以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面の参照番号について、異なる図面において類似する番号が付された要素は、類似又は対応する要素であることを示す。
本開示において「フィルム」には「シート」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において「感圧接着」とは、使用温度範囲で、例えば0℃以上、50℃以下の範囲で初期粘着性(タック)を有し、軽い圧力で様々な表面に接着し、相変化(液体から固体へ)を呈さない材料又は組成物の特性を意味する。
本開示において「透明」とは、可視光領域(400nm〜800nm)において、装飾粘着フィルムが、光の平均透過率が約60%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上である領域を有することを意味する。装飾粘着フィルムの全体が透明であってもよく、一部又は複数の部分が透明であってもよい。
本開示の一実施態様の装飾粘着フィルムは、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの樹脂を含むフィルム層と、少なくとも1つの(メタ)アクリル系ポリマーを含む感圧接着性基材層とを含み、装飾粘着フィルムの5%伸び時の引張強度が20℃で14MPa以下である。ここで、感圧接着性基材層の厚さはフィルム層の厚さの1.5倍以上である。すなわち、本実施態様の装飾粘着フィルムは、感圧接着性層を基材とし、その上にフィルム層を含む、常温での伸び性が良好な装飾粘着フィルムである。
図1に、本開示の一実施態様による装飾粘着フィルム10の概略断面図を示す。装飾粘着フィルム10は、フィルム層14と、感圧接着性基材層16とを含む。図1では、さらに、任意の構成要素として、フィルム層14の上にプレマスク12が配置されている。プレマスク12は、通常、被着体への装飾粘着フィルム10の貼り付けが終了した後に剥離される。また、図1では、さらに、任意の構成要素として、感圧接着性基材層16の上にライナー18が配置されている。ライナー18は、被着体への装飾粘着フィルム10の貼り付け前に剥離される。
図1に示すように、本開示の一実施態様による装飾粘着フィルム10では、感圧接着性基材層16がフィルム層14より厚い。これにより、装飾粘着フィルムの物性、例えば引張強度、伸び率などは感圧接着性基材層16の物性に主に支配される。また、感圧接着性基材層16が厚いために、凹凸表面を有する被着体に装飾粘着フィルムを貼り付けるときにフィルム層14に生じる応力を緩和する効果が高まり、結果としてフィルム層14の被着体への追従特性が向上する。これにより、フィルム層14として使用できるフィルム材の種類の幅も広げることが可能になる。
図1に示すようにフィルム層14と感圧接着性基材層16とは直接結合していてもよく、接合層を介して結合していてもよい。フィルム層14と感圧接着性基材層16の間に他の層、例えば印刷層、金属層などの装飾層、例えば装飾粘着フィルムの強度向上、装飾層の担持などを目的とした中間層、これらの層を結合する接合層などが介在してもよい。フィルム層の上に他の層、例えば印刷層、金属層などの装飾層、表面保護層、クリア層などが積層されていてもよい。フィルム層14は、感圧接着性基材層16との結合面にプライマー処理、コロナ処理などの表面処理を有してもよい。
図1に示すように、装飾粘着フィルムは、フィルム層とは反対側の感圧接着性基材層の表面にライナーを有していてもよい。ライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。ライナーの厚さは、一般に、約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下である。
プレマスクは、装飾粘着フィルムの製造時及び使用時にその取り扱い性を高めるための支持体として機能し、装飾粘着フィルムを被着体に貼り付けた後に除去される。プレマスクは支持層及び感圧接着層の積層体である。図1及び図2では、図面の簡略化を目的としてプレマスクは1つの層として示されている。
プレマスクの支持層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、フッ素系ポリマーなどを含む可撓性のフィルムを用いることができる。フィルムは、透明であっても不透明であってもよく、着色されていてもよい。支持層の厚さは、例えば約5μm以上又は約10μm以上、約300μm以下又は約200μm以下とすることができる。
プレマスクの感圧接着層として、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。感圧接着層とフィルム層との間の接着力は、感圧接着層と支持層との間の接着力、及び感圧接着性基材層と被着体との間の接着力よりも小さくなるように設計される。このように設計することで、装飾粘着フィルムを被着体に適用した後、装飾粘着フィルムを破損することなくプレマスクを除去することができる。感圧接着層の接着力を調節する目的で、感圧接着層が、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタンなどを含む弾性微小球を含んでもよい。感圧接着層の厚さは、一般に、約3μm以上又は約5μm以上、約100μm以下又は約50μm以下とすることができる。
フィルム層は、装飾粘着フィルムを被着体に適用しプレマスクを除去した後に露出する表面となる。フィルム層は、例えば、装飾粘着フィルムを適用した物品表面への埃などの付着、水分の侵入などを防止する、そのような物品同士を重ねたときのブロッキングを防止する、装飾粘着フィルムを適用した物品に耐候性を付与する、あるいはフィルム層の上に印刷を施す場合に印刷インクのレセプター層として機能する。
フィルム層は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの樹脂を含む。
ポリ塩化ビニル樹脂は、ポリマー成分としてポリ塩化ビニルのみを含んでもよく、例えば耐衝撃性などの特性を改質する目的で、追加のポリマー、例えば熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリル樹脂などを、例えば約40質量%以下、約30質量%以下、又は約20質量%以下の量で含んでもよい。ポリ塩化ビニル樹脂は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステルなどの可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、顔料などの他の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施態様では、フィルム層はポリ塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含み、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対し、可塑剤の量が約20質量部以上、又は約25質量部以上、約40質量部以下、又は約35質量部以下である。
ポリウレタン樹脂は、ポリオールと架橋剤とを重合付加させて得られる樹脂を含む。ポリオールとして、例えばアクリルポリオール;ポリウレタンポリオール;ポリカプロラクトンジオールなどのポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオールなどを使用できる。一実施態様では、フィルム層は、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールから選択される少なくとも1つのポリオール由来の単位を有するポリウレタン樹脂を含む。架橋剤として、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ポリイソシアネート、それらのビュレット体、イソシアヌレート体又はアダクト体、ポリカルボジイミドなどが使用できる。一実施態様では、ポリウレタン樹脂は無黄変型ポリイソシアネート由来の単位を有する。そのような無黄変型ポリイソシアネートとして、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。この実施態様によれば、耐候性に特に優れた装飾粘着フィルムを得ることができる。耐久性及び耐候性に優れることから、アクリルポリオールと架橋剤との重合付加物であるアクリルウレタン樹脂を有利に使用することができる。
フッ素樹脂は、フッ素系モノマーを重合して得られるポリマーである。フッ素系モノマーは、例えば、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレンなどのフッ素系エチレンモノマーである。フッ素系モノマーに加えて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリレートなどの1種又は2種以上の共重合可能なモノマーを混合してもよい。フッ素樹脂とアクリル樹脂とをブレンドしたフッ素系樹脂組成物を用いてもよい。例えば、アクリルポリオール樹脂は、ポリオールのヒドロキシル基と(メタ)アクリル系ポリマー中のヒドロキシル基とが、それぞれ、イソシアネート系架橋剤と反応し、それによりウレタン結合を生じることによって形成される。フッ素樹脂を含むフィルム層として、透明性の高い樹脂フィルムを用いることが有利である。
いくつかの実施態様では、フィルム層はポリ塩化ビニル樹脂又はポリウレタン樹脂を含む。これらの実施態様のフィルム層は印刷適性及び耐アルコール性に優れるため、装飾粘着フィルム上に印刷インクを用いた印刷、イソプロパノールなどの溶剤を含むクリア塗装などを施すことができる。ポリ塩化ビニル樹脂を含むフィルム層は装飾粘着フィルムを難燃性とする上でも有利である。ポリウレタン樹脂を含むフィルム層は耐候性に優れている。
別の実施態様では、フィルム層はフッ素樹脂を含む。この実施態様のフィルム層は、耐薬品性、耐候性などに優れており、過酷な外部環境に曝される用途に特に適している。
フィルム層は透明であってもよく、着色されていてもよい。一実施態様ではフィルム層は透明である。この実施態様では、装飾粘着フィルムを被着体表面に適用したときに、フィルム層の下にある装飾粘着フィルムの層(例えば装飾層又は感圧接着性基材層)又は被着体表面を外部から見ることができる。
いくつかの実施態様において、フィルム層に含まれる樹脂のガラス転移温度は、約90℃以下、約85℃以下、又は約80℃以下である。樹脂のガラス転移温度を約90℃以下とすることにより、装飾粘着フィルムの表面追従性をより高めることができる。一方、フィルム層のガラス転移温度は、約30℃以上、約35℃以上、又は約40℃以上であることが望ましい。フィルム層のガラス転移温度を約30℃以上とすることにより、フィルム層のタックを低減して、埃の付着をより効果的に防止し、耐ブロッキング性を高めることができる。
フィルム層の厚さは、装飾粘着フィルムの表面追従性を妨げない程度とすることができ、一般に約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約60μm以下、約40μm以下、又は約20μm以下である。
フィルム層として、押出フィルム、押出延伸フィルム、カレンダーフィルム、キャストフィルムなど、様々な成形方法で形成されたフィルム又はこれらの積層体を使用することができる。一実施態様では、フィルム層はキャストフィルムである。この実施態様によれば、薄いフィルム層を得ることが容易であり、残留内部応力が比較的低いことから、装飾粘着フィルムの表面追従性を有利に高めることができる。
装飾粘着フィルムの用途に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑材、帯電防止剤、難燃剤、充填剤などの従来公知の添加剤をフィルム層に添加することもできる。
感圧接着性基材層は少なくとも1つの(メタ)アクリル系ポリマーを含む。感圧接着性基材層は、装飾粘着フィルムに感圧接着性を付与し、装飾粘着フィルムが被着体に適用されてプレマスクが除去された後に、フィルム層、装飾層などの装飾粘着フィルムを構成する層を担持するバルク層として機能する。感圧接着性基材層は単層であってもよく、多層の積層体であってもよい。
(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも1つは粘着性ポリマーであり、感圧接着性基材層は、このような粘着性ポリマーを含有する組成物の塗膜から形成することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として含み、必要に応じてカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー又はアミノ基含有エチレン性不飽和モノマーをさらに含むモノマー混合物を共重合させることにより得ることができる。
モノエチレン性不飽和モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーの主成分となるものであって、一般には式CH2=CR1COOR2(式中、R1は水素又はメチル基であり、R2は直鎖、環状又は分岐状のアルキル基、フェニル基、アルコキシアルキル基、フェノキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は環状エーテル基である。)で表されるものに加えて、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類も含まれる。式CH2=CR1COOR2で表されるモノエチレン性不飽和モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。必要に応じて、例えば所望のガラス転移温度、引張強度、伸び特性などを得る目的で、2種以上のモノエチレン性不飽和モノマーを組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などを挙げることができる。
アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)などのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテルなどのジアルキルアミノアルキルビニルエーテル;ビニルイミダゾールなどの含窒素複素環を有するビニルモノマーなどが挙げられる。
(メタ)アクリル系ポリマーの共重合は、ラジカル重合により行なうことが好ましく、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの公知の重合方法を用いることができる。開始剤として、過酸化ベンゾイル、ラウロイルペルオキシド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AVN)などのアゾ系重合開始剤などを用いることができる。開始剤の使用量は、モノマー混合物100質量部に対して、一般に約0.01質量部以上、又は約0.05質量部以上、約5質量部以下、又は約3質量部以下である。
一実施態様では、感圧接着性基材層は、ガラス転移温度(Tg)が約0℃以下の(メタ)アクリル系ポリマー(本開示において以下「低Tg(メタ)アクリル系ポリマー」ともいう。)と、ガラス転移温度が約20℃以上の(メタ)アクリル系ポリマー(本開示において以下「高Tg(メタ)アクリル系ポリマー」ともいう。)とのポリマーブレンドを含む。いかなる理論に拘束されることを望む訳ではないが、高Tg(メタ)アクリル系ポリマーは用途に応じて必要な引張強度を感圧接着性基材層に付与し、低Tg(メタ)アクリル系ポリマーは粘着性ポリマーとして機能し、伸び特性を感圧接着性基材層に付与すると考えられている。必要に応じて、2種以上の低Tg(メタ)アクリル系ポリマー、及び/又は2種以上の高Tg(メタ)アクリル系ポリマーを用いてポリマーブレンドを形成してもよい。
いくつかの実施態様では、低Tg(メタ)アクリル系ポリマーのTgは約−5℃以下、約−20℃以下、又は約−40℃以下、約−80℃以上、約−70℃以上、又は約−60℃以上である。いくつかの実施態様では、高Tg(メタ)アクリル系ポリマーのTgは約5℃以上、約20℃以上、又は約40℃以上、約150℃以下、約135℃以下、又は約120℃以下である。
(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めることができる。
低Tg(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば、エチルアクリレート(EA)、n−ブチルアクリレート(BA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)など、単体で重合したホモポリマーが約0℃以下のTgを有する成分を主成分として共重合させることにより得ることができる。低Tg(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、一般に、一般に約100,000以上、約200,000以上、又は約300,000以上、約2,000,000以下、約1,000,000以下、又は約800,000以下とすることができる。本開示における重量平均分子量は、GPC法による標準ポリスチレンで換算した分子量を意味する。
高Tg(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、n−ブチルメタクリレート(BMA)など、単体で重合したホモポリマーが約20℃以上のTgを有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分として共重合させることにより得ることができる。高Tg(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、一般に約1,000以上、約5,000以上、又は約10,000以上、約100,000以下、約80,000以下、又は約70,000以下である。
感圧接着性基材層の形成において、低Tg(メタ)アクリル系ポリマーと高Tg(メタ)アクリル系ポリマーの配合比を変化させることにより、所望の接着力、引張強度及び伸び特性を有する感圧接着性基材層を得ることができる。例えば、低Tg(メタ)アクリル系ポリマーと高Tg(メタ)アクリル系ポリマーの配合比は、低Tg(メタ)アクリル系ポリマーを100質量部としたときに、高Tg(メタ)アクリル系ポリマーを約1質量部以上、約2質量部以上、約5質量部以上、又は約8質量部以上、約90質量部以下、約50質量部以下、約20質量部以下、又は約15質量部以下とすることができる。
一実施態様では、感圧接着性基材層は、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのポリマーブレンドを含む。このようなポリマーブレンドを含む感圧接着性基材層は、カルボキシル基とアミノ基の相互作用により高い引張強度及び優れた伸び特性を有することから、優れた表面追従性を有する装飾粘着フィルムを得ることができる。必要に応じて、2種以上のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー、及び/又は2種以上のアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを用いてポリマーブレンドを形成してもよい。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として、これとカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとを共重合することにより得ることができる。いくつかの実施態様では、モノエチレン性不飽和モノマーを約80質量部以上、約85質量部以上、又は約90質量部以上、約99.5質量部以下、約99質量部以下、又は約95質量部以下と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを約0.5質量部以上、約1質量部以上、又は約5質量部以上、約20質量部以下、約15質量部以下、又は約10質量部以下の割合で共重合することにより、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーを得ることができる。
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として、これとアミノ基含有エチレン性不飽和モノマーとを共重合することにより得ることができる。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、例えばモノエチレン性不飽和モノマーを約80質量部以上、約85質量部以上、又は約90質量部以上、約99.5質量部以下、約99質量部以下、又は約95質量部以下と、アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーを約0.5質量部以上、約1質量部以上、又は約5質量部以上、約20質量部以下、約15質量部以下、又は約10質量部以下の割合で共重合することにより得ることができる。
いくつかの実施態様では、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まない。ここでいう「芳香族ビニルモノマー」には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルアントラキノン、芳香族アミンの(メタ)アクリルアミド、水酸基含有芳香族化合物の(メタ)アクリレートなどが包含される。芳香族アミンとして、アニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、アミノアントラセン、アミノアントラキノン又はこれらの誘導体が挙げられる。水酸基含有芳香族化合物として、上記芳香族アミンに対応する水酸基含有化合物が挙げられる。芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、後述する顔料、特に白色顔料の分散性に優れており、高い隠蔽性を有する装飾粘着フィルムを得ることができる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの一方が高Tg(メタ)アクリル系ポリマーであり、他方が低Tg(メタ)アクリル系ポリマーであってもよい。一つの好適な実施態様では、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーが低Tg(メタ)アクリル系ポリマーであり、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーが高Tg(メタ)アクリル系ポリマーである。
いくつかの実施態様において、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方の重合平均分子量は、一般に約100,000以上、約200,000以上、又は約300,000以上、約2,000,000以下、約1,000,000以下、又は約800,000以下である。別のいくつかの実施態様において、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方の重合平均分子量は、一般に約100,000以上、約200,000以上、又は約300,000以上、約2,000,000以下、約1,000,000以下、又は約800,000以下であり、他方の重合平均分子量は、約1,000以上、約5,000以上、又は約10,000以上、約100,000以下、約80,000以下、又は約70,000以下である。
感圧接着性基材層の形成において、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーとアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの配合比を変化させることにより、所望の接着力、引張強度及び伸び特性を有する感圧接着性基材層を得ることができる。例えば、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーとアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの配合比は、それらのうちTgが低い方の(メタ)アクリル系ポリマーを100質量部としたときに、Tgが高い方の(メタ)アクリル系ポリマーを約1質量部以上、約2質量部以上、約5質量部以上、又は約8質量部以上、約90質量部以下、約50質量部以下、約20質量部以下、又は約15質量部以下とすることができる。
感圧接着性基材層は、架橋剤により架橋された(メタ)アクリル系ポリマーを含んでもよい。架橋により感圧接着性基材層の凝集力を高めて、高温時でも接着力を維持することができる。架橋剤として、例えば、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、例えばビスアミド系架橋剤(例えば、1,1’−イソフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン))、アジリジン系架橋剤(例えば、株式会社日本触媒製ケミタイトPZ33、DSM NeoResins Inc.製NeoCryl CX−100)、カルボジイミド系架橋剤(例えば、日清紡ケミカル株式会社製カルボジライトV−03、V−05、V−07)、エポキシ系架橋剤(例えば綜研化学株式会社製E−AX、E−5XM及びE5C;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン))、イソシアネート系架橋剤(例えば、東ソー株式会社製コロネートL、コロネートHK、バイエル社製デスモジュールH、デスモジュールW、デスモジュールI)などを用いることができる。一つの好適な実施態様では、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーが、ビスアミド系架橋剤及びエポキシ系架橋剤の少なくとも一つを用いて架橋されている。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー、又は水酸基を含有する(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、エポキシ系架橋剤(例えば綜研化学株式会社製E−AX、E−5XM及びE5C;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン))、イソシアネート系架橋剤(例えば、東ソー株式会社製コロネートL、コロネートHK、バイエル社製デスモジュールH、デスモジュールW、デスモジュールI)などを用いることができる。
架橋剤の添加量は、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、約0.01質量部以上、約0.03質量部以上、又は約0.05質量部以上、約1.0質量部以下、約0.5質量部以下、又は約0.3質量部以下とすることができる。
感圧接着性基材層は、装飾目的又は隠蔽目的で顔料を含むこともできる。顔料として従来知られている無機顔料又は有機顔料を使用することができる。無機顔料の具体例として、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン(酸化チタン)などの白色顔料、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジなどの有色顔料、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックなどが挙げられる。有機顔料の具体例として、C.I.Pigment White 6、C.I.Pigment Black 7、C.I.Pigment Red 122、同202、同254、同255、C.I.Pigment Orange 43、C.I.Pigment Violet 19、同23、C.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、C.I.Pigment Brown 23、同25、C.I.Pigment Yellow 74、同109、同110、同128、C.I.Pigment Green 7、同36などが挙げられる。
一実施態様では感圧接着性基材層は白色顔料を含む。白色顔料は単体で又は2種以上を混合して用いることができる。この実施態様では、装飾粘着フィルムの下地となる被着体表面の色を効果的に隠蔽し、装飾粘着フィルムの視認性、意匠性などを高めることができる。白色度が高いことから白色顔料として二酸化チタンを用いることが有利である。白色顔料と併用する添加剤としてタルク、カオリン、アルミペースト、カーボンブラック又は炭酸カルシウムを用いてもよい。白色顔料は、球状、針状、平板状又はフレーク状などの様々な形状の粒子であってよく、分散性が良好であることから球状粒子であることが望ましい。白色顔料は、分散性をより高めるために、シラン、チタネートなどのカップリング剤で表面処理されていてもよい。白色顔料は、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、約8質量部以上、約15質量部以上、又は約25質量部以上、約150質量部以下、約100質量部以下、又は約60質量部以下とすることができる。白色顔料の平均一次粒径は、一般に約0.10μm以上、約0.12μm以上、又は約0.15μm以上、約0.50μm以下、約0.40μm以下、又は約0.30μm以下である。白色顔料の平均一次粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定を用いて決定することができる体積累積粒径D50である。
感圧接着性基材層が白色顔料を含む実施態様では、感圧接着性基材層がアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが有利であり、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが特に有利である。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー、特に芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、二酸化チタンなどの白色顔料の分散性を向上させるため、多量の白色顔料を感圧接着性基材層中に充填することができ、その結果装飾粘着フィルムの隠蔽性をより高めることができる。
感圧接着性基材層が白色顔料を含む実施態様では、感圧接着性基材層がカルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが有利である。いかなる理論に拘束されることを望むわけではないが、白色顔料、特に二酸化チタンは、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーの分子間架橋を形成し、感圧接着性基材層の凝集力を高めることに寄与していると考えられている。
装飾粘着フィルムの用途に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、弾性微小球、粘着性ポリマー微小球、結晶性ポリマー、難燃剤、充填剤などの従来公知の添加剤を感圧接着性基材層に添加することもできる。
一実施態様では感圧接着性基材層は難燃剤を含まない。この実施態様では、装飾粘着フィルムの総厚を薄く(例えば、約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下)することにより難燃剤を使用せずに装飾粘着フィルムを不燃性とすることができる。
感圧接着性基材層は公知の方法によってフィルム層の上、又は装飾粘着フィルムの他の層の上に形成することができる。例えば、少なくとも1つの(メタ)アクリル系ポリマーと、架橋剤、白色顔料などのその他任意成分とを有機溶媒に溶解又は分散した組成物を、ナイフコート、バーコートなどによりライナー上に塗布し乾燥して、感圧接着性基材層を形成する。得られた感圧接着性基材層の上にフィルム層などをドライラミネートなどにより積層して、装飾粘着フィルムを形成することができる。
感圧接着性基材層の厚さは、一般に約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下である。装飾粘着フィルムに不燃性が要求される用途では、感圧接着性基材層の厚さを約80μm以下、又は約50μm以下とすることが有利である。
感圧接着性基材層の厚さはフィルム層の厚さの約1.5倍以上である。いくつかの実施態様では、感圧接着性基材層の厚さはフィルム層の厚さの約2倍以上、約3倍以上、又は約5倍以上、約20倍以下、約15倍以下、又は約10倍以下である。本開示の装飾粘着フィルムでは、感圧接着性基材層が装飾粘着フィルムのバルク層として機能する。そのため、装飾粘着フィルムの物性、例えば引張強度、伸び率などは感圧接着性基材層の物性に主に支配され、結果として装飾粘着フィルムの表面追従性を高めることができ、高温環境下での装飾粘着フィルムの収縮を低減することができる。厚い感圧接着性基材層は、凹凸表面を有する被着体への貼り付け時に生じるフィルム層への応力を緩和する効果もある。フィルム層を薄くすることにより、装飾粘着フィルム全体を薄くして装飾粘着フィルムを容易に難燃性とすることもできる。
別の実施態様では、装飾粘着フィルムは、フィルム層と感圧接着性基材層の間に中間層及び接合層を含む。この実施態様では、中間層が強度部材として機能して装飾粘着フィルムの強度を高めることができる。中間層を装飾層の担体として用いて装飾粘着フィルム内部に装飾層を設けることで、装飾粘着フィルムに耐久性の高い装飾性を付与することもできる。図2にこのような実施態様による装飾粘着フィルム10の概略断面図を示す。装飾粘着フィルム10は、フィルム層14と感圧接着性基材層16の間に、中間層22を有し、中間層22とフィルム層14が接合層24により接合されている。図2では装飾層26が中間層22に担持されている。
中間層として、例えば(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂などのフィルムを使用することができる。中間層がフィルム層と同様の樹脂で形成されていてもよい。中間層の厚さは、装飾粘着フィルムの表面追従性を妨げない程度とすることができ、一般に約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約60μm以下、約40μm以下、又は約20μm以下である。
装飾粘着フィルムを構成する層を結合する接合層として、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。接合層が感圧接着性基材層と同様の材料で形成されていてもよい。接合層の厚さは、一般に、約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、約40μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
装飾層は、装飾粘着フィルムに装飾性又は意匠性を付与するために使用することができる。装飾層として、印刷層、金属層などが挙げられる。装飾層は、装飾粘着フィルムの全面に対応するように配置されていてもよく、一部又は複数の部分に対応するように配置されていてもよい。
印刷層は、中間層の上にトナー、インクなどの着色剤を用いて印刷することにより形成することができる。フィルム層の感圧接着性基材層に向かう表面上に印刷層を形成してもよい。印刷インクとして、溶剤系インク、又はUV硬化型インクを用いることができる。印刷は、グラビア印刷、静電印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷などを用いることができる。
印刷層の厚さは様々であってよく、一般に、約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約30μm以下、約25μm以下、又は約20μm以下とすることができる。
金属層は、インジウム、スズ、クロムなどの金属を蒸着、スパッタなどによって中間層の上に堆積することによって形成することができる。蒸着又はスパッタの際に金属マスクなどを使用してパターン又は絵柄を形成することもできる。金属層の厚さは、様々であってよく、一般に、約5nm以上、約10nm以上、又は約20nm以上、約10μm以下、約5μm以下、又は約2μm以下とすることができる。
中間層及び接合層を含む装飾粘着フィルムは、例えば、以下の手順で得ることができる。接合層組成物を、ナイフコート、バーコートなどによりライナー上に塗布し乾燥して、接合層を形成する。得られた接合層の上にフィルム層をドライラミネートなどにより積層して、フィルム層/接合層積層体を形成する。感圧接着性基材層組成物を、ナイフコート、バーコートなどによりライナー上に塗布し乾燥して、感圧接着性基材層を形成する。得られた感圧接着性基材層の上に中間層をドライラミネートなどにより積層して、中間層/感圧接着性基材層積層体を形成する。必要に応じて中間層の上に装飾層を形成した後、フィルム層/接合層積層体を、接合層と中間層又は中間層の上に形成された装飾層とが接触するように、中間層/感圧接着性基材層積層体の上に積層して装飾粘着フィルムを得る。
プレマスク及びライナーを除いた装飾粘着フィルムの総厚、すなわちフィルム層から感圧接着性基材層までの総厚は、通常約20μm以上、約30μm以上、又は約50μm以上、約300μm以下、約200μm以下、又は約150μm以下である。装飾粘着フィルムに不燃性が要求される用途では、プレマスク及びライナーを除いた装飾粘着フィルムの総厚を約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下とすることが有利である。一実施態様の装飾粘着フィルムは、ISO5660−1コーンカロリーメーター試験で不燃性である。
一実施態様では、プレマスク及びライナーを有さない装飾粘着フィルムの5%伸び時の引張強度は、JIS K 6251に準拠して、温度20℃、初期つかみ間隔100mm、引張速度300mm/分の条件で測定したときに約14MPa以下、約12MPa以下、又は約11MPa以下である。装飾粘着フィルムの引張強度を約14MPa以下とすることで、常温で装飾粘着フィルムを伸張し易くし、被着体への追従性、施工性などを向上させることができる。一方、装飾粘着フィルムの引張強度は、約1MPa以上、約2MPa以上、又は約3MPa以上とすることができる。引張強度を約1MPa以上とすることで、装飾粘着フィルムを被着体に施工する際のフィルムの破れを生じにくくすることができる。
一実施態様では、プレマスク及びライナーを有さない装飾粘着フィルムの破断時伸び率は、JIS K 6251に準拠して、温度20℃、初期つかみ間隔100mm、引張速度300mm/分の条件で測定したときに約100%以上、約120%以上、又は約150%以上である。伸び率は測定した試料が切断したときの標線間距離L1(mm)を測定し、初期つかみ間隔100mmを用いて以下の式から求めることができる。
破断時伸び率(%)=[(L1−100)/100]×100
本開示の装飾粘着フィルムは、建築物の外壁又は内壁の装飾に使用することができる。本開示の装飾粘着フィルムを外壁又は内壁の表面保護に用いて、例えばひび割れなどが外壁又は内壁の表面に発生したときにこれらのひび割れ内部への水分侵入などを防止することもできる。本開示の装飾粘着フィルムは、看板などの宣伝目的に一時的に使用されるグラフィックフィルムとしても使用することができる。
本明細書においては、表1に示す以下の略称を使用することがある。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
<カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー(ADH、低Tg(メタ)アクリル系ポリマー)の製造>
BA58質量部、2EHA36質量部、AN2部、及びAA4質量部を、酢酸エチル203質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社、日本国大阪府大阪市)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー(ADH)の酢酸エチル溶液(固形分33%)を調製した。ADHの重量平均分子量(Mw)は500,000、ガラス転移温度(Tg)は−53℃であった。Tgは、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めた。
<アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー(AAP、高Tg(メタ)アクリル系ポリマー)の製造>
MMA60質量部、BMA34質量部、及びDMAEMA6質量部を酢酸エチル150質量部に溶解させ、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(商品名V−601、和光純薬工業株式会社、日本国大阪府大阪市)0.6質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー(AAP)の酢酸エチル溶液(固形分40%)を調製した。AAPの重量平均分子量(Mw)は68,000、ガラス転移温度(Tg)は63℃であった。
本実施例において装飾粘着フィルムの作製に使用した材料を表2に示す。
<評価方法>
装飾粘着フィルムの特性を以下の方法に従って評価した。
1.フィルム物性
JIS K 6251に準拠して引張強度及び伸びを測定した。装飾粘着フィルムを長さ150mm×幅25mmに切断し、プレマスクを取り除いて試料とした。引張試験機(テンシロン万能試験機、型番:RTC−1210A、株式会社エー・アンド・デイ、日本国東京都豊島区)を用い、温度20℃、初期つかみ間隔100mm、引張速度300mm/分の条件でフィルム伸び率が5%の時の張力(N/25mm)及び引張強度(MPa)、破断点(N/25mm)並びに破断時伸び率(%)を測定した。伸び率は測定した試料が切断したときの標線間距離L1(mm)を測定し、初期つかみ間隔100mmを用いて以下の式から求めた。
破断時伸び率(%)=[(L1−100)/100]×100
2.凹凸面に対する初期追従性
装飾粘着フィルムを長さ150mm×幅70mmに切断して試験片とした。プレマスク付き試験片を吹き放し仕上げ塗装基材(最大表面粗さ約1.5mm(頂部−底部間)、株式会社テストマテリアルズ、日本国東京都渋谷区)に貼り付けてプレマスクを取り除いた。25℃の室温環境下で加熱をしない条件で、試験片を基材に対してリベットブラシ(PFA−1、スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)を用いて往復3回押しつけた。その後、凹凸面に対する追従性を目視で確認した。試験片が凹凸面に十分追従していれば「良好」、外観上浮き上がっている部分があれば「不良」と判断した。
3.光沢保持率
凹凸面に対する追従性試験と同様の手順で試験片を準備し、基材に貼り付け、試験片を基材に対してリベットブラシ(PFA−1、スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)を用いて往復3回押しつけた。その後、試験片を貼り付けた基材を65℃で48時間加熱養生した。加熱養生前の初期光沢値及び加熱養生後の光沢値をポータブル光沢計GMX−202(株式会社村上色彩技術研究所、日本国東京都中央区)で測定した。光沢保持率の計算値を次に示す。
光沢保持率(%)=(65℃加熱養生後の光沢値/初期光沢値)×100
光沢値の測定は試験片表面の3点で行い、平均値を代表値とした。光沢保持率が200%未満の場合に凹凸面への養生後追従性を「良好」と判断した。光沢保持率が200%以上の場合に凹凸面への養生後追従性を「不良」と判断した。
4.熱収縮性及び熱安定性
装飾粘着フィルムを50mm角に切り出して試験片を準備した。試験片をアルミ板に貼り付けてからプレマスクを取り除き、25℃で24時間養生した。縦方向に約40mm及び横方向に約40mm、十字に試験片を切断した。さらに試験片を65℃で24時間加熱養生した。加熱養生後、切断部分のフィルム収縮を目盛り付き顕微鏡で測定した。フィルム外観も目視で観察した。フィルム収縮が0.20mm以下の場合に熱安定性は「優良」と判断した。フィルム収縮が0.20mmより大きく0.40mm以下の場合に熱安定性は「良」と判断した。フィルム収縮が0.40mmより大きな場合に熱安定性は「不良」と判断した。
5.ガラス転移温度(フィルム層)
レオメトリック・サイエンティフィック社製RSA−IIIによりフィルム層のtanδ(E”/E’)を測定し、得られた値をガラス転移温度とした。作製したフィルム層を長さ15mm×幅10mmに切断して試料とした。測定条件は次のとおりであった。
モード:引っ張り(Tension mode)
周波数:1.0Hz
温度範囲:20℃〜150℃
温度上昇率(Temperature elevation rate):5.0℃/秒
<例1>
<フィルム層の作製>
ポリオール(POL)とイソシアネート(ICN)をミキサー(T.K.オートホモミクサー、プライミクス株式会社、日本国大阪府大阪市)で混合して樹脂溶液を得た。POLとICNの質量比は固形分換算で100:39であった。得られた樹脂溶液を剥離処理付き50μmポリエステルフィルム上にナイフコータで塗布し、95℃で1分間、155℃で2分間乾燥して、厚さ7μmの透明ポリウレタンフィルム層(PU1)を得た。PU1のガラス転移温度は60℃であった。
<感圧接着性基材層の作製>
酸化チタン、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー(AAP)、及びメチルイソブチルケトンを混合して白色顔料含有溶液を準備した。酸化チタンとAAPの固形分における質量比は5:1であった。白色顔料含有溶液の固形分は約60%であった。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマー(ADH)と白色顔料含有溶液を混合して白色感圧接着剤溶液を準備した。ADH、酸化チタン、AAPの固形分における質量比は100:50:10であった。架橋剤(CL)と白色感圧接着剤溶液を、ADHとCLの質量比が固形分換算で100:0.2となるように混合した。得られた白色感圧接着剤溶液を片面シリコーン処理両面ポリエチレンラミネート剥離紙のシリコーン処理面上にナイフコータで塗布した。塗布した層を95℃で5分間乾燥し、厚さ65μmの白色感圧接着性基材層を得た。白色感圧接着性基材層と透明ポリウレタンフィルム層を貼り合わせて積層した。50μmポリエステルフィルムを除去した。透明プレマスクLD−K1020(日立化成株式会社、日本国東京都千代田区)を透明ポリウレタンフィルム層に貼り合わせて例1の装飾粘着フィルムを得た。
<例2>
フィルム層の厚さを15μmに変更したことを除き、例1と同様にして例2の装飾粘着フィルムを作製した。
<例3>
フィルム層の厚さを30μmに変更したことを除き、例1と同様にして例3の装飾粘着フィルムを作製した。
<例4>
透明ポリ塩化ビニル樹脂溶液を剥離処理付き50μmポリエステルフィルム上にナイフコータで塗布し、65℃で60秒間、155℃で30秒間、205℃で90秒間乾燥して、厚さ15μmの透明ポリ塩化ビニルフィルム層(PVC1)を得た。PVC1のガラス転移温度は50℃であった。
例1と同様にして白色感圧接着性基材層を準備した。白色感圧接着性基材層と透明ポリ塩化ビニルフィルム層を貼り合わせて積層した。50μmポリエステルフィルムを除去した。透明プレマスクLD−K1020(日立化成株式会社、日本国東京都千代田区)を透明ポリ塩化ビニルフィルム層に貼り合わせて例4の装飾粘着フィルムを得た。
<例5>
フィルム層の厚さを28μmに変更したことを除き、例4と同様にして例5の装飾粘着フィルムを作製した。
<例6>
透明アクリル系感圧接着剤を用いて厚さ30μmの透明感圧接着性基材層を作製したことを除き、例1と同様にして例6の装飾粘着フィルムを作製した。
<例7>
透明アクリル系感圧接着剤を用いて厚さ30μmの透明感圧接着性基材層を作製したことを除き、例4と同様にして例7の装飾粘着フィルムを作製した。
<例8>
例1の装飾粘着フィルムのプレマスクを除去して、その上に例6の装飾粘着フィルムを貼り合わせて例8の装飾粘着フィルムを作製した。
<例9>
例4の装飾粘着フィルムのプレマスクを除去して、その上に例7の装飾粘着フィルムを貼り合わせて例9の装飾粘着フィルムを作製した。
<例10>
ガラス転移温度が80℃であるポリ塩化ビニル樹脂(PVC2)溶液を準備した。透明ポリ塩化ビニル樹脂溶液をこのポリ塩化ビニル樹脂溶液に変更したことを除き、例4と同様にして例10の装飾粘着フィルムを作製した。
<例11>
透明フッ素樹脂/アクリル樹脂溶液を剥離処理付き50μmポリエステルフィルム上にナイフコータで塗布し、65℃で60秒間、155℃で30秒間乾燥して、厚さ4μmの透明フッ素系樹脂フィルム層(FR)を得た。
厚さを30μmに変更したことを除き、例1と同様にして白色感圧接着性基材層を作製した。白色感圧接着性基材層と透明フッ素系樹脂フィルム層を貼り合わせて積層した。50μmポリエステルフィルムを除去した。透明プレマスクLD−K1020(日立化成株式会社、日本国東京都千代田区)を透明フッ素系樹脂フィルム層に貼り合わせて例11の装飾粘着フィルムを得た。
<例12>
透明アクリル系感圧接着剤を用いて厚さ30μmの透明感圧接着性基材層を作製したことを除き、例11と同様にして例12の装飾粘着フィルムを作製した。
<例13>
例11の装飾粘着フィルムのプレマスクを除去して、その上に例12の装飾粘着フィルムを貼り合わせて例13の装飾粘着フィルムを作製した。
<例14>
透明ポリ塩化ビニルフィルム層の厚さを16μmに、白色感圧接着性基材層の厚さを29μmにそれぞれ変更したことを除き、例4と同様にして例14の装飾粘着フィルムを作製した。
<例15>
透明ポリ塩化ビニルフィルム層の厚さを19μmに変更したことを除き、例14と同様にして例15の装飾粘着フィルムを作製した。
<例16>
白色感圧接着性基材層の厚さを40μmに変更したことを除き、例14と同様にして例16の装飾粘着フィルムを作製した。
<例17>
透明ポリ塩化ビニルフィルム層の厚さを19μmに変更したことを除き、例14と同様にして例17の装飾粘着フィルムを作製した。
<例18>
透明ポリ塩化ビニルフィルム層の厚さを24μmに変更したことを除き、例14と同様にして例18の装飾粘着フィルムを作製した。
<例19>
PVC1のポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して青色顔料が5質量部となる量で青色顔料を透明ポリ塩化ビニル樹脂溶液に添加してPVC3溶液を準備した。例11のフッ素系樹脂フィルム層上にPVC3溶液を乾燥厚さが8μmとなるように塗布し例4同様に乾燥した。例1と同様の白色感圧接着性基材層を貼り合わせて例19の装飾粘着フィルムを作製した。
<例20>
PVC1のポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して緑色顔料が5質量部となる量で緑色顔料を透明ポリ塩化ビニル樹脂溶液に添加してPVC4溶液を準備した。例19のPVC3溶液をPVC4溶液に変更し、PVC4溶液を乾燥厚さが9μmとなるように塗布したことを除き、例19と同様にして例20の装飾粘着フィルムを作製した。
<比較例1>
スコッチカル(登録商標)ポリ塩化ビニル系フィルムJS1900A(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)を評価した。凹凸面への追従性は「不良」であった。加熱養生後の光沢保持率も「不良」であった。
<比較例2>
スコッチカル(登録商標)ポリウレタン系フィルムVF8000SCL(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)を評価した。凹凸面への追従性は「不良」であった。加熱養生後の光沢保持率も「不良」であった。
<比較例3>
ガラス転移温度が95℃であるポリ塩化ビニル樹脂溶液を準備した。白色感圧接着性基材層の厚さを30μmにし、透明ポリ塩化ビニル樹脂溶液をこのポリ塩化ビニル樹脂溶液に変更したことを除き、例4と同様にして比較例3の装飾粘着フィルムを作製した。
<比較例4>
ガラス転移温度が100℃であるポリウレタン樹脂溶液を準備した。白色感圧接着性基材層の厚さを30μmにし、フィルム層をこのポリウレタン樹脂溶液を用いて作製したものに変更したことを除き、例2と同様にして比較例4の装飾粘着フィルムを作製した。
例1〜20及び比較例1〜4の装飾粘着フィルムの構成及び評価結果を表3及び表4にそれぞれ示す。例2(左)及び例3(右)の装飾粘着フィルムの加熱養生後の外観写真を図3Aに、例8(左)及び例9(右)の装飾粘着フィルムの加熱養生後の外観写真を図3Bに、比較例1(左)及び比較例2(右)の装飾粘着フィルムの加熱養生後の外観写真を図3Cにそれぞれ示す。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることも当業者には明らかである。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[11]に記載する。
[1]
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの樹脂を含むフィルム層と、
少なくとも1つの(メタ)アクリル系ポリマーを含む感圧接着性基材層と、
を有する装飾粘着フィルムであって、前記装飾粘着フィルムの5%伸び時の引張強度が20℃で14MPa以下であり、前記感圧接着性基材層の厚さが前記フィルム層の厚さの1.5倍以上である、装飾粘着フィルム。
[2]
前記フィルム層の上にプレマスクをさらに有する、項目1に記載の装飾粘着フィルム。
[3]
前記フィルム層に含まれる前記樹脂のガラス転移温度が90℃以下である、項目1又は2のいずれかに記載の装飾粘着フィルム。
[4]
前記感圧接着性基材層が、ガラス転移温度が0℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーとガラス転移温度が20℃以上の(メタ)アクリル系ポリマーとのポリマーブレンドを含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。
[5]
前記感圧接着性基材層が、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーとアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーとのポリマーブレンドを含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。
[6]
前記感圧接着性基材層が白色顔料を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。
[7]
前記感圧接着性基材層の厚さが5μm〜100μmである、項目1〜6のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。
[8]
前記フィルム層がキャストフィルムである、項目1〜7のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。
[9]
前記フィルム層が、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールから選択される少なくとも1つのポリオール由来の単位を有するポリウレタン樹脂を含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。
[10]
前記ポリウレタン樹脂が無黄変型ポリイソシアネート由来の単位を有する、項目9に記載の装飾粘着フィルム。
[11]
前記フィルム層がポリ塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含み、前記ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対し、前記可塑剤の量が20質量部〜40質量部である、項目1〜8のいずれか一項に記載の装飾粘着フィルム。