領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≧0.5
ここで、図1に示すように[Lc/(Lc+Lo)]は、炉半径方向における炉中心部側、中間部、炉周辺部側の各領域において平均値として上記(1)〜(3)の条件を満たせばよい。
【0016】
以上のような装入物分布形態を採ることにより、炉上部の装入物層の圧力損失が効果的に低減し、炉内通気性を良好に保つことができる。これは、上記のような装入分布形態では、炉半径方向における炉周辺部側領域に通気抵抗の小さい固体充填層が形成されることになるが、円筒形の固体充填層に一定のガス量を通過させる場合、断面積の大きい炉周辺部側領域に炉中間部領域(炉半径方向における中間部領域)よりも通気抵抗の小さい充填層を形成させると、ガスが炉周辺部側領域に対して優先的に低い圧損で流れる結果、固体充填層全体の圧力損失が低下するからである。
【0017】
さらに、上記装入分布形態では炉半径方向における炉中心部側領域にコークス主体で鉱石の割合が非常に少ない充填層が形成されるが、炉中心部側領域にこのような充填層が形成されると、この炉中心部側領域では羽口からのCOガスによる還元反応(FeO+CO=Fe+CO2)があまり生じないため、CO2ガスの生成量が少なくなる。このためCO2によるソリューションロス反応(C+CO2=2CO)が生じにくく、この結果コークスの劣化が抑制され、この領域のコークスは健全な状態のまま炉下部へ供給される。そして、この領域に存在するコークスが炉下部の大部分のコークスと置換されることから、より健全なコークスが炉下部に供給されることになり、炉下部の通気性及び通液性が大きく改善されることになる。
【0018】
ここで、上記(1)の領域(炉半径方向における炉中心部側領域)における[Lo/(Lo+Lc)]の値は、可能な限り1.0(鉱石が存在しない状態)に近い方が望ましい。これは、先に述べたように炉中心部側領域に鉱石が少ないと還元反応によるCO2ガスの生成量が少なく、このためソリューションロス反応によるコークスの劣化が抑制され、この領域のコークスが健全な状態のまま炉下部へ供給される結果、炉下部の通気性及び通液性が効果的に改善されるからである。
【0019】
また、上記(2)の領域(炉半径方向における中間部領域)における[Lo/(Lo+Lc)]の下限は、平均値で0.2とすることが好ましい。この(2)の領域において[Lo/(Lo+Lc)]の平均値が0.2を下回ると、下方から供給されるガス量に対して還元されるべき鉱石量が過剰であるため鉱石の還元遅れが顕著となり、直接還元量の増加による炉熱の低下が発生し、安定操業が阻害されるため好ましくない。
【0020】
また、上記(3)の領域(炉半径方向における炉周辺部側領域)における[Lo/(Lo+Lc)]の上限は、平均値で0.7とすることが好ましい。この(3)の領域において[Lo/(Lo+Lc)]の平均値が0.7を超えると、炉壁部近傍での通過ガス量が多くなり、炉壁への熱負荷が増大することから、炉体の損傷及び燃料費の増加といった悪影響が顕著となるため好ましくない。
【0021】
また、炉半径方向における上記(1)〜(3)の領域については、炉半径方向における炉中心からの距離をr(m)、炉口部での炉内半径をRt(m)とした場合に、概ね以下のような領域とすることが好ましい。
(a) 炉半径方向における炉中心部側領域:r/Rt≦0.1の領域
(b) 炉半径方向における中間部領域:0.1<r/Rt≦0.6の領域
(c) 炉半径方向における炉周辺部側領域:0.6<r/Rtの領域
【0022】
以下、上記の装入物分布形態を実現するための好ましい原料装入方法について説明する。
図2(a)及び(b)は本発明法の実施に供されるベル式炉頂装入装置(図2(a)の装置)とベルレス式炉頂装入装置(図2(b)の装置)の概略説明図であり、図2(a)において、4はシャフト部鉄皮、5はベル、6は専用投入シュート、7は補助分配装置、8は原料装入物層表面であり、図2(b)において、4はシャフト部鉄皮、6は専用投入シュート、8は原料装入物層表面、9は旋回シュートである。
【0023】
本発明法を実施するに当たっては、予め専用投入シュート6からのコークスの落下軌跡及びコークスの中心部への堆積状態を調査しておき、装入原料を中心部に精度良く落下、堆積させることができるように専用投入シュート6の高さ、角度などの設備条件を決定する。同様に、装入原料が所望の原料装入物分布を形成するように、図2(b)のベルレス式炉頂装入装置の場合には旋回シュート9の長さ、図2(a)のベル式炉頂装入装置の場合には補助分配装置7の角度やアームの長さなどの設備条件をそれぞれ決定する。
【0024】
本発明法において、下層(鉱石層)表面上にコークスの装入を行う際には、中心部と周辺部に多く堆積するように、図2(a)のベル式炉頂装入装置においては炉壁から補助分配装置7の先端位置までの距離を、また、図2(b)のベルレス式炉頂装入装置においては旋回シュート9の傾斜角を、それぞれ調整する。ここで、中心部については専用投入シュート6を用いてコークスの装入を行うが、図2(b)のベルレス式炉頂装入装置においては、旋回シュート9を鉛直方向と平行になるように傾けてコークスの装入を行ってもよい。
【0025】
次に、上記のようにして装入されたコークス層上に鉱石の装入を行うが、この鉱石を装入した状態で、上記(1)〜(3)の条件を満足するようバッチ当りの鉱石装入量や補助分配装置7の位置などの装入条件を調整する。例えば図2(a)の場合には、炉半径方向における中間部領域での鉱石の割合を高くするために、補助分配装置7の位置を炉壁よりも炉中心側寄りに設定し、トータルの鉱石装入量の70mass %以上が炉半径方向における中間部領域に装入されるようにする。これにより鉱石装入後の炉上部での鉱石堆積形態(層断面形状)は、炉半径方向において炉壁から1.5〜2m程度炉中心側寄りの位置にピークをもつM字形状となり、炉に装入されるコークスが炉壁部側(炉周辺部側領域)に歩留りやすくなる。その結果、炉周辺部側領域での[Lo/(Lo+Lc)]の値を0.5以上に維持することが容易になる。
【0026】
図3は、先に述べた先行技術の方法で原料装入を行った場合と、本発明法により原料装入を行った場合について、装入原料層の高さ方向での単位長さ当たりの圧力損失を比較して示したものである。この結果は、実機高炉の1/10スケールの試験装置による装入物分布試験から得られたものである。この試験装置は実機高炉の上部(炉体部分と炉頂装入機器の部分)を1/10に縮尺した装置であって、下部からの送風も可能であり、実機高炉の炉上部での装入物分布形状を忠実に再現することができる。また、この試験では、原料鉱石及びコークスとして実機高炉で使用する原料鉱石及びコークスの1/10の大きさのものを使用し、また、下方からの送風量も実機高炉の流動化条件と一致するように決定した。
【0027】
表1に原料装入条件を示す。従来技術の方法の場合には、鉱石装入時の補助分配装置(図2(a)の補助分配装置7)の位置を炉壁側に設定して炉周辺部側領域の[Lo/(Lo+Lc)]の値が0.5以下となるように調整した。同様に、CFC投入量を低下させて炉中心部側領域の[Lo/(Lo+Lc)]の値が0.9以下となるように調整した。
【0028】
【表1】
【0029】
図3によれば、本発明法により原料装入を行った場合には、炉半径方向における中間部領域のガス流速が低下し、表面積の大きい炉周辺部側領域のガス流速が増加するため、先行技術に較べてトータルとしての装入物層の圧力損失が低減されていることが判る。
以上述べた本発明による高炉の操業方法は、特に、微粉炭を溶銑トン当り230kg以上吹き込む高微粉炭吹込み操業に有効である。
【0030】
【実施例】
本発明法により、ベル式炉頂装入装置を備えた高炉において微粉炭比180kg/溶銑ton以上の高微粉炭吹込み操業を実施した。
表2に、本発明法による操業時と本発明法の実施前の操業時の原料装入量、補助分配装置(MA)の位置及び中心部コークス投入量(CFC投入量)を示す。この高炉操業では、コークスを2バッチ、鉱石を3バッチに分けて交互に装入する方法を採用し、本発明法の実施では鉱石バッチのうちの1つのバッチのMA位置と装入量を調整することで、炉半径方向における[Lc/(Lc+Lo)]の値を調整した。
【0031】
【表2】
【0032】
図4は、本発明法による操業時と本発明法の実施前の操業時における装入物分布形状と[Lc/(Lc+Lo)]の分布を比較して示したものである。この装入物分布形状及び[Lo/(Lo+Lc)]分布は、炉頂部に設置してあるμ波距離計測装置により1バッチが装入される毎に炉内半径方向の表面形状を計測し、装入物の体積と一致するように各表面形状レベルを調整することで得られたものである。同図によれば、本発明法の操業では炉上部における[Lc/(Lc+Lo)]が、炉半径方向で上記(1)〜(3)の条件で設定されている。
【0033】
図5は、本発明法を実施する前後約3ヶ月間での操業諸元の推移を示している。これによれば、図4で示したような本発明法による装入物分布形態を適用した結果、微粉炭吹込み比を溶銑トン当り180kgから250kgへ増加させても、炉内通気抵抗の上昇は殆ど見られず、安定した高微粉炭吹込み操業を継続することができている。
【0034】
図6は本発明法を実施する前後での微粉炭吹込み比と炉上部の通気抵抗指数Kuとの関係を示したのもので、同図によれば本発明法を実施することにより装入物層の通気性が顕著に改善されており、この結果、図5に示すような炉全体の通気抵抗の改善につながったものと考えられる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように本発明法によれば、微粉炭を溶銑トン当り180kg以上吹き込んで行う高炉操業において、炉上部の装入物層での圧力損失を低減させることにより炉内通気性を顕著に改善することができる。このため安定した高微粉炭吹込み操業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施した場合の炉上部における炉半径方向での装入物堆積形態と[Lc/(Lc+Lo)]分布を示す説明図
【図2】本発明法の実施に供されるベル式炉頂装入装置(図2(a))とベルレス式炉頂装入装置(図2(b))の概略を示す説明図
【図3】先行技術の方法で原料装入を行った場合と、本発明法により原料装入を行った場合について、装入原料層の高さ方向での単位長さ当りの圧力損失を示すグラフ
【図4】本発明法による操業時と本発明法の実施前の操業時における装入物分布形状と[Lc/(Lc+Lo)]分布を比較して示したグラフ
【図5】本発明法を実施する前後での操業諸元の推移を示すグラフ
【図6】本発明法を実施する前後での微粉炭吹込み比と炉上部通気抵抗指数Kuとの関係を示すグラフ
【図7】先行技術1の装入物分布制御を実施する前後での炉半径方向における鉱石層厚Lo/コークス層厚Lcの比の分布を示すグラフ
【図8】先行技術2の装入物分布制御を実施したときの炉半径方向でのガス利用率分布の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1…鉱石層、2…コークス層、3…下層、4…シャフト部鉄皮、5…ベル、6…専用投入シュート、7…補助分配装置、8…原料装入物層表面、9…旋回シュート
Claims (2)
- 炉頂部からコークスと鉱石を交互に装入し、コークス層と鉱石層とを交互に積層させる原料装入を行い、且つ炉内に微粉炭を溶銑トン当り180kg以上吹き込んで行う高炉操業において、
炉内装入層の最上部におけるコークス層厚Lcとコークス層厚Lc及び鉱石層厚Loを合わせた装入層厚(Lc+Lo)との比[Lc/(Lc+Lo)]が、炉半径方向における各領域で下記(1)〜(3)の条件を満足するよう、炉頂部からコークス及び鉱石を装入することを特徴とする高炉の操業方法。
(1) 炉半径方向における炉中心部側領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≧0.9
(2) 炉半径方向における中間部領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≦0.4
(3) 炉半径方向における炉周辺部側領域:平均値で[Lc/(Lc+Lo)]≧0.5 - 炉半径方向における炉中心部側領域、中間部領域及び炉周辺部側領域を、それぞれ下記の領域に設定して炉頂部からコークス及び鉱石を装入することを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
(a) 炉半径方向における炉中心部側領域:r/Rt≦0.1の領域
(b) 炉半径方向における中間部領域:0.1<r/Rt≦0.6の領域
(c) 炉半径方向における炉周辺部側領域:0.6<r/Rtの領域
但し r:炉半径方向における炉中心からの距離(m)
Rt:炉口部での炉内半径(m)
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