JPH0442444B2 - - Google Patents
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- JPH0442444B2 JPH0442444B2 JP22098287A JP22098287A JPH0442444B2 JP H0442444 B2 JPH0442444 B2 JP H0442444B2 JP 22098287 A JP22098287 A JP 22098287A JP 22098287 A JP22098287 A JP 22098287A JP H0442444 B2 JPH0442444 B2 JP H0442444B2
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- coke
- furnace
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- reducing agent
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21B—MANUFACTURE OF IRON OR STEEL
- C21B5/00—Making pig-iron in the blast furnace
- C21B5/008—Composition or distribution of the charge
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacture Of Iron (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、高炉操業における炉芯固体還元剤層
の通気性を良好に保ち、炉況を安定に維持するこ
とのできる制御法に関するものである。尚本発明
においては、炉芯層構成用の固体還元剤としてコ
ークスのほか炭化珪素、黒鉛、木炭等も使用可能
であるが、本明細書では最も代表的なコークスを
主体にして説明を進める。
の通気性を良好に保ち、炉況を安定に維持するこ
とのできる制御法に関するものである。尚本発明
においては、炉芯層構成用の固体還元剤としてコ
ークスのほか炭化珪素、黒鉛、木炭等も使用可能
であるが、本明細書では最も代表的なコークスを
主体にして説明を進める。
[従来の技術]
高炉を安定にしかも効率良く操業するには、炉
内を上昇するガス流分布を適正に制御することが
重要である。たとえば第1図は高炉操業状況を示
す断面模式図であり、図中Oは鉱石、Cはコーク
ス、Kは塊状帯、SMは軟化融着帯、Coは炉芯コ
ークス、Lはレースウエイ、Bは羽口、Fは溶
銑、Eは出湯口を夫々示す。即ち高炉頂部から交
互に装入される鉱石OとコークスCは層状を呈し
つつ徐々に降下し、羽口Bから吹込まれる熱風と
コークスとの反応によつて生成する還元性ガス
(CO)の作用で鉱石Oは塊状帯Kを降下しつつ
徐々に還元され、軟化融着帯SMを形成した後炉
芯コークス層Coの〓間を伝つて炉底部に溜まる。
そしてこの溶銑Fは、定期的にまたは連続的に出
湯口Eより抜き出される。
内を上昇するガス流分布を適正に制御することが
重要である。たとえば第1図は高炉操業状況を示
す断面模式図であり、図中Oは鉱石、Cはコーク
ス、Kは塊状帯、SMは軟化融着帯、Coは炉芯コ
ークス、Lはレースウエイ、Bは羽口、Fは溶
銑、Eは出湯口を夫々示す。即ち高炉頂部から交
互に装入される鉱石OとコークスCは層状を呈し
つつ徐々に降下し、羽口Bから吹込まれる熱風と
コークスとの反応によつて生成する還元性ガス
(CO)の作用で鉱石Oは塊状帯Kを降下しつつ
徐々に還元され、軟化融着帯SMを形成した後炉
芯コークス層Coの〓間を伝つて炉底部に溜まる。
そしてこの溶銑Fは、定期的にまたは連続的に出
湯口Eより抜き出される。
この様な高炉操業の効率および安定性を高める
ための制御法については多くの提案がなされてい
るが、現在のほぼ確立した考えでは、たとえば本
出願人の出願に係る特開昭60−56003号公報にも
既に記載した様に、高炉上昇ガスを中心流化して
軟化融着帯SMの形状を逆V字形に維持したとき
には操業効率が最も高く且つ安定化すると言われ
ている。そこでこの様な操業状況を確保するため
の手段として、鉱石OやコークスCの装入方法、
積層形状、通気性等について様々の改良研究が進
められているが(たとえば特公昭61−42896号や
特開昭61−227109号等)、それらの研究の殆んど
は、軟化融着帯SMの形状改善あるいは該融着帯
よりも上方の塊状帯Kにおける上昇ガス流の適正
化、更には鉱石OとコークスCの積層形状の改善
に主眼を置くものであり、前述の公報に開示した
ものもその様な趣旨に沿うものであつた。これに
対し軟化融着帯SMよりも下方に位置する炉芯コ
ークス層Coについてはその性状等が操業安定性
等にどの様な影響を及ぼすか、といつた点につい
て研究されたことはない。
ための制御法については多くの提案がなされてい
るが、現在のほぼ確立した考えでは、たとえば本
出願人の出願に係る特開昭60−56003号公報にも
既に記載した様に、高炉上昇ガスを中心流化して
軟化融着帯SMの形状を逆V字形に維持したとき
には操業効率が最も高く且つ安定化すると言われ
ている。そこでこの様な操業状況を確保するため
の手段として、鉱石OやコークスCの装入方法、
積層形状、通気性等について様々の改良研究が進
められているが(たとえば特公昭61−42896号や
特開昭61−227109号等)、それらの研究の殆んど
は、軟化融着帯SMの形状改善あるいは該融着帯
よりも上方の塊状帯Kにおける上昇ガス流の適正
化、更には鉱石OとコークスCの積層形状の改善
に主眼を置くものであり、前述の公報に開示した
ものもその様な趣旨に沿うものであつた。これに
対し軟化融着帯SMよりも下方に位置する炉芯コ
ークス層Coについてはその性状等が操業安定性
等にどの様な影響を及ぼすか、といつた点につい
て研究されたことはない。
[発明が解決しようとする問題点]
本発明者らは、かねてより高炉操業の効率およ
び安定性の向上を目的として研究を進めている
が、今回、過去の数多くの高炉解体調査を統計的
に整理し、更に高炉内の物質移動シミユレーシヨ
ンを検討した結果次の様な事実を明らかにするこ
とができた。
び安定性の向上を目的として研究を進めている
が、今回、過去の数多くの高炉解体調査を統計的
に整理し、更に高炉内の物質移動シミユレーシヨ
ンを検討した結果次の様な事実を明らかにするこ
とができた。
即ちその事実とは、軟化融着帯SMの形状が炉
芯コークス層Coの通気性の良否によつて大きく
左右されるという点であり、炉芯コークス層Co
の通気性が良好であるときには吹き込まれたガス
が炉の軸心部に集まつて中心流を形成し、軟化融
着帯SMの形状が適正な逆V字形に維持され、安
定した操炉状況が保たれる。ところが炉芯コーク
ス層Coの通気性が悪くなると、上昇ガスの周辺
流比率が高くなりはじめて軟化融着帯SMはW字
形となり、操炉状況は不安定になつてくる。こう
した現象は第2,3図の一部断面摸式図によつて
説明することができる。即ち第2図は炉芯コーク
ス層Coの通気性ガ良好に保たれている場合の状
況を示したものであり、羽口Bから吹込まれる熱
風は、通気性の良い炉芯コークス層Coの中心部
まで進入し易くなつているので、同図中の白抜き
矢印で示す如く炉軸心寄りのガスが多くなり、上
昇ガスは中心流を形成し軟化融着帯SMの形状も
逆V字形で安定に保たれる。また軟化融着帯SM
が逆V字形を形成することによつて、ガス流は一
層中心流の傾向を強める。これに対し第3図は炉
芯コークス層Coの通気性が悪い場合の状況を示
したものであり、炉芯コークス層Coの通気抵抗
が大きいため羽口Bから吹き込まれる熱風は高炉
壁面方向に分流せざるを得なくなり、それに伴な
つて周辺部の鉱石Oが相対的に早い時期(高い位
置)に還元を受けはじめる。その結果軟化融着帯
SMはW字形となり、炉壁に近い側の高さ方向へ
の通気抵抗は一層小さくなつて上昇ガスの周辺流
が更に助長され、吹き抜け、付着物の生成、装入
物の異常降下(スリツプ)といつた現象となつて
表われる。
芯コークス層Coの通気性の良否によつて大きく
左右されるという点であり、炉芯コークス層Co
の通気性が良好であるときには吹き込まれたガス
が炉の軸心部に集まつて中心流を形成し、軟化融
着帯SMの形状が適正な逆V字形に維持され、安
定した操炉状況が保たれる。ところが炉芯コーク
ス層Coの通気性が悪くなると、上昇ガスの周辺
流比率が高くなりはじめて軟化融着帯SMはW字
形となり、操炉状況は不安定になつてくる。こう
した現象は第2,3図の一部断面摸式図によつて
説明することができる。即ち第2図は炉芯コーク
ス層Coの通気性ガ良好に保たれている場合の状
況を示したものであり、羽口Bから吹込まれる熱
風は、通気性の良い炉芯コークス層Coの中心部
まで進入し易くなつているので、同図中の白抜き
矢印で示す如く炉軸心寄りのガスが多くなり、上
昇ガスは中心流を形成し軟化融着帯SMの形状も
逆V字形で安定に保たれる。また軟化融着帯SM
が逆V字形を形成することによつて、ガス流は一
層中心流の傾向を強める。これに対し第3図は炉
芯コークス層Coの通気性が悪い場合の状況を示
したものであり、炉芯コークス層Coの通気抵抗
が大きいため羽口Bから吹き込まれる熱風は高炉
壁面方向に分流せざるを得なくなり、それに伴な
つて周辺部の鉱石Oが相対的に早い時期(高い位
置)に還元を受けはじめる。その結果軟化融着帯
SMはW字形となり、炉壁に近い側の高さ方向へ
の通気抵抗は一層小さくなつて上昇ガスの周辺流
が更に助長され、吹き抜け、付着物の生成、装入
物の異常降下(スリツプ)といつた現象となつて
表われる。
本発明は上記の様な知見を基にしてなされたも
のであつて、その目的は、高炉操業状況を炉芯コ
ークス層Coの通気性の変動によつて定量的に把
握し、その結果を軸心装入コークス供給部へフイ
ードバツクして軸心装入コークス量を制御するこ
とによつて、炉況を安定に保つことのできる方法
を確立しようとするものである。
のであつて、その目的は、高炉操業状況を炉芯コ
ークス層Coの通気性の変動によつて定量的に把
握し、その結果を軸心装入コークス供給部へフイ
ードバツクして軸心装入コークス量を制御するこ
とによつて、炉況を安定に保つことのできる方法
を確立しようとするものである。
[問題点を解決するための手段]
上記の目的を達成することのできた本発明の構
構成は、高炉頂部から固体還元剤および鉱石を交
互に装入して固体還元剤層および鉱石層を積層し
ていくに当たり、 固体還元剤層の炉軸心部領域に通気性の向上に
適した固体還元剤を適宜装入するか、および/ま
たは鉱石層の炉軸心部領域に固体還元剤を適宜装
入すると共に、高炉操業中の圧力損失を刻々測定
し、該圧力損失の変動量を考慮して、下記[]
式の関係を満たす様に炉軸心部領域へ装入される
軸心装入固体還元剤量を調整して炉芯部の通気性
を安定に保つところに要旨を有するものである。
構成は、高炉頂部から固体還元剤および鉱石を交
互に装入して固体還元剤層および鉱石層を積層し
ていくに当たり、 固体還元剤層の炉軸心部領域に通気性の向上に
適した固体還元剤を適宜装入するか、および/ま
たは鉱石層の炉軸心部領域に固体還元剤を適宜装
入すると共に、高炉操業中の圧力損失を刻々測定
し、該圧力損失の変動量を考慮して、下記[]
式の関係を満たす様に炉軸心部領域へ装入される
軸心装入固体還元剤量を調整して炉芯部の通気性
を安定に保つところに要旨を有するものである。
(−0.263×P.+2.63)<RWc
<(−0.263×P.+2.83)
…[]
但しP.=圧力損失の変動量
RWc=炉軸心部領域へ装入される軸心装入固
体還元剤総量/固体還元剤層を構成する全固体還元剤装
入量 (重量%) [作用及び実施例] 本発明者らは、炉芯コークスの通気性が高炉操
業効率に重大な影響を与えるという知見を基に、
こうした事実を操業効率の向上に役立てようとし
て種々研究を行なつた結果、 炉芯コークス
の通気性が良好である場合は、高炉上昇ガスが
中心流を形成すると共に軟化融着帯の形状は逆
V字形で安定し、高い操業効率が得られるこ
と、 高炉内へ装入されるコークスのうち、炉頂周
辺側へ装入されるコークスは高炉内を降下しつ
つ羽口から吹き込まれる熱風によつて殆んどが
燃焼、消失し、炉頂軸心部の一定領域内へ装入
される軸心装入コークスのみが高炉の軸心に沿
つて降下して炉芯コークス層へ取り込まれてい
ること、換言すると炉芯コークス層は炉頂軸心
部の特定領域内へ装入されるコークスによつて
実質的に占められており、軸心装入コークスの
通気性さえ改善してやれば、炉芯コークスの通
気性を良好に保ち得ること、 第4図の実験例に示す如く、炉芯コークス層
Coが軸心装入コークスによつて全面置換され
る領域(半径:rh)は、炉頂軸心部における軸
心装入コークスの装入領域(半径:rt)によつ
て決まり、この軸心装入コークスの半径(rt)
と炉頂部半径(Rt)が下記[A]式の関係を
満たす領域に、 rt≧0.03Rt …[A] 通気性の向上に適した良質コークスが全装入コ
ークス量の0.2重量%以上を占める様に装入し
てやれば、炉芯コークス層の通気性が良好に保
たれること、 また上記[A]式の要件を満たす高炉軸心部
の半径領域における鉱石をコークスで置換し、
当該軸心部をコークスリツチ乃至100%コーク
スとしてやれば、軸心部降下時におけるコーク
スの粉化が抑制されて炉芯コークスの通気性が
良好に保たれること、 を確認し、こうした知見を生かした高炉操業法を
開発し、本日付で特許願1として特許出願を行な
つた。第4図は当該特許願1の発明の概要と実験
法を説明するための縦断面略図であり、(1)高炉模
型の羽口部に相当する位置に抜き出し口Exを設
け、供試コークスを所定速度で抜き出すことによ
つて実炉の羽口部から吹き込まれる熱風によるコ
ークスの燃焼、消費を再現し、また(2)炉底部を昇
降可能な円形テーブルで構成すると共に実験中は
所定速度で降下させることにより、実炉における
炉芯コークスCoの消費(燃焼および熔銑への浸
炭・溶解)を再現し、炉頂から装入されるトレー
サーコークスCtの降下状況を追跡した結果を示
したものである。そして前記[A]式に示した結
論は、この様な実験や実炉による実績を総合して
導いたものである。
体還元剤総量/固体還元剤層を構成する全固体還元剤装
入量 (重量%) [作用及び実施例] 本発明者らは、炉芯コークスの通気性が高炉操
業効率に重大な影響を与えるという知見を基に、
こうした事実を操業効率の向上に役立てようとし
て種々研究を行なつた結果、 炉芯コークス
の通気性が良好である場合は、高炉上昇ガスが
中心流を形成すると共に軟化融着帯の形状は逆
V字形で安定し、高い操業効率が得られるこ
と、 高炉内へ装入されるコークスのうち、炉頂周
辺側へ装入されるコークスは高炉内を降下しつ
つ羽口から吹き込まれる熱風によつて殆んどが
燃焼、消失し、炉頂軸心部の一定領域内へ装入
される軸心装入コークスのみが高炉の軸心に沿
つて降下して炉芯コークス層へ取り込まれてい
ること、換言すると炉芯コークス層は炉頂軸心
部の特定領域内へ装入されるコークスによつて
実質的に占められており、軸心装入コークスの
通気性さえ改善してやれば、炉芯コークスの通
気性を良好に保ち得ること、 第4図の実験例に示す如く、炉芯コークス層
Coが軸心装入コークスによつて全面置換され
る領域(半径:rh)は、炉頂軸心部における軸
心装入コークスの装入領域(半径:rt)によつ
て決まり、この軸心装入コークスの半径(rt)
と炉頂部半径(Rt)が下記[A]式の関係を
満たす領域に、 rt≧0.03Rt …[A] 通気性の向上に適した良質コークスが全装入コ
ークス量の0.2重量%以上を占める様に装入し
てやれば、炉芯コークス層の通気性が良好に保
たれること、 また上記[A]式の要件を満たす高炉軸心部
の半径領域における鉱石をコークスで置換し、
当該軸心部をコークスリツチ乃至100%コーク
スとしてやれば、軸心部降下時におけるコーク
スの粉化が抑制されて炉芯コークスの通気性が
良好に保たれること、 を確認し、こうした知見を生かした高炉操業法を
開発し、本日付で特許願1として特許出願を行な
つた。第4図は当該特許願1の発明の概要と実験
法を説明するための縦断面略図であり、(1)高炉模
型の羽口部に相当する位置に抜き出し口Exを設
け、供試コークスを所定速度で抜き出すことによ
つて実炉の羽口部から吹き込まれる熱風によるコ
ークスの燃焼、消費を再現し、また(2)炉底部を昇
降可能な円形テーブルで構成すると共に実験中は
所定速度で降下させることにより、実炉における
炉芯コークスCoの消費(燃焼および熔銑への浸
炭・溶解)を再現し、炉頂から装入されるトレー
サーコークスCtの降下状況を追跡した結果を示
したものである。そして前記[A]式に示した結
論は、この様な実験や実炉による実績を総合して
導いたものである。
即ちこの該特許願1の発明は、炉芯コークスの
通気性(および通液性)を良好に保持するために
必要な炉頂軸心部へのコークス装入半径を設定し
つつ、軸心装入コークス量の好適条件を示すもの
であり、炉芯コークスの更新制御についての基本
概念を確立するものであつた。
通気性(および通液性)を良好に保持するために
必要な炉頂軸心部へのコークス装入半径を設定し
つつ、軸心装入コークス量の好適条件を示すもの
であり、炉芯コークスの更新制御についての基本
概念を確立するものであつた。
そこで本発明においては、上記更新制御を実行
するときの管理手法について更に研究した。即ち
炉況安定度や操業効率の良否を表わすものとして
利用されている管理指標の中から適切なものを選
択し、連続的もしくは定期的に検知されるデータ
に基づいて前記軸心装入量を決定して炉況を安定
に保つことのできる技術を確立するものである。
するときの管理手法について更に研究した。即ち
炉況安定度や操業効率の良否を表わすものとして
利用されている管理指標の中から適切なものを選
択し、連続的もしくは定期的に検知されるデータ
に基づいて前記軸心装入量を決定して炉況を安定
に保つことのできる技術を確立するものである。
本発明者等はこの様な観点から種々検討を行な
い、高炉操業における管理指標となつている圧力
損失量(羽口からの吹込圧と炉頂圧の差)に注目
し、圧力損失量量に基づいて軸心装入コークス量
を制御する発明を完成し別途出願した[本日付特
許出願3]。しかし上述の圧力損失はある時間長
さ(通常は24時間)における全測定値の平均値で
あり、従つて前述の特許出願発明は圧力損失を総
量という観点でとらえている。しかし圧力変動の
総量が比較的少なく、見掛上安定操業が行なわれ
ていると思われる場合であつても、その区間内を
詳細に検討すれば個々の圧力損失測定値が大きく
変動し、必らずしも安定操業が行なわれていると
は言い得ないこともある。その為一般の高炉操業
では、圧力損失の変動量を管理手法の1つとして
いることに鑑み、本発明では圧力損失のミクロ的
な変動を把握して軸心装入コークス量を制御し炉
況の安定化に寄与するものである。即ち高炉操業
が安定に保たれているときにおける炉芯コークス
層等の通気性は良好であつて、上昇ガスは中心流
を形成すると共に軟化融着帯は適正な逆V字形を
形成しており、圧力損失の変動量は小さい。しか
しながら炉芯コークス層の通気性が悪くなると、
上昇ガス中に占める周辺流の比率が増大し軟化融
着帯はW形に変形して炉況は不安定となり、こう
した状況は直ちに炉内降下物のスリツプ現象等の
多発をまねき圧力損失変動量の大幅な増大となつ
て表われる。従つて圧力損失を常時測定してお
き、その変動量の大小に応じて通気性の向上に適
した軸心装入コークスの量をコントロールして炉
芯コークス層の通気性を適正な値に戻してやれ
ば、高炉操業状況を安定に保つことができるので
ある。
い、高炉操業における管理指標となつている圧力
損失量(羽口からの吹込圧と炉頂圧の差)に注目
し、圧力損失量量に基づいて軸心装入コークス量
を制御する発明を完成し別途出願した[本日付特
許出願3]。しかし上述の圧力損失はある時間長
さ(通常は24時間)における全測定値の平均値で
あり、従つて前述の特許出願発明は圧力損失を総
量という観点でとらえている。しかし圧力変動の
総量が比較的少なく、見掛上安定操業が行なわれ
ていると思われる場合であつても、その区間内を
詳細に検討すれば個々の圧力損失測定値が大きく
変動し、必らずしも安定操業が行なわれていると
は言い得ないこともある。その為一般の高炉操業
では、圧力損失の変動量を管理手法の1つとして
いることに鑑み、本発明では圧力損失のミクロ的
な変動を把握して軸心装入コークス量を制御し炉
況の安定化に寄与するものである。即ち高炉操業
が安定に保たれているときにおける炉芯コークス
層等の通気性は良好であつて、上昇ガスは中心流
を形成すると共に軟化融着帯は適正な逆V字形を
形成しており、圧力損失の変動量は小さい。しか
しながら炉芯コークス層の通気性が悪くなると、
上昇ガス中に占める周辺流の比率が増大し軟化融
着帯はW形に変形して炉況は不安定となり、こう
した状況は直ちに炉内降下物のスリツプ現象等の
多発をまねき圧力損失変動量の大幅な増大となつ
て表われる。従つて圧力損失を常時測定してお
き、その変動量の大小に応じて通気性の向上に適
した軸心装入コークスの量をコントロールして炉
芯コークス層の通気性を適正な値に戻してやれ
ば、高炉操業状況を安定に保つことができるので
ある。
たとえは第5図は、実炉を使用しマーカーを含
有させたトレーサーコークスを約2か月間に亘つ
て炉頂軸心部へ装入[鉱石Oの装入に先立つて炉
頂軸心部へコークスCを装入する方法を採用(詳
細は後述)]し、その間炉頂圧力が一定となる様
に羽口からの熱風供給圧力を調整しつつ、圧力損
失(炉頂圧と送風圧力との差)、圧力損失の変動
量およびスリツプ回数を調べた結果を示したもの
であり、軸心装入コークス量を増加するにつれて
圧力損失の絶対値は低下傾向を示すばかりでな
く、スリツプ回数の減少等によつて圧力損失の変
動量は明らかに減少してきており、炉況が安定化
することを物語つている。そして第5図のデーダ
からすると高炉の操業状況は、圧力損失の絶対量
を管理するよりもその変動量の大小を管理指標と
して採用した場合の方が好ましく、より高精度の
制御が可能となる。また第6図は、上記操業実験
の終了時に炉芯部の半径方向数か所から採取した
コークスの粒径の粉率を示したものであり、コー
クス軸心装入法を採用すると中間部(炉軸心と炉
壁内面との中間部)における微粉コークス量が減
少すると共にコークスの平均粒径が増大してお
り、炉芯部の通気性が改善されたことを確認でき
る。従つてレースウエイから吹込まれた熱風は炉
芯の周辺にとどこおることなく軸心方向へ向けて
よく流れるこが期待される。
有させたトレーサーコークスを約2か月間に亘つ
て炉頂軸心部へ装入[鉱石Oの装入に先立つて炉
頂軸心部へコークスCを装入する方法を採用(詳
細は後述)]し、その間炉頂圧力が一定となる様
に羽口からの熱風供給圧力を調整しつつ、圧力損
失(炉頂圧と送風圧力との差)、圧力損失の変動
量およびスリツプ回数を調べた結果を示したもの
であり、軸心装入コークス量を増加するにつれて
圧力損失の絶対値は低下傾向を示すばかりでな
く、スリツプ回数の減少等によつて圧力損失の変
動量は明らかに減少してきており、炉況が安定化
することを物語つている。そして第5図のデーダ
からすると高炉の操業状況は、圧力損失の絶対量
を管理するよりもその変動量の大小を管理指標と
して採用した場合の方が好ましく、より高精度の
制御が可能となる。また第6図は、上記操業実験
の終了時に炉芯部の半径方向数か所から採取した
コークスの粒径の粉率を示したものであり、コー
クス軸心装入法を採用すると中間部(炉軸心と炉
壁内面との中間部)における微粉コークス量が減
少すると共にコークスの平均粒径が増大してお
り、炉芯部の通気性が改善されたことを確認でき
る。従つてレースウエイから吹込まれた熱風は炉
芯の周辺にとどこおることなく軸心方向へ向けて
よく流れるこが期待される。
次に第7図は、上記の実験を含めた多数の実験
データより、炉頂軸心部へのコークス装入量
RWc[炉頂軸心部へ装入される軸心装入コークス
総量/コークス層を構成する全コークス装入量
(重量%)]と圧力損失の変動量P.の関係を整理
して示したグラフである。このグラフからも明ら
かな様に、RWcとP.の関係が第7図の(1)式お
よび(2)式[下記(1)および(2)式に対応する]で囲ま
れる斜線領域(即ち[]式)に収まつている。
このことから、該斜線領域に沿つてRWcを調整
することによりP.を制御し得ることが分かる。
データより、炉頂軸心部へのコークス装入量
RWc[炉頂軸心部へ装入される軸心装入コークス
総量/コークス層を構成する全コークス装入量
(重量%)]と圧力損失の変動量P.の関係を整理
して示したグラフである。このグラフからも明ら
かな様に、RWcとP.の関係が第7図の(1)式お
よび(2)式[下記(1)および(2)式に対応する]で囲ま
れる斜線領域(即ち[]式)に収まつている。
このことから、該斜線領域に沿つてRWcを調整
することによりP.を制御し得ることが分かる。
RWc=−0.263×P.+2.63 …(1)
RWc=−0.263×P.+2.83 …(2)
−0.263×P.≦RWc≦
−0.263×P.+2.83 …[]
従つて本発明を実施するに当たつては、まず第
7図に示す様にRWcとP.の関係を予め求めて
おく。そして実操業に当たつては、圧力損失の変
動量を[実測P.]として連続的もしくは定期的
に測定する。そして炉況に応じて圧損変動量を変
更したい場合は、調整すべき圧損変動量の目標値
を[目標P.]として定め、上記[実測P.]
と、第7図の斜線で示される領域の斜線角度θ、
及び上記[目標P.]から、当該[目標P.]に
対応するRWcを求め、軸心装入コークス量比率
RWcをコントロールすればよい。
7図に示す様にRWcとP.の関係を予め求めて
おく。そして実操業に当たつては、圧力損失の変
動量を[実測P.]として連続的もしくは定期的
に測定する。そして炉況に応じて圧損変動量を変
更したい場合は、調整すべき圧損変動量の目標値
を[目標P.]として定め、上記[実測P.]
と、第7図の斜線で示される領域の斜線角度θ、
及び上記[目標P.]から、当該[目標P.]に
対応するRWcを求め、軸心装入コークス量比率
RWcをコントロールすればよい。
尚圧力損失の変動量としては刻々と測定される
圧力損失の絶対量を相互に(通常は隣接測定値
間)比較して差を求め、それらの差の合計をデー
タ数で徐して求めた値、即ち平均値を採用するの
が一般的であり、この計算式は次の様に示され
る。
圧力損失の絶対量を相互に(通常は隣接測定値
間)比較して差を求め、それらの差の合計をデー
タ数で徐して求めた値、即ち平均値を採用するの
が一般的であり、この計算式は次の様に示され
る。
P.={o
〓i-1
(|ΔPi-1−ΔPi|}/n
ΔP:圧力損失(Kg/cm2)
n:単位時間当たりの測定回数
しかし平均値を求めるに際しては加重平均その
他の手法を採用したり、装入直後のデータを無視
する等の方法で色々が補正を加えることも自由で
あり、これらの求め方によつて本発明が左右され
ることはない。
他の手法を採用したり、装入直後のデータを無視
する等の方法で色々が補正を加えることも自由で
あり、これらの求め方によつて本発明が左右され
ることはない。
前記説明においては、軸心装入コークスとして
良質コークスを装入すると述べてきたが、このこ
とはその周辺に装入されるコークスは汎用されて
いる通常コークスで良いことを意味する。そこで
良質と通常コークスを区分して装入する方法につ
いて、2つの例(第8図、第9図)を挙げて説明
する。
良質コークスを装入すると述べてきたが、このこ
とはその周辺に装入されるコークスは汎用されて
いる通常コークスで良いことを意味する。そこで
良質と通常コークスを区分して装入する方法につ
いて、2つの例(第8図、第9図)を挙げて説明
する。
まず第8図A,B(炉頂部の縦断面模式図)に
示すベル式高炉では、原料装入用ベル1とは別
に、炉頂中心部を指向する良質コークス専用の装
入シユート2を配設しておき、通常コークスCA
を装入するに先立つて炉頂中心部に適量の良質コ
ークスCBを装入し[第8図A]、ついでその外周
側へベル1から通常コークスCAを装入する[第
8図B]。後で装入された通常コークスCAは良質
コークスCBで堰とめられる為軸心部に入り込む
ことができず、したがつて軸心装入コークスは良
質コークスで占められることになる。また第9図
A,Bはベルレス式高炉の場合で、旋回式分配シ
ユート3が備えられている。まず分配シユート3
を直下方向に向けた状態で炉頂中心部へ適量の良
質コークスCBを装入し[第9図A]、次いで分配
シユート3を傾斜(炉壁方向に指向)させて旋回
させながら、良質コークスCB装入部の外周側に
通常コークスCAを装入する[第9図B]。
示すベル式高炉では、原料装入用ベル1とは別
に、炉頂中心部を指向する良質コークス専用の装
入シユート2を配設しておき、通常コークスCA
を装入するに先立つて炉頂中心部に適量の良質コ
ークスCBを装入し[第8図A]、ついでその外周
側へベル1から通常コークスCAを装入する[第
8図B]。後で装入された通常コークスCAは良質
コークスCBで堰とめられる為軸心部に入り込む
ことができず、したがつて軸心装入コークスは良
質コークスで占められることになる。また第9図
A,Bはベルレス式高炉の場合で、旋回式分配シ
ユート3が備えられている。まず分配シユート3
を直下方向に向けた状態で炉頂中心部へ適量の良
質コークスCBを装入し[第9図A]、次いで分配
シユート3を傾斜(炉壁方向に指向)させて旋回
させながら、良質コークスCB装入部の外周側に
通常コークスCAを装入する[第9図B]。
ところでこれまでの説明では、炉芯コークス層
Coの100%を良質の軸心装入コークスで更新す
る、という想定の下で前述の第8図Bや第9図B
に示す如く、各コークス層の全てにおいて炉軸心
部ぶ軸心装入コークスを入れるという操業形態を
仮定して軸心装入コークスの装入領域を定めた。
しかし実際には炉芯コークス層Coのすべてが通
気性の向上に適した良質コークスで更新されなけ
ればならない訳ではなく、炉芯コークス層Coが
常時一定量以上の良質コークスで占められる様に
コントロールしてやれば、炉芯コークス層Coの
通気性は十分良好に保たれるものと考えられ、本
発明者らが別途確認したところによると、前記
[A]式で規定される炉軸心部領域に、通気性の
向上に適したものとして装入される良質コークス
が、装入される全コークス量の0.2重量%を占め
る様に、良質コークスの軸心装入量を調節すれば
よいことを確かめている。
Coの100%を良質の軸心装入コークスで更新す
る、という想定の下で前述の第8図Bや第9図B
に示す如く、各コークス層の全てにおいて炉軸心
部ぶ軸心装入コークスを入れるという操業形態を
仮定して軸心装入コークスの装入領域を定めた。
しかし実際には炉芯コークス層Coのすべてが通
気性の向上に適した良質コークスで更新されなけ
ればならない訳ではなく、炉芯コークス層Coが
常時一定量以上の良質コークスで占められる様に
コントロールしてやれば、炉芯コークス層Coの
通気性は十分良好に保たれるものと考えられ、本
発明者らが別途確認したところによると、前記
[A]式で規定される炉軸心部領域に、通気性の
向上に適したものとして装入される良質コークス
が、装入される全コークス量の0.2重量%を占め
る様に、良質コークスの軸心装入量を調節すれば
よいことを確かめている。
従つて第8図、第9図に示した様に、コークス
装入の1チヤージ(1チヤージとは第8図Bにお
いてUで示す単位、即ちコークス層と鉱石層の両
方で完結される積層状態の基本装入単位を意味す
る)毎に良質コークスCBを中心装入しなければ
ならない訳ではなく、軸心装入コークスを良質コ
ークスと通常コークスの混合物として良質コーク
スの配合比を変えたり、2〜5チヤージの中から
選ばれる任意チヤージにおいて良質コークスCB
の軸心装入を行なつたり、あるいは1チヤージ内
のコークス装入を複数バツチに分けて2〜数バツ
チの中から選ばれる任意バツチにおいて良質コー
クスCBの軸心装入を行なう方式等を採用し、炉
軸心部に装入される良質コークスの割合を調節す
ることも勿論可能である。
装入の1チヤージ(1チヤージとは第8図Bにお
いてUで示す単位、即ちコークス層と鉱石層の両
方で完結される積層状態の基本装入単位を意味す
る)毎に良質コークスCBを中心装入しなければ
ならない訳ではなく、軸心装入コークスを良質コ
ークスと通常コークスの混合物として良質コーク
スの配合比を変えたり、2〜5チヤージの中から
選ばれる任意チヤージにおいて良質コークスCB
の軸心装入を行なつたり、あるいは1チヤージ内
のコークス装入を複数バツチに分けて2〜数バツ
チの中から選ばれる任意バツチにおいて良質コー
クスCBの軸心装入を行なう方式等を採用し、炉
軸心部に装入される良質コークスの割合を調節す
ることも勿論可能である。
この様な方法を採用すれば、圧力損失の変動量
(P.)の増・減に応じて前記[]式の関係を
満たす様に良質コークスCBの装入量(RWc)を
調整することによつて、炉軸心部のコークスおよ
び炉芯コークスの通気性を適正に保ち炉況を安定
に維持することができる。
(P.)の増・減に応じて前記[]式の関係を
満たす様に良質コークスCBの装入量(RWc)を
調整することによつて、炉軸心部のコークスおよ
び炉芯コークスの通気性を適正に保ち炉況を安定
に維持することができる。
上記説明においてはコークス層の軸心部に良質
コークスを装入する場合について述べたが、コー
クス層については従来の如く通常コークスCAの
みの装入とし、鉱石層の装入に当たつて軸心部に
良質コークスを装入する様にしても同様の効果が
得られ、またこの方法であれば、通常コークスで
あつても炉芯においては良質コークスとして作用
するので以下説明する。
コークスを装入する場合について述べたが、コー
クス層については従来の如く通常コークスCAの
みの装入とし、鉱石層の装入に当たつて軸心部に
良質コークスを装入する様にしても同様の効果が
得られ、またこの方法であれば、通常コークスで
あつても炉芯においては良質コークスとして作用
するので以下説明する。
第10図A,Bは第8図A,Bと同じベル式高
炉の場合であり、原料装入用ベル1とは別に炉頂
軸心部のみにコークスCを装入するためのシユー
ト4を設けている。コークス層Cはベルからの一
斉(若しくは数バツチ分割)投入によつて形成さ
れている。そしてその上へ鉱石層Oを形成するに
当たつては、鉱石Oを装入するに先立つてまず炉
頂軸心部へシユート4から所定量のコークスCを
装入し[第10図A]、次いでその外周側へベル
1から鉱石Oを装入する[第10図B]。そうす
ると炉頂軸心部はコークスCで占められているた
めこれが堰として作用し鉱石Oは炉頂軸心部へ流
入することができず、その結果、炉内における周
辺側は鉱石層Oとコークス層Cが相互に重なり合
つた通常の堆積構造となるが、炉軸心部は実質的
にコークスCのみからなる柱状層となる。
炉の場合であり、原料装入用ベル1とは別に炉頂
軸心部のみにコークスCを装入するためのシユー
ト4を設けている。コークス層Cはベルからの一
斉(若しくは数バツチ分割)投入によつて形成さ
れている。そしてその上へ鉱石層Oを形成するに
当たつては、鉱石Oを装入するに先立つてまず炉
頂軸心部へシユート4から所定量のコークスCを
装入し[第10図A]、次いでその外周側へベル
1から鉱石Oを装入する[第10図B]。そうす
ると炉頂軸心部はコークスCで占められているた
めこれが堰として作用し鉱石Oは炉頂軸心部へ流
入することができず、その結果、炉内における周
辺側は鉱石層Oとコークス層Cが相互に重なり合
つた通常の堆積構造となるが、炉軸心部は実質的
にコークスCのみからなる柱状層となる。
ところで高炉内においては、羽口から吹込まれ
る熱風とコークスの反応により生成する還元性の
CO含有ガスが鉄鉱石に触れながら上昇するが、
その過程において鉄鉱石の還元反応が以下の如く
進行し、 Fe2O3+CO→2FeO+CO2 FeO+CO→Fe+CO2 生成したCO2はコークス層Cを通過する過程で
下記反応式によつて還元され、再び還元性のCO
含有ガスが形成されて上層側の鉄鉱石の還元反応
に利用される。
る熱風とコークスの反応により生成する還元性の
CO含有ガスが鉄鉱石に触れながら上昇するが、
その過程において鉄鉱石の還元反応が以下の如く
進行し、 Fe2O3+CO→2FeO+CO2 FeO+CO→Fe+CO2 生成したCO2はコークス層Cを通過する過程で
下記反応式によつて還元され、再び還元性のCO
含有ガスが形成されて上層側の鉄鉱石の還元反応
に利用される。
CO2+C→2CO
従つて各コークス層C内のコークス粒子は、そ
の直下の鉱石層Oを通過する過程で生成したCO2
との反応により表面から徐々にやせ細つて細粒化
していくことになる(ソリユーシヨンロス反応)。
ところが上記第10図A,Bに示した様な方法で
軸心部を実質的にコークスCのみからなるものと
しておけば、該軸心部を上昇するガスは鉱石と接
触することがなく従つて酸化されることもないの
で、還元性COガスのままの状態で上昇する。そ
の結果軸心部のコークスCが[CO2+C→2CO]
のソリユーシヨンロス反応を受けて細粒化する様
な恐れはなくなり、通常コークスであつても粗粒
状態を保つたまま炉芯コークス層Coを更新して
いくこととなり、前記と同様に通気性および通液
性の優れた炉芯コークス層が維持されることにな
る。
の直下の鉱石層Oを通過する過程で生成したCO2
との反応により表面から徐々にやせ細つて細粒化
していくことになる(ソリユーシヨンロス反応)。
ところが上記第10図A,Bに示した様な方法で
軸心部を実質的にコークスCのみからなるものと
しておけば、該軸心部を上昇するガスは鉱石と接
触することがなく従つて酸化されることもないの
で、還元性COガスのままの状態で上昇する。そ
の結果軸心部のコークスCが[CO2+C→2CO]
のソリユーシヨンロス反応を受けて細粒化する様
な恐れはなくなり、通常コークスであつても粗粒
状態を保つたまま炉芯コークス層Coを更新して
いくこととなり、前記と同様に通気性および通液
性の優れた炉芯コークス層が維持されることにな
る。
この方法(以下鉱石層改良方法ということがあ
る)は炉軸心降下時におけるコークス粒の微細化
を抑制することによつて炉芯コークス層Coの性
状を改善するものであり、前に述べたコークス層
改造方法に比べると、良質コークスを使わなくと
も目的を達成し得るという点で経済的な方法と言
うことができる。もつとも鉱石層改造方法を実施
する場合でも、炉頂軸心部から鉱石層内に軸心装
入されるコークスの一部もしくは全部に良質コー
クスを使用すれば、堆積圧力による降下時の細粒
化も防止され、炉芯コークス層の通気性の低下を
一層確実に防止することができるので好ましい。
尚、鉱石層改造方法を実施する場合においてもコ
ークス層改造方法と同じ様に全チヤージ、全バツ
チにおいてコークス軸心装入を行なう必要はな
く、数チヤージ毎、数バツチ毎に所望の頻度で軸
心装入を行なえば良い。またコークス層改造方法
を鉱石層改造方法を組み合わせて実施することも
本発明の技術的範囲に含まれる。
る)は炉軸心降下時におけるコークス粒の微細化
を抑制することによつて炉芯コークス層Coの性
状を改善するものであり、前に述べたコークス層
改造方法に比べると、良質コークスを使わなくと
も目的を達成し得るという点で経済的な方法と言
うことができる。もつとも鉱石層改造方法を実施
する場合でも、炉頂軸心部から鉱石層内に軸心装
入されるコークスの一部もしくは全部に良質コー
クスを使用すれば、堆積圧力による降下時の細粒
化も防止され、炉芯コークス層の通気性の低下を
一層確実に防止することができるので好ましい。
尚、鉱石層改造方法を実施する場合においてもコ
ークス層改造方法と同じ様に全チヤージ、全バツ
チにおいてコークス軸心装入を行なう必要はな
く、数チヤージ毎、数バツチ毎に所望の頻度で軸
心装入を行なえば良い。またコークス層改造方法
を鉱石層改造方法を組み合わせて実施することも
本発明の技術的範囲に含まれる。
尚本発明で炉芯コークス構成材として軸心装入
される固体還元剤のうち代表的なものは、熱間・
冷間圧壊強度が高く且つ粒度調整された良質コー
クスであるが、良質コークスに代えて他の炭素質
物質、たとえは炭化珪素煉瓦、黒鉛煉瓦、木炭等
を粒度調整して軸心装入し、あるいは良質コーク
スと併用することも勿論可能である。
される固体還元剤のうち代表的なものは、熱間・
冷間圧壊強度が高く且つ粒度調整された良質コー
クスであるが、良質コークスに代えて他の炭素質
物質、たとえは炭化珪素煉瓦、黒鉛煉瓦、木炭等
を粒度調整して軸心装入し、あるいは良質コーク
スと併用することも勿論可能である。
また前記第8〜10図の装入例では軸心装入す
るものを除き、通常の装入原料はすべて炉頂壁側
からの周辺装入方式とし、装入原料の流動によつ
て炉軸心方向へ充填する方法を採用しているの
で、各装入物の堆積状態はV字形を呈している。
しかしながら炉頂装入時の堆積形状は勿論V字形
に限られる訳ではなく、たとえば分配シユートを
利用して原料の装入位置を軸心部から炉壁方向へ
徐々にずらしながら旋回装入する方法を採用し、
装入原料の堆積状態を略水平にすることも可能で
ある。
るものを除き、通常の装入原料はすべて炉頂壁側
からの周辺装入方式とし、装入原料の流動によつ
て炉軸心方向へ充填する方法を採用しているの
で、各装入物の堆積状態はV字形を呈している。
しかしながら炉頂装入時の堆積形状は勿論V字形
に限られる訳ではなく、たとえば分配シユートを
利用して原料の装入位置を軸心部から炉壁方向へ
徐々にずらしながら旋回装入する方法を採用し、
装入原料の堆積状態を略水平にすることも可能で
ある。
[発明の効果]
本発明は以上の様に構成されており、高炉操業
時における炉芯コークス層の通気性不良に由来す
る炉況異常を圧力損失の変動量によつて検知し、
該変動量に応じて、コークス層形成時における炉
頂軸心部への良質固体還元剤装入量を調整し、あ
るいは鉱石層形成時における炉頂軸心部への固体
還元剤装入量を調整して降下時の細粒化を抑制す
ることによつて、炉芯部の通気性を常に適正な状
態に保つことができるので、高炉操業状況を安定
に維持しつつ高レベルの操業効率を確保すること
ができる。
時における炉芯コークス層の通気性不良に由来す
る炉況異常を圧力損失の変動量によつて検知し、
該変動量に応じて、コークス層形成時における炉
頂軸心部への良質固体還元剤装入量を調整し、あ
るいは鉱石層形成時における炉頂軸心部への固体
還元剤装入量を調整して降下時の細粒化を抑制す
ることによつて、炉芯部の通気性を常に適正な状
態に保つことができるので、高炉操業状況を安定
に維持しつつ高レベルの操業効率を確保すること
ができる。
第1図は高炉操業時の内部状況を示す断面摸式
図、第2図は安定した操炉状況を示す要部断面摸
式図、第3図は不安定な操炉状況を示す要部断面
摸式図、第4図は先願発明で採用した模擬実験法
と装入原料の降下状況を示す説明図、第5図は、
実炉を使用し軸心装入コークス量を徐々に変えた
場合の圧力損失およびスリツプ回数の経時変化を
示すグラフ、第6図は上記実験終了時の炉芯半径
方向における炉芯コークスの粒径および粉率を示
すグラフ、第7図は軸心装入コークス量RWcと
圧力損失ΔPの相関を示すグラフ、第8〜10図
は本発明で採用される原料装入法を示す断面説明
図である。 O……鉱石(層)、C……コークス(固体還元
剤)層、K……塊状帯、SM……軟化融着帯、B
……羽口、L……レースウエイ、Co……炉芯コ
ークス(固体還元剤)F……溶銑、E……出湯
口、Ct……トレーサーコークス、1……ベル、
2,4……原料装入シユート、3……分配シユー
ト。
図、第2図は安定した操炉状況を示す要部断面摸
式図、第3図は不安定な操炉状況を示す要部断面
摸式図、第4図は先願発明で採用した模擬実験法
と装入原料の降下状況を示す説明図、第5図は、
実炉を使用し軸心装入コークス量を徐々に変えた
場合の圧力損失およびスリツプ回数の経時変化を
示すグラフ、第6図は上記実験終了時の炉芯半径
方向における炉芯コークスの粒径および粉率を示
すグラフ、第7図は軸心装入コークス量RWcと
圧力損失ΔPの相関を示すグラフ、第8〜10図
は本発明で採用される原料装入法を示す断面説明
図である。 O……鉱石(層)、C……コークス(固体還元
剤)層、K……塊状帯、SM……軟化融着帯、B
……羽口、L……レースウエイ、Co……炉芯コ
ークス(固体還元剤)F……溶銑、E……出湯
口、Ct……トレーサーコークス、1……ベル、
2,4……原料装入シユート、3……分配シユー
ト。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 高炉頂部から固体還元剤および鉱石を交互に
装入して固体還元剤および鉱石層を積層していく
に当たり、 固体還元剤層の炉軸心部領域に通気性の向上に
適した固体還元剤を適宜装入するか、および/ま
たは鉱石層の炉軸心部領域に固体還元剤を適宜装
入すると共に、高炉操業中の圧力損失を刻々測定
し、該圧力損失の変動量を考慮して、下記[]
式の関係を満たす様に炉軸心部領域へ装入される
軸心装入固体還元剤量を調整して炉芯部の通気性
を安定に保つことを特徴とする高炉操業における
炉況安定化法。 (−0.263×P.+2.63)<RWc <(−0.263×P.+2.83) …[] 但しP.=圧力損失の変動量 RWc=炉軸心部領域へ装入される軸心装入固
体還元剤総量/固体還元剤層を構成する全固体還元剤装
入量 (重量%)
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22098287A JPS6465215A (en) | 1987-09-03 | 1987-09-03 | Method for stabilizing furnace condition in blast furnace operation |
CA000576240A CA1338098C (en) | 1987-09-03 | 1988-08-31 | Method for operating blast furnace |
AU21792/88A AU613399C (en) | 1987-09-03 | 1988-09-01 | Method for operating blast furnace |
EP88114291A EP0306026B1 (en) | 1987-09-03 | 1988-09-01 | Method for operating blast furnace |
DE3889399T DE3889399T2 (de) | 1987-09-03 | 1988-09-01 | Verfahren zum Betreiben eines Hochofens. |
US07/239,655 US4963186A (en) | 1987-09-03 | 1988-09-02 | Method for operating blast furnace by adding solid reducing agent |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22098287A JPS6465215A (en) | 1987-09-03 | 1987-09-03 | Method for stabilizing furnace condition in blast furnace operation |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6465215A JPS6465215A (en) | 1989-03-10 |
JPH0442444B2 true JPH0442444B2 (ja) | 1992-07-13 |
Family
ID=16759614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22098287A Granted JPS6465215A (en) | 1987-09-03 | 1987-09-03 | Method for stabilizing furnace condition in blast furnace operation |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6465215A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19608133C2 (de) * | 1996-03-02 | 2002-07-11 | Koenig & Bauer Ag | Fördervorrichtung |
JP6119416B2 (ja) * | 2013-05-16 | 2017-04-26 | 新日鐵住金株式会社 | 高炉への装入物装入方法 |
-
1987
- 1987-09-03 JP JP22098287A patent/JPS6465215A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6465215A (en) | 1989-03-10 |
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