JP2000212613A - 高炉の装入物分布制御方法 - Google Patents

高炉の装入物分布制御方法

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JP2000212613A
JP2000212613A JP11015196A JP1519699A JP2000212613A JP 2000212613 A JP2000212613 A JP 2000212613A JP 11015196 A JP11015196 A JP 11015196A JP 1519699 A JP1519699 A JP 1519699A JP 2000212613 A JP2000212613 A JP 2000212613A
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furnace
coke
layer
ratio
terrace
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Hiroshi Ookusu
洋 大楠
Shigeru Kotani
茂 小谷
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉口部に装入されたコークスの堆積状態を制
御し、微粉炭吹込み量を増加しても炉内の通液性を確保
し、高出銑比の高炉操業を可能にする。 【構成】 炉壁内側からコークス層S2 の肩部までの距
離rの範囲で堆積物表面が水平になったテラス部をもつ
コークス層S2 を形成する。テラス長さrを炉口半径r
0 に対し0.27以下に調整すると、炉芯コークス層S
3 の通気性,通液性が確保され、微粉炭吹込み量を増加
させた高炉操業でも高出銑比で溶銑が製造される。 【作用】 炉口軸心部に形成される混合層S4 は大半が
粗粒コークスであるため、ソリューションロス反応が抑
えられ、粗粒のままのコークスが炉芯コークス層S3
更新に利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コークス層の炉口部堆
積形状を制御して炉底湯溜り部の通液性を維持し、高出
銑比の高炉操業を可能にする装入物分布制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高炉内部では、図1に示すように、炉頂
から装入され炉内を徐々に降下する鉱石層S1 ,コーク
ス層S2 等の固相,炉内を上昇する還元ガスGを始めと
する気相,溶融して炉底に滞留する溶銑L1 ,溶滓L2
等の液相の3流体が流動している。炉口部1から順次装
入され積み付けられた鉱石層S1 及びコークス層S2
は、シャフト部2を降下する。炉腹・朝顔部3の下方に
位置する炉壁の円周方向に設けられている複数の羽口5
から吹き込まれた熱風は、羽口5の周辺にレースウェイ
6を形成し、炉内でコークスとの反応によって高温の還
元ガスGを生成する。
【0003】鉱石層S1 は、還元ガスGと熱交換しなが
ら炉内を降下して徐々に還元され、シャフト部2の中段
及び下段レベルで加熱・軟化が進行する。加熱・軟化し
た鉱石は固形のコークスと合わさって、スリット構造を
もつ融着帯Mを形成する。融着帯Mでは、加熱・軟化し
た鉱石から溶銑L1 及び溶滓L2 が溶融分離する。溶銑
1 及び溶滓L2 は、融着帯Mの下方から溶け落ち、炉
芯コークス層S3 の隙間を通って炉底湯溜り部4に溜ま
る。炉底湯溜り部4の溶銑L1 及び溶滓L2 は、定期的
に又は連続的に出銑口7から排出される。
【0004】最近では、比較的安価な固体燃料である微
粉炭を羽口5から吹き込み、炉頂から装入されるコーク
スの消費量を下げた高炉操業が採用されている。ところ
が、微粉炭の吹込み量を増加させると炉況が悪化するこ
とがある。炉況悪化は、微粉炭吹込み量の増加に伴って
炉底湯溜り部4の通液性が低下することに原因の一つが
ある。すなわち、微粉炭吹込み量が増加すると、吹き込
まれた微粉炭の完全燃焼に必要な空気量が不足しがちに
なり、限界量を超えて大量に吹き込まれた微粉炭から未
燃チャーが発生する。未燃チャーは、炉芯コークス層S
3 に堆積され、炉芯コークス層S3 の通液性,ひいては
出銑量を低下させる。
【0005】微粉炭吹込みに起因する炉況悪化は、装入
形態の制御で炉芯コークス層の性状を改善する方法,炉
芯部の未燃チャーを反応除去する方法等で解消してい
る。たとえば、特公平5−8248号公報では、炉口部
1の軸心のごく限られた領域に装入されるコークスで融
着帯Mの下方に位置する炉芯コークス層S3 が更新され
るとの前提で炉頂装入物の分布を制御している。具体的
には、炉口の軸心部に良質のコークスを集中装入し、炉
芯コークス層S3 の通液性を確保し、溶銑L1 及び溶滓
2 の流動状態を改善している。また、特開平5−65
516号公報では、炉芯部に未燃チャーが堆積した場
合、炉外から炉芯部まで装入した水冷式ランスを介して
水蒸気,二酸化炭素等を含むガスを吹き込み、炉芯部の
未燃チャーを反応除去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】炉芯コークス層S3
のコークスを炉口軸心部に集中装入するためには、集中
装入用の機構を炉頂装入装置に付設し、炉頂シール装置
等を別途配置する必要がある。その結果、設備費,保全
費等が高くなる。ベルレス式炉頂装入装置では、コーク
ス装入を複数バッチに分け、そのうちの特定バッチで旋
回シュートを垂直に傾動させることにより、炉口軸心部
にコークスを集中装入できる。しかし、旋回シュートの
直上に配置されている垂直シュート内でコークス原料が
偏流しやすく、炉口軸心部から偏って装入されることが
ある。また、コークスの装入バッチを複数に分けるの
で、バッチ数の増加に伴ってタイムスケジュールが複雑
化する。その結果、バッチごとにコークス庫から切り出
して秤量した後で炉頂まで巻き上げる原料巻上げ系統で
装入回数が律速され、高出銑操業を維持しようとする際
に制約を受けやすい。炉芯部の未燃チャーを反応除去す
る場合でも、シャフト部2よりも下方の高温部位にラン
スを装入するため、ランスの耐久性,炉腹・朝顔部3等
に設けた開口部からランスを駆動装置で炉内又は炉外に
抜き差しするときの振動,炉内原料の揺さ振りによる耐
火物の損傷等の問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、コークスの炉口
部堆積形状によって炉口軸心部に形成される混合層に占
める粗粒コークスの割合が変わることに着目し、コーク
ス層のテラス長さを適正に調節することにより、炉芯コ
ークス層の更新に必要な粗粒コークスを確保し、多量の
微粉炭が羽口から吹き込まれる場合でも炉底湯溜り部の
通液性を良好に維持し高出銑比で高炉操業することを目
的とする。
【0008】本発明の装入物分布制御方法は、その目的
を達成するため、旋回シュートで炉頂から炉口部に鉱石
原料及びコークス原料を交互に装入する際、炉口部内に
堆積したコークス層の炉壁内側から肩部までの距離rに
おいて堆積物表面が水平になったテラス部をもち、炉口
半径r0 に対する距離rの比率で表わされるテラス長さ
比r/r0 が0.27以下となるようにコークス層の堆
積形状を制御し、粗粒コークスを主体とする混合層を炉
口軸心部に形成することを特徴とする。コークス層の肩
部は、炉壁内側から炉口軸心部に向かって堆積物表面の
傾斜角度が5度以上となる部位に設定される。傾斜角度
が5度に達しない堆積物表面にあるコークス粒は、次に
装入される鉱石の落下衝撃によっても炉口軸心部に向け
て転動することがない。テラス長さ比r/r0 ≦0.2
7の制御は、特に微粉炭比146kg/トン−銑鉄以上
の微粉炭を羽口から炉内に吹き込む高炉操業において炉
底湯溜り部の通液性を確保する上で有効である。
【0009】
【作用】ベルレス式炉頂装入装置で装入された鉱石原料
及びコークス原料は、炉口部の装入物堆積状況を断面で
示す図2にみられるように、鉱石層S1 及びコークス層
2 が交互に積み重なった多層構造になっている。鉱石
層S1 及びコークス層S2 は、旋回シュートを備えたベ
ルレス式炉頂装入装置では、旋回シュートを旋回させな
がら徐々に炉中心に向かって傾けることにより原料を装
入している。特に、原料1チャージ分の装入に際し旋回
シュートの傾動角度を複数回変更する多重リング装入
(たとえば、1回変更する2重リング装入,2回変更す
る3重リング装入等)を基本とし、傾動角度及び傾動角
度ごとの旋回数の2動作の条件を設定して組み合わせる
とき、非常に多くの原料装入パターンが得られる。本発
明では、フラット部をもつテラス形分布で装入堆積した
コークス層のテラス長さを調整することにより、炉芯コ
ークス層S3 を通過する溶銑L1 及び溶滓L2 の通液抵
抗を改善している。フラット部の長さは、多重リング装
入を基本として旋回シュートの傾動角度及び各傾動角度
ごとの旋回数を調整することににより制御できる。
【0010】図2中、コークス層S2 の表層を示す実線
は、コークス装入直後で鉱石装入前のコークス表層の状
態を表わしている。このコークス層S2 の上に鉱石を装
入すると、鉱石の落下衝撃によりコークス層S2 の一部
が層崩れして炉口軸心部に向けて流れ込む。流れ込んだ
コークスが鉱石と交じり合って混合層S4 が形成され、
最終的なOre/Coke 分布が決定される。炉口軸心部の
鉱石層S1 とコークス層S2 の層厚比は、炉頂部に設置
したマイクロ波式プロフィール計等の測深装置で求める
ことができる。しかし、鉱石及びコークスの装入前後に
おける堆積物表面までの深さを炉口部の半径方向に向か
って任意の間隔ごとに細かく測定するとき、見掛けの鉱
石層厚Lo ’及びコークス層厚Lc ’を測定しているこ
とになる。その結果、得られる見掛けの層厚比Lo’/
c ’は、層崩れを考慮に入れた実際の層厚比Lo /L
c とは異なる。
【0011】そこで、本発明者等は、1/3縮尺炉頂装
入模型実験により混合層S4 の発生状況を調査した。そ
の結果、鉱石原料及びコークス原料の装入物分布を炉口
壁部の内側でフラット部をもつテラス形分布に造り込む
とき、フラット部の長さで混合層S4 の発生量がほぼ一
元的に整理されることを見出した。なお、本件明細書で
は、炉口壁部の内面から炉口軸心部に向かって堆積物表
面の傾斜角度が5度以上になる肩部までをテラスとい
い、炉壁内面から肩部までの水平距離をテラス長さrと
いう。また、炉口半径r0 に対するテラス長さrの比r
/r0 をテラス長さ比という。テラス長さ比r/r0
は、高炉の大きさによって炉口半径r0 が異なることか
ら、2基以上の高炉を評価する場合のように堆積物の表
面形状を一般化した指標として利用できる。
【0012】炉芯の通液性に対してはコークス層S2
装入物分布が大きな影響を与えることから、コークス層
2 のテラス長さr又はテラス長さ比r/r0 の制御が
重要である。炉口軸心部における実際の層厚比LO /L
C は、模型実験の結果を示す図3(a)にみられるよう
に、テラス長さ比r/ro と直線的な関係にある。他
方、見掛けの層厚比Lo ’/Lc ’は、テラス長さ比r
/r0 に関係なく、ほぼ一定の値を示している。実際の
層厚比Lo /Lc と見掛けの層厚比Lo ’/Lc ’との
間の斜線領域は、混合層S4 の発生により低下した層厚
比の変化量に当たる。炉口軸心部における層厚比の変化
量は、コークステラスrが短くなるに従って一次関数的
に増加する傾向を示している。
【0013】コークス層S2 の肩部が崩れて混合層S4
を形成するとき、大粒径のコークスほど斜面を転動する
距離が長くなる。したがって、混合層S4 では、装入し
たコークスの平均粒径よりも大きな粒径のコークス粒が
占める割合が高くなる。また、テラス長さrが小さいほ
ど、コークス層S2 の肩部から炉口軸心部までの距離が
長くなり、斜面を転動するコークス粒に対する分級作用
が強化される。実際、混合層S4 のコークス粒径とテラ
ス長さ比r/r0 との関係を模型実験の結果から求めた
ところ、両者の間に図3(b)に示す関係が成立してい
た。なお、図3(b)では、炉口部1に装入したコーク
スの平均粒径に対する混合層S4 のコークス粒径の比
(コークス粒径比という)を縦軸に採った。
【0014】図3の結果にみられるように、炉口部1に
装入された鉱石原料及びコークス原料は、炉壁部に近い
周辺では鉱石層S1 及びコークス層S2 が相互に重なり
合った堆積構造をとる。炉口軸心部では、コークス層S
1 の斜面に沿った転動時にコークス粒が分級されるた
め、粗粒のコークスが大部分を占め、鉱石がほとんど存
在しない混合層S4 が炉口軸心部に形成される。ところ
で、高炉内では、羽口5から吹き込まれた熱風がコーク
スと反応して還元性のCO含有ガスを発生させる。還元
ガスGは、鉱石層S1 に接触しながら炉内を上昇する過
程でFe23 +CO→FeO+CO2 ,FeO+CO
→Fe+CO2 等の還元反応により鉱石を還元する。還
元反応で生成したCO2 は、上層のコークス層S2 を通
過する過程でCO2 +C→2COの反応で還元され、再
び還元性のCO含有ガスとなって上層側鉱石の還元反応
に利用される。繰返し還元反応に曝されるコークス層S
2 のコークス粒は、直下の鉱石層S1 を還元ガスGが通
過する際に生成したCO2 との反応、すなわちソリュー
ションロス反応によって表面から徐々にやせ細り細粒化
する。
【0015】高炉内部においてコークス粒が曝される反
応雰囲気を考慮すると、粗粒のコークスが大部分を占
め、鉱石がほとんど存在しない混合層S4 を炉口軸心
は、ソリューションロス反応を抑制し、炉芯コークス層
3 を構成するコークス粒の細粒化を効果的に防止す
る。したがって、炉軸心部を上昇する還元ガスGは、混
合層S4 を通過する際に鉱石と接触する割合が大幅に減
少し、CO2 発生反応が抑えられるので、還元性を維持
したままで炉内を上昇する。他方、炉軸心部のコークス
は、ソリューションロス反応で細粒化される割合が緩和
され、粗粒状態のまま炉芯コークス層S3 の更新に利用
される。したがって、炉底湯溜り部4の通液性が改善さ
れる。粗粒コークスの供給により炉芯コークス層S3
通気性も確保され、炉芯コークス層S3 に付着している
未燃チャーの分解も促進される。
【0016】
【実施例】炉口半径r0 =4.15m,炉内容積265
0m3 のベルレス式高炉で、燃料比FR 500kg/
トン−銑鉄の下で微粉炭吹込み量を増加させると共に、
コークステラス長さrを種々変更し、微粉炭吹込み量及
びコークステラス長さrが炉底湯溜り部4における溶銑
1 及び溶滓L2 の通液性に及ぼす影響を調査した。炉
底湯溜り部4における通液性は、炉底にあるれんが定盤
の中心部に形成される銑鉄凝固層の推定厚さを代表指標
として評価した。銑鉄凝固層の推定厚さは次のようにし
て求めた。
【0017】炉底湯溜り部4では、炉底れんがの損耗防
止のため、図4に示すようにれんが定盤11の下部に冷
却管12を埋設し、冷却管12を流れる冷却水でれんが
定盤11を冷却している。れんが定盤11の稼動面表層
に形成された銑鉄凝固層S5は、溶銑L1 によるれんが
定盤11の溶損を抑制する上では有効であるが、過度に
成長して炉内容積を狭めると、銑鉄生成量の低下や溶銑
1 ,溶滓L2 の炉外排出作用に悪影響を及ぼす。した
がって、銑鉄凝固層S5 を適正な厚さに維持する必要性
から、れんが定盤11の高さ方向に関して異なる位置に
2本の熱電対13を埋設しており、熱電対13で得られ
た計測値から温度差ΔTを求め、温度差ΔTを用いた一
次伝熱計算で銑鉄凝固層S5 の厚さが推定管理される。
【0018】コークス層S2 のテラス長さ比r/r0
0.27を超えると、図5(a)の調査結果にみられる
ように、微粉炭比PCR≧146kg/トン−銑鉄で銑鉄
凝固層S5 の推定厚さが急激に上昇した。銑鉄凝固層S
5 の急激な成長は、高炉に送風される熱風中の酸素では
微粉炭燃料の全量が燃焼できない影響の現れであると推
察される。銑鉄凝固層S5 は、図5(b)にみられるよ
うに、テラス長さ比r/r0 が小さくなるほど薄くなる
傾向を示した。図5の(a)と(b)とを対比すると、
テラス長さ比をr/r0 ≦0.27に制御すると、14
6kg/トン−銑鉄を超える微粉炭比PCRでも銑鉄凝固
層S5 が厚くならず、炉底湯溜り部4の良好な通液性が
維持されることが判る。最近の傾向としては,燃料比F
R を500kg/トン−銑鉄程度に下げて微粉炭吹込み
量を増加することを指向している。そこで、炉内容積が
異なる他の高炉についても同様な方法で操業実績を解析
し、銑鉄凝固層S5 と微粉炭比PCRとの関係を調査し
た。調査結果を図6に示す。A高炉は内容積2650m
3 のベルレス式高炉、B高炉は内容積1650m3 のベ
ルレス式高炉である。
【0019】図6から明らかなように、内容積の小さな
B高炉においてもコークステラス長さ比r/r0 が0.
27を超えると、微粉炭比PCR≧146kg/トン−銑
鉄で銑鉄凝固層S5 の推定厚さが急激に上昇し、最大8
00mm強の厚さまでに達したことが推定される。銑鉄
凝固層S5 の厚膜化は、B高炉の炉底湯溜り部4がA高
炉に比較して4割程度と小さいことから、一旦通液不良
に陥ると銑鉄凝固層S 5 が急激に成長しやすい炉底構造
に原因があるものと考えられる。これに対し、コークス
層S2 のテラス長さ比r/r0 を0.27以下に維持し
て操業した場合、微粉炭比PCRが146kg/トン−銑
鉄を超える期間でも銑鉄凝固層S5 を200mm程度の
適度な厚みに維持できた。
【0020】次いで、炉口半径r0 =4.15m,炉内
容積2650m3 のベルレス式高炉の長期間にわたる操
業実績に及ぼすコークス装入条件及び微粉炭吹込みの影
響を調査した。コークス層S2 のテラス長さ比r/r0
が0.27を超える条件下でコークス原料を炉頂装入
し、微粉炭吹込み量を微粉炭比PCR>146kg/トン
−銑鉄に増量して高炉操業したところ、図7に示すよう
に3〜6ヶ月経過した時点から高炉炉底にあるれんが定
盤11の表層に形成されている銑鉄凝固層S5 が急激に
成長し始めた。そこで、コークス層S2 のテラス長さ比
r/r0 が0.27以下となるようにコークス原料の装
入条件を変更した。テラス長さrを短くした7ヶ月目以
降では微粉炭比PCRを更に上昇させたにも拘わらず、銑
鉄凝固層S 5 の推定厚さが100mm前後の一定値に維
持され、炉底湯溜り部4の通液性が改善された。その結
果、最終的には微粉炭比PCR180kg/トンー銑鉄の
条件下で2.28トン/m3 /日前後の出銑比が得ら
れ、銑鉄の生産量が向上した。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、コークス層のテラス長さを短く調整することによ
り、粗粒コークスが大半を占める混合層を炉口中心部に
形成している。混合層にあるコークス粒は、ソリューシ
ョンロス反応が抑制されているので、粗粒のままで炉芯
コークス層を更新するコークスとして利用される。した
がって、炉底湯溜り部の通液性が確保され、微粉炭比を
上昇させた操業においても高い出銑比で銑鉄が製造され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高炉炉内における気相,液相,固相の流動状
態を示す模式図
【図2】 炉口部に装入された鉱石原料及びコークス原
料の堆積状態
【図3】 炉口軸心部におけるコークスの粒径比及び鉱
石/コークスの層厚比に及ぼすコークス層のテラス長さ
比の影響を表わしたグラフ
【図4】 れんが定盤の稼動面表層に銑鉄凝固層が形成
された高炉炉底の概略図
【図5】 微粉炭比(a)及びコークス層のテラス長さ
比(b)が銑鉄凝固層の推定厚さに及ぼす影響を表わし
たグラフ
【図6】 内容積が異なる2基の高炉における微粉炭比
と銑鉄凝固層の推定厚さとの関係を示すグラフ
【図7】 長期間にわたる高炉操業で微粉炭比及びコー
クス層のテラス長さが出銑比,銑鉄凝固層に及ぼす影響
を示したグラフ
【符号の説明】
1:炉口部 2:シャフト部 3:炉腹・朝顔部
4:炉底湯溜り部 S1 :鉱石層 S2 :コークス層 S3 :炉芯コー
クス層 S4 :混合層 S5 :銑鉄凝固層 L1 :溶銑 L2 :溶滓 G:還元ガス M:融
着帯 r:コークス層のテラス長さ r0 :炉口半径 r
/r0 :テラス長さ比 LO :実際の鉱石層厚 LO ’:見掛けの鉱石層厚 LC :実際のコークス層厚 LC ’:見掛けのコーク
ス層厚

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回シュートで炉頂から炉口部に鉱石原
    料及びコークス原料を交互に装入する際、炉口部内に堆
    積したコークス層の炉壁内側から肩部までの距離rにお
    いて堆積物表面が水平になったテラス部をもち、炉口半
    径r0 に対する距離rの比率で表わされるテラス長さ比
    r/r0 が0.27以下となるようにコークス層の堆積
    形状を制御し、粗粒コークスを主体とする混合層を炉口
    軸心部に形成することを特徴とする高炉の装入物分布制
    御方法。
  2. 【請求項2】 微粉炭比146kg/トン−銑鉄以上の
    微粉炭を羽口から炉内に吹き込むとき、コークス層のテ
    ラス長さ比r/r0 が0.27以下にする請求項1記載
    の高炉の装入物分布制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208463A (ja) * 2008-04-21 2008-09-11 Jfe Steel Kk 高炉操業方法
KR100916116B1 (ko) * 2002-12-06 2009-09-08 주식회사 포스코 고로 장입물 분포제어방법

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