JP2000256712A - 高炉炉口部の装入物分布制御方法 - Google Patents

高炉炉口部の装入物分布制御方法

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JP2000256712A
JP2000256712A JP11059923A JP5992399A JP2000256712A JP 2000256712 A JP2000256712 A JP 2000256712A JP 11059923 A JP11059923 A JP 11059923A JP 5992399 A JP5992399 A JP 5992399A JP 2000256712 A JP2000256712 A JP 2000256712A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉口部に装入された鉱石原料及びコークス原
料の堆積形状を適正に制御することにより、安定した炉
況下で高炉操業する。 【構成】 炉頂装入装置の旋回シュートから鉱石原料及
びコークス原料を交互に炉口部に装入し、装入原料の堆
積表面が炉壁側でフラットなテラス型に装入原料の堆積
形状分布を造り込む。このとき、炉口部の内部水平断面
を同心円状に中心領域,中間領域及び周辺領域に3等分
し、周辺領域における鉱石層/コークス層の実測層厚比
を求め、装入原料全体の鉱石/コークスの平均層厚比に
対する実測層厚比の比率を相対層厚比として算出する。
また、鉱石原料の平均落下位置とコークス原料の平均落
下位置との比率をベルレス強度比として算出する。周辺
領域における相対層厚比及び/又はベルレス強度比が管
理範囲に収まるように炉口部に装入される鉱石原料及び
コークス原料の炉口半径方向に沿った分布量を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炉頂装入物の装入パタ
ーンを確実且つ的確に調整して高炉を安定操業する装入
物分布制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の安定操業のためには、炉下部から
一定量の熱風を送り込み、炉上部から鉱石,コークス等
の装入原料を一定速度で降下させ、炉内の熱バランスを
図ることが必要である。鉱石,コークス等の装入原料
は、炉頂部からベル式又はベルレス式の装入装置で炉内
に装入される。ベルレス式装入装置では、旋回シュート
を使用して鉱石原料及びコークス原料を交互に炉上部に
装入する。鉱石原料及びコークス原料は、炉内上部で交
互に積み重ねられ、炉内を降下する間に昇温して,還元
され溶解される。定常状態の炉内は、装入物の昇温,還
元,溶解に適した熱バランスに保たれている。ところ
が、スリップ,吹抜け等が炉内に発生すると、昇温,還
元,溶解の過程を経ずに装入原料が落下して炉内の熱バ
ランスが崩れ、操業上で大きなトラブルを発生させる。
【0003】炉内における装入原料及び熱風の流れを図
1(a)で模式的に示す。炉口部1に交互に装入され層
状に積み付けられた鉱石,コークス等の装入原料は、下
降流M1 となってシャフト部2,炉腹朝顔部3を下降す
る。下降流M1 は、シャフト部2を全体的に炉壁方向に
広がりながら炉半径方向に関してほぼ同じ速度で炉内を
下降する。炉腹朝顔部3より下方では、装入原料は、ホ
ッパー内原料の流れと同様な縮流流れとなって炉壁内面
と炉芯4との間を下降する。熱風は、炉腹朝顔部3の下
方位置で炉壁の円周方向に設けられている羽口5から炉
内に吹き込まれ、レースウェイ6を形成する。何らかの
原因で高炉炉内の特定部位で装入原料の下降が一時的に
停滞すると、停滞部分M2 に昇温及び還元が遮断された
不連続域が発生する。停滞部分M2 より下方にある装入
原料はそのまま炉内を下降するが新たな装入原料の供給
が断たれるため、空洞Vが停滞部分M2 の下方に発生す
る。空洞Vに上方から装入物の重量が加わるため、しば
らくすると停滞部分M2 が自重によって落下し、図1
(b)に示すように空洞Vが消滅する。
【0004】停滞部分M2 の落下,すなわちスリップ現
象は、炉内上部にある装入物が未昇温,未還元のままで
炉内下部に急激に降下することを意味し、炉内の熱バラ
ンスを崩して炉況を不調にする。炉況が悪化すると、固
液2相の流体が炉内上下方向に移動する連続向流反応プ
ロセスである高炉の安定操業が望めず、反応効率が低下
する。その結果、生産される溶銑の品質や溶銑温度のバ
ラツキが大きくなり、最悪の場合には炉熱低下に起因し
て高炉の生産性が大幅に低下する。炉況を不安定にする
スリップを防止するため、特開平7−18311号公報
では送風条件及び1チャージ当りの鉱石装入量を制御し
ている。この方法では、炉下部から持ち込まれる送風顕
熱量に対する1チャージ当り炉頂装入される炉腹朝顔部
換算の鉱石層厚との比率を融着帯スリット内の鉱石層を
溶解させる能力を表わす管理指標として用いている。そ
して、溶融還元の遅れ,融着帯根部の肥大化・垂下り,
荷下がり悪化等が生じないように、管理指標を一定範囲
に収めている。
【0005】特開平2−34709号公報では、炉頂に
設けた暗視カメラで炉内を撮影し、暗視カメラからの映
像信号に基づいて炉半径方向の中心部,中間部及び周辺
部の各領域ごとにコークス平均粒径を測定し、各領域ご
との粒径が所定範囲内の値になるように炉頂装入物の分
布状態を制御している。特開平3−13514号公報で
は、炉外待機位置から炉中心部に向けて複数のゾンデを
使用して高炉シャフト部堆積原料内の半径方向及び高さ
方向に沿った複数箇所でガス分析している。分析値から
炉軸対称二次元断面上に表わされる堆積原料内部での等
ηCO線図を作図し、熱保存帯上端(ηCO=100%)の
平均高さレベル及び周辺部高さレベルを求め、各部の高
さが適正値になるように燃料比,装入物分布,送風条件
等を制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平7−1
8311号公報の方法では、通常の高炉操業中にスリッ
プが多発する際の発生原因として高いウエートを占める
炉頂装入物の分布制御の不適切なアクションのように、
固気2相間での局部的な熱交換の進行に起因する熱交換
不良,荷下がり異常等に対しては効果的なアクションが
取れない。特開平2−34709号公報の方法では、著
しく悪化した炉況のため炉口部堆積原料表面から多量の
ダストを随伴した高炉ガスが発生している場合,または
炉頂から排出される高炉ガスを乾式除塵設備を介して炉
頂発電設備に回収するプロセスを備えた高炉のように除
塵設備の濾布耐熱温度以下に高炉ガスを炉頂撒水で冷却
している場合等では、暗視カメラの視野が高炉ガスに随
伴しているダスト,水蒸気の白煙等で遮られるため、暗
視カメラが使用できなくなる。
【0007】特開平3−13514号公報の方法では、
高炉シャフト部に複数のゾンデを設ける必要がある。し
かも、炉壁側から炉内堆積原料内部に向けてゾンデを抜
き差しするシャフト上部ゾンデ及び中部水平ゾンデは、
大出力の駆動装置を備えた高価な計測機器である。その
ため、大量の溶銑を生産できる大型高炉と異なり、未設
置の小型高炉には適していない。更には、ゾンデの抜き
差しに起因した炉内原料の揺さ振り等で耐火物の損傷を
促進させることにもなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、原料装入パター
ンの管理に併せ装入原料の炉内堆積形状を安定に作りこ
むことにより、スリップ発生のない安定な高炉操業を可
能にすることを目的とする。本発明の装入物分布制御方
法は、その目的を達成するため、炉頂装入装置の旋回シ
ュートから鉱石原料及びコークス原料を交互に炉口部に
装入し、装入原料の堆積表面が炉壁側でフラットなテラ
ス型に装入原料の堆積形状分布を造り込む際、炉口部の
内部水平断面を同心円状に中心領域,中間領域及び周辺
領域に3等分し、周辺領域における鉱石層/コークス層
の実測層厚比を求め、装入原料全体の鉱石/コークスの
平均層厚比に対する実測層厚比の比率を相対層厚比とし
て算出し、周辺領域における相対層厚比が0.50〜
0.75の管理範囲に収まるように炉口部に装入される
鉱石原料及びコークス原料の炉口半径方向に沿った分布
量を調整することを特徴とする。相対層厚比に替えて、
或いは相対層厚比に併せてベルレス強度比を管理指標と
して使用することも可能である。この場合、鉱石原料の
平均落下位置とコークス原料の平均落下位置との比率を
ベルレス強度比として算出し、周辺領域におけるベルレ
ス強度比が0.90〜1.28の管理範囲に収まるよう
に炉口部に装入される鉱石原料及びコークス原料の炉口
半径方向に沿った分布量を調整する。
【0009】
【実施の形態】ベルレス式炉頂装入装置は、図2(a)
に示すように、炉口部1に配置した原料供給管7の下端
に旋回シュート8を取り付けている。鉱石原料及びコー
クス原料は、交互にホッパ(図示せず)から原料供給管
7を経て旋回シュート8に送り込まれ、炉口半径方向に
装入分配される。旋回シュート8は、旋回しながら徐々
に炉軸側に傾斜する。原料装入は、通常、機械式サウン
ジング装置に吊り下げられた重錘9が示す炉内装入原料
層表面Sの高さが指定高さに達するまで降下した場合に
行われる。分配された鉱石原料及びコークス原料は、炉
壁近傍でフラットになったテラス型の堆積形状分布に造
り込まれ、交互に積み付けられた多層構造になる。炉口
部1に堆積した装入原料層表面Sは、炉頂部に設けた測
深装置10で測定される。測深装置10は、炉頂部に設
けられ、炉内半径方向に沿った複数箇所で装入原料層表
面Sの高さを検出できる。測深装置10で得られた測定
値から装入原料層の堆積形状を求め、原料装入アクショ
ンの結果を監視評価する。
【0010】測深装置10としては、たとえば炉口部1
の半径方向に移動可能なように駆動機構を備えた接触式
や、マイクロ波,レーザ等を利用した非接触式の測深装
置が使用される。移動可能な測深装置10は、装入原料
層表面S上のガス温度が比較的低く挿入推進の負荷が加
わらない自由空間でセンサ内臓のプローブを抜き差しし
て計測できるため、小型化でき、使いやすく、コスト,
保守等を考慮した総合評価の点でも優れていることか
ら、現行高炉では設置率の高いセンサである。サウンジ
ング装置は、原料装入の機会を判断するセンサ機能の外
に、スリップ検知用センサとしても使用される。炉上部
の装入原料層表面Sの急降下として現れるスリップは、
装入原料層の上に配置された重錘9の深度差として検知
され、深度差の大小によってスリップの程度が評価され
る。
【0011】サウンジング装置は、炉口部1の円周方向
に関して等間隔で4個配置される。4個のサウンジング
装置のうち、その時々で荷下がり状況が比較的異常な挙
動を示した2個のサウンジング装置の動きを基にして、
荷下がり安定性の評価結果を管理値として数値化する。
具体的には、2個のサウンジング装置の何れかが瞬間的
に0.5m以上の急降下を示した場合の荷下がり現象を
スリップとして扱う。そして、図2(b)に示すよう
に、深度差Lが、片方のサウンジング装置のみで0.5
m≦L<1.0mのスリップを検知した場合をスリップ
指数=0.2回,両方のサウンジング装置が0.5m≦
Lのスリップを検知した場合をスリップ指数=0.5
回,両方のサウンジング装置が1.0m≦Lのスリップ
を検知した場合をスリップ指数=1.0回と評価する。
スリップ現象をこのように評価し、スリップのない安定
した荷下がりを呈する装入物分布を解明するため、原料
装入条件と装入堆積原料層の表面形状との関係を調査し
た。
【0012】炉口部1の水平方向断面を同心円状に3等
分して、中心領域,中間領域及び周辺領域を設定する。
測深装置10の測定値から、周辺領域における鉱石/コ
ークスの実測層厚比を求め、装入原料全体の鉱石/コー
クスの平均層厚比に対する実測層厚比の比率を算出し、
周辺領域の相対層厚比とする。また、鉱石の平均落下位
置に対するコークスの平均落下位置の比率を算出し、ベ
ルレス強度比とする。ベルレス式炉頂装入装置を備えた
高炉では、ベルレスモードの変更,コークスベース量の
変更,チャージライン(重錘9で判断される原料装入開
始条件としての指定高さ)等により装入原料の層厚分布
が制御される。最も定量的で自由度の大きな制御手段
は、旋回シュート8の傾動角度及び旋回数の組合せによ
り設定されるベルレスモードである。そこで、旋回シュ
ートの傾動角度及び旋回数の組合せによって装入原料の
層厚分布を制御する方法を先ず説明する。
【0013】OC2バッチ1チャージ装入の形態で1バ
ッチ当りのシュート旋回数を12旋回とし鉱石原料及び
コークス原料を交互に装入する場合、たとえばO74
4 3 101 ,C7614 101 といった数値の組
合せでベルレスモードが表現される。O7443
1 は、鉱石原料の1バッチ装入を7ノッチ4旋回,8
ノッチ4旋回,9ノッチ3旋回,10ノッチ1旋回の合
計12旋回で実施することを意味する。C7614
101 は、同様にしてコークス原料を装入するときのノ
ッチ及び旋回数を意味する。なお、ノッチとは旋回シュ
ートで予め設定した傾動角度を番号付けして表わした数
値であり、数値が大きくなるほど装入原料が炉内中心側
に、数値が小さくなるほど炉壁側に装入されることを意
味する。
【0014】前掲の表現方式で複数の装入パターンを順
位付けして評価するとき、一見して見分けるには不便で
ある。そこで、ベルレスモード条件を指数とし、次式
(1),(2)によって平均落下位置指数及びベルレス
強度比を与える。式(1),(2)の指数は、ベルレス
式炉頂装入装置や炉口寸法が異なる2基以上の高炉デー
タを比較する上でも有効である。 鉱石原料又はコークス原料の平均落下位置指数 =Σ[(t/R)×n]/N ・・・・(1) ベルレス強度比=(コークス原料の平均落下位置指数)/(鉱石原料の 平均落下位置指数) ・・・・(2) ただし、t:チャージライン基準の高さで各ノッチの原
料落下軌跡が交差した位置を炉壁から水平に測った距離 n:各ノッチでの設定旋回回数 N:合計の設定旋回回数 R:炉口部の半径
【0015】具体的に実施した装入アクションを解析す
る場合、式(2)のベルレス強度比を解析用の指標に用
いることが有利である。炉内半径方向に関する装入原料
の層厚分布は、炉頂部に設置した測深装置10で求めら
れる。すなわち、鉱石原料及びコークス原料の装入前後
において堆積層表面までの深さを炉口半径方向に沿って
所定間隔ごとに細かく測定し、原料装入により形成され
る鉱石層とコークス層との層厚比に測定結果を加工す
る。これにより、層厚分布に関し定量化したデータが得
られる。本発明は、図3(a)に示すように、炉口部に
おいて炉壁近傍で堆積物表面がフラットになったテラス
部Tとテラス部Tから炉中心に向かって堆積物表面が傾
斜した傾斜部Cをもつテラス型の表面形態に造り込むこ
とを基本としている。テラス型の装入原料分布では、鉱
石層S1 とコークス層S2 の炉口半径方向に関する層厚
比分布は、図3(b)に示すように周辺領域で小さく、
中心領域で大きくなる。
【0016】炉口部の半径をRとし、炉中心からの距離
をXとするとき、X/R=0〜0.577の範囲を中心
領域,X/R=0.577〜0.816の範囲を中間領
域,X/R=0.816〜1.0の範囲を周辺領域と設
定する。そして、順次繰り返される鉱石原料及びコーク
ス原料の装入を1チャージとし、1チャージ当りに装入
される原料全体の鉱石原料及びコークス原料の平均層厚
比に対する実測層厚比の比率を求め、この比率を相対層
厚比として中心領域,中間領域及び周辺領域の各領域に
おける管理指標に使用する。たとえば、図3の例では、
中心領域の相対層厚比が1.0以上,中間領域及び周辺
領域の相対層厚比が1.0以下になっており、周辺領域
の相対層厚比が最も小さい層厚比分布と評価される。
【0017】スリップ指数は、本発明者等による調査・
研究の結果を示す図4にみられるように、ベルレス強度
比又は中間領域の相対層厚比と密接な相関関係をもって
いる。すなわち、コークス原料の平均落下位置と鉱石原
料の平均落下位置の相互関係を示すベルレス強度比と周
辺領域の相対層厚比との間に、正の相関関係が成立して
いる。そこで、ベルレス強度比がニュートラルに近い状
態にある0.90〜1.28の範囲に、或いは周辺領域
の相対層厚比が同様のレベルに相当する0.50〜0.
75の範囲に収まるようにベルレスモードを調整すると
き、スリップはほとんど発生しないことが判る。
【0018】逆に、ベルレス強度比又は周辺領域の相対
層厚比が所定範囲を外れると、スリップ指数が大きくな
る傾向が示される。この場合にスリップが多発する理由
は、次のように考えられる。スリップは、レースウェイ
6で燃焼したコークス量に対応する装入原料の下降が一
時的に停滞することに発端がある。停滞現象は、コーク
ス原料の最終到達点であるレースウェイ6の上方に当た
る炉周辺部で、(1)鉱石層S1 及び/又はコークス層
2 が厚くなり過ぎて炉内ガスの上昇流に対する抵抗が
高くなり、高温還元ガスによる昇温及び還元が遅延して
鉱石が溶解不良に陥ること、(2)周辺領域の鉱石層S
1 及び/又はコークス層S2 が薄くて装入原料の自重が
軽くなり過ぎ、装入原料が降下する力が炉内ガスの上昇
力に釣り合うことの何れか一方に原因があり、装入原料
の下降流M1 が不安定化し、レースウェイ6に炉上部か
ら供給されるコークス原料が絶たれた現象と考えられ
る。すなわち、不適切な装入パターンの選定により、炉
の周辺領域における固気2相間の熱交換バランス又は力
関係バランスが崩れたことに原因があるものと推定され
る。
【0019】そこで、ベルレス強度比又は周辺領域の相
対層厚比を管理指標として装入パターンを決定すると
き、鉱石層S1 及びコークス層S2 の層厚が炉内各部で
適正に維持され、装入原料の下降流M1 が安定化する。
好ましくは、ベルレス強度比及び周辺領域の相対層厚比
の双方を管理指標として使用するとき、管理精度が一層
向上し、安定した高炉操業が可能になる。すなわち、ベ
ルレス強度比による管理では、炉内に堆積した装入原料
のテラス部Tの造り込みが不充分でテラス部Tが傾いた
表面形態になった場合、その表面形態に対応して周辺領
域における相対層厚比が変わるため、平坦で且つ水平な
テラス型分布を前提とするデータ収集で得られたスリッ
プ指数との関係からずれる虞れがある。また、周辺領域
における相対層厚比で管理するとき、通常1個の測深装
置10しか炉頂に設けられていないことから、炉口部1
の円周方向に関するアンバランスが装入原料表面に発生
した場合、測深装置10による測定値が高炉全体の状況
からずれる虞れがある。これらのずれは、ベルレス強度
比及び周辺領域の相対層厚比の双方を管理指標として使
用することにより抑制できる。
【0020】実際に炉口半径R=3.5m,炉内容積1
650m3 の高炉における原料装入に本発明を適用した
例で、装入物分布が適正に管理されることを説明する。
炉頂装入条件に管理指標を設けることなく高炉操業を2
ヶ月間継続したところ、表1に示すように高炉羽口から
の微粉炭吹込み量が150kg/トン前後に達していた
が、非常に不安定な炉況であった。すなわち、2ヶ月の
間、荷下がりが不安定でスリップ,吹き抜け,棚吊り等
が頻繁に発生し、その影響として炉内の熱バランスが崩
れた結果、炉下部から排出される溶銑の温度や成分が大
きくばらついた。炉内のガス反応効率、特に水素ガス利
用効率も低下する傾向を示した。そこで、ベルレス強度
比及び周辺領域における相対層厚比を管理指標としてベ
ルレスモードの変更により装入物分布を制御したとこ
ろ、荷下がり状況が安定化し、炉下部の熱レベルが安定
になり、炉内ガスの反応効率も改善された。その結果、
燃料比が500〜510kg/トンから495〜500
kh/トンに低下し、微粉炭吹込み量が150kg/ト
ンから160〜165kg/トンに増加し、出銑比も
2.05〜2.15トン/m3 /日から2.27トン/
3 /日に増加した。
【0021】
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ベルレス強度比及び/又は相対層厚比が管理範囲に
維持されるように装入パターン等で炉口半径方向の装入
物分布を制御することにより、炉内に堆積した装入原料
の表面形態を適正に維持している。その結果、炉況を不
安定化する棚吊り,吹抜け等のトラブルが未然に防止さ
れ、安定した炉況が維持され、高出銑比の高炉操業が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高炉の内部に発生するスリップ現象の説明図
【図2】 ベルレス式炉頂装入装置を備えた高炉上部の
概略図(a)及びスリップ発生時に炉頂装入原料のレベ
ル変化を示す図(b)
【図3】 高炉炉頂での装入物堆積形状に関して本発明
の定義を示した図
【図4】 ベルレス強度比がスリップ発生回数及び炉周
辺領域における鉱石層/コークス層の相対層厚比に及ぼ
す影響を表わしたグラフ
【符号の説明】
1:炉口部 8:旋回シュート 10:測深装置 S1 :鉱石層 S2 :コークス層 S:装入原料層
の表面 M1 :装入原料の下降流 M2 :装入原料の停滞部分
V:空洞

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉頂装入装置の旋回シュートから鉱石原
    料及びコークス原料を交互に炉口部に装入し、装入原料
    の堆積表面が炉壁側でフラットなテラス型に装入原料の
    堆積形状分布を造り込む際、炉口部の内部水平断面を同
    心円状に中心領域,中間領域及び周辺領域に3等分し、
    周辺領域における鉱石層/コークス層の実測層厚比を求
    め、装入原料全体の鉱石/コークスの平均層厚比に対す
    る実測層厚比の比率を相対層厚比として算出し、周辺領
    域における相対層厚比が0.50〜0.70の管理範囲
    に収まるように炉口部に装入される鉱石原料及びコーク
    ス原料の炉口半径方向に沿った分布量を調整することを
    特徴とする高炉炉口部の装入物分布制御方法。
  2. 【請求項2】 炉頂装入装置の旋回シュートから鉱石原
    料及びコークス原料を交互に炉口部に装入し、装入原料
    の堆積表面が炉壁側でフラットなテラス型に装入原料の
    堆積形状分布を造り込む際、炉口部の内部水平断面を同
    心円状に中心領域,中間領域及び周辺領域に3等分し、
    鉱石原料の平均落下位置とコークス原料の平均落下位置
    との比率をベルレス強度比として算出し、周辺領域にお
    けるベルレス強度比が0.90〜1.28の管理範囲に
    収まるように炉口部に装入される鉱石原料及びコークス
    原料の炉口半径方向に沿った分布量を調整することを特
    徴とする高炉炉口部の装入物分布制御方法。
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KR100972199B1 (ko) 2008-05-28 2010-07-23 주식회사 포스코 고로의 원료 장입방법
KR101368504B1 (ko) * 2012-07-30 2014-02-28 현대제철 주식회사 고로 장입물 분포 평가방법
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