JP4941122B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低還元材比操業に適したベル式高炉の操業方法に関し、詳しくは、高炉中心軸の近傍領域にコークスと鉱石の混合領域を形成することが可能な装入方法により鉱石とコークスを炉内へ装入する高炉操業方法に関する。
高炉には、鉄源である鉱石と還元材であるコークス(以下、これらの鉱石とコークスを総称して「原料」と言う)が、炉頂に設けられた装入装置によって交互に積み重ねられ、層状に装入される。一方、炉下部に設けられた羽口から送風される加熱空気によって羽口前のコークスが燃焼消費され、前記原料が炉頂から徐々に炉内を降下しながら上昇するガスにより加熱され、鉱石は還元されながら軟化溶融して銑鉄となり、炉下部から排出される。実際の操業では、羽口から前記加熱空気とともに微粉炭を吹込むなど種々の操業形態が採用されるが、炉頂からの原料装入と羽口からの送風により、向流方式で連続的に鉱石を還元する操業を行うことが基本になっている。
高炉操業において、鉱石の還元反応を効率よく行い、かつ炉内を上昇するガスの通気抵抗を低位に抑制することは重要であり、これら高炉内の反応効率や通気抵抗を制御するために、高炉炉頂部における鉱石層厚やコークス層厚の制御、及びコークスや鉱石の粒径等の半径方向における分布制御、即ち装入物分布制御が行われる。
高炉の装入装置は、ベル式装入装置とベルレス式(旋回シュート式)装入装置に大別されるので、装入方法についても、それぞれの装置を使用したベル式装入方法とベルレス式装入方法とがある。後者の方が歴史は新しく、装入物分布制御の自由度は大きいが、一方前者には経験の蓄積があり、現在でも両方式が併用されている。さらに、例えばベル式装入装置を具備した高炉をベル式高炉、当該高炉による操業方法をベル式高炉操業方法などとも称する。
高炉内における鉱石の還元効率および融着帯の通気性を改善するには、鉱石とコークスを混合することが有効であることが知られており、高炉内で適切な混合状態を作り出すためのベル式装入装置による装入方法も開示されている。
例えば、特許文献1には、粒径15mm以下のコークスを高炉装入前に予め鉱石に混合した混合鉱石類と塊コークスを層状に装入することにより、反応効率の向上と良好な通気性維持を狙ったコークス装入方法が開示されている。また、特許文献2には、大ベルホッパー内に積みつけられた鉱石の下部領域に粒径35mm以下のコークスを20重量%以下となるように混合し、これを大ベルホッパーから炉内に装入することにより、前記コークスを炉内周辺部へ偏析装入して鉱石層内に混合コークスを配置させる高炉用原料の装入方法が開示されている。
本発明者らは、ベルレス高炉において、還元材比の低減を図るため、反応効率と通気性を良好に維持する検討を種々実施してきた。例えば、非特許文献1に記載されているように鉱石装入時のコークス崩れを利用することにより、中心近傍にコークスと鉱石の混合層を形成させ、実高炉において、還元材比低減と通気抵抗指数の改善を達成している。
特開昭51−138501号公報 特開平11−229008号公報 CAMP−ISIJ Vol.19(2006)−703
特許文献1、特許文献2に記載されるいずれの技術においても、鉱石層にコークスを混合させることにより、鉱石の還元効率および通気性の改善に有効な混合層を形成している。しかし、コークス単味層(コークスのみからなる層)は、依然として存在しており、反応効率向上の視点からは、不充分である。
また、非特許文献1に記載されている、高炉の中心近傍にコークスと鉱石の混合層を形成させることによる還元材比低減と通気抵抗指数についての改善の効果は、ベルレス高炉において、鉱石装入時のコークス崩れを利用することによるものであり、原料の装入速度(ton/sec)がベルレス式装入と比べて10倍程度大きいベル式装入の場合の混合層の形成機構及びその効果については明らかではない。
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、ベル式高炉内で鉱石とコークスの混合層を適切に形成させ得る装入方法により鉱石とコークスを炉内へ装入して、鉱石の還元効率を向上させ、炉内の通気性を良好に維持することができる高炉操業方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、ベル式高炉を想定した平板実機大装入試験装置を用いて、原料の装入試験を実施した。ベル平板実機大装入試験装置は、炉口半径3.8m、奥行き0.7mの矩形型で、原料装入時における斜面形成過程を観察できるように、アクリル板で構成されている。大ベル半径は2.85mである。試験実施の際は、操業中の高炉内装入物分布形成挙動を再現するため、装置内の堆積コークスに底部から送風機により空気を送風した。
図1は、試験結果の代表例を模式的に示す図である。図1において、コークス層と鉱石層間の実線は、鉱石装入前のコークス層表面を示している。このコークス層表面に、白抜き矢印で示すように鉱石を装入することによってコークス層の上に鉱石層が形成されるが、前掲の非特許文献1に示されるベルレス式高炉での挙動と同様に、コークス層と鉱石層間の破線で囲まれた範囲には、混合層(コークス層中に鉱石が混合する領域と鉱石層中にコークスが混合する領域)が存在しており、高炉の中心近傍に、混合層の厚さの大きい領域が観察された。しかし、前述のように、ベル式装入の場合、原料装入速度がベルレス式装入と比べて著しく大きいため、高炉の中心近傍では、混合層の厚さが大きくなり、当該部位でのコークス単味層が非常に薄いことが分かった。また、鉱石単味層(鉱石のみからなる層)が存在することも観察された。
したがって、この中心近傍のコークス単味層に鉱石を混合すれば、中心近傍領域のコークス層を混合層とすることができ、また、中心近傍の鉱石単味層にコークスを混合すれば、中心近傍領域に残った鉱石単味層も混合層とすることができると考えられる。即ち、コークス層及び鉱石層の上から下まで、言い換えれば、装入物表面から融着帯まで混合層とすることが可能となる。
本発明者らは、このような着想に基づき、混合層を活用した高炉内装入物の層構造の理想形として、図2に示すような層構造を想定した。
即ち、炉中心部(高炉の中心軸を含む炉中心近傍領域をいう)にはガス流確保のためのコークス単味層1を、中心部近傍から中間部にかけてコークスと鉱石の混合層2を配置し、炉中間部から周辺部にかけて、コークスと鉱石の層構造3を配置することにより、反応効率の向上と通気性の確保を狙う操業方法である。なお、融着層4はコークスと鉱石が軟化した領域であり、融着層の下部ではコークス層中を溶融した銑滓が滴下し、滞留しているが、図2ではその部分もコークス単味層1として表示した。
このような炉内状況を造り込むための手段を以下に説明する。なお、1回の装入は、専用シュートによる炉中心部への塊コークス装入(Cc)、大ベルホッパーからの鉱石装入(O)及びコークス装入(C)で構成されており、高炉操業ではこの装入が周期的に繰り返される。
まず、前回の装入において装入されたコークス層(C)に続いて、専用シュートを用いて中心部に塊コークスを装入する。ここで装入される塊コークスは、炉中心部にコークス単味層を形成するとともに、次に装入される鉱石が炉中心に向かって流れ込んできても、鉱石が炉中心にまで達するのを妨げるように作用する。
次に、同じく前回装入されたコークス層(C)の上に大ベルホッパーから鉱石を装入するのであるが、鉱石がコークス層(C)を崩して中心方向に流れ込む時に、中心近傍にコークスと鉱石の混合層が形成され、炉中間部から周辺部にかけて、鉱石単味層が形成される。
更に、コークスを装入するが、ここで、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域に鉱石類を混合することにより、大ベルから最初に排出された混合層は、鉱石単味層の上を中心方向に流れ込み、比重差によって促進された斜面分級により中心近傍から中間部にかけて混合層が形成され、続いて排出されたコークスによって炉中間部から周辺部にかけて、コークス単味層が形成される。
本発明は、高炉内にこのような層構造が形成されるように原料装入を行うことを基本的な考え方として更に検討を重ねた結果なされたもので、その要旨は、下記の高炉操業方法にある。
すなわち、ベル式装入装置によりコークスと鉱石を炉内に装入し、さらに専用シュートによりコークスを炉内に装入するベル式高炉操業方法において、ベル式装入装置によりコークスを装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置するとともに、該混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下として、炉内に装入することを特徴とする操業方法である。
なお、前記の数値限定を数式で表現すると、下記(1)式のようになる。
Wcm/Wc≦0.09 ・・・(1)
但し、Wc :コークスを装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられたコー
クスの質量
Wcm:前記積み付けられたコークスの一部であって、下部の混合物配置
領域に含まれるコークスの質量
この高炉操業方法においては、前記混合物配置領域中の鉱石の比率を80質量%以下とすることが望ましい。
ここでの数値限定を数式で表すと、下記(2)式のようになる。
Wom/(Wom+Wcm)≦0.80 ・・・(2)
但し、Wom:大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部の混合物配置領
域に含まれる鉱石の質量
また、本発明の高炉操業方法において、ベル式装入装置により鉱石を装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域に鉱石とコークスの混合物を配置するとともに、該混合物配置領域中の鉱石質量を大ベルホッパー中の全鉱石の9質量%以下として、炉内に装入することとすれば、中心近傍に鉱石単味層を形成させることなく、混合層とすることができ、望ましい。
本発明の高炉操業方法によれば、ベル式高炉内で鉱石とコークスの混合層を適切に形成させ得る装入方法により鉱石とコークスを炉内へ装入して、炉中心部にはコークス単味層を配置し、中心部近傍から中間部にかけてコークスと鉱石の混合層を、更に炉中間部から周辺部にかけてコークスと鉱石の層構造を配置する炉内層構造とすることが可能であり、鉱石の還元効率を向上させ、炉内の通気性を良好に維持することができる。
本発明の高炉操業方法は、前記のように、ベル式装入装置によりコークスを装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置するとともに、該混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下として、炉内に装入することを特徴とする操業方法である。
本発明の高炉操業方法において、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置するのは、高炉内の層構造を前記図2に示した理想的な状態とするためである。
前述したように、図2に示した高炉内の層構造は、専用シュートによる炉中心部への塊コークス装入(Cc)、大ベルホッパーからの鉱石装入(O)及びコークス装入(C)で構成される1回の装入を周期的に繰り返すことにより造り込むことができる。そのために、本発明の高炉操業方法では、ベル式装入装置によりコークスと鉱石を炉内に装入し、さらに専用シュートによりコークスを炉内に装入するに際し、ベル式装入装置によるコークス装入(C)で、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置する装入方式を採用する。これにより、炉中心部近傍から中間部にかけてコークスと鉱石の混合層を形成させることができ、更に、炉中心部への塊コークス装入(Cc)及び大ベルホッパーからの鉱石装入(O)による層形成と相俟って、全体として図2に示した高炉内の層構造とすることができる。
このような装入方法を採ることにより、鉱石の反応効率(還元効率)を向上させ、炉内の通気性を良好に維持できる高炉操業方法の実施が可能となる。
さらに、本発明では、前記下部の混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下と規定する。これは、以下に述べるように、図2に示した理想的な炉内層構造について、定量的な評価を行った結果に基づくものである。
まず、炉中心部のコークス単味層、即ち、コークスの柱の半径については、前述の平板実機大装入試験装置を用いて行った原料の装入試験結果から、鉱石が存在しないコークス単味層の無次元半径は約0.05であった。
次に、高炉トータルシミュレーターを用いて、炉内圧力損失とCOガス利用率を算出し、それに基づき、炉中心部近傍から中間部にかけて形成されるコークスと鉱石の混合層の最適な領域について検討した。算出するに際しては、混合層の高温通気抵抗は、鉱石単味層の75%に低減すると仮定した。
図3に、炉内圧力損失とCOガス利用率の算出結果を示す。「炉内圧力損失」とは、高炉羽口における送風圧力と炉頂におけるガス圧力との差であり、炉内の通気性の指標である。以下、「圧力損失」、又は単に「圧損」ともいう。また、「COガス利用率」とは、高炉炉頂におけるガス成分に関して、下記(3)式で算出される比率で、これにより鉱石の反応効率の良否を判断することができる。以下、「ガス利用率」ともいう。なお、図3において、横軸は、混合層の外周縁が存在する位置を無次元半径(r/R;Rは炉内半径、rは混合層外周縁の存在位置)で示している。
COガス利用率={CO2/(CO2+CO)}×100 ・・・(3)
図3に示されるように、混合層領域を広げていくと、混合層の通気抵抗が低いため、混合層にガスが流れやすくなり、炉中心部近傍および中心部近傍から中間部にかけての混合層領域の融着帯位置が上昇して、逆V型が強くなる。その結果、高炉全体の通気抵抗が低下し、圧損が低減する。
ガス利用率については、混合層の反応効率が高いために、混合層領域が小さい段階では、混合層領域を広げていくとガス利用率が向上する。一方、混合層外周縁が無次元半径0.4の近傍に達すると、通常の装入物分布では「O(鉱石)/C(コークス)」が高く(つまり、還元材比が低く)、「ガス/固体」の比率が小さいので、ガス利用率の高い領域において「ガス/固体」比率が上昇してガスが流れやすくなりガス利用率が低下するために、逆に炉全体のガス利用率は低下する。結果として混合層外周縁が、無次元半径0.3強のところにコークスと鉱石の混合層の最適な領域が存在する。
混合層がこの最適領域にあるときの混合層の面積は、炉口断面積の約9%である。この面積比率に相当するコークスの比率、即ち、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域に配置するコークスと鉱石の混合物中のコークスの質量は、コークス層の厚みが半径方向でほぼ均一であると仮定すると、大ベルホッパーに積み付けられたコークス総質量に対して9質量%となる。したがって、本発明の高炉操業方法では、前記混合物中のコークスの質量(即ち、混合物配置領域中のコークス質量)を、大ベルホッパーに積み付けられたコークス総質量に対して、9質量%以下と規定する。「9質量%以下」としたのは、図3に示されるように、9質量%に満たなくても反応効率及び通気性の改善が期待できるからである。
前記混合物配置領域中のコークス質量の下限は特に定めない。コークスと鉱石の混合層が僅かであっても形成されれば、反応効率及び通気性の改善が期待できるからであるが、明確な改善効果を期待するという意味で、前記コークス質量の下限を2質量%とするのが望ましい。
以上説明したように、本発明の高炉操業方法では、ベル式装入装置によりコークスを装入する際に、1チャージの原料装入において、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置するとともに、この混合物配置領域中のコークス質量を、大ベルホッパー中の全コークスの9質量以下とする原料装入を織り込むことにより、炉中心部にコークス単味層を設け、中心部近傍から中間部にかけてコークスと鉱石の混合層を形成させ、炉中間部から周辺部にかけてコークスと鉱石の層構造を形成させる。その結果、鉱石の反応効率を向上させ、炉内の通気性を良好に維持した高炉操業を行うことができる。
本発明の高炉操業方法においては、前述のように、混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下とすることに加え、混合物配置領域中の鉱石の比率を80質量%以下となるように原料装入を行う実施の形態を採ることができる。これは、以下に述べる荷重軟化試験により検討した結果に基づくものである。
図4は、原料の荷重軟化試験条件及び試験結果を示す図で、(a)は混合層のないベースの試験条件、(b)は混合層を有する場合の試験条件の説明図であり、(c)は試験結果で、混合層中の鉱石の混合率と圧力損失ピーク値の関係を示す図である。
試験方法としては、半径が70mmで、底部に送気孔が設けられたるつぼ内に、粒径が15〜20mmの原料を装填し、底部から高温のCO/CO2/N2混合ガスを送通して原料を加熱し、昇温過程における圧力損失を測定する方法を用いた。なお、高炉内条件を再現するため、昇温に伴い、CO/CO2/N2混合ガスの成分を変更し、上から98kPaの荷重をかけた。
混合層のないベース条件での試験(図4(a)参照)では、原料の層厚は、下部のコークス層を100mm、上部の焼結鉱層(即ち、鉱石層)を150mmとした。混合層を有する場合の試験(図4(b)参照)では、コークス層の上部30mmに焼結鉱を混合しそれに見合う量の上部の焼結鉱層を減少させて、コークス層と鉱石層の間に混合層を設け、3層構造とした。焼結鉱(即ち、鉱石)の混合率は、0、40、60、80又は90質量%とした。低混合率では、鉱石層厚みの減少幅が小さく融着層厚みの変化が小さいため圧力損失ピーク値が殆ど変化しないので、低混合率側の刻みを粗くした。
試験結果は、図4(c)に示したとおりで、鉱石混合率の増加に伴い圧力損失ピーク値(ベース条件での圧力損失ピーク値に対する比で表示)は低減するが、鉱石混合率が80質量%を超えると、混合層が岩盤状の融着層を形成して純粋な鉱石層と同様な挙動を示すため、圧力損失ピーク値は急激に増加する。したがって、鉱石混合率は、80質量%以下とするのが望ましい。
この荷重軟化試験結果に示されるように、本発明の高炉操業方法において、混合物配置領域中の鉱石の比率を80質量%以下とすれば、炉内の良好な通気性を安定して維持することができる。なお、前記鉱石比率の下限は特に定めないが、良好な通気性を安定して確保するという観点から、鉱石比率を40質量%とすることが望ましい。
さらに、本発明の高炉操業方法において、ベル式装入装置により鉱石を装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域に鉱石とコークスの混合物を配置するとともに、この混合物配置領域中の鉱石質量を、大ベルホッパー中の全鉱石の9質量%以下として、炉内に装入する実施形態を採用すれば、後述する実施例に示すように、混合層の形成を促進することができるので、反応効率の向上効果を更に高めるとともに、良好な通気性を維持することができる。
本発明の効果を確認するため、前述の高炉トータルシミュレーターを用い、ベル式装入装置によりコークスを装入する際に鉱石を混合した混合物により形成される混合層領域の比率(炉口断面積に対する混合層の存在領域の面積比率)を変化させ、更に鉱石混合率を変化させて、COガス利用率と炉内圧力損失を算出した。混合層領域の比率は4、9又は16%とし、コークスへの鉱石混合比率は20、40、60、80又は90質量%とした。
図5にCOガス利用率の算出結果を、図6に炉内圧力損失の算出結果を示す。COガス利用率は、高ければ高いほどよいが、51.30%以上であれば、ベース値(混合層領域なしとした場合の算出結果)51.24%(図5中に太破線で表示)に対して明確な改善効果があるとみて、良好と評価した。また、炉内圧力損失は低いほどよく、84.0kPa以下であれば、良好と評価した。
図5から明らかなように、混合層領域比率が9%以下であれば、COガス利用率について明確な改善効果が認められる。混合層領域比率が9%以下ということは、前述のように、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部の混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下とする本発明の規定(但し、コークス層の厚みが半径方向でほぼ均一であると仮定)に対応するので、この規定を満たすことにより、鉱石の反応効率が向上することが確認できた。
また、図6に示されるように、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域(混合物配置領域)中の鉱石混合率が80質量%以下であれば、圧力損失を前記84.0kPa以下の良好な範囲内に維持することができる。したがって、前記混合物配置領域中の鉱石混合率が80質量%以下という望ましい範囲内にあれば、良好な通気性を安定して維持することができる。
更に、ベル式装入装置によりコークスを装入するに際し、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域(混合物配置領域)に鉱石を60質量%混合して装入する条件に加えて、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域に鉱石とコークスの混合物を配置して装入する本発明の実施形態について、高炉トータルシミュレーターを用いて、COガス利用率と炉内圧力損失を算出した。ここでは、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域に鉱石を混合して装入する場合、及び大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域にコークスを混合して装入する場合のいずれについても、混合層領域比率を、4、9又は16%とし、鉱石の下部領域に混合するコークスの混合率は50質量%とした。
図7にCOガス利用率の算出結果を、図8に炉内圧力損失の算出結果を示す。
図7に示されるように、混合層領域比率が9%以下であれば、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域(混合物配置領域)に鉱石を60質量%混合して装入する場合(図7の破線)、及び、更に、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域にコークスを50質量%混合して装入する場合(図7の実線)のいずれにおいてもCOガス利用率について明確な改善効果が認められる。しかも、前者に比べて、後者(更に、鉱石の下部領域にコークスを混合して装入する場合)の方が、鉱石と炉内上昇ガスとの接触効率が改善されて、COガス利用率が向上する。
しかしながら、混合層領域比率が9%を超えると、コークスの下部領域(混合物配置領域)に鉱石を混合する場合と同様に、COガス利用率は低下する。なお、混合層領域比率が9%ということは、コークスの下部領域(混合物配置領域)に鉱石を混合する場合について図3を参照して説明したように、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部の混合物配置領域中の鉱石質量を大ベルホッパー中の全鉱石の9質量%にすること(但し、鉱石層の厚みが半径方向でほぼ均一であると仮定)に対応する。
したがって、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部の混合物配置領域にコークスを混合して装入する場合、鉱石の下部領域(混合物配置領域)中の鉱石質量を大ベルホッパー中の全鉱石の9質量%以下にすることが望ましい。
また、図8に示されるように、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域に鉱石を60質量%混合して装入する場合(図8の破線)、及び、更に、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域にコークスを50質量%混合して装入する場合(図8の実線)のいずれにおいても、圧力損失を低下させることができる。
以上述べたように、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域(混合物配置領域)中のコークス質量を本発明で規定するように、大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下とすれば、COガス利用率の向上と良好な通気性の確保を両立させ得ることがわかる。更に、前記混合物配置領域中の鉱石混合比率を望ましい範囲内(80質量%以下)とすれば、良好な通気性を安定して維持することができる。
また、上記の装入方法を採った上で、更に、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域にコークスを混合して装入することにより、炉内反応効率を一層向上させ得ると共に、良好な通気性を確保することができる。
本発明の高炉操業方法は、ベル式装入装置によりコークスを装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置するとともに、該混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下として、炉内に装入する操業方法であり、鉱石とコークスの適切な混合層を形成させて、鉱石の還元効率を向上させ、炉内の通気性を良好に維持することができる。
したがって、本発明の高炉操業方法は、ベル式高炉の操業方法として有効に利用することができる。
ベル平板実機大装入試験装置を用いて行った原料の装入試験結果の代表例を模式的に示す図である。 高炉内装入原料の理想的な層構造を模式的に示す図である。 高炉内の混合層領域が圧損とCOガス利用率に及ぼす影響を高炉シミュレーターにより求めた結果を示す図である。 原料の荷重軟化試験条件及び試験結果を示す図で、(a)は混合層のないベースの試験条件、(b)は混合層を有する場合の試験条件の説明図であり、(c)は混合層中の鉱石の混合率と圧力損失ピーク値の関係を示す図である。 ベル式装入装置によりコークスを装入する際に形成される混合層領域比率と鉱石混合率がCOガス利用率に及ぼす影響を高炉シミュレーターにより求めた結果を示す図である。 ベル式装入装置によりコークスを装入する際に形成される混合層領域比率と鉱石混合率が炉内圧力損失に及ぼす影響を高炉シミュレーターにより求めた結果を示す図である。 ベル式装入装置により鉱石を装入する際に形成される混合層領域比率とコークス混合率がCOガス利用率に及ぼす影響を高炉シミュレーターにより求めた結果を示す図である。 ベル式装入装置により鉱石を装入する際に形成される混合層領域比率とコークス混合率が炉内圧力損失に及ぼす影響を高炉シミュレーターにより求めた結果を示す図である。
符号の説明
1:コークス単味層
2:コークスと鉱石の混合層
3:コークスと鉱石の層構造
4:融着層

Claims (3)

  1. ベル式装入装置によりコークスと鉱石を炉内に装入し、さらに専用シュートによりコークスを炉内に装入するベル式高炉操業方法において、
    ベル式装入装置によりコークスを装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられたコークスの下部領域にコークスと鉱石の混合物を配置するとともに、該混合物配置領域中のコークス質量を大ベルホッパー中の全コークスの9質量%以下として、炉内に装入することを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記混合物配置領域中の鉱石の比率を80質量%以下とすることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. ベル式装入装置により鉱石を装入する際に、大ベルホッパーに積み付けられた鉱石の下部領域に鉱石とコークスの混合物を配置するとともに、該混合物配置領域中の鉱石質量を大ベルホッパー中の全鉱石の9質量%以下として、炉内に装入することを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉操業方法。
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